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電圧ってなに??

みなさんは,オームの法則を習った時,もしくは電気の実験をした時に,こんなことを思ったことないですか?
くまちゃん

オームの法則には電流,電圧,抵抗という言葉が出てきますね。電流というのは,電気の分野に入ってすぐに出てきた言葉だと思います。また,電圧というのは電流との関係のところで出てきますね。抵抗はオームの法則を習ったときに出てきたのではないかと思います。
電流と抵抗は,言葉の意味がそのままであり,実験をした時にも「電気が流れている」「抵抗があると,電気の流れが邪魔されるので電流が流れにくい」などということを電流計で見て確認することができます。
電圧というのも電圧計で数値を読みましたね。ここでみなさんに質問です。電圧計とはいったい何を計っているのでしょうか?電圧とは一体どのようなものなのかいまいちよく分かりませんよね。
電圧というのは説明しにくい上に,目で見て分かるものではないので,とらえにくいものなのです。
では一度,オームの法則に出てくる電流,抵抗,電圧について定義しておきます。



○電流・・・・・・・・電気の流れのこと。
○抵抗 (電気抵抗)・・・電流の流れにくさの度合いを表すもの。
○電圧・・・・・・・・回路に電流を流そうとする働き。


この説明は教科書などに載っているものです。しかしこれを見ても「えっ?」「よく分からなーい!!」と思うかもしれません。電気の世界は難しいですね・・・ では,この目に見えない世界をすこしずつ紐解いていきましょう!! まずは,次の図を見て下さい。
圧力と考えてしまうと,難しいと思います。そして実際に電気の圧力ではありません。
よく水流モデルが使われています。みなさんも見たことがあるかもしれません。一度水流モデルを示しておきます。
水流モデル


これは電気回路を水の様子に例えた水流モデルです。みなさんも目にしたことがあるかもしれません。
この絵を観ると
ポンプ→電池,水の流れ→電流,水の落ちる差(落差)→電圧,丸太→抵抗

となっていますね。そう!!電気の流れと,水の流れは少し似ているのです。
では,それぞれについて見て行きましょう!!

「電流」

水がどのくらい流れているかを知りたいときには、水が流れているところに計る器具を入れますよね?だから電流がどのくらい流れているかを知りたいときには,電流計を回路の中に直列につなぐのです。

「抵抗」

抵抗については,水の流れの中に入れたら、その先に流れる水の量は少なくなりますね。これと同じで、抵抗がある分、そこを通るのが大変になるので、電流が流れにくくなってしまうのです。

「電圧」

電圧についてです。教科書の説明のように“電流を流そうとする働き”と聞いたら、“電流を流そうとする力”や“圧力”のように思いませんか?電圧という言葉自体、言葉をそのまま見たら“電気の圧” ですよね。でも違うんです!!電気の圧力ではありません。
絵を観ると、「電圧って落差に表せるの?」と感じるかと思います。水が上にある時と下に落ちたときのエネルギーの差が電圧になのです。差を測るには、2つの場所が必要ですよね。
ここで注意!!「2つの場所で計るのならば、電流計だって2つの場所でつないでるではないか!!」と思った人もいるかもしれません。
電流のところでも説明したように、電流計はそこに流れているものを計っています。
しかし、電圧計というのはある点ともうひとつの点の場所の差を測っているので、そこに流れているもの自体を計っているのではありません。

説明だけだと分かりにくいので図で説明したいと思います。



絵で見る電圧の説明