大阪教育大学 国語教育講座 野浪研究室 ←戻る counter

2012年度 小学校専門科目 国語T 受講生が書いた小学校国語教材

 小学校の国語教材を書くことを毎週の課題にした。授業で教科書教材の構成に関して説明を聞いた後で、受講生自身が書くことは理解を定着サせることに繋がるからである。
 受講生は小学校教員免許取得を目指す国語以外の教科専攻の学生で、小学校の国語教育を実質的に支える人材である。彼らの国語教育力を伸ばすことは重要な課題である。
1年生説明文  2年生説明文  3年生説明文  4年生説明文  5年生説明文  6年生説明文
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1年生説明文

1年生説明文 「パンくらべ」 91444

 パンやさんには、たくさんのパンがならんでいます。どんなパンがあるのでしょう。

 これは、食パンです。ふわふわの白いパンのまわりには、茶色いやき色のついたみみがついています。食べると小麦の味がします。

 これは、カレーパンです。こんがり茶色にあがったパンのなかには、カレーが入っています。食べるとピリっとからいカレーの味がします。

 これは、メロンパンです。白くてサクっとしたビスケットのしたには、白いパンがあります。食べるとあまくてバターの味がします。

 このように、パンには、いろいろな色があり、さまざまな味が楽しめます。

1年生説明文 「おみせくらべ」 102917

 しょうてんがいには、たくさんのおみせがならんでいます。
 それぞれのおみせは、どんなときにやくにたちますか。
 そのために、どんな人がはたらいていますか。

 スーパーマーケットはたべものがほしいときにやくにたちます。
 そのために、おにくややさいをたなにならべる人がいます。大きなこえをだして、おいしたべものをうっています。

 クリーニングやさんは、ようふくをきれいにするのにやくにたちます。
 そのために、じょうずにしみぬきのできる人がいます。ふくのしわをきれいにのばすこともできます。

 ぶんぼうぐやさんは、ノートやえんぴつをてにいれるのにやくにたちます。
 そのために、いろいろなしゅるいのぶんぼうぐをしいれる人がいます。かうものをまよったら、やさしくおしえてくれます。

 じてんしゃやさんはじてんしゃをたくさんうっています。
 どんなことにやくにたちますか。
 そのために、どんな人がはたらいていますか。

1年生説明文 「文ぼうぐくらべ」 102921

 わたしたちが、いつもつかっている文ぼうぐにはたくさんのしゅるいがあります。
 それらの文ぼうぐは、つかいかたがちがいます。それぞれの文ぼうぐは、どのようなやくわりがあるでしょうか?

 えんぴつは、じをかくときにつかいます。
 そのために、かみにじをかいけるように、まんなかにしんがあります。しんがへってくると、けずれるようにまわりが木でできています。

 けしごむは、じをまちがえてけしたいときにつかいます。
 そのために、えんぴつでかいたじをけせるようにくふうされています。けしやすいようにケースがついていたり、そのほかにもくふうされているけしごむもたくさんあります。

 ふでばこは、えんぴつやけしごむをしまうときにつかいます。
 そのために、えんぴつをさすところがあったり、けしごむをいれるところがあります。えんぴつやけしごむがなくならないようにくふうされています。

 ものさしは、せんをひくときにつかいます。
 どのようにつかわれていますか。
 そのために、どのようなくふうがされていますか。

1年生説明文 「無題」 102926

みんなの使っている筆箱の中にはどんなものが入っているでしょうか。学校で勉強するときにはいろいろな道具を使います。一つ一つ見てみましょう。

一番よく使うのは鉛筆です。5角形や6角形の長い棒で先がとんがっています。先生が黒板に書いたことをノートに書いたり、プリントの問題を解いたりするのにも使います。

次ははさみの話です。はさみは二枚の刃が重なっていて、持ち手を動かすと、刃がずれるように動きます。この二枚の刃で紙などをはさんで切ります。手などを切らないように気をつけましょう。

最後にのりの話をします。のりはでんぷんのり、スティックのり、液体のりなどいろんな形があります。ノートにプリントを貼り付けたり、切り抜いた絵などをはることができます。

ほかにも学校ではいろんな道具を使います。たくさん使って楽しく学びましょう。

1年生説明文 「とけいくらべ」 102927

わたしたちのまわりにはいろいろなとけいがあります。それぞれどんなちがいがありますか。

わたしたちのみのまわりでよくつかわれているのが、アナログどけいです。アナログどけいでは、たんしんがじかんをさし、ちょうしんがふんをさしています。また、びょうしんはびょうをさしています。

つぎによくみられるのがデジタルどけいです。すうじでじかんをあらわしているので、みたしゅんかんにじかんがわかります。

さいごはすなどけいです。すなどけいはふたつのへやにわかれていて、かたほうのへやからもういっぽうのへやにすながおちきることでじかんをはかることができます。

このように、それぞれのとけいに、それぞれのつかいかたがありましたね。

1年生説明文 「かみ」 103811

さわってみよう
おとをきいてみよう
みのまわりには
どんなかみがある?

さわってみる
きゅっきゅっ
どんなおとがする?
ぺこぺこ
まっしろなかみ
うすっぺらいかみ
えをかくかみ
これはなに?
がようし

さわってみる
ほわほわ
どんなおとがする?
わしわし
ながいながいかみ
すきなながさにちぎる
これはなに?
トイレットペーパー

さわってみる
くしゃくしゃ
どんなおとがする?
ばしばし
はいいろのかみ
もじがいっぱい
しらないじがいっぱい
これはなに?
しんぶんし

さわってみよう
おとをきいてみよう
みのまわりには
どんなかみがある?

1年生説明文 「ふでばこの中には・・・」 112702

みんなが持ってるふでばこには、いろんな文房具がはいっているよ。その中身をのぞいてみよう・・・。

はさみは、ものを切るための道具です。紙を切ったり、糸を切ったり、分けるときに使えます。

つぎは、消しゴムです。文字を書いた時に間違えたら、消しゴムの出番です。これで安心です。

最後は、えんぴつです。文字を書くときに使います。忘れてはいけないことや、新しく勉強したことを書くことができます。

さぁ、みんなの筆箱には何が入っているかな?見てみよう。

1年生説明文 「みのまわりのみず」 112710

わたしたちのみのまわりには、みずがたくさんあります。じゃぐちをひねればみずがでてきますし、のんだりもします。ではみのまわりで、みずがたくさんあるところはどこでしょう。うみ、かわ、いけなどがありますね。ところで、これらのちがいはみなさんわかりますか。

「うみはひろいな、おおきいな」という、うたをきいたことがあるでしょう。このうたにもあるように、うみはとてもおおきなみずたまりのようなものです。うみのみずはしょっぱいし、おおきななみもありますね。

「かわのうえからおおきなももが、どんぶらこどんぶらことながれてきました。」きいたことがありますね。ももたろうというおはなしのなかにでてきます。このことばにもあるように、かわは、りくのたかいところから、ひくいところにむけてながれる、みずのみちのようなものです。

さいごにいけですが、みなさんはみたことがあるでしょうか。いけというのは、りくにある、おおきくてふかいみずたまりのようなものです。うみとちがって、まわりをりくでかこまれています。

うみとかわといけ、にているけれど、ちがうところもたくさんありますね。それぞれにそれぞれのよさがあります。みなさんもほかのひととはちがうけれど、そのじぶんらしさをたいせつにしてください。

1年生説明文 「すうがくくらべ」 112713

私達の生活の大部分は数学に支えられています。しかしその数学の分野というのは一般には知られていません。どんな分野があるのでしょうか。

現在は数学は大きく分けて3つの分野があると考えられています。1つ目は幾何学です。これは数学の中でも最も歴史のある分野で紀元前300年頃には既にあったことが知られています。図形に関する学問で平面図形や立体図形時にはN次元空間について考えることもあります。

2つ目は解析学です。この学問はガウスが核心的な分析をしたことが知られています。主に関数に対して考えていく分野で、代表的には指数・対数・三角関数や微分積分などがあります。また確率関数や統計などの応用数学もこの分野になります。

最後は代数学です。これは一番新しい数学の分野で出来てからまだ500年も経っていません。なので一番研究内容が残っている分野ともいえます。これは数の区分やその中での演算に関する分野で、ある代数的な空間の中では1+1が3になったり4になったりもっと違う数字になったりします。

このように3つの分野に分けられている数学ですが、まだまだ未知の内容がたくさん残されています。皆さんも新しい数学の分野を見つけてみましょう。

1年生説明文 「スポーツくらべ」 113102

いろいろなスポーツが世の中にはあります。
それぞれのスポーツはどんなことをしていますか。

野球やソフトボールは、ベースを4つ置き、攻める人と守る人で得点を競うゲームです。

サッカーやハンドボールは1つのボールをパスしあってゴールに入れ、その得点を競うゲームです。

体操やフィギュアスケートは個人の技のすごさで点を競うスポーツです。

それぞれ勝つためにどんな練習をし、またどんな試合をしているのでしょうか。

1年生説明文 「文房具くらべ」 113103

勉強するとき、たくさんの文房具を使います。どんなところで、どんな文房具が勉強を助けてくれるでしょうか。

習った漢字をかくとき、足し算をするとき、お父さんの顔をかくとき、紙に何か書きたいときえんぴつの出番です。えんぴつには正しい持ち方があります。正しく持たないときれいにかけません。

えんぴつで間違えて書いてしまったとき、消しゴムの出番です。間違えて計算してしまったとき、間違えたところの上を消しゴムでこするとあら、不思議、数字が消えました。

まっすぐな線を書きたいとき、ヒモの長さを図りたいとき、ものさしの出番です。ヒモの片っぽを0に合わせ、ヒモをまっすぐにし、もう片っぽのしたにあるメモリを読み、何センチあるのか図ります。線を書きたいときはものさしにそってえんぴつで書きます。

いろいろな文房具がそれぞれの特徴にあわせて使われているのです。

1年生説明文 「遊具くらべ」 113104

こうえんにおともだちとあそびにきました。小さなおともだち、大きなおともだち、みんなたのしそうにあそんでいます。すべりだい、ブランコ、ジャングルジム。いろいろなゆうぐがたくさんあるね。どんなゆうぐがあるかな。

すべりだいははしごをじょうずにのぼって、スーっとすべる。まるでゾウさんのおはなをすべってるみたい。はんたいがわから上ってはいけません。みんなでじゅんばんをまもってなかよくあそぼ。

ブランコは、まえへうしろへこうごにブラブラ。まるで木にぶらさがってるおさるさんみたい。立ってのってみたり、すわってのってみたり。いつものせかいとちがうせかいにあそびにきたみたい。のってる人がいるときはあぶないからちかづいたりしてはいけないよ。

ジャングルジムは中にはいってみたり、上にのぼってあそんだり、外がわをグルグルグルグル。まるでモグラさんのおうちみたい。いろいろなあそびかたができちゃうね。でもおちないようにきをつけないと。

このようにこうえんには、みんながたのしめるゆうぐがたくさんあります。みんなでどんなゆうぐがすきなのか、なにをしたらあぶないかなどいろいろくらべてみよう。

1年生説明文 「らーめんくらべ」 113110

らーめんはおおくのひとたちがたべます。でもらーめんにもさまざまなしゅるいがあります。どんならーめんがあるでしょうか。

まずはとんこつらーめん。こってりしていてとてものうこうです。すーぷまでぜんぶのみほすと、おなかがとてもいっぱいになります。

つぎにしおらーめん。しっかりあじがついているものと、あっさりしていてたべやすいものとがあります。

さいごにみそらーめん。みそのあじがとてもきいていておいしいです。

どのらーめんも、ちゃーしゅーやねぎ、もやし、たまごなどをのせてたべるととてもおいしくなります。あなたはどのらーめんがすきですか。

1年生説明文 「くにくらべ」 113119

せかいにはいろいろな国があります。
それぞれの国によってさまざまなくらし方がちがいます。

アメリカは大きな国です。
とても大きいのでとなりのおうちがすごくとおいです。
さらに、アメリカはさむい国です。
冬にはゆきがいっぱいふります。

モンゴルはあつい国です。
そして、水がすくない国です。
なのでモンゴルの人々は水をとてもだいじにします。

そして日本では、しきと呼ばれるものがあります。
日本はあつかったり、さむかったりします。
なのできせつによってけしきがちがいます。

では、ほかのせかいの国々にはどのようなくらしがあるのでしょうか?

1年生説明文 「いろいろながっき」 113604

 おまつりへ行くと人びとのこえにまじって音がくがきこえてきます。音がくをえんそうするがっきにはいろいろなしゅるいがあります。いったいどんながっきがつかわれているのでしょう。

 ピーヒャララという音は、よこぶえです。ほそながいかたちをしていて、あながいくつかあいています。いきをふきこんで音を出します。たかい音が出せるので、メロディーをたんとうします。

 ベンベンという音は、しゃみせんです。しかくいどうに、三本のげんがはられています。げんをはじいて音を出します。たくさんの音が出せるので、ばんそうをたんとうします。

 ドンドンという音は、たいこです。たるのようなかたちのどうに、かわがはられています。バチでたたいて音を出します。はっきりとした音が出せるので、リズムをたんとうします。

 このように、がっきはかたちも音の出しかたもさまざまで、音色によってやくわりがちがいます。

1年生説明文 「のりものくらべ」 113803

 いろいろなのりものが、みちをはしっています。それぞれののりものには、どんな人がのっているのでしょうか。
 そのために、どんなつくりになっているのでしょうか。

 さんりんしゃは、ようちえんのおともだちがよくのっています。そのために、バランスがとりやすくなっていて、じめんにちかくつくられています。また、こけないように、しゃりんが3つついています。

 じてんしゃは、子どもからおとなまで、おおくの人がのっています。そのために、じてんしゃには、さまざまな大きさがあります。また、とおくまでらくに行けるように、大きなしゃりんが2つついています。

 じどうしゃは、みなさんのまわりのおとなの人がのっています。そのために、みなさんはそれにのせてもらって、すごいスピードでいどうすることができます。また、おおくの人がのれるように、とても大きくつくられていて、しゃりんが4つついています。

 いろいろなのりものが、さまざまな人をのせて、はしっていきます。
みなさんのまわりには、どんなのりものがはしっていますか。

1年生説明文 「しあわせをとどける花」 122016

 花には、いろいろなしゅるいがあります。春にさく花、夏にさく花、秋にさく花、冬にさく花、たくさんあります。大きさや、はなびらの色、においもそれぞれちがって、おもしろいです。みなさんは、どのような花をしっていますか。

 チューリップは、春にさく花です。赤、白、きいろ、と、とても色とりどりで、かわいらしいです。はっぱは、ほそながくてつるつるしていて、くきは、たくましくはえています。

 ひまわりは、夏にさく花です。たいようみたいに大きくて、うえをむいている元気な花です。はなびらはきいろで、まんなかのぶぶんは茶いろで、たねがはいっています。

 コスモスは、秋にさく花です。ピンク、オレンジ、きいろ、白、など、いろいろな色があります。小さくて、ほそながいけれど、とても強いです。風にふかれると、いいにおいがします。

 そとにでてみると、たくさんの花がさいています。いろいろなしゅるいの花があるけれど、どれもすてきで、きれいです。見ると、しあわせなきもちになりますね。おみずをあげて、もっともっと元気にそだてましょう。

1年生説明文 「のりものくらべ」 122024

とおいところへおでかけするとき、のりものをつかいます。いろいろなのりものがこのちきゅうでつかわれています。どんなのりものがあるでしょうか。

でんしゃはせんろのうえをはしるのりものです。ひとをはこんだり、にもつをはこんだり。いっぱいはこべるように、いくつものしゃりょうがつながってはしっています。

ふねはうみのうえをはしるのりものです。ひとをはこんだり、にもつをはこんだり。しずまないように、プロペラがついています。

ひこうきはそらをとぶのりものです。ひとをはこんだり、にもつをはこんだり。そらをとべるように、つばさがついています。

いろんなのりものがこのちきゅうにはあります。どののりものも、まいにちはたらいています。あなたはどんなのりものがすきですか。

1年生説明文 「うちゅうの星くらべ」 122036

うちゅうには、わたしたちのすんでいるちきゅうのほかに、たくさんの星があります。
どんなほしがあるのか見てみましょう。

わたしたちが住んでいるのは、ちきゅうです、ちきゅうも星の1つです。ちきゅうの温度はへいきんすると15℃くらいです。うみや川がたくさんあるので、水の星とよばれています。

朝からゆうがたまで見えるのが、たいようです。たいようの温度はおよそ6000℃で、生き物はすんでいません。この星はいつももえています。ちきゅうは、この星からあたたかさをもらっています。

ゆうがたから見えるのは月です。月も、うちゅうの星の1つです。
生き物はすんでいませんが、うちゅうせんにのった人が月に行ったことがあります。月の温度はばらばらで、日が当たっているところはあたたかく、ひかげはさむいです。

夜にはたくさんの星を見ることができます。
みなさんもてんきのいい夜に外に出て、そらを見上げてみましょう。

1年生説明文 「どうぶつくらべ」 122040

みなさんが住んでいるちきゅうにはたくさんのどうぶつがいます。みなさんは、どのようなどうぶつを知っていますか。どのようなどうぶつがすきですか。

ゾウは、はなの長いどうぶつです。長いはなをつかって、食べものをつかんで口にはこんだり、水をのんだりします。はなで水をすくい上げて水あびもします。

キリンは、首の長いどうぶつです。長い首をつかって、高いところにある木の葉っぱを食べます。もちろん、首をまげて低いところにある食べものも食べることができます。

ワニは、口の大きなどうぶつです。いつもは水の中にいて、えものが来るのをじっと待っています。そして、大きな口をつかって、えものをつかまえて食べます。

このようにちきゅうにはいろいろなどうぶつがいます。そして、それぞれのどうぶつは、みんなちがったやり方で、食べものを食べて、生活しているのです。

1年生説明文 「やさいがいちばんおいしいとき」 122048

わたしたちはおいしいやさいをたくさんたべます。
やさいにはそれぞれあじやかたちがよくて、いちばんおいしいきせつがあります。

はるがいちばんおいしいやさいはキャベツです。
きれいなみどりのはっぱは、しゃきしゃきとみずみずしくてサラダにぴったりです。

なつがいちばんおいしいやさいはトマトです。
真っ赤にうれたトマトはたべると、やさしいあまさがあります。

あきがいちばんおいしいやさいはさつまいもです。
一本まるごとやいたやきいもは、さむいときでもこころとからだをほくほくあたためてくれます。

ふゆがいちばんおいしいやさいはほうれんそうです。
ゆでたほうれんそうはねからはっぱのさきまでどこでもそのままおいしくたべることができます。

どのやさいもそれぞれにいちばんおいしいときがあります。
だから、わたしたちはいちねんじゅうおいしいやさいをたべることができます。
みんなもすきなやさいがいつがいちばんおいしいかさがしてみてください。

1年生説明文 「スポーツくらべ」 122060

世界にいるたくさんの人たちがスポーツをすることを楽しんでいます。世界にはどんなスポーツがあるのでしょうか。

サッカーは足を使い、ボールをゴールまで運ぶスポーツです。選手は手を使うことを許されていませんが、ゴールキーパーと呼ばれる選手だけが手を使い、味方のゴールを守ることができます。

バスケットは空中に置かれた円形のゴールにボールを入れることを競いあうスポーツです。ボールを持つ選手は三歩しか進むことができず、三歩進むまでに味方にボールを渡さなければなりません。

バレーではネットの上からボールを通し、自分のチームのコートの中でボールを落としてはいけません。またボールを四回さわるまでに相手のコートにボールを返さなければなりません。

世界にはもっとたくさんのスポーツがあります。たくさんのスポーツをたくさんの人たちが楽しんでいるのです。

1年生説明文 「どうぶつくらべ」 122301

この世界にはいろいろなどうぶつがいます。どんなどうぶつがいるのでしょうか、探してみましょう。

日本にはさるがいます。腕が長く、とても器用です。頭がよく、人間に似ています。

アフリカにはぞうがいます。長い鼻をもっています。その鼻を上手に使ってえさを食べたり、水あびをしたりします。

オーストラリアにはカンガルーがいます。カンガルーはおなかにあるポケットに子供を入れて育てます。足の力が強く、ジャンプするのが得意です。

このように、世界にはさまざまな大きさ、特徴のどうぶつがいます。一度は会いにいってみたいですね。

1年生説明文 「たんぽぽ」 122302

おや、庭に黄色の可愛らしい花がたくさん咲いていますね。何というはなでしょう。そうです、たんぽぽです。家の近くを歩いていても、いろんなところにたんぽぽが咲いていますね。

あれ、こんなところからも。コンクリートの割れ目からたんぽぽが咲いています。どうしてこんなところにはえるのでしょう。

たんぽぽは花のなかにとても小さな花がたくさんつまっています。この一つ一つがたねとなります。普通の花とは違って、たんぽぽのたねは羽がついていて遠くまで風に乗って飛ぶことができます。

だからあんなところに咲いてたんですね。

1年生説明文 「どうぶつくらべ」 122303

みなさんはどうぶつえんにいったことがありますか。どうぶつえんにはいろいろなどうぶつがいます。

ライオンは、どうぶつをたべるにくしょうどうぶつです。大きなキバ、するどいツメ、かっこいいたてがみをもっています。どうぶつのなかではいちばんつよいです。そのため、ひゃくじゅうの王とよばれています。

ゾウは、ながいはなをつかって、食べ物をとったり、水をだしたりします。大きな耳もとくちょうてきです。インドでは、人をのせてはこんだりします。

ペンギンは、水中をとてもはやく泳ぎます。しかし、そらはとべません。水中の魚をすばやくつかまえます。陸で立ち上がって歩くこともできます。

このように、どうぶつはたくさんいて、みんなちがいます。この世界には、ほかにもかぞえきれないほどのどうぶつがいます。みなさんのみのまわりには、どのようなどうぶつがいますか。さがしてみましょう。

1年生説明文 「おかしくらべ」 122305

ひとことにおかしといっても、さまざまなしゅるいがあります。そのなかでも、ケーキとポテトチップスとガムについてくらべてみましょう。

ケーキはふつう、まいにちたべるようなものでなく、たんじょうびやおいわいなど、とくべつなひにたべることがおおいです。ショートケーキやチョコレートケーキ、チーズケーキなどと、いろいろなあじのしゅるいがありますがきほんてきにあまいです。

ポテトチップスは、ちなさんにとってみぢかなおやつではないでしょうか?こちらもいろいろなあじがありますが、きほんてきにあまくありません。

ガムは、ケーキやポテトチップスとちがって、どこでもたべられます。あじもあまかったり、からかったりとさまざまです。

このように、おかしにもさまざまなしゅるいがあります。すききらいもありますざ、そのときのきぶんらじょうきょうによっても、たべたいおかしはちがうのではないでしょうか。ほかにもどんなおかしがあって、どんなときにたべたいか、はなしあってみましょう。

1年生説明文 「やさいくらべ」 122306

みなさんは、すききらいをせずにやさいを食べていますか。やさいは、わたしたちのけんこうをささえています。では、やさいにはどんなはたらきがありますか。

ピーマンは、みどりと赤ときいろの三しゅるいがあります。すこしにがいですが、ビタミンCがたくさんふくまれていて、とてもえいようがあります。

たまねぎは、ほうちょうで切るとなみだが出てきます。これは、「りゅうかアリル」という目にしみるせいぶんが入っているからです。このせいぶんが血をサラサラにしてくれます。

にんじんは、うさぎや馬のだいこうぶつですが、もちろんわたしたちもおいしく食べることができます。にんじんは、目のつかれをとったり、ガンの予ぼうにもつながります。

やさいには、たくさんのえいようがふくまれています。やさいを食べれば強い体をつくることができます。みなさんがまいにち元気に学校に行くためにも、すききらいをせずに、しっかりとやさいをたくさん食べましょう。

1年生説明文 「どうぶつくらべ」 122307

日本にはたくさんのどうぶつがいます。どうぶつたちはそれぞれ、ちがうとくちょうがありすんでいるばしょもちがいます。いったいどんなどうぶつがいるのか、のぞいてみましょう。

犬やねこは、みなさんもよく知っているどうぶつです。ペットとしてかっていることがおおいです。しゅるいがおおくて、人げんにとてもなつくどうぶつです。

ぞうやきりんやライオンは、どうぶつえんにいます。ぞうは大きなみみをもっています。きりんはながいくびをもっています。ライオンは、りっぱなたてがみをもっています。それぞれ、ちがったとくちょうがあるのです。

くまやいのししやしかは、もりの中にすんでいます。しぜんの中で、えさやすみかをみつけたりしてくらしているのです。

このように、日本にはさまざまなどうぶつがくらしています。それぞれみんなちがいますが、みんなどうぶつです。人げんも、どうぶつです。どうぶつはみんな、なかまなのです。

1年生説明文 「がっきくらべ」 122308

せかいにはいろいろながっきがあります。みんなが知っているようながっきはどのようなつくりになっていて、どのようにつかわれているでしょうか。

ピアノには黒いけんばんと白いけんばんの2しゅるいがあります。けんばんをゆびでたたくと、ポーンと音がなります。

たいこにはいろいろな大きさがあります。小さなたいこは小だいこ、大きなたいこは大だいことよばれています。バチをもってたたくと、ドンと音がなります。

リコーダーはたくさんのあながあいています。先を口にくわえ、ゆびであなをおさえていきをふきこむとピーと音がなります。

まだまだたくさんのがっきがあります。あなたはどれくらい多くのがっきを知っていますか。

1年生説明文 「おとくらべ」 122309

わたしたちが いえのなかで 生活していると たくさんの音が 聞こえます。わたしたちが 聞こえている 音にはどんなものがあるのでしょうか。 さっそく、耳をすませてみましょう。 

ざーざー、きゅっきゅ。いったいなんの音でしょう。みずの音と しょっきをこする音が聞こえます。 これは だいどころで あらいものをしている 音です。ごはんをたべたあとは つぎにしょくじをするときのために しょっきをきれいにします。

つぎは うぃーんという音が聞こえます。 これはそうじきを かけている音です。 まいにち そうじをすると へやがきれいになって きもちいい生活が おくれます。

がやがや、ぺちゃくちゃ。人が話している 音も聞こえます。 たのしい話をすると たのしいきもちを かぞくと わけっこできます。かなしい話をすると かなしいきもちも かぞくと わけっこできます。 

このように いえのなかには たくさんの音があふれています。ほかにも たくさんあります。 また、そとにでてみると さらにたくさんの おとを聞くことが できます。 耳をすまして いろんな音を はっけんしてみましょう。

1年生説明文 「いろいろながっき」 122310

音楽をえんそうしている人は、それぞれ形もねいろもちがうさまざまながっきをもっています。それぞれどのようなやくわりがあるのでしょうか。

トランペットは金属でできていて、全体の中でもたかい音をしていて、ほかのがっきよりもめだってきこえます。
クラリネットはトランペットとはちがって、木でつくられているのでトランペットよりも優しい音をしています
チューバはえんのしたの力もちということばがあるように、えんそうしているがっき全てをささえています。
そして打楽器は全体のもりあげやく、さいごのあじつけとしてえんそうとしています。

このようにえんそうしている人たちの中にもいろいろなやくわりをしている人がいます。

1年生説明文 「スポーツくらべ」 122311

 いろいろなスポーツが学校でおこなわれています。それぞれのスポーツはどんなとくちょうがありますか。そしてうまくなるにはどういうことがだいじですか。

 かけっこは、ほかの人とどちらがはやいかをきそうスポーツです。このスポーツをうまくなるには、はしるれんしゅうをたくさんすることがだいじです。

 たいそうは、まえまわりをしたり、さかだちをしたりするスポーツです。このスポーツをうまくなるには、体のやわらかさやバランスをきたえることがだいじです。

 サッカーは、ボールをけるスポーツです。このスポーツをうまくなるには、ボールをねらったところにけることがだいじです。

 ではドッチボールは、どんなスポーツで、どんなことが、うまくなるのにだいじですか。おともだちといっしょにかんがえてみよう。

1年生説明文 「においくらべ」 122402

わたしたちは、はなでにおいをかぐことができます。
はなは、かおのまん中にあります。
わたしたちのはなは、いつもどんなにおいをかんじているのでしょう。

おかあさんがケーキをやいています。
くんくんくん。あまーいにおい。
おとうさんがコーヒーをのんでいます。
くんくんくん。にがいにおい。
わたしはれいぞうこからオレンジジュースをだします。
くんくんくん。すっぱいにおい。

テーブルには、コーヒーがふたつ、オレンジジュースがひとつ、ケーキがみっつ並んでいます。
くんくんくん。おいしいにおい。
くんくんくん。しあわせなにおい。

においはわたしたちをしあわせにしてくれました。

1年生説明文 「スポーツくらべ」 122405

いろいろなスポーツがあります。それぞれのスポーツは、なにをつかって、なんにんでやるのでしょうか。

やきゅうはバット、グローブ、こぶしくらいの大きさのボールをつかいます。9人でやくわりぶんたんをしてたたかいます。

サッカーはあたまくらいの大きさのボールをつかいます。11人のうち、1人がキーパーをします。

テニスはラケット、こぶしくらいの大きさのボールをつかいます。1人のときもあれば、チームをくんでしあいをするときもあります。

みんなはどんなスポーツをしっていますか。おともだちとおしえあいっこをしてみましょう。

1年生説明文 「おしごとくらべ」 122409

 町にはいろいろなおしごとをしている人がいます。それぞれどんなおしごとをしているのかしっていますか。いくつかのおしごとについてみてみましょう。

 スーパーではたくさんの人がそれぞれちがうおしごとをしています。レジをうつ人、しょうひんをならべる人、魚やおにくをきる人などがいます。こうした人たちのおかげでわたしたちはかいてきにかいものをすることができます。

 びょういんにはおいしゃさんがいます。おいしゃさんはかぜのげんいんをみつけてかぜをなおすおくすりをくれます。おいしゃさんのおかげでわたしたちはげんきにすごすことができます。

 はたけに行くとのうかのひとがやさいやおこめやくだものをそだてています。あつい日もさむい日も、はれの日もあめの日もまいにちはたけでおしごとをします。のうかのひとたちのおかげでわたしたちはまいにちおいしいごはんを食べることができます。

 わたしたちのまわりにはいろいろなおしごとをしている人たちがいます。みんなのおかげでわたしたちは楽しいまいにちをおくることができるのです。

1年生説明文 「飲み物くらべ」 122705

ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ。コップには何が入っているのでしょうか。

これは、オレンジジュースです。オレンジ色をしています。ゴク、ゴク、ゴク。口いっぱいにみかんの甘酸っぱさが広がります。

これは、牛乳です。白色をしています。ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ。少し生臭さを感じます。でも、パンとよく合います。

これは、コーヒーです。黒色をしています。ズー、ズー、ズー。口の中に苦さが広がります。少し大人っぽい味がします。

このように、飲み物には、いろいろな色があり、さまざまな味が楽しめます。

1年生説明文 「たかさくらべ」 122901

いろんなものには、たかさがあります。
みのまわりにあるものでたかさをくらべてみよう。

ふでばことえんぴつどっちのほうがおおきいかな。
ふでばこだね。
えんぴつのほうがおおきいとふでばこにえんぴつがしまえないもんね。

ふでばことランドセルどっちのほうがおおきいかな。
ランドセルだね。
ふでばこのほうがおおきいとランドセルにしまえないもんね。

ランドセルとみんなではどっちのほうがおおきいかな。
みんなだね。
ランドセルのほうがおおきいとみんなはランドセルをはこぶことができないもんね。

ものにはたかさがあるんだね。
そしてたかさにりゆうがあるんだね。
みんなよりおおきいものはあるかな。
さがしてみよう。

1年生説明文 「けいたいくらべ」 122902

さいきんは、けいたいでんわをもつこどもがふえている。
けいたいでんわにはいくつか種類がある。たとえばアンドロイドけいたい、アイフォン、ガラパゴスけいたいなどがある。
これらのけいたいにはどういったちがいがあるのだろう。

はじめに、アンドロイドけいたい。このけいたいは、おおきくわけると、スマートフォンというグループにはいる。アンドロイドけいたいは、ラインやせきがいせんつうしんなどができて、アドレス交換やともだちとはなしがすぐできる。カメラとてもきれいにとれる。

つぎに、アイフォン。このけいたいは、とてもおおきなかいしゃのアップルしゃがつくっている。アイフォンもスマートフォンというグループにはいる。アップルしゃがつくっているアイチューンズといわれるソフトにせつぞくすると、かんたんにCDなどのおんがくをいれることができる。ネットもかくだんにはやくせつぞくすることができる。

さいごに、ガラパゴスけいたい。このけいたいは、いちばんさいしょにつくられたもちはこびできるけいたいでんわである。メールやせきがいせんつうしんなど、つくられたころにはかくめいてきなはつみいだったといわれている。いまではスマートフォンをもつひとがふえてきているので、このけいたいをもつひとはすくないけど、まだまだもっているひとはいる。

これらのけいたいは、それぞれにいいところがある。しかし、わるいてんもある。けいたいでんわをかうときは、いいところわるいところをみて決めよう。

1年生説明文 「くだものくらべ」 122903

くだものには、たくさんの種類があります。どんなくだものがあるでしょうか。

たとえばいちご。いちごは赤い色をしていて、大きさは小さいです。味はあまずっぱいので、練乳をつけてたべるととても甘くておいしいです。

ほかにはすいか。すいかは、まわりは緑と黒い色をしていて、中身は赤い色をしています。大きさは人の顔より少し大きいくらいです。味は甘いですが、塩をかけるとさらに甘くなるので、塩をかけて食べる人もいます。

最後にさくらんぼ。さくらんぼはピンク色や赤い色をしていて、大きさは10円玉くらいです。味は甘いものや甘酸っぱいものがありますが、何も付けずに食べるのがオススメです。

このように、くだものにはたくさんの種類があります。色々な見た目や色々な味かあるので、たくさんの種類のくだものをたべてみよう。

1年生説明文 「スポーツくらべ」 122904

この世にはさまざまなスポーツがあります。代表的なものをあげると、野球やサッカーがあります。ここで野球とサッカーがどこが違うのか考えてみよう

まずボールの使い方が違います。野球はボールを手で投げて手で取ります。それに比べてサッカーはキーパーの人しか手を使ってはいけません。みんな足でボールをけります。このように体のどこを使うかが違います。

二つ目に野球はバットを使ってボールを打ったりします。それに比べてサッカーは自分の体しか使いません。このように道具を使うかが違います

三つ目に野球は攻める時と守る時が相手と変わるばんこに来ます。それに比べてサッカーは戦っている間は自由に攻めたりまもったりができます

このようにさまざまな違いが野球とサッカーはありますのでどっちかしか好きじゃない人や両方好きな人がいますがいろんな人に愛されています

1年生説明文 「へやくらべ」 122905

いろいろなへやがあります。それぞれのへやはどんなもくてきにつかわれてますか。そのために、どんなものがおいてますか。

しんしつはねるためのへやです。そのために、ベッドがおいてあります。

きょうしつは、べんきょうするためのへやです。友だちをたくさんつくれるへやです。そのために、つくえやいすがたくさんならべられています。

こどもべやはこどもたちがあそぶへやです。そのために、たくさんのゆうぐがおいてあります。

リビングルームはかぞくといっしょにすごすためのへやです。そのためには、どのようになっていますか。そしてどのようにすごしますか。

1年生説明文 「しごとくらべ」 122906

おとなは、いろいろなしごとをしています。
どんなしごとがありますか。

がっこうのせんせいは、きみたちにべんきょうをおしえるしごとをしています。そして、いっしょにあそんだり、きゅうしょくをたべたりします。

けいさつかんは、まいにちまちのあんぜんをまもってくれています。わるいひとがいたら、たいほします。

ケーキやさんは、おいしいケーキをつくっています。きみたちのたんじょうびにでてくるケーキは、ケーキやさんがみんなのためにつくってくれたものです。

きみのおとうさん、おかあさんはどんなしごとをしていますか。

1年生説明文 「いろいろなしごと」 122907

 わたしたちのまわりにいるおとなは、いろいろなしごとをしています。どんなしゅるいのしごとがあるのでしょう。

 けいさつかんは、わるいことをした人をたいほしたり、じこやじけんがおこったときに、すぐにそのばしょにかけつけて、はなしをきいたり、しらべたりします。

 しょうぼうしは、火じがおきたときにすぐにかけつけて、火をけします。

 きゅうきゅうたいいんは、だれかがきゅうにびょうきになったり、けがをしたときに、きゅうきゅうしゃにのってかけつけて、手あてをします。

 しごとのしゅるいは、ほかにもたくさんあります。

1年生説明文 「いろいろな楽器」 122908

楽器には、いろいろなものがあります。
どんな楽器を知っていますか。

これはピアノです。鍵盤楽器です。
白や黒の鍵盤を指で押すと音が鳴ります。
たくさんの音を同時に鳴らすことができます。

これはトランペットです。金管楽器です。
楽器に息を吹き込むと音が鳴ります。
3本の指を使って音を変えることができます。

これはティンパニです。打楽器です。
上に張ってある膜をバチで叩くと音が鳴ります。
ひとつの太鼓につきひとつの音しか出せません。演奏するときには、何個かを並べて使います。

いろいろな楽器が、それぞれの役目にあうよに曲の中で使われます。

1年生説明文 「ないぞうくらべ」 122909

いろいろなないぞうが人の体の中にはあります。それぞれのないぞうは、どんなしごとをしていますか?そのためにどんなつくりになっていますか?

