「その行列は対角行列ですね。」
n 次正方行列において
(1,1) 成分, (2,2) 成分, ... ,(n,n) 成分 を対角成分といいます。
対角成分以外の成分が 0 である行列を対角行列といいます。
例えば、右の行列は対角行列です。
「対角成分以外の成分が 0 である」が条件なので、
対角成分は 0 でも、0 でなくてもかまいません。
したがって、単位行列も、零行列も対角行列です。
n 次正方行列、A と B に対して、
B = P-1AP となるような n 次正則行列 P が存在する時、
A は B に相似であるといいます。
「相似である」という関係は「同値関係」です。
P-1AP が対角行列になるような n 次正則行列 P が存在する時、
n 次正方行列 A が対角化可能であるといいます。
言い換えれば、
正方行列 A がある対角行列と相似である時、「対角化可能」といい、
対角行列とは相似でないならば、
「対角化可能ではない」とか「対角化不可能」といいます。
以上の定義を復習すれば、
右の行列が「対角化可能」かどうかは「明らか」ですね。
「この行列は対角行列ですね。」
「
対角化可能です。」
「対角化可能では
ありません。」