社会科教員を目指す学生のための教科専門「社会」の授業の多くは,人文・社会諸科学の学問の成果としての内容や方法などの知識の教授や探究の仕方を教授・習得することが行われている。そのことは学問の成果である内容・方法と,教科の目標・内容・方法と教育実践とをどのように関連付けるのかを履修者に委ねることになる。そして,履修者の多くは人文・社会諸科学の学問の成果を教科内容として教えることが「社会」科の内容と受け止める。結果,学校現場における教育実習や模擬授業のための教材研究は,教科書の内容をどのように教えるかについてに注意を払い,指導方法や学習形態の工夫・改善を行う。その際,授業者は個々の社会事象をどのように学習者に解説すればよいかに終始していることが観察される。pp.201-210
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