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人間行動学 ( Human Behabioral Sciences )


人間行動学教員の紹介

(Makoto Takahashi)

 高橋 誠   教授
専門領域
「産業心理学」、「感覚・知覚心理学」、「視覚エルゴノミクス」
研究テーマ

「視覚表示の視認性」、「視覚疲労」、「視作業の快適化」、「視覚系の光応答特性」

 さまざまな人間行動の中でも、産業場面や日常生活場面における「見る」・「観る」・「看る」・「視る」・「診る」といった心身活動に関わるメカニズムとパフォーマンスの特性を調べ、見やすく、視覚疲労も生じない視作業の諸条件を明らかにしようと研究を行っています。こうした研究では、まずフィールドでの心身活動と環境(例えば、視作業の内容・方法、視環境)の実態を観察・測定します。場合によっては、フィールドで現場作業実験を実施して因果関係を把握しようとします。さらに、因果関係をより明確にしたり、改善策の有効性を定量的に評価するために実験室実験を行ったりします。実験室実験では諸条件をコントロールして、原因や改善策をより詳しく調べることができるからです。
 現代の産業場面や日常生活場面では、ますます「みる」という活動に依存するとともに、心身活動が拘束的な条件で行われるようになってきました。コンピュータ作業による視覚疲労も、視覚表示機器や什器・照明環境などの問題だけではなく、そうした拘束的な作業条件が背景原因となっています。バランスのとれた快適な心身活動のためには作業機器や作業環境の改善だけでなく、作業組織を含む作業方法全体のあり方が問われています。また、今後の人間生活全体を考えれば、利便性や効率性だけでなく、精神的な豊かさを大切にした物・人・情報のインタフェースのあり方が必要とされています。例えば、使って楽しい機器、やりがいのある仕事といったことを念頭にインタフェースをデザインする段階にきています。より広い視野で、そして長いスパンで人間行動を捉えて研究することが必要といえます。

最近、取り組んでいる研究
  • 人間の技能(スキル)発達からみたワークデザイン
  • 組立工場の一人完結方式の職務満足・健康状態改善効果に関する研究
  •  (英国 Sheffield大学労働心理学研究所との共同研究)
  • 視覚系の光応答ダイナミックレンジ−BrightnessとGlareの関係−
  • ブラウン管のフリッカーと視覚疲労の関連性
主な業績
【著書】
  • 安全工学講座6.健康障害(安全工学協会 編) 海文堂出版 1982
  • Ergonomic and Health in Modern Offices(Grandjean,E.編) Taylor & Francies 1984
  • 新版産業保健 −I 産業保健の考え方・進め方(日本産業衛生学会 監修) 篠原出版 1985
  • ME化とVDT労働(小保内博 編)労働科学研究所出版部 1986
  • VDT労働と健康(VDT労働研究会 編)労働基準調査会 1987
  • 現代労働衛生ハンドブック</B>(三浦豊彦他 編)労働科学研究所出版部 1988
  • コンピュータ画面作成ハンドブック(Galitz, W.O.著、本城由美子と共訳) 共立出版 1991
  • 心理臨床プラクティス第4巻産業心理臨床(乾吉佑,飯長喜一郎 編) 星和書店 1993
  • 現代労働衛生ハンドブック増補 改訂版第2版・増補編(松本純平他 編) 労働科学研究所出版部 1994
  • インターネット、マルチメディア をよむ−技術、人、社会の諸相(山下利之 編) 日本出版サービス 1998
 詳しくはこちら
(→高橋 誠の詳しい研究紹介ページへジャンプします)
(大阪教育大学「研究者総覧」もご参照下さい)

(Yoichi Shimomura)

 下村 陽一   教授
専門領域
「対人行動学」、「臨床社会心理学」

 私たちは、他者とかかわり合うことを通して日常生活を送っています。このような他者とのかかわり合いを社会心理学では「相互作用」と言います。とくに対人的な場面における相互作用を「対人行動」と呼んでいます。そして私たちは、対人場面において、相手の感情や意図などを知るために、言語的情報はもちろん、それ以外の非言語的情報などを手掛かりとして、総合的な判断を下しています。この言語によらないコミュニケーション手段が、ノンバーバル・コミュニケーションと呼ばれるものです。この非言語的行動の代表的なものとして、表情、視線行動、姿勢、接触、パーソナル・スペース(空間行動)などがあります。よりよき対人関係を形成して行くためには、言語的・非言語的に、人々がお互いにどのような影響を与え合っているのかを知ることが大切です。対人関係を決定づける非言語的側面からの行動のメカニズムを研究しています。
研究テーマ

「非言語コミュニケーション」、「欺瞞」

 人が、自分の感じている感情状態を、隠したい、あるいはあからさまに伝えたくないと思っているとき、言語的にはコントロールできたとしても、非言語的には、何らかの手掛かりがあらわれていると考えられます。このような「欺瞞」状況における意識的・無意識的な非言語的行動の現れ方を研究しています。また人間の行動は、その個人が生まれ育った環境(地域、国など)の影響を強く受けています。アメリカと日本という文化を異にする人々の、非言語的行動の現れ方を比較することによって、異文化間コミュニケーションの研究にも取り込んでいます。。

