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受講生作品「説明文」

「アカウミガメの一生」
「ウミガメが大きくなるまで」
「オオワシの一生」
「カエルの一生」
「カブトムシが大きくなるまで」
「かぶとむしの一生」
「カブトムシの一生」
「カメムシの一生」
「コウモリが大きくなるまで」
「ゴマフアザラシが大きくなるまで」
「ゴリラの生態」
「サルの子育て」
「シロナガスクジラが大きくなるまで」
「すずめが大きくなるまで」
「セミの一生」
「セミの一生」
「せみの一生」
「セミの一生」
「セミの一生」
「セミの一生」
「セミの一生」
「セミの一生」
「セミの一生」
「ツバメが大きくなるまで」
「つばめの一生」
「つばめの一生」
「ドブネズミの一生」
「トンボの一生」
「ネコが大きくなるまで」
「ネコの一生」
「ハクチョウの一生」
「ふくろうの一生」
「ぶりが大きくなるまで」
「ペンギンが大きくなるまで」
「マグロが大きくなるまで」
「蚊の一生」
「人間の一生」
「蜉蝣の一生」


E-MAIL 大阪教育大学 国語教育講座 野浪研究室 ←戻る

「アカウミガメの一生」122205 小鴨 滉

 アカウミガメは海で生活する大きなカメです。あの六十キロほどもあるカメはどこで生まれどのようにして大きくなったのでしょう。
 夏のころに大人のカメはきれいな砂浜に卵を海にやってきます。六十センチほどの穴を掘りそこに卵を産みます。涙を流しながら、一度に百個程度の卵を産みます。しかし、無事に生きられるのはわずか一〜二匹です。赤ちゃんの重さは二十グラムであり、鳥などから逃げながら必死に海を目指します。海に出ることができても、小さな赤ちゃんにとっては危険がいっぱいです。大きな波、魚から身を守りながら、大人の大きさになるには数十年かかると言われています。小さなカメはプランクトンなどを食べて、少しずつ大人のカメになっていきます。大人のカメは貝やヤドカリなどを食べてさらに大きくなっていきます。そしてまたきれいな砂浜へと帰ってきて卵を産むのです。

「ウミガメが大きくなるまで」122137

 ウミガメは熱帯・亜熱帯にすむ大きなカメです。あの大きなカメはどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう
 五月から八月ごろになると、大人のウミガメは、たまごをうみに、海から陸へやってきます。
 そして、潮が満ちてこないほどの高台にいきます。
 やがて、きれいな砂浜の高台にたどりつくと、ウミガメは、穴をほります。ふかさが六十センチメートルぐらいになると、そのあなのそこにたまごを百個程度うんで、うめてしまいます。
 二カ月ほどで、たまごからウミガメの赤ちゃんが生まれます。大きさは四センチメートルぐらいです。
 ふ化したウミガメの子どもたちは、海にむかいます。砂浜から海に向かう最中、ウミガメの子どもたちは、カニ、フナムシなどに襲われます。
 子どもたちは、海の中で生活し、一年後には二十センチメートル以上の大きさになります。
 海の水になれて、いよいよ広い海でのくらしがはじまります。
 海には、たくさんの食べものがあります。アカウミガメは貝やヤドカリなど、アオウミガメは海草や海藻、オサガメはクラゲ類、ヒメウミガメは小さい海の底にいる生物を食べるようです。それを食べて、ぐんぐん大きくなります。けれども、魚類や海鳥などに、ほとんどがのなかまが食べられてしまいます。
 ぶじに生きのこって大きくなったウミガメは、海をおよぎまわります。
 何年たてば子ガメが親ガメになるかははっきりしていませんが、何年か経ち体が大きくなり、たまごをうむ時には、海から自分が産まれたような砂浜へかえってくるのです。

「オオワシの一生」122120 土井直人

 オオワシは、主にロシア極東のオホーツク海沿岸やカムチャッカ半島、千島列島、日本の北海道や北本州などに生息する大きな鳥です。あの羽を広げた長さが2メートルほどもある鳥はどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 秋から冬になるころから、大人のオオワシは、たくさんあつまって、たまごをうみに、北から南へやってきます。そして、海岸線に沿った形で流氷とともに移動したりします。
 やがて海に近い湖畔や、海岸の岩場、山の近くの川などにたどり着くと、オオワシは、カラマツの木やポプラの木を運び込みます。大きさの直径が2mに達することもある巣ができると、そこにたまごをたくさんうんで、あたためます。
 5、6月の間に、たまごからオオワシの赤ちゃんが生まれます。
 夏になるころ、巣立ちます。巣立ち後しばらくは巣の近くに留まり、親から餌を運んでもらって過ごしますが、盛夏には親のテリトリー内を自由に飛び回るようになります。
 秋ごろの、親が次の繁殖行動に入る頃、巣立った幼鳥は親のテリトリーから追い出されます。育った場所を離れ、幼鳥がどこへ分散していくのかはまだはっきりとは判っていません
 山や海には、たくさんの食べものがあります。好物はサケなどの大きな魚で、子どものアザラシやホッキョクギツネを食べることもあります。オオワシはそれらを食べて、ぐんぐん大きくなります。けれども、半数以上が落鳥すると言われております。高圧電線と接触することにより死んだり、道路内で食事しているときに車に轢かれて死んだりしています。また、体内に鉛を摂り込むことで中毒状態になり、神経が麻痺して死んでしまうという鉛中毒というものにもかかる事があります。そのプロセスを簡単に説明すると、ハンターが鉛弾でエゾシカを撃ち、ロースなど部分肉だけを得てそのまま死体を放置し、その屍肉を鳥類が利用し(食べ)て屍肉に残った鉛を一緒に体内に摂取してしまうといったものです。
 ぶじに生きのこって大きくなったオオワシは、5年以上も空を飛びまわります。
 そして、たまごをうむ時には、ロシア極東のオホーツク海沿岸やカムチャッカ半島、千島列島、日本の北海道や北本州などに帰ってきます。
・「なぜ落鳥するのか」
・「食べ物について知りたい」という意見をいただいたので改善しました。

「カエルの一生」122110

 夏の夜、水田の近くでたくさんのなき声が聞こえます。
 カエルです。
 カエルは、何のためになくのでしょうか。
 カエルのなき声は、おすとめすの間のあいずなのです。
 おすがなき声でめすをよびます。
 そしてめすにだきつき、けっこんします。
 おおくのカエルは、五月ごろにみずのあるところにたまごをうみます。
 一っぴきのめすがたまごをうむ数は、八百こから二千こにものぼります。
 カエルの赤ちゃんはおたまじゃくしです。
 おたまじゃくしは、たまごが生まれてから二日から三日で生まれます。
 水中の藻などを食べてそだちます。
 たまごからうまれたおたまじゃくしは、一ヶ月ほど水中でくらします。
 そのあいだに、手や足がはえてきて、カエルのすがたにちかくなります。
 手や足がはえると、しっぽがなくなって、カエルのすがたになります。
 カエルのすがたになると、水から出てきて地上で生活します。
 けれどもカエルは皮ふで呼吸をするため、皮ふはしめっている必要があります。だから、田んぼなどですごします。
 カエルは飛んでいる虫を食べてすごします。
 カエルは変温動物とよばれ、気温によって体温が変わります。
 冬では、動くほどの体温がないので、土の中でねむります。
 これを、冬みんといいます。
 カエルは、ほとんどが生まれた場所と同じ場所で数年をすごします。
 そして、またたまごをうみます。
 夏の夜、田んぼのあたりはカエルのせかいです。
 おおくのなき声が、まるで大がっしょうのようにひびきます。

