(問題) 5 次対称群 S5 には 指数が 4 の部分群は存在しないことを示せ。
(解説) 証明はいろいろありますが、次を示しましょう。 (問題)(問題) の系として得られますね。

(問題) 5 次対称群 S5 の指数が 5 より小さい真部分群は 交代群 A5 だけである。

次のことを示しましょう。
(1) 対称群 S5 の 5 次巡回置換全体がなす共役類 C5 は交代群 A5 を生成する。
(2) 素数 p に対して、 G の位数 p の元 a を含まない部分群 H の 指数は p 以上である。

(解答例) (1)(2) を示したとしましょう。
p = 5 として (2) を用いれば、 指数が 5 より小さい S5 の部分群 H は 5次の巡回置換全体を含み、 (1) より 交代群 A5 含みます。
(1) の証明: 3次の巡回置換 (a,b,c) は (a,b,c) = (x,y,c,b,a)(y,x,a,c,b) なので、 5次巡回置換の積で書けます。
また、(a,b)(a,c)=(a,c,b) かつ (a,b)(c,d)=(a,b)(a,c)(a,c)(c,d)=(a,c,b)(a,c,d) なので 互換の2つの積は3次の巡回置換の積で表せます。

任意の偶置換 σ は 偶数個の互換の積で表すことができ、 2つの互換の積は3次の巡回置換の積で表すことができ、 3次の巡回置換は5次の巡回置換の積で表すことができるので、
σ は5次の巡回置換の積であらわせます。
(2) の証明: 位数が p の元 a が H に含まれないので、〈a〉∩ H = {e} ですね。
H, aH, ... , ap-1H は全て異なる剰余類であり、[ G : H ] ≧ p を得ます。