技術科の先生になりたい人のためのQ & A

技術科の授業の内容と目標は?
Q: 中学校の技術科では何をどうやって教えるの?

A: 中学校の技術科(正式には中学校の技術・家庭科の技術分野といいます)では、ものづくりなどを通して生活と技術のかかわりについて理解を深め、技術を適切に評価し、積極的に生活に生かせるように生徒を育てることを目標にしています。そのために、技術について理解するとともに、理解した技術を応用して作品に発展させる形の授業が多く行われています。

Q: 技術科の時間は作品を作ることが目標なの?

A: 中学校の「技術」の時間というと何か作品を作った記憶があるのではないでしょうか。でも、その前に講義もあり、テストもありましたね。作品を完成させるだけでなく、作品作りを通して、授業で学んだ技術について理解を深め、将来、他の技術についても関心を持ち、進んで理解をするような生徒を育てることが目標なのです。

Q: 学校によって作ったものが違うのはなぜですか?

A: 中学校が違う高校の同級生と話をすると技術科で作った作品が違うといった場合があります。現代社会において使われている技術の幅は非常に広くなっています。一方、学校で学ぶ時間は限られていて学校によって生徒も設備も違います。そのため、技術科の目的を達成する、生徒にあった題材を選択し指導することが「先生」に求められています。結果として作った作品が違う場合も多くあります。また先生に任されている範囲も広いので、技術科には教育観のしっかりした先生が求められています。

技術科の先生になるには?
Q: 先生になるにはどうしたらいいの?

A: まずは教員免許状を取得し、教員採用試験に合格することが必要です。免許状は校種(小学校・中学校・高等学校)と教科で分かれています。それぞれの免許状の取得に必要な単位を修得する必要があります。

Q: 中学校の技術科の先生になるために大学で何を学ぶのですか?

A: 大学で学ぶ科目は、教養科目と教職科目、教科専門科目に分かれます。教養科目では、大学を出た社会人として身につけるべき教養(外国語を含む)について学びます。教職科目では、担当する教科に関係なく教員として必要な内容(生徒の発達と教育に関する心理学や学校の成り立ちなど)を学びます。教科専門科目(専攻専門科目とも呼ばれる)では「技術科」の教員に必要とされる専門分野を学びます。中学校の技術科で指導する内容に対応する学問分野は工学と農学になります。その中で、機械、電気、木材加工、金属加工、情報、栽培(生物育成)について学びます。また「技術科」特有の教育方法に関しては技術科教育法という科目で学びます。

大阪教育大学で学ぶ理由は?
Q: 大阪教育大学で学ぶメリットを教えてください

A: 大阪教育大学は、教育大学の中でも歴史が長く、教員採用実績が全国でトップクラスであることで知られています。大阪教育大学の歴史は1874年に大阪府が設置した教員伝習所にさかのぼります。現在は大阪府柏原市にメインキャンパスがあり、池田、天王寺、平野に9つの附属学校園(小学校:3校,中学校:3校,高等学校:1校・3校舎,特別支援学校:1校,幼稚園:1園)があります。そのため教員免許取得に不可欠な教育実習を、附属学校で密度濃く実施できる体制にあることも特徴です。

 技術教育コースは比較的小さなコースですが、他教科の教員を目指す同年代の学生との交流も容易です。また大阪教育大学には教職大学院もあり、専門性を高めるために教職大学院へ進学することを積極的に勧めています。