肺や気管は空気から酸素を取り込み、それを体全体に送るしごとをしています。そのために肺は小さくなったり、大きくなったりして空気を取り込みやすくしています。

胃やすい臓は食べ物を消化するしごとをしています。そのために消化液が分泌されるようになっています。ストレスなどで痛めることがあるので要注意です。胃腸炎とすい炎は痛くなるところがほぼ同じなのでしっかりとした病院で見てもらうことをオススメします。なお、胃腸炎は入院しなくてもいいですが、すい炎になると一週間ほど入院する必要があります。気をつけて下さい。

じん臓や輸尿管は体の不要物を集め、排泄物として、体外へ排出する役割をしています。

このように体にはいろいろなないぞうがありますね。

1年生説明文 「AKB48くらべ」 122910

AKBには色々なメンバーがいます。そのメンバーひとりひとりには、どんないいことろがあるのでしょうか。2011年の総選挙の1から3位のメンバーをみてみましょう。

1位の前田敦子さんは、チームAに入っていて、AKBで一番人気でした。ゆっくりした感じが、たくさんの人に好かれていました。

2位の大島優子さんは、チームKにはいっていて、AKBで一番ダンスが上手です。人を笑わせるのも上手で、たくさんのひとに好かれています。

3位の柏木由紀さんは、チームBに入っていて、AKBで一番上品なようです。お天気おねえさんもやっている、アイドルの鏡です。

このほかにも、AKBには70人ぐらいのメンバーがいます。そのみんながみんな、違ったいいところを持っていて、AKBを支えています。みんなも、自分の一番好きなメンバーを見つけて、詳しく調べてみよう。

1年生説明文 「どうぶつくらべ」 122911

どうぶつには、いろいろなしゅるいのどうぶつがいますね。ライオン、チーター、ゾウ、あり、とり。このほかにも、いろいろなどうぶつがちきゅうに生きていますね。

ライオンは百じゅうの王とよばれていて、どうぶつの中の王さまです。チーターはとっても足がはやいですね。かけっこならだれにもまけることは、できないでしょう。

ゾウは大きくて、とっても力があります。しかしはなをきようにうごかすこともできます。アリは、ゾウとはちがって、1ぴきの力はとても小さいですが、みんなで力をあわせて、自分よりぐんと大きなものをはこぶことができます。

とりは自由に空をとぶことができます。とってもきもちよさそうですね。

いろいろなどうぶつ。それぞれにそれぞれのよさがありましたね。

1年生説明文 「ゆうぐくらべ」 122912

こうえんでは、さまざまなゆうぐがあります。そしてそのゆうぐはこうえんによっていろいろです。たのしみかたもちがいます。

長いぞうのおはなのような形をしている、すべり台。みんなそのうえをびゅーんとすべっていきます。スピードが出てきもちがいいです。大きなこうえんへ行くと、うねうねととても長いすべり台があったりします。

ブランコ。これはとてもにんきですね。学校ののこうていではじゅんばんまちができる時もあります。前へ後ろへ大きくゆれて、やめられなくなります。ともだちと二人のりをしたり、どちらが大きくゆれるかきょうそうしたり、いろんなあそび方があります。サーカスへいくと大きなブランコを使って、ブランコからブランコへとピエロがとびうつったりしています。使い方はいろいろですね。

ジャングルジムは高くまでのぼるのもきもちがいいし、せまいジャングルジムの中をうねうねといってもたのしいです。

このように、こうえんにはたくさんの楽しいゆうぐがあります。あそび方もさまざまです。みんなであたらしいあそび方を見つけるのもおもしろいですね。

1年生説明文 「赤いものくらべ」 122913

赤いものには何があるのだろう。しらべてみよう。

まず、トマト。トマトは赤いやさいで、なつにとれる。サラダによく入ってて、みずみずしくておいしい。

つぎにゆうびんポスト。まちにあって、この中にてがみをいれると、とおくにいる人にもとどく。おしょうがつのとき、ねんがじょうをおくるために、たくさんの人がつかう。

そして、しょうぼうしゃ。赤い車で、火じのとき、サイレンをならしながらやってきて、火をけしてくれる。火じのとき、すごくやくにたつ。

このほかにもたくさんの赤いものがある。それぞれやくわりはちがうのに、みんな同じ色をしている。ほかにも赤いものあるかな?しらべてみよう。

1年生説明文 「いきものくらべ」 122914

世の中にはさまざまな生き物がいます。たとえば、どのような生き物たちがいるのでしょうか。

一種類目に哺乳類がいます。犬や猫、そして人間などがこれに分類されます。哺乳類は生まれてくるときにすでに赤ちゃんの姿で生まれてきます。

二種類目に鳥類がいます。ハトやスズメ、そしてカラスなどが分類されます。鳥類は羽が生えており、ほとんどの鳥が空を飛ぶことができます。

三種類目には魚類がいます。コイやマグロ、そしてサメなどが分類されます。魚類は水中で生活し、エラ呼吸をするのがほとんどです。

世の中には他にももっといっぱいの生き物たちがいます。

1年生説明文 「おかしくらべ」 122915

みんな大すきなおかし、きのこの山とたけのこの里は知ってるかな?今日はこのおかしのちがいについてくらべるよ。

一つ目のちがいはチョコレートの量だね。たけのこの里ときのこの山をくらべると、たけのこの里のほうがチョコレートの量が多いんだ。みんな、たくさんチョコレートがのってるほうがすきだよね。

二つ目のちがいは、生地のちがいだね。きのこの山はクラッカーだからすこし塩の味がするんだ。たけのこの里はクッキーだから、あまくておいしいよ。

三つ目のちがいは、かたちだね。とうぜんのことだけど、きのこの山はきのこのかたちをしていて、たけのこの里はたけのこのかたちをしているんだ。わーい、うれしいね。

みんなのすきなおかしはどっちかな。でも食べすぎは体によくないからきをつけてね。

1年生説明文 「もじくらべ」 122916

にほんでつかわれているもじはたくさんあります。
みんなはどれだけしっているかな?
いっしょにべんきょうしよう。

たとえば、
いぬ
これは、ひらがなというじたいでかかれています。
ひらがなは、よくつかうもじで
みんながおてがみをかいたりするときにつかうよね。

つぎに
イヌ
これは、カタカナというじたいでかかれています。
ネコ、アイスクリームなど
どうぶつのなまえや、おかしのなまえでよくつかわれます。
みんなはもうカタカナをじょうずにかけるかな?

最後は

これは、かんじというじたいでかかれています。
いちばんむずかしいじたいです。
ちゅうごくというくにからつたわったじたいで、すこしふくざつな
かたちをしているのがとくちょうです。
おとなになるとよくつかわれるので、すこしずつおぼえていこうね。

このように、にほんには3つのじたいがあります。
たくさんのじたいがあっておもしろいね。

1年生説明文 「動物くらべ」 122917

動物えんへあそびにいくといろいろな動物に出会うことができます。大きい動物から小さい動物、二本足で立つ動物や四本足で歩く動物などさまざまです。

まずライオンは、ひゃくじゅうの王です。子どもたちの中でも一ばんの人気者です。大きいキバ、長いツメ、カッコいいたてがみ、ほかの動物もこわがるつよい動物です。

次はゾウです。長いハナをきようにつかい食べ物をとぅたりします。体も大きいですが耳も大きいです。国によっては人がゾウの上にのってのりものとしてつかわれているところもあります。おだやかな動物です。

最後にオランウータン。長いうでをつかってものをとったりします。ひかくてにおだやかで、わたしたち人間に似ています。

動物によってとくちょうがさまざまで動物えんにいってもたのしめるところがたくさんあります。めずらしい動物にも出会えるのでみなさんもいちどはいってみましょう。

1年生説明文 「いろいろなどうぐ」 122918

わたしたちのまわりには、たくさんのどうぐがあります。
どんなものがあるかみてみましょう。

はさみは、かみをきるどうぐです。
あなのあいたところにゆびをいれ、ひらいたりとじたりして、さきについている刃をうごかしてものをきります。

ものさしは、もののながさをはかるときにつかいます。
ながさをしりたいもののはしにめもりのぜろをあわせて、はんたいまでいくつのめもりがあるかをかぞえてはかります。

けしごむは、かいた文字をけすどうぐです。
けしたいところの上でごしごしこするとけすことができます。
かわいいかたちのものや、いいにおいがするものもあります。

このほかに、あなたはいつもどんなどうぐをつかっているでしょうか。
かんがえてみましょう。

1年生説明文 「くだものくらべ」 122919

あくだものには、たくさんの種類があります。

りんごは、赤い色をしています。食べるとシャリシャリした食感をしています。

みかんは、オレンジ色をしています。冬になると、こたつの上に置いてあります。皮をむくと身が出てきます。

バナナは、黄色い色をしています。皮をむいて食べます。皮はよくすべるので、食べ終わったら、ちゃんとゴミ箱に捨てましょう。

このように、くだものには、それぞれ個性がありますね。食べくらべてみましょう。

1年生説明文 「どうぶつくらべ」 122920

わたしたちは、どうぶつえんにいくと、たくさんのどうぶつにあえます。どうぶつにはどんなくらしをしているどうぶつがいるでしょうか。

ゾウはむれでせいかつします。あかちゃんがうまれたら、むれのメスみんなであかちゃんのせわをします。きょうりょくしてあかちゃんをそだてるのです。

パンダのおかあさんはふたごがうまれたら、2とうのうち、1とうだけをえらんでそだてます。やせいのせかいでは、2とうをそだてることはできないので、やせいでもいきていけるだけのつよいちからをもつ1とうをえらばなければいけないのです。

クマノミはオスだけでいっしょにくらしています。しかし、あかちゃんをうむきせつになると、いちばん大きなオスがメスになってあかちゃんをうむのです。

このように、どうぶつにはいろいろなくらしのほうほうがあるのです。

1年生説明文 「どうぶつくらべ」 122921

わたしたちのみのまわりには、さまざまなしゅるいのどうぶつがいます。いったい、どのようなどうぶつがいるでしょうか。わたしたちにん

りくのうえを、あるいたりはしったりするどうぶつがいます。いぬのように4ほんあしであるくどうぶつもいれば、わたしたちにんげんのように2ほんあしであるくどうぶつもいます。

みずのなかを、およぐどうぶつがいます。まぐろのようにうみのなかをおよぐどうぶつもいれば、にじますのようにかわをおよぐどうぶつもいます。

そらのうえを、とぶどうぶつがいます。はとのようにみじかいきょりをとぶどうぶつもいれば、つばめのようにほかのくににまでとぶどうぶつもいます。

あなたは、どんなどうぶつをしっていますか。

1年生説明文 「のみものくらべ」 122922

 わたしたちの身のまわりにはいろいろなのみものがあります。ではわたしたちがいつもどんなのみものをのんでいるか、思いうかべてみましょう。

 コーラは黒い色をしていて、コップに入れるとシュワシュワあわが出てきます。あつい時やのどがかわいたとき、コーラをのむとスッキリした気分になります。

 ぎゅうにゅうは牛のぼにゅうです。白い色をしていて、のむとほんのりあまいあじがします。ぎゅうにゅうはわたしたちのほねやはをつよくしてくれます。

 ココアは茶色っぽい色をしています。あまくてとてもおいしいです。温かいココアはのむと体がぽかぽかしていいきもちになれます。

 シュワシュワするもの、あまいもの、あたたかいもの、つめたいもの。たくさんののみものがあります。 
 みんなはいつもどんなのみものをのんでいるのでしょう。そしてどんなのみものがすきなのでしょう。

1年生説明文 「車」 122923

車には、いろいろなものがあります。どの車も、目的に合わせてつくってあります。

バイクはタイヤが二つあります。ほそながくて、二人までしか乗れません。だから、急ぐときや、乗る人が少ないときに乗ります。

四りん車はタイヤが四つあります。四角いかたちをしていて、多くの人を乗せることができます。だから、荷物が多いときや、乗る人が多いときに乗ります。

三りん車のバイクや車は、タイヤが三つあります。バイクより太いかたちをしていますが、少しの人しか乗れません。だから、急ぐけど、安全に行きたいときに乗ります。

このように、いろいろな車が使われています。

1年生説明文 「大きさくらべ」 122925

 ちきゅうにはさまざまないきものがすんでいます。いったいどんないきものがいるのでしょうか。

 ちいさなあながありました。そのあなにくろいてんてんがつづいています。ありさんです。あせみずたらして、きょうもせっせとはたらきます。

 ぞうさんはながいはなをつかって、おおきなからだにみずあびしています。たくさんのみずをすいあげることができます。

 うみのむこうでふんすいがあがっています。くじらさんです。おおきなくちでたくさんのさかなをたべることができます。

 いろいろなおおきさのいきものがすんでいるんですね。みなさんのまわりではどうですか

1年生説明文 「いろくらべ」 122926

 わたしたちの目に見えているいろはたくさんあります。どんないろがあるのでしょう。

 たとえば、まずあかいろ。あかいろは、もえている火のようないろです。だから、みているとあたたかくなるようないろです。ときにはあつくなるますね。しんごうの「とまれ」のいろです。

 つぎにきいろ。きいろはキリンのいろですね。このいろはみているとなんだかげんきがでるいろです。しんごうの「注意」のいろです。

 さいごは、あおいろ。あおいろは、うみのいろですね。このいろは、みていると、すずしくなります。ときにはさむいです。しんごうの「すすめ」のいろです。

こんなふうに、あかいろ、きいろ、あおいろはいろいろないろのみなもととなる。みっつからいろんないろがうまれてくるのです。いろはそれぞれにせいしつがあるのです。さむいとかんじるものやあたたかいとかんじるものもあるし、きれいなものや、きたないものなど、いっぱいありますね。

1年生説明文 「いろいろなどうぶつ」 122927

 このせかいにはたくさんのどうぶつがいます。
みなさんはどんなどうぶつをしっていますか。
つぎのどうぶつについてかんがえてみましょう。

 まず、あるどうぶつはくびがとてもながく、せはとてもたかいです。
このどうぶつはなんでしょうか。
そう、キリンです。

 では、つぎのどうぶつはどうでしょうか。
このどうぶつはおはながとてもながく、とてもおおきなからだです。
このどうぶつはなんでしょうか。
そう、ゾウですね。

 あるどうぶつはうみのなかでくらしています。
とてもおおきなからだで、しおをふくことがあります。
このどうぶつはなんでしょうか。
そう、クジラです。

 このせかいにはたくさんのどうぶつがいて、
それぞれちがいます。みなさんはどんなどうぶつの
どんなとくちょうをしっていますか。
みんなではなし合ってみましょう。

1年生説明文 「いろいろなうつわ」 122928

わたしたちのまわりには、いろいろなかたちのうつわがあります。いろいろなうつわは、どのようにつかわれているのでしょう。

コップは、のみものをのむときに、おちゃや水、ジュースなどを入れるためにつかいます。

おちゃわんは、あさごはんやひるごはん、ばんごはんをたべるときに、ごはんを入れるためにつかいます。

おわんは、みそしるやスープなどのしるものを入れるためにつかいます。

ほかにもいろいろなうつわがあります。

1年生説明文 「あついときのおやつくらべ」 122929

あつい日にはつめたくてあまいものがたべたくなります。つめたいおやつには、どのようなものがあるでしょうか。

アイスクリームは、スプーンですくってたべるおやつです。すくったときはかたまっていますが、口の中に入れるととけてしまいます。バニラあじ、チョコレートあじ、いちごあじなどがゆうめいです。

かきごおりは、こまかくけずったこおりのうえに、シロップをかけてたべるおやつです。とてもつめたいので、いっきにたくさんたべるとあたまがいたくなります。イチゴあじ、ブドウあじ、メロンあじなどがゆうめいです。

ジュースは、あつくてのどがかわいたときにぴったりの、のむおやつです。かだもののしるからできたジュースや、こうちゃやぎゅうにゅうをつかったものなど、いろいろなあじのものがあります。

あつい日には、これらのおやつがとてもおいしくかんじます。

1年生説明文 「ぶんぼうぐくらべ」 122931

みのまわりには、いろいろなぶんぼうぐがあります。

たとえば、えんぴつとけしごむがあります。えんぴつはノートにもじをかいたり、せんをひいたりすることができます。けしごむは、えんぴつでかいたものをけすことができます。

また、ぶんぼうぐにはじょうぎがあります。じょうぎをつかうことでまっすぐなせんをひくことができます。また、ながさをはかることもできます。

ほかには、あかえんぴつがあります。あかえんぴつをつかうことで、まるつけをしたり、だいじなことをあかでかくことでめだたせることができます。

このように、ぶんぼうぐにはいろいろなしゅるいがあり、もくてきによってつかいわけるひつようがあるのです。

1年生説明文 「おかしくらべ」 122932

あなたは、おかしをたべたことがありますか。
スーパーやコンビニなどで、うられていますね。

では、これはなんというおかしでしょう。
これは、チョコレートです。
チョコレートはカカオというきのみからつくられる、あまいおかしです。

これはなんというおかしでしょう。
これは、ポテトチップスです。
ポテトチップスはじゃがいもからつくられます。
しお、コンソメなど、いろんなあじがあります。

そのほかにも、ラムネ、グミ、クッキーなど、おかしはたくさんしゅるいがあります。

あなたは、どんなおかしがすきですか。
ともだちと、はなしあってみましょう。

1年生説明文 「うりかのしょくぶつ」 122933

スイカとメロンとカボチャはぜんぶウリかのたべものです。けど見た目はぜんぜんちがうよ。どこがどうちがうのかな?

 スイカはまんまるつるつる。みどりいろにくろいギザギザもようがはいっているよ。中はあかくてくろいたねがいっぱいある。たべてみるとシャキシャキするよ。

 メロンはまるいけどザラザラ。うすみどりいろにしろいあみめもようがはしっている。なかはもっとうすいみどりいろ。しろいたねがいっぱいあるよ。たべてみるとしっとりしている。

 カボチャはまるくなくてゴツゴツしている。くろっぽいみどりいろのかたいかわをしているよ。けど中はまっきいろ。きいろいたねがいっぱいある。カボチャはそのままじゃかたくてたべられないけど、にるとやわらかくてトロトロだよ。

 スイカもメロンもカボチャもぜんぜんちがう。けど一つだけおなじところがあるよ。それはね、たべるとぜんぶとってもあまいんだ。

1年生説明文 「かみがたくらべ」 122935

 そとをあるくと、たくさんの人があるいています。たくさんの人はそれぞれ、ちがうかみがたをしています。
 どんなかみがたがあるのでしょう?

 七三分けは、そのなとうりかみの毛を七たい三に分けるかみがたです。
 このかみがたは、よくスーツをきたまじめそうな大人がしています。まじめだからこのかみがたをするというのは、うそです。

 ぼうずあたまは、かみをとてもみじかくそり上げるかみがたです。
 とてもすずしいのですが、ときどき、やきゅうぶとまちがえられてしまいます。さいあくですね。

 てんねんパーマは、生まれつきかみの毛にくせがあるかみがたです。生まれつきなので、てんねんとよばれます。

 いろいろなかみがたの中からじぶんに、にあうかみがたをみつけたいですね。

1年生説明文 「オーケストラの楽器」 122936

オーケストラは、いろいろなしゅるいの楽器が集まって音を出しています。どんな楽器があるのでしょうか。

ヴァイオリンは弓という道具で弦をこすって音を出します。高い音をならすことができます。

クラリネットは木でできていて、息をふきこんで音をならします。やわらかい音をならすことができます。

ティンパニはたたいて音を出す、たいこのなかまです。大きさのちがう四つのたいこを、ばちというぼうを使ってたたきます。大きさによって、いろいろな高さの音を出すことができます。

このように、オーケストラはまったくしゅるいのちがう楽器の音が集まってできています。いろいろな楽器のおかげで、たくさんのしゅるいの音楽をえんそうすることができるのです。

1年生説明文 「やさいくらべ」 122937

やさいには、いろいろな色のものがあります。黄色いやさい、みどり色のやさい、赤色のやさいがあります。それぞれ、どのようなやさいが、あるでしょうか。

黄色いやさいは、パプリカがあります。黄色いピーマンのようなものですね。パプリカは、ピーマンとちがい、にがみが少なくあまいやさいです。よく、サラダに使われます。

みどり色のやさいは、キャベツ、ほうれんそう、レタス、キュウリなどたくさんあります。これらは、少しにがいです。しかし、ゆでるとあまくなったり、ドレッシングをかけたりするとおいしいです。サラダやおなべに使われます。

赤色のやさいは、トマト、赤いパプリカ、にんじん、スイカなどがあります。これらは、あまいものが多いです。そのままたべてもおいしいですが、ゆでたり、やいたりしてもおいしいです。カレーやサラダに使われます。

このように、やさいには、いろいろなしゅるいや、使い方があります。みなさんも、好ききらいせずに、やさいをたくさん食べましょう。

1年生説明文 「のりものくらべ」 122938

わたしたちがのるのりもののなかには、さまざまなしゅるいののりものがあります。それぞれひつようなときやばあいによってつかい分けられています。

こどもでもおとなでものることができるのは、じてん車です。れんしゅうすれば、だれでものることができます。ふつうは1人のりで2つのタイヤがついています。ちかくのところへいくときによくつかいます。

おとながうんてんするのは、じどう車です。じどう車のめんきょがひつようなので、こどもにはうんてんできません。4つのタイヤがついていて、とおくのところへいくときによくつかいます。

パイロットがそうじゅうするのは、ひこうきです。ひこうきのそうじゅうには、とくしゅなめんきょがひつようなので、おとなでもそうじゅうできない人がおおいです。つばさがついていて、空をいどうします。とてもとおくのところへいくときによくつかいます。

人をはこぶのりものは、いきたいばしょによってつかい分けられています。めんきょがひつようなのりものもたくさんあるので、気をつけましょう。

1年生説明文 「スポーツくらべ」 122939

がっこうでは、たいいくのじゅぎょうなどで、おおくのスポーツがおこなわれています。どんなスポーツがおこなわれているでしょうか。

サッカーはボールをけるスポーツです。
 ボールをけっていって、シュートをうってゴールにいれるととくてんがはいります。

バスケットボールはボールをバウンドさせてあそぶスポーツです。
 あいてのコートにあるリングにむかってボールをなげて、いれることができたらとくてんがはいります。

テニスは、ラケットでボールをうってあそぶスポーツです。
 あいてがボールをうちあえすことができなければ、とくてんがはいります。

あなたはどのスポーツがすきですか。

1年生説明文 「しんごうき」 123013

しんごうき。あおいろ、きいろ、あかいろ。ちがういろがさんしょくならんでいます。

あおいろは、おうだんほどうをわたるいろです。

きいろは、おうだんほどうをわたるのをやめるいろです。

あかいろは、おうだんほどうをわたってはいけないいろです。

いろがちがうといみがちがいます。いろがあるものひとつひとつすべてに、ちゃんといみがあります。

1年生説明文 「虫くらべ」 123119

わたしたちが住んでいるこの地球には、たくさんの虫がいます。虫はどのようにして大きくなっていくのでしょうか。

チョウは、生まれてきたときはみどり色のいも虫です。いも虫は葉っぱを食べて育ち、しばらくするとかたくなってさなぎになります。さなぎのときはじっとして動きません。やがてさなぎのからがわれてチョウが出てきます。

カブトムシも、生まれてきてときは白いいも虫のようですが、こちらは土の中にしかいません。そこでどんどん育ち、やがて茶色くなってきます。そしてだんだんカブトムシの形になっていきます。

この地球にはいろいろな育ち方をする虫がたくさんいるのです。

1年生説明文 「遊び」 123817

わたしたちは、ともだちやなかがいい子といろいろなあそびをします。みんなはどんなあそびをしますか。

おにごっこをします。これはだれかひとりが「おに」になり、「おに」にならずににげる子をおいかけてつかまえます。つかまった子は次の「おに」になり、「おに」だった子はつかまらないようににげます。

かくれんぼをします。これはだれかひとりが「おに」になり、「おに」にならずにかくれている子をさがしてみつけます。

こおりおにをします。これはおにごっこににていますが、つかまるとすぐに「おに」なりません。つかまった子はそのばでたちどまり、なかまがたっちしてくれるのをまちます。なかまにたっちしてもらえたらまたにげることができます。

このようにいろいろな遊びがあります。他にもどうぐを使わないあそびがありますし、どうぐを使うあそびもたくさんあります。いろいろなあそびをとおしてより多くのともだちができるかもしれませんね。

1年生説明文 「赤い色のくだもの」 123819

 れいぞうこの中にはくだものがあります。三つあります。赤い色をしています。とてもおいしそうなくだものです。一つずつ取り出してみましょう。




初めに取り出したのはいちごです。みどり色のへたがついています。まわりにはちいさな種がたくさんついています。さわってみると、ととてもやわらかいです。

次に取り出したのはりんごです。茶色く短いへたがついています。実の中にはいくつか種が入ってます。さわってみると、とてもかたいです。

最後に取り出したのはさくらんぼです。茶色の枝分かれしたへたが二つの実をつなぐようについています。実の中には種が一つずつ入っています。さわってみると、いちごよりもかためで、りんごよりもやわらかいかたさです。

くだものには黄色やみどり色をしたものもあります。いろんな色のくだものをさがしてみましょう。

1年生説明文 「みどりのはっぱのやさい」 123820

 わたしたちがよくたべるみどりいろのはっぱのやさいは、見た目はにているけれど、それぞれちがいがありまあす。

 キャベツは、中おうのはっぱがかさなっているやさいです。ゆでてせんぎりにしたり、ロールキャベツにしてたべたりします。

 レタスは、かたちはキャベツとそっくりですが、ちぎって生のままサラダに入れてたべることが多いです。

 白さいは、ほそながいかたちをしています。みそしるやなべやつけものなど、はばひろくつかわれています。

 それぞれのやさいが、さまざまなりょうりにあうようにつかわれています。

1年生説明文 「にじ」 123821

 あなたはにじをみたことがありますか。あか、だいだい、きいろ、みどり、あお、あいいろ、むらさきの七つでにじはできています。とてもうつくしいですね。
 ところで、いつにじを見ることができるかしっていますか。

 あめがあがったあと、大きなにじを見ることができます。まちでいちばんおおきなビルからのびているのを、はっけんすることができるかもしれません。にじの下になにがあるか、かんがえてみるのもたのしそうですね。

 大きなにじのちかくに小さなにじも見ることができます。この小さなにじは大きなにじといろのならびかたがちがいます。おもしろいですね。

 にじはつくることもできます。たいようとはんたいをむいてホースなどから水を出してみましょう。ちいさなちいさなにじが見つかります。

 このようににじはいろんなばしょで見ることができます。

1年生物語文

1年生物語文 「じてんしゃ」 91444

 みよちゃんは、じてんしゃにのるれんしゅうをしています。
毎日れんしゅうするけれど、まだまだ上手にのれません。

 すると、けんじくんがやってきました。
「ぼくがうしろをもっててあげるよ。」
けんじくんがじてんしゃのうしろをもってくれると、すいすい。
だけど一人だと、どってんごろごろ。
まだまだ上手にのれません。

 つぎに、ゆみちゃんがやってきました。
「足をはなしたら、すぐにじてんしゃをこぐといいよ。」
足をはなしてすぐにこぐと、すいすいすい。
だけどすぐに、どってんごろごろ。
少し上手になったかな?

 そこに、たろうくんがやってきました。
「足をはやくうごかすといいよ。」
足をはやくうごかすと、すいすいすいすい。
しばらくすすんで、どってんごろごろ。
みよちゃん上手になってきた。

 さあ、もう一度!
はじめは、けんじくんにじてんしゃのうしろをもってもらって。
足をはなしてすぐこいで。
足をはやくうごかして。
すると、ころばず、すいすいすいすいすい。
みよちゃん上手にのれました。

1年生物語文 「おやまのおんがくかい」 102917

 もうすぐおやまのリーダーふくろうさんのたんじょうびです。ふくろうさんはおんがくがだいすきです。
 そこでふくろうさんととてもなかのいいうさぎさんはおんがくかいをひらこうとみなさんによびかけました。

 すぐやってきてくれたのはたぬきさんでした。
 うさぎさんはタンバリン、たぬきさんはカスタネットをえんそうすることになりました。しかし、シャンシャン カッカ とおとがなるだけでメロディはありません。

 そこにことりさんがやってきました。ことりさんはとくいなさえずりですてきなメロディをうたってくれました。
 しかしうさぎさんはまだまだものたりないようすです。

 そこにくまさんがやってきました。くまさんはひくーいおとのおおだいこをならしました。
 そしてそれにつられてやってきたきつねさんがパッパパーンとかっこいいトランペットをならしました。
 すると、どうでしょう。
 とってもすてきなおんがくができあがりました。

 いよいよおやまのおんがくかい。ふくろうさんをしょうたいしておんがくをえんそうしました。ふくろうさんはおおよろこびでたのしそうにきいてくれました。
 おやまのおんがくかいはだいせいこうし、ふくろうさんはすてきなたんじょうびをすごすことができました。

1年生物語文 「ふうせんつかまえて」 102927

こうすけくんはだいすきなあおいふうせんをもってみちをあるいていました。すると、とつぜんつよいかぜがふいてきてふうせんがとばされてしまいました。ふうせんはちかくにあったきにひっかかって、こうすけくんがてをのばしてもふうせんをつかまえることができません。ジャンプしてつかまえようとしましたが、あとちょっとのところでふうせんがかぜにながされて、たかいところにひっかかってしまいました。

そこにぞうがやってきて「ぼくがこのながいはなでふうせんをつかまえてあげよう」といいました。ぞうがながいはなをのばずとふせんまでとどきそうでした。しかし、さらにたかいところにひっかかってしましました。

こまってしまったこうすけくんとぞうのもとに、きりんがやってきました。きりんは「わたしのこのながあいくびなら、ふうせんをつかまえることができるよ」といいました。きりんがすこしくびをのばすとふうせんまでとどきそうでした。しかし、あとちょっとのろころでふうせんがかぜにながされて、もっとたかいところにひっかかってしまいました。

こうすけくんとぞうときりんはしょんぼりしてしまいました。こうすけくんがふうせんをみていると、またつよいかぜがふいてきてふうせんがとばされそうになりました。こうすけくんとぞうときりんが「あっ」とおもったしゅんかんに、なにかがこうすけくんのよこをすりぬけ、すいすいときにのぼっていきました。きにのぼっていったのはきのぼりがとくいなねこでした。ねこはふうせんがきからはなれてしまうまえにみごとにふうせんをつかまえました。

ねこがきからおりてきて、こうすけくんに「たいじなものはかんたんにてばなしちゃいけないよ」といってふうせんをわたしました。とてもうれしくなったこうすけくんは、ねこに「ふうせんをつかまえてくれてありがとう」といいました。そしてたすけようとしてくれたぞうときりんにも「ありがとう」といいました。それからこうすけくんとぞうときりんとねこはそれぞれのいえにかえっていきました。

1年生物語文 「けんたとけんけんぎつね」 103811

 けんたは、リュックサックにカップうどんとおゆの入ったすいとうを入れています。きょうは、ともだちのこうすけくんと山へあそびにいく日です。まどのそとでは、さっきまでおにわの木にくっついていたオレンジ色のはっぱたちが、じゅうたんをつくっています。
 おかあさんはけんたに、
「おべんとうはいらないの?」
とききましたが、けんたはくびをよこにふります。
「今日は、おやまのけんけんぎつねにあいにいくから、これでいいんだ。」
けんたはそういって、リュックサックのなかのカップうどんをつつきました。おかあさんはふしぎそうなかおをしましたが、すぐににっこりとわらって、
「お山にはこわいどうぶつもいるかもしれないから、きをつけてね。」
といいました。
 けんたはうなづくと、リュックサックをせおい、くつのひもをしっかりとしめて山へむかってかけだしました。

 山の入り口には、赤い色をしたもんがたっています。けんたは、おとうさんが、これを『とりい』というのだとおしえてくれたことをおもいだしました。とりいには、大きなくものすがかかっていて、そのまんなかできいろとくろのしましまもようのくもが、じっとしていました。
 とりいをながめていると、くろいリュックサックをせおったこうすけくんがやってきました。
「さぁ、けんけんぎつねにあいにいこう。」
おくれてきたこうすけくんですが、元気いっぱいにきりだしました。けんたは、こうすけくんのあとにつづきます。
 いつのまにか、くものすにいたしましまもようのくもは、いなくなっていました。

 「けんた、ちゃんともってきた?」
こうすけくんは、リュックサックのなかから、カップうどんをとりだしました。けんたも、カップめんをとりだします。二人のカップうどんのパッケージには、おあげのしゃしんがあります。
「じゃぁ、おゆをいれようか。」
じょぼじょぼ。カップからは、はっきりとした白いゆげがたちあがります。二人は、ふぅふぅといきをふきかけながら、あつあつのうどんをすすります。でも、おあげはたべません。
 うどんとつゆがなくなったカップには、ちゃいろいおあげがちょこんとのこっています。二人はこのカップを木のねもとにおき、すこしはなれたべつの木のうしろにかくれました。
「けんけんぎつね、でてくるのかな?」
「うん、きっとでてくるよ。」

 さて、このけんけんぎつねとはなんなのでしょうか?
 ちかごろ、けんたたちの小学校では、おもしろいうわさがながれているのです。
「山におあげをおそなえしたら、『けんけん』という声がきこえてきて、おおきなおおきなきつねがでてくる。」
どこからやってきたうわさかはわかりませんが、けんたはそのおおきなおおきなけんけんぎつねが見たくなりました。なかのいいこうすけくんにはなすと、いっしょにきてくれることになりました。

さて、木のねもとのおあげはどうなったのでしょうか。
「なにもこないなぁ。」
カップから上がっていたゆげも、いまはもう見えません。
二人はリュックサックからとりだしたビデオゲームで遊んでいました。
すると、
「あ!なにかきた!」
けんけんぎつねでしょうか。
しかし、ちゃいろいそれは、木のしたのおあげにはめもくれずに走っていきます。
「あれ、うりぼうじゃない?いのししのこどもだよ。」
二人ははじめて見るうりぼうにこうふんして、おいかけていきました。

 たいいくがとくいな二人でしたが、どれだけ走ってもうりぼうはおいつけず、みうしなってしまいました。うりぼうにむちゅうになっていた二人でしたが、たいへんなことにきがつきました。
「あれ、ここはどこだろう。山の出口がわからないや。」
木のはのすきまからみえていた青い空も、いまはオレンジ色です。二人はかおをあわせて、まゆをしかめました。
 空のオレンジ色がみえるのは、ほんのひととき。あっというまに空はこん色です。それでも二人は、あるくのをとめません。この空の色のとき、いつもなら、おふろにはいって…ごはんをたべて…テレビをみて…おとうさんとおかあさんとおはなしして…あたたかいふとんのなかでテレビゲームをしてるのになぁ。けんたはそんなことを考えていると、めがしらがあつくなって、あたたかい水のつぶがほおをつたいました。

 しばらくあるいたころでした。
「けーん、けーん。」
上からきこえます。二人がみあげると、一ぴきのおおきなおおきなきつねが、木のえだとえだをとびまわっていました。
「けんけんぎつねだ!」
けんけんぎつねは、けんたとこうすけの目の前にとびおり、走っていきます。
「けんた、おいかけよう。」
二人はけんけんぎつねのあとを走ります。けんたは、けんけんぎつねは、おとうさんとおなじくらいのおおきさかもしれないとおもいました。
 どのくらい走ったでしょうか。けんけんぎつねがきゅうに空にむかってジャンプしたかとおもうと、目の前にはコンクリートのじめんがひろがっていました。
「ここ、あさ来たところじゃないか。」
こうすけがいいます。けんたもうなづきました。
すると、向こうの方から女の人が二人、走ってきます。
「けんた、おそいからしんぱいしたのよ。」
「なにかあったの?」
ふあんそうなかおをした、けんたのおかあさんと、こうすけくんのおかあさんでした。でもおかあさんたちは、ふたりがふあんそうにもじもじとするすがたをみると、かおをみあわせてくすりとわらいました。
「おなかすいたでしょう。かえりましょう。」
二人もすぐに笑顔になりました。

 次の日、二人はまた山へいきました。ふたりは木のねもとをみて、わぁっとこえをあげました。
「おあげ、なくなってる。」

カップのなかには、ピンク色をしたいちりんの花がそえてありました。

1年生物語文 「雪の一日」 112702

学校が休みなある日
ゆきは、夢を見た。
それは、こけて、坂を転がっていくという変な夢でした。
『うわーーーーー』
・・・そんな時に目が覚めたのだ。

ゆきは、起きた時に変な感じだなーと思ったので
夢の内容をやたら、はっきりとおぼえていた。
「本当におこらないといいな…
 今日は、坂に近づかないようにしよう」

『おばあちゃんの家に行ってきて…』
と、お母さんの声です。
「えっ、いやだあー。」
もちろんゆるされません。
ゆきは、おかあさんのようじをするためにおばあちゃんの家にいくことになりました

いやだな−。坂に近づかないようにしないとと思って道を歩いています。
そんなときに、目の前に坂があるではないですか・・・
「うわぁ…、ちかづかないようにしないと・・・」

ん?目の前でおばあさんがこけそうではないですか。
「あぶないっ。」

ゆきは、坂のほうに自然とむかっていました。
おばあさんを助けるため。

ガッ、ごろごろー。
「うわー。」
ゆきはこけてしまいました。

でも、起きた時に思ったような嫌な感じはしなかったのです。
いいことをした結果だったのですから。

1年生物語文 「あめあがりのにじ」 112710

三日もふりつづいていた雨が、あがりました。りょうとは、
「やったぁ、ひさしぶりにそとであそべるぞ。」
と、外にとびだしていきました。

りょうとがこうえんで遊んでいると、空に、大きなにじがあらわれました。きれいな七色のにじです。
りょうとがあそんでいるのを、にじはずっと空の上で見ていました。
「あのにじも、いっしょにあそびたいのかな。」
りょうとは、大きなこえで、
「いっしょにあそぼう。」
とよびかけました。にじも、
「いっしょにあそぼう。」
とこたえました。りょうとは、
「こっちにおいでよう。」
といいました。にじも、
「こっちにおいでよう。」
といいました。りょうとは、
「よし、にじにとびのろう。」
と、はりきりました。

りょうとは、ちからいっぱいジャンプしました。
けれど、にじには ぜんぜんとどきません。
「がんばれ、がんばれ」
にじが おうえんしました。
りょうとはちょっとかんがえて、ブランコにのりました。
いっしょうけんめいこぎました。
ブランコはぐんぐん高くあがって、もうちょっとでにじにとどきそうです。
「えい。」
りょうとはゆうきをだして、手をはなしました。
すると、いきなり風がぐん、とふいて、りょうとのからだは空にうきあがりました。
気がつくと、りょうとはにじのうえにいました。

