言葉の解説


「アルキメデス原理」って何?
流体静力学の重要な定理で,紀元前220年頃アルキメデスによって発見されたと伝えられる浮力に関する原理。
物体が流体中にあるとき,または液体表面に浮かぶとき,物体表面に働く流体の圧力が下方ほど大きいために,全体として上向きの力すなわち浮力を受ける。浮力の大きさは,流体の自由表面下にある物体の体積(船体のような場合には表面下にある気体の体積を含む)を周囲の流体で置き換えたときの,この流体に働く重力に等しい。


「取り尽くし方法」って何?
平面図形や立体の求積問題の証明に用いられたギリシャ数学独得の証明法。アルキメデスによると,前4世紀のエウドクソスが「任意の円錐波,同底同高の1/3である」という定理を初めてこの方法で証明したと言われる。その時のレンマとして・・・
2つの不等な量が定められ,もし大きい方の量からその半分より大きい量が引かれ,これが絶えず繰り返されるならば,最初に定められた小さい方の量よりも小さい何らかの量が残される。

ということを使用したらしい。

「慣性抵抗」と「粘性抵抗」とは?
「慣性抵抗」は又の名を「圧力抵抗」と言う。圧力抵抗とは・・・
流体中を運動する物体は流体から力を受けるが,この力の物体の運動方向と逆方向の成分を抵抗という。なお,物体表面が流体から受ける力は法線応力および接線応力でありこれらのうち法線応力(普通,圧力と考えて良い)のみが働くとして計算される抵抗を圧力抵抗という。


「粘性抵抗」は又の名を「摩擦抵抗」と言う。摩擦抵抗とは・・・
抵抗のうち接線応力だけが働くとして計算される抵抗を摩擦抵抗という。


「空気力学」とは?
空気(あるいは他の気体)の運動,あるいは空気中を運動する物体に作用する力を取り扱う流体力学の分野。よって,気体力学の一つとみなすこともできる。
気体力学とは?

流体力学の中でも特に気体を対象として扱う分野。気体と液体の最も大きな性質の違いは,気体は膨張したり収縮したりしやすい(圧縮性 )という点にある。そこで,気体力学は 縮む流体 の力学(圧縮性流体力学)であるともいえる。流れにおいて流体の圧縮性が 問題となるのは,主に音速に近いときの高速の流れにおいてである。したがって ,高速航空機やロケットの研究と一緒に発達してきた。


「ベルヌーイの定理」とは?
流体の圧力はその速度に依存し,速度が増すにつれて圧力は減少することを示す原理である。この効果は,エネルギーが保存されるからであって,この定理はエネルギー保存の概念の初期の定式化であるということができる。
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参考文献

  • 物理学辞典編集委員会 編:物理学辞典,培風館
  • 井上敏 小谷正雄 玉虫文一 富山小太郎 編:理化学辞典 増訂版,岩波書店