「カブトムシが大きくなるまで」122117 竹下優

 カブトムシは、夏の主役です。大きな角が特徴で、私たちを惹きつけます。さらに体の大きさも、大きいものでは五十センチメートルほどもあります。
 日本のほとんどの雑木林にすんでいるカブトムシは、どこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 夏ごろになると、カブトムシのメスは、さかんに樹液をなめ始めます。そして、おなかのたまごに栄養をつけていきます。
 やがて、八月になると、落ち葉が積もって出来た腐葉土やたい肥などの地面とのさかいにたまごを産みます。腐葉土とは、落ち葉が腐って土になりかけているものや、腐った葉っぱのことをいいます。このときカブトムシのメスは、一匹で約二十から五十個ものたまごを産み落としているのです。たまごの大きさは三ミリメートルぐらいしかありません。
 産み落とされてから十日ほどで、たまごからカブトムシの幼虫が生まれます。幼虫には、三段階あります。第一段階では、白っぽい色をしていて、時間が経つにつれて、先端から徐々にオレンジ色になっていきます。このころの幼虫は、広葉樹の腐葉土や腐った木を食べます。  
 やがて十月に入ると第二段階の幼虫になります。一円玉より小さかった幼虫は、一円玉と比べると非常に大きくなります。
 さらに一か月経つと、第三段階の幼虫になります。一番長い幼虫段階です。三段階に入ったばかりのときは、体のわりに頭が大きいのです。しかし、だんだんとバランスがよくなっていき、体は白っぽい色になります。そして、十一月ごろまでは、腐葉土や腐った木を食べています。寒い冬になると、冬眠に入りほとんど動かなくなります。しかし、春になると、また活発に動きだすのです。
 五月の中ごろから六月のはじめにかけて、白っぽい色をしていた幼虫が黄色っぽい色に変わってきます。それから、自分で部屋をつくってサナギになる準備をします。この準備に一週間かかります。このとき、見た目は幼虫と同じですが、丸まっていた体は、棒のようにまっすぐになります。
 六月の中ごろで、ついにサナギに変身します。サナギのときに、オスには既に立派な角があります。その角をさらにのばすために、オスのサナギの部屋は、メスのサナギの部屋よりも縦に長くなっています。
 また、サナギになったばかりのときは、真っ白な色をしています。それがだんだんキツネ色に変わり、さらに時間がたつと、背中や足が黒く変わっていきます。長い長い時間をかけてサナギの中で、大人のカブトムシの体ができあがっていきます。
 サナギになって三週間経つと、サナギの皮をやぶって大人のカブトムシが出てきます。カブトムシの誕生です。そして数日で、白かった羽や腹の色が、おなじみのカブトムシの色になります。そして、七月ごろには、私たちは、元気に動きまわるカブトムシに出会うことになるのです。

「かぶとむしの一生」122112 久保綾香

 夜の雑木林にやってきました。木にくっついているのはかぶとむしです。かぶとむしは強くて力持ちです。ではそのかぶとむしは、どこで生まれ、どのようにして大きくなるのでしょう。
 かぶとむしは夏の虫です。そのため秋になると死んでしまいますが、その前に土の中にたまごを産んでいることがあります。
 うまれたばかりのたまごは細長いかたちをしていますが、やがて土の中の水気を吸って、大きく丸い形になります。
 20日くらいたつと、たまごから幼虫が出てきます。生まれた幼虫は周りの腐葉土を食べて育ちます。腐葉土とは落ち葉や草が腐って積もった土のことです。
 幼虫はさなぎになるまでに2回皮を脱いで大きくなります。これを脱皮といいます。1回目の脱皮をした幼虫を二齢幼虫、2回目の脱皮をした幼虫を三齢幼虫といいます。脱皮したばかりの幼虫は、頭に比べて体が小さいのですが、腐葉土を食べていくうちに頭に合わせて体も大きくなっていきます。
 ちょうど6月ごろからかぶとむしの幼虫はさなぎになり始めます。そして、さなぎになるとき、幼虫は土の中に部屋をつくります。その中で3回目の脱皮をし、さなぎになるのです。さなぎの部屋をつくるとき、おすの幼虫は部屋の天井を高くつくります。まるで、さなぎになるとつのが伸びることを知っているようです。
 7がつの終わりごろ、さなぎは最後の脱皮をして、成虫になります。土の中で皮をぬぎ、2日ほど土の中でからだがかたくなるのを待ちます。そして、白かった前羽が乾いて茶色になれば、もう立派なかぶとむしです。これを成虫といいます。成虫は、土の中から外に這い出て、生活を始めます。
 かぶとむしは夜行性で、木の樹液をすいながら生活します。夜の雑木林にいけば、かぶとむしに出会えるかもしれません。
 そしてまた、秋になる前に、めすのかぶとむしが雑木林の腐葉土の中にもぐりこみ、新しい命を産むのです。こうしてかぶとむしの命はつながっていくのです。

「カブトムシの一生」122121 中尾愛

 ここに、一匹のカブトムシがいます。
 夏に多く姿を現すカブトムシですが、一体どのような一生を送っているのでしょうか。
 カブトムシのメスは、夏の終わりごろに卵を産みます。卵からかえったら、白くてぶよぶよとしたカブトムシの幼虫になります。この時はまだ成虫の姿の面影はありません。カブトムシの幼虫は2回脱皮をくり返して、ふにゃふにゃの状態になります。さわるとまるで死んでいるようですが、まだしっかり生きています。そのまま冬眠して冬を越します。
 春になると冬眠から抜けて活発になり、動き出します。そして蛹になり、夏になると私たちがよく知っている成虫の姿になります。
 羽化したばかりの成虫は、チョコレートのような甘い匂いがします。これは日本のカブトムシ独特の匂いです。羽化を終えた成虫は、1〜2週間何も食べずにすごします。成虫になってから成熟するまでの期間だといわれています。その後、地上に出てきて最初にとる食事を後食といいます。後食を終えたら、交尾が可能であると言われています。
 後食を終えると、オスとメスが出会って交尾を行い、メスが卵を産み、カブトムシは秋にはもう死んでしまいます。そして卵から生まれたカブトムシの幼虫が、また時間をかけて成虫になっていきます。
 なんとカブトムシが卵として生まれてからその一生を終えるまでには1年しかなく、実はそのほとんどを土の中で過ごしているのです。

「カメムシの一生」122208 高田大夢

 4〜5月になると、オスとメスがお尻を突き合わせて交尾を始めます。
 そして、5〜6月頃にメスは草木に卵を産み付けます。
 卵は5mmくらいの大きさで、大量に産みつけます。
 やがて卵が孵化して幼虫になり、そして秋に羽化し成虫のまま越冬します。
 カメムシには、卵を一箇所にかためて産み付ける種類がいて、孵化した後もしばらく集団で生活します。
 これらのカメムシでは、親が子どもの世話をする例が、日本でも16種類、知られています。
 多くの場合、親が卵の上に覆い被さり、アリなどの敵がやってくるとカラダで盾にして隠したり、翅をバタつかせて敵を追い払ったりします。
 そして、種類によっては孵化後も幼虫を守りつづけるものもいます。

