申英カン | ある日、蛍は故郷の川岸へ散策にいった。 | |
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nonami | (描) | 川の流れの中に何かが光っていた。 |
翔 | (描) | 「ヤマメかよ!」 |
いっこう | (説) | きらりと光った姿を蛍は宝石だと勘違いしたのだ。 |
や | (記) | 強欲なほたるは完全に名前負けしていた。 |
わたなべっくすくす | (記) | 蛍は小さい頃からいつも、自動販売機に潜っていた。 |
ぺー | (描) | きれいな名前とは裏腹に、ほたるは無意識のうちに川に潜っていた。 |
申英カン | もう秋だから水は冷たかった | |
ぺー | でも、川の宝石のような光がほたるの体を突き動かしていた。 | |
わたなべっくすなり〜 | (説) | 蛍の体はある部分が特に光っていた。 |
あおやまんまんさま | そう、蛍は実はカツラをつけていたのだ。 | |
いっこう | それは最先端のエアフォーライフなどの上等なものではない。 | |
翔 | 「とぶって!とぶって!」 | |
nonami | 店員はそういって、別のカツラを勧めたが、もちあわせがなくて、しかたなく、安物のにするしかなかったのだ。 |
ぺー | 今にも降ってきそうな空の下。 | |
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申英カン | (描) | 雨がしとしと降っていた。 |
nonami | 英子は黄色い折りたたみ傘をバックから取り出して、広げた。 | |
翔 | (説) | この黄色い傘は、依然付き合っていたマルコに貰った物だ。 |
いっこう | (説) | マルコは英子が黄色を好きなのを不思議がっていた。しかし、その日が二人にとって特別な日であったのだ。 |
あおやまん | (説) | その日二人は初めて肉体関係を結んだのだ。 |
わ○なべっくす | (説明) | その時マルコの傘は、雨でびしょぬれだった。 |
○ー | (記) | 窓には雨が滝のように流れ、そんな中で二人は抱き合っていた。 |
○○○べ | 英子もある意味滝のようであった。 | |
あおや漫画喫茶 | (説) | 誠実な人柄とは裏腹にマルコは激しく私の体を求めてきた。 |
いっこう | (描) | 火照った体を冷たい指先がそっとなで、一瞬あついものを感じた。 |
しょう | 英子はマルコにそうされる瞬間が嫌いではなかった。 | |
nonami | (描) | 部屋の中にはスティービーワンダーの「I just call to sey I love You」が静かに流れていた。 |
申英カン | わざといい雰囲気を作ったのに、英子の気持ちはぜんぜんわからない |
22110 | 山下はひとり教室で、皆が来るのを待っていた。 | |
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ペー | (描) | 「みんな〜!ごめんごめん。待ったー!?」 |
申英カン | 山下は携帯でみんなに連絡をした。 | |
nonami | さっきの幻聴が耳にこだまするなか、呼び出し音が小さく聞こえた。 | |
翔 | 「なんていうか、ハミってんのかな、、、俺。」 | |
いっこう | 「これすごいよぉ〜敦煌、敦煌!みんなミスタードーナツでバイトしてお金ためようよ!すごいよぉ!」 | |
あおやまん | しかしそこにはだれもいなかった。 | |
わたなべっくす | 山下はしばらくひとりで三国志のビデオを見ようとしたが、相変わらず上手く作動させることができなかった。 | |
あおやまんとひひ | ひそかに持参していたエロビデオをさっとかばん中から取り出そうとしたときだった。 | |
いっこう | 「あれぇ〜おかしいよぉ!昨日ね、家で予習してきてね、かばんの中に入れたのに?どっかに落としたかぉ、やばいよぉ」 | |
しょう | やっと探し出したエロビデオをデッキに入れ、再生ボタンを押したその瞬間! | |
nonami | ガラガラと教室のドアが開いて、山下の片思いの相手である亜由美が入ってきた。 |
aoyama | なぜこんなことになってしまったのか。 | |
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わたなべっくす | (説) | 太郎は朝から、お客に出すしめ鯖を料理していた。 |
ぺー | ただ、鯖ではなく、鰯だったということに太郎はまだ気付いていない。 | |
申英カン | 「おい、何をするの」 | |
nonami | しかし、同じ青魚なので、それなりに寿司の形になっている。 | |
翔 | (説) | 太郎は2ヶ月前、この寿司屋にはいったばかりだ。 |
いっこう | (描) | 太郎にもうあとはなかった。「あの時・・・」 |
