E-MAIL 大阪教育大学 国語教育講座 ←戻る counter
二次案内
大阪教育大学国語教育講座主催

第3回 比較国語教育シンポジウム

国語教室におけるコトバ作りと創造性
−書くことの教育の新しいアプローチ−

日時と会場

 開催日会場地図
1日目 2006年12月2日(土)
12:30〜17:00
大阪教育大学天王寺キャンパス
(212中講義室・215大講義室)
概略駅から
2日目 2006年12月3日(日)
10:00〜16:40
大阪国際交流センター2階 小ホール 概略駅から

提案者

ガブリエーレ・リコ(米国サンホセ州立大学)
カスバー・H.シュピナー(元 独国アウグスブルク大学)
野浪 正隆(大阪教育大学国語教育講座)

参加費:無料

ただし,3日のみ,同時通訳受信機使用量800円をご負担下さい

ごあいさつ

 「国語教室におけるコトバ作りと創造性」―これは言い古されたスローガンのように響くかもしれません。しかし今現在においても,また未来に向かっても,このことはコトバの教育にたずさわる私たちが絶えず問い直していかねばならない課題と言えます。なぜなら私たちはコトバの創造性,すなわちコトバが人間という存在をたがやし,またその人間がコトバを紡ぎだしていくという,重要な働きに対して希望を持ち続けているからです。
 そのようなテーマに取り組むべく,今年3回目となる大阪教育大学国語教育講座主催の国際比較国語教育シンポジウムでは,アメリカ,ドイツより著名な専門家をお招きいたしました。現代のコトバの教育において創造性をどのように基礎づけ,また創造性を拓く具体的な方途をどのように構想していけばよいかについて,新しい可能性と方向性を指し示していただけることと期待しております。
 今回,初日のワークショップにおきましては実践的な作業体験,そして二日目のシンポジウムにおきましては理論的提案と,それをふまえた後続のディスカッション参加の形で,具体に接し,意見を交換しあう場が設けられています。この機会に多くの方がご参加いただけますならば幸いに存じます。

大阪教育大学教育学部教員養成課程 国語教育講座主任
堀 淳一

提案者 プロフィール

ガブリエ−レ・リコ氏 (Prof. Dr. Gabriele Rico)

ガブリエ−レ・リコ氏写真

ドイツに生まれる。サンホセ州立大学の英語学および創造芸術の教授であり,書くこと,学習,創造的プロセスに対する脳研究の応用を幅広く講じている。スタンフォード大学博士課程在学中(1976)に,創造性,大脳両半球の研究,書くプロセスの関わりを考究する中で,クラスタリング法を開発。以後,それを基軸とした書くことのワークショップを数多く展開。 近年の研究の重点は,創造性における,即興,遊び,人間の時間意識の役割。主著"Writing the Natural Way"(初版1983,第2版2000)は50万部を超えるベストセラーとなり,また同書を通して提案されたクラスタリング法は世界的な広がりをみせている。

カスパー・H. シュピーナー氏 (Prof. Dr. Kaspar H. Spinner)

カスパー・H. シュピーナー氏写真

1941年,スイスに生まれる。ジュネーブ大学助手,カッセル総合大学(助)教授,ライン・ヴェストファーレン工科大学正教授を経て,1988年よりアウグスブルク大学独語・独文教授学講座主任教授。 80年代以降のドイツ語教授学を代表する人物であり,ドイツ語教授学シンポジウム会長(1996-2000),雑誌"Praxis Deutsch"の共同編集者としても活躍。研究の重点は,ドイツ語科教育の方法論―特に,想像的・創造的・生産的方法。主著に『ドイツ語教育における想像的で情意的な学習プロセス』(1995),『創造的なドイツ語教育 アイデンティティ―想像力―認知』(2001)がある。

野浪正隆(Prof. Masataka Nonami)

野浪正隆似顔絵

1955年,兵庫県に生まれる。大阪教育大学大学院を修了後,公立高等学校教諭を経て,現在,大阪教育大学教育学部国語教育講座教授。専門は文章表現論。小説・物語の叙述内容と叙述方法(なにを・どう書くか)を分析することによって叙述機能(どういう効果が生じているか)を明らかにすることが,近年の研究課題である。また,一日一句を目標に俳句を実作し,歳時記や自作の「ランダム俳句生成スクリプト」を用いて創作する。今回の提案は,このランダム俳句に関する内容である。近年の論文には,「限定視点を生成する叙述」(2001),「時代小説の冒頭表現」(2004)がある。野浪研究室へ