「コウモリが大きくなるまで」 122128

 コウモリは、人間と同じほにゅうるいです。
 日本に千しゅるいい上いるコウモリはどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 春のおわりごろから、大人のコウモリはどうくつに集まります。
 そして、あんぜんであたたかい場しょをさがします。
 ちょうどよい温どの場しょが見つかると、岩のわれ目など、ぶら下がれるところにとんで行きます。
 やがて、昼間になると、コウモリは天じょうにぶら下がったまま、子どもをうみます。
 ほとんどの場合、生まれる赤ちゃんの数は一ぴきで、三十分ぐらいで生まれます。
 しかし、中には6ぴきの赤ちゃんを4時間い上かけてうむコウモリもいます。
 コウモリの赤ちゃんは、生まれてすぐにお母さんのおちちをのみます。
 大きさは3センチメートルぐらいです。
 はじめは、お母さんにしがみついていますが、その日のうちに自分で天じょうにぶら下がれるようになります。
 赤ちゃんはそのためにお母さんと同じぐらい大きな指をもっているのです。
 そして、生まれてから二週間で、お母さんといっしょにとぶれんしゅうをしていきます。
 秋になるころ、6センチメートルくらいになった子どもたちは、お母さんとはなれます。
 子どもたちはどうくつを出て、これから新しいどうくつでなか間とくらすのです。
 冬が近づくと、コウモリは虫をたくさん食べるようになります。
 自分の体じゅうと同じくらいの虫を食べて、ぐんぐん大きくなります。
 よう分をたくわえるためです。
 こうして、コウモリの子どもは10センチメートルくらいの大きさになります。
 冬になると、さむい場しょをさがして、冬みんがはじまります。
 冬みんの間は、こきゅうも少ししかしません。体力を使わないようにするためです。
 長い冬をすごし、春になるとめざめ、またむれで生かつします。
 しかし、フクロウやヘビなどに、たくさんのなかまが食べられてしまいます。
 ぶじに生きのこって大きくなったコウモリは、一年から二年せかいをとびまわります。
 そして、赤ちゃんをうむ時には、あんぜんであたたかいどうくつへかえってくるのです。

「ゴマフアザラシが大きくなるまで」 122115

ゴマフアザラシは、オホーツク海や、日本では北海道の海にすむ動物です。大きくなると人間と同じくらいの大きさにもなるゴマフアザラシはどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 四月ごろになると、たくさんのゴマフアザラシが、近くの海からいっせいに同じところに集まってきます。そこでゴマフアザラシは自分の相手を見つけると交尾をします。そして、その四月から一年ほどたった、次の年の三月から四月の間に子どもをうみます。生まれてすぐのゴマフアザラシは、80センチくらいの大きさで、白い産毛に包まれて生まれてきます。ゴマフアザラシの赤ちゃんは、流氷の上で生まれ、そのまま流氷の上でお母さんに育てられます。そのため、生まれてすぐの赤ちゃんは、流氷によく似た色の白い産毛で天敵から身をかくしているのです。 
 ゴマフアザラシの赤ちゃんは、最初の二週間から四週間くらいの間は、お母さんからお乳をもらいます。それを飲んで、ぐんぐん大きくなります。そして、お母さんからお乳をもらわなくなるころには、白い産毛がなくなって、大人のゴマフアザラシとおなじもようになるのです。
 毛が生えかわって、体がしっかりしてくると、いよいよ、広い海でのくらしがはじまります。赤ちゃんは、海にいる魚を食べて、ぐんぐん大きくなります。けれども、サメやホッキョクグマなどに、たくさんのなかまが食べられてしまいます。
 ぶじに生きのこって大きくなったゴマフアザラシは、冬から春の間は流氷に乗って移動しすます。そして流氷がなくなる夏には北の海に移動し、海辺で過ごします。ゴマフアザラシは三年から五年でりっぱな大人なります。長ければ三十年も生きるゴマフアザラシもいます。
 そして、また四月ごろになると、赤ちゃんをうむために仲間が集まる場所へもどってくるのです。

「ゴリラの生態」122211 山下千瑛ちえ

 ゴリラは、しっけのおおいはやしにすむどうぶつです。
 がくめいはゴリラ・ゴリラです。
 ローランドゴリラというしゅるいのゴリラのがくめいはゴリラ・ゴリラ・ゴリラです。
 あのあくりょくが400キロほどもあるどうぶつはどんなふうに生活しているのでしょう。
 ゴリラは10とうほどのむれをつくって、おひるにかっぱつにかつどうします。
 食べるものは、ほとんどがくだもので、のこりはアリです。
 ゴリラにはきょうぼうでこわいイメージがありますが、それはちがいます。
 じっさいには、見つめられるきんちょうで食べものを吐いてしまったり、しんぱいごとによるげりもよくします。
 ストレスにひじょうに弱く、しんぞうのふたんで死にいたることもあるおくびょうなせいかくです。
 ゴリラはふんをなげることがありますが、あばれているわけではありません。
 それはきゅうあいこうどうなのです。
 ゴリラのお母さんは、にんげんとおなじように赤ちゃんをうみます。
 ゴリラの赤ちゃんは、生まれたばかりの頃は歯もなければ、じぶんで食べ物をとることもできません。お母さんにひっついてこうどうし、おちちを飲んでせいちょうします。
 そうして、ゴリラの赤ちゃんは、またあくりょくが400キロもある大きなゴリラへとせいちょうしていくのです。

「サルの子育て」122201 生田奈々

 サルは、脳や体の作りが人間に似ている動物として、しばしば名前を挙げられる動物です。人間が人間らしくなるためには、お母さんやお父さんによる子育てが大切です。では、サルの子育てはどのようなものなのでしょうか。
 サルのお母さんは、赤ちゃんが生まれてからの一ヶ月間、しっかりと胸に赤ちゃんを抱き続けます。これによって、母子の関係が結ばれるのです。この頃、赤ちゃんザルはお母さんの母乳を飲んで育ちます。
 やがて一ヶ月がたち、赤ちゃんザルが子どもになり、幼児期と呼ばれる期間に入ります。この頃になると、母乳は卒業し、子どもザルの食べ物は草や昆虫に変化します。子育てはというと、お母さんザルは子どもを床に下ろし、少し離れたところで子の様子を見守るようになります。とは言え、子どもザルが淋しくて泣くと、すぐに走り寄って抱き上げてあげるのです。これを繰り返し、徐々に距離をとりながら、子どもザルは子ども同士の関わりを覚えていきます。
 そして、1年がたった頃には、お母さんザルは子どもザルをほとんど放任します。だからと言って、関心が無いわけではありません。子どもに何かあって泣き出したときにはすぐに側へ駆けつけます。しかし、普段はほとんど干渉せず、子どもザルは独立の時期を迎えます。この時期は、人間で言うと小学校高学年から中学校あたりに相当します。
 このようにして、子どもザルは次第に母親の助け無しでも生活できるようになり、大人になります。そしてまた、自分自身の子を持ち、自分がされたように、愛情たっぷりの子育てをするのです。

「シロナガスクジラが大きくなるまで」122107 尾崎洋紀

 シロナガスクジラは、全ての海域に生息する地球上で最も大きな哺乳類です。私たち人間の平均身長はだいたい160センチメートルくらいで、私たちが見上げてしまうキリンは5メートルほどになります。ではシロナガスクジラはどうでしょうか。なんと小さくても二十メートル、大きいものでは三十メートル以上にもなります。まさに最大の動物です。こんなに大きいシロナガスクジラはどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 シロナガスクジラは世界中、寒い海でも暖かい海でも泳ぐことができます。繁殖時期である冬になると、大人のシロナガスクジラは、単独で、交尾のために、天敵であるシャチがいない暖かい赤道近くの海にやってきます。シロナガスクジラは他の鯨と比べて胸びれから尾っぽまでの距離が長いので、体をしなるようにして勢いよく泳ぎます。時速は30キロメートルぐらいで海の中を進んでいきます。
 やがて、暖かい海にたどりつくと、シロナガスクジラは、数百キロメートルも離れたところからクジラの歌と呼ばれるラブソングをパートナーに送り、出会えばタッチングという軽い接触を数時間にわたり繰り返します。その時の体位は互いに向き合い腹を合わせ水平に横に泳ぎながら行う、向き合ったまま立ち泳ぎのように水面に浮上しながら行うなどのバリエーションありますが、その時間は数十秒と意外と短く淡白です。
 シロナガスクジラの妊娠は2〜3年に一度ぐらいで妊娠期間は約11ヶ月、体長約7mの子どもを通常1頭出産します。そうして生まれた仔クジラは、7〜8ヶ月の間はお母さんのお乳を飲んで育ち、成長期にはなんと1日に90キログラムも大きくなります。乳離れの時期になるころ、仔クジラの体長は13メートルにもなっています。どんどん成長を続けるシロナガスクジラは、雄だと22.6メートル、雌は24メートルで成熟に達します。
 海の世界に慣れると、広い海でのくらしがはじまります。
 多くの個体が夏になると、大好物のオキアミが豊富な北極海・南極海まで回遊します。繁殖期や子育ての期間を除き、基本的に単独で行動します。体長の伸長は25歳まで続き、その時の体長は平均で雄が25メートル、雌が26メートル程度です。けれども、昔、人間によって乱獲されたため今では絶滅危惧種となっています。
 生き残ったシロナガスクジラは100年以上も生きると言われています
 そして地球上の海を泳ぎまわり、その神秘的な姿は多くの人々の目に留まっています。