「さあ、あそぼう」
りょうとはにじのすべりだいであそびました。りょうとは、たのしくてたのしくて、うたをうたいました。にじも、とてもたのしそうでした。
しばらくあそぶと、りょうとのおなかが、ぐーっとなりました。そろそろ、おひるのじかんです。
「おなかが すいたなあ。」
「では、かえろう。」
と、にじは、下へおりはじめました。そして、こうえんのすぐ上でとまりました。りょうとはにじをすべりおりて、こうえんにちゃくちしました。

「さようなら。ありがとう。」
りょうとが手をふったとき、
「おひるごはんの じかんよ。かえっていらっしゃい。」
と、おかあさんの声がきこえました。
「さようなら。またあそぼう。」
おおきなにじは、また、げんきよく、あおい空のなかへかえっていきました。

1年生物語文 「だいすきなともだち」 113103

ある村にかずきくんという男の子がいました。かずきくんはともだちとあそぶのがだいすき。きょうもこうえんでサッカーをしようとともだちをさそいにいきます。

ルンルンルン。サッカーボールをかかえてむかったところはげんきくんのおうちです。「げんきくん。いっしょにサッカーしよう!」かずきくんは楽しげにいいました。するとげんきくんは「ぼくしゅくだいがあるんだ。だからサッカーはできない。」といいました。かずきくんはすこしかなしくなりました。つぎにけいとくんのおうちにいきました。「けいとくん。いっしょにサッカーしよう!」しかしけいとくんも「ぼくいまからおばあちゃんにあいにいくんだ。だからサッカーはできない。」といいました。かずきくんはすこしすねてしまいました。さいごにゆうやくんのおうちにいきました。かずきくんはゆうやくんならいっしょにサッカーをしてくれるとしんじていました。「ゆうやくん。いっしょにサッカーしよう!」するとゆうやくんはいいました。「ぼくおかあさんのおてつだいをしないといけないんだ。だからサッカーはできない。」かずきくんはほんとうにかなしくなり、さみしくなり、ひとりぼっちのきぶんになってしまいました。「なんでみんなあそんでくれないんだろう。ぼくのことがきらいなのかな。」かずきくんはなみだをながしながらおうちにかえりました。

そのよる、へやでかずきくんがこもっているとこんなこえがきこえました。「かずきくん。すこしそとにでてきてよ。」ゆうやくんのこえです。「さっきあそんでくれなかったからいや。」かずきくんはおこっていいかえしました。「さっきはごめんね。でもかずきくんにみせたいものがあるんだ。」ゆうやくんがみせたいものがきになりかずきくんはゆうやくんにつれられてゆうやくんのおうちにいきました。

ゆうやくんのおうちのまえにつくとゆうやくんはいいました。「ドアあけてみてよ。」かずきくんはゆうやくんのいえのどあをあけました。すると、「おたんじょうびおめでとう。」というこえ。どあのむこうにはけいとくんとげんきくんがいるのです。「え、なんで?」かずきくんはみんなにききました。「きょうはかずきくんのたんじょうびだろ。ぼくたちひるからかずきくんのたんじょうびパーティーのじゅんびしてたんだ。だからサッカーできなかったんだ。ごめんね。」かずきくんはうれしくてなみだがでました。「みんなありがとう。」かずきくんはみんなとたのしくゲームしたりケーキたべたりしておたんじょうびをたのしみました。

1年生物語文 「なっちゃんのぼうけん」 113104

ある日のことです。なっちゃんはともだちのけんたくんといっしょにこうえんのすなばであそんでいました。すなばをほっているとあなのおくに小さな光が見えました。「なんだろう。」二人がのぞきこんでみるとあなの中にすいこまれてしまいました。

気がつくとふたりはいっぽんみちに立っていました。「ねえ、けんたくん。すこしあまいにおいがしない。」となっちゃんはいいました。「うん、いってみようよ。」けんたくんはいいました。ふたりは手をつないであまいにおいのするほうへあるいていきました。

あまいにおいのさきには大きなこうじょうがたっていました。中からかわいいエプロンをしたモグラさんが出てきました。「ようこそ、モグラのおかしこうじょうへ。さあ中に入ってごらん。みんなのだいすきなおかしがたくさんあるよ。」とモグラさんはいいました。ふたりはよろこんで中にはいっていきました。

中に入って二人はびっくり。まるで公園みたい。ココアの川がながれていて、そのほとりにある木にはたくさんのアメがなっています。わたあめでできたふかふかのベンチ、クッキーでできたシーソー。あれもこれも二人のだいすきなおかしばかり。「いっしょにあそぼうよ。」さきにあそんでいたヒツジさん、ブタさんといっしょにあそびました。たのしくあそんでいるとモグラさんがやってきて、「もうおやつのじかんだよ。ぼくはみんなにおかしをくばりにいかなくちゃ。なっちゃんたちもいっしょにいこう。おくっていってあげる。」といいました。ふたりはモグラさんのチョコレートでできた車にのってもとの世界にもどりました。

「モグラさん、こうじょうにしょうたいしてくれてありがとう。」二人はおれいをいいました。するとモグラさんはおみやげにおかしをたくさんくれました。「おかしをたべたあとはちゃんとはみがきをするんだよ。」といいました。「おいしいおかしをたくさんありがとう。ちゃんとはみがきするよ。またこうじょうにあそびにいくね。」ふたりはモグラさんにおわかれをいっておうちにむかってあるきだしました。なっちゃんがふとうしろをふりかえるとモグラさんはもういませんでした。なっちゃんはすこしふしぎにおもいながら、もらったおかしをもっておうちにかえりましたとさ。

1年生物語文 「町のお医者さん」 113110

ある町にとても優秀なお医者さんがいました。今までやってきた人たちの病気をすべて治していて、町のみんなからとても頼りにされていました。
ところがある日、今度はそのお医者さんが病気になってしまいました。さあ大変、このままでは町のみんなが病気になっても治してくれる人がいません。

町のみんなは協力してお医者さんの病気を治してあげることにしました。食べ物屋さんは栄養いっぱいのごはんをつくってたべさせてあげました。

服屋さんはあたたかい服を作ってお医者さんに着させてあげて、寒くならないようにしてあげました。

ほかのみんなはぬれたタオルでおでこをひやしたりしてあげて、交代でお医者さんの様子をみてあげました。

町のみんなの協力のおかげで町のお医者さんはとっても元気になりました。

1年生物語文 「おおきな木になる実」 113119

昔々あるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました。
おじいさんとおばあさんの家の近くにおおきな木がありました。
その木にはとてもおいしいと言われる実がなっていました。
おじいさんとおばあさんはその実を一度でいいから食べてみたいと思いました。

そこでおじいさんとおばあさんはかたぐるまでとろうとしました。
けれども、とどきません。
つぎに、家からほうきをとってきました。
けれども、とどきません。
すると、そこに近所のおばさんが長い長いぼうをもってきました。
とどきはしましたがとれません。
すると、こんどはとおりがかっただいくさんがはしごをかしてくれました。
すると、ようやくとれました。

みんなは大喜び。
家にもちかえりみんなで食べました。
とてもおいしかったそうな。

1年生物語文 「たんじょうびケーキ」 113604

 きょうは、お母さんのたんじょうびです。みいちゃんは、お母さんにケーキをつくろうとかんがえました。

 ボウルをだして、はかりをだして、あわだてきをだして…じゅんびをしていると、ニワトリがやってきました。
「おいしいケーキには、おいしいたまご!きょうのあさとれたて、どうぞ。」
「わあ、ありがとう。」
みいちゃんは、ニワトリがくれたたまごできじをつくりました。

 オーブンでケーキをやいていると、子ウシがやってきました。
「おいしいケーキには、おいしいなまクリーム!ママのおちちからつくったの、どうぞ。」
「わあ、ありがとう。」
みいちゃんは、子ウシがくれたなまクリームをあわだてて、クリームをつくりました。

 ケーキがやきあがり、クリームをぬっていると、リスがやってきました。
「おいしいケーキには、おいしい木のみ!森でとってきたいろんな木のみ、どうぞ。」
「わあ、ありがとう。」
みいちゃんは、リスがくれた木のみを、ケーキの上にならべました。

 おいしいケーキができあがりました。みいちゃんのお母さんは、とてもよろこんでくれました。

1年生物語文 「七色あめだま」 113612

七色あめだま 落っことした
赤鬼が 大切に 大切にしていた
七色あめだま 落っことした

雲の上に住む赤鬼のともだちは 七色あめだま ただひとつ
 
赤鬼は悲しくなって おいおい泣いていた。

涙はあまつぶになってザァザァふっていた。

すると、下から大きな大きな声がした。

「おおい おおい、鬼さんや鬼さんや
あんたが落っことした だいじな だいじなあめだまを
おいらが拾ったよ。
わたしてやるから、早ぅ泣くのをおやめ。」

赤鬼が雲間から下をのぞくと
大きく 大きく手をふるひとりの坊がいた。

「おおい おおい、あめだまわたすから
早ぅ下に下りてこいよぉ。」

赤鬼は思い切って えい と雲から飛び下りた。

「ほれ、だいじなあめだまなんだろぅ。
受け取りなせぇ。」

「ありがとう ありがとう。
それと ひとつおねがいがある。
おいらと遊んでくれねぇか。」

赤鬼は生まれてからずうっとひとりだった。
雲の上でひとり。さみしくて さみしくて

だから、下の世界にずうっとあこがれていた。

「ああ、ああ、もちろんさ。」

ふたりは遊んだ。
ころころ転げまわる子犬みたいに遊んだ。

あっというまに ゆうぐれ時になった。

「ありがとう。おいら、雲の上に帰らんといけん。」

「また遊ぼうな。きっとやぞ。」


赤鬼があめだまを空にかかげると
雲にむかって びゅーん と一直線に
七色のにじがかかった。
赤鬼はそれをつたってあるいていった。

「ありがとう ありがとう」

坊は赤鬼が見えなくなってもいつまでも いつまでも
手をふっていた。


赤鬼のともだちは もう あめだまだけではありません。

1年生物語文 「みんなでジャンプ」 113803

 小学1年生のけんたくんには、ひとつのなやみごとがあります。けんたくんは、クラスでいちばんせがひくいのです。お母さんは、「すぐに大きくなるよ」と言いますが、しんちょうをはかっても、なかなかせがのびません。

 大きくなりたいけんたくんは、お父さんにそうだんすることにしました。お父さんは「しっかりごはんをたべれば、大きくなるよ。」と言いました。その日のばんごはんから、けんたくんは、いつもお茶わん一ぱいだったごはんを、二はいたべるようになりました。一か月後、「そろそろ大きくなったかな。」けんたくんはしんちょうをはかってみました。しかし、たった2ミリしか、のびていませんでした。

 もっと大きくなりたいけんたくんは、おじいちゃんにそうだんすることにしました。おじいちゃんは「ジャンプすれば大きくなると、わしのお父さんが言っていたなあ。」と言いました。さっそくけんたくんは、学校の休みじかんに、ジャンプをすることにしました。

 クラスの友だちが、「けんたくん、何してるの?」ときくので、けんたくんは「せをのばすためにジャンプしてるんだ。」と言いました。すると、「ぼくも」「わたしも」と、みんながジャンプをはじめたので、わになって、みんなでジャンプすることにしました。手をつないで、わになって。空にとどくように、ジャンプしました。けんたくんも友だちも、とても楽しくなって、まいにちまいにちジャンプしました。

 2か月後、「そろそろ大きくなったかな。」けんたくんはしんちょうをはかってみました。びっくりばんざい、けんたくんのしんちょうは、1.5センチものびました。

1年生物語文 「まほうのスープ」 122016

 あるちいさなむらに、しっかりものの兄と、おっとりしている弟の、なかよし兄弟のレストランがありました。
毎日、むらのみんながそのレストランにやってきます。
なかよし兄弟のつくる料理をたべると、だれもがみんな元気いっぱいになります。
ところが、冬がちかづき、だんだんさむくなってきたころ、兄が病気にかかってしまい、料理をつくることができなくなってしまいました。
弟はまだちいさいので、一人で料理をつくることができません。

 「どうしよう。」
こまった弟はむらのみんなにそうだんしました。
「それだったら、みんなで、どんな病気もなおるという『まほうのスープ』をつくろうじゃないか。」
村長さんのひと声で、スープをつくることになりました。

 たくさんの野菜をもってきてくれたのは、レストランのとなりの家のおねえさんです。
きれいな水をくんできてくれたのは、川のちかくに住むおじいさんです。
大きなおなべをもってきてくれたのは、ちからもちのおじさんです。
みんながおてつだいをしました。

 「元気になりますように。」
むらのみんながそう思いながらつくったおかげで、「まほうのスープ」がついにかんせいしました。
とってもいいにおいがして、あたたくて、おいしそうです。

 弟が、兄にスープをのませてあげると、みるみるうちに元気になりました。
兄はみんなにかんしゃして、もっともっとおいしい料理をつくろうとおもいました。
こうして、もとのとうりに、レストランには毎日たくさんの人があつまり、みんなでおいしい料理をたのしくたべました。

1年生物語文 「ひきど」 122024

おとうさんとおかあさんとふたりのむすこがいました。
3にんはいえにはいるためにとびらをあけようとしました。

「うんしょ、うんしょ、どっこいしょ」
おとうさんがとびらをおしました。けれどもとびらはあきません。
「これはだめだ。おかあさん、てつだってくれ」

「うんしょ、うんしょ、どっこいしょ」
おかあさんがおとうさんをおし、おとうさんがとびらをおしました。けれどもとびらはあきません。
「これはだめね。むすこ、てつだってくれないかしら」

「うんしょ、うんしょ、どっこいしょ」
むすこがおかあさんをおし、おかあさんがおとうさんをおし、おとうさんがとびらをおしました。けれどもやっぱりとびらはあきません。
「これはだめだ。どうしたらいいんだろう」

3にんがどんなにちからをいれてとびらをおしてもあきません。3にんがつかれはてたころ、3にんはおもいだしました。
「ああ、そうだ。このとびらはひきどだったんだ」

1年生物語文 「さかあがり」 122036

 ゆうこさんは、たいいくのじかんがきらいでした。
 なぜかというと、さかあがりができなかったからです。
せんせいのあいずでみんながクルリとまわっているのに、じぶんだけまわれないのです。
「しかたない、一人でれんしゅうしよう」
ゆうこさんは家のちかくのこうえんへいきました。

 こうえんにつくと、ひんやりとさびた てつぼうがゆうこさんをまっていました。ゆうこさんはグッと力をいれて つめたいぼうをにぎり、
「1,2の3!」とけりあげました。
しかし、うまくはゆきません。
「うーん、1,2の3!1,2の、3!1,2の・・・」
なんど地面をけっても、おなじでした。

 ゆうこさんが気づくと、空はオレンジ色にそまっていました。
れんしゅうを始めてから、ずいぶんじかんがたっています。
「もう、あきらめようかな」
そう思い、てつぼうから手をはなそうとしたときでした。
「もっと体をてつぼうに近づけるんだよ」
と、だれかのこえがしました。
ふりむくと、同じクラスのアキラくんがたっていました。
「もういちど、やってみて」

ゆうこさんはアキラくんがいたことにおどろきながらも、もういちどてつぼうをにぎりなおしました。
アキラくんは、そのようすをじっと見つめています。
「体を近づけて、おもいきりけりあげるんだよ」
ゆうこさんはアキラくんの言ったとおりに、じめんをけりました。
すると、ゆうこさんの体はクルリとまわったのです。
「できた!ありがとう!」
ゆうこさんもアキラくんもしあわせなきもちになりました。

ゆうこさんはたいいくのじかんが好きです。
なぜかというと、さかあがりがとくいになったからです。
ゆうこさんはさかあがりが出来るようになっただけでなく、アキラくんというともだちも出来たのです。

1年生物語文 「はなこちゃんのお出かけ」 122040

 はなこちゃんは五さいの女の子です。今日はおばあちゃんのたんじょうびなので、お母さんがつくったケーキをはなこちゃんが一人でおばあちゃんの家にとどけることになりました。おばあちゃんの家へ行くには、森をとおり、大きな川にかかった橋をわたり、長い上り坂を歩かなければなりません。はなこちゃんは一人でおばあちゃんの家に行くのははじめてなのでふあんでした。

 家を出発してしばらく歩くと、あたりは森になりました。「こわいな…」とはなこちゃんが思っていると、くまがやってきました。くまが「やぁ、どこへ行くんだい」と言うので、「おばあちゃんの家にケーキを持っていくの」とはなこちゃんは答えました。「それなら、ぼくが森をあんないしてやろう」と、くまが道をあんないしてくれたので、無事に森をぬけることができました。「ありがとう」と言って、はなこちゃんはくまとわかれました。

 つぎにはなこちゃんは川にかかる橋にやってきました。はなこちゃんがこわくて立ち止まっていると、きつねがやってきました。きつねは「やぁ、どうしたんだい」と言うので、「こわくて、橋をわたれないの」とはなこちゃんは答えました。すると、きつねがいっしょに橋をわたってくれました。「ありがとう」と言って、はなこちゃんはきつねとわかれました。

 またしばらく歩くと、長い坂道にさしかかりました。はなこちゃんは、つかれて道にすわりこんでしまいました。すると、ワシがやってきて、「坂の上にいくんだろ、ぼくがつばさにのせてやるよ」と言って、はなこちゃんを坂の上までのせていってくれました。「ありがとう」と言って、はなこちゃんはワシとわかれました。

 こうして、はなこちゃんはおばあちゃんの家に着きました。「おばあちゃんにケーキを持ってきたよ。」とはなこちゃんが言うと、おばあちゃんはとてもびっくりしたように「まぁ、うれしい。はなこちゃん、一人で来るなんてえらいわ。」と言いました。はなこちゃんはほこらしい気持ちで、こっそりと「くまさん、きつねさん、ワシさん、ありがとう」と言いました。

1年生物語文 「おかたづけ」 122048

しょうがっこういちねんせいのゆうきくんはおかたづけがにがてです。
がっこうからかえってきてもランドセルはつくえにかかってないし、きょうかしょやノートはいつもゆかにちらばっています。
がっこうのつくえのなかもプリントがぐちゃぐちゃにはいっているのでなにがどこにあるのかわかりません。
なので、ゆうきくんはいつもわすれものやさがしものをしてばっかりで、おかあさんやせんせいにおこられています。

あるひ、ゆうきくんはとなりのせきのまこちゃんのつくえのなかをみてものすごくおどろきました。
まこちゃんのつくえのなかはとてもきれいでした。
なにがどこにあるかすぐにわかるし、プリントもきれいにおってファイルににいれてありました。

ゆうきくんは、「まこちゃん、どうしてそんなに机の中がきれいなの。」とおもわずききました。
まこちゃんは、「かんたんよ。ものにおうちをきめてあげればいいのよ。」といいました。

おうちにかえったゆうきくんはさっそくもののおうちをきめることにしました。
「ランドセルはつくえにかけて、きょうかしょとノートはほんだなにいれて、」
ゆうきくんはおかあさんにもてつだってもらってすべてのもののおうちをきめました。

つぎのひからゆうきくんはいえにかえると、ちゃんとものをおうちにかえすようにしました。だからおへやもがっこうのつくえのなかもずっときれいなままになりました。さがしものもわすれものもなくなったので、おかあさんにもせんせいにもそれからまこちゃんにもほめられました。それからずっとゆうきくんはきれいなおへやでにこにこくらしていきました。

1年生物語文 「大なわとび」 122060

たけるくんは大なわとびをうまくとぶことができません。クラスのみんなと大なわとびをして遊ぶ時も、いつもたけるくんがなわにひっかかってしまいます。

ある日の昼休み、クラスのみんなと大なわとびをして遊んでいるとき、またたけるくんがなわにひっかかってしまいました。

そのとき、クラスでも運動がじょうずなゆうとくんがたけるくんのもとにやってきました。「たけるくん。なわがじめんについたときに、走りだすととびやすいよ。こわがらずにとべば、かならずとべるよ。」

たけるくんはなんだかゆうきがわいてきました。そして、なわをじっと見つめ、ゆうとくんの「たけるくん、今だ!」の声とどうじに走り出しました。

たけるくんは頭がまっしろでした。でも気づいたときには、クラスみんながたけるくんにわらいかけていました。

1年生物語文 「かずまくんの宿題」 122301

かずまくんは小学三年生。今日は図工の宿題が出されました。かずまくんはお昼ごはんを食べたあと、小学校の友達と一緒に宿題をする約束をしました。
友達もみんなそろい、みんなそれぞれ図工の宿題をしはじめました。

しかし、かずまくんは課題の作品の作り方を忘れてしまい、困ってしまいました。そうすると友達のはるなちゃんが作り方を教えてくれました。

作業をしていくと、かずまくんのボンドがなくなってしまいました。そうすると、友達のさとしくんがボンドをかしてくれました。

また作業をすすめていくと、今度は画用紙が足りなくなってしまいました。友達はみんな自分のぶんの画用紙しか持っていなかったので、もらうこともできず、かずまくんは困ってしまいました。それを見ていたお兄ちゃんのともきくんは、かずまくんのために画用紙を買ってきてくれました。

こうして、みんなの助けをかりて、かずまくんの宿題が完成しました。

1年生物語文 「たかしくんのおつかい」 122303

たかしくんは、おかあさんにおつかいをたのまれました。
「ぶたにくとエビとキャベツをかってきてね。」
おかあさんはいいました。
「いってきます。」
たかしくんはおつかいにでかけました。

「まず、ぶたにくをかいにいこう。」
しかし、おにくやさんがどこにあるのか、たかしくんはわかりません。
「どうしたの。」
そこへ、ひろくんがやってきました。
「おにくやさんはあっちだよ。」
ひろくんは、おにくやさんのばしょをおしえました。
「ありがとう。」
たかしくんは、ぶたにくをかうことができました。

「つぎは、エビをかいにいこう。」
しかし、さかなやさんがどこにあるのか、たかしくんはわかりません。
「どうしたの。」
そこへ、りょうくんがやってきました。
「さかなやさんはあっちだよ。」
りょうくんは、さかなやさんのばしょをおしえました。
「ありがとう。」
たかしくんは、エビをかうことができました。

「さいごに、キャベツをかいにいこう。」
しかし、やおやさんがどこにあるのか、たかしくんはわかりません。
「どうしたの。」
そこへ、やすしくんがやってきました。
「やおやさんはあっちだよ。」
やすしくんは、やおやさんのばしょをおしえました。
「ありがとう。」
たかしくんは、キャベツをかうことができました。

その日の夜、たかしくんは、おいしいおこのみやきをたべました。

1年生物語文 「まあちゃん」 122305

私には「まあちゃん」という友達がいます。くまのぬいぐるみ。

まあちゃんとはいつもいっしょ。遊ぶときも、ご飯を食べるときも、寝るときも。まあちゃんは私のお話を聞いてくれる。絶対に怒らないし反対しない。

小学校に入学してお友達ができた。まなみちゃんといって、みんなまあちゃんとよんでいる。となりの席で仲良くなった。それからずっとまあちゃんといるようになった。まあちゃんはおこるし反対もする。自分の考えも言う。でも、一緒に笑えるし、しゃべれる。

おうちにいるときはくまのまあちゃんと、学校ではまあちゃんとずっと一緒。

まあちゃんといると楽しい。いつもありがとう。まあちゃんもまあちゃんもだいすき。

1年生物語文 「さかあがり」 122306

あるところに、みきこちゃんという女の子がいました。たいいくのじゅぎょうで「さかあがり 」のできなかったみきこちゃんをクラスの男の子たちがばかにしました。くやしくてくやしくてみきこちゃんは毎日なきました。

「ぜったい、さかあがりができるようになりたい!」そう決心したみきこちゃんは毎日毎日公園でさかのぼりのれんしゅうをしました。
ある日のこと、いつものようにれんしゅうをしていると、「へたくそ!」という声が後ろからきこえました。ふりかえると、一ぴきのうさぎが立っていました。
「なんで、うさぎがしゃべっているの?」目をまるくしながら、みきこちゃんはたずねました。「ぼくが、手伝ってあげるよ。ほら、やってごらん。」
こうしてうさぎとみきこちゃんのさかあがりのれんしゅうがはじまりました。毎日公園に行くと、公園のかたすみの小さなあなからうさぎが出てきて、きみこちゃんのせなかをおしてくれました。

そして1週間後、この日もいつものようにれんしゅうがはじまりました。「じゃあ、もうぼくはせなかをおさないよ。みきこちゃんひとりでがんばってみようよ。」「うん、わかった。」とうなずいてみきこちゃんはてつぼうに手をかけました。せーのっ。くるん。なんとみきこちゃんは一人でさかあがりができたのです!

「できたよ!ひとりでさかあがりできたよ!」よろこびいっぱいのえがおでふりかえると、もうそこにうさぎのすがたはありませんでした。「どこ行っちゃったの、うさぎさん!」
みきこちゃんは公園をさがしまわりました。しかし、うさぎのいつも出てきていたあなももうありませんでした。とてもさみしい気持ちになりましたが、ふしぎとみきこちゃんはあたたかい気持ちでいっぱいでした。

次の日たいいくのじゅぎょうで、きみこちゃんはみごとにさかあがりをせいこうさせました。すると、この前みきこちゃんをばかにしていた男の子たちがみきこちゃんの元へやってきました。「この前はばかにしてごめんね。」「いいよ!」みきこちゃんはえがおで答えました。泣いてばかりだったみきこちゃんは、もういません。

1年生物語文 「ナオコちゃんとブランコ」 122307

むかーしむかし、小さなむらにナオコちゃんという5さいのおんなの子がいました。ナオコちゃんはおばあちゃんと2人でくらしていました。

ナオコちゃんはまいにち、おばあちゃんにあそぼうよ、といいました。でも、おばあちゃんはおせんたくやおそうじをしなければならないので、ナオコちゃんとあそぶじかんがなかなかありませんでした。それでも、いえの中で、おままごとやおはじきをしてあそんでくれました。ナオコちゃんはおもうことがありました。「おそとにでて、こうえんにいって、あそんでみたいなあ。」おばあちゃんはいそがしいので、ナオコちゃんはおそとであそんだことがなかったのです。「え本でよんだ、ブランコにのってみたい。」

その日の夜、おばあちゃんがお風呂にはいっているときに、ナオコちゃんは1人でえ本をよんでいました。すると、「トン、トン」というおとがしました。まどをみゆと、たぬきがまどをたたいて、ナオコちゃんをてまねきしていました。「どうしたの?たぬきさん。」ナオコちゃんはまどをあけてききました。「こうえんにつれていってあげるよ。」そういって、たぬきはナオコたゃんの手をにぎって、おそとにとびだしました。2人はスキップをしながらこうえんへむかいました。

そしてこうえんにつきました。「ブランコだぁ!」ナオコちゃんは夢のブランコに大はしゃぎでかけより、とびのりました。ギーコ、ギーコ、ブランコがゆっくりとゆれます。ナオコちゃんはこいでみました。ギコ、ギコ、ギコ。「ブランコってたのしいね!お空をとべそうだね、たぬきさん。」とナオコちゃんがいうと、そこにはたぬきのすがたはありませんでした。「たぬきさん、どこにいるの。」するといきなり、ナオコちゃんの目の前がまっ白になりました。「ま、まぶしい。」

ナオコちゃんはめざめました。どうやら、ゆめだったようです。ナオコちゃんはその日から、ブランコがだいすきになり、よくこうえんにあそびにいくようになりました。

1年生物語文 「なかないで」 122308

あるこうえんで、1人のおんなのこがはしっていた。おおきなはらっぱではしゃいでいたけど、石につまづいてころんじゃった。
おんなのこは目になみだをためて「えーんえーん」となきだしちゃった。

さんぽちゅうの犬がそばにやってきた。
「ワンワンワン、なかないで。」
おんなのこはなきやんだけど、きょとんとした顔をした。

うえからさくらのはなびらがふってきた。
「ひらひらひら、さあなみだをふいて。」
おんなのこはふくために目をこすろうとした。

そのとき風がなみだをふきとばしてくれた。
「ピュウピュウピュウ、いっしょにわらおう。」
おんなのこはえがおになった。

「みんな、ありがとう。」
おんなのこはすくっとたち、げんきにかけだしていった。

1年生物語文 「無題」 122309

みほちゃんは ことし1ねんせいになった 女の子です。今日は おたんじょうびを むかえる おねえちゃんのために おねえちゃんが大すきな カレーを つくろうと おもっています。

さてさて、さっそく カレーをつくろうとした みほちゃんでしたが、なんだかこまっているようです。
「こまったなあ。 ほうちょうは あぶないから つかっちゃダメって おかあさんに いわれたもんなあ。」
そこで、おかあさんに おねがいしました。
トントントン。
やさいや おにくが きれました。

さてさて、つぎはおなべで ぐつぐつ にこもうとおもっていた みほちゃんでしたが、 また こまっているようです。
「こまったなあ。 火は あぶないから つかっちゃダメって お父さんに いわれたもんなあ。」
そこで、おとうさんに おねがいしました。
ぐつぐつぐつ。
おいしそうな においがしてきました。

さてさて、カレーを おさらに もりつけようとおもっていた みほちゃんでしたが、 またまた こまっているようです。
「こまったなあ。 たかいところにある おさらは あぶないから とっちゃだめって おにいちゃんに いわれたもんなあ。」
そこで、 おにいちゃんに おねがいしました。
とろとろとろ。
ついにカレーが かんせいしました。

さいごにおねえちゃんを よびにいくのは みほちゃんです。
「おねえちゃんおねえちゃん」
おたんじょうび おめでとう。

1年生物語文 「まぐろくん」 122310

ある日、たいくんがうみですいすいとおよいでいると、めのまえにおいしそうなおかしがういていました。たいやきくんはおなかがすいていたので、まようことなくそのおかしにとびつきました。すると、なんということでしょう、おかしといっしょにじぶんのからだがういていくではありませんか。びっくりしたまぐろくんはおかしからはなれようとしましたが、くちがひっかかってなかなかはなれることができません。はなれることができなかったまぐろくんは、うみの外にでてしまいました。そうです、まぐろくんはつりあげられてしまいました。

つりあげられて家につれてかえられてしまったまぐろくんはふあんなきもちでいっぱいです。まぐろくんはどうしようかとおもっていると、くらいはこのふたがあいてもういちど外にでてきました。すると、なんということでしょう、まぐろのすぐしたにはぐつぐつとあたたまった油が音をたてています。まぐろくんはそのあぶらのなかにいれられてしまってはどうしようもないとおもい、ひっしでにげようとしました。しかし、にげることができません。まぐろくんがもうだめだとおもったそのとき、その家の女の子が「おさかなさんがかわいそうだよ!」といって、まぐろくんを油の中に入れようとしているおかあさんを止めました。

女の子がおかあさんを止めてくれたので、まぐろくんはもういちどうみにかえって、ぶじにくらすことができました。
めでたし、めでたし。

1年生物語文 「高い木」 122311

サバンナに、とても高い木がありました。
その木にはおいしそうな木のみがたくさんなっています。

ある日、シマウマは木のみをみつけました。
でも高すぎて、まったくとどきそうにありません。
「なかまにてつだってもらおう。」

シマウマはチーターをよんできました。
「きみのジャンプならとどくだろう。」
チーターはいっしょうけんめいジャンプしました。
しかし、まったくとどきません。
チーターはいいました。
「もっと大きいなかまをさがそう。」

チーターはゾウをよんできました。
「きみのそのながいはながあればとどくだろう。」
ゾウはいっしょうけんめいはなをのばしました。
しかし、また、とどきませんでした。

みんながこまっていると、たまたまキリンがとおりました。
「ぼくがとってあげるよ。」
キリンはくびがながいので、木のみにとどきました。
「みんなでたべよう。」
こうしてみんな、木のみをたべることができました。

1年生物語文 「にんじんのことば」 122402

「けんた!またにんじんのこして!」けんたくんはきょうもおかあさんにおこられてしまいました。大きらいなにんじんをのこしてしまったからです。「だってにんじんおいしくないんだもん。」けんたくんがそう言うと、おかあさんがこわいこえでこう言いました。「そんなこと言ってるとにんじんのおばけが出てくるぞー?」けんたくんは、おかあさんのことばを少しもしんじていませんでした。

その夜。けんたくんはすやすやとねむっています。するとどこからかこえがきこえます。「けんたくーん。どうしてぼくをたべてくれないのー?」けんたくんが目をあけると、そこにはかなしそうにないているにんじんがいました。けんたくんはおどろいて、「うわあ!にんじんのおばけだあ!」とさけびました。するとそのにんじんは「おばけじゃないよ。ぼくはけんたくんがのこしたにんじん。ぼくをたべておくれよ。」とはなをすすりながら言いました。「ごめんね。なかないでよ。どうしてそんなにぼくにたべてほしいの?」とけんたくんがききました。にんじんは少しうれしそうにこうこたえました。「だってぼくはけんたくんにたべてもらうためにうまれてそだったんだ。けんたくんにたべてもらうのがぼくのいちばんのしあわせなんだ。」けんたくんはそのことばをしんじることができました。けんたくんはにんじんの目をしっかりと見ながら、「わかったよ。あしたからはちゃんとにんじんをたべるね。」と言いました。するとにんじんは「ありがとう。おこしちゃってごめんね。おやすみ、けんたくん。」と言ってきえていきました。

つぎの日。おかあさんがにんじんの入ったやさいいためをつくってくれました。けんたくんはそれをぱくぱくとたべました。「おかあさん!ぼく、にんじんをたべたよ!」にんじんのことばのおかげで、けんたくんもおかあさんもうれしいきもちになりました。

1年生物語文 「かくれんぼ」 122405

 ある日のほうかご、あいちゃんはおなじクラスのおともだちとかくれんぼをしていました。「どこにかくれようかな?そうだ、クローゼットなら見つからないわ!」あいちゃんはクローゼットにかくれることにしました。

 クローゼットの中にかくれていると、なにかがチクチクとあいちゃんのせなかにあたります。「ようふくしかないはずなのにおかしいなあ。」あいちゃんがふりかえってみると、そこはしげみのようでした。チクチクとあたっていたのははっぱだったのです。あいちゃんはしげみをかきわけてすすんでいきました。

 しげみのさきにはお花畑がひろがっていて、うさぎさんとりすさんが楽しそうに遊んでいます。あいちゃんに気付いたうさぎさんが「あなたはだあれ?」と聞きました。「わたしはあいっていうの。」とあいちゃんはドキドキしながら答えました。「あいちゃん、いっしょにお花のかんむり作ろうよ!」とりすさんさそってくれたので、みんなで楽しく遊びました。

 長いじかんがすぎたあと、かくれんぼをすることになりました。あいちゃんがかくれるばしょをさがしていると、しげみのところへたどりつきました。「ここにかくれよう!」と思ってとびこんだとき、なにかにつまずいて、あいちゃんはこけてしまいました。かおをあげると、ようふくが目の前にあります。そしてちょうど「あいちゃんみっけ!」とおにに見つかってしまいました。

 あいちゃんはクローゼットの中をたしかめましたが、そこにしげみはなく、白いかべがあるだけでした。そしてあいちゃんは「このふしぎなクローゼットのぼうけんをだれにも言わないでおこう。」と思い、クローゼットを見ながらにっこりしました。

1年生物語文 「おいしいカレーづくり」 122409

きょうははなちゃんのだいすきなお父さんのたんじょうびです。はなちゃんはおとうさんのためにカレーをつくってあげることにしました。

はなちゃんはカレーをつくりはじめました。おこめをあらって、じゃがいもをトントントン、にんじんをストンストン、たまねぎをサクサク、おにくをチョンチョンきっておなべにいれました。おみずといっしょになべでコトコトにこみました。

すると大きな犬がやってきていいました。「トマトをいれるともっとおいしくなるよ。トマトはかぜをよぼうしてくれるんだよ。」「おしえてくれてありがとう。」はなちゃんはさっそくトマトをなべにいれました

そこへ、こんどはスズメがやってきていいました。「すこしチョコレートをいれるとコクがでてもっともっとおいしくなるよ。」「おしえてくれてありがとう。」はなちゃんはいそいでチョコレートを2つぶなべにいれました。

はなちゃんがさいごにカレーをおさらにもりつけていると「ただいま。」とお父さんがかえってきました。「お父さん、おたんじょう日おめでとう。いっしょにカレーライスを食べましょう。」とはなちゃんはいいました。はなちゃんのお父さんはカレーを食べてとてもよろこんでくれました。

1年生物語文 「四つ葉のクローバー」 122705

ある晴れた日、ともちゃんは、四つ葉のクローバーを探しに、公園に行きました。なぜなら、お母さんから、
「四つ葉のクローバーを見つけると、幸せが訪れると言われているのよ。」
と聞いたことがあったからです。ともちゃんはさっそく、
「ようし、見つけてやるぞ。」
と、張り切って四つ葉のクローバーを探し始めました。

ところが、探しても探しても四つ葉のクローバーは見つかりません。
「ないなぁー。」
そこで、ともちゃんは、あめをなめて、もうひと頑張りしようと、あめをポケットから取り出しました。するとその時、
「ちゅちゅ、ちゅちゅ。」
と、どこからか小さな音が聞こえます。ともちゃんは、
「(何の音だろう。)」
と思って、辺りをぐるっと見渡してみました。すると、近くの木のふもとで1匹のねずみが、ともちゃんのあめを、もの欲しそうにじっと見つめていました。ともちゃんは、そのねずみにあめをあげることにしました。ともちゃんがあめをあげると、ねずみは、
「ちゅちゅ。」
と鳴き、おじぎをして、走り去って行きました。

ともちゃんは、そのあとも必死に四つ葉のクローバーを探しましたが、結局、四つ葉のクローバーは見つかりませんでした。
「はぁー。」
ともちゃんは仕方なく諦めて、家に帰ることにしました。

次の日の朝、ともちゃんが目を覚ますと、なんと、机の上に、一輪の四つ葉のクローバーが置いてありました。ともちゃんは、とびあがって喜びました。そして、それと同時に、
「(なんでここに四つ葉のクローバーがあるのだろう。)」
と不思議に思い、部屋中を見渡しました。すると、開いている窓から、ねずみのしっぽが見えました。ともちゃんは、窓に駆け寄り、ねずみに、
「ありがとう。」
とお礼を言うと、ねずみは、
「ちゅちゅ。」
と嬉しそうに鳴いて、しっぽを揺らして、帰って行きましたとさ。