* 大会の日程

1日目:ワークショップ   12月2日(土) 大阪教育大学天王寺キャンパス

11:30−12:30受付
12:30−14:30ワークショップ 1回目 212中講義室・215大講義室)
14:30−15:00休憩
15:00−17:00ワークショップ 2回目 (212中講義室・215大講義室)
17:30−19:00レセプション (天王寺キャンパス 大会議室)

ガブリエーレ・リコ氏によるワークショップ 

 「書くことの21世紀型指導法―クラスタリング,再現法の活用と右脳のはたらき」
学習行為に関する最近の調査・研究の主なところを紹介した上で,グループに分かれ,聞く,書く,話し合う活動を中心に,クラスタリング,再現法の実際を体験し,授業に役立つ具体的な提案を行う。
(1回目 215大講義室,2回目 212中講義室)

カスパー・H. シュピナー氏によるワークショップ

 「小さな詩を書くための幾つかの提案」
1990年代以降,ドイツの国語教室において広がりをみせてきた"創造的に書くこと"(Kreatives Schreiben)の方法の中から,小さな詩を書く3つのプログラムが,参加者の作業課題として提案される。
(1回目 212中講義室,2回目 215大講義室)

2日目:シンポジウム   12月3日(日) 大阪国際交流センター

09:20−10:00受付
10:00−10:10開会
10:20−12:00基調提案@:カスパー・H. シュピーナー氏
創造的に書くことの基本諸原理としての刺激と豊かな表現と想像力
(Irritation, Expression und Imagination als Grundprinzipiendes kreativen Schreibens)
ドイツにおける伝統的な作文教育の対立軸としての"創造的に書くこと"の原理が,「刺激」,「表出」,「想像力」という3つのキー概念から解説される。それを踏まえた上で,"創造的に書くこと"の実践可能性と,生徒が書いたテクストを評価する幾つかの観点が提案される。
12:00−13:10昼食・休憩
13:10−14:10基調提案A:ガブリエル・リコ氏
現代社会における書くことの教育の意味と方法―脳のはたらきと母語教育
(The Why and How of Teaching Writing in Today's World: The Learner's Brain and the Mother Tongue)
今日,書くことの学習は,単なる機械的暗記法ではなく,脳の働きに基盤を置いた教授法の開発とその可能性に着目すべきである。なぜ,どのように,脳は言語を学び,書く営みに関っていくのかという理解に基づき,学びたいという本質的な"飢餓感"を重視した「母語」教育のありようを,教授理論と具体的な方法を通して提案する。
14:10−14:40基調提案B:野浪正隆(本学教員)
近現代俳句をランダムに組み合わせたランダム俳句を用いた俳句創作
ランダム俳句とは,近現代俳句3203句を5・7・5に切って俳人の名前を付けたデータから,ランダムに5・7・5をそれぞれ取り出して合成した俳句。俳句になる場合もあるが意味統一できない場合が大半である。日常的感覚では結びつかない二物が衝突する場合があって,俳句を作るときの刺激になることを提案する。
「ランダム俳句……」のパワーポイントファイル
14:40−15:00休憩
15:00−16:30フロアとのディスカッション
16:30−16:40閉会

* お申し込み先

松山雅子() TEL&FAX 0729-78-3530
土山和久() TEL&FAX 0729-78-3528

 配付資料の準備および同時通訳機器の手配の都合上、11月28日までに、e-mail・Faxのいずれかの方法で、以下の事項を明記して、お申し込みください。

・ 氏名(ふりがな):
・ 所属     :
・ 連絡先 e-mail:
・ 参加予定   :初日のみ、二日目のみ、両日
・ 12月2日(土)のレセプション(一般2000円・学生1500円):参加します・参加しません

* 備考

E-MAIL 大阪教育大学 国語教育講座 △ ページTop ←戻る
mailto: nonami@cc.osaka-kyoiku.ac.jp