「すずめが大きくなるまで」122108 角島裕

 すずめは、町中にすむ小さな鳥です。あの十五センチメートルほどの鳥はどこで生まれ、どのようにして大きくなるのでしょう。
 春になると、大人のすずめは巣作りをはじめます。巣は地面の近くには作らず、人の身長よりも高いところに作ります。たとえば、瓦の下や屋根の隙間や軒の隙間などです。巣の材料には、細長いイネ科の植物が使われます。
 やがて、巣作りが終わるとすずめは巣にたまごをうみます。
 春の間に、たまごからすずめの赤ちゃんが生まれます。大きさは三センチメートルぐらいです。はじめは、ほとんど毛が生えていませんが、やがて生えてききて、六センチメートルぐらいの小鳥になります。
 夏になるころ、八センチメートルぐらいになったすずめの子どもたちは、空にむかって飛びはじめようとします。はじめのうちは、うまく飛べず地面に落ちてしまいます。しかし、いく日もいく日もかかって、ようやく空を飛べるようになるのです。
 空を飛べるようになったすずめの子どもたちは、餌を取る練習をします。その間に、十センチメートルぐらいの大きさになります。
 餌を取れるようになり、体がしっかりしてくると、いよいよ、広い町中でのくらしがはじまります。
 町中には、たくさんの食べものがあります。それを食べて、ぐんぐん大きくなります。けれども、からすやねこなどに、たくさんのなかまが食べられてしまいます。
 ぶじに生きのこって大きくなったすずめは、一年ほどさまざまなところを飛び回ります。
 そして、たまごをうむ時には、町中に巣を作りにもどってくるのです。

「セミの一生」 122101 東秀憲

 夏のあつい日に、みーんみーんとなくものがいます。セミです。
 せみは、なんのためになくのでしょうか。せみは、めすに自分のいばしょを知らせるためにないているのです。ないているせみはおすだけで、めすのせみはなきません。めすのせみは音が聞こえますが、おすのせみは音が聞こえません。おすのせみはめすのせみに見つけてもらい、けっこんします。
 せみは、7〜8月ごろ枯れた木のみきやえだに開けたあなにたまごを産みます。一つのあなに5〜10個ほどうみつけます。そして次の年のつゆごろにたまごはかえりよう虫がうまれます。うまれたよう虫は、土の中に入り、木の根から栄養をもらいます。よう虫は1年ごとにだっぴをくりかえし、大きくなっていきます。地上に出た幼虫は、木のえだや葉のうらで成長し、成虫になります。ようやく成虫になれたセミですが、たった1週間から2週間しか生きられません。1週間から2週間の間にけっこんし、子どもをのこさなくてはなりません。ですので、せみはあんなに大きな声でなくのです。
 夏のあつい日はセミのせかいです。
 今年も数えきれないほどの大きな声が、とびかっています。

「セミの一生」 122102

 セミは、カメムシやタガメ、アブラムシなどの仲間で、カメムシ目というグループに入ります。
 セミは寿命が短い、と言われがちですがいったいどのような一生を過ごすのでしょうか。
 7〜8月に、木の幹や枝などに開けた穴に卵を産みます。
 卵は、そのまま冬をこして、翌年の6月ごろにふ化します。
 ふ化した幼虫は、土中にもぐり、木の根から養分を吸って成長します。
 幼虫は、土のなかで半年から1年ごとに脱皮を繰り返して、しだいに大きくなります。
 そして、卵から7年目にしてようやく地上に出るのです。
 ただ、生育環境などにより、早くなることもあるので、必ずしもすべてのセミが7年ちょうどで地上出でてくるわけではありません。
 地上に出た幼虫は、木の枝や葉の裏などで羽化して成虫となります。
 これが、夏になると外でないているセミとなります。
 そして、成虫となったセミは、だいたい1〜2週間程度しか生きることができません。
 セミの寿命が短いとされていますが、生まれてから7年もの間土の中で過ごし、生きています。
 成虫の時期が1〜2週間ということから、セミの寿命は短いとされているのです。

「せみの一生」 122126 波尻晋弥

 夏のあつい日に、みーんみーんとなくものがいます。せみです。
 せみは、なんのためになくのでしょうか。せみは、自分のいばしょを知らせるためにないているのです。ないているせみはおすだけで、めすのせみはなきません。めすのせみは音が聞こえますが、おすのせみは音が聞こえません。おすのせみはめすのせみに見つけてもらい、けっこんします。
 せみは、7〜8月ごろ木のみきやえだに開けたあなにたまごを産みます。たまごのおおきさは2.2ミリくらいで、一つのあなに5〜10こほどうみつけます。そして次の年の6月ごろにたまごはかえり、よう虫がうまれます。うまれたよう虫は、土の中に入り、木のねっこからえいようをもらいます。よう虫は1年ごとにだっぴをくりかえし、大きくなっていきます。土の中に入ってから7年もたってからようやく地上に出ることができます。地上に出たよう虫は、木のえだやはっぱのうらでせい長し、せい虫になります。ようやくせい虫になれたせみですが、たった1週間から2週間しか生きられません。1週間から2週間の間にけっこんし、子どもをのこさなくてはなりません。ですので、せみはあんなに大きな声でなくのです。
 今年の夏も、せみは元気よくなき続けます。

「セミの一生」 122202 井関彩乃

 セミは、7月〜10月頃に出てくる虫です。
 セミは、どのような一生を過ごすのでしょう。
 セミは、7〜8月に、木にのぼり、幹や枝などに穴をあけます。
 そしてその穴にたまごを産みます。
 卵は、そのままその穴の中で冬をこします。
 そして翌年の6月ころにふ化します。
 ふ化した幼虫は、土の中にもぐり、木の根から養分を吸って成長します。
 幼虫は、土の中で半年から1年ごとにだっ皮をくり返して、しだいに大きくなり、卵から7年目に地上に出ます。
 地上に出た幼虫は、木の枝や葉の裏などで羽化をして成虫になります。
 羽化をしたあとにのこる幼虫のときのからが、よくみる茶色のぬけがらです。
 成虫になったセミのオスたちは鳴き声をあげ、メスをよびます。
 そして交尾をし、成虫のメスたちはまた卵をうんで次の命をのこすのです。
 成虫になったセミは、約1〜2週間しか生きることができません。
 成虫の時期に比べて、幼虫の時期がずっとみじかい昆虫なのです。

