本書は、(現行の)６種類の中学校英語教科書の比較研究で、共著者は森永正治・太田垣正義の両氏である。研究の中心は文法指導ということであり、中学校での英文法の重要指導項目はほぼ取り上げられている。教師のためのやや高度な教材研究および指導法研究を目指したものである。
　小生は、著者代表としての立場から本書全体を組織し企画するとともに、次の５編を執筆している。「中学英語教科書比較研究のすすめ」(第１章)、「存在文と所在文」(第６章)、「未来時表現」(第10章)、「現在完了形」(第13章)、「その他の注意すべき語法と表現」(第15章)。
　いずれもすべての教科書を丹念に比較検討した、実証的な研究である。また、通常1種類の教科書しか扱わない現場の英語教師への橋渡しの役目をもなし得ている。