1年生物語文 「大きな穴」 122901

あるしょうねんはタイムカプセルをうめるためにやまにいきあなをほりました。しょうねんはどんどんどんどんふかくほっていきました。それはそれはおおきなおおきなあなになりました。「これぐらいでじゅうぶんかな?」とおもったときしょうねんはきづきました。「ふかくほりすぎてでれない」しょうねんはかなしくなりそのばにすわりなきつづけました。

たまたまとおりかかったともだちがそのなきごえにきづきました。ともだちはロープをもってきてしょうねんをひきあげようとします。力をこめて「よーいしょ!!よーいしょ!!」でもぜんぜんひきあがりません。

ともだちはおなじがっこうのなかまを1人つれてきました。そして2人でロープをひっぱります。「よーいしょ!!よーいしょ!!」それでもぜんぜんひきあがりません。

それをみていたやまのどうぶつたちがてつだいにきてくれました。りす、とり、さる、いぬ、ねこ、いのしし、くまほかにもいろいろなどうぶつがきてくれました。そしてみんなでいっしょに「よーいしょ!!よーいしょ!!」ついにしょうねんをあなからひきあげることができました。

みんなはおおよろこびしました。しょうねんもやっとえがおのなりみんなでいしょにあそんだとさ。おしまい。

1年生物語文 「ありのたたかい」 122902

あるところに、ありさんがさんびきいました。このさんびきのありさんはいつもけんかばかり。なにかなかなおりするほうほいはないのかなぁ。

ありさんは、いつものように、さんびきのありさんはえさをさがしていました。あるところでいっぴきのありが、えさをみつけました。そのえさをもってかえろうとすると、なかのわるいありさんがあらわれました。そのありは、えさをみつけると、「そのえさよこせよ。」すると「いやにきまってるじやないか。」にひきのありは、にらみあいます。あとであらわれたありは、すぐにいらいらしたままそのばを、たちさりました。

いらいらしたありさんは、かえりみちにもういっぴきのありさんがあらわれました。そのありさんみちをふさいでいたので、いらいらしているありさんは、「そこどけよ。」といいました。みちをふさいでいたありさんは、「やだよ。」といいました。にひきはにらみあいました。にらみあったままにひきは、そのばをたちさりました。
さんびきのありさんのなかは、もうむちゃくちゃです。

あるひ、さんびきのありさんはおなじばしょにでくわしました。さんにんは、ずっとにらみあったままです。するとそこに、ばったさんがとうじょうしました。ばったさんは、そのさんびきのありさんをたべようとしています。さんびきのありさんはめをあわせてうなずき、そのしゅんかんに、さんびきのありさんは、ばったさんにむかってもうとっしんをしました。ばったさんはそれにびっくりしてすぐにそのばをたちさりました。そのあとさんびきのありさんはめをあわせてわらいました。いままでのなかのわるさはどこにいったのかわからないくらいさんびきは、よろこびをわかちあいました。

そのご、さんびきのありさんは、なかよくさんびきちからをあわせてくらしていきましたとさ。
ちからをあわせることはたいせつだね。

1年生物語文 「荷物を運べ」 122904

いっちゃんはある日とても大きな荷物を運ばないといけませんでした。

とてもとても大きな荷物なので、いっちゃん一人では運べません。困り果てていたときにたかし君が助けに来てくれました。

しかしたかし君と二人でも運ぶことができません。困っているとたかし君がどこかへ行ってしまいました。いっちゃん一人です。

一人で悲しく困っているとたかし君がいろんな友達を連れて帰ってきてくれました。たくさんの人数で運んだので荷物は無事運べました。

いっちゃんはみんなにお礼を言いました。友達がいてよかった

1年生物語文 「べつのせかい」 122905

むかし、ある女の子がいました。その女の子はべんきょうがにがてで、お母さんのいうこともきかずに、学校には行かず、お母さんにないしょでに森であそんでいました。
そしてある日、いつもより深いところへ行ってみることにしました。

そこはきれいなお花畑が広がっていて、たくさんの動物がいました。その女の子は気持ちよくなって、動物たちとお花をつんであそんでいました。

すると、女王様とよばれている女の人がでてきて、なんとお母さんにそっくりでした。女王様が「ここはわたしの花畑だ!出ていけ!」と言われましたが、女の子はいうことも聞かず、お花をつんであそんでいました。それに怒った女王様が「いうことを聞かぬのか!つかまえてやる!」と言い、女の子はつかまってしまいました。

つかまえられた女の子は、そうじやせんたくなどのかじをさせられ、さらには、にがてなべんきょうまでさせられました。そして女の子は「ごめんなさい。言うことをちゃんと聞きます。にがてなべんきょうもします。学校にもちゃんといきます。ゆるしてください。」そうさけんでないていました。

目がさめると、そこはベッドの上でした。夢だったのです。女の子はあんしんして、ひといきつきました。そして、その日からきちんとお母さんの言うことを聞いたり、学校にも行くようになりました。

1年生物語文 「うさぎちゃんときつねくん」 122906

とあるむらになかよしのうさぎちゃんときつねくんがいました。そとであそんでいると、おおきなあながありました。そのあなをのぞきこんでみると、きゅうにだれかにおされました。うさぎちゃんときつねくんはまっさかさまにおちていきました。

うさぎちゃんはめをさますと、ともだちのきつねくんがいないことにきづきました。そして、あたりをみまわしてみるとそこは、あたりいちめんなにもないぶきみなばしょでした。うさぎちゃんはきつねくんがしんぱいになり、おびえながらもさがすことにしました。

べつのばしょできつねくんもめをさましました。うさぎちゃんのことをよびながらあるいていると、とおくのほうでなにかがおちているのをみつけました。それをたしかめにいったきつねくんはおどろきました。

うさぎちゃんはあるきつかれてやすんでいました。そしてだんだんねむくなってきました。もとにもどれないのかなと、おもっていると、きつねくんらしきこえがきこえてきました。でも、とてもねむくてしっかりとみることができません。それでも、きつねくんのほうをみると、ほかにだれかがいることにきづきました。それをさいごにうさぎちゃんのいしきはかんぜんになくなりました

ゆうがたになってうさぎちゃんはめをさましました。
めをこすってまえをみると、きつねくんがいました。
おおきなあくびをしたうさぎちゃんは、きづきました。
ちいさなからだでおんぶをしてくれている、きつねくんに。

1年生物語文 「おかあさんどこ?」 122907

なおちゃんはおかあさんとこうえんであそんでいました。
でも、気がつくとおかあさんがいなくなっていました。
「おかあさん!どこー?」
よんでもへんじがありません。
なおちゃんはおかあさんをさがしにいきました。

「ねぇねぇうさぎさん。おかあさんをみなかった?」
さいしょにあったうさぎさんに、なおちゃんはたずねました。
「あなたのおかあさんなら、さっきむこうのいすのところでみましたよ。」とうさぎさんが答えました。
なおちゃんは「ありがとう!」とおれいをいって、いすのところへいきました。

いすのところにつきました。
でもおかあさんはいません。
そこにいた犬さんにききました。
「ねぇねぇ犬さん。おかあさんをみなかった?」
「きみのおかあさんなら、むこうのいけのところでみたぜ。」
犬さんはこたえました。
なおちゃんは「ありがとう!」とおれいをいって、いけのところへいきました。

いけのところにつきましたが、またおかあさんはいません。
そこにいたねこさんになおちゃんはたずねました。
「ねぇねぇねこさん。おかあさんをみなかった?」
「あなたのおかあさんなら、ブランコのところにいましたよ。」とねこさんはこたえました。
なおちゃんは「ありがとう!」とおれいをいって、ブランコのところへいきました。

「おかあさん!」
ブランコのところで、なおちゃんはやっとおかあさんをみつけました。
なおちゃんはとてもよろこんで、おかあさんといっしょにおうちにかえりました。

1年生物語文 「森の演奏会」 122908

森の中の道をくまさんが走っています。
「よいしょ、よいしょ、いそがなくっちゃ。森の演奏会に遅れちゃう。」
そう、今日は森のみんなが集まる演奏会。もう少しではじまってしまいます。
「よいしょ、よいしょ、うわーっ。」
くまさんは木の根っこにひっかかって転んでしまいました。
頑張って起きようとしますが、足がひっかかって起きれません。
「誰か助けてー!」

その時です。ふくろうさんが飛んできました。
「おーい、くまくーん、そんなところで何しているんだい?早くしないと森の演奏会に間に合わないよ。」
「転んじゃって、起きられないんだ。ふくろうくん、助けてくれないかい?」
ふくろうさんは頑張ってくまさんを起こそうとしました。
けれどもちっとも起こすことはできません。
「くまくんは大きいから、ぼく一人じゃ起こせないよ。森のみんなを呼んでくるね。」

一番最初に到着したのは、しかさんでした。
「くまくん、助けにきたよ!」
「よいしょ、よいしょ。」
しかさんだけでは起こすことができません。
次に到着したのは、いのししさんでした。
「よいしょ、よいしょ。」
しかさんといのししさん、二人で頑張っても、ちっとも起こせません。
ふくろうさんが戻ってきました。
きつねさん、うさぎさんが来ました。
りすさんが来ました。
それでも大きなくまさんを起こすのは大変です。
「もう少しで、起こせそうなんだけど…」


「おーい、助けに来たよー!」
遠くから声が聞こえました。
みんなは目を凝らして声のする方をみました。
「ねずみさん!」
ねずみさんの到着です。
「よいしょ、よいしょ。」
しかさん、いのししさん、ふくろうさん、きつねさん、うさぎさん、りすさん、ねずみさん、みんなで頑張りました。
とっても頑張りました。
「よいしょ、よいしょ、やったー!」
くまさんを起こすことができました。

「ありがとう。みんなのおかげだよ。」
くまさんはとっても喜びました。
そして、みんなのことをおんぶして森の演奏会に行きました。
やっと全員そろった演奏会で、森のみんなは楽しく演奏しました。

1年生物語文 「ゆうちゃんともぐらとブラジル人」 122909

ある日、ゆうちゃんはおかあさんににわそうじをたのまれました。ざっそうをぬいているともぐらさんにであいました。

すこしのあいだゆうちゃんはもぐらさんとおはなししていました。しばらくすると、もぐらさんはおうちへかえるじかんになりました。

ゆうちゃんはさよならするのがさみしかったので、もぐらさんについていきました。しかし、とちゅうでまいごになってしまいました。それでもゆうちゃんはあなをほるのがたのしくなってどんどんもぐりつづけていきました。

しばらくすると、ゆうちゃんはちじょうにでました。ちきゅうのうらがわのブラジルにきてしまったのです。そこでたくさんのおともだちができました。そのおともだちを、あなをとおっておうちにしょうたいしました。

これによって、日本とブラジルをつなぐ通路が発見され、日本は石炭や、鉄鉱石などが簡単に輸入することが可能になり、ゆうちゃんは国民栄誉賞を受賞しましたとさ。終わり。

1年生物語文 「かわのふね」 122910

はるとくんの家族はおとうさんおかあさんといもうとのこよみ、そして自分の4人です。はるとくんの村は大きなかわの近くにあり、村の人々はそのかわからみずをはこび、野菜やお米を作っていました。はるとくんの家はその村のなかでも、一番かわに近いところにありました。

ある日、村にとても激しい雨がふりました。村の人たちは、すぐに止むだろうと思い、みんな家にいました。ですが、この激しい雨は3日続きました。はるとくんとこよみちゃんは、さすがに怖くなって、おとうさんとおかあさんに、逃げようといいました。そのとうりだと、おとうさんがいったので家族4にんでにげることにしました。

そとに出てみると、かわの水がふえていてとても危険でした。おとうさんがかわからはなれようといいましたが、おかあさんがかわのながれにのってにげましょうといいました。たしかに、遠くににげるにはそちらのほうがよかったのです。おとうさんはおかあさんをしんじて、かわにいきました。ちょうど、4人のりのふねが1つありました。

さっそくのりこみ、逃げようとしましたが、ふねはうごきません。こよみちゃんがいかりというふねを止めるためのおもりがあるのに気付きました。おとうさんがひっぱりましたが、はずれません。おかあさんがてつだいましたが、はずれません。はるとくんもてつだいましたがやはりはずれませんでした。こよみちゃんがはるとくんをひっぱって、やっとはずれました。

ふねでかわをくだるとちゅう、かわがあふれて、村にたくさんのみずがながれ、はるとくんのいえやともだちのいえ、むらのすべてがみずにながされました。しかし、はるとくんの家族4にんはにげて、またあたらしいせいかつをはじめました。

1年生物語文 「力をあわせよう」 122911

ありのむれが女王ありのごはんをとりにいってかえってくると、すの前に大きな石がころがっているではありませんか。これでは、女王さまにごはんをとどけることができません。女王アリはおなかペコペコです。

たいちょうの一番えらいアリが言いました。「これではかえることができない。みんなで石をうごかすんだ!」その一言でほかのアリはいしをうごかそうとしました。しかし、石がうごく気はいはありません。「こまったなあ。」

たいちょうがまた一言。「もっとたくさんのなかまをよぶんだ。」するとたくさんのアリが手つだいにきてくれました。しかし、まったくうごきそうにありません。「こまったなあ。」

たいちょうが、またまた一言。「もっともっとたくさんよぶんだ!」するとさっきよりももっとたくさんのアリが手つだいにきてくれました。すると、いしは少しずつうごかせることができたのです。「やったあ。みんな、ありがとう」

やっとの思いで女王アリにごはんをとどけることができました。みんなのたすけがなければ、きっと石は、うごかせなかったでしょうね。

1年生物語文 「さんぱつ」 122912

たつろうくんは一年生。学校の図工ではさみを使って作る作品が大好きで、紙などがあればすぐに切りたくなってしまいます。というのも、たつろうくんのお父さんはびようしさん。毎日毎日、はさみでお客さんのかみがたをすてきにしあげます。そんなすがたをときどき見ていたたつろうくんは、なんだか自分にもできるような気になってきました。

ある日、たつろうくんはうちに帰ると、洗面所からはさみをとってきました。お父さんがいつも自分のかみを少し切るのに使っているものです。いすのまわりにしんぶんしを広げて、机に鏡をセット。じゅんびはととのいました。いざ切りはじめました。自分のお好みの髪形に向けてじゅんちょうなすべりだし。ところがもんだいが起きました。後ろの髪が見えません。どうしようかと悩んだあげく、友達の北山君に電話をしました。

北山くんがたつろうくんのおうちにとうちゃくしました。さっそく北山君が後ろから見て、アドバイスを出し始めます。「もっと右、いやもうちょっと上、そこだ。」たつろうくんは北山君の指示に従い、ザクザクと切っていきます。北山君が「うん、いい感じ。」といったところで、洗面所の三面鏡へ見に行きました。でもなにかしっくりきません。

そこで今度はだいきくんを呼ぶことにしました。だいきくんはクラス一番の人気者でかっこいいので、しんようのできるアドバイスをしてくれそうです。だいきくんのてきかくな指示にしたがって、また切りはじめようとしました。するとまたもんだいが起こりました。「あかん。」とだいきくんは小さくいいました。たつろうくんは北山君と髪を切りすぎていたので、もう髪があまりありません。

しかたがないので、三人で協力して、のこりの髪もきってしまいました。結局いつものスポーツ刈り。一年生らしい髪形になりました。たつろうくんは「おとうさんってすごいなあ」とあらためて思いました。

1年生物語文 「空飛ぶ電車」 122913

はなちゃんは小学校一年生。おばあちゃんは山の向こうに住んでいます。

ある朝おばあちゃんから電話がかかってきました。
「はなちゃん一緒におばあちゃんの畑のお手伝いをしてくれない?」
はなちゃんのおばあちゃんは、畑でお米を作っています。
「いいよ!」
はなちゃんは元気良く答えました。
お母さんは仕事なので、はなちゃんはひとりでおばあちゃんの家に行かなければなりません。しかし、はなちゃんは何回もひとりで行ってるので、もう慣れっこです。

電車に乗ってゴトンゴトン。約一時間の道のりです。
はなちゃんはずっと外を見ていました。
トンネルにさしかかったとき、はなちゃんは一瞬浮いた気がしました。
「あれ?」

なんと電車が浮いて山を越えていました。下には町が広がっています。
「わぁー!」
はなちゃんはびっくりしました。
そしてものすごいスピードで進んでいます。
いつもは1時間かかるのに、なんと30分で着いてしまいました。

おばあちゃんはびっくりしましたが、はなちゃんが早く来てくれてとても喜びました。
はなちゃんはおばあちゃんの畑のお手伝いをちゃんとしました。
空飛ぶ電車のおかげで、おばあちゃんもはなちゃん幸せな気持ちになりました。

1年生物語文 「まいごのこねこちゃん」 122914

あるところに、まいごのこねこちゃんがいました。こねこちゃんはえんえんないています。そこへリスがやってきました。
「まいごのまいごのこねこちゃん、あなたのおうちはどこですか」
たずねても、こねこちゃんはくびをよこにふるばかり。こまってしまったリスは、ひらめきました。
「そうだ、くまさんにきいてみよう」

すこしあるくと、くまにあいました。
「くまさんこんにちわ」「やあリスくんこんにちは」
「こねこちゃんがまいごなんだ。おかあさんをしらない?」
「わからないなぁ。そうだ、スズメさんならしってるかもしれないよ」
こねこちゃんとリスくんとくまさんはスズメさんにあいにあるいていきます。

すこしあるくと、スズメにあいました。
「やぁスズメさん」「あらくまさん」
「こねこちゃんがまいごなんだ。おかあさんをしらないかい?」
「しらない。でも、いぬのおまわりさんならしっているかもしれないわ。
わたしがあんないしてあげる。」
こねこちゃんとリスくんくまさんとスズメさんは、おまわりさんのいるこうばんへあるいていきました。

しばらくあるくと、あおいこうばんがみえてきました。
「こんにちはおまわりさん」「こんにちわんわんわわん」
「こねこちゃんがまいごなの。おかあさんをしらない?」
「わからないなぁ。こねこちゃん、おなまえは?」
こねこちゃんはくびをよこにふるばかり。
おまわりさんたちはこまってしまいました。

「あっ!こんなところにいたのね!」
ふりむくと、こねこちゃんによくにたおとなのねこがたっていました。
「おかあさーん!!」こねこちゃんはかけよって、おかあさんとつよくだきあいました。

「おかあさんみつかってよかったね」とリスくん。
「うん!ありがとう!」ないていたこねこちゃんもすっかりえがおです。
「よかったわん」
「ありがとうございました」おかあさんもうれしそうです。
ふたりのうれしそうなかおをみると、リスくんたちもうれしくなりました。
こねこちゃんとおかあさんはてをつないでかえっていきました。めでたしめでたし。

1年生物語文 「おむすびのなかみ」 122915

いっちゃんはおむすびがすきな子どもです。今日のおむすびのなかみは何かな?いっちゃんのおかあさんは、おむすびにいつもいっちゃんのすきなものをいれてくれるのです。

「あれ?今日はおむすびはなかみがはいってない!」おこったいっちゃんはすぐに家にかえると、おかあさんにいいました。「どうして、なかにいれてくれなかったの?きのうはいれてくれたのに!」

おかあさんはいいました。「それはね、あなたにおこめの本当のあじをわかってもらいたかったのよ。あなた、オカズがないとおこめをたべないじゃない。」はんせいしたいっちゃんはのこしたおむすびをたべてみました。「おめこのあじがする!?」

それからいっちゃんは、さらにおこめをたべるようになりました。

1年生物語文 「みんなともだち」 122916

むかしふたりのきょうだいがいました。
ふたりのいえはけしきのきれいなやまのうえにあります。
しかし、ふたりはまだせがちいさいので
けしきをみることができません。

むこうから、ウマがやってきました。
きょうだいは、ウマさんに
「ウマさんウマさん、ぼくたちをせなかにのせてくれない」
と頼みました。
うまさんは、「もちろん」といって
せなかにきょうだいをのせてくれました。
しかし、まだけしきをみることができません。

すると、おおきなカバがやってきました。
きょうだいは
「カバさんカバさん、ぼくたちをせなかに
のせてくれない。」
とたのみました。
カバさんは、「もちろん」といって
うまときょうだいをのせてくれました。
それでもあとすこしのところでけしきをみることはできません。

よるになりました。
しばらくすると、サルがやってきました。
きょうだいは、
「サルさんサルさん、ぼくたちをもちあげてくれない」
とたのみました。
サルさんは
「ちからもちのぼくにまかせな。」
といってカバさんのうえのウマさんのうえでせいいっぱい
りょううでをのばしました。

そのとき、きょうだいはたくさんのあかりがある
まちのけしきをみてかんどうしました。
「ウマさん、カバさん、サルさん、ありがとう
きょうだいは口をそろえていいました。
ウマさんやカバさんやサルさんも
きょうだいのよろこんでいるかおをみてなきました。
けしきをみながら、おにいちゃんは
「つぎはおれがけしきをみせてやる」
とおとうとになんどもなんどもいいました。

1年生物語文 「たけちゃんの冒険」 122917

たけちゃんは元気な男の子。いつでも身の周りのものに興味心身です。たけちゃんのお母さんはたけちゃんから目をはなすとすぐにどこかに行ってしまいます。今日もたけちゃんはどこに行ったのでしょうか。

たけちゃんは車を見るのが大好きです。今日は駐車場に遊びに行っていました。ダンプカーやクレーン車などたくさんありました。たけちゃんはいつもここに来ると運転手になったかのように楽しそうに遊んでいます。

次にたけちゃんが向かったの家の近くにある森です。そこには友達と作った秘密きちがあります。そこでみんな遊びの計画を立てたり、ナイショ話しをしたりなどしています。ここに入るには合言葉が必要でたけちゃんはよく忘れます。

次はどこに行ったのでしょう。お母さんもわからず心配になってきましたどこを探してもみつかりません。辺りも暗くなってきてお母さんは家に戻ってきてふとたけちゃんの部屋をのぞいてみるとたけちゃんは部屋で疲れはてて寝ていました。遊びすぎて疲れたのでしょう。

次の日、お母さんはたけちゃんに遊びに行くときはお母さんに言ってからいきなさいと叱られました。それでもたけちゃんの冒険は終わりません。今日はどこに出かけるのかな。

1年生物語文 「ゆうくんのボール」 122918

ゆうくんはサッカーのれんしゅうをしています。
おっと。つよくけりすぎて、ボールがどこかにとんでいってしまいました。
「あっ!ボールをさがさないと!」
車のしたをさがしました。草むらの中もさがしました。かべのむこうもさがしました。しかし、どこをみてもボールはみつかりません。
「あぁどうしよう。ボール、どこにいっちゃったんだろう。」
ゆうくんはこまってしまいました。

すると、むこうのほうから犬がやってきました。ゆうくんがいつもあそんでいる近所の犬です。
「ワンワン。おや、ゆうくんどうしたんだい?」
「あっ、犬くん。それがね、ボールがなくなっちゃってこまってるんだ。」
「よし、それならぼくもてつだってあげよう!ぼくははながいいから、においですぐにみつけてあげるよ!」
「犬くんありがとう!」
犬くんははしっていきました。

ゆうくんはボールをさがします。ねこに出会いました。
「にゃあ。あら、ゆうくんこんにちわ。どうしたの?」
「あっ、ねこちゃんこんにちわ。ボールをさがしてるんだ。」
「それならわたしもてつだってあげるわ。わたしはせまいところもとおれるから、すぐにみつけてあげる。」
「ねこちゃんありがとう!」
ねこちゃんはかべのすきまにはいっていきました。

まだボールはみつかりません。すると、鳥に出会いました。
「チュンチュン。あれ、ゆうくんどうしたの?」
「あっ、鳥さん。ボールが見つからないんだ。」
「それならぼくもてつだってあげるよ。ぼくはたかいところからさがせるから、すぐにみつかるよ!」
「鳥さんありがとう!」
鳥さんは空へとんでいきました。

しばらくして、
「ゆうくん、あったよ!」というみんなのこえがきこえました。
「ほんと?どこにあったの?」ゆうくんはたずねました。
「むこうの木の上にあったんだ。ぼくがみつけてね、」と鳥さん。
「わたしが木にのぼってボールをおとしたの」とねこちゃん。
「それで、ぼくがここまでもってきたんだ。」と犬くん。
ゆうくんは、とてもうれしくなりました。
「みんな、ほんとうにありがとう!いっしょにあそぼうよ!」
「いいよ!」
そうして、みんなは日がくれるまでなかよくあそびました。

1年生物語文 「ゆうちゃんとよるのせかい」 122919

ある日、ゆうちゃんはなかなかねることができませんでした。ふとまどのそとをみると、お月さまとお星さまがたのしそうにわらっています。ゆうちゃんもそこへいきたくなりました。

まどをあけて「わたしもそっちにいっていい?」ときくと、お月さまは「おいでよ。」といいました。するとかぜがふいてきて、ゆうちゃんの体はふわりとうきました。そのままよるのそらへととびだしていきました。

ゆうちゃんはお月さまとたくさんおはなしをしました。そのあとながれぼしにのってそらのたびをしました。

とてもたのしかったのですが、だんだんとねむくなってきました。ゆうちゃんはうとうとねむってしまいました。

めをさますとそこはいつものベッドの上でした。まどのそとをみると、お月さまとたくさんのお星さまたちがきらきらかがやいていました。

1年生物語文 「無題」 122920

あるなつのひのことです。かいようリーダーのデデデは、おおさかのみなみにある、かいようセンターにいきました。小がっこうの5ねんせいがりんかいがっこうにくるので、そのおてつだいをするためです。

かいようセンターにとうちゃくすると、デデデはきがえをして、おなじかいようリーダーのほっぺとたてすけときょうりょくして、あさのしごとをすませました。かいぎしつでうちあわせをして、しゅうごうばしょにいきました。しゅうごうばしょには、たくさんの小がっこうの5ねんせいがいました。

ほんとうはぜんいんでいかだをするよていだったのですが、みんながそれぞれカヌーやヨット、カッターをしたい、などというので、かいようリーダーたちはみんなのおねがいをきいてあげることにしました。しかし、デデデとほっぺとたてすけだけでは、どうしてもてがたりないのです。そこで、デデデはほかのかいようリーダーにてつだってもらうことにしました。

デデデは、ぴょーといっしょに、いかだのプログラムをたんとうしました。いかだをつくって、うみへ出て、みずかけをするのです。ほっぺは、ペーターといっしょに、カヌーのプログラムをたんとうしました。カヌーにのって、きょうそうしたり、なみのりをするおです。たてすけは、ジジといっしょに、カッターのプログラムをたんとうしました。みんなでちからをあわせて、うみへしゅっぱつしました。

たくさんのかいようリーダーにてつだってもらったので、みんなはすきなうみのプログラムをすることができて、とてもうれしかったようです。さいごには、小がっこう5ねんせいのみんなはえがおになって、かえっていきました。

1年生物語文 「バナナジュースがつくりたい!」 122921

あるひ、たろうくんはバナナのきのしたをとおりました。
そのおおきな、あまそうなバナナをみているうちに、たろうくんはバナナジュースがのみたくなりました。
だけどたろうくん、「あんなたかいところにあるバナナ、ぼくのちいさなせじゃとどかないや・・・」

そこへ、ゆうゆうとキリンさんがやってきました。
「わたしにおまかせなさい」
すると、キリンさんはそのながいくびをつかって、バナナをくちにくわえてとってくれました。
だけどたろうくん、「こんなにおおきいバナナ、ぼくのちいさなてじゃつぶせないや・・・」

そこへ、ずんずんとゾウさんがやってきました。
「わたしにおまかせなさい」
すると、ゾウさんはそのおおきなあしをつかって、バナナをつぶしてくれました。
だけどたろうくん、「ジュースをつくるには、やっぱりジュースをいれるかんもなくっちゃ・・・」

そこへ、ちょきちょきとカニさんがやってきました。
「わたしにおまかせなさい」
すると、カニさんはそのきようなはさみをつかって、かんを作ってくれました。

たろうくんに、キリンさん、ゾウさん、カニさんは、みんなでおいしくバナナジュースをのみました。

1年生物語文 「けしごむおとし」 122922

ハルトくんはとてもはずかしがりな男の子です。
みんなと友達になりたいけれど、目が合うだけでハルトくんは顔が真っ赤になって、すぐに顔をそらしてしまいます。
「みんなと楽しく話がしたいな。」
ハルトくんはうつむきながらぼそっとつぶやきました。

「じゃあぼくとお話しようよ。」
「えっ?」
ハルトくんはびっくりして顔をあげました。
でもそこにはだれもいません。
「ここだよ。」
声はハルトくんの下から聞こえてきます。
声のするほうを見てみると、
「あっ。」
なんと、ハルトくんのけしごむが話しかけているではありませんか。

ハルトくんはびっくりして、でもドキドキしながらたずねました。
「ぼくと話、してくれるの?」
「もちろんさ。」
けしごむはえがおで答えました。
ハルトくんもうれしくてえがおになりました。
けしごむがつづけて言いました。
「みんなもきみと、話したがってるよ。」
「どうしてそう思うの?」
「きみがいいやつだからだよ。ぼくはきみのそばできみのいいところをたくさん見てきたんだ。みんなだってきみのいいところ、きっと見てくれてるよ。」

ハルトくんはけしごむの言っていることが信じられませんでした。
「じゃあためしてみようよ。」
けしごむはそういうと、つくえからとびおりて、はなれた所に立っていた子の足元へ走っていってしまいました。
「ま、まってよ。」
ハルトくんはけしごむをおいかけようとしましたが、ちょうどその時、
「あっ。」
その子と目が合いました。
ハルトくんはいつものように、顔をそらせてしまいました。
すると、その子はけしごむをひろってハルトくんのところへもってきてくれました。
「はい。どうぞ。」
ハルトくんは真っ赤な顔でけしごむをうけとって自分のポケットに入れました。
「ねえ。あっちでみんなと遊ぼう。みんな、ハルトくんとあそびたいって言ってるよ。」
ハルトくんはおどろいて、でも真っ赤なまま、えがおで答えました。
「うん。」

ハルトくんはいろんなあそびをしながらたくさん話をして、友達もたくさんできました。
ハルトくんはうれしくてたまりませんでした。
その時です。
「ほら、ぼくの言ったとおりだったろう。」
けしごむの声が聞こえた気がしました。
ハルトくんはハッとして自分のポケットからけしごむをとりだしました。
そこにはふつうの、使い古したけしごむがあるだけでした。

1年生物語文 「音楽」 122923

ゆうきちゃんはうたが大好き。いつでもどこでも笑顔でうたっています。でもいつも一人きり、周りから見てるととてもさみしそう。

そんなとき、友達のかずまくんが、ギターをもってゆうきちゃんに声をかけてきました。「一人でうたってもつまらないだろ」かずまくんが言うと、ゆうきちゃんはうれしそうに「ありがとう」と言いました。

すると、つぎは友達のりょうくんが声をかけてきました。「楽しそうだね。僕も仲間にいれてくれないかな?」二人は、「もちろん、良いよ」と言い、りょうくんは木の箱と空き缶でドラムをつくってリズムをとりました。

もうゆうきちゃんが大好きなうたは一人ぼっちじゃありません。周りから見ても楽しそうな音楽になりました。

1年生物語文 「よわむしこたろう」 122924

むかし、ある村に、しあわせにくらしているふうふがいました。つまは、おいしいごはんをつくったり、せんたくやそうじをとてもうまくしていました。それにくらべえて、おっとのこたろうはむらいちばんのよわむしで、おまけにひとりではなんにもできません。だから、こたろうはつまにたよりっきりでした。

あるあらしの日の朝、こたろうがめをさますと、いつもはさきにおきて朝ごはんをつくっているつまがまだおふとんにくるまっていました。こたろうはふしぎにおもってつまをゆすっておこしてみました。それでも、つまはおきません。
「どうしたんだい。」としんぱいそうにこたろうはいいました。
すると、「すこしかぜをひいてしまったようです。」とつまはいいました。
こたろうは、ねつをたしかめました。
「すごいねつじゃないか!」

あわてたこたろうはくすりをもらいにいくために、あらしのなか、やまのむこうのうんととおい町にいくことにしました。こたろうはいそいで、なにももたずにしゅっぱつしました。ものすごくはやくはしりました。かさをもってないこたろうはどしゃぶりのあめのなかはしっていました。やまのふもとについたころです。
「ちょっとまちなさい。」
おじいさんがこたろうをよびとめました。
おじいさんは「これをもっておゆき。」といってかさをこたろうにあげました。
「ありがとう、おじいさん!」
こたろうはそういってまたはしりはじめました。

やまをのぼりはじめてしばらくすると、こたろうはおなかがすいてきました。朝ごはんをたべずに、はしったからです。そのうちだんだんはしるはやさもおそくなっていき、しまいにはあるけなくなってしまいました。
「こんなところでなにをしているんだ。」
さんぞくがこたろうをみつけていいました。
さんぞくは、おなかをすかしているこたろうにおにくときのみをわけてくれました。
「ありがとう、ごちそうさま!」
こたろうはそういってまたはしりだしました。

ようやく町につき、くすりをもらって村にかえりました。くすりをのんだつまはみるみるげんきになりました。そして、こたろうをよわむしとよぶ人はいなくなったとさ。

1年生物語文 「うんち」 122925

おなかがいたいよ。うーん、うーん。
ピーターはくるしんでいます。「どこかにトイレはないかなぁ」
あっちへふらふら、こっちへふらふら、なかなかトイレがみつかりません。

そのときです。ぐうぜん出会ったともだちのフレッドがいいました。
「トイレならあっちのこうえんにあったぜ。」
「ありがとうフレッド。」
これでたすかったとおもい、いそいでいきました。

やっとのことでたどりついたとおもったとき、ピーターはきづきました。「かみがない。」トイレのまえでうろうろしていると、ジェニファーにあいました。
「わたしのティッシュかしてあげるよ」
「ありがとうジェニファー。」
これであんしんです。

しかし、ここでもきづいたのです。「ぼくウォシュレットがないとだめなんだ。」あたまをかかえてなやんでいると、シルビアおばさんがかけつけてくれました。
「わたしの主人はでんきやさんだから、すぐによういできるよ。」
「ありがとうシルビアおばさん。」
じゅんびはととのいました。

うーん、うーん。
みんなのきょうりょくのおかげもあり、ピーターはやっとのことでうんちできました。

1年生物語文 「無題」 122926

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは毎朝しばかりに、おばあさんはいえのようじをしていました。おじいさんはおばあさんのつくったおにぎりをもって夕方まで山奥までしばかりにでかけるのです。

山奥でおじいさんが仕事をしていると、チュンチュン、チュンチュンと泣き声が聞こえてきました。おじいさんははじめはききながら仕事を続けていましたが、悲しそうにないているので、きになり泣き声のするほうにいきました。おや。すずめがあしをけがしているではありませんか。あしからは血が出ています。いたそうです。するとおじいさんはもっていた手ぬぐいをきって、すずめの足にまきました。うごけそうになかったので、家に連れて帰りました。

すずめをみておばあさんはよろこびました。わがこのようにかわいがりました。まいにち世話をしました。すずめのけがはどんどんなおっていきました。きれいになおったので、おばあさんとおじいさんはすずめとおわかれし、すずめをもとのやまにかえしました。おじいさんとおばあさんはとてもかなしみました。

次の日、おじいさんがしばかりにいっていえにかえるとおばあさんがあのすずめといえにいるではありませんか。すずめはいいました。「このまえはありがとうございました。おじいさんとおばあさんにおんがえしがしたくてこれからおじいさんとおばあさんのお手伝いをしたいです。」おじいさんはなきながらよろこびました。

それからというもの、おじいさんとおばあさんはわが子のようにかわいがり、すーという名前をつけました。すーはおじいさんとおばあさんを手伝いみんなしあわせにくらしました。

1年生物語文 「家族」 122927

あかりちゃんはお母さんが嫌いです。
だっていっつも「勉強しなさい」「お手伝いしなさい」っておこるんだもの。
今日もまたあかりちゃんはお母さんに「片付けなさい」とおこられてしました。
あかりちゃんは「もうお母さんなんて嫌い!!」と家を飛び出し、近くの山に行きました。

「お母さんのバカ!」と無我夢中で歩いているといつの間にか山の奥深くまで入ってしまい、
あかりちゃんは帰ることができなくなりました。
「うわーん。お父さん、お母さん!!」あかりちゃんは泣きながらさまよいました。
するとひょっこりウサギが現れました。
「どうしたんだい、お嬢さん。」ウサギは尋ねました。
「お母さんとけんかをしてここに来たら帰れなくなっちゃった。」あかりちゃんは言いました。
「じゃあ僕がわかるところまで案内してあげる。」ウサギは言いました。
「本当!!ありがとう。」あかりちゃんは言いました。
ウサギは歩きながらあかりちゃんに尋ねました。
「あかりちゃんはなんでお母さんにおこられちゃったの?」
「わたしが片付けをしなかったから・・・」あかりちゃんは答えながら
(でも悪いのはわたしだ・・)と思いました。
ウサギは「そっか・・」と言って「ごめんね、あかりちゃん。僕はここまでしかわからないんだ。」とあかりちゃんに言いました。
あかりちゃんはここまで来てもまだ帰り道がわかりません。
「どうしよう・・」あかりちゃんとウサギが悩んでいました。

するとひょっこりとキツネが現れました。
「どうしたの?こんなところで。」キツネは尋ねました。
今までのことを説明すると
「それじゃあ私がわかるところまで案内してあげる。」キツネは言いました。
「本当!!ありがとう。」あかりちゃんは言いました。
ウサギと別れてキツネと一緒に歩いているとき、キツネはあかりちゃんに尋ねました。
「あかりちゃんはどうして帰りたいの?お母さんにおこられちゃうんでしょ?」
「うん・・。でもやっぱり帰りたい。」あかりちゃんは答えました。
「そっか・・。ごめんね、あかりちゃん。私はここまでしかわからないの。」とキツネは
あかりちゃんに言いました。
あかりちゃんはここまで来てもまだ帰り道がわかりません。
「どうしよう・・」あかりちゃんとキツネが悩んでいました。