「セミの一生」 122119 橘真由美

夏になると、セミがだんだん鳴き始めます。
では、夏の風物詩とも言えるこのセミは、どのような成長をするのでしょうか。
多くのセミは、卵から、翌年の梅雨の頃にふかします。
ふかした幼虫は半透明の白色で、薄い皮をかぶっています。
枯れ木の表面まででた後に最初の脱皮を行い、そのあとは地中にもぐって、長い地中生活を始めます。
幼虫として地中にいるのは3年から7年で、昆虫の中では長寿の部類に入ります。
幼虫は土の中で長い口を木の根に差し込み、樹液を吸って成長します。
そうして何度も脱皮を繰り返して大きくなります。
夕方地上に現れて木に登り、そのまま羽化を始めます。
背が割れて、成虫が顔を出します。
成虫期間は1週間と言われていますが、あれは世話の仕方が難しいとされるからであって、本来は1ヶ月ほど生きることができます。
メスは産卵管を木に突き刺して卵を産みます。
そしてそれがまた翌年の梅雨にふかします。
これが毎年鳴き声を聞くたびに夏を感じるセミの一生です。

「セミの一生」 122127

 セミは、夏によく見る虫です。あの小さな昆虫はどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 秋になるころから、大人のセミは、卵をうむために交尾相手を見つけます。 
 オスはメスを呼ぶためにお腹から声を出して鳴きます。
 メスは泣き声が気に入ったオスと交尾をします。
 交尾が終わったメスは枯れ木の中に卵をうみます。
 卵はそのまま冬をすごし、次の年の6月くらいにふ化します。
 セミの幼虫は、はじめに土の中で生活します。その間は木の根っこからえいようをもらいます。
 セミは地上で生活するよりも地下で過ごすきかんが長い生き物です。種類によっても違いますが、だいたい3〜17年くらいの間、土の中にいます。
 それから、セミの幼虫は半年〜1年ごとに土の中でだっぴをくりかえします。
 土の中になれて、体がしっかりしてくると、いよいよ、羽化がはじまります。
 地上に出て行き、木にしがみつくと、敵に見つからないよう日が暮れるころには羽化を始めます。
 こうして成虫になったセミはまたパートナーを見つけるために鳴きます。
 ぶじに生きのこって大きくなったセミでも、一、二週間ほどしか生きられません。
 しかし、またパートナーを見つけたメスが卵を産むことで、新しい命ができるのです。

「セミの一生」 122131 益彩子

 夏の朝、目を覚ましてしまうほどの大きい鳴き声が聞こえてきます。セミです。鳴くといっても、口から声を出しているわけではなく、本当は腹で音を出しています。セミは鳴くためにお腹にチチ(乳)あてというものを持っていて、背中の方にある膜を振動させ、そのチチあてで共鳴させて大きな鳴き声にしているそうです。
 では、セミは何のために鳴くのでしょうか。セミの鳴き声は、おすとめすの間の信号なのです。おすは、結婚相手を呼び出すためにあれほど大きく鳴き、めすを惹きつけようとします。めすは、気に入った鳴き声のおすがいると、けっこんします。
 ここにアブラゼミの例をあげましょう。7〜8月、アブラゼミのめすは木の幹や枝などに開けた穴に卵を産みます。卵は長さ2.2mmほどの細長い形で、ひとつの穴に5〜10この卵を産みつけます。
卵を産み終えると、めすもおすも死んでしまいます。成虫になってから、わずか1〜2週間ばかりの命です。
 卵はそのまま冬を越し、翌年の6月ごろに孵化します。孵化した幼虫は、土の中にもぐり、木の根から養分を吸い取って成長します。
 幼虫は、土の中で半年から1年ごとに脱皮を繰り返して、次第に大きくなり、卵から7年目に地上に出ます。地上に出た幼虫は、木の枝や葉の裏などで羽化して成虫になります。
 成虫になったセミはたったの1〜2週間しか生きられないことから、成虫の時期に比べて、幼虫の時期がずっと長いのです。
 夏の日中、たくさんのセミが元気よく鳴いています。彼らは短い夏を全力で生き、次世代へと命を繋げているのです。

「セミの一生」 122138 吉川幸穂ゆきほ

「ミーンミンミンミンミンミー」。
「ツクツクホーシ、ツクツクホーシ」。
夏になると聞こえてくる鳴き声。
セミです。
 セミのめすは、枯れ木や樹皮の裏に産卵をします。
鋭い産卵管を木に刺して、小さな穴を作り、その中に卵を産みます。
産卵場所に生木を選ばないのは、生きた木は、メスが産卵管で作った穴を人間の傷が治っていくようにふさいでしまいます。
孵化したばかりの小さな幼虫は、自分で木に穴を開けることはできません。
だから、産卵管で開けられた穴が翌年まで開いているようにメスは枯れ木を選ぶのです。
産みつけられた卵は、そのまま冬を越し、翌年の梅雨の時期に孵化します。
孵化したあと、土の中へ潜り込み、約2〜6年にも渡る長い幼虫生活が始まります。
そうして長い幼虫生活が終わると、今度は成虫になるために羽化をします。
羽化のときは無防備で、この時にスズメバチやアリなどに襲われる危険があるため、周囲が明るいうちは羽化を始めません。
そのため、夕方に地上に現れ、日没後に羽化を始めます。
夜の間に羽を伸ばし、敵の現れる朝までには飛翔できる状態にします。
木の幹や葉の上に爪を立てたあと、背が割れて白い成虫が顔を出します。
まず上体が殻から出て、足を全部抜き出し、腹で逆さ吊り状態にまでなります。
それから足が固まると、体を起こして腹部を抜き出し、足でぶら下がって翅を伸ばします。翌朝には外骨格が固まり体色がついた成虫となります。
セミの成虫の寿命はよく1週間と言われますが、実際にはもっと長く生きます。
羽化後、天敵(鳥やカマキリ、人間など)に襲われなければ、3週間〜1ヶ月程度生きます。
セミは夏の昆虫ですが、実は暑さが苦手です。
真夏の大変な暑さの中では、体力を消耗し、寿命が短くなってしまいます。
暑さも和らいだ、9月頃に成虫になったセミは1ヶ月以上生きることも報告されています。
幼虫期間も含めると、セミは昆虫の中でも異例の長生きをするのです。

「セミの一生」 122206

 セミは、夏に見かけられる昆虫です。あの大きな声でなく昆虫はどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 夏のおわりごろ、交尾を終えたメスのセミは、枯れ木に産卵します。セミは、枯れ木を上に移動しながら次々と産卵していきます。
 梅雨ごろ、セミの赤ちゃんが孵化します。赤ちゃんは半透明の白色で、薄い皮をかぶっています。枯れ木の表面まで出たあとに最初の脱皮を行います。最初の脱皮を行った赤ちゃんは土の中にもぐりこみ、長い地下生活に入ります。
 赤ちゃんは木の根に沿って穴を掘り、樹液を吸って成長します。若い幼虫は全身が白く、目も退化していますが、成長していくと体が褐色になり、大きな白い複眼ができます。羽化を控えた幼虫は皮下に成虫の体ができてきて、目の色も成虫と同じ黒になります。この頃になると、地表近くまで竪穴を掘って地上の様子を伺うようになります。     
 晴れた日の夕方、幼虫は羽化をおこなうため、地上にでてきて、周囲の樹などに登っていきます。日没から翌朝にかけてゆっくりと羽化していきます。樹の幹や葉の上に爪を立てたあと、背中が割れて、白い幼虫が顔を出します。成虫はまず上体が殻から出て、足を全部抜きだし、腹で逆さ吊りになります。その後、足が固まると体を起こして腹部を抜き出し、足でぶら下がって羽を伸ばします。翌朝には、完全な成虫になります。
 そして、メスに自分の存在を知らせるため、オスのセミは大きな声で鳴き始めるのです。

