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小学校3年生向け説明文の創作 2017年度版

 2017年度の国語学講義では小学校の国語の物語文教材・説明文教材の構造を分析しています。同時にその構造を使って教材を創作しています。
 3年生の説明文教材ができたので、公開します。

目次
ミラクルダイズ井上 陽太
ミラクルお米白取 希望
ミラクルウォーター高木 秀
ミラクルお米高田 陽介
「小麦粉」田上 小帆里・辻川友唯
ミラクルパウダー寺井 美樹
野口 慎太朗
「お米のひみつ」前薗 栞
姿を変える大豆向山 春華
大麦上田 大貴
ゼリーの正体生越 真理
改訂版『大豆のへんしん』加茂 千尋
ミラクル大豆高窪 祐太
ミラクル大豆西村 聡太朗
カブトムシ平崎 宏美
ホタテ貝堀井 珠希

ミラクルダイズ    井上 陽太

 マメ科の植物の種の事を豆といいます。豆にはインゲンマメ、ヒヨコマメ、アズキ、落花生など様々な種類があります。大豆もその仲間です。
 ところで、みなさんは、大豆がミラクル(ふしぎな事)を起こして、様々なものに変身することを知っていますか?
 まずひとつめのミラクルはみそです。やわららかくにた大豆にこうじというカビきんを投入します。すると、大豆がはっこうし、大豆の栄養がうまみ成分に変わり、みそができるのです。みそは日本の食卓で大かつやくしています。
 ふたつめのミラクルはしょうゆです。みそと同じようにやわらかくにた大豆に、次はこうじと塩を入れます。これをもろみと言います。このもろみをはっこうさせて、半年以上置いたあとに、しぼって出来るのがしょうゆです。しょうゆは料理の味付けに使うと、とてもおいしくなります。またおさしみやおすしに付けてたべたりもします。
 みっつめのミラクルは納豆です。今度はむしたりにたりした大豆に納豆きんを加えます。そのあとは、30度くらいの温度に保ちながらはっこうさせます。2日ほどはっこうさせると納豆の完成です。あのネバネバの正体は、うまみ成分であり、おいしさのもとです。
 このように、大豆は、みそ・しょうゆ・納豆に変身し、おいしくてとてもえいようのある食べ物を、わたしたちにあたえてくれます。これらの食べ物には、大豆を食べる人々の気持ちとくふうが表れているのではないでしょうか。

ミラクルお米    白取 希望

 コメは世界中で主食として食べられています。バングラデシュ、ラオス、カンボジア、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなど、たくさんのところで食べられています。わたしたち日本人も、同じなか間です。
 コメの形は国によって違いがあります。他の国のコメは細長く、食べるとぱさぱさしています。ところが、日本のコメはほかの国のコメに比べると丸く、食べるとしっとりしています。
 ところで、みなさんは、このコメがミラクル(ふしざなこと)を起こして、さまざまな物に変身することを知っていますか。
 まず、一つめのミラクルは酒です。コメを利用し始めたのは、今の中国の長江の近くに住む人たちです。この地方では、早くから稲作を行っていました。日本の近くのこの国でつくった酒が日本に輸入されたのは、日本でも稲作が定着してからでした。酒には、コメに菌をまぜてつくられた麹が使われます。蒸したコメに麹をまぜてしばらくするとコメの変身がおきます。それまでかたちのあったコメがだんだん形がなくなってきて、どろっとしたもろみというものになります。それを圧縮機でしぼって液体のほうだけを取り出したのが日本酒です。。菌のおかげで、こめがくさらずに酒にかわりました。これがーつめのミラクルです。
 二つめのミラクルは、もちです。コメをぺったん、ぺったんつくと、白いかたまりができます。これは、コメのなかのでんぷんが固まってできたものです。こうしてできたかたまりがもちです。もちは昔からお正月のお雑煮など、お祝いの時に食べられます。
 三つめのミラクルは、こめぬかです。米ぬかに野菜やさまざまな食材を漬けて、漬け物をつくります。米ぬかにつけることで野菜が長持ちします。
そして米ぬかは油かす、魚のこな、にわとりのふんをまぜて肥料にもなります。化学肥料を使わないで、またおいしい食べ物を育ててくれるのです。
 このようにコメは、酒、もち、米ぬかに変身し、おいしくてとてもえいようのある食べ物を、わたしたちにあたえてくれます。これらの食べ物には、大切なコメを大事に使いたいという、人々の気持ちとくふうが表れているのではないでしょうか。

