健康生活科学専攻の教員は大学院健康科学専攻の下記の研究も担当しています。

人間生態学研究

 人間生態学では、人間の健康生活に影響する種々の要因と健康事象との関係について疫学的手法を用いて研究し、健康増進の方策を考究する。健康増進を個人の生活改善に限定してとらえるのではなく、社会的環境の改善をも含んで考えるために、扱う領域は物理化学的要因、社会文化的要因、経済学的要因、地理約要因等、様々なレベルで健康事象に関連するあらゆる要因を扱う。
 従って、単に保健や医療、環境の分野に限らず、福祉学、社会学、経済学といった幅広い視点から、健康問題を考えることのできる人材の育成を目酌とする。これまでに、看護大学や看護短期大学で地域保健や成人看護、母子保健、理学療法などの分野を担当する教官、ならびに介護福祉施設職員や病院職員などが研究に従事している。
 現在、大学のみならず、地域や事業所に勤務する地域保健、産業保健、環境保健、福祉事業などに従事する人たちが、研究に取り組んでいる。修了年限が2年と短いために、入学後に計画の変更があったり、基礎データや文献の収集をしていては間に合わないことがあるので、研究計画については十分に吟味し、研究計画作成の段階で、適切な実施計画に基づいた基礎データの収集を終えておくことが望ましい。

教員名 研究内容
山川 正信 特任教授研究室HP
Masanobu Yamakawa
人間をとりまく社会的・文化的環境、物理化学的諸環境等が人の健康生活に及ばす影響についてフィールド調査を中心とした研究。
1)地域保健事業の評価
2)老人保健福祉施策
3)健康教育方法とその評価
4)環境保健等
に関する研究を行っている。
永井 由美子 教授研究室HP
Yumiko Nagai
ヒトと環境との関係について温熱生理学の立場から研究を進めている。特に
1)寒冷及び暑熱環境下におけるヒトの適応能力について
2)温熱環境が高齢者の生理機能に与える影響等を考究している。

心身健康学研究

 健康問題は社会の発展に伴い、益々複雑化、多様化しています。これからのヘルスプロモーションは自助、共助、公助を複合的に取り入れる活動が益々重要です。社会的要請の高まりに応じて、次代の指導者を育成する教育・研究システムの確立が望まれる中、生命や健康を理解し、健康生活を実践できる創意工夫に富んだ人材の育成を目指します。

教員名 研究内容
松本鉄也 教授研究室HP
Tetsuya Matsumoto
主に医療機関の従事者(理学療法士、栄養士、臨床検査技師等)を対象にしている。それぞれの職域で得られた知見から疾病予防と健康保持につながる臨床的研究を行う。
榎木泰介 准教授研究室HP
Taisuke Enoki

健康で活動的な生活を営む上で、その基盤となる心身の生理学的適応変化について研究を行う。専門はエネルギー代謝。主に自然科学および医療関係の方を対象に、肥満・栄養・運動・発育・加齢・保健などの課題について研究を行う。

生活科学研究

 高齢化、情報化、国際化が進むなかで、便利で豊かになった生活の内側には、新たな問題が生じています。生活科学研究では、居住環境、住生活、生活文化、衣生活、色彩環境、ユニバ-サルデザインなどをキ-ワ-ドに、生活の中の諸問題を生活者の立場で解明し、健康で安全・安心な生活の創造を目指します。地方行政、看護、福祉、医療、保健、建築、教育などに関わる職業の社会人院生が、職務上の課題に立脚しつつ、生活科学の視点から研究に取り組んでいます。マンツ-マンに近い研究指導を行っています。

教員名 研究内容
岡本幾子 教授研究室HP
Ikuko Okamoto
色彩は日常生活における視覚的認識の指標となることから、生活環境における色彩が快適性と安全性におよぼす影響について研究している。色彩嗜好、色識別、注目色や安全色 のはたらきかけ効果などを検討している。
碓田智子 教授研究室HP
Tomoko Usuda

高齢社会の住まい・まちづくり、住宅問題、住生活など、現代社会の居住環境に関わる課題について、住まい手の視点から研究を行う。加えて、その基盤となる社会教育および学校教育における住まい・まち学習のあり方についても検討している。