エルステッドによる電流から生じる磁場の発見


エルステッドは、夜間講義で電線に流れる電流が熱と光を発生させる公開実験の準備をしていて、 たまたまその近くに方位磁石が置いてあって、電線に電池から電流を流すスイッチを入り切りしたときに、 北を指していた磁針が少し変化したのに気付き、大変驚きました。 この現象は電線に電流を流すとその周りに磁界が出来るから磁針がその磁界の影響で振れるにだと考え、 磁界と電流の相互関係を示す直接的な証拠であると確信しました。 再び実験を繰り返し、磁針の上または下に平行に電気を流すと針は大きくふれること、電流の向きを逆にすると 針は逆向きを指すことを確かめ、そのことをわずか4ページの論文にまとめました。
この現象は自然界の一つの力(電気力)が別の力(磁気力)に変わりうることを実証して見せました。これまで電気と磁気は関連のないものだと考えられており、電気学と磁気学にわかれていました。 この時初めて、電磁気学が誕生したのでした。
エルステッドはその後、電線と磁針の間にガラス、金属、木材、水、樹脂、石…等いろいろな物質を入れてみたが、 磁針の動きにはほとんど変わりがないことにも気がつきました。
彼はさらに実験を続け、この磁針のふれは電池の電圧よりもむしろ金属板の表面積つまり電気量によることを明らかにしました。 彼は電解液を入れた銅製の箱に表面積100平方インチの亜鉛版を入れた電池を使って、 導線より3フィートも遠くに置いた磁針を動かしました。これは逆に磁針のふれで電気量(電流の強さ)を 測定できるはずだという期待を持たせました。

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