単語の説明
ここではホームページ上で出てきた難しい単語の説明をしています。
1,凝集エネルギー

凝集状態である液体および固体の構成原子(またはイオン)を互いに無限に遠く離すのに必要なエネルギーのこと。これは凝集状態の全エネルギー(運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和)とその物質の自由原子(またはイオン)
の全エネルギーとの差に等しい。
簡単に言うと,原子がくっ付いているときとバラバラのときのエネルギーの差とでも言えば良いだろうか。温度を下げると,すべての気体が液体または固体になるのもこの凝集エネルギ
ーの結果と言える。
2,凝集状態
- 集合状態とも言う。つまり物質の三つの状態のこと。しかし,物質によっては固体において2種類以上の形態をとることがある(硫黄,炭素等)。液体でも同様で,特にこのような凝集状態を相という。
- 3,縮む流体,縮まない流体
- 縮まない流体とは,運動を扱う場合に各部分の密度変化を無視することができる流体のことで「非圧縮性流体」とも言う。また縮む流体とは,密度変化を考慮せねばならない流体のことで「圧縮性流体」という。通常,液体は縮まない流体
,気体は縮む流体と考えられる。
さらに,ここで言う「縮む流体」の考えは次のような所で活躍している。それは航空機やロケットなどの分野である。高速で飛ぶ物体のまわりの流れやガスタ
ービンやノズル内などの『高速気流』を考えるときは気体の密度を考慮しなけれ
ばならない。
- 何故なら,低速の気流では速度変化に伴う圧力変化は小さいく,そのために密度変化を無視できたが高速になると無視できない。そういう流れを『
高速気流』という。密度を一定として圧力と速度の変化だけを考えてきた流体力
学に対し,密度変化を考えるときは縮む流体の力学,圧縮性流体の力学と言われている。
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参考文献
井上敏 小谷正雄 玉虫文一 富山小太郎 編:理化学辞典 増訂版,岩波書店
物理学辞典編集委員会 編:物理学辞典,培風館
下中邦彦 編:大百科事典,平凡社