ガッサンディ gassendi ,pierre (1592-1655)


 出身…フランス
 職業…哲学者,数学者,物理学者

 アビニョンで神学の学位を取得し,ディーニュの司祭,エクス大学哲学教授を経て, 1634年にはディーニュ聖堂参事会長となり, その後コレージュ・ロワイヤル数学教授を務めました。

 彼はアリストテレスの哲学を批判し,エピクロスの原子論を復活させ, その観点から光の粒子論を唱えました。そして,音の伝搬もまた,発音体から目に見えない微粒子が放射され,空気中を透過して耳に作用するものであると考えました。 1634年に初めて音速を実測し,光の伝搬は瞬間的であると仮定した上で, 銃の発射の閃光と発射音との時間差から479.4m/sを導き出したました。

 彼のキリスト教的原子論は,ボイルの「粒子哲学」に大きな影響を与え, ニュートンに受け継がれたそうです。



参考文献
D・アボット(渡辺正雄 訳)/世界科学者事典-4 物理学者(原書房)
物理学辞典編集委員会編/物理学辞典 改訂版(培風館)