「ツバメが大きくなるまで」 113910

 ツバメは、人間にとても近いところでくらす鳥です。春を感じさせてくれるこの鳥は、どのように一年をすごすのでしょう。
 ツバメを見かけるようになるのは、四月ごろからです。ツバメは、あたたかい南の国で冬をこして、春になると、海をわたって日本に帰ってくるのです。そして、つがいのオスとメスは、一週間ほどかけて、民家やたて物ののき下に巣をつくります。巣のざいりょうは、どろとかれ草です。
 巣ができると、メスはたまごをうみます。一日に一個ずつ、だいたい二センチくらいのたまごを、三個から七個うみます。オスとメスが交互にたまごを温めたり、巣に近づく天てきをおいはらったり、おたがいに協力しながらヒナのたん生をまちます。
 二週間ほどすると、ヒナがうまれます。ヒナの目は、一週間くらいで見えるようになってきます。親ツバメのオスとメスは、交代でえさの虫をとってヒナに運びます。ヒナは大きくくちばしをひらいて、えさがもらえるのをまっています。
 うまれてから三週間くらいで、ヒナは巣立ちをむかえます。巣立ちが近づくと、羽ばたく練習もします。巣立ってからは、もう巣にもどりません。親ツバメから町中で生きていくための訓練を受けて、ひとりだちするのです。
 ヒナが巣立ったあと、親ツバメはまたたまごをうみます。ツバメは、一年に二、三度子育てをするのです。最初に育てたヒナのきょうだいたちも巣立っていき、季節が進むと、家族みんなが集合します。ひとつの家族だけではありません。何十、何百もの家族が集まり、何千、何百ものツバメの大群になります。秋の冷たい風がふくころ、ツバメの大群は南の国へむかいます。そして、よく年の春にはまた日本へ帰ってくるのです。

「つばめの一生」 122124

 つばめは、北半球の広い範囲で繁殖する渡り鳥です。
 あの黒くて小さな鳥はどこで生まれ、どのようにして成長するのでしょう。
春の暖かい時期になるとつばめたちは巣を作るために、日本に飛来します。日本にやってきたつばめは人工物に泥と枯草を唾液で固めて巣作りをします。それは民間の軒先など人間が生活する環境に作られます。そして、種類によって異なりますが1週間くらいで巣を完成させます。つばめは出来上がった巣に、3〜7個を一日に一個ずつ産みます。産んだ卵は、オスとメスが交互に温め、約13日間で孵化します。孵化したヒナはまだ親とは似ていません。
 ヒナたちは親が空中を飛び回り捕まえてきたハチ、ハエ、トンボなどをもらいます。
巣立ちをするまでの20〜40日間を親鳥に育ててもらうのです。親と姿が似てきたころに、ヒナは空を飛ぶために必要な羽ばたきの練習を繰り返すようになります。巣立った後は、もうヒナが巣に戻ることはなくなり、電線などに止まりながら生活するようになります。
姿は親より小ぶりですがすっかりよく知るツバメの色です。
 巣立ったばかりの雛はまだ自分でえさを捕ることができないので、しばらくは親にえさをもらいながら生きていく知恵を授かります。2週間ほどすると一人でえさを捕まえられるようになります。そして、渡りの時期までは同じ年に巣立った仲間たちと街中で生活していきます。
 10月の下旬のころ、立派な姿でいよいよツバメたちは日本を離れ、南の暖かい地方へ旅立ちます。えさとなる昆虫などが、冬には捕ることができないので豊富な地域へ移動するからだと考えられています。
 そして、卵を産むときにはまた、日本へと帰ってくるのです。

「つばめの一生」 122209 東山朋美

 つばめは、日本と南の国をわたる渡り鳥です。あの十七センチメートルほどしかない鳥はどこで生まれ、どのようにして旅立つのでしょう。
 春になるころから、大人のつばめは海を何千キロもこえて南の国から日本にやってきます。そして、人の家の屋根の下などに巣を作ります。巣作りはオスメスいっしょにおこないます。
 やがて、1週間ほどで巣を完成させると、つばめは一日一個ずつ、三〜七個の卵をうみます。卵はオスとメスが交代であたためます。
 卵をだいてから二週間ほどでつばめの赤ちゃんが生まれます。重さは二グラムぐらいです。はじめは目も開いていませんが、六日ほどすると開くようになります。
 つばめの子どもたちは、親鳥が運んできてくれる虫を食べます。大きくくちばしを開いてエサを待っています。
 親からエサをもらっていたつばめの子どもたちは、三週間ぐらいの間は巣のなかでくらしています。巣立ちが近くなると羽ばたきの練習もします。
 体力もついて、体がしっかりしてくると、いよいよ巣立ちです。
 巣立ってからはもう巣にはもどらず、電線などにとまります。だんだん自分でエサをとれるようにもなります。
 つばめはひなのときも、巣立ってからも天敵におそわれる危険が常にあります。実際に半年後の旅立ちまで生き残れるのは十三パーセントぐらいだと言われています。
 ぶじに生き残っておおきくなったつばめは、秋になると何千、何万の仲間といっしょに南の国に旅立ちます。
 そして、また夏になると、南の国から日本へかえってくるのです。

「ドブネズミの一生」 122136 村島昂樹

 ドブネズミは、下水の周りや河川などの湿った場所にすむ大きなねずみです。屋内にもすむあの二十センチメートル以上もあるネズミは、どのように生まれ、どのように大きくなったのでしょう。
 ドブネズミは一年中繁殖しますが、繁殖の盛りは春と秋にきます。妊娠期間は二十日ほどで、一度に平均して八、九頭の子どもを産みます。
 生まれてから二十日ほどはお母さんお乳で育ちますが、そこから先は自分でえさをとり、魚や肉などの動物性のものを好んで食べます。そして、八〜十二週経つ頃には成熟し、立派な大人になります。
 街の中では園、駅前、繁華街などの植え込みの地中に巣を作ったり、建物内やマンホール内、舗装道路上の物陰などに、紙やぼろきれを集めて巣をつくったりします。野外では河原の土手や、田畑の土が小高く盛り上がったところの斜面などに、巣を作ります。
 また、ドブネズミには、順位性やなわばり性が認められており、超音波を発生してコミュニケーションを行います。
 成長したドブネズミたちは強くたくましく、食糧の豊富な人間社会に混ざって生活しています。人間に捕まらず、順調に生涯をまっとうしたら、野外で一、二年、飼育下で三年生き続けることができます。

「トンボの一生」 122116

 夏の終わりごろから秋にかけて、空にたくさん飛びはじめる虫がいます。トンボです。トンボは、どのようにして成長するのでしょうか。
 トンボは、秋から冬にかけて使われていないプールや川辺などでおすとめすが出会います。そして、けっこんします。二ひきは、つらなって飛び、めすが水のなかにたまごをうみおとします。一ぴきのめすがうむたまごの数は、千二百こにものぼります。
 たまごは、十日でよう虫になるトンボもいれば、百日かかるトンボもいます。そのころには、春になっています。
 よう虫は、ヤゴとよばれます。ヤゴは、水のそこのどろやおちばのなかでくらします。水の中で、ヤゴはエビの肉を食べてそだちます。ヤゴは、何どもだっぴをして成長します。ヤゴは短いと一ヶ月、長いものでは5〜8年たってから、水中からあがります。
 6月から7月にかけて、ヤゴはプールのかべや細いえだにつかまって、羽化します。そして、せい虫になります。せい虫になったばかりの羽は、白っぽくまだ弱々しい飛び方しかできません。一日ぐらいたつと、だんだん体の色もこくなり、体も固くなって、しっかりと飛べるようになってきます。
 秋の空、田んぼのまわりは、トンボのせかいです。ことしも、子どもたちの遊び相手になっています。