主な業績
【著書】
  • 「『しぐさ』を見れば相手の本心が怖いくらいに読める:人は『全身』でモノをいう」 2013年 三笠書房(知的生き方文庫)
  • 「家族システムの再構成に果たすコミュニケーションの役割:「セカンド・サイバネティク ス」に基づく一考察」 1993年 家族心理学年報(金子書房)第11巻、pp.150-166.
  • 「システム再構成のメタファー(II)」 1991年  家族心理学年報(金子書房)第9巻、 pp.184-197.
  • 「家族療法」 1989年 「メンタルヘルス・ハンドブック」(同朋舎出版)pp.607-619
  • 「表情分析入門」(工藤 力監訳)("Unmasking the face",P. Ekman著)1987年  誠信書房

【論文】
  • 実際的コミュニケーションの構造と機能(1)ー対人コミュニケーションの概要 2014 下村陽一 大阪教育大学紀要、第62巻第2号、pp.79-87.
  • 社会的知覚に関する研究 ー IPTを用いた日米比較 2008 下村陽一 大阪教育大学紀要、第57巻第1号、pp.88-92.
  • 欺瞞尺度開発に向けての発展的研究(2)ーパーソナリティ・タイプと嘘行動との関連― 2006 下村陽一・関口洋美・工藤力 大阪教育大学紀要、第55巻第1号、pp.101-107.
  • 欺瞞尺度開発に向けての発展的研究(1)ー作成された欺瞞尺度によって分類されるパーソナリティ・タイプ― 2005 下村陽一・関口洋美・工藤力 大阪教育大学紀要、第54巻第1号、pp.159-166.
  • 大阪教育大学附属池田小学校事件における危機介入と授業再開までの精神的支援 2002 大阪教育大学メンタルサポートチーム、大阪教育大学教育学部紀要第51巻1号、pp.55-65.
  • 米同時多発テロ事件後のニューヨークにおける学校危機への対応および支援について 2002 石橋正浩・元村直靖・下村陽一・瀧野揚三・大日方重利・岩切昌宏、大阪教育大学教育研究所報第37号、pp.1-7.
  • 対人的知覚課題(IPT)の紹介と日米比較研究への試み 2002 下村陽一・関口洋美・工藤力 大阪教育大学紀要、第51巻第1号、pp.137-145.
  • 不一致メッセージに関する研究   1999 工藤力・下村陽一 大阪教育大学紀要、第47巻・第2号、pp.449-469.
  • 派生的感情の研究−pilot study−   1998 工藤力・下村陽一 大阪教育大学紀要、第47巻・第1号、pp.177-190.
  • 欺瞞行為における非言語手掛かりの分析−性格特性の個人差に基づいてー 1997 工藤 力・下村陽一 大阪教育大紀要 第45巻・第2号 PP.247-262.
  • 欺瞞に関連するアメリカ人の非言語手掛かりの分析 1996 工藤 力・下村陽一 大阪教育大学紀要 第44巻・第2号 PP.219-234.
  • 微笑みと欺瞞に関する日米比較研究 1995 工藤 力・下村陽一    平成6年度科学研究費補助金(一般研究C)研究結果報告書
(大阪教育大学「研究者総覧」もご参照下さい)

(Tomoko Adachi)

 安達 智子  准教授
専門領域
「社会心理学」、「教育心理学」
研究テーマ
 職業選択は、選択を行う一時点に限られた問題ではなく、個人の生き方を左右する重要テーマである。主に若者層の職業への意識や態度、職業選択過程に焦点をあてて調査的手法を用いて研究している。最近はとくに、若者層を対象とした職業選択への働きかけ・支援の在り方に関する実践的研究に力を注いでいる。

主な著書
【著書】
  • 東 清和・安達智子編著 (2003) 『大学生の進路意識の発達‐最近の調査結果から‐』  学文社 2003年(第1, 2, 3, 4, 5章執筆)
  • 安達智子 (2003) 学級の心理学 [櫻井茂男編著『楽しく学べる最新教育心理学‐教職にかかわるすべて の人に‐』図書文化社]
  • 諸井克英・宗方比佐子・小口孝司・土肥伊都子・金野美奈子・安達智子著 (2001) 『彷徨するワーキン グ・ ウーマン』北樹出版

【論文】

  • Tomoko Adachi 2004 Career Self-Efficacy, Career Outcome Expectation and Vocational Interest among Japanese University Students, Psychological Reports.
  • 安達智子 2003 大学生の職業興味形成プロセス, 教育心理学研究51(3),308-318.
  • 安達智子 2001 就業動機尺度の概念的妥当性, 実験社会心理学研究,41(1), 45-51.
  • 安達智子 2001 大学生の進路発達過程, 教育心理学研究, 49(3),326-336.
  • 安達智子 2001 進路選択に対する効力感と就業動機,職業未決定の関連について, 心理学研究, 72(1), 10-18.
  • 安達智子 1999 理科系大学1年生の大学選択動機と入学後の適応について, 進路指導研究, 19(2), 22-29.
  • 安達智子 1998 大学生の就業動機測定の試み, 実験社会心理学研究, 38(2), 172-182.
  • 安達智子 1998 セールス職者の職務満足感, 心理学研究, 69(3), 223-228.
  • 安達智子・室山春美 1998 大卒女性の就労意識, 進路指導研究, 18(2), 1-7.

(大阪教育大学「研究者総覧」もご参照下さい)

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