ドップラー Doppler,(Johann) Christian (1803-1853)


 出身…オーストリア
 職業…物理学者

 救急車の「ピーポー,ピーポー」という音が, 通過後には変化しているなどという現象は有名ですね。 それを理論的に示した人が,ドップラーです。
 彼は早くから数学の才能を示し, ウィーンの工科大学卒業後は物理学と数学の家庭教師をしながら研究を続けていたそうです。 その後もプラハやウィーンにて教授職を経て,ヴェネツィアで肺病のため亡くなりました。

 ドップラーは,「観測者に向かって動いている音源からの音波が, 止まっているときより大きな振動数で観測者に到達するために高くきこえ, 逆に離れていく音源からの音波は, 止まっているときより小さな振動数で観測者に到達するために低くきこえる。」 とドップラー効果を説明しました。 そして1842年に,観測される振動数の変化を数学的に導きました。

 この原理の初めの実験は,1845年にオランダのユトレヒトにて行われました。 これは,機関車の無蓋客車からトランペット奏者が楽器で音を発し, 音を聴き分けることのできる音楽家の横を通りすぎる,というもので, 結果はドップラーの方程式を確実なものとしました。



参考文献
D・アボット(渡辺正雄 訳)/世界科学者事典-4 物理学者(原書房)
物理学辞典編集委員会編/物理学辞典 改訂版(培風館)