ミラクルウォーター    高木 秀

 動物が生きていくうえでひつようなものがあります。
 それは水です。人間の体の約六十パーセントは水で出来ています。
 ところで、みなさんは水が様々なすがたに変化することを知っていますか。

 まず一つ目の変身は氷です。
 水をコップに入れて冷やします。時間がたてば水の温度が0度に達します。そうすると、水がこおり始めます。後でコップを取り出してみるとコップ中の水が固まっています。これが氷です。つまり、水が氷に変身したと言えます。
 二つ目の変身は水じょう気です。
 雨が降って水たまりが出来ているのを見たことがあるでしょう。
 しかし、何日かたってその水たまりはなくなっています。
 なぜ水たまりはなくなったのでしょうか。
 それは、水がじょう発して水じょう気に変わり、気体になったからです。

 このように、水は私たちの生活にひつようなものである前に、いろいろなかたちに変身するものだということが分かります。

ミラクルお米    高田 陽介

 わたしたち日本人のくらしにはお米が欠かせません。
わたしたちはほとんど毎日お百姓さんが作ってくれた、お米を食べて暮らしています。
 ところでお米は米粒としてだけでなくいろいろなミラクルを起こして私たちの食生活を支えていることを知っていますか。
 一つ目のミラクルはおせんべいです。
おせんべいのほとんどはお米をつぶしてできているものです。つぶしたお米に加熱することで皆さんのよく知るおせんべいが出来上がるのです。
 二つ目のミラクルはおもちです。
おもちにはもち米というお米が使われています。このもち米のおかげでおもちはあんなに伸びるのです。
 三つ目のミラクルは日本酒です。
皆さんの周りの大人も飲んでいるお酒も実はお米からできているのです。
 このようにお百姓さんが作ったお米にはたくさんの利用方法があります。これらの食べ物や飲み物には、お米を大切に食べていこうという人びとの思いがあるのではないでしょうか。

「小麦粉」 田上 小帆里・辻川友唯

 私たちはよくパンやうどん・パスタなどの麺類、ケーキやホットケーキといったお菓子を食べます。それらはすべて小麦粉という同じものから作られています。小麦粉は様々に変化して私たちの生活の中に存在しています。
 小麦粉は、含まれるタンパク質の量によって、種類が分けられます。
 まずは強力粉です。強力粉は水を入れて練ることでパンや中華麺になります。
 次に中力粉です。中力粉は水と混ぜて焼くことでお好み焼きやたこ焼きになります。
 最後に薄力粉ですが、これは焼くことでケーキやクッキーなどのお菓子になります。
 このように、小麦粉は様々な食べ物に変化して私たちの生活を支えてくれています。これらの食べ物には、小麦を食べる人の気持ちを工夫が表れているのではないでしょうか。

ミラクルパウダー    寺井 美樹

 みなさんは、朝ご飯に何を食べますか。ご飯やパンを食べる人が多いと思います。
 パンはふっくらして、栄養がありとてもおいしいですよね。そのパンが何からできているのか知っていますか。
 実は小麦粉からできているのです。小麦粉はほかにもいろんなもに返信します。
 小麦粉がミラクルを起こして、さまざまなものに変身するのを見ていきましょう。

 まず、一つ目のミラクルは、たこ焼きです。大阪名物と言われるたこ焼きは、みなさんよく食べたことがあると思います。小麦粉に、卵や水などを加えると、たこ焼きのもとになる粉ができ、それでたこ焼きを作ることができます。
 二つ目のミラクルは、クッキーです。小麦粉に砂糖などを加えると、たちまち小麦粉でできた生地ができます。それを好きな方で切り抜き、焼くとおいしいクッキーが出来上がります。
 三つ目のミラクルは、そうめんです。小麦粉に水を加え力いっぱいに揉み込みます。時には足を使って踏んだりもします。そうすることで、クッキーの時とは違う、しっかりした記事が出来上がります。それを細かく刻むと、そうめんになります。
 このように、小麦粉は、たこ焼き、クッキー、そうめんに変身し、おいしい食べ物を私たちに与えてくれます。これらの食べ物には、大切な小麦粉を私たちに届けたいという作った人たちの願いが込められているのではないでしょうか。

米    野口 慎太朗

 みなさんが給食などで食べている米は日本を代表する食べ物です。
 米はごはんとして食べるのが一番多いかもしれません。
 しかし、実はごはんとして食べる以外にも様々な食べ物に変身しています。
 どんなものがあるか見てみましょう。