するとひょっこりとネコが現れました。
「あれ?あかりちゃんだ。こんなところでなにしてるの?」ネコが言いました。
今までのことを話すとネコは
「僕はあかりちゃんの家を知ってるよ。案内してあげる。」と言いました。
「本当!!ありがとう。」あかりちゃんは言いました。
キツネと別れてネコと歩いているときにネコはあかりちゃんに尋ねました。
「あかりちゃんはお母さんが嫌いかい?」
あかりちゃんは言いました。
「・・・ううん。嫌いじゃないよ。本当は大好きなの。でもお母さんはわたしのこと嫌いなのかも・・・」
「・・・それはどうかなぁ。ほらあかりちゃん、お家が見えてきたよ。」
ネコは言いました。
「本当だ!!ありがとうネコさん。でもお母さんおこってるだろうな・・・」
あかりちゃんは立ち止まってしまいました。
「あれを見てごらん。」ネコは言いました。
そこにはあかりちゃんを捜しているおかあさんがいました。
あかりちゃんは「お母さん!!」と叫びました。
お母さんはあかりちゃんの元に駆け寄ってきて「心配したのよ。どこに行っていたの?」と尋ねました。
あかりちゃんは「山にいたの。みんなが案内してくれて帰ってこれたの。」と言って
ネコのほうを見ましたが、ネコはもういませんでした。
「大嫌いなんて言ってごめんなさい。」あかりちゃんはお母さんと仲直りしました。

それからあかりちゃんはお母さんに言われなくてもちゃんとお勉強をして
お手伝いをしてお片付けをするようになったかというとそれはまだのようです。
今日もまたお母さんのあかりちゃんを叱る声が聞こえてきますから。

1年生物語文 「まほうの花」 122928

 さっちゃんは、おかあさんと二人でくらしています。ある日、おかあさんがびょうきにかかってしまいました。町のおいしゃさんにみてもらいましたが、げんいんはわかりません。おいしゃさんは言いました。「森のどこかにある、まほうの花を食べさせてあげたら、なおるかもしれない。」さっちゃんは、さっそく、まほうの花をさがしに森へ行きました。

 森に入ると、くまさんに会いました。さっちゃんは、「ねぇ、くまさん。まほうの花がどこにあるかしらない。」とききました。くまさんは、「ごめんね。ぼくはしらないや。ものしりのねこさんなら、なにかしってるかもしれない。」と言いました。さっちゃんは、くまさんにおれいを言って、ねこさんに会いに行くことにしました。

 「ねぇ、ねこさん。まほうの花がどこにあるかしらない。」さっちゃんは、ききました。ねこさんは、「森のおくの、いずみのちかくにさいていると聞いたことがあるよ。」とおしえてくれました。さっちゃんは、ねこさんにおれいを言って、森のおくのいずみにむかいました。

 いずみにつくと、りすさんにあいました。さっちゃんは、「ねぇ、りすさん。まほうの花がどこにあるかしらない。」とききました。りすさんは、「あの木の上にさいているよ。ぼくがとってきてあげるよ。」と言って、まほうの花をとってきてくれました。さっちゃんは、りすさんに「ありがとう。」とおれいを言って、いそいでいえにかえりました。

 さっちゃんは、いえにつくと、さっそく、おかあさんにたべさせてあげました。すると、おかあさんはみるみる元気になっていきました。こうして、さっちゃんは、おかあさんや森のどうぶつたちとなかよくくらしました。

1年生物語文 「ゆめでみたカレーライス」 122929

キーンコーンカーンコーン
チャイムがなりました。
さぁ、きゅうしょくのじかんです。
きょうのきゅうしょくはカレーライス。
ちひろのだいこうぶつです。
もぐもぐもぐもぐ。
あぁ、おいしいなあ。
でもあれぇ、おかしいな。
ゆうこのおさらにはにんじんがのこっています。
ちひろはふしぎにおもって、ゆうこに「どうしてにんじんだけたべないの。」とききました。
すると、ゆうこは「だってきらいなんだもん。」といいました。
そこでちひろは、いつもママにいわれていることをおもいだして、「すききらいしちゃだめなんだよ。たべなきゃだめなんだよ。」といいました。
すると、ゆうこは「でもどうしてもたべられないんだもん。」といってなきだしてしまいました。
そのひちひろは、もやもやしたきもちでいえにかえりました。

きがつくと、ちひろはキッチンにいました。
となりには、ゆうこがいました。
そして、ゆうこは「ちひろちゃん、にんじんをすりつぶしてカレーにいれたらどうかな。そしたらわたし、たべれるかもしれない。」といいました。
ちひろはうれしくなって、「じゃあ、さっそくつくってみよう!」といいました。
きがつくとふとんのなかにいました。
ちひろはゆめをみていたのです。

がっこうにいくと、ゆうこが「きのうはごめん。」とはなしかけてきました。
ちひろは、「わたしもごめんね。」といいました。
ゆうことちひろはえがおになりました。
すると、ゆうこが「きのうね、ちひろちゃんとカレーをつくるゆめをみたの。」といいました。
ちひろはおどろいて、「わたしもみたよ。にんじんをすりつぶしてカレーにいれるんでしょう。」といいました。
するとゆうこも、「おなじゆめをみていたの。」とおどろいたかおをしました。
つぎのひ、ちひろとゆうこはほんとうにゆめでみたカレーをつくってみました。
むずかしいところは、ちひろのママにてつだってもらいました。
できたカレーライスを、ちひろもゆうこもおいしくたべました。

1年生物語文 「無題」 122931

 「きょうもひとりでばんごはんかぁ」ゆうたはためいきまじりにつぶやきました。ゆうたのおかあさんはゆうたをうんですぐなくなってしまい、おとうさんはいそがしくていえでいっしょにごはんをたべることができないのです。「おかあさんにあいたい。おかあさんとおとうさんとゆうえんちにいってみたい。」というのがゆうたのゆめなのです。

そんなあるひ、ゆうたはともだちからこんなうわさをききました。「じぶんのねがいごとをかみにかいて、それをまくらのしたにおいてねると、そのねがいごとがかなうらしい。」さっそくやってみることにしました。きたいにむねをふくらませながら、ゆうたはねむりにつきました。

めをさますと、ゆうたのめのまえにはおおきなジェットコースターがありました。「ここって、もしかしてゆうえんち!?」まわりをみわたすと、メリーゴーランドやおばけやしきなかんらんしゃなどもありました。「ほんとにゆうえんちだ!」ゆうたはとてもよろこびました。「ゆうた!ゆうた!」きゅうにゆうたをよぶこえがきこえてきました。だれだろうとおもいながらこえのするほうをみてみると、おとうさんとそのとなりにおんなのひとがいました。「もしかしておかあさん?」ゆうたがきくと、「ええそうよ!あいたかったわ、ゆうた!」とおかあさんはいいました。「ぼくもあいたかった!いっしょにゆうえんちであそんで!」こうしてゆうたとおとうさんたおかあさんはひがくれるまであそびました。

「ゆうた、そろそろおわかれしなくちゃいけないの。」おかあさんはいいました。「ぜったいやだ!」とゆうたはなきだしてしまいました。「ゆうた、よくきいて。おかあさんは、ずっとゆうたのことみまもってるから。それにおとうさんもいる。だから、あなたはひとりなんかじゃないの。」「おかあさん・・・」「いいこにしていれば、またあえるとおかあさんはおもうな。」「じゃあ、ぜったいいいこにする!」

そのあとすぐ、ゆうたはめがさめました。「さっきのはなんだったんだろう・・・」あれがゆめだったのかねがいごとがかなったのかはゆうたにはわかりませんでした。だけど、なんとなく、おかあさんがみまもってくれているきがしました。「いいこにしていれば、またあえるよね。」なんだか、いつもよりきもちのいいめざめでした。

1年生物語文 「カッパのみっちゃん」 122932

カッパのみっちゃんはいつもひとりぼっちです。
うわーカッパだあー!
にんげんの子どもはみっちゃんを見るとにげてしまいます。
どうしてみんなこわがるの?みっちゃんはなやみました。
みっちゃんはみんなといっしょにがっこうにかよいたかったのです。

ある日、みっちゃんがさんぽしていると、子どもたちが川であそんでいるのをみつけました。
みっちゃんはすぐに草むらにかくれました。
みつかったら、またこわがられる…

しばらくして、だれかがなきさけんでいるのにみっちゃんは気づきました。
たすけてーたすけてーたすけてー!
子どもが1人、川のながれにさらわれておぼれてしまっています。
まわりの子どもはどうすることもできません。
どうしよう、どうしよう
みっちゃんはかんがえました。
あの子をたすけるんだ!
みっちゃんは草むらからとびだしていきました。

みっちゃんはカッパなのでおよぐのはとくいです。
スイスイおよいでおぼれている子をたすけました。
みんな、みっちゃんをみましたがだれもこわがりません。
みんな泣いています。
たすけてくれてありがとう
それから、ごめんね

そのあと、みっちゃんは子どもたちと日がくれるまであそびました。

1年生物語文 「おばけとともちゃん。」 122933

 ともちゃんはお化けが見えます。けど、パパもママもだあれも信じてくれません。ただ、おばあちゃんだけは信じてくれます。だからともちゃんはおばあちゃんが大好きでした。

 ある夏休み、ともちゃんがおばあちゃんの家に行った時の話です。
 ともちゃんが小川で遊んでいると猫が車に引かれて死んでいました。ともちゃんが気の毒に思って埋めてあげるとどこからか声が聞こえてきました。
「坊主、ええことしたな」
 ともちゃんが驚いてそちらを見ると知らないおじさんが笑って立っていました。
「ほれ、そいつも喜んでいるぞ」
 おじさんが指で示した方を見ると確かに先ほど埋めた猫のお化けが嬉しそうにともちゃんにすり寄っているではありませんか。
「おじちゃんもおばけが見えるの?」
 ともちゃんが聞くとおじさんは笑って「おうとも」と頷きました。
 ともちゃんは嬉しくなってそれから毎日おじさんと猫のおばけと三人で一緒に遊びました。

 ともちゃんがおばあちゃんの家から帰る日が近づいた日のことです。
 おじさんが急に真剣な顔をしてともちゃんに言いました。
「ともちゃん、この猫そろそろ上に上げないといけないんだよ。いいかな?」
 ともちゃんは寂しかったけど、おばあちゃんからおばけはいつか雲の上に行くものだと聞いていたので泣く泣く頷きました。
 すると猫はニャーと一声鳴くとスッと消えていなくなってしまいました。
 悲しくなってともちゃんが泣きそうになっているとおじさんが笑って言いました。
「それじゃあ、おじさんもそろそろ帰るわ」
 そうおじさんが言い終わった瞬間です。おじさんも先ほどの猫のおばけと同じようにスッと消えていなくなってしまいました。
 ともちゃんもこれには流石に涙も引っ込んで、慌てておばあちゃんの家まで走って逃げ帰りました。

 おばあちゃんはともちゃんの話を聞くと何も言わずにともちゃんをおばあちゃんのお友達のおばさんの家に連れて行きました。
「あっ!あのおじちゃんだ!」
 そこでともちゃんはあのおじさんと再会しました。
 おじさんは黒いお仏壇の写真立ての中にいました。おじさんもおばけだったのです。
「お盆だからね」
 おばあちゃんがお仏壇に手を合わせながら言いました。
「お盆って?」
 ともちゃんもおばあちゃんの真似をしながら尋ねます。
「雲の上に行ったおばけがねこっちに帰ってくる日の事だよ」
 そう言うとおばあちゃんは線香に火を付けました。
 線香の煙がゆらりと揺れます。ともちゃんはそれが何故かおじさんが笑った顔に見えたのでした。

1年生物語文 「ユメ」 122935

 「いうことききなさーい!」
しんのすけくんは、またお母さんにおこられています。
しんのすけくんは、とてもわるい子でお母さんのいうことを聞こうとしません。
 「ピーマンのこしちゃいけません!」しんのすけくんはピーマンをのこします。
「おねーさんナンパしちゃいけません!」しんのすけくんはナンパをしようとします。
「おパンツかぶっちゃいけません!」しんのすけくんはパンツをかぶろうとします。
 しんのすけくんは、いいます「お母さんのいうことなんて、ムシしておけばへっちゃらへっちゃら」

そんなある晩しんのすけくんは、こわいユメをみました。
 ユメのなかでしんのすけくんは、オニにおこられています。ですがしんのすけくんはオニをムシします。そしてオニがいいました「こんなわるい子は、はじめてみた、オニをムシするとは!こらしめてやる!」オニがてをふりあげ、しんのすけくんのアタマめがけてふりおろしてきます。
 ここで目がさめました。

 とてもこわかったので、お母さんのもとへはしっていきます。
「お母さーん、こわいユメをみたんだ」お母さんはこちらを見てくれません。「ねえ、ねえってば」お母さんは、しんのすけくんに気がつかないようです。「ねえ、なんでムシするの?、ねえってば」お母さんは見むきもしません。
 しんのすけくんは、こわくなったのでお父さんのもとへはしっていきます。「お父さーん、こわいユメをみたんだ」お父さんもこちらを見てくれません。「ねえ、ねえってば」お父さんも、しんのすけくんに気がつかないようです。「ねえ、なんでムシするの?、ねえってば」お父さんも見むきもしません。

 しんのすけくんは本当にこわくなって「ごめんなさい、もう人のいうことムシしない」となみだをながしました。するとさっきのオニがあらわれ「よくいった。もうゆるしてやろう」といいました。

 ここでほんとうに目がさめました。そう、いままでのことすべてがユメだったのです。
 そしてリビングからお母さんのこえが「しんのすけー、おきなさーい」
しんのすけくんは、ふとんからとびおき、リビングへはしっていきました。

1年生物語文 「お芋掘り」 122936

みいちゃんは小学一年生の女の子です。今日はおばあちゃんの家の畑でお友達とお芋掘り。大事に育ててきたお芋を収穫します。

軍手をはめてスコップを持ったら、さあお芋掘り開始。お芋を傷つけないようにみんなで慎重に土をくずします。「いっぱいとれたよ。」「おもしろい形だね。」「あ、モグラにかじられてる!」みんな楽しそうです。みいちゃんは一番端に植えたお芋を一生懸命掘っています。でも、いくら掘っても掘ってもお芋のしっぽは見えてきません。

「みいちゃーん!もう片付けるよ!」おばあちゃんがみいちゃんを呼びに来ました。「おばあちゃん、このお芋が大きくて全然掘れないの。」「じゃあいっしょに引っ張ろうか。」

みいちゃんとおばあちゃんはお芋のつるを持って引っ張ります。
大きなお芋 おいしいお芋
早く出てこい 出てこいこい
しかし、大きなお芋はなかなか掘れません。みいちゃんの友達も手伝って引っ張ります。
大きなお芋 おいしいお芋
早く出てこい 出てこいこい
それでもまだ掘れません。みいちゃんのお母さんもお姉ちゃんも手伝って、引っ張ります。
大きなお芋 おいしいお芋
早く出てこい 出てこいこい

やっと大きなお芋のしっぽが見えました。三井ちゃんたちは、掘ったお芋でスイートポテトを作って、おいしくみんなで食べました。

1年生物語文 「おかしの森」 122937

ちえちゃんの家の近くには、大きな森があります。ちえちゃんは、森に入るのが怖くて、まだ一人で森を通ったことがありません。ある日ちえちゃんは、お母さんに、まちへおつかいをたのまれました。まちへ行くには大きな森を通らなければなりません。ちえちゃんは、とてもこわがりましたが、勇気をだして、おつかいにいくことにしました。

森の中に入ると、おひさまの光が、木でさえぎられて、あたりは、薄暗くなりました。ちえちゃんは、こわくて泣き出してしまいました。するとそこへ、いっぴきのうさぎさんが通りました。うさぎさんは、ちえちゃんがないてるのをみて、「きみ、どうしたの?名前は?」とたずねました。ちえちゃんは、泣きながらも「ちえだよ。森の中がうすぐらくてこわいの。」と答えました。うさぎさんは、ちえちゃんを元気づけようと、「ちえちゃん、あかるくて、たのしいところに、連れてってあげるから、目をつぶって。」と言いました。ちえちゃんは、「うん。」と言い、目をつぶりました。

しばらくすると、うさぎさんの「もういいよ、めをあけて。」と声がしたので、ちえちゃんはおそるおそる、めをあけました。するとそこは、おひさまのひかりがとどいて、明るくて、きれいな川が流れていました。その川のそばには、ちえちゃんの大好きなお菓子でできた、家がありました。ちえちゃんはよろこんで、うさぎさんに「うさぎさん、森の中にこんなにすてきな場所があるんだね。」といいました。「そうだよ、でもねちえちゃん、ここのことは誰にも言ってはだめだよ。ぼくとちえちゃんだけの秘密だよ。」とうさぎさん。「うん。誰にも言わないよ。私。森のこと好きになったよ。」とちえちゃん。

秘密の場所をちえちゃんは、すごく楽しみました。いっぱいあそんで、ちえちゃんは、つかれて、うとうねむってしまいました。ふと、めをさますと、ちえちゃんは、森の出口にいました。あたりには、うさぎさんもいません。さっきのは、夢だったのかな、と思いながら、ふと、手を見てみると、お菓子の家のかけらがありました。ちえちゃんは、夢ではなかったんだとわかり、うれしくなりました。

そして、ちえちゃんは、まちへおおつかいに行きました。帰り道、また、森の中を通りましたが、もう、こわいとおもうことはありませんでした。

1年生物語文 「本当においしい食べ物」 122938

あるところにおいしいものを食べることが大すきで、りょうりがとくいなキツネくんがいました。おいしいものを毎日、毎日食べていたキツネくんは、ある日ふと、世界のいろんなところにはまだ、自分の知らないおいしい食べものがあるんじゃないかと思い、おいしい食べものをさがすたびにでました。

深い深い森をおとずれたキツネくんは高い木に実っているおいしそうなくだものを見つけました。しかし、とても高いところにあるのでくだものに手がとどきません。キツネくんが困っているとキリンくんがあらわれました。「ぼくがとってあげるよ。」と長い首をのばしてくだものをとってくれました。「ありがとう。」キツネくんはくだものを手に入れることができました。

広い広い海が広がる海がんをおとずれたキツネくんは、カメさんに出会いました。「カメさん、おいしい食べもの知らないかい。」キツネくんがたずねました。カメさんが「海のそこにある貝がおいしいよ。とってきてあげるよ。」と海にもぐって、貝をとってきてくれました。「ありがとう。」キツネくんは貝を手に入れることができました。

高い高い山におとずれたキツネくんは、がけに生えているおいしそうなキノコを見つけました。しかし、がけがけわしいので、取れそうにありません。すると、ワシくんがあらわれて「ぼくがとってあげるよ。」とつばさをはばたかせキノコをとってくれました。「ありがとう。」キツネくんはキノコを手に入れることができました。

いろんなところをたびしてキツネくんは、おいしそうなくだもの、貝、キノコを手に入れることができました。さっそく、おいしくりょうりしようとしたとき、「そうだキリンくん、カメさん、ワシくんをしょうたいしてみんなにたべてもらおう。」とおもいつき、しょうたいして、みんなにりょうりをふるまいました。キツネくんはおいしいたべものはみんなで食べるほうが、ずっとおいしくなることにきづいたのでした。

1年生物語文 「ぐうぜんのであい」 122939

 あるところにひとりのおとこがいました。そのおとこはきものをうるためにとなりまちへ山をのぼっていっていました。ある日、その山でおとこはいままでみたこともないどうくつをはっけんしました。ふしぎにおもったおとこは、そのどうくつにはいっていきました。

 おとこはどうくつのなかをどんどんすすんでいきます。どうくつはわかれみちがたくさんおとこはまよってしまいます。それでもすすんでいくと、おとこはとてもおおきいねずみのようないきものにあいました。そのいきものは、じぶんがはなかまからはずれてしまった。おひさまのひかりがとどかないこのどうくつはとてもさむくてかなわないといいました。そこでおとこはじぶんのもっているきものをあげることにしました。

 ひとりといっぴきはいっしょにどうくつのなかをすすんでいきます。まいごでもひとりではないのでへいきです。どんどんすすんでいって、やっと出口をみつけました。そこにはおとこといっしょにいたいきもののなかまがいました。「なかまをつれてきてくれてありがとう。ところで、そのきものはとてもあたたかそうだね。ぼくらにもそれをくれないか。」そこでおとこはそのきものをあげることにしました。

 きものがなくなったのでそのままいえにかえったおとこは、いえのまえにはこがおいてあるのをみつけました。そのはこのなかにはきらきらしたほうせきがたくさんはいっていました。

1年生物語文 「おとしもの」 123013

「えーん、えーん。」
おんなのこがないていました。
そこへ、おとこのこがやってきて、「どうしたの?」と、ききました。
「あのね、ままにもらったリボンを、おとしちゃったの。」
おんなのこはいいました。
「それはたいへんだ!ぼくもいっしょにさがしてあげるよ!」
おとこのこはいいました。

ふたりはあるきだしました。
すると、ねこがいました。
「ねこさん、リボンみなかった?」
おとこのこはいいました。
「いや、みてないなあ。」
ねこはいいました。
「あ!」ねこはなにかをおもいついたようにいいました。
「ねずみさんなら、しってるかもしれない!」

さんにんはねずみのところへいきました。
「ねずみさん、リボンみなかった?」
ねこはいいました。
「いや、みてないなあ。」
ねずみはいいました。
「あ!」ねずみはなにかをおもいついたようにいいました。
「すずめさんなら、しってるかもしれない!」

よにんはすずめのところへいきました。
「すずめさん、リボンみなかった?」
ねずみはいいました。
「さっきうさぎさんがつけてたよ!」
すずめはいいました。
「ほんとうかい!?」
おとこのこはいいました。
「ほんとうだよ!いっしょにいこう。」
すずめはいいました。

ごにんはうさぎのところへいきました。
「うさぎさん、さっきのリボンどうしたの?」
すずめはいいました。
「これのこと?」
うさぎはいいました。
「あ!わたしのリボン!」
おんなのこはいいました。
「さっきみちでひろったんだ。きみのだったのか。みつかってよかったね。」
うさぎはおんなのこにリボンをかえしました。

おんなのこはえがおになりました。
みんなでてをつないでかえりました。

1年生物語文 「太陽のみちあんない」 123119

しんたろうくんはある小さな村でいつも元気にくらしています。

あるとき、しんたろうくんはお母さんにおつかいをたのまれました。一人でおつかいに行くのは初めてです。しかし場所はおかあさんと何度も行ったことのあるお店で、買ってくるものはメモをくれたので、しんたろうくんは不安ながらもおつかいに出かけました。

いつもの道を歩いていて無事にいつものお店に着き、買い物もすませ、すっかり安心したしんたろうくんは、いつもとちがう道で帰ることにしました。最初はわくわくしながら帰っていましたが、途中で道がわからなくなってしまいました。

しんたろうくんが困っていると、どこかから声が聞こえてきました。周りを見渡してみましたが誰も話しかけている人はいません。気のせいだと思って歩き出そうとすると、こっちだよ、とやっぱり声がします。そしてしんたろうくんはついにその声の正体がわかりました。それは、なんと太陽だったのです。太陽は上から村を見下ろしながらしんたろうくんに帰り道を教えてくれました。

太陽が道を教えてくれたおかげで、しんたろうくんは無事に家まで帰ってくることができ、こうしてはじめてのおつかいは終わりました。

1年生物語文 「いろんないろ」 123817

あるひ、はなこちゃんはえんぴつでいろとりどりのチューリップの絵をかきました。うまく絵がかけたので、えのぐでいろをぬることにしました。はなこちゃんが持っているのはきいろとあかいろとあおいろのえのぐです。

まずさいしょにくさをぬることにしました。くさはみどりいろです。しかしみどりいろのえのぐを持っていません。はなこちゃんはこまってしまいました。するとそこにねこがやってきて、
「どうしたの。」
とたずねました。はなこちゃんは、
「みどりいろのえのぐを使いたいけれど、きいろとあかいろとあおいろのえのぐしか持ってないの。」
といいました。なのでねこは、
「それならきいろとあおいろをまぜるとみどりいろになるよ。」
とおしえてあげました。はなこちゃんは、
「おしえてくれてありがとう。やってみるね。」
といってきいろとあおいろのえのぐをまぜました。するとえのぐはみどりいろになりました。これでくさをぬることができました

つぎに四つのチューリップのお花をぬることにしました。チューリップのいろはあかいろ、きいろオレンジいろ、むらさきいろです。あかいろときいろの二つのはなをぬることができましたが、オレンジいろとむらさきいろはもっていないので、あとふたつのはながぬれていません。はなこちゃんはまたまたこまってしまいました。するとそこに犬がやってきて、
「どうしたの。」
とたずねました。はなこちゃんは、
「おれんじいろとむらさきいろのえのぐを使いたいけれど、きいろとあかいろとあおいろときみどりいろのえのぐしかもってないの。」
といいました。なので犬は、
「それならきいろとあかいろをまぜるとおれんじいろになるよ。」
とおしえてくれました。はなこちゃんは、
「おしえてくれてありがとう。やってみるね。」
といってきいろとあかいろのえのぐをまぜました。するとえのぐはオレンジいろになりました。これで一つの花がぬれました。

しかしまだひとつのこっています。はなこちゃんはこまっています。するとそこへはとがやってきて、
「どうしたの。」
とたずねました。はなこちゃんは、
「むらさきいろのえのぐをつかいたいけれど、きいろとあかいろとあおいろときみどりいいろとオレンジいろのえのぐしかもってないの。」
といいました。なのではとは、
「それならきあかいろとあおいろをまぜるとむらさきいろになるよ。」
とおしえてくれました。はなこちゃんは、
「おしえてくれてありがとう。やってみるね。」
といってあかいろとあおいろのえのぐをまぜました。するとえのぐはむらさきいろになりました。これですべてのはながぬれました。

すべてのチューリップのはながいろんないろにぬられて、とてもきれいでした。はなこちゃんはチューリップのえをじょうずにかけたことがうれしくて、えがおになりました。

1年生物語文 「くまさんのたんじょうび会」 123819

今日はくまさんのたんじょうび。森のなかまたちでくまさんのたんじょうび会をすることにしました。「くまさんの好きなものは何だろう。」と、りすさんが言いました。「くまさんはくだものが好きだよ。」と、きつねさんが言いました。「それじゃあみんなでくだものをあつめて、ケーキを作ろう。」と、とりさんが言いました。みんなでくだものをさがしに行きました。

初めに戻ってきたとりさんは、さくらんぼをもってきました。次に戻ってきたりすさんは、いちごをもってきました。「まだまだ足りないね。」と、りすさんが言いました。

続いて戻ってきたさるさんは、バナナをもってきました。そのあと戻ってきたきつねさんは、ぶどうをもってきました。「あと少し足りないね。」と、きつねさんが言いました。

最後にもどってきたしかさんは、りんごをもってきました。「これでケーキを作れるね。」と、しかさんが言いました。

森のなかまたちで、みんながもってきたくだものを使ってケーキを作りました。そのあと、くまさんを呼んでたんじょうび会が始まりました。「みんなありがとう。」と、くまさんが言いました。とっても楽しいたんじょうび会になりました。

1年生物語文 「森のおんがくたい」 123820

 まどかちゃんは森でうたをうたっていました。でもまどかちゃんは一人です。「一人じゃさみしいな。だれかこないかな。」

 すると、まどかちゃんのうたをきいて、りすさんがやってきました。「わたしもまぜてよ。」りすさんはバイオリンをひきはじめました。きぃきぃ、ぎーこぎこ。
 ことりさんもやってきました。「わたしもまぜてよ。」ことりさんはフルートをふきはじめました。フルルー、フルルー。

 すこしたつと、うさぎさんがやってきました。「わたしもまぜてよ。」うさぎさんはアコーディオンをひきはじめました。じゃんじゃん、じゃんじゃん。
 たぬきくんもやってきました。「ぼくもまぜてよ。」たぬきくんはたいこをたたきはじめました。どんどん、どんどん。

 すると、きつねくんもやってきました。「ぼくもまぜてよ。」きつねくんはカスタネットをたたきはじめました。たかたか、たかたん。
 くまさんもやってきました。「ぼくもまぜてよ。」くまさんはタンバリンをたたきはじめました。たんたん、たんたん。

 いつのまにかまどかちゃんのまわりには、森のみんながあつまっていました。「ぼくもまぜてよ。」「わたしもまぜてよ。」
 「じゃあ、みんなでうたおうよ。」とまどかちゃんはいいました。しきしゃはまどかちゃんです。
 「みんなでうたうとたのしいな。」森にはあかるいうたごえがひびきわたりました。

1年生物語文 「そらをとびたいこい」 123821

 こいはいつもうえをみていました。そらをとびたいのです。しかし、なかまたちはいつもそんなこいをばかにしていました。
「ぼくたちはたくさんおよげるけれど、そらなんてとべっこないさ。」

 そこでいつもとびはねているうさぎにきいてみることにしました。
「うさぎさんうさぎさん。」
「おやこいさん、どうしたんだい。」
 こいは。うさぎにどうすればとべるのかききました。
「ぼくはぴょんぴょんとべるけど、ひくくてそらにはとどかない。がけのうえにもいける、とらさんにきいておくれ。」
 こいは、とらにどうすればとべるのかききました。
「おれはがけにはのぼれるけれど、ひくくてそらにはとどかない。とんでいるつばめさんにきいておくれ。」

 こいはつばめにどうすればとべるのかききました。
「ぼくのつばさはあげられないよ。たきをこえたあとにいるおほしさまにきいておくれ。」
 ここでこいはよわりました。たきは、ものすごいいきおいでおちてきます。とてもじゃありませんが、こえられそうにありません。
 そのとき、こいのうしろからたくさんのこえがきこえてきました。なかまたちです。
「ぼくたちがささえるよ。のぼるんだ!」
 なかまたちは、こいがいろんなどうぶつにきいているのを、ずっとみていたのです。
「がんばれ!」
「のぼれ!」
 なかまたちのおうえんにあとをおされ、こいはいっしょうけんめいたきをのぼりました。それはもうひっしです。からだのあちこちがたきにうたれ、いたくなるのをかんじながら、こいはたきをのぼります。
「やったあ!」
 なかまのだれかがさけびました。こいが、ついにたきをのぼりきったのです。
「ありがとう!みんな、ありがとう!」

 なかまのおかげでたきをのぼりきり、こいはおよぎだしました。すると、もんのようなもののさきに、おほしさまがいました。
「おほしさまおほしさま。」
 こいはおほしさまにどうすればとべるのかききました。
「おやりゅうさん、どうしたんだい?」
「え?」
 いまおほしさまはこいのことを、りゅうとよびました。
「ぼくがりゅう?」
 こいはおどろきます。
「そうさ、きみはりっぱなりゅうさ。」
 こいはたきをのぼりきり、それはそれはうつくしいりゅうになれたのです。
「ほら、あそこにたくさんりゅうさんたちがいるよ。いっておいで。」

 おそるおそるこいはりゅうに、どうすればとべるのかききました。
「おやきょうだいどうしたんだい。きみはもうとんでるじゃないか。いっしょにそらをとぼう。」
 こいはりゅうになり、ずっととびたかったそらを、いつまでたってもとびつづけたのでした。

2年生説明文

2年生説明文 「サケの一生」 91444

 秋から冬にかけて、川に魚がいます。サケです。
 サケは、何のために川にいるのでしょうか。それは、卵を産むためです。自分のふるさとの川にたどり着いたサケは、浅瀬になっている河床の、地下水が湧き出すところに卵を産みます。

 サケの多くは秋ころ日本に帰ってきて、産卵・受精します。メスは尾びれだけで直径約1m、深さ30から40cmの産卵床を作り、そこに卵を産みつけます。
 卵を産み終えると、めすもおすも力が続く限り卵を守り、数日後にしんでしまいます。

 産み落とされた卵は、約2ヶ月でふ化して稚魚になります。卵の中の栄養を吸収しながら育った稚魚は、春のまだ早いころ、川の流れのあるところに出て虫などを食べながらさらに成長します。そして、やがて川を下って海へ出ます。

 その後、海へ下った稚魚は、沿岸に沿って移動しながら北の海へむかいます。そしてオキアミやヨコエビなどを食べながら成長し、多くの場合4歳になったときに、ふたたび日本の沿岸に戻ってくるのです。

 産卵を終えてしんだサケは川上で死ぬことにより、その栄養は森へかえされます。川を流れ出た栄養を再び川に戻しているというサイクルが森を豊かにしているのです。

2年生説明文 「カエデのちえ」 102917

 秋になると、山は紅や黄色にそまり、きれいな景色を見ることができます。
 紅くそまっているものの中にカエデという木があります。イロハモミジなどがその一種です。カエデはその形が「カエルの手」ににていることから、「カエルデ」の言われ、「カエデ」という名前で呼ばれるようになりました。

 カエデは秋になる前は緑色をしています。寒くなってくると同時に葉っぱの色を変えるのです。そして、そのときに種をつくります。

 カエデの種は、羽がふたつ生えたような形です。アサガオの種とは違い、ふしぎな形をしています。なぜ、このような形をしているのでしょうか。

 種は羽をつかって上手にくるくる回り、飛んでゆきます。そのようすは、まるで、竹とんぼがとんでいるようです。
 動物と違って、自分で動くことができない木は風の力をかりて、遠くへ種を飛ばします。

 このように、カエデの種はちえをはたらかせ、仲間をふやしていくのです。

2年生説明文 「あさがおの一生」 102921

 わたしたちのまわりには、花がたくさんあります。あさがおは花の中でもよく見かける花のひとつです。あさがおはどんな一生をすごすのでしょうか。

 まず、たねからめがでてきます。水をたくさんのんで、そのめがどんどんおおきくなっていきます。おおきくなってくるとはっぱがつきます。みどりのはっぱがたくさんつきます。

 そして、おおきくなってくるとつぼみができます。はっぱとおなじようにつぼみもたくさんつきます。ある日のあさになるといっせいに花がさきはじめます。とてもきれいな花がたくさんさきます。

 さいごに花がさきおわると、たねができます。つぎのこどもたちをのこしていくためにたくさんのたねをつくります。

 たねをまたうえるとつぎのあさがおができます。こうしてずっとくりかえし花がさいていくのです。

2年生説明文 「アリのひみつ」 102927

外に出るとどこにでもありがいます。そのアリの秘密を探ってみましょう。

アリには2種類のアリがいます。それは女王アリと働きアリです。女王アリは次の世代の子どもを育てるために卵を産むことだけに専念します。働きアリは女王アリのために食料を運んだり女王アリのお世話をしたりします。

アリは土の中に住んでいます。土に穴を掘って迷路のような巣を作ります。その巣にはそれぞれ部屋があり、女王アリの部屋や卵の部屋、食料を蓄えておく部屋があります。

もちろん巣を作るのも働きアリの仕事ですが、働きアリは働くことをやめません。女王アリのため、次の世代の子どもをつくるために一生働き続けます。

私たちも働きアリのように何かのために一生懸命になれることがあれば、生活が充実するかもしれませんね。

2年生説明文 「木でできたもの」 103811

さがしてみよう
木できたもの

わりばし
木をほそながくして
かたちをけずっています
まんなかはさいごまできりとらずに
くっついています
だからつかいたいときにわることができます

えんぴつ
ほそくけずった木のなかに
えんぴつのしんがはいっています
木はおれやすいしんをささえるやくわりをしています
きはもちやすいようにかくばったかたちをしています

おうち
木でできたおうちもあります
木と木をつなぎあわせておおきな一本の柱にします
大きなおうちもささえることができます
木でできたおうちはあたたかいです

さがしてみよう
木でできたもの
かたい木?やわらかい木?
どんな色の木?

