(問題) 有限体 F=Fq 上の n 次元ベクトル空間 V の2次元部分空間の個数を求めよ。
(考察) 1次独立な2個のベクトルを決めれば、2次元空間はただ一つ決まります。
そこで、2 次元部分空間 W とその基底 (x,y) の組の個数を数えてみましょう。

X = { (W,x,y) | W : 2-dim subspace of V ; x,y : basis of W }

上の集合の元の個数を (W,x,y) の順 と (x,y, W) の順の 2通りに数えれば答えが得られます。
(解答例) 求めたい2次元空間の個数を t 個とします。
2 次元部分空間 W を決めた時、W の中には, q2 個のベクトルがあります。
x は零ベクトルを除いて q2-1 個のベクトルから選ぶことができます。
x が生成する1次元部分空間には q 個のベクトルが含まれるので、
y はそれら以外の q2-q 個のベクトルから選ぶことができます。 したがって、

|X| = t (q2-1)(q2-q)   という式が得られます。

これは X の元を (W,x,y) の順で数えたものです。
今度は (x,y W) の順に数えます。
F は q 個の元からなる体なので V は qn 個のベクトルを含みます。
x は V の零ベクトル以外の qn-1 個のベクトルから選ぶことができます。
x が生成する1次元部分空間には q 個のベクトルが含まれるので、
y はそれら以外の qn-q 個のベクトルから選ぶことができます。
一方、x,y を決めれば、W はただひとつに決まるので、

|X| = (qn-1)(q n-q)   という式が得られます。

したがって、   t (q2-1)(q2-q) = (qn-1)(q n-q)   なので、求めたい t の値が求まります。
一般には 同じ方法を用いて Fq 上の n 次元ベクトル空間 の k 次元部分空間の個数を求めることができます。