 一つ目はもちです。
 もち米という種類の米を、うすときねを使ってついていきます。
 今はお正月に食べることが多いですが、昔はぜいたく品でめったに食べられませんでした。
 二つ目はせんべいです。
 これは、うるち米という米を平べったくして焼いていきます。
 せんべいは歴史が古く、弥生時代にはすでに近いものがあったそうです。
 また、日本だけでなく、中国などでも人気の食べ物としてあります。
 食べ物だけでなく、飲み物にも米は使われています。
 日本酒は、米を発酵させて作るお酒です。
 米が美味しくないと良いお酒は作れません。なので、新潟など米づくりがさかんなところはお酒づくりもさ かんなところとして知られています。
 ごはんとしての米を作る際にでる不要なものを使って作る食べ物もあります。
 キュウリやナスの漬物の中で、米を精白した時に出る糠というものを使って作ったものは「ぬか漬け」とよばれます。
 これも酒と同じで発酵させて作る食べ物です。
 このように、米はごはん以外にも様々な食べ物に変身しています。
 食べ物や飲み物以外には使われていないのでしょうか。一度調べてみましょう。

「お米のひみつ」    前薗 栞

 朝ごはんを食べることは私たちにその日一日のエネルギーを与えてくれます。
 みなさん今日の朝ごはんは何を食べましたか?
 ごはんやパンに野菜、フルーツ、お肉やお魚?
 食べ物にはそれぞれに特徴や働きがあります。
 たとえば、お米は日本で作られる数少ない穀物で、昔からわたしたちの生活を支えてきました。
 お米には体の中でエネルギーを作ってくれるでんぷんがたくさん含まれています。
 そのおかげでお米を食べると、私たちの脳や体は活発になります。
 ところで、みなさんはお米が私たちの身近な食べ物に変身していることを知っていますか?

 一つ目はお正月によく食べるおもち。おもちはお米を蒸したものをこねて作られています。またつくことでおもちの粘りが生まれています。
 二つ目はおせんべい。おせんべいはお米を粉にしたものを焼いてできています。焼くことでおせんべいの香ばしさが生まれています。
 三つ目はお酢。調味料であるお酢はお米から作られたお酒をもとに作られています。

 このようにお米は私たちの身近な食べ物に変身し、私たちの食生活を豊かにしてくれています。これらの食べ物にはお米を色々な形でおいしく食べようとした人々の工夫が表れているのではないでしょうか。

姿を変える大豆    向山 春華

 大豆は「畑の肉」とも言われ、たんぱく質や脂質を含む栄養価の高い食材です。
 私たちの食べているものの中には大豆からできたものが多くあるのを知っていますか?
 大豆はさまざまな姿に形を変え、多くの食品や調味料になっているのです。

 その一つは、味噌です。
 味噌は、味噌汁や料理の味付けなど私たちの食事にはかかせないものです。
 蒸してやわらかくした大豆に、米や麦を加え、こうじ菌をつけて発酵させます。
 すると、大豆の栄養がうま味成分に変化してみそができます。
 二つ目は、豆腐です。
 豆腐は、大豆を水につけ、すりつぶして煮たものをこしてできる豆乳に「にがり」を加え、かためてつくります。
 「もめん豆腐」「絹ごし豆腐」などの種類があり、それぞれ合う料理に使われています。

 他にも、大豆はしょうゆや納豆、きなこに姿を変えています。
 大豆は私たち日本人の食事を支えてくれる食材なのです。

大麦    上田 大貴

 本人の主食といえばなにでしょうか。
 そうです。お米です。
 しかし、お米はあまり栄養価が高くありません。
 皆さんは栄養価がお米より高く、お米に混ぜて食べることがすすめられる食材をご存知でしょうか。
 もち麦や押麦などで知られる大麦です。
 大麦は、お米に混ぜて炊き食べられるのはもちろんですが、ゆでてサラダなどに乗せて食べることもできます。
 また、大麦は私たちの大好きなものに姿を変えます。
 週末に行く居酒屋のビール、あれは大麦を発酵させることでできます。
 また、洋酒のウイスキーも大麦を発酵させ、蒸留することで作られるのです。
 このように、あまり知られていない大麦ですが、様々な形で私たちの前に登場しているのです。
 大麦が日本人の主食として広まる時が来るかもしれません。

ゼリーの正体    生越 真理

 スーパーマーケットに行くと、色とりどりのゼリーを目にすることがあります。
 適度な弾力があり、簡単に食べられるゼリーは世代を問わず愛され続けるお菓子の一つです。
 そんな身近なゼリーですが、何から作られているかは意外と知られていません。
 あのお菓子の正体は何でしょうか。