2年生説明文 「ひこうき」 112710

みなさんはおりがみをしたことはありますか。一枚の紙をおって一つの形をつくるものですね。では、おりがみをおる前とおった後ではどのような違いがあるでしょうか。ここでは紙ひこうきをおった時を考えてみましょう。

まず一つ目の違いは、形が違うということです。おる前は四角形だった紙が、おられた後ではひこうきの形ができあがっています。

次にその形の違いをくわしく見てみましょう。おる前の四角形のときは平らな平面だったものが、おった後では厚みのある立体になっています。

では、そのように形をかえることでなにがあるのでしょう。紙ひこうきをおったとき、おる前とおった後で一番違うのは、とぶかとばないかでしょう。おるまえのペラペラ紙ではとびませんが、ひこうきの形にしたのでとぶようになったのです。

身のまわりのものには、形をかえることで新たなつかいかたができるものがたくさんあります。ごみとして捨ててしまう前に、何かつかえることがないか考えてみる習慣をつけたいですね。

2年生説明文 「無題」 112713

2年評論文
私たちの生活はたくさんの木材が使われています。建物や食器、家具などいろいろなもののどんなところに使われているでしょうか。
 食器にはなぜ木が使われているでしょうか。それは木は熱伝導性が低いからです。熱伝導性が低いと熱が伝わりにくいので熱い食べ物を入れたとしても食器は熱くなく持って食べることができます。子ども用のスプーンやフォーク、汁物をいれる器などによく使われます。
 では建物に使われるのはなぜでしょうか。これは加工しやすいというのが理由の大きな部分ですがもう一つの理由として多くの空気を木の層の間に含んでいるからというのもあります。木のぬくもりとはこういうことを言います。寒い地域では壁の材料として多く使われています。
 お風呂に使われている木はどのような役割でしょうか?お風呂に使われているのは木には良い香りがあるからです。家具全般に使われているものはこのような理由も含みます。
 このように木にはいろいろな用途でいろいろな理由から使われています。みんなも身近なものの材料を調べてどういう理由で使われているのか考えてみましょう。

2年生説明文 「セミの一生」 113102

夏になると、セミの「みーん、みーん」という鳴き声がしてきます。朝あの声で起こされたりもしますね。セミたちがこのように騒がしく鳴くようになり、夏をしらせるようになるまでにはとても長い時間が必要です。その間セミたちはどこで何をしているのでしょう。


まず、セミのメスは木などにたまごを産みます。一年がすぎた五月六月のつゆのときにたまごからかえります。たまごからかえったようちゅうたちは一度だっぴした後、木のみきを通って土にもぐります。
だいたい一年から五、六年と長い時間もぐっています。その間は木の根っこなどからえいようをもらい大きくなります。そしてついに土の中からでてきます。


そして木にのぼり、「うか」をして、うつくしいとうめいのはねをもった「せいちゅう」がたんじょうします。
そのうつくしいはねはさいしょはふにゃふにゃですが、しだいにかたくなって色もこくなってきます。やがて、十分にはねがかたくなると、セミはいきおいよくとびたち、みーんみーんとないて、またわたしたちになつのおとづれを知らせてくれるのです。

2年生説明文 「花とミツバチの共生」 113103

あたたかくなった春にはたくさんの生き物がかつどうします。春になるとたくさんの花がさきます。赤色、黄色、青色、いろいろな色をしてきれいにさきます。その花にはミツバチが止まっています。このミツバチさんたちは、花に止まって何をしているのでしょうか。

ミツバチはミツのついた花を見つけると巣にもどります。そして巣の中でダンスをします。丸い円のようにダンスをしたり、8の字にダンスをしたり、上手にダンスをおどります。これをすることによって。なかまのミツバチにみつのついた花のばしょを知らせるのです。
そして巣にいるなかまがそのダンスからしることのできたばしょへいき、その花に止まります。
そして、花のみつをすい、巣にもちかえり、すったみつを巣にたくわえるのです。

しかし、それだけがミツバチが花に止まっている理由ではありません。ミツバチはメスの花にとまり、みつをすうとき、花ふんがミツバチの体につきます。それでオスの花にいくとその花ふんがオスの花につきます。そうすることによって花は子どもの花をつくるためのじゅんびができるようになるのです。

ミツバチは花に止まることによってみつを巣にもちかえるだけでなく、花の子ども作りのお手伝いもしているのです。

2年生説明文 「ひっつき虫のちえ」 113104

川原であそんでいたり、公園であそんでいると、ふくに何かチクチクしたものがついていたことはありませんか。丸くてチクチクしたものやはりみたいなものなど。いったい何なのでしょうか。そのしょうたいは「ひっつき虫」とよばれるものです。しかし虫っていうけれど、動きません。そもそも虫ではないのです。服にひっついたりすることから、「ひっつき虫」とよばれているのはしょくぶつのたねなのです。では、どんなしゅるいがあるのかみてみましょう。

たねのまわりにマジックテープみたいなギザギザしたころもをまとっている丸い形の「ひっつき虫」はオナモミというしょくぶつのたねです。セーターなどによくくっつくのでなげ合ってあそんだりすることができます。

トゲみたいでなかなかとれない「ひっつき虫」はアメリカセンダングサというしょくぶつのたねです。よく川原の草原に入るとひっついてこまってしまいます。

小さくてかわいいけれど、なかなかとれない「ひっつき虫」はイノコヅチというしょくぶつのたねです。茎についているときは、まるで虫がならんでいるようにみえます。

自分ではたねをはこぶことができないので、人や動物のからだにひっついて遠くまでたねをはこんでもらうのです。そしてあちらこちらに自分のなかまをふやしていきます。
このようにしょくぶつは自分のなかまをふやすためにさまざまなちえをもっています。ほかにどんなしょくぶついがどんなちえをもっているのか、みんなでかんがえてみましょう。

2年生説明文 「ねこの一生」 113119

ねこという生き物はもうみなさんご存じですね?
ねこはとっても愛らしい生き物。
ではねこの一生をのぞいてみましょう。

ねこは生まれてから数ヶ月はとても小さいです。
大人の手のひらに包まれてしまうような大きさです。
ねこは生まれてから一年の間に人間にすると17歳にまで成長します。

一年がすぎるとねこはどんどん体が大きくなり、食べる量もどんどん増えます。
大きくなったねこは飼い猫ならば小さい頃に比べるとどんどん自由になります。
甘えたい時に甘え遊びたくなったら遊ぶ。
とても可愛らしい時期です。

そして生まれてから10年以上経つと
ネコも人間のようにどんどん動かなくなります。
食べる量も減り、ずっと同じ場所で時間を過ごすことが多くなります。

そして、ネコも人間と同じで死んでしまいます。
しかし、ねこは死に際を見せないといわれ、
自分の死ぬ時を察知すると自然と人間から遠ざかりひっそりと死んでゆくのです。

2年生説明文 「二年説明文「つばめの子そだて」」 113604

 春になると、つばめが日本にやってきます。寒い冬を南の土地ですごし、あたたかくなると海をはるばるこえてくるのです。つばめは日本にやってきて、子どもをうんでそだてます。つばめの子そだてについてみてみましょう。

 つばめは、日本へ来るとまずすを作りはじめます。どろやかれ草にだ液をまぜてこね、一週間ほどかけてオスとメスでいっしょに作ります。

 すができると、つぎはたまごです。一日一つずつ、三こから七このたまごをうみおとします。オスとメスがこうたいでたまごをあたためます。

 二週間ほどすると、ひながうまれます。親つばめはこうたいでえさとなる虫をつかまえてきてひなにあたえます。ひなは体力をつけ、羽ばたきのれんしゅうをして、三週間するとす立っていきます。しばらくは親が助けてくれますが、二週間ほどで自分の力でえさをとれるようになり、ひとり立ちします。
 そして、すずしい秋がやってくるとつばめたちはみんなであたたかい南をめざして旅立っていきます。

 このようにして成長したひなは、はじめての旅をぶじに終えられたら、もうりっぱな大人です。こんどは自分がすを作り、子どもをうみ、そだてていくのです。

2年生説明文 「りんごの一生」 113612

 赤くて あまずっぱい まあるい 果物。何でしょうか。そうです、りんごです。リンゴの一生はどうなっているのでしょうか。

 1月、年が改まり、あ正月気分もそこそこに、作業を開始します。せん定といって、どの枝にも光が当たるように、木の一部を切り取ります。
 5月、りんごの花が咲きます。ゴールデンウィーク中がきれいです。

 6月、摘果をします。1つ1つの果物にえいようを行きわたらせ、果物を大きくするために、元気のない果物を摘み取ります。
 7月、実が大きくなってきました。果物の重みで枝が折れないように、また、枝と枝が重ならないように、支柱を入れて間かくを開けます。また、果物や樹の根元まで光が当たるように枝を切ります。

 9月、早くできる品種ができあがりました。さんさ、つがる、ひめかみ といった種類です。
 10月、中ぐらいにできる品種ができあがりました。紅玉、シナノスイート、秋映、あいかの香り といった種類です。
 11月、おそくにできる品種ができあがりました。ふじ といった種類です。

 このように、私たちの食べているりんごは、農家の人がたいへんな努力をしてつくられているのです。

2年生説明文 「アメンボの一生」 113803

 春の、サクラがさくすこし前、いけをのぞいてみると、小さなアメンボが水の上をスーイスーイと、すすんでいます。
 アメンボは、どうして水の中にしずまないのでしょうか。アメンボは体がかるく、足の先にある細かいけが、水をはじいてくれるのです。だから、アメンボはいつも足の手入れをかかしません。

五月から六月のはじめごろ、アメンボのメスは、おしりを水の中にさしこんで、水草のくきに、たまごをうみつけます。たまごの大きさは一ミリくらいで、たわらのかたちをしています。たまごをうんでしばらくすると、ほとんどのアメンボはしんでしまいます。

 一週間ほどで、たまごがわれて、よう虫が出てきます。よう虫は生まれるとすぐに水めんをめざします。このとき、アメンボのよう虫はキモンというおなかのよこにあるあなからくう気をすっているので、長いあいだ水の中にいると、いきができなくてしんでしまうのです。 水めんにでられたよう虫は、大人とおなじように水めんで生活します。水めんにおちてきたこん虫をたべて、だっぴをくりかえし、四十日ほどでせい虫になります。

 十一月もすぎて、すっかりさむくなると、は冬こしをします。春までのさむい間は、じっとしているのです。しかし、アメンボが冬こししているところを見た人は、ほとんどいません。

 春になって、またアメンボがすがたをあらわしました。ぜひ、アメンボに「今までどこでかくれんぼしていたの?」と、きいてみてください。

2年生説明文 「ツバメの親子の一年」 122016

 みなさんは、家ののき先にできたツバメの巣を見たことがありますか。ツバメは日本にやってきて巣を作り、子育てをします。天敵から身をまもるため、人の住む家などに巣を作ります。だから、見たことのある人も多いでしょう。しかし、ツバメは、一年中ずっと日本にいるわけではありません。いつ日本にやってきて、いついなくなるのでしょうか。ツバメの親子の一年を見てみましょう。

 春。気温が上がり、あたたかくなると、ツバメは日本にやってきます。そして家ののき先などに巣を作り、そこにたまごを産みます。それからおよそ二週間。ひながかえります。親はこの時期、ひなのえさとなる虫をさがして、河原をとびまわります。そして、つかまえた虫をせっせとひなにはこびます。
 夏。ひなは大きく成長しました。いよいよ一人で巣からとびたちます。

 秋。一人前になった若鳥が、親といっしょにえさをもとめて飛んでいます。このころ、ツバメは河原にある、アシという植物の中でくらします。そして秋の終わり、気温が低くなるとともに、ツバメは日本からいなくなります。

 冬。ツバメは、日本から五千キロメートルもはなれたあたたかい南の国にいます。日本があたたかくなるころには、また戻ってきて、子育てを始めるのです。

 このように、ツバメは、日本にやってきて子育てをし、ひなが一人前になると、日本をはなれていってしまいます。ツバメをみかけたら、その時の季節によって、どのような子育ての時期なのか考えてみると、よりいっそう見ることが楽しくなるでしょう。ツバメの親子をあたたかく見守ってあげましょう。

2年生説明文 「花の一生」 122024

たいせつに思っている人に花をあげたり、さびしい景色をたのしくするために花をうえたり。そんな花はいったいどんな一生を送るのだろう。

まず、花はタネから始まります。土の中にあるタネは、温度などによって発芽し、小さな芽を出します。

芽を出した後は、水分や土の中の栄養、太陽の光を浴びて光合成と呼ばれるものをして育ちます。もし水が不足していたりしてしまうと枯れてしまいますし、逆に水が多すぎると根腐りしてしまったりとデリケートです。
きちんと世話をすれば、きれいな花を咲かせます。

花が咲いた後、花は枯れて次の代のタネを作る作業に入ります。この時に果実がふくらみます。りんごなどは、この果実のことです。

このように、花は生まれて死んでいきます。一年草や二年草など、たくさん種類はありますが、ほとんどの種類が私たちよりも短い一生です。これからは、目についた花をすこし見るようにしてみると、おもしろいかもしれません。

2年生説明文 「日本の行事」 122036

 バレンタインデーや、ハロウィン、クリスマスなど、日本でも、外国の行事がさかんに行われています。一方で、日本古来の行事があまり目立たなくなってしまっているように思います。
みなさんは、日本の行事をどれくらい知っていますか?

 1月1日は、元旦です。この日は、みんなで「おせち」を食べたり、神社に「はつもうで」に行ったりします。そこでおみくじを引いたり、一年間の願い事を神様にお祈りしたりします。

 7月7日は、七夕です。この日に、天の川に見立てたそうめんを食べる風習があります。七夕とは、もとは中国からの言い伝えで、織姫と彦星の話がよく知られています。

 10月の満月の日は、十五夜です。みんなで月見だんごを食べながら、美しい月をながめます。みなさんも気づいたでしょう、この日は日付が決まっていません。なぜなら、月が満月になる必要があるからです。満月になる日は毎年かわってしまうので、どこかの日を十五夜の日にすることはできないのです。

 ここに書いたもののほかにも、日本の行事はたくさんあります。今はもう行われていないものもありますので、みなさんも一度調べてみましょう。

2年生説明文 「カゲロウの一生」 122040

 夏の終わりの夜、川にかかる橋の明かりにある虫がたくさん集まります。カゲロウです。みなさんは見たことがありますか。夜に橋の上に集まったカゲロウは、翌朝には死んでしまい、橋の上にはたくさんのカゲロウの死がいが残ります。では、なぜ、カゲロウは一晩だけあらわれて、死んでいくのでしょうか。カゲロウの一生を見ていきましょう。

 カゲロウは川で生まれます。生まれてから一年ぐらいの間は水中ですごし、藻や水中にいる小さな虫を食べます。そして、何度も脱皮して大きくなるのです。

 一年間ぐらい水中で過ごしたカゲロウは夏の終わりの日暮れに羽化します。羽化して成虫になったカゲロウは、夜になると、川にかかる橋の明かりに集まってきます。集まったカゲロウは交尾をして、卵を川に産みつけます。

 しかし、カゲロウは成虫となってからは、長い時間は生きることができません。カゲロウには口がなく、食べものを食べることできないので、卵を生んだカゲロウはすぐに死んでしまうのです。夜にはみんなで集まっていたカゲロウですが、翌朝には、死骸となって、橋の上に、たくさん積み重なっています。それは、まるで白いじゅうたんのようです。

 このようにカゲロウは一生のほとんどを水中で過ごし、成虫としては一晩しか生きることができないのです。しかし、成虫として生きる短い時間の間に、卵を産んで、子孫を残しています。

2年生説明文 「がっこうくらべ」 122048

がっこうは、みんなんのかよっているしょうがっこうのほかにもちゅうがっこうやこうとうがっこうががあります。
どんなちがいがあるのでしょうか。

しょうがっこうは六才から十二才のこどもがかよいます。がくねんは一年生から六年生までの六つです。たんにんの先生がじゅぎょうをします。

ちゅうがっこうは十二才から十五才のお兄さんとおねえさんがかよいます。がくねんは一年生から三年生までの三つです。じゅぎょうごとにきまった先生がおしえます。こくごの先生や社会の先生がいます。

こうとうがっこうは一五才から十八才のお兄さんとおねえさんがかよいます。がくねんは一年生から三年生までの三つです。べんきょうをたくさんしてテストをうけてじぶんのかようがっこうをきめます。べんきょうも先生もたくさんになります。

このようにがっこうによってべんきょうすることやせんせいのにんずうがかわります。
これからみんなはいろいろながっこうにいきます。
そこで、たくさんべんきょうやあそびをしてお父さんやおかあさんや先生のようなおとなになります。

2年生説明文 「カブトムシの一生」 122060

みなさんはカブトムシを見たことがありますよね。長く生えた角がかっこいい昆虫の王様です。でもこのカブトムシは生まれたときから、りっぱなすがたをしているのではないのです。いったいどのようにしてかっこいいカブトムシになるのでしょうか。

カブトムシの最初のすがたは、メスのカブトムシが産んだ卵です。やがて卵のからをやぶって出てきますが、まだあのかっこいいカブトムシのすがたではありません。卵から出てきたカブトムシはまだ幼虫で、さわってもやわらかい、かっこいいカブトムシのすがたからはそうぞうのつかないものです。

さらに成長を続けるとカブトムシはさなぎになります。さなぎになったカブトムシたちは自分の羽で空とぶ日をゆめみてかたまり、じっとうごきません。

さらに成長すると、ついにさなぎから成虫になります。ついに空をとぶのです。カブトムシは空をとぶじゅんびに10日もかけ、だんだんと自分の体をかたく、強いものにしながら地上にすがたをあらわします。

大空にとんだカブトムシは自分の子どもをのこすという仕事のため、相手をさがします。そして仕事を終えるとやすらかにねむりにつくのです。

2年生説明文 「菜の花とミツバチ」 122301

春に、あちらこちらを見渡してみると、菜の花がさいています。どうして、こんなにもいろいろなところにさいているのでしょう。

菜の花は、花をさかせたときに、花にたくさん花粉がついています。ミツバチには、はたらきバチと女王バチがいて、はたらきバチは女王バチのために花の蜜を集める仕事をします。女王バチは巣の中で、蜜を食べ子供を生みます。女王バチのために、はたらきバチは仕事をするのです。はたらきバチは巣からでて、外を飛びまわって、花の蜜を集めます。ミツバチは、菜の花の蜜も集めます。蜜を集めるときに、花にとまるのですが、そのときに菜の花の花粉がミツバチの体につきます。花粉を体につけたままミツバチは別の菜の花に飛んでいきます。そうなることによって、菜の花は種をつくることができ、新しい菜の花が生えてくることができるのです。

菜の花が仲間を増やすためには、ミツバチも重要な役目を果たしているのです。

2年生説明文 「ひとの一生」 122303

地球上にはたくさんのひとがいます。しかし、ひとはみんな同じではありません。真ん丸で小さい子どももいれば、すらりと大きな大人もいます。では、私たちひとは、どのように成長し、一生を過ごしていくのでしょうか。

ひとはみんな、お母さんから生まれます。生まれたときは、みんな大人にだっこされるぐらい小さく、泣き虫です。赤ちゃんは最初は何も話せませんが、だんだんお母さんやお父さんからことばを学びます。はいはいから二本足で立ち、歩けるようになります。

大きくなると、学校に通います。そこで今まで知らなかったことをたくさん勉強します。友達もいっぱいできます。

そして学校を卒業し、社会に出て働くようになります。大人になるのです。たくさん仕事をして、けっこんもします。子どもを産んで、親になります。その子どもが子供を産み、孫もできます。家族がどんどんふえていきます。

このように、ひとの一生はいつもたくさんのひととつながりをもち、そのつながりが作った輪がどんどん大きくなります。このとき、ひとはひとの大切さ、ひととのつながりを感じるのです。みなさんも、ひととのつながりを大切に、一生を過ごしましょう。

2年生説明文 「職業」 122305

みなさんは、将来の夢をもっていますか。宇宙飛行士になりたい。先生になりたい。ケーキ屋さんで働きたい。あるいは、まだわからないというひともいるでしょう。
どんな職業があって、どんな仕事をしているのか考えてみましょう。

ではまず、お店で働いている人を考えてみましょう。ここでのお店で働く人とは、スーパーやレストランなどで直接お客さんと接する人達です。接客業といいます。お客さんと直接関わるので、この人達のイメージがその会社のイメージになります。人とのコミュニケーションが得意なひとはむいています。

次に何かを作る仕事を考えましょう。なにかを作るといってもパンをつくるひと、あるいはゲームを作る人などさまざまです。この仕事では、専門の知識と技術が必要になります。想像力も大切ですね。

他には会社の裏側で働く人達もいます。会社をよりよくするにはどうしたらいいか考えたり、他社とコミュニケーションをとったりなど仕事内容は様々ですが、私たちの知らないところで働いている人はたくさんいます。

このように、職業を考えるとたくさんあります。自分にあった仕事を探すためにも、自分としっかり向き合い、自分はどんなことが得意で、なにが苦手か。自分の強みはなにか、しっかり考えることが大切です。

2年生説明文 「スズムシの一生」 122306

 みなさんはスズムシのなき声を聞いたことがありますか。リィーン、リィーンと秋の夜にひびきわたっていますね。しかし、あの美しい声の主は、実はオスだけで、オスがメスを呼んでいる声なのです。また、仲間のオスに自分のなわばりを知らせる役目もあります。

 では、どのようにあのきれいな音色を出しているのでしょうか。スズムシのオスの、上の羽の内がわと、下の羽の外がわに、音の出るギザギザのやすりがついています。この大きな二枚の羽を立てて、小きざみにふるわせ、こすり合わせてなきます。オスは交びをすませるとしんでしまいますが、メスはその後もおうせいな食よくで生きぬいて産らんにそなえます。このときに生まれたたまごは冬をこし、次の年の六月初めに生まれてきます。

 約二か月で成虫になりますが、その間、週に一回くらいでだっぴをくりかえし、成虫になります。この間、エサを食べて成長し、だっぴをくりかえすごとに変化がみられます。
 最後のだっぴのことを「ふ化」といいます。このときは真っ白い羽がととのい、風船のようにふくれるのですが、そのすがたはとてもきれいで、神ぴてきです。
 そして八月の初めごろからなき始めます。初めはぎこちないなき声ですが、しだいにリィーン、リィーンというすずしいなき声になります。
 九月に入ると、交びを終えたオスのなき声はだんだんか細くなり、せいりょくもおとろえ、九月の終わりには一生を終えます。

 これでスズムシの一生は終わりですが、土の中にたまごが生きているのです。スズムシは六月に生まれてから、十月までの約一か月しか地上で生きることができず、のこり八か月もの間、土の中にたまごでいるのです。
 短い命でも一生けんめいに生きるスズムシ。今年の秋もすばらしい音色に耳をすましてみましょう。

2年生説明文 「かぶとむしの一生」 122307

太陽の日ざしが強い夏、森の木にたくさんとまっている大きなつのをもった虫がいます。かぶとむしです。かぶとむしは、なぜ冬には見られないのでしょうか。かぶとむしの一生をみてみましょう。

夏のおわりごろ、かぶとむしのめすはたまごをうみます。めすは
うしろ足をつかって、らんしつという丸いへやをつくり、その中にたまごを一つずつうみます。たまごはやわらかく白色ですが、だんだんかたくなり黄色っぽくなります。

およそ一ヶ月後、たまごはよう虫になります。マットというえさをたべてそだちます。よう虫は、何回もだっぴをくりかえして大きくなります。そして、そのまま冬をこします。

あたたかくなる五月ごろ、よう虫はさなぎへとへんかします。さなぎになったばかりは体が白いですが、しばらくたつとオレンジ色になり、少しずつ色がこくなってきます。頭や足は茶色くなります。
さなぎになって一ヶ月、ついにせい虫になります。せい虫になったばかりの体はまっ白です。そしてあまいチョコレートのようなかおりがします。一日ぐらいたって、うごきだします。

こうして大きくなったかぶとむしは、夏の間一生けんめい生きます。そしてまたたまごをうんで、子孫をのこしているのです。

2年生説明文 「さけの一生」 122308

さけはじぶんの生まれた川へもどっていくことで有名です。なぜ、一度はなれた川へもどってくることができるのでしょうか?

さけの多くは秋ごろ日本に帰ってきてたまごをうみます。2か月後、たまごはふ化し、さけの赤ちゃんが生まれます。

たまごのえいようをきゅうしゅうしながら育ったさけは、春ごろ、川の流れのあるところに出て、虫などを食べながらさらに成長します。そして、やがて川を下って海へでます。海へ出たさけはその後、オキアミやヨコエビを食べながら成長し、4さいになった時に、もう1度日本の川へともどってきます。

さけはどうやって自分の生まれた川がわかるのでしょうか?それは、視覚ではなく、きゅう覚をたよりにしていると言われています。さけはその川のにおいを覚えているから、もどってくることができるのです。

無事自分のふるさとの川に帰ったさけは、さらに川をさかのぼり、たまごをうみます。そしてその後、まもなくさけは一生を終えることになります。

2年生説明文 「セミの一生」 122311

 夏になると、たくさんのセミが力いっぱいなきはじめます。セミはどんな一生をすごすのでしょうか。

 セミの一生はたまごからスタートします。おやがうんだたまごからかえると、よう虫といわれるようになります。

 セミのよう虫はちかにもぐってくらします。エサは木のねっこからとります。エサといっても虫をたべるのではなく、木のえきをすうのです。こうして何年かんも土の中でくらします。

 よう虫はだんだん大きくなって、七年くらいで外にでます。からをつきやぶって、せい虫とよばれるようになります。そして木の上でなきはじめます。しかし二しゅうかんほどで、しんでしまいます。

 このように、セミは土の中でながいあいだすごし、外にでているのはわずかです。一生のほとんどを土の中でくらしているということです。だからセミは外にでているあいだ、一生けんめいなくのです。

2年生説明文 「いちごの一生」 122402

いちごは、まっ赤であまいくだものです。そんないちごはどのように生まれ、どのようにそだつのでしょう。ちょっとのぞいてみましょう。

いちごは、うえられてから水をもらいながらそだち、やがて「は」を出します。小さくてかわいいはっぱです。そして「は」が大きくなっていき、白い花をさかせます。白い花のまん中はきいろくなっていて、それがいちごの「み」になるめしべです。そしてめしべが花ふんをもらい、いちごの赤ちゃんができます。この赤ちゃんはみどりいろですが、かたちはいちごにそっくりです。じかんがたつにつれて、みどりいろから白いろになっていき、「み」は大きくなっていきます。そして先っぽのほうから赤くなっていきます。いちごのぜんたいが赤くなり、「へた」のほうまで赤くなれば、おいしいいちごのあかしです。

それからいちごは、れんにゅうをかけて食べられたり、つぶされてジュースになったり、ぐつぐつにつめられてジャムになったりします。どんな食べかたでもおいしいいちご。きみはどんな食べかたがすきですか。

2年生説明文 「せみの一生」 122405

 夏になると、「ミーンミーン」「ツクツクボウシ」「カナカナ」「シャーシャー」「ジージー」といろいろなせみの鳴き声が聞こえます。

 せみは何のために鳴くのでしょうか。せみの鳴き声はおすとめすの間のしんごうなのです。おすは自分の場所をめすに知らせているのです。鳴くのはおすだけで、めすは鳴きません。めすは鳴き声をきいて気に入ったおすのそばに行き、けっこんします。

 せみは木にたまごをうみつけます。その後、おすもめすもしんでしまいます。せい虫になってからわずか1カ月ほどのいのちです。せみはせい虫のきかんがみじかく、よう虫のきかんがながいのです。みじかいものでも三年、ながいものでは十七年間、土の中でよう虫としてくらします。

 やがて、土の中でせいかつをおえたのちに、ある夜中、せみのよう虫はふたたび地上にはいででてきます。そしてたかいところにのぼり「うか」をして、うつくしいとうめいの羽をもったせい虫になります。しわくちゃのとうめいの羽をのばし、色が茶色になりかたくなるのをまつのです。

 こうして地上にでてきたせみのおすは力いっぱい鳴いて、わたしたちに夏のおとずれをしらせてくれるのです。

2年生説明文 「森の動物たち」 122705

森にはたくさんの動物たちが住んでいます。そこに住む動物たちの生活を少しのぞいてみましょう。

クマが住んでいます。クマは、鋭いつめをもった大きな動物です。春から秋の間は活動し、冬の間は眠ります。これを冬眠と言います。そのため、秋になると、木の実などを食べ、栄養をたくさん蓄えます。冬眠の準備をはじめるのです。そして、冬になると、冬眠をして冬を越します。

リスが住んでいます。リスは、ふさふさのしっぽをもった小さな動物です。ほおの内側には、頬袋と呼ばれるものがあります。頬袋には、種子や果実などのたくさんの食べ物をしまっておくことができます。リスの中には、地上で生活するリスや、木の上で生活するリスがいます。

ヘビが住んでいます。ヘビは、手足がなく、細長い動物です。ヘビの体温は、周りの温度に合わせて変わります。あまりに暑かったり、あまりに寒かったりすると、寝て過ごします。また、毒をもったヘビもたくさんいます。

このように、森には、数えきれないほど、たくさんの動物たちが住んでいます。

2年生説明文 「セミの一生」 122901

夏の晴れた日、外では「ミーン、ミーン」などの鳴き声がします。セミたちの鳴き声です。あの鳴き声を聞くと「夏が来たなー」って感じがしますね。セミたちがこのように外で鳴くようになるまでは長い時間が必要です。その間セミたちはどこで何をしているのでしょう。

まずセミのメスは木などにたまごを産みます。1年がすぎたつゆの時にたまごからふかします。ふかしたようちゅうたちは一回だっぴした後木のみきを通って土にもぐります。

3年、5年、7年、17年と長い時間もぐっています。その間は木の根っこなどからえいようをもらい大きくなります。そしてついに土からはいでて外に出てきます。

外に出たセミたちはやがてパートナーをみつけたまごを産み一生を終えます。セミたちの寿命は一週間や3ヶ月といろいろですが、土にもぐっていたときとくらべるとすごく短い時間です。

セミたちは多くの時間を土の中ですごし、外では少しの時間しかすごせません。これがわたしたちに夏のおとづれを教えてくれるセミたちの一生です。

2年生説明文 「タンポポの一生」 122902

春になると黄色い丸い花がさく。それがタンポポ。タンポポはどのような一生をすごすのかなぁ。

タンポポは冬にめを出し成長していく。さいしょは、地面のなかでゆっくり根っ子をはやしていく。そして、地面の中からとても小さな葉を地上にのぞかせる。そしてゆっくりゆっくりと、地中にさらにねをめぐらし、地面にひっつくかのように葉をのばしていく。

春になると、成長したタンポポは、くきをのぞかせ、どんどんのびていく。やがてつぼみをのぞかせて、タンポポは黄色い花をさかせる。丸くて黄色いタンポポの花。とてもきれいないろをしている。

花が咲き、日がたつとタンポポの花はだんだん元気をなくしたかのように花がしおれてくる。はなは、日がたつとかれてしまいます。そして、タンポポの花はながあった所から綿がでてきました。種です。その種はタンポポにしっかりついています。強い風がふいてきました。種は、一気に四方八方にとんでいきました。種は、とても遠くにとんでいきまた地面におちました。

タンポポはこうやって一年をすごしている。親は子をつくり、子は大きくなりまたおやとなって子をのこす。ひとと似ているね。

2年生説明文 「せみの一生」 122903

『ミーーーン!ミーーーン!!』夏がくると、外はせみの鳴き声でにぎやかになってきます。夏の虫といえばせみ。せみの一生とはどのようなものなのでしょうか。

せみのメスは、せみのたまごを木に産みます。せみのたまごはそれから、ふかし、ようちゅうになります。ようちゅうはだっぴし、それから土の中にもぐっていきます。

土の中にもぐったせみのようちゅうは、3ねんから17ねんものあいだ、土の中にいます。せみのようちゅうは土の中にいるあいだ、少しずつ少しずつ大きくなっていきます。そして、ついに、せみのようちゅうは土から出てちじょうにでてきます。

せみのようちゅうは、木にのぼり、うかをすると、とうとうせいちゅうになります。せいちゅうになったせみは、パートナーと出会いたまごを産むと一生を終えてしまいます。せいちゅうになったせみは一週間から三ヶ月ものあいだしから生きられません。

せみは土の中でのせいかつがすごくながいですが、ちじょうでのせいかつはすごくみじかいです。ながいながい土の中でのせいかつで力をためたぶん、ちじょうに出てきたときに力いっぱい鳴くんですね。そう思うと、せみの鳴き声もかっこよく聞こえますね。

2年生説明文 「カブトムシの一生」 122904

みんなが大好きな夏の人気者のカブトムシがどのように生きているのかを調べてみましょう

まずカブトムシは夏の終わりに卵として生まれ、そこから三、四週間で還ります。還ったカブトムシは幼虫と呼ばれ、土を食べて生活します

幼虫として冬の始まりまで過ごしたら、自分の体を硬い殻で覆ってしまいます。この状態をさなぎと呼びます。さなぎの状態で冬を越すのです。

さなぎの状態で冬を越すと春に殻が割れてみんなが知っているカブトムシが中から出てきます。最初は体は柔らかいのですが、どんどん硬くなり、夏に卵を産んで秋に死んでしまいます。

みんながよく知っているカブトムシはこのようにして子供を残していくのです

2年生説明文 「竹の一生」 122905

山には色々なところに竹がたくさん並んでいます。その竹は、どうしていつもたくさんあるのでしょうか。また、竹の一生はどのようなものでしょうか。

竹の一生は、一本の竹から始まります。竹の小さいときは、みなさんが知っているたけのこです。たけのこはとても成長が速くて、すぐに大きくなります。春に見えるたけのこは、夏にはもう見事な竹になっているのです。さらに竹は、たけのこの時からそれ以上太くなることなく、そのままの太さで大きくなっていくのです。

大きくなった竹の地面には、地下けいというくきがあります。竹は上に向かって成長すると同時に、この地下けいも地面の中を広がっていくように伸ばします。その地下けいから、また新しい芽ができ、たけのこになり、また成長していくのです。竹はこれを何年もくりかえします。

やがて竹はかれていきます。かれる前に竹は、一度だけ花を咲かせて実を結びます。竹はこの時しか花を咲かしません。なので、竹の花を見たものは不吉だとか言われますが、これはラッキーなのかもしれません。こうして竹は一生を終えていきます。

このように竹は、ほかの植物とは少し違って増えていきます。みなさんがよく見るたくさんの竹は、実は地面の中でつながっている一本の竹なのです。

2年生説明文 「アゲハチョウの一生」 122906

春になるときれいなアゲハチョウが、ひらひらと外をとんでいます。いったいどこからやってくるのでしょう。

アゲハチョウはみかんのはっぱにたまごをうみます。そして、たまごから生まれたアゲハの赤ちゃんは、だっぴをくりかえして大きくなっていきます。これが「ようちゅう」です。いもむしとよばれることもあります。きけんをかんじると頭から黄色い角をだします。これで自分の体をまもるのです。

とても大きくなったいもむしは、りっぱなアゲハチョウになるためのじゅんびをします。これが「さなぎ」です。体を糸をはいてこていし、だんだん色が変わり、かたくなっていきます。体の色は周りの色と合わせて、見つかりにくくします。

さなぎにわれめができ、いよいよアゲハチョウのたん生です。ほんの数秒ですがたをあらわします。これが「せいちゅう」です。さいしょは羽がしわくちゃですが、時間がたつにつれみなさんがよく知っている羽になります。そして、そのりっぱな羽で外をとんでいきます。

こうして大きくなったアゲハチョウは、みなさんに出会います。そしてまた、たまごをうみ、新しいいのちがはぐくまれるのです。

2年生説明文 「ペンギンの一生」 122907

 どうぶつ園に行くとペンギンを見ることができます。では野生のペンギンたちはどのように生まれ、どのようにそだつのでしょう。ここではエンペラーペンギンというしゅるいについてせつ明します。

 エンペラーペンギンは南きょくの冬に、大陸のおくのほうではんしょくするただ一つのしゅるいのペンギンです。メスは5、6月にたまごをうみ、オスはそのたまごを足の上にのせ、しばしば気おんがマイナス40℃より下がるような、とてもとてもさむい中で、何も食べずにたまごをだきつづけます。メスは海で冬をこしますが、たまごをうんでから7、8週間後になるともどり、オスと交たいし、たまごからかえったひなのせ話をします。ひなは南きょくがま夏をむかえるころ、ひとり立ちします。

 

どうぶつ園で見るペンギンたちはとてもかわいくて、わたしたちをいやしてくれます。しかし、野生のペンギンたちはきびしいかんきょうの中で、一生けんめいくらしているのです。

2年生説明文 「水の生物 お寿司図鑑」 122908

みなさんはお寿司を食べたことはありますか?お寿司は好きですか?水の生物は、お寿司のネタとしてとても人気があります。どんなものが思い浮かぶでしょうか?見てみましょう。

タコがあります。生のものもありますが、ふつうはゆでたものを使います。タコのなかまは、世界の海で約200種が知られています。このうち、日本近海には約60種がいます。タコは泳ぐのがあまり得意ではないので、岩のすき間や海底にすんでいます。8本のうでで、エビやカニ、二枚貝などをかかえこんで食べます。敵におそわれた時は、ろうとからスミをはきます。相手から体が見えないようにして、姿をかくします。

イカがあります。やわらかく、もちっとした食感があります。イカのなかまは、世界の海に650〜680種がすんでいます。このうち、日本近海には約170種が見られます。泳ぐのがうまく、10本のうでを使って、プランクトンや小魚をつかまえて食べます。深い海には、変わった形をした種類がたくさんいます。敵におそわれると、ねばねばしたスミをはきます。水の中でかたまったスミを、自分の姿に見せかけて逃げます。

ウニがあります。食べるのは生殖巣という部分です。のりを巻いたご飯の上にのせます。ウニは世界に約900種います。日本では約160種います。かたいからをもち、とげを動かせることが特徴です。体の下側に口があり、海藻などをかじりとって食べます。かたいからととげで、自分の体を守っています。

タコとイカとウニを紹介しました。どんなところが似ていましたか?どんなところが違いましたか?

2年生説明文 「カマキリの一生」 122909

秋になると、くさの茂みなどに茶色の丸い固体がポツポツと現れます。これはカマキリの卵です。ここからカマキリがうまれ、両腕にりっぱなかまをもつ大きな緑色のカマキリに成長します。カマキリは一体どのような一生を送るのでしょうか?

