走査型電子顕微鏡で見た生物の世界
- 平成21年12月、実践学校教育講座環境科学実験室に卓上型走査
電子顕微鏡(Mighty-8DX)が導入されました。授業等での活用以外に、いろいろ撮影した写真をここで公開しま
す。なお、写真の倍率は特定のサイズでプリントアウトした場合の数値ですので、画面上の倍率ではありませ
ん。スケールバーを参考にして下さい。
- 走査型電子顕微鏡についてはここを見て下さい。
- 動物教材
アリ

- 柏原キャンパスで捉えたアリの顔面です。たぶん
クロヤマアリです。

- 同じアリの複眼です。複眼を構成するドーム状の個眼のレンズがきれいに並んでいます。
ヒトの血球

- 私の血液です。押しつぶしたアンパンのように見えるのが赤血球で、その十分の1くらいのサイズのクシャッと丸めた紙くずのようなものが血小板です。
イトマキヒトデの精子

- 微速度撮影のところでも扱っているイトマキヒトデAsterina pectiniferaの精子です。円錐形の頭部を持つ一般的なイメージの精子とは異なり、頭部が球形です。
植物教材
ムラサキツユクサの葉の気孔

- ムラサキツユクサTradescantia ohiensisの葉をカミソリで切断した断面に
見られた気孔の断面です(中央)。左半分が葉の裏側で、気孔の表面も見えます。ムラサキツユクサはツユクサ科ムラサキツユクサ属の単子葉植物で、生物の学生実験でよく利用されますが、北アメリカ原産で日本に自生していません。観賞用に栽培されているものがほとんどですが、あまり人気がないのか、残念ながら園芸店で見かけたことがありません。
カラアキグミの葉の裏面


- カラアキグミElaeagnus umbellata var. coreanaの葉の裏面です。カラアキグミはグミ科グミ属の双子葉植物でミチノクアキグミとも呼ばれます。下段に示したように、葉のおもては緑色ですが(左図)、裏側は銀色に見えます(右図)。SEMの画像でよくわかるように、葉の裏には傘を広げたような星状毛があり、特に裏側には傘が重なるように密生しているため、表に比べて白っぽく見えます。
クロマツの葉の気孔

- クロマツPinus thunbergiiの葉です。クロマツは雄松とも呼ばれ、日本と韓国の海岸に自生するマツ科マツ属の針葉樹です。葉の長軸に平行に気孔が9列に並んでいます。孔辺細胞のような構造は見られません。
センペルセコイアの葉の気孔

- センペルセコイアSequoia sempervirensの葉です。センペルセコイアはアメリカオレゴン州南西部からカリフォルニア州中部の太平洋沿岸に分布するスギ科セコイア属の針葉樹で、レッドウッドとかアカスギとも呼ばれます。高さ110mに達する樹高世界一の木として知られます。葉はやや扁平で、葉の軸に沿って左右に気孔が3〜4列ずつ並ぶ帯状の部位があります。
レバノンスギの葉の気孔

- レバノンスギCedrus libaniの葉です。レバノンスギは名前に「スギ」とついていますがスギ科ではなく、マツ科ヒマラヤスギ属の針葉樹です。レバノンやシリアなどの高地が原産地ですが、レバノンスギの森はほとんど消滅し、現在はわずかに世界遺産に登録されている「カディーシャ渓谷と神の杉の森」に残る程度です。レバノンの国旗や国章のデザインにも用いられています。本学には石黒マリーローズ先生のご紹介で贈られた苗木が植えられました。葉の軸に沿って気孔が1〜2列に並んでいます。
アサガオの柱頭と葯

- アサガオIpomoea nilの柱頭です。乳頭状の突起が多数集まった塊が集まっています。アサガオはヒルガオ科サツマイモ属の双子葉植物で、日本でもっとも発達した園芸植物のひとつです。ただし、本種の品種は不明。右側に少しピントが外れていますが、葯が見えます。
アフリカホウセンカの花粉

- アフリカホウセンカImpatiens wallerianaの花粉です。アフリカホウセンカはツリフネソウ科ツリフネソウ属の双子葉植物で、園芸ではツリフネソウ属のラテン名Impatiensをそのままカタカナ読みしてインパチェンスと呼ばれることが多いようです。またこの花の花粉は花粉管の伸張が早いので、生物学の実習で花粉管の伸張の観察によく用いられます。
その他の教材
大腸菌

- 寒天培地で培養した大腸菌をカバーガラスに擦り付けて
固定したものです。
珪藻土

- 珪藻の殻は二酸化珪素でできていて、これが大量に沈殿し
て堆積したものが珪藻土です。ローカルな表現かもしれませんgな、大阪マルビルのようなものも見られます。これは能登珠洲市産の珪藻土を見たものです。

- これは上の写真の一部(大阪マルビル様のもの)をさらに拡大したものです。
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