 ゼリーはゼラチンからできています。
 ゼラチンとは、動物の皮膚や骨を引っ付ける物質であるコラーゲンを熱で温めたものです。
 では、どのようにしてゼリーは作られるのでしょうか。
 例えば、コーヒーゼリーを作るときは、コーヒーと水に溶かしたゼラチンを混ぜます。そして、それを冷や すとゼラチンの力によってゼリーの形になるのです。
 このように、ゼラチンには液体を固める働きがあるのです。

 しかし、ゼラチンの力はこれだけではありません。
 ゼラチンは、古くから接着剤にも使われています。
 食品に使われるゼラチンと違い、接着剤に用いられるゼラチンは純度が低く、膠(にかわ)と呼ばれます。
 そして、その膠から作られた接着剤は、特に木材に対して強い粘着力を発揮します。
 そのうえ蒸気にあてると簡単にはがれるため、何度も修理が必要な楽器などは、膠の接着剤と相性抜群なのです。

 ゼラチンの使い道はまだまだあります。
 習字をする際に用いる墨。これも、ゼラチンが用いられている物の一つです。
 墨は、煤と香料を膠で固めることで作られるのです。

 この他にも、ゼラチンにはさまざまな使い方があります。
 普段はあまり目に留まらないゼラチンですが、意識して少し注目してみてください。
 もしかすると面白い発見があるかもしれません。

改訂版『大豆のへんしん』    加茂 千尋

 私たち日本人にとって大豆は身近な食べ物です。大豆は、「畑の肉」ともよばれるほど、タンパク質がたくさんふくまれていて、日本人の長寿にも役だっていると言われています。もちろんそのまま食べてもおいしいのですが、大豆はさまざまなかたちにへんしんして食べられています。大豆がどんなふうにへんしんするかを知る前に、まず大豆のれきしをみてみましょう。
 大豆は、ずっとむかし、2000年以上前の中国でつくられていました。日本に大豆がやってきたのはやよい時代です。へんしんするほうほうが日本につたわったのは、なら時代です。その後、時代とともにいろいろなへんしんのほうほうができました。
 では、大豆がどんなふうにへんしんするかみていきましょう。大豆の形がのこっているのは、納豆です。納豆は、むしてにた大豆を納豆きんというきんではっこうさせてできます。ネバネバはえいようたっぷりです。形は残っていませんが、みなさんが食べたことがあるのは、みそやとうふでしょう。みそは、大豆と米、大麦をこうじきんではっこうさせてできます。とうふは、大豆からできた豆乳をにがりでかためたものです。作り方のちがいによってきぬ、もめんなどいろいろな名前があります。
 見た目は変わっても、えいようたっぷりであることにちがいはありません。大豆がへんしんした食べ物をたくさん食べてけんこうな体をつくりましょう。 

ミラクル大豆    高窪 祐太

 私たちの食生活に欠かせないものとして、大豆があります。大豆は約4千年前の中国で生まれたとされています。人間にとって必要不可欠なたんぱくしつという栄養を多く含んでいるので、大豆は私たちにとってとても大事なものなのです。
 ところで、みなさんは、大豆がミラクル(ふしざなこと)を起こして、さまざまな物に変身することを知っていますか。
 まず、一つめのミラクルはしょうゆです。しょうゆのルーツは、古代中国に伝わる「醤(ジャン)」であるといわれています。醤とは野菜や果物などを塩漬けにしたものです。その中でも、米・麦・大豆を材料とした穀醤というものがしょうゆの起源です。この穀醤はそれ自体が食べ物として食べられていたのですが、ここからしみだしてきた液体がおいしいことにある人が気づきました。これが今のしょうゆの発見で、日本の和歌山に伝わりました。これがーつめのミラクルです。
 二つめのミラクルは、納豆です。弥生時代のころ、敷物はワラで編んで保存されていました。ある時、その敷物の中に大豆が落ち、日時が経って発酵してしまいました。それを見つけた人がその香ばしい匂いに釣られて口に入れてみると意外に美味しく、その後大豆をワラに包んで発酵させる料理が人々に広まっていきました。これが二つめのミラクルです。
 このように、大豆は、しょうゆや納豆に変身し、おいしくてとてもえいようのある食べ物を、わたしたちにあたえてくれます。これらの食べ物は、たまたま発見されたものですが、これほど私たちの食生活に欠かせないものになっていることもミラクルなのではないでしょうか。