カマキリの孵化が始まりました。
赤ちゃんは卵のあちこちから出てくるのではなく、卵の中央部の縦に沿った穴から体をくねらせながらニュッと出てきて、出てきた穴から頭を下にしたまま糸でぶら下がっています。最初に生まれてきた赤ちゃんが一番下に、次に生まれた赤ちゃんがその上に連なって、宙づり赤ちゃんのかたまりが次第に下に向かって長くなっていきます。

カマキリの卵は卵鞘(らんしょう)と呼ばれます。赤ちゃんはこの卵鞘から薄い皮をかぶった前幼虫(ぜんようちゅう)という形態で生まれてきます。この薄い皮の内側に脚や触角も包まれています。
前幼虫は宙づりになったまま全身を包んでいた薄皮から脱皮します。
垂れ下る幼虫たちがつくるかたまりの先端に目を向けると、薄皮から脱皮し、カマと触覚が現われてカマキリらしい姿になった幼虫が、今度は後続隊のつくる塊を逆に上りはじめ、卵鞘の産み付けられていた木の枝や草の茎に沿って四方に散っていきます。

誕生して数日後のカマキリがショウジョウバエを捕えて食べていました。
外見だけはすでに一人前に見えますが、体長は15mmほどで、翅がないのでまだ飛べません。
時には、カマキリ同士で死闘が繰り広げられることも・・・
生か死か、紙一重の毎日です。こうして戦いに勝ったカマキリだけが生き残ることができるのです。
数回の脱皮を繰り返し、8月初めころ、最後の脱皮を完了すると翅のある成虫になります。

秋も深まる頃、成熟した卵ではちきれんばかりにふくれあがった腹のメスは草の茎や、木の幹、塀や杭などに卵をうみ付けます。メスは腹の先から分泌する泡の中に卵を整然と並べて産むそうです。
泡は乾燥すると発泡スチロールのように軽く丈夫になって卵を保護します。しかし、いかなる防護も完璧ではなく、カマキリタマゴカツオブシムシのような寄生虫は、このバリアーを容易に突破し、卵しょうの中でカマキリの卵を食べて成長します。
また、卵がうみ付けられた草や枝が刈られて、ゴミとして燃やされることも多いようです。
様々な災難を免れた運のいい卵しょうだけが、来春、孵化することになります。

2年生説明文 「アリジゴクの一生」 122910

みなさんはウスバカゲロウという昆虫を知っていますか?ひと目見るとトンボのようですが、トンボとはちがって触覚や止まり方が少しちがっています。そして、その幼虫はアリジゴクといい、とても変わった姿と生活をしています。

アリジゴクはサラサラの砂にすり鉢のようなくぼみを作り、その底に住み、迷い落ちてきたアリやダンゴムシに大あごを使って砂を浴びせかけ、すり鉢の真ん中に滑り落として捕まえることで有名です。そして捕まえた獲物には消化液を注入し、体を溶かして吸います。吸い取った後の抜け殻は、また大あごを使ってすり鉢の外に放り投げます

アリジゴクは、後ろにしか進めませんが、初めのころの幼虫は前に進んで自分で餌を捕まえます。幼虫はさなぎになるとき土の中に丸い繭をつくります。そして、成虫になります。

成虫のウスバカゲロウもほかの昆虫を同じように食べます。そして、2週間から3週間の時間をすごして、死んでいきます。

2年生説明文 「セミの一生」 122911

みなさん、セミは知っていますよね。夏のあの暑さがさらに暑くなるような鳴き声を出す、あのこん虫です。セミが地上に出てきて1週間しか鳴いていないのです。それまで一体どうしているのでしょうか。

セミが地上に出てくるまで、なんと、7年間も地面にいると言われています。セミのお父さんとお母さんが地面に卵を産んでから卵がかえって7年間も幼虫のまま生活します。では、何を食べているのでしょうか。

セミは主に土のえいようを食べてくらしているんです。そうして、ゆっくりゆっくり成長して、7年経つと土をほって地上に出てきます。セミがサナギから出るとき、真っ白できれいなんですよ。

そうしてセミの1週間が始まります。この1週間しか生きることができないので、全力であんなに大きい声で鳴いているんですね。そうしてオスがメスのセミをよんで、次の子どもをつくります。

たった1週間だけど、全力で鳴いているセミ。はかないけど、美しい一生ですね。

2年生説明文 「ライオンの一生」 122912

みなさんのよく知る百獣の王、ライオン。動物園では寝ていることが多いですね。ではそんなライオンは野生ではどのように生まれ、生活をしていくのでしょう。

ライオンは生まれたとき、すぐにやぶの中に隠されます。ほかの動物から守るためです。このときすでにプライドと呼ばれる群れに入っており、このプライドの中で育てられます。生後11日で目が開き、三週間もすると、自由に歩けるようになります。そこからはプライドな仲間たちと一緒に暮らしていきます。このころはずっと母乳で育てられますが、ライオンの赤ちゃんはお母さん以外のメスからも母乳をもらいます。

メスは一生生まれたプライドを出ることがありませんが、オスは2、3歳ごろになると生まれたプライドを追い出されます。この場合、単独で離れる場合もありますが、たいていは2、3匹のおもに兄弟であるオスライオンと小さな群れを作って過ごします。そして4〜6歳くらいになるとほかのプライドのオスと支配権をかけて戦います。戦いに勝つと晴れてそのプライドのリーダーとしてその群れを率い、自分の子孫を残していきます。

そして年老いて体が弱ってくると、また若い新たなライオンにリーダーの座をゆずらなければなりません。リーダーとしてプライドを率いる期間はとても短く、2〜3年といわれています。

ライオンの死因の多くは、幼少期のほかの動物による攻撃や飢えや人の狩りによるもので、寿命はオスで10歳程度、メスで15歳程度です。このように、ライオンはそんなに長くは生きられません。特にオスはその人生の中で輝かしい期間はとても短い動物なのです。

2年生説明文 「桜の1年」 122913

桜は学校や公園などさまざまなところにあります。では桜はどんな1年をすごすのでしょうか。

桜は春になるときれいなピンクの花を咲かせます。公園でお花見をしたり、桜の下はいつもにぎわっています。

そして夏になると、今までピンクだった花がすべて緑色の葉っぱに変わります。今までとはかなり雰囲気が変わり、そこに桜の木があることさえ忘れてしまいます。

そして秋から冬にかけて、今まで緑色だった桜の葉っぱがすべて枯れてしまいます。木だけになり、すごくさみしい感じがします。

そしてまた春になり、綺麗なピンクの花を咲かせます。このように桜は1年を過ごしていくのです。

2年生説明文 「アゲハチョウの一生」 122914

アゲハチョウは公園や学校などで見かけることができます。では、どのような一生を過ごすのでしょうか。

まずは卵を破り孵化し殻を食べ、周りにある餌となる植物の葉を食べます。

次に蛹になります。蛹になると中では姿がみるみる変わっていきます。

そして、蛹から羽化し、皆さんがよくみかけるアゲハチョウの姿になり、いろいろな花を回って蜜を集めます。

最後に卵を自分の子の餌となる葉に、または近くに産み付けます。このようにしてアゲハチョウは生涯を過ごします。

2年生説明文 「うみの生きもの」 122915

うみには、いろんな生きものがすんでいます。わたしたちがふだん目にすることのないせかいを少しのぞいてみましょう。

まずはお魚さんにであいましたね。お魚さんはいろいろな形をしています。体の大きいものから、小さいものまでたくさんのしゅるいがいますね。あれはマグロさんかな?みんながスーパーでみるのとちがって大きくて、いっぱい海をおよいでいますね。そして、タコさんやイカさんがいるね。足がいっぱいあるね?かぞえてみようか。タコさんは8本、イカさんは10本だね。みんな数えられたかな?

あぶない!あっちにサメさんがいるよ。サメさんは大きな歯で、お魚さんをがつがつたべてしまうんだよ。でも、みんなの遊びにいくような海のあさいところにはいないから安心してね。

あれはクジラさんかな大きくて気付かなかったね。くじらさんは海では一番大きい生き物なんだ。あんまり近づくと、大きなおくちでたべられちゃうから気をつけてね。

みんな、海の生きものはたくさん見れたかな。たくさんべんきょうしたから、きゅうしょくのお魚さんも残さずたべてね。

2年生説明文 「ダンゴムシの一生」 122916

色は黒くて、にわや公園などでよくみかけるダンゴムシ。
ゆびでつつくとすぐにからだをまるめて小さくなるふしぎな生きものです。
そんなダンゴムシはどのようにして一生をすごすのでしょうか。

6月〜9月の雨のよくふる「つゆ」のころに、ダンゴムシはけっこんします。
ダンゴムシもけっこんするんですよ。
おもしろいですね。
やがて、けっこんしたダンゴムシのメスはおなかの中にあるふくろにたまごを生みます。
たまごは一ヶ月ぐらいであかちゃんになります。
あかちゃんはからだの色が白いのですぐに見つけることができます。

次に、ダンゴムシは「だっぴ」をします。
「だっぴ」とは、自分の皮をぬいで大きくなることをいいます。
あかちゃんは、だっぴをしてどんどん大きくなります。
さいしょのだっぴでダンゴムシはせなかのもようがつきます。
そして、色もだんだん黒くなっていくます。
1センチくらいになると、おとなになるけど、もっとだっぴして大きくなるダンゴムシもいます。

しかし、ダンゴムシはずっとへいわにくらせるわけではありません。
ダンゴムシは、ツバメなどのとりにエサとして食べられてしまいます。
まだ、あかちゃんで大人になっていないダンゴムシもとりに食べられてしまうことがあります。
かなしいですね。

そして、ふゆになるとダンゴムシは土の中にもぐってとうみんします。
ほんの数センチしかもぐっていないので、冬にみんながよく行く公園の土をほるとかんたんにみつけることができます。

このようにしてダンゴムシは一生をすごすのです。

2年生説明文 「カブトムシの一生」 122917

カブトムシは夏を代表とする昆虫の一つです。しかし、カブトムシというのは夏だけでなく一年を通して生きているのです。

カブトムシのメスは夏の終わりごろ卵をうみます。10日から二週間でふかします。ふかが近づくと中に幼虫が透けて見えます。ふかしたての幼虫は真っ白ですが、時間がたつと頭や足に色がついてきます。ふかした幼虫はまず卵の殻を食べておおきくなります。腐葉土をたべると体が青っぽくなります。

そして、脱皮をくりかえし少しずつ大きくなっていきます。そして冬の間は冬眠しています。そして温かくなり4月から6月のはじめにかけて蛹になります。

夏になると蛹から成虫になり土の中から出てきます。蛹からかえったばかりのときはチョコレートのような臭いがするようです。木の蜜などを栄養源として生きていきます。成虫になってからは1か月から2か月しか生きていられません。

カブトムシは成虫になるまでかなりの時間をかけています。しかし、カブトムシは今でも土の中でいきているのです。

2年生説明文 「アリとアブラムシ」 122918

春や夏に道端に咲いている、黄色い菜の花の茎の部分をよく見てみると、黒いアリがいます。
もっとよく見てみると、茎にはアリよりも小さなツブツブが付いているのに気づくでしょう。これがアブラムシです。

アブラムシは多くが飛ぶための羽根も跳ねるための強い脚も持っておらず、生まれたところの植物にくっつき、じっと汁を吸って生活しています。体を守るための殻も非常に柔らかく、アブラムシを食べようとする虫はたくさんいます。これは天敵といい、アブラムシの天敵にはテントウムシや、カゲロウの幼虫などがいます。では、アリも柔らかいアブラムシを食べるためにやってきたのでしょうか。

実は、その逆なのです。アリはアブラムシを食べるのではなく、アブラムシを守るためにやってきたのでした。アブラムシを食べようと近づいてきたテントウムシやカゲロウを、アリは攻撃して追い払っていたのです。
おや、アリがアブラムシのお尻に口を近づけています。やっぱりアブラムシは食べられてしまうのでしょうか。

いいえ、実はアブラムシのお尻からは甘い汁が出るので、アリはそれを吸っているのです。守ってもらったお返しに、アブラムシはアリに、植物から吸った甘い汁をプレゼントするのでした。

こうして、アリとアブラムシは小さいけれどお互いを支えあって生きています。生きるために他の動物と協力しあうことを、共生と言います。
あなたも必ず、誰かに支えられていることでしょう。

2年生説明文 「さくらの一年」 122919

春になると、あたりは一面のピンク色にそまります。きれいな花をさかせるさくらはどのような一年を過ごすのでしょうか。

春、さくらはまんかいの花をさかせます。少しあたたかくなると、さくらの花びらはちっていきます。

花びらがぜんぶちると、次はみどりいろの葉っぱをつけます。これははざくらとよばれます。夏は、あたり一面はみどりいろにかわります。

秋から冬にかけて、葉っぱはおちていきます。冬のさくらは、木のえだだけになって、あたたかくなるのをじっとまっています。

このように、さくらは1年をとおしてさまざまな色にかわっていきます。春だけでなく、ほかのきせつのさくらを見に行ってみてもいいですね。

2年生説明文 「いぬの一生」 122920

にんげんにもっともみぢかなどうぶつは、いぬです。おうちでペットとしていぬをかっている人もおおいでしょう。にんげんとともに生きるいぬの一生はどんな一生なのでしょうか。

いぬは、にんげんよりもとしをとるのがはやく、にんげんの4ばいから5ばいのはやさでとしをとります。にんげんにとっての7さいや8さいは、いぬのとっての3かげつなのです。にんげんは20さいで「おとな」になりますが、いぬは1さいとはんとしで「おとな」のいぬになります。かいぬしによっては、こどもをうませるひともいるので、1さいとはんとしから4さいぐらいまでのあいだにこどもをうむいぬもいます。
いぬは、7さいぐらいになると、にんげんにとってのおじいちゃんやおばあちゃんとよばれるねんれいになります。なので、たべるものもしだいにかわっていくのです。からだもよわくなっていくので、わかいときよりもたくさんのけんこうしんだんをうけなければいけません。

なかには20さいぐらいまで生きるいぬもいますが、いぬにとっての20さいは、にんげんにとっての100さいぐらいなので、とてもながいきといわれます。

いぬは、にんげんよりもはやくとしをとってしまいますが、かいぬしにかわいがられて、しあわせな一生をいきることができるのです。

2年生説明文 「せみの一生」 122921

夏、みーんみーんというなきごえがよくきこえます。せみです。
せみは、いったいどのような一生をおくるのでしょうか。

せみのたまごは、木のなかにあります。やがてたまごからかえると、一回「だっぴ」をしたあとに、土のなかにもぐっていきます

せみの「ようちゅう」は、土のなかでながいながいあいだくらします。みじかいものでも三年、ながいものでは十七年もつちのなかでくらすのです。

やがて、土のなかでのせいかつをおえたのちに、せみのようちゅうはふたたびちじょうにはいでてきます。そして木にのぼり「うか」をして、うつくしいとうめいのはねをもった「せいちゅう」がたんじょうします。

そのうつくしいはねは、さいしょはふにゃふにゃですが、しだいにかたくなって色もこくなってきます。やがて、十分にはねがかたくなると、せみはいきおいよくとびたち、みーんみーんとないて、わたしたちになつのおとずれをしらせてくれるのです。

2年生説明文 「ひとの一生」 122922

わたしたちの周りにはたくさんの人がいます。
大人、子供、お年寄り、男の人、女の人、一人ひとりがそれぞれちがう大切な存在です。
ではわたしたちはいったいどのように一生をすごしていくのでしょうか?
すこし、考えてみましょう。

わたしたちはみんな、お母さんから産まれます。
産まれたてのわたしたちはしわくちゃで、泣き虫で、でもとってもとってもかわいいです。
子供の成長の早さはとても早くて、次々と新しいことにチャレンジして、そして学んでいきます。

成長して大人になるにつれて、親や先生の言うことがいやで逆らったりしたくなります。
これがおこる時期は人によって様々で、早い人もいますし、遅い人もいます。
なかには、そんな時期が無いひとだっています。
そのほかにも、わたしたちはいろいろな経験をします。
時には楽しみ、笑い、そしてまた時には悲しみ、なやんだりします。
でもそうしたことを乗りこえて、わたしたちは大人になります。

大人になったらいろいろなことができます。
仕事をがんばる人。
けっこんして家事をがんばる人。
自分の夢を追い続ける人。
ほかにもたくさんのことができますし、なにをするか、なにをしたいかはきみたちが自分自身で決めていきます。

きみたちはいま、将来やってみたいことがありますか?
無くたって気にすることはありません。
今を大切にして過ごしていれば、気づけばきみたちだけの人生が作られていくのです。

2年生説明文 「カエルの一生」 122923

 雨の続く六月ごろ、水辺では「げこっ げこっ」と泣き声が聞こえます。カエルです。ではカエルの一生とはどういったものなのでしょうか。

 カエルは水の中で卵を産みます。カエルの卵がふかすると、中からおたまじゃくしが出てきます。

 おたまじゃくしは足がなく、体に尾ひれがついている水性生物です。大きく成長していくと、前足と後ろ足がそれぞれ出てきて、尾ひれはなくなっていきます。

 しだいに体は大きくなっていき、カエルの形になります。すると水の中から出てきて地上に上がります。カエルは地上に上がってからも、水の中で生活することはできるので、たびたび水の中へ戻ります。

 こうして、カエルは姿と生活の場を変えながら生きていくのです。

2年生説明文 「カブトムシ」 122924

 こん虫の王さま、カブトムシ。
みんなのしっているカブトムシはどんなすがたですか。
かっこいいつのにかたい体というすがただけではありません。
カブトムシのせい長を見てみましょう。

 めすのカブトムシがさん卵した卵です。
卵のへやを作ってていねいにさん卵されます。
さん卵してすぐの大きさは米つぶよりもすこし小さいくらいでだんだん形をかえながら大きくなっていきます。
さん卵からおよそ10日から2週間くらいたつと、いよいよふかとなります。
ふかしたてのよう虫は小さく、こん虫の王さまには見えません。

 これからやく10か月にもわたる長いよう虫のじかんがはじまります。よう虫はだっぴしながらしょれいよう虫→2れいよう虫→3れいよう虫となっていきます。

 2れいよう虫です。
ふよう土をじゅうぶんに食べながら、大きくせい長してきます。
しょれいよう虫にくらべて、あたまの大きさが一まわり大きくなります。

 3れいよう虫です。
おおくのカブトムシたちはこのじょうたいで冬をすごします。大きさもおやゆびくらいにせい長し、あたまの色も黒っぽい色をしています。

このころになると、おすかめすのくべつができるようになります。
長い冬をすごしたよう虫は、春になってあたたかくなってくると、もう一どえいようをたくわえ、さなぎになるじゅんびをはじめます。

6月ごろになると、さなぎ用のへやを作り、えさを食べなくなります。

へやの中で体は黄色くかわって、しわしわになってきます。
それから2週間くらいたつと、いよいよさなぎへとすがたをかえます。

さいしょは白っぽい色をした、いかにもよわそうなじょうたいですが、じかんがすぎると、だんだん茶色くなります。
あたまが黒くかわりだしたら、いよいよふかです。
さなぎになってから3週間くらいでふかします。
ふかしてすぐはうしろのはねが白く、とてもやわらかいですが、だんだん黒くかたくなっていきます。

ふかしてから10日ほどで、ちじょうへかおを出します。
えさばは、おすにとってたたかいのばでもあり、めすに会えるばしょでもあります。
こうびがすんだめすは、さん卵ばしょへととび立ちます。
おすはこうびがおわると、うごけなくなります。
めすはさん卵がおわると、まもなくうごけなくなります。

ふかしてから、やく2か月。
カブトムシの一生がおわります。

2年生説明文 「無題」 122925

 ここはアフリカ。広大な土地の真ん中にバッファローが群らがっています。今まさに、食べ物をもとめて新しい土地へと大移動を始めようとしているところです。
「早くおいで、おいていくわよ、スー。」
「待ってよ。私だって一生懸命なんだから。」
スーはこの群れの中でまだ生まれて間もないバッファローの子供です。母親に追いつこうとするのですが、どうもおいて行かれがちです。

長い長い旅ももう終わりに近づいてきたころ、お母さんは言いました。
「いいかい、スー。食べ物がいっぱいある場所に行くには、あの川を渡らなくてはいけません。でも困ったことに川にはワニがいて私たちが来るのをお腹をすかせて待っているのよ。」
「やだよ。そんなとこ行けっこないよ」スーは動こうとしません。
「じゃあお母さんが先に行くからそこでよく見てなさい。」
そして、お母さんが向こう岸までたどり着くと、早く来るようにさいそくします。

 なかなか踏み出すことのできないスーを見ていた群れの中のボビーは
「びびってんじゃねーよ。向こう岸まで行きゃパラダイスさ。ずっとそうやってることだな。」
と余裕をかまして川の中へ入っていきます。しかしそのときです。水しぶきが上がったと思うと、ボビーが水中に引き込まれていきます。ワニです。彼が襲われているところを見るとますます足がすくんでしまいました。

それでも群れのみんなはお構いなしで次々に川を渡って行きます。とつぜん、スーは誰かに後ろからぶつかられて川の中に飛び込んでしまいました。
「こわいよ。こわいよ。」
まったく動こうとしないスーを見つけたワニが今度はこちらに向かってきます。「もうだめだ。」あきらめかけたとき、お母さんがやってきて間一髪のところでスーを助けることができました。
「よくがんばったね。」
涙を目にいっぱい浮かべてお母さんに抱きつきました。

川をこえたら、そこには食べ物の楽園。スーの親子を含めたバッファローの群れは幸せに暮らしました。

2年生説明文 「セミの一生」 122926

ミーンミーン、ミーンミーン。
せみがないています。夏がやってきました。セミは、いつどこで生まれ、なぜ、夏だけないているのでしょうか。

秋になると、セミのお母さんがたまこをうみます。たまごは、6がつごろ、つまり、梅雨の時期まで、土の中にねむっています。

梅雨の時期になると、卵から白色のようちゆうがでてきます。このようちゅうこそがせみのようちゅうなのです。まだ、羽もありません。とべません。なけません。ようちゅうは、長ーい地下でのせいかつを、はじめます。なんかいも、自分の皮をぬいで、さいごには、茶色のようちゅうになります。このころ、ようちゅうは、地上のようすをうかがいはじめます。

ついに、夏、晴れた日の夕方に地上にでてきて、次の日の朝にかけて、さいごの、皮をぬぎ、羽とあしのある、大人のせみになるのです。大人になったセミはなきはじめ、夏が終わる頃、卵を生んで、天国に行ってしまいます。

このように、せみは、あっという間の一生を、ようちゅうのあいだはおとなになるために、皮をなんかいもぬぎ、ごはんもいっぱいたへ、おとなになったら、いっぱいなき、一生懸命生きています。わたしたちも、毎日をせみのように。一生懸命いきたいものですね。

2年生説明文 「フウセンカズラの一生」 122927

フウセンカズラはつる性の一年草で熱帯性の植物です。

夏になるとフウセンカズラはぐんぐんとつるを伸ばし、緑がかった白い花をさかせます。とっても小さな白い花です。花が咲いた後には袋状の実をつけます。このとき、実の形がふうせんのように見えるため、フウセンカズラと呼ばれるのです。

この実は中が空洞になっていて色は明るいグリーンから茶色に変わっていきます。
秋にはひとつの実から種が3つとれます。種は全体が黒くてハート形の白い模様ができるのが特徴的です。

冬になるとフウセンカズラは寒さで枯れてしまいます。一年間で成長し、種を残して
枯れてしまうため、一年草とされています。

ふうせんのような実やハート形の模様のついた種などとてもかわいらしい植物ですね。
他にはどんなものがあるでしょうか。

2年生説明文 「カブトムシの一生」 122928

 みなさんは、カブトムシを見たことがありますか。夏にカブトムシを捕まえたり、戦わせたりしたことがある人もいるでしょう。しかし、昆虫の王者であるカブトムシは、生まれた時から立派な体をしているわけではありません。では、どのようにしてカブトムシは成長していくのでしょうか。

 カブトムシの一生は、めすのカブトムシが、夏の終わりごろに、土の中に卵を生むことから始まります。生まれてすぐの卵は、米粒よりも小さなサイズで、丸い形をしています。産卵から、およそ10日〜2週間ほどで孵化し、幼虫となります。このころのカブトムシは、とても小さく、昆虫の王者の風格はありません。そして、10ヶ月間、土の中の栄養をとりながら、幼虫としてすごします。

 長い冬を越えた幼虫は、春になって暖かくなってくると、再度栄養を蓄え、さなぎになる準備を始めます。カブトムシは、なにも食べなくなり、2週間ぐらい経つと、さなぎになります。最初は白っぽい色をした、いかにも弱そうな状態ですが、時間の経過と共に次第に茶色く変色します。

 さなぎになってから、3週間ほどで羽化します。羽化直後は羽が白く、とても柔らかい状態ですが、次第に黒く堅くなっていきます。羽化してから10日ほどで、地上へ顔を出します。この脱出は月夜に多く見られるため、成虫たちは月の光に向かって飛びたつと言われています。

 このように、強いイメージのあるカブトムシですが、一生のうちの大半を土の中で過ごし、地上に出て約2ヶ月後、子孫を残してその一生を終えるのです。

2年生説明文 「モンシロチョウの一生」 122929

モンシロチョウをしっていますか。
ひらひらととんでいるのを見たことのある人は多いでしょう。
では、どのように生まれてどのようにしんでいくのかはしっているでしょうか。
しらない人も多いのではないでしょうか。
今日は、モンシロチョウの一生を紹介します。

モンシロチョウはたまごから生まれます。
たまごはとても小さく、いろはきいろでほそながいかたちをしています。
キャベツやブロッコリー、アブラナのはっぱのうらにうみつけられています。
モンシロチョウはうまれてすぐに白いはねでとびたつわけではありません。
うまれてすぐはあおむしです。
あおむしはキャベツやブロッコリー、アブラナのはっぱをたべてどんどん大きくなっていきます。
大きくなると、あおむしはさなぎになり、うごかなくなります。
しばらくたったとき、あおむしはモンシロチョウとなってさなぎの外に出てきます。
モンシロチョウは白いはねでひらひらととびながらパートナーをさがします。
パートナーが見つかると、たまごをうみます。
このようにしてモンシロチョウは生まれ、しんでゆきます。

モンシロチョウは子どもやまごをのこすためにいっしょうけんめいとびまわっているのです。

2年生説明文 「あげはちょうの一生」 122931

夏になると、花のみつをもとめて飛びまわるあげはちょうをよくみかけるようになります。このあげはちょうは、どのように成長するのでしょうか。

みかんなど葉っぱをよくみてみましょう。黄色いつぶがついていることがあります。それが、あげはちょうのたまごです。たまごはうみつけられてからしばらくすると、ふかしてちいさなようちゅうがでてきます。うまれたばかりのようちゅうは一ミリほどの大きさで、まず自分のたまごのからをたべます。そのご、はっぱをたべはじめます。

ようちゅうは、だっぴをくりかえしておおきくなっていきます。さいごのだっぴで、くろっぽかったからだがみどりいろになり、みんながよくしっているようちゅうのかたちになります。このようちゅうをさわったりおどろかせたりすると頭からだいだいいろのにほんの角といやなにおいをだすことでてきをいかくします。

このようちゅうも何日かたつと、さなぎになります。さなぎになることでせいちゅうになる準備をしながら、ふゆをこすのです。さなぎになってから二週間ほどたつと、色が黒っぽくなっていき、羽化がはじまります。さなぎの上部にひびが入り、そこからあげはちょうがすがたをあらわします。でてきたばかりのじょうたいははねがたたまれしわくちゃになってますが、じかんがたつときれいに伸びて、りっぱなあげはちょうがうまれます。

このようにしてあげはちょうはみごとな変身をとげるのです。

2年生説明文 「カエルの一生」 122932

みなさんはカエルを見たことがありますか。カエルは田んぼなどの湿ったところに住んでいます。カエルの子供はオタマジャクシと呼ばれます。では、オタマジャクシはどのようにカエルへと成長していくのでしょう。

カエルの卵はゼリー状でひとつひとつの卵が連なってできています。卵からかえったオタマジャクシは手と足がありません。そのかわり、シッポをもっています。オタマジャクシはシッポをうまく使って、水のなかを泳ぎます。

オタマジャクシは成長してくると、やがて足が生えてきます。その次に、手が生えてきます。そして、シッポが徐々に短くなってゆき、最後にはシッポはなくなってしまいます。オタマジャクシから見事にカエルへと変身したのです。

大きくなったカエルは地上でパートナーを見つけ、交尾します。そのあと、メスのカエルが卵を産みます。

そして、卵からオタマジャクシが生まれ、カエルに変身し、また卵を産む。それがまた繰り返されることで、カエルは子孫を残すのです。他の生き物の一生についても調べてみましょう。

2年生説明文 「クロシジミの一生」 122933

 クロシジミは全長17〜23oくらいの小さなチョウです。けどその小さな体にも関わらずクロシジミの一生はとても冒険に満ちています。
 クロシジミの一生はどのようなものなのでしょうか?

 クロシジミは卵からかえると小さなころはアブラムシがお尻から出す汁を舐めて過ごします。これはアブラムシが植物から吸い取った密でアブラムシのお尻をトントンと叩くと出てくるんです。
 少し大きくなったクロシジミ。ですが、そのクロシジミがアリに囲まれて運ばれていきます。実はこれ、アリに食べられちゃう訳ではなくクロシジミの作戦なのです。
 アリの巣に運ばれたクロシジミはアリの幼虫に混ざってなんとアリからごはんをもらえるのです。
 なぜクロシジミはアリに食べられないで逆にごはんんをもらえるのでしょうか?
 その秘密はクロシジミが出すフェロモンにあります。実はクロシジミが出すフェロモンはアリの幼虫や卵だ出すのと同じ匂いがするのです。なのでこの匂いを嗅いだアリはクロシジミを自分たちの赤ちゃんと勘違いしてクロシジミを巣に運んで育ててしまうのです。
 こうしてクロシジミは労無く暖かい寝床とごはんを手に入れたのです。

 寒い冬をアリの巣穴で過ごし、夏が近づいた6〜7月のこと。
 今まで幼虫の部屋でごはんを食べてごろごろしていたクロシジミの幼虫が慌てた様子で部屋を出ていきます。アリ達がクロシジミを部屋に連れ戻そうとしますがそれをも振り切って出口を目指します。それまで安定した暮らしをしていたのにどうしたのでしょうか?
 巣の出口近くまで来たクロシジミの幼虫は突然立ち止まると糸を出して自分を包み始めます。サナギとなるのです。
 クロシジミはサナギになってもフェロモンを出し続けるのでアリに攻撃されることはありません。こうしてクロシジミは安全な巣の中で成虫となるのです。

 夏。サナギとなったクロシジミについに異変が起こります。
 サナギの殻を破って成虫となったクロシジミが出てきたのです。ですが、クロシジミはまだしわくちゃの羽を伸ばすやいなや慌てて巣から出て行こうとします。どうしたのでしょうか?
 実は成虫となったクロシジミはもうフェロモンを出す力を失ってしまっているのです。
 アリが今までよくも騙したな!とでも言うようにクロシジミを攻撃します。スパイ映画さながらのその脱出劇の末、葉っぱの上まで上るとクロシジミはようやく安全な空へと飛び立つことが出来るのです。

 こうして冒険に満ちたクロシジミの一生はこの後、恋をして、卵を産んでようやく幕を閉じます。
 そして、この卵から孵る幼虫もまた冒険に満ちた一生を送ることとなるのでしょう。

2年生説明文 「クサガメの一生」 122935

 きみは、田んぼや川のわきで日光よくをしているカメを見たことがありますか?それはこうらに黄緑色のふちどりがあり、頭の横がわから首には黄緑色のもようがついていましたか?
あるならそれはきっとクサガメでしょう。
 クサガメはなぜ日光よくをするのでしょうか。クサガメは体温がひくくなると行動ができません。そのため日光をあびて体の体温を上げなければならないのです。体温がじゅうぶんに上がるとクサガメはうごきだします。

 6〜8月の間に、クサガメはタマゴを水辺の地中にうみつけます。このタマゴはだいたい4〜6コです。水辺の地中にタマゴをうむのはタマゴをがいてきからかくすためです。
 タマゴは2カ月ほどでカメの赤ちゃんになります。このとき大半のカメの赤ちゃんは地中で冬がすぎるのをじっとまっています。ときどきまちきれずに外にでてしまう赤ちゃんもいます。

 そして春になり子ガメたちは地上へとでてきます。このクサガメの子どもを日本ではゼニガメとよんだりもします。
 クサガメは、ざっしょくで魚、草、こうらのかたいカニまでたべます。
そしてすききらいをせずにご飯をモリモリたべるクサガメはどんどん大きくなっていきます。

 っあ!クサガメが近所の子どもたちにつかまってしまいました。このようにキケンがせまった時にクサガメは後ろの足からクサイにおいをだして、みをまもります。子どもたちもクサイにおいに、びっくりしてクサガメをはなしました。
 このように、いろいろなこんなんをこえて大きくなっても、クサガメは残念ながらカメックスとよばれるようにはなりません。ただのクサガメです。

 田んぼや川のわきはクサガメの日光よくスポットです。たくさんのクサガメが日光よくを楽しんでいるでしょう。

2年生説明文 「カエルの一生」 122936

梅雨の季節や夏の雨の日に、田んぼや畑にいるカエルですが、カエルはどのようにして成長するのでしょうか。

カエルは卵から生まれたときは、オタマジャクシと呼ばれます。カエルのように足や手はなく、魚と同じように水の中でしか生きられません。川や田んぼ、池などで岩についたコケや藻を食べて成長します。

オタマジャクシが大きくなると、だんだん尻尾のつけねから足が生えてきます。まだ、水の中でしか生きられませんが、だんだんと水かきの付いた立派な足になると、前足も生えてきます。そして、足が生えるにつれ尻尾も短くなり、徐々にオタマジャクシからカエルの姿に近づいていきます。

尻尾もなくなってもうカエルの姿になると、陸の上でも生活することができるようになります。カエルは、オタマジャクシの姿の時はえらという器官でしか呼吸できませんが、カエルの姿になると、皮膚と肺で呼吸することができます。このようにえら呼吸から肺呼吸に変わる生き物のことを、両生類といいます。

カエルとオタマジャクシのように、子供のころと大人の姿が変わる生き物は他にもたくさんいます。身の回りで探してみましょう。

2年生説明文 「くまのみとイソギンチャクの共生」 122937

いきものの中には、 きょう力しながら生きていくいきものたちがいます。海の中では、くまのみとイソギンチャクがきょう力しながら生きています。では、どのようにきょう力しているのでしょうか。

くまのみは、小さい魚です。みなさんも、良く知っての通り、ディズニーの映画に出てくる魚です。小さいので、大きな魚にねらわれたりします。そして、大きな魚にすぐたべられてしまいます。

イソギンチャクには、どくがあります。海のいきものたちは、イソギンチャクにふれてしまうと、死んでしまいます。しかし、くまのみは、イソギンチャクのどくにふれてもだいじょうぶなのです。それは、くまのみは小さいときからイソギンチャクとくらしているからです。

くまのみは、イソギンチャクの中にいると、大きな魚にねらわれにくくなります。また、イソギンチャクは中に弱った魚や、魚のしがいがあると、くまのみが食べさせてくれます。

このように、くまのみとイソギンチャクは、きょう力しあって生きているのです。

2年生説明文 「ヤドカリのちえ」 122938

みなさんはヤドカリを見たことがありますか。ヤドカリはエビやカニの仲間で甲殻類とよばれています。まき貝の貝がらを背負っていどうするすがたがよく見かけられています。海岸で動いている貝を見つけたとき、そのほとんどがヤドカリなのです。

なぜヤドカリは、貝がらを背負うのでしょう。それは、てきになる魚たちから身をまもるためです。ヤドカリが貝がらの中にかくれました。このことで、魚たちは、ほかの貝たちと見分けがつかなくなります。また、かたい貝がらにかくれることで、魚たちに食べられなくすることもできます。

ヤドカリが子どものころは貝がらを背負っていません。大人に成長していくにつれて、自分にあった貝がらを見つけてそれを背負うのです。けれど、自分にあった貝がらを見つけて、その中に住んでいても、成長して入らなくなってしまうときがあります。その時は、貝がらをすてて、べつの貝がらをさがし、引っこしをします。

ヤドカリの中にはイソギンチャクをからにくっつけるものもいます。イソギンチャクのしょく手にはどくがあるので、さかなたちは、よりヤドカリに近づきにくくなります。貝がらだけを背負うよりもあんぜんですね。さらに、イソギンチャクはヤドカリといっしょに海をいどうすることもできるのです。

このように、ヤドカリは海で生きていくために、海のほかの生きものをうまくりようしているのです。

2年生説明文 「アリとアブラムシ」 122939

 このせかいでは、ことなった生き物がきょうりょくしながら生きています。アリとアブラムシもそのれいの一つです。いったいどのようにして生きているのでしょうか。

 アブラムシはそのままでいるとテントウムシに食べられてしまいます。しかし、アリがそばにいると、そのアリがテントウムシを追い払ってくれるので、アブラムシはあんぜんにすごせます。

 アブラムシはしょくぶつからえいようを手に入れています。なので、そのしょくぶつがかれてしまうと、アブラムシはしんでしまいます。アリはアブラムシがしなないように新しいしょくぶつのところへはこんでくれます。 

 アリはこのようにしてアブラムシのお世話をしています。ではアブラムシはアリにどんなきょうりょくをしているかというと、アリにみつをあげています。そのおかげでアリはかんたんにエサがてにはいるのです。

 アリとアブラムシいがいにもきょうりょくしながら生きている生き物はたくさんいます。自分でかんさつなどしてはっけんしてみよう。

2年生説明文 「ありとありまき」 123013

みんなは、お友だちとたすけあって何かをしたことがありますか?小さな植物の上でくらしているちいさなむしたちのなかには、お友だちとたすけあっていきているむしたちがいます。ありとありまきは、そのなかでもとくになかよしです。

ありまきはおしりからあまいみつをだすことができます。ありはあまいものが大好き。なので、ありはありまきからこのあまいみつをわけてもらいます。

ありはとても大きくて強いあごをもっています。ありまきはとてもちいさなむしです。なので天敵がとても多い。そこでありまきが天敵にねらわれたときは、ありがそのつよいあごで敵をおいはらい、ありまきを守ります。

おたがいに助け合うことは、ほかの人たちと同じ環境で生きていくのには、とてもだいじなことですね。みんなもお友だちと仲よく助け合っていきましょう。

2年生説明文 「カマキリの一生」 123119

みなさんは秋に見かける虫といえば、どのような虫を思い出しますか。たくさんの虫を思い出すことでしょう。その中でもカマキリは代表的な虫のひとつです。カマキリがどのようにしてその一生を過ごしていくのかを見ていくことにしましょう。

カマキリは卵から生まれてきます。カマキリの卵は数百個もの数が集まって大きな塊になっています。そして生まれてきたカマキリたちはすぐに脱皮をします。

生まれてきたカマキリの幼虫がまず食べるのは、ダニやアブラムシなどです。しかし、まだ幼虫であるカマキリにとって、アリは天敵のひとつです。体が大きくなってくるとショウジョウバエや、天敵だったアリも食べることができるようになります。

そうして何回か脱皮を繰り返し、成虫になっていきます。成虫の寿命は数か月しかありませんが、その間も獲物を食べて成長し続けます。最後には、卵を産んで死んでしまいます。

このようにしてカマキリの一生は始まり、終わるのです。

2年生説明文 「地球」 123817

とっても広い宇宙には、多くの星があります。あるところでは星がうまれ、あるところでは星が消えてなくなっていきます。私たちが生活しているこの星も、宇宙にたくさんある星のうちのひとつです。私たちが住んでいるこの星の名前を知っていますか。この星の名前は地球です。

地球は何才か知っていますか。地球は約46億年才だといわれています。私たちが生まれるずっと前に、きょうりゅうが生まれるずっと前に地球はできたのです。誕生したときはまだ私たちや生き物が住める星ではありませんでした。それから長い年月をかけて生き物たちが住むことが出来る星に変わっていきました。また生き物たちも星の場所や気温などに合わせて変わっていきました。そして今私たちは生きています。

地球の形や色を知っていますか。地球は青色の丸い形をしています。地球には多くの海や水が存在しています。地球のほとんどを海がおおっています。地球が青く見えるのは海があるからかもしれませんね。

