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『美術館を楽しむ~「絹谷幸二 天空美術館」編~』大阪教育大学公開講座2024 in天空美術館

『美術館を楽しむ~「絹谷幸二 天空美術館」編~』大阪教育大学公開講座2024 in天空美術館

DETAIL:

  • 対象:
  • 小学生~中学生 (保護者同伴可)
  • 実践者:
  • 大学教員、美術館キュレター

DESCRIPTION:

 今回で3回目の美術館と連携した大学の公開講座(子ども向け企画)として、鑑賞ワークショップ『美術館を楽しむ~「絹谷幸二 天空美術館」編~』を実施しました。午前午後の各1回、小学2年生から5年生の5名(午前2名/午後3名)とその保護者が参加しました。
 ワークショップ導入では、「色と形のシート」を使った活動を行いました。色と形がラミネートされた23枚のシート(A4)の中から参加者が好きなシートを選び、選んだ理由やお気に入りの色や形について話し合います。その後、自分の選んだ「色と形のシート」と「鑑賞ルーペ」を手に、展示室へ移動しました。「色と形のシート」は、こどもの城の壁画に描かれた「アラベスク」シリーズ作品の中の形を取り出したものです。そこで実際の作品を前に自分が選んだシートの形がどこにあるか探してもらいました。参加者はシートと照らし合わせながら展示室の作品の前を行ったり来たりしつつ、絵をよくみながら、形を見つけていきました。一つの形が見えると、自然に同じ形を他の絵の中にも見つけていく姿が見られました。大方見つけた後、「ここにあったよ、あそこにあったよ」報告会をしました。シートで見た時の形と、絵の中にある形とでは印象が異なることをたくさん話してくれました。また、「自分だったら絵の中のこの形を選ぶなあ」という独自の視点で形を切りとってみる活動にも展開しました。
 美術館学芸員による絵画の簡単な解説を聞いたのち、後半は、定番となった「ざっと見鑑賞」(短時間で自分のお気に入り作品を見つける活動)をしました。参加者それぞれが選んだ作品の前に行き、対話型鑑賞を行いました。彫刻作品の前では、作品の素材について新たな発見をしたり、戦い、怒りや憎しみ、祈りといったテーマを扱う作品や仏像の姿には、当然怖い印象を持つ子どもたちが、絵をよくみると優しい顔であることを発見したり、対話を通して見方(第一印象)を更新していく様子が見られました。午後の部では、対話の後、一人で作品と向き合う時間として「セルフ-基本」 シートを使用し、絵の前でのスケッチを行いました。
 ワークショップの振り返りとして、「美術館にくる前と後、 なにか変わった?!」シートを使用し、意見交流を行いました。来る前にあまり乗り気ではなかったけれどもみんなと一緒で楽しかった、怖くてどんなところかとドキドキしていたけれど、怖い作品に対しても違う見方をすると怖くなくなった、美術館に来るまでは絵は写実的に描くものだと思っていたけれど、絹谷作品の神様や空想的なモチーフに触れ、想像の絵を描いてもいいということに気づいたといった発表がありました。
 参加者のアンケートからは、「自分と違う絵をみれて楽しかった。どこから描くか自分で考えたい。家に帰ったら似た絵をさっそく描いてみたい。面白いかったた。(5年生)」、「あたらしいことが分かった。かたちをさがすのが楽しかった。(2年生)」、「一人で見にいってもわからなかったことも、みんなで考えたら分かるのもあっておもしろかった。(5年生)」「またいつかやりたい。見たことがない作品があった。(2年生)」、「めっちゃたのしかった。(2年生)」などとありました。保護者からは、「大人も初めての鑑賞方法で、美術館を丸ごと楽しめた。子どもが、自分の言葉で話して受け止めてもらえる経験ができて、美術館を身近に感じられるようになったのではないか。」、「親も一緒に楽しめた。また子どもと一緒に美術館へ行きたいと思いました。」などの感想がありました。(2024年5月25日実施)

新たな試み「色と形のシート」の紹介と導入活動

自分の選んだ「色と形」を探し、「ここにあったよ、あそこにあったよ」と報告

「色と形」シートを見つけた絵の前におく

「ざっと見鑑賞」で見つけた作品の前で、彫刻作品の素材についても議論

お気に入りの作品をスケッチしてみる

スケッチや「来る前、来た後」シートを使い活動をふりかえる