オームの法則が発見されるまで


オームはフーリエが提唱した熱の流れに電気を当てはめ、熱でいう2点間の温度差と熱流の関係を 電気に置き換えてみました。

はじめ、ボルタ電池と自作の検流計(ねじればかり)を使用し、 電線の太さや長さを変えて実験をしていきましたが、現在のオームの法則のような比例関係の式にはなりませんでした。

熱のようにならない理由をオームは電源に使用していたボルタ電池の分極作用 (分極作用:陽極の銅から水素が発生して銅を包んでしまうため電流が流れなくなる)にあると見抜き、 数少ない支援者であったベルリン大学ポッケンドルフ教授の助言もあって、電源をボルタ電池から ゼーベックの熱起電力に置き換えて実験を試みました。
ビスマスと銅を組み合わせた熱電対を作成し、 片方を沸騰しつつある湯の中へ、片方を氷の入った水の中へ入れました。湯を沸騰させ続けることで 熱電対の温度差は100℃で一定に 保たれ、温度差すなわち電圧の調整が用意となりました。

これによりX = a / (b + x)の式を導きました。
X:磁気作用の強さ
x:針金の長さ(回路長)
aとb:起電力と回路抵抗の定数。bはほぼ一定

この式が現在よく知られているE=IRの式に発展するのですが、できるまでにはさらに長い時間がかかりました。

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