あおやまん | 「かっぱ寿司と間違えてこんなすし屋に就職しなければこんなことには・・・」 | |
いっこう | (説) | 太郎はかっぱす寿司の広告をみて電話したはずなのに・・・。 |
翔 | 親方の怒鳴り声で、一気に現実に引き戻された。 | |
nonami | (描) | 柳刃の包丁が人差し指の第二関節を切り裂いた。 |
申英カン | 傷は大きかったのに痛くなかった | |
ぺー | 太郎の頭の中は、親方にこのことを打ち明けることでいっぱいだった。 | |
わたなべっくす★ | (説) | 親方の頭もおそらくエアフォーライフであろう。 |
いっこう | 突然空から信じられないほどの雪が降ってきた。 | |
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22109 | (描) | 今までの鮮明な世界を雪が穏やかにぼかしていく。 |
わたなべっくす | (描) | 「皆〜八時だよ〜!」 |
ぺー | テレビから無駄に元気な声が聞こえる。 | |
申英カン | (説) | 毎日のように母がキッチンで声をかけた |
nonami | 八人家族の家事をこなす母のパワーは半端ではない。 | |
翔 | (記) | 「ご飯できたわよ〜!」 |
いっこう | 「僕いらないよ・・・」 | |
翔 | (説) | 由佳と別れたばかりで、とても食べる気分にはならなかったのだ。 |
nonami | 昨夜は、半分残っていたウィスキーのボトルを空にしたのだ。 | |
申英カン | (説) | 初恋だったのに一ヶ月ですぐ振られた。 |
ぺー | 頭が割れそうに痛いが、それ以上に心が痛い。 | |
わたなべるなるど | (記) | 勝成は、心の痛みを抑えるためにテレビの下にある秘密の引き出しに手をかけた。 |
あおやまごむすめ | そこには、幼いころから溜め込んだあるコレクションがずらりと並べられていた。 | |
○○ | 半分以上は痴漢ものだ。 |
翔 | 「いやいや、困ったな。どうすりゃいいか分かんないよ。」 | |
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いっこう | (説) | 不気味な男は盗んできたありったけのお金のすべてをどこかで落としてしまったのだ。 |
22109 | あのお金が公になってしまったらまたもとの一文なしに逆戻りだ。 | |
わたなべっくす | (描) | 「チッまいいったな。やっぱり韓国パブなんかに行くんじゃなかったぜ・・・」 |
ぺー | (説) | いつもはフィリピンパブにいっていたこの男は金を盗んで気持ちが大きくなっていたに違いない。 |
申英カン | そして男はもう一度韓国バブにいって探すことにした | |
nonami | 「わすれものなんて、なかったヨ」と眠そうな目をこすりながら、若い男が答えた。 | |
しょう | (説) | どこかうらぶれて見えるこの男は、店のバーテンである。 |
nonami | (描) | 店内は薄暗く、トイレの交換式タオルの放つ臭いで満ちていた。 |
申英カン | (記) | しかし、お金をおもうとやり気満々だった。 |
ぺー | (記) | 店内を隈なく探す男の姿がそこにはあった。 |
わたなべるでぃ1969 | (説) | 男の頭の中は金とパブと三国志のことしか無かった。 |
あおやマーガレット | (描) | 「うひゃー!!!」男は訳もなく突然大声で叫んだ。 |
いっこう | 「あの美人みてぇ!声かけてくるよ!もうババンバンだよぉ」 |
nonami | 朝日が昇ってきた。 | |
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翔 | (描) | 空はパレットをぶちまけた様に、美しく色を変えていった。 |
いっこう | (描) | すがすがしい朝の空気が目覚めをはやめる。 |
あおやまん | (記) | 悩み事の多かった最近の中では最もよい朝だ。 |
わたなべっくす2004 | (描) | 外では子ども達がベーゴマに熱中している。 |
ぺー | あの楽しかった子どもの頃のことが思い出された。 | |
申英カン | (描) | その時、弟の弘と親しんだけど大人になって関係がよくいけない。 |
nonami | (記) | 「待ってくれよー」 |
申英カン | 弘はいつも一緒に遊ぼうとした。 | |
ぺー | (説) | 独りでいるのは嫌いだったが、なつかれすぎるのはもっと嫌いだった。 |
わたなべーこん | (記) | 忠史は小さい頃から友達が少なく、いつもひとりで三国志(?)ばかりを見ていた。 |
あおや万華鏡 | ラベルをよく見ると「三国志」の下にうっすらと「痴漢電車」という字が読み取れる。 | |
いっこう | 忠史は幼心にあついものを感じていた。 | |
翔 | 電車が好きになったのは、そのお陰といっても過言ではない。 |