「ネコが大きくなるまで」 122129 藤井玲衣

 ネコは、世界中にすむネコ科の動物です。イヌと並ぶ代表的なペットとして有名なネコはどのようにして大きくなり、どのようにして私たちとかかわるのでしょう。
 メスのネコは、生後一年ほどたつと子どもを産めるようになります。ネコの赤ちゃんはお母さんのおなかの中に誕生すると、そこで約六十五日間成長し続けます。そして、お母さんが出産をすると、赤ちゃんは初めて外の世界に出てきます。ネコは一度に一匹から九匹の子どもを産みます。
 生まれてから一週間ほどたつと、ネコの目が開きますが、その目はまだ灰色をしていて、ものを見ることはできません。二週間ほどたつと、目が見えるようになります。
 ネコは、生後一ヶ月ぐらいたつと、人と仲良くできるようになるといわれています。飼いネコの場合は、それぐらいの時期にトイレのしつけをはじめます。
 二ヶ月たつ頃には、乳歯が生えそろってお母さんのお乳以外の食べ物を食べるようになります。三ヶ月たつ頃には乳歯が永久歯へ生えかわりはじめます。その頃には、いよいよシャンプーやお風呂のしつけがはじまります。六ヶ月たつ頃には、永久歯が生えそろい、からだもだいぶ大きくなって、よく遊ぶようになります。
 飼いネコは、数が増えすぎると家で飼うのが大変になることがあります。そのため、飼いネコの中には子どもを産めなくする手術を受けるものもいます。その手術は、生後この頃から受けることができます。
 生後一年の頃には、メスのネコは子どもを産めるようになり、オスのネコも子どもをつくることができるようになります。生後一年半で、からだの大きさも一人前になり、ネコはりっぱな大人になります。そして、だいたい十二年から十六年生きます。
 ネコは、昔も現代も、私たちと一緒に暮らし、私たちを癒してきたのです。

「ネコの一生」 123907

人間はたくさんの動物をペットとして飼っています。
犬や猫、うさぎにインコなどさまざまです。
そのなかでも、野良猫などでよく見かける、猫の一生を見ていきましょう。
猫は生まれてすぐはとても小さいです。
大きくても百グラム程度しかありません。
猫は、生まれてから数日で目が見えるようになります。
二週間するとよたよた歩き始めます。
子猫は、お母さん猫の後ろを必死についていこうとします。
もし、疲れて動けなくなってしまっても大丈夫です。
お母さん猫が首筋をくわえて運んでくれます。
小さいですが歯も生えはじめます。
三週間もすると70セントメートルの高さから落ちても大丈夫になり、兄弟同士でじゃれあうようになります。
お母さん猫のまねをして食器に顔を突っ込んでご飯を食べる真似をし始めます。
六週間たてば、歯が子供の歯から大人の歯に生えかわります。
一年たてば、立派な大人の猫になります。
そこから、十五年から二十年生きて猫の一生は終わります。
私達人間と比べて、猫の一生は短いです。
そして、ほとんどの動物は、人間に比べ一生が短いです。
人間は何気なくペットとして動物を飼っていますが、同じ命です。
その命を守りつつ、大切にしていかなければいけませんね。

「ハクチョウの一生」 122111 岸本 渚

 みなさんは、ハクチョウを見たことがありますか。湖などでみることのできる白い鳥のことです。
ハクチョウは、日本では冬にしか見ることができません。それは、冬の間にしか日本にいないからです。
 どうして冬にのみハクチョウは日本にいるのでしょうか。
 春から秋のあいだ、ハクチョウは、ユーラシア大陸の北部や北極のツンドラという場所で過ごしています。そこで、卵から孵ったハクチョウのヒナは、生後2、3日ほどで泳ぎ始め、3ヶ月で飛べるようにもなります。秋には、もう立派なハクチョウになって、私たちの知っている姿になります。
 ハクチョウは、湖の水底の水草や藻を食べて生きています。しかし、北の寒い地域なので、冬になると湖の表面が凍ってしまい、食べ物を得ることができません。そこでハクチョウは、食べ物を得るために、三〇〇〇〜四〇〇〇キロメートルも海を旅して、日本へと渡ってくるのです。日本は、北の国々と比べて、比較的温暖だからです。
 夏になると、日本では暑すぎて、ハクチョウは生きていけません。そのため、また北の地域へともどって、そこでたまごを産み、子どもを育てるのです。そして、次の冬になると、大人になったヒナと一緒に、また日本へと海を渡ってやってきます。
 こうした理由で、ハクチョウは冬にだけ日本にやってきます。冬にしかハクチョウを見ることができないのは、自分や子どもが生きるために行っている行為だったのです。

「ふくろうの一生」 122130

 ふくろうは、スカンジナビア半島から日本あたりにすむ大きな鳥です。
 ふくろうは、独りまたはパートナーと一緒に行動し、大抵はその森の中で一生を過ごします。夜行性で昼間は木の穴や木の横枝などでほとんど動かず目を閉じで休息しています。夕方から活動を始めますが、日中に行動することもあります。
 そんな六十センチメートルほどもある鳥はどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 春になるころから、大人のふくろうは、自分たちが作った巣や巣穴の近くにあつまります。
そして、夜になるとオスとメスでそれぞれ相手に向かって鳴きます。
 やがて、白色の卵を1日から3日おきに3個くらい産み、28日から35日の期間メスが胸の羽根を開いて40度の体温で抱卵します。
そのとき、たまごがころがらないように、小さなくぼみを巣の中にほっておきます。
 春の間に、たまごからふくろうの赤ちゃんが生まれます。大きさは十センチメートルぐらいです。
はじめは、羽毛もなくて細くたよりないですが、2週間もするとふわふわとしたふくろうの赤ちゃん独特の羽毛が生えそろい、体温調節ができるようになります。また、今まで噛み砕いて与えてもらっていたご飯も丸呑みするようになります。
 もう2週間たつと巣の外に出るようになります。
そして、しばらくの間、親ふくろうに飛び方やエサのとり方を教わります。 
 親からさまざまなことを教えてもらいながら、ふくろうの赤ちゃんは親と同じような羽毛が生えそろい、だんだん大人のふくろうになっていきます。
 そして、その年の秋ごろに、親からはなれて独り立ちしていきます。
 大人になったふくろうは、自分のパートナーをさがしながら森の中で生活します。その中でみつけたパートナーと次の命を育みます。
 そのために、また巣を作り、次の世代へと命をつないでいくのです。

「ぶりが大きくなるまで」 123908 河野駿

ぶりは、北の海にすむ大きな魚です。
あの百五十センチメートルほどもある魚はどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
春になるころから、大人のぶりは、たくさんあつまり、たまごをうみに、暖かい海へやってきます。
ぶりは、とてもおくびょうです。
おどろくと、むれごと深いところににげこみます。
そうして、ぶりは、びくびくしながらたまごをうみます。
たまごは四十八時間でふかします。
ぶりの子どもはモジャコとよばれます。
はじめは、海にただよう海草にくっついてせいかつします。
ちいさなえびなどを食べます。
夏には、海草からはなれて、自分でおよぎだします。
このころから、小魚をたべます。
一年で三十センチメートルほどにせいちょうします。
そこから一年たつごとに十センチメートルから十五センチメートルずつ大きくなります。
ぶりは、出世魚とよばれています。
どのくらいせいちょうしたかでモジャコ・ワカナゴ・ハマチ・メジロ・オオイオ・スズイナ・ブリと名前がちがいます。
ぶりはブリになるまで五年かかります。

