鉱物の比重の決定

 18世紀後半でも,鉱物の決定には重さを手で感じる方法が使われていた。

 ”重さ”という鉱物にとって重要な特徴がどのよ うに考えられていたと いうことは,ヴェルナー(ドイツの鉱物学者。1750〜1817)が,「この実験(ニコルソンの比重計)は鉱物学では実地に使えな い。なぜなら,それに必要な道具をすぐそろえる ことがどうしてできようか。またどこの標本館で,鉱物学者に蒐集鉱物をも ち いてそんな実験をやらせてくれるところがあろうか。このばあい,私たち はどうしても自分の手を使って,鉱物を上の方にもち上げなければならな い。そうすれば,目分量で判断して容積を決めたうえで,相対的な重さがど れほどになるかは,わたしたちの感じから知ることができる。」と言っていることからもよくわかる。

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参考文献 新訳ダンネマン第5巻