身近な振動と共鳴の数々

タコマ橋の落下



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(MPEG 684KB)

 どうですか?(って言われても…)これはアメリカ、ワシントン州で1940年11月7日に起きたタコマ橋の落下事故の映像です。タコマ橋は同年7月に開通してわずか4ヶ月後、しかもたった風速19m/sという風によってねじれ振動が生じ、その振幅が増大してケーブルが破断され、遂には落下してしまいました。しかし風による力を考慮に入れた設計(*)がなされており、計算上では風速60m/sまで耐えられるはずでした。
tacoma
 この事故には風と橋の共振が関係しています。もっとも、風が周期的に吹いていたわけではありません。風が吹くことで橋の周りに渦ができて、その渦からの周期的な力とタコマ橋のねじれ振動が共振を起こしてしまったのです。(渦励振)
    ≪タコマ橋の問題点は2つ。≫
  1. 「たわみ理論を盲目的に使った」〜最大限に計算し尽くされた最小限のサイズを用いた。最先端の橋だったはずが…
  2. 「橋桁の形が不安定」〜プレートガーターという扁平なH型の断面をもった橋桁だった。つまりうすっぺらのぺらぺら。橋桁が変形しやすい(剛性の小さい)構造だっため揺れやすい橋になった。
 このタコマ橋の事故をきっかけに、テイ橋(*参照)で学んだ「風荷重(静的荷重)」だけではなく風と橋が作り出す渦による「ダイナミックな風のメカニズム(動的作用)」を考慮にいれ、空気力学的に安定した断面を持つ橋桁が必要だという認識が広がりました。

 他に兵隊の行進で落橋してしまった例もあります。next

*イギリスのテイ橋が強風で落下した事故の反省と、20世紀にはいってから確立された「たわみ理論」という吊橋の設計理論の上にたっていました。


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