「ポリ袋をつないでみると」


ポリ袋に空気を入れると、フックラ膨らみます。

そのポリ袋を切り開き、1枚のシート状にして、いくつもつなぎ、もう一度袋につなぎ直すと、大きな袋ができます。

「どれぐらいの大きさにしよう」「どんな形にしよう」

今までに経験の無いスケールの大きな活動に子ども達の心は期待に一杯になります。

普通のゴミ用のポリ袋でもできますが、□□H◇NS等に行くと、サニタリーのコーナーで透明感のある美しい色のポリ袋を手に入れることができます。

グループで話し合いを基に大きさや形、色の組み合わせ方を決め、活動に入っていきます。

大きさを追究する班もあれば、高さを追究する班もあります。この班では、高さを狙ったのですが、普通に立てると、高すぎて途中で倒れてしまいました。そこで「ロケットタワー」に昇って、できるだけ高いところで支えることで見事、作品は立ち上がりました。 形をつくるところもあります。思わず手の部分に自分の手を伸ばしてしまうのは、大きさや高さに対するあこがれがあるからでしょうか。

この活動は、作品が手元に残るわけではなく、具体的に何かの形を表すわけでもありませんが、「大きさ」や「高さ」という身体全体で感じることを力いっぱい楽しむことになります。空気を孕んでモコモコとした感触を抱きついたり、抱えたりして感じます。記録や作品に残らない、しかし、子どもの記憶や身体感覚にしっかりと残る活動になります。

造形遊びの実践紹介でよく見られる題材です。

ポリ袋を切り開く際には、物差しにカッターをあててまっすぐに切る方法に初めて出合います(ポリ袋は柔らかいので、初めてのカッターナイフの扱いでも抵抗なくできる)。大きなポリ袋をセロハンテープ(ガムテープサイズ)でつなぐ時には、しわにならないように押さえる人、テープを貼る人、テープを切る人に別れて協力するなど、様々な技能的な面での学びがあります。友だちどうしの協力ができるようになる中学年だからこそできる造形遊びの代表的な例の題材でしょう。

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