立ち幅跳びの方法・ポイント

立ち幅跳びの方法・ポイント

　立ち幅跳びの測定の準備

	＜屋外で行う場合＞
	砂場・巻尺・ほうき・砂ならし
	砂場の手前（30ｃｍ～1ｍ）に踏み切り線を引く。
	＜屋内で行う場合＞
	マット（6ｍ程度）、巻尺、ラインテープ
	マットを壁につけて敷く。
	マットの手前（30ｃｍ～1ｍ）の床にラインテープを張り、踏み切り線とする。

　立ち幅跳びの測定の方法

（1）両足を軽く開いて、つま先が踏み切り線の前端にそろうように立つ。

砂場では、段差を利用して足をひっかけてはいけません

ラインテープをこさないようにしましょう

（2）両足で同時に踏み切って前方へとぶ。

　立ち幅跳びの記録の方法

（1）身体が砂場（マット）に触れた位置のうち、最も踏み切り線に近い位置と、踏切前の両足の中央の位置（踏み切り線の前端）とを結ぶ直線の距離を計測する。

	（2）記録はセンチメートル単位とし、センチメートル未満は切り捨てる。　（例）154.9ｃｍ→154ｃｍ
	（3）2回実施して良い方の記録をとる。

　立ち幅跳びの実施上の注意

	（1）踏み切り線から砂場（マット）までの距離は、被測定者の実施によって加減する。
	（2）踏み切りの際には、二重踏み切りにならないようにする。
	（3）屋外で行う場合、踏み切り線周辺及び砂場の砂面は、できるだけ整地する。
	（4）屋内で行う場合、着地の際にマットがずれないように、テープ等で固定するとともに、片側を壁につける。
	滑りにくい（ずれにくい）マットを用意する。
	（5）踏み切り前の両足の中央の位置を任意に決めておくと計測が容易になる。

　立ち幅跳びのポイント

＜足だけでなく、腕もしっかり使って跳ぼう＞










①腕をふってタイミングをとろう	②膝もまげてタイミングをとろう	③腕を後ろにひいて、　　　体を少し前に倒しましょう	④腕を前に持ってくるのと　　　同時に跳び始めましょう

体全身を使ってタイミングをとることは、大人でも難しいことです。①～④の内容をもう少し詳しく説明します。

①腕をふってタイミングをとりましょう！！
　「腕をふりましょう」と説明すると、多くの児童・生徒は腕をふりますがタイミングが合っていない人を多くみます。
　腕をふるということは、下半身だけでなく上半身の力もかりて跳ぶことができるようになるのです。しかし、上半身と下半身の動きがうまくあわないと
　うまく遠くに跳ぶことができません。上半身と下半身の動きが連動するような動きが立ち幅跳びでは必要となのです。
　上半身と下半身が連動している動きとは？それを②～⑤で説明していきたいと思います。

②膝もまげてタイミングをとりましょう。
　腕を大きくふったとしても、下半身もしっかり力を出せなかったら遠くに跳ぶことができません。膝もしっかりまげて、下半身の力をしっかり使いましょう。
　収縮したバネと、収縮していないバネ。どちらのほうが高く跳ぶかは皆がしっていますよね。私たちの太もも後ろの筋肉は大きなバネと考えてください。
　また、注意してもらいたいのが腕の振り方です。ひじより先しか動かしていない児童・生徒を多く見ます。腕全体でふらなければ上半身の力はもらえません。
　ひじより先ではなく、二の腕で大きくふることを意識させるようにしてください。

③腕を後ろにひいて、体を少し前に倒しましょう。
　この動きは、前に跳び出すための準備動作となります。立ち幅跳びはどんなに真上に跳んだとしても、前に跳ばなければ数値は低くなります。
　体を前に倒し、写真のように腕をしっかり後ろまでさげましょう。腕を後ろから前にもってくる動きのときに力をいれます。
　その一番大事な部分が少ない＝上半身の力を少ししか出せないということになります。

④腕を前にもってくるのと同時に跳び始めましょう。
　 ④で力を出しましょう。腕・脚で体全身を斜め上にもっていきます。腕を意識しにくい児童・生徒は「腕の力で体をもっていくように」などの言葉がけが必要に
　なるでしょう。　遠くへ跳ぶためには、①でも話しましたが上半身と下半身両方の力をあわせることが必要になります。

＜膝をかかえこむように着地しよう＞

　踏み切りでしっかり上半身と下半身のタイミングをそろえることができたら、今まで苦手だった児童・生徒も数値はあがっていくでしょう。しかし、幅跳びは踏み切りだけが重要なわけではありません。力強く跳んでも着地で失敗し、手を後ろについてしまった。計測時には、後ろの手から測らないといけません。10ｃｍは損をした！！そんな児童・生徒もいるのではないでしょうか。
　しっかり体を前のめりにしながら着地しなければいけません。手を前につくように指導するのもありかもしれませんね。
　また動画・写真をみてもらってもわかるように、空中で体をおりたたんでいます。体をおりたたむことにより、足が前に出てくるので距離をかせぐことができるのです。この動作は、空中に長くいることがポイントになります。

　立ち幅跳びは、どのくらいうまく全身の力を使えるか（巧緻性）によって大きく左右します。人によって感覚は違うもので教えるのには少し難しいかもしれませんが小学生は巧緻性が一番伸びやすい時期です。いろいろな運動遊びを経験することが数値をあげる一番の近道かもしれません。