2001.05.11 作成 文章中の使用語彙の頻度表を
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「羅生門」 或日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。 広い門の下には、この男の外に誰もいない。唯、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。羅生門が、朱雀大路にある以上は、この男の外にも、雨やみをする市女笠や揉烏帽子が、もう二三人はありそうなものである。それが、この男の外には誰もいない。 何故かと云うと、この二三年、京都には、地震とか辻風とか火事とか饑饉とか云う災がつづいて起った。そこで洛中のさびれ方は一通りではない。旧記によると、仏像や仏具を打砕いて、その丹がついたり、金銀の箔がついたりした木を、路ばたにつみ重ねて、薪の料に売っていたと云う事である。洛中がその始末であるから、羅生門の修理などは、元より誰も捨てて顧る者がなかった。するとその荒れ果てたのをよい事にして、狐狸が棲む。盗人が棲む。とうとうしまいには、引取り手のない死人を、この門へ持って来て、棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪るがって、この門の近所へは足ぶみをしない事になってしまったのである。 以下略 |
「 記号-括弧開 羅生門 名詞-固有名詞-一般 」 記号-括弧閉 EOS EOS 記号-空白 或 連体詞 日 名詞-非自立-副詞可能 の 助詞-連体化 暮方 名詞-副詞可能 の 助詞-連体化 事 名詞-非自立-一般 だ 助動詞 ある 助動詞 。 記号-句点 一 名詞-数 人 名詞-接尾-助数詞 の 助詞-連体化 下人 名詞-一般 が 助詞-格助詞-一般 、 記号-読点 羅生門 名詞-固有名詞-一般 の 助詞-連体化 下 名詞-一般 で 助詞-格助詞-一般 雨 名詞-一般 やみ 名詞-一般 を 助詞-格助詞-一般 待つ 動詞-自立 て 助詞-接続助詞 いる 動詞-非自立 た 助動詞 。 記号-句点 EOS 以下略 |
記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 記号-空白 以下略 |
400 、 記号-読点 177 の 助詞-連体化 155 を 助詞-格助詞-一般 145 た 助動詞 145 。 記号-句点 124 て 助詞-接続助詞 115 に 助詞-格助詞-一般 111 は 助詞-係助詞 88 だ 助動詞 80 が 助詞-格助詞-一般 70 する 動詞-自立 57 いる 動詞-非自立 44 下人 名詞-一般 40 EOS 39 ある 助動詞 38 この 連体詞 33 も 助詞-係助詞 32 の 名詞-非自立-一般 31 その 連体詞 以下略 |