ミラクル大豆    西村 聡太朗

?日本人は昔からさまざまなこく物を食べてきました。私たちの主食である米は縄文時代に中国から日本へやってきました。米とともによく食べられているものにみそ汁があります。みそ汁には味噌使われていますが、これは大豆から作られています。大豆は弥生時代に中国から日本へやってきました。
 米や大豆は人間が食べるだけでなく、スズメが田畑にあるものを食べたり、ウシが餌として与えられたりしています。
 ところで、みなさんは、大豆がミラクル(ふしざなこと)を起こして、みそだけでなくさまざまな物に変身することを知っていますか。
 まず、一つめのミラクルは納豆です。弥生時代に、大豆とわらを火をつける炉の近くに置いておいたことで納豆はできたといわれています。わらについていた菌が大豆に入ってくることで、大豆が納豆に変身します。この納豆菌のおかげで、大豆がくさらずに納豆にかわりました。これがーつめのミラクルです。
 二つめのミラクルは、豆腐です。大豆を水につけて加熱すると、豆乳と呼ばれる白い液体ができます。この豆乳ににがりという塩を抜いた海水を混ぜることで、白く固まり、豆腐ができあがります。
?三つめのミラクルは、きな粉です。大豆を火でいためたあとすりばちで粉にしたものを、布でいらないものをこしとるとできあがります。きな粉はご飯でできたお餅と食べられることがあります。今では、ヨーグルトに入れるなど、たんぱく質を簡単にとることのできるものとして大切にされています。
 このように、大豆は、みそ・納豆・豆腐・きな粉に変身し、おいしくてとてもえいようのある食べ物を、わたしたちにあたえてくれます。これらの食べ物には、大豆をおいしくたべようという、日本人の気もちとくふうが表れているのではないでしょうか。

カブトムシ    平崎 宏美

 みなさんはカブトムシを知っていますか。日本に多く生息していて、夏の風物詩とも言われます。しかし、成虫の姿は知っていても、その成長の過程を知らない人は多いのではないでしょうか。カブトムシには三つの成長の段階があります。カブトムシの不思議な変化の過程を見てみましょう。
 まず、幼虫の段階です。白いイモムシの形をしていて、頭の部分は茶色くなっています。周りの腐葉土を、一日に自分の体の数倍の量を食べて、どんどん大きくなっていきます。 しばらくたつと、土の中に自分だけの小部屋を作り、その中でじっとし始めます。
 次に、さなぎの段階です。はじめは幼虫と同じような形をしています。暗い小部屋の中で何も食べず、動きません。このとき、何かの衝撃で小部屋がつぶれてしまえば、カブトムシは死んでしまいます。幼虫と同じように白かったさなぎは時間がたつにつれて、茶色く、濃く、色を変えていきます。そのとき、だんだんと角が伸び、足が生えてていきます。
 最後に、成虫の段階です。小部屋を出て、生まれてはじめて土の中から出ると、みなさんがよく知っているカブトムシの姿で、飛んだり、歩いたり、木の蜜をなめたりします。オスは大きい角を持っていますが、メスには角はありません。そしてカブトムシのオスとメスはあたらしい卵をつくります。
 このように、不思議な変化を重ねて、カブトムシは成虫になるのです。ほかの昆虫のことを調べてみても、おもしろいかもしれませんね。

ホタテ貝    堀井 珠希

 ほたてという貝を知っていますか。水族館で見たことがある人も多いかもしれません。
 海の中では20cmほどの2枚の貝を上手に使いながら泳ぎます。
 しかし、人間はほたてを食べることもできます。食べる箇所は主に貝柱です。
 そして食べ終わった後に残るのは2枚の貝殻だけです。北海道では年間で20トンものほたての貝殻が捨てられています。これらの残された2枚の貝殻はそのまま捨てられる運命にあるのでしょうか。何かほかに利用することはできないのでしょうか。

 1つの方法としてあげられるのは、肥料の原料としてほたての貝殻を利用することです。
 貝殻にふくまれているカルシウムが荒れた土壌を改善する働きをすることがあります。
 もっと別な方法としては、食べ終わって残ったほたての貝殻を丁寧に洗ってお皿として使うこともあります。お刺身などをのせて客に出すお店もあるぐらいです。

 実はみなさんの身近にもほたての貝殻を利用しているものがあります。
 みなさんが学校に行ったときに見つけることができるものは2つあります。先生が黒板に文字を書くときに使うチョークと体育の時間などに運動場に線を引くために使われる白い粉です。これらには砕かれたほたての貝殻が含まれています。

 このようにほたての貝殻は他のものに加工されたりしながら人間の役に立っています。
 しかし、すべてのほたての貝殻が使われているわけでなく、捨てられてしまう貝殻はまだまだたくさんあります。これらの貝殻をどうするかが問題として残っています。
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