「ペンギンが大きくなるまで」 122139 吉田美咲

ペンギンは、主に南半球に生息する海鳥です。
あの百センチメートルほどの海鳥はどこでうまれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
大人のペンギンはたまごを生むために、ほかのペンギンたちと集団で行動するようになります。
そして、初夏にあたる十二月半ばから一月頃、たまごを生みます。
たまごを生んだメスのペンギンは一刻も早くなにかを食べなければいけません。
そのため、メスのペンギンはうまれたばかりのたまごをオスのペンギンに託して海へ食べ物を探しに出かけます。
メスのペンギンは一か月以上も帰らないことがあります。
その間、オスのペンギンが自分の足とおなかでたまごをはさみ、体温で温めてじっとメスのペンギンの帰りを待ちます。
二か月ほどたつとたまごからペンギンのあかちゃんが生まれます。
大きさは十センチメートルぐらいです。
はじめは、夏の季節で食料も豊富なため、大人のペンギンから魚やイカなどを与えられます。
寒さが厳しくなると、大人のペンギンは二週間に一回ほどしかえさを与えなくなります。
すると、ペンギン赤ちゃんはクレイシを形成し、赤ちゃん同士体を寄せ合い、寒さから身を守ります。
春を迎えるころには、赤ちゃんの体重は大人のペンギンの半分ほどになります。
春になると、大人のペンギンはまたえさを与え始めます。
赤ちゃんは、灰色の羽が抜け始めるころに巣立ちます。
大きくなったペンギンが、たまごを生む大人のペンギンになるには数年以上かかります。
そして大人になったペンギンは、初夏のころ、たまごを生むために集団で行動するようになるのです。

※クレイシ
ペンギンの赤ちゃんは卵からかえったあと、しばらく親に育てられる。しかし、ある期間を過ぎると巣から出て、子供だけで集まる。これをクレイシ(共同保育所)という。

「マグロが大きくなるまで」 122123 中東大輝

 まぐろは、温かい海にすむ魚です。60センチメートルから3メートルほどの大きさもあるとても大きな魚です。この魚はどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 春から夏になるころから、大人のマグロは産卵するために、エサをとっていた海から自分が元生まれた海へやってきます。そして、水温が温かくなると卵を産み、すぐにエサを食べにほかの海へと旅立ちます。
 卵から、産卵後24時間ほどで子供が生まれます。マグロの赤ちゃんは生まれた後、同じときに生まれた兄弟同士で生存競争として共食いをします。その後、共食いから勝ち残った子供のマグロは、1年ほどで30〜40センチメートルほどにまで大きくなり、そのあと大人のマグロになると、平均して2〜3メートルほどの大きさにまで大きくなります。その後は、エサを食べにほかの海をグルっと泳いで回り、再び生まれた海に戻ってくるのです。しかしマグロの赤ちゃんは数百万以上も生まれるといわれていますが、卵を産むぐらい大きくなるものはたった数匹といわれています。
 マグロは一生眠らずに泳ぎ続けます。マグロは口を開けて泳いでいます。これは口を開けることによって、エラを通過する水から酸素を取り入れて呼吸するためです。マグロは、泳ぐのを止めると窒息してしまうため、一生のあいだ、いっときも休むことなく高速で泳ぎ続けなくてはいけないのです。夜のあいだも十分な睡眠をとることはなく、やや代謝を低くして遊泳速度を落としながら泳ぎ続けます。マグロは呼吸するために泳ぎ続けることを運命づけられた魚なのです。

「蚊の一生」 122125 西田雄飛

 かは、人の血をすう虫です。さされると赤くはれて、つよいかゆみをかんじますね。ところで、あの小さい虫はどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
  かのたまごはすいめんにうみつけられます。すいめんにうみつけられたたまごは2〜3日でかえってそこからボウフラという幼虫として過ごします。水の中で生活するわけですからボウフラのときにあちこちに移動することはありません。ボウフラは水の中の落ち葉や自分よりも小さな生き物などをえさとします。
 やがて、早いもので1週間、おそいものでは1ヶ月ほどたつと、さなぎになります。さなぎのあいだはえさを食べずに2〜3日後に羽化してかの成虫になります。
 成虫として生活すると、子どもをうむために必要なえいようをかくほするために、動物から血をすいます。めすのかは血をすったあと、たまごがせいじゅくするまでじっとしています。たまごがせいじゅくすると、めすのかはすいめんにたまごをうみ、つぎにたまごをうむじゅんびをします。一生のあいだにめすのかは1〜4回ほど血をすう−たまごをうむ−血をすうのサイクルを繰り返します。
  おすのかはめすがたまごをうむお手伝いをするために一生をすごします。つまり、めすがたまごをうむことによって、かは仲間をふやし、大きくなってまたたまごをうむというサイクルで生活しています。
 そして、わたしたち人間の血は、かにとってとてもじゅうようなえいようとなっているのです。

「人間の一生」 122210 三木知彦

 都会では一年中、夜でも色鮮やかな光が見られます、人間です。
 人間は、何のために生きるのでしょうか。
 人間は、父親と母親が出会って、ああしてこうして生まれます。
 生まれるときは、母親のお腹の中から生まれます。
 生まれると、まず初めに、母親と出会います。
 そして、家族、友だち、先生など、さまざまな人と出会います。
 さらに、いろいろな個性に気づきます。
 すると、自分の個性も見えてきます。
 生まれてから20年が経つと、日本では、成人になります。
 そのときには、小・中学校を卒業して、高校・大学に進んでいたり、仕事をしていたりします。
 それもみんな個性です。
 しかし、だいたいの人は、いつかは仕事につきます。
 お金のため、やりがいのため、自分のため、誰かのため、理由は人それぞれです。
 そして、社長も平社員も、いつかは定年になります。
 定年になると、自由な時間がたっぷりあります。
 もしかしたら、お金もたっぷりあります。
 その時間やお金をどう使うかも、人それぞれです。
 そんな老後の生活も、「死」が終わらせにきます。
 いつ、どこで、どんなふうにやってくるかは、誰にもわかりません。
 死ぬと、人はこの世からいなくなってしまいます。
 どこに行くかは、誰にもわかりません。
 天国なのか、地獄なのか、生まれ変わるのか、ただ単に消えるのか、考え方は人それぞれです。
 しかし、生きている人は、その人のことを覚えています。
 悲しんだり、何かをもらったりして、これからも生きていきます。
 今日も世界中で、人間が生きています。
 人間は、何のために生きるのでしょうか。
 理由は人それぞれです。
 誰にもわかりません。
 しかし、生きていればきっとわかるはずです。

「蜉蝣の一生」 122122 長岡位泰

 蜉蝣は、きれいな川に生息する細い体で、よわよわしい昆虫です。成虫は軟弱で長い尾をもち、寿命が短いことでもよく知られています。
 あの小さな昆虫はどこで生まれ、どのようにして大きくなったのでしょう。
 蜉蝣のオスは川面などの上空で群れになって飛び、スーっと上昇したあとフワフワと下降するような飛び方を繰り返し、この集団中にメスが来ると、長い前脚でメスを捉え、そのまま群から離れて交尾します。成虫は餌を食べず、水中に産卵すると、ごく短い成虫期間を終えるのです。
 幼虫はすべて水中で生活し、多くは比較的きれいな流域に生息しています。幼虫の体のつくりは、はねがないことと水中生活のためのえらをもつこと以外はほぼ成虫と同じで、3個の単眼と1対の複眼があり、脚も3対のみになっています。しかし体型は成虫に比べてさまざまな種類であり、生息環境によってさまざまな姿をしています。
 幼虫時代は脱皮回数が多く、通常でも10回以上、時には40回に及ぶものもあると言われています。
 脱皮を繰り返した蜉蝣の幼虫は羽化します。羽化の時期は春から冬まで種や地域によって異なります。初夏の頃が最も多く、時間も夕方頃が多く、羽化場所は水中、水面、水際など種によって異なっています。
 羽化したものは実は成虫ではなく、亜成虫と呼ばれます。というのは、この亜成虫は、飛び立って後、別の場所で、改めて脱皮を行い、そこで初めて真の成虫になるからです。
 こうしてまた、蜉蝣は卵を産んで子孫を増やすのです。
mailto: nonami@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
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