地球にはどんな生き物が生活しているか知っていますか。地球には多様な生物が存在しています。植物や昆虫、虫、魚、動物、人間などのいろいろな種類の生き物たちがこの地球にすんでいます。わたしたちはみんなお互いに協力し合っていきているのかもしれませんね。

みんなはほかに地球について知っていること、知りたいと思っていることはありますか。わたしたちはこれからもこの地球で生活していき、気候や場所によって私たちの考え方や体が変わっていくかもしれません。それは生き残っていく上で大切なことです。しかし、地球を傷つけていくのはいいことではありません。なのでこれから何年たっても青いきれいな星であり続けるようにこの地球を守っていきましょう。

2年生説明文 「葉っぱの一生」 123819

 季節には春、夏、秋、冬があります。それぞれの季節には特長があり、それは数え上げられないほどです。その中でも一番身近に季節を感じられるものがあると思います。それは葉っぱです。では葉っぱをさまざまな葉っぱを見ながら、季節を感じていきましょう。

 春や夏。それは暖かい季節そして暑い季節です。その頃に葉っぱを見ると、新緑の元気な葉っぱを見ることができます。春に芽吹きだんだんと数が増え、夏には木全体を緑で埋め尽くすくらいたくさんの葉っぱが生い茂っているのです。

 秋。夏の暑さから涼しくなる季節。秋には、赤や黄色の葉っぱを見ることができます。一本の木にさまざまな色をした葉っぱが生えているようすはとても美しいです。そして、その葉っぱたちが風が吹くたびに散ってゆくのです。

 冬。寒く空気が冷たく感じる季節。冬には葉っぱを見ることができません。なぜなら、冬になるまでに地面に落ちてしまうからです。ですが、目に見えなくてもみなさんが歩く地面になった葉っぱは周りの木の肥料として役立っているのです。

 葉っぱは季節を通じてさまざまな姿に変化をします。春に芽吹き、夏に青々とした葉っぱになり、秋に赤や黄色の葉っぱになる。そして、散ってもなお、肥料として役立つのです。つまり葉っぱは毎年毎年忙しく変化するものなのです。

2年生説明文 「せみの一生」 123820

 夏になると、木にとまっているせみが鳴きはじめます。あつい夏の日にせみが一日中鳴いていると、うるさくかんじる人もいるかもしれません。

 せみは木の近くの土の中にたまごをうみます。つぎの年のつゆのじきになると、たまごからうまれ、よう虫になります。よう虫は半とうめいの白い色で、うすいかわをかぶっています。それからせい虫になるまで六年間土の中でじっとしています。

 六年たった夏の晴れた夕方、せみは土の中から出てきます。地上に上がって木のみきにのぼります。少しするとせなかがわれて、白いせい虫が顔を出します。体がからから出ると足でぶら下がり、白い羽をのばします。

 成長になったせみは、木のじゅえきをすいます。しかしせいちょうするまで六年間も土の中にいたのに、せみはたった一週間しか生きられません。

 一週間、せみは毎日せいいっぱい鳴きつづけるのです。

2年生説明文 「水とわたしたち」 123821

 わたしたちの生活に水は欠かせません。しかし、水はときにおそろしいものになることもあります。2011年に東北をおそった津波も水ですね。便利さと恐ろしさを兼ね備える水と、世界の人々はどのように接しているのか見てみましょう。

 砂漠を知っていますか。どこを見てもすなばかりの場所のことです。ここでは雨がほとんど降らないので、お風呂にざぱんと入ったり、飲み水をがぶがぶ飲んだりすることがなかなかできません。ですので、オアシスという水がたくさんたまっているところのまわりに住んだり、水をひいてきたりして少ない水を大切に使って砂漠の人々は生活しています。

 反対に、水がありすぎて洪水が多い国もあります。雨がたくさんふるせいで水があふれてしまうのです。津波とは別ですが同じように町が水に流されてしまいます。

 ここで、水とうまく暮らしているイタリアのヴェネツィアを紹介しましょう。ヴェネツィアは一年中、安定して雨が降ります。水が足りない、なんてことはありません。むしろ「水の都」と呼ばれるほど海に囲まれた街です。しかし、簡単に洪水は起こりません。なぜなら防波堤というバリアーで海から町を守っているからです。

 しかし、ヴェネツィアも条件がそろえば大きな津波が起こります。自然は私たち人間の手に負えない大きな存在なのです。

2年生物語文

2年生物語文 「野いちごつみ」 91444

 「たくさんたくさん、野いちごがあるかなぁ?」
エイミーは、おばあさんのお誕生日にケーキをつくることにしました。ケーキにはたくさんの野いちごをのせます。
今日はケーキにつかう野いちごをつみに、森にきました。
ずんずん歩いていくと、そこにはたくさんの野いちごがありました。
「わぁ!たくさん野いちごがある。たくさんとって、ケーキにたくさん使おう。」
エイミーは、時間も忘れて野いちごつみに夢中です。
はっ、と気づいてあたりを見回すと、もうあたりは真っ暗。
「どうしよう。おうちに帰れない。」
エイミーはぐるりとまわりを見ましたが、ひっそりとしていてひとかげはありません。
「わーん。」
ついに、エイミーは泣き出してしまいました。

 すると、その泣き声が聞こえたのか、エイミーのひざにリスがやってきました。
「どうして泣いているの?」
リスはエイミーに声をかけました。
「野いちごをつんでいたら、おうちへ帰れなくなっちゃった。帰り道が分からないの。」
エイミーは泣きながらリスに言いました。
「きみのおうちは、どんなおうち?」
リスはたずねました。
「わたしのおうちは、赤い屋根のおうちよ。」
エイミーは答えました。
「トリさんなら知っているかもしれない!トリさんに聞いてみよう。」

 リスは上を見上げていいました。
「おうい、トリさん!少し力をかしておくれ。」
トリはすぐにリスのもとにやってきてたずねました。
「どうしたんだい、リスくん。」
リスはへんじをして言いました。
「トリさんは、赤い屋根のおうちを知っている?」
トリは少し考えてから言いました。
「知ってるよ。だけど、ぼくは赤い屋根のおうちを2けん知っている。花がたくさんさいているおうちと、となりに池があるおうちを知っているよ。どっちだろう?」
エイミーはトリに返事をしました。
「わたしのおうちは、、花がたくさんさいているおうち!」
「それなら、どんぐりの木をたどっていってごらん。どんぐりの木は、リスくんがよく知っているよ。」
エイミーは言いました。
「分かった!トリさんありがとう。リスさん、どんぐりの木を教えてくれる?」

 リスはエイミーに言いました。
「もちろんさ。どんぐりの木なら、ぼくはよく知っているよ。ぼくがきみをおうちまでおくっていこう。」
エイミーはもうすっかり泣き止んで、にっこり笑って言いました。
「リスさん、ありがとう。」
「じゃあ、早速出発だ!」
リスさんはエイミーの肩にのり、どんぐりの木を教えながら道を進んでいきました。
ずんずんずんずん進みました。

 すると、急に森がひらけて広場が見えてきました。
「わたしのおうちだ!」
エイミーは嬉しそうな声で言いました。
「リスさん、一緒におうちを探してくれてありがとう。」
リスもエイミーの嬉しそうなかおをみて、嬉しくなりました。
「おうちが見つかってよかったね。森に行ったときは、早くおうちに帰るんだよ。」
「リスさんのおうちは、どこなの?」
エイミーはたずねました。
「ぼくにはおうちはないんだ。どんぐりの木の上で寝ているよ。きみは帰るおうちがあっていいなぁ。」
リスはさみしそうに言いました。
「じゃあ、わたしのおうちに一緒に住もう。どんぐりの木もあるし、お水もあるよ。」
「本当に?それはすごく嬉しいな!」
リスはぴょんぴょんととびはねてこたえました。
エイミーはつんだ野いちごを使ってリスとケーキをつくり、おばあさんにプレゼントすることができました。
そして、リスは今もエイミーのおうちで一緒に暮らしています。

2年生物語文 「カブトムシの夏」 102917

 「もうすぐこわい夏がやってくる!」
カブトムシくんが言いました。
「きっとだいじょうぶだよ カブトムシくん。」
クワガタムシくんが落ち着いたようすで言いました。
 カブトムシくんにとって夏はすごくこわいきせつなのです。なぜなら、人間につかまえられる危険があるからです。

 「きょねん ぼくのともだちは人間につかまってつれさられたんだ。」
と、カブトムシくんがふるえた声で言いました。
「じょうずににげれば平気さ。」
と、クワガタムシくん。
「どうやったらじょうずににげられるんだよ」
「じゃあいっしょに訓練するかい」
 2ひきのむしはいっしょに訓練することになりました。

 あつい中、いっしょうけんめい訓練しました。
 はやくとぶ、すばやくとびたつ、はっぱのかげにかくれる…
 クワガタムシくんはたくさんのことを教えてくれました。

 知らない間に夏もまっさかりです。げんきな子どもたちがむしかごとあみをもって木の下からねらっています。
 カブトムシくんは平気でした。クワガタムシくんもすばやくとびたったりして、楽しんでいるようにもみえました。
 2ひきのむしは訓練したおかげで無事にげきることができました。

 カブトムシくんとクワガタムシくんは、その晩、気持ちよく眠りました。

2年生物語文 「無題」 102927

くまのたけひこは冬眠の準備に大忙しでした。冬眠をする前にたくさんの食料を集めてたくわえておかなければいけません。しかし、いつものようにたけひこのもとには悩みをかかえた動物たちが相談にやってくるのでした。

ねこのゆずがやってきて「家のカギを失くしちゃったんだ。これじゃあ家に帰れないよ。どうしよう?」と言いました。たけひこは栗を拾うのに忙しかったし、カギがどこにあるかなんて検討もつかなかったのでちょっと適当に答えました。「じゃあお隣さんのふみこの家に行ってみたら?」と言いました。ゆずはしょんぼりしながら「わかった。そうしてみるよ。」と言って帰りました。

今度はさるのふみこがやってきて「今晩ゆずが家にくるって言うんだ。でも私の家はすごく散らかってるの。どうしよう?」と言いました。たけひこは柿を取ろうと必死だったのでちょっと適当に答えました。「じゃあいしだに片付けるの手伝ってもらったら?」と言いました。ふみこはどうしていしだなんだろう?と思いながら「わかったわ。そうしてみるね。」と言って帰りました。

しばらくするとうさぎのいしだがやってきて「ふみこの家を片付けているとふみこのじゃないカギがでてきたんだ。誰のだと思う?」と言いいました。たけひこはたくさんのどんぐりを抱えたままはっとしました。もしかすると…と思って「いしだ、一緒にふみこの家に行ってみよう」と言いました。

たけひこといしだがふみこの家に行き、しょんぼりしているゆずに「このカギゆずのじゃないかい?」と言うと「ぼくのだ!どこにあったの?」とゆずが言うのでたけひこは今までのことを話しました。ゆずが「本当にありがとう!お礼に僕の家で特上の魚をごちそうするよ。ふみこもいしだも一緒においでよ。」と言いました。その夜はたけひこも冬眠の準備を少し忘れて、4人で楽しくすごしました。

2年生物語文 「おいだされたけいたとおに」 103811

「おには外!ふくは内!」
近所のおうちからはまめまきの声がきこえます。でもけいたはまめまきはできません。今日は、いつもかえらないといけない5じをすぎてかえってしまい、おかあさんからしめだされてしまったのです。
「はんせいするまで、おうちにはいってはいけません。」
お母さんの鬼のような声をききながら、『少しくらいすぎてもいいじゃないか、ケチ』と心のなかでつぶやきました。けいたはだんだんくらくなる空を見つめながら、すわる地面が冷たいげんかんでぼんやりと近所の豆まきの声をきいていました。

 空は真っ黒になり、道の電とうがともりました。
そのとき……
なんとけいたの家のおにわの奥から、大きな人かげがでてきたのです。
「わぁっ…」
けいたはこわくてこわくて、かすれた小さな叫び声しかもれませんでした。そのかげはだんだんけいたに近づいてきて、そのすがたを見せました。もじゃもじゃのかみのけからはつのが生えていて、手には大きな大きな、とげのついた棒をもっています。けいたは小さくかがみこんで、両手で顔を押えながらも指のすき間からそのすがたをながめます。すると、しゃがみこんだけいたには山のように大きく見えるそのかげは、けいたの指のすきまから、けいたの顔をのぞきこんできました。
「なんだ、人間のこぞうがこんなさむい中でなにをしちょる。」
「ひゃぁっ!」
けいたののどからは声にならない音がもれました。かげだったものは、今ははっきりとすがたがわかります。大きな赤いおにです。
「おにさんは何をしているの…?」
おそるおそるきいてみました。
「わしはこの家にすんどるおにじゃ。いつも、食たくの飯を少しばかりはいしゃくさせてもらっとうのじゃが、今日はどうも『おには外!おには外!』なんてゆうて、わしをおんだすんじゃ。もうはらがへってはらがへって…」
けいたはその話をきいて、なんだか自分と同じだと思いました。いつもすんでいるおうちをおいだされるのは、とてもさびしいし、かなしいのです。
「おにさん、よかったらこれ、食べてよ。」
けいたは今日あそんでいるときに食べのこしたポテトチップスをかばんから取り出し、おににさしだしました。
「なんや、じゃがいもあげか。これはいい。ぼうず、おまんはこんなおににもやさしくしてくれるんか。ありがたや。」
おにはそう言ってけいたのあたまをなで、やさしいかおでさっていきました。

けいたはまたしゃがみこんで、お母さんがげんかんをあけてくれるのをまつことにしました。しかし、なにやらへんな音が聞こえてきます……。

がんっがんっがんっ!!

あわてて立ち上がると、なぜかけいたの家だけがゆれています。なにかになぐられているのか、すさまじい音がします。すると、げんかんからお母さんがあわててとびだしてきて、けいたをだきかかえました。
「けいた、じしんよ!中に入りなさい。」
おかあさんのかおは真っ青です。けいたをだいじそうにだきしめて、つくえのしたに入りました。けいたは、『お母さんはぼくのことをこんなにしんぱいしてくれていたんだ。』と、なんだかもうしわけなくなりました。

 しばらくしたらじしんはおさまりました。けいたは、マフラーもてぶくろもしたままだったのであせだくです。
「お母さん、ごめんなさい。明日からはちゃんと5じまでにかえるね。」
「ありがとう。そういってくれたらお母さんは安心よ。さぁ、ごはんにしましょう。」
つくえのうえにはまきずしが並べてあります。お父さんもそろそろかえってくるのかなぁ。そんなことを考えながら窓の外を見ると、なんとあのおにがこちらを見てブイサインしています。けいたも、にかっとわらってブイサインしました。

2年生物語文 「たんじょうび」 112710

今日は、はるかの5才のたんしょうびです。
はるかは、朝おきたときから、とても幸せな気分でした。
「うれしいな、わたし、今日で5才になったのよ。」
はるかはあさごはんを食べて、きがえて、さんぽにでかけました。とてもいいてんきです。

すきなうたをうたいながら歩いていると、うさぎにであいました。
「うさぎさん、おはよう。」
「おはよう、はるかちゃん。なんだかうれしそうだね?」
「うん、今日はわたしのたんじょうびなの。」
「そうなんだ。おめでとう!」
「ありがとう、うさぎさん。」
はるかは、朝おきたときより幸せな気分になりました。

さっきよりもおおきなこえでうたをうたいながら歩いていると、こんどはくまにであいました。
「くまさん、おはよう。」
「おはよう、はるかちゃん。どうしたの、そんなににこにこして。」
「今日はわたしのたんじょうびなの。」
「そうなんだ。おめでとう!」
「ありがとう、くまさん。」
はるかは、さっきよりももっと幸せな気分になりました。

スキップをしながらうたをうたって歩いていると、こんどはきつねにであいました。
「きつねさん、おはよう。」
「おはよう、はるかちゃん。なにかいいことがあったの?」
「今日はわたしのたんじょうびなの。」
「そうなんだ。おめでとう!」
「ありがとう、きつねさん。」
はるかは、もっともっと幸せな気分になりました。

けれど、だんだんおなかがすいてきました。
きがつけば、そろそろおひるどきです。
「おうちに かえろう。」
はるかは家にかえりました。
「ただいま!」
「おかえり、はるかちゃん。どこにいってたの?」
おかあさんがいいました。
「さんぽにいってたの。うさぎさんとくまさんときつねさんにあったのよ。みんな、おたんじょうびおめでとうっていってくれたの。」
「よかったわね。5才のおたんじょうび、おめでとう。
 さあ、手をあらってらっしゃい。ごちそうと、ケーキがあるわよ。」
「やったあ!!」
はるかはきちんと手をあらって、ごちそうをおなかいっぱいたべました。
そのあとに、おいしいチョコレートケーキをたべました。
「ハッピーバースデー、はるかちゃん!」
はるかは家族みんなにおいわいされて、さいこうに幸せな気分でした。

2年生物語文 「ゆうたの」 112713

ゆうたは小学一年生の男の子です。学校では「おとなしい子」です。
だってクラスのみんなはいつでもおしゃべりだったんですもの。じゅぎょうちゅうでも休みじかんでも「はい、先生」ってはっきりいえるんですもの。ゆうたが話すひまなんてないんです。でもいつもゆうたは思っていました。「ぼくだって、いっぱいお話したいのにな。」

ゆうたは家にかえってお母さんに、今日がっこうであったはなしをします。「みはなちゃんはね、めがねをかけてるんだよ。たろうくんは、サッカーがうまいんだよ。」
それをきいてお母さんは言ってくれました。「ともだちいっぱいできたんだね。」
ゆうたはそれをきくと、つらくなりました。
「ぼくだって、いっぱいなかよくなりたいのにな。」

あるひ、ゆうたすこしだけ早くおきて、すこしだけ早くごはんをたべて、すこしだけ早くいえを出ました。お母さんはちょっとだけしんぱいそうでしたが、ゆうたに「いってらっしゃい」といいました。ゆうたもすこしふあんそうに「いってきます」といいました。

すこしだけ早い学校には、まだけいたくんとかなちゃんのふたりしかいませんでした。「すこしだけ、ほんのすこしだけ」とゆうたはじぶんにいいきかせました。
「お、おは、」うまくいえません。きょうしつはうるさくないのに、いえでいるときみたいに言いたいのに。
「お、おは、、、おはよう」やっといえましたがこえがちいさくて、はなしをしているふたりにはきこえませんでした。ゆうたはくじけそういになりましたがおもいきって大きなこえでいいました。「おはよう!」
ふたりはすこしゆうたの大きなこえにびっくりしたようでしたが、えがおでいってくれました。
「おはよう」

ゆうたはその日えがおで家にかえりました。そしていつもとおなじように学校の話をしました。
「けいたくんはね、家に犬をかってるんだって。かなちゃんのすきなたべものはいちごなんだって。それでね、それで、」
それをきいてお母さんはわらっていいました。「ともだちできたんだね。よかった。」
「うん」ゆうたはおおきなへんじをしました

2年生物語文 「無題」 113103

「たかし!いいかげんへやのかたづけしなさい!」
お母さんの声がリビング中にひびきわたった。ぼくはかたづけというものが大きらいだった。めんどくさいし、きれいにしたってどうせまたちらかるし。でもここさいきんお母さんは毎日のように言ってくる。だれかおかたづけしてくれるお手伝いさんとかいないかなあ、、、、。へやに入ってみるけれども、たしかにきたない。ゆかは足のふみばもなく、たなはほこりだらけで、あまりへやにいたくない気分になってしまう。「しょうがない。そろそろへやをきれいにしよう。」

まずはベッドの上。ぬぎっぱなしのふくをせんたくかごにいれるものはいれて、たたむものはきれいにたたむ。お母さんがこんなこと毎日やっているとかんがえるとすごいなと思ってきた。だんだんベットの上のシーツが見えてきて、ひろびろとねれるばしょになった。今日からぐっすりねれそうだ。

次にちらかったおもちゃをかたづけよう。ぬいぐるみ、くるま、えほん、手がとれてしまっていた人形も手をくっつけてあげた。おもちゃも家に帰れずに何日もほっておかれてたなんてかわいそうでもうしわけなく思ってきた。だんだん足のふみばがたくさんでてきてゆかでねころべそうだ。

さいごにほこりのついたところをふこう。ほこりまみれのたなをふいてえほんもよごれずにだせるようにして、けしきも見にくかったまどもぬれタオルでキュキュッとふくと、外のけしきがものすごくきれいに見えた。たいようの光がへやにさしこんでへやを明るくした。さらにまどもあけて、むさくるしかったへやの空気もさわやかなものにかわった。

かたづけがおわりへやをみわたすと、ものすごくへやが広く感じられて、ものすごく住みやすいへやになった。めんどくさいと思ったけど、やはりへやはきれいなほうがいいな!これからは遊びおわったおもちゃや服はすぐに元のばしょにもどそう。「お母さん!おへやかたづけたよ!」

2年生物語文 「どろぼうサンタ」 113104

 サンタの島ではクリスマスプレゼントの準備で大忙し。おもちゃをきれいにラッピングしたり。色とりどりのリボンをつけたり...子ども達が喜ぶ姿を思い浮かべながら、せっせと働いていました。

 そしてクリスマスの夜、サンタは準備したプレゼントを袋につめ、ソリに乗って出発しました。1軒1軒子ども達がすやすや眠っている姿を見て、朝起きた時に喜んでいる姿を想像しながら枕元に置いたり。靴下に入れたり、子ども達を起こさないように気を付けながらプレゼントを配っていきました。

 サンタを楽しみに待っているケンタ君。サンタを1度見てやろうと思い、眠たいのを我慢して起きていました。ついに心待ちにしていたサンタさんがやってきました。ケンタは慌てて眠ったふりをしました。サンタはいつも通りプレゼントを置いて帰ろうとしました。その時です。サンタは足元に落ちていたロボットのおもちゃが壊れていることに気がつきました。サンタはすっとすのロボットを拾いあげ、ポケットに入れて家を後にしました。

 ケンタはその動きを見ていました。ケンタはサンタにロボットを持って行かれた、盗まれた!!と思い、泣きだしてしまいました。サンタは言ってしまい、ロボットを取り返すことはできません。サンタと連絡を取ることもできません。ケンタは悲しくて悲しくて仕方がありませんでした。ケンタはサンタが嫌いになりました。サンタはどろぼうだ、と思いました。

 次の年、ケンタはサンタを捕まえて懲らしめてやろうと思い、クリスマスの夜は起きていました。眠くなっても、冷たい水で顔を洗って必死に起きていました。12時を過ぎた頃、サンタが来ました。ケンタは大きな声で「どろぼうサンタ!!」と叫び、サンタに飛びかかりました。サンタはケンタの話を聞いて申し訳ないと思い、わけを話しました。そして直したロボットをケンタに渡しました。ケンタはサンタの優しさを知り、どろぼう呼ばわりしたことを謝りました。ケンタは優しいサンタを見て、将来サンタになりたいな、と思いました。

2年生物語文 「おでん」 113119

あるところに、卵くんと大根くんとがんもどきくんがいました。
みんなあったかいおだしの中でしゃべっていました。
そうです。
みんなおでんの具になっているんです。

するとある時、がんもどきくんが泣き出しました。
「どうしたんだい?がんもどきくん」
「みんなはいいよな。色んな人に食べてもらえて。」
「僕は全然食べてもらえないんだ」
「特に子どもたちに全然食べてもらえないんだ。」
「どうしてだい?」
「きみたちは有名だからみんなえらんでくれるんだけど
僕は全然有名じゃないからまずえらんでもくれないんだ。」
ずっとないていました。

卵くんと大根くんは相談しました。
「どうしようか…」
「うーん…」
「何か工夫をすれば食べてくれるんだと思うんだけど…」
「じゃあこうしよう!」
卵くんが言いました。
「僕の弟のうずらを中にいれちゃおう!」
「それはいい!」

ある日、卵くんは弟のうずらとがんもどきくんを呼び、
中に入れる提案をしました。
がんもどきくんくんはさいしょはしぶりましたが説得され
うずらくんをなかにいれることにしました。

するとどうでしょう!
こどもたちはどんどんがんもどきくんをえらんで食べてくれます!
がんもどきくんは有名になりみんなに好かれる具になりました。

2年生物語文 「色」 113612

「おはよう。」
「おはよう。」
「昨日は何かあった?」
「いつも通りさ。学校にいって、授業を受け、帰って寝る。ほんといつも通りさ。」
「変わったことをしたいとは思わないのかい?」
「別に。この生温かいくらいの時が心地いいのさ。」
僕の周りは人形だらけ。陶磁器のような肌で、無機質な眼。いつ見ても愛想笑いを浮かべてる。自己主張なんてしない。当たり障りのない会話をし、ただ笑みを浮かべて事なきを得る。そんな日常を淡々とおくっている。
世界は灰色だった。

いつもの通学路、舗装された道に無表情に起立する電柱。たいして中身のないランドセルに人形みたいな僕。

おや、電柱の脇に何かある。ダンボール箱だ。そこから微かにミーミーと鳴き声が聞こえる。猫だ。やせ細った貧相な毛玉みたいな猫だ。
恐る恐るその毛玉に手を伸ばすと、すり寄ってくる。頼るべき何かを僕の手に感じたのだろうか。喉元をなでるとゴロゴロと気持ち良さそうである。

いつもの通学路、舗装された道に無表情に起立する電柱。たいして中身のないランドセルに温度を得た僕。両手に抱えるダンボール箱。中には毛玉が寝ている。
世界に色を得た日。

2年生物語文 「大きくなあれ」 113803

「あ!みつばのクローバー!」
 うさぎのななこちゃんは、おばあちゃんのいえからの帰り道、クローバーを見つけました。クローバーはたくさん生えています。しかし、その中にひとつだけ、それはそれは小さなクローバーがぽつんと生えていました。
「みんなのように、大きくなれなかったのね。」
ななこちゃんも、学校でみんなに、背が小さいねと言われます。
「大きくなるまで、わたしが見まもっててあげる!」

 ななこちゃんは学校がおわると、毎日クローバーのところまで行っては、小さいクローバーに、お水をあげました。
「大きくなあれ。大きくなあれ。ぐんぐん ぐんぐん 大きくなあれ。」
毎日、毎日、ななこちゃんは小さな小さなクローバーにお水をあげました。

 いえにかえると、ななこちゃんは、おたん生日会のじゅんびに大いそがしです。大すきなおばあちゃんの、六十さいのおたん生日会です。今週の日曜日、おばあちゃんをななこちゃんのいえにしょうたいしています。
「はやく日曜日にならないかなあ。」
ななこちゃんは楽しみでしかたありません。

「ザーザー!」
 日曜日、天気はあいにくの大雨でした。この雨では、おばあちゃんがななこちゃんのいえに来ることはできません。ななこちゃんは悲しくなって、まどのそばにすわって、なきはじめました。

「コツ、コツ、コツ。」
 しばらくして、まどをたたく音がして、ななこちゃんは顔を上げました。すると、大すきなおばあちゃんが、立っているではありませんか。
「おばあちゃん!」
そとにとび出して、ななこちゃんはおばあちゃんにだきつきました。おばあちゃんの頭の上では、それはそれは大きなクローバーが、おばあちゃんがぬれないように、はっぱを大きくひろげていました。よく見ると、それは、あのとっても小さかったクローバーでした。
「おばあちゃんをつれてきてくれたのね。ありがとう!」
 おばあちゃんの、おたん生日会がはじまりました。おばあちゃんも、ななこちゃんも、クローバーも、みんな笑顔です。

2年生物語文 「ゴロ君の夏の日の出来事」 122016

 犬のゴロ君は、水が大の苦手です。友だちがみんな池で犬かきをして泳いだり、水遊びをしていても、ゴロ君だけは絶対に水に入りません。どんなに暑い夏の日でも、ゴロ君は水に入りません。
「ゴロ君、どうして水に入らないの。とっても気持ちがいいよ。一緒に遊ぼうよ。」
「いやだよ。ぼくは水がきらいなんだ。水遊びなんて、するもんか。」
こんなふうに、友だちに誘われてもいつも断ってしまいます。
実は、ゴロ君が水がにがてなのには理由があるのです。
ゴロ君がまだ小さかった頃、池にはまっておぼれてしまったことがあったからです。それ以来、ゴロ君は水に入ることがこわくなってしまったのです。

 ある夏の日、ゴロ君はいつものように、お母さんにもらったお気に入りの麦わらぼうしをかぶって、池の周りをさんぽしていました。その日はとても風の強い日でした。ヒューヒューと風は音を立て、まわりの花や草をなびかせています。  

 「そろそろ帰ろうかな。」
そう思ったとき、突然、ヒュルーーンと、とても強い風が吹きました。
「あっ。」
気が付けば、かぶっていた麦わらぼうしが空を舞っています。
「待ってーー。」
ぼうしを追いかけ、ゴロ君は一生懸命走ります。ぼうしはもう池の上を飛び、今にも池に落ちてしまいそうです。ゴロ君はぼうしを取り戻すことに必死で、水が苦手なことを忘れ、池に入って泳ぎ、ぼうしが池に落ちてしまう前にとることができました。

 「よかった。」
ゴロ君は、ホッと息をつきました。
「あれ、ゴロ君、水に入っているじゃないか。」
近くにいた友だちにそう言われてはじめて、ゴロ君は自分が水に入り、泳いだことに気が付きました。
「あれ、ぼく、水に入っている。なんだ、水って全然こわくないんだ。それに、冷たくてとっても気持ちがいい。」

 この日から、コロ君は水嫌いを克服し、大好きになりました。暑い日には、みんなと水遊びをし、犬かきをし、快適に過ごすことができましたとさ。

2年生物語文 「天気雨」 122024

ある森の中、きつねがいっぴき。
その森ではきつねはむれでくらしていた。けれども、山狩りによってきつねたちはその数をへらしていったのだ。
そのきつねは山狩りからにげることができたさいごのいっぴきだったのだ。

「ああ、はらがへったなぁ」
だれにいうでもなく、きつねはひとりつぶやく。
山狩りはなにもきつねだけでなく、ほかのどうぶつたちも同じく狩られてしまったのだ。そのため、きつねはえさを見つけるのも一苦労。ここのところろくなものも食べてない。
山には川があって、そこには魚もいるが、きつねは魚をとるのが下手で、やっぱりおなかがすいていた。
「なにかたべるもの、ないかなぁ」

きつねがえさを探していると、がさがさ、と物音が聞こえた。
「なにがいるのだろう」
ひょっとしたらえさかもしれない。そう思ったきつねは、物音の正体をたしかめにいった。
「おお、釣れた釣れた」
そこにいたのは、つりをしている青年だった。
「ああ、人間だった。これは隠れないと」
人間と出会えば、ほかの仲間たちのようにころされてしまうかもしれない。そう思ったきつねは人間に見つからないように、こっそりと逃げ出そうとしました。
しかし、その青年は間が悪いことに、きつねに気がついてしまったのです。
「おや、きつねじゃないか。こんなところにまだいたとは」
青年はそう言ってきつねに近づきます。きつねは殺されるかもしれないという思いで、足がすくんで動きません。
ああ、殺されるのか。そうきつねは思いました。
「みたところ、やせているじゃないか。この魚を分けてやろう」
青年はきつねの考えとはまったくちがって、魚をきつねに差し出しました。

それからというもの、きつねと青年は毎日毎日同じ場所で会いました。
青年は魚を釣り、きつねにさかなをあげる。毎日毎日。
きつねも最初は怪しいと思っていましたが、食べ物がもらえるということ、そしてそれが毎日続いていることからいつからか青年と会う日が楽しみになってきました。
ある日のこと、いつも通り青年がきつねに魚をあげていました。
魚をおいしそうに食べているきつねを見て、青年はふとつぶやきました。
「きみもぼくも、ひとりぼっちなんだね。でも、きみはぼくとはちがってとても幸せそうだ。ああ、ぼくも幸せになれたらなぁ」

「おまえ、最近楽しそうよな」
「そうかなぁ」
「そうとも。なにか良いことあったのか?」
「実はな、彼女ができたんだよ」
「おお、よくやったじゃないか」
「あはははは」
「あはははは」
その男とその彼女が結婚したとき、雨は降っていたのに空は晴れていたそうだ。

2年生物語文 「仲のいい友達」 122036

 リカは小学校2年生の女の子です。
人見知りで友達の少ないリカでしたが、もっと仲良くなりたいなと思っている人が一人いました。マナといって、明るくて面白い女の子です。マナといると楽しくて、休み時間があっという間にすぎてしまいます。リカはマナの友達になりたいと思っていました。
 しかしマナにはショウコというもっと仲のいい友達がいました。リカが話しかけようとすると、ちょうどショウコと話していて声をかけられなかった、ということが何度もありました。
「ショウコちゃんばっかりずるい。」
リカはそう思っていました。

 ある日リカは、もうすぐマナの誕生日であることを知りました。
「誕生日プレゼントをあげたら、それをきっかけにもっと仲良くなれるかもしれない!」
リカは休みの日に近くのショッピングモールへと出かけました。マナちゃんってどんなキャラクターが好きなんだろう、などと考えながら文ぼう具屋さんにたどりついたとき、リカはショウコちゃんとばったり会ってしまいました。
「わあ、リカちゃん!びっくりした、何してるの?」
「いや、私は・・・マナちゃんに誕生日プレゼントあげたくてね、探してた。」
「私も!いっしょだね、2人で探そうよ」
リカちゃんはショウコちゃんと2人でお買い物をすることになりました。

「ねえショウコちゃん、こんなのどうかな」
「それだったらこっちも良いよ!」
2人はいっしょうけんめいにプレゼントを選びました。2人で考えているとなんだかとても楽しくて、リカもショウコも時間をわすれてショッピングモールを歩きまわりました。あまりに楽しかったので、3時間はたった頃でしょうか。帰らなければいけない時間ギリギリになって、ようやく2人はヘアゴムとクッキーをプレゼントに決めました。

 2人は帰りながら、たくさん話をしました。
「今まで私、リカちゃんとあんまりしゃべったことなかったね。」
「そうだね。でも今日すごく楽しかった。」
リカは一日休みなく歩いたのでヘトヘトでしたが、それでも楽しくて、ショウコとわかれた後もスキップしながら家に帰りました。

 「マコちゃん、お誕生日おめでとう!」
マコの誕生日の日、リカとショウコは2人でお祝いしました。リカはマコだけでなくショウコという友達も出来て、うれしい気持ちでいっぱいでした。

2年生物語文 「キツネの兄弟」 122040

 とある森に三匹のキツネの兄弟がいました。兄弟はいつも喧嘩ばかりしていたので、お母さんは困り果てていました。「やめなさい。仲よくしなさい。」と、お母さんが言っても、兄弟は知らんぷりです。

 ある日の朝のことです。兄弟が起きると、お母さんの姿がありません。お母さんがどこへ行ったのかは誰にも分かりません。兄弟はさっそくけんかを始めます。次男と三男は「お兄ちゃんがお母さんの言うこと聞かないから、お母さんが出て行ったんだよー」と言います。長男は「けんかを始めるのはいつも君たちだろ」と言います。

 しかし、お母さんはお昼になっても帰ってこないので、キツネの兄弟はお腹が空いてきました。三男が「食べ物を探しに行こうよ」というので、お兄さんたちも「仕方ない。行こう。」と言って、兄弟はけんかをやめて食べ物を探しにいきました。子どもだけで、森を歩くのは初めてなので、みんなビクビクしていました。そこで長男が勇気を出して「よし、お兄ちゃんについて来い」と言いました。弟たちも「うん。」と言って、素直についていくことにしました。

 キツネの三兄弟は、道に迷いながらも、みんなで話し合いながら進む道を決め、やっとの思いで、食べ物を見つけました。そして、食べものも分け合って食べました。「おいしいね。」みんなでそう言いながら食べました。帰るときも、長男を先頭に家に帰りました。

 家に帰ると、お母さんがいました。「どこ行ってたの?」兄弟が口々にたずねると、お母さんは「あなたたちが協力して行動できるか試してみたのよ」と言いました。長男は「僕たち、みんなで食べ物見つけてきたんだよ。もうけんかしないよ。」と言ったので、お母さんは安心して「これからは仲よくするのよ」といいました。「はい。」兄弟は声をそろえていいました。それから三匹のキツネの兄弟は仲よく暮らしました。

2年生物語文 「はじめてのおつかい」 122048

しょうがっこうにねんせいのりかちゃんはきょうはじめておかあさんにおつかいをたのまれました。おかあさんは「ぶんぼうぐやさんでのり、スーパーでぎゅうにゅうとおとうふ、やおやさんでトマトをかってきてね。」といいました。りかちゃんはどきどきわくわくしながらいえをでました。

まずはぶんぼうぐやさんです。りかちゃんはぶんぼうぐやさんまではまよわずにいけました。のりはみずのりとスティックのりがあってりかちゃんはなやみました。だけどおかあさんがいつもみずのりをつかっていることをおもいだして、なんとかかえました。

つぎはスーパーです。りかちゃんはおかあさんとなんどもスーパーにいったことがあるので、ぎゅうにゅうのあるばしょもとうふのあるばしょもわかりました。だけどとうふはうえのほうにあったのでりかちゃんのしんちょうではとどきませんでした。こまっていたら、となりにいたおねえさんがたってくれました。りかちゃんはちゃんとおれいをいいました。

さいごはやおやさんです。やおやのおじさんはりかちゃんがひとりできたのをみてたくさんほめてくれました。そしておまけにきゅうりを三ぼんくれました。りかちゃんはおれいをいって、スキップしていえまでかえりました。

りかちゃんがいえまでかえってくると、おかあさんがいえのまえでまっていてくれました。りかちゃんは「ただいま。」といって、かってきたのりとぎゅうにゅうとおとうふとトマトと、それからおまけのトマトをおかあさんにわたしました。おかあさんは「おつかれさま、ありがとう。」といって、おいしいジュースとおかしをだしてくれました。そのひのよるごはんには、まーぼーどうふとトマトときゅうりのサラダがでて、りかちゃんとおかあさんとおとうさんはおいしくいただきました。りかちゃんのはじめてのおつかいはだいせいこうにおわりました。

2年生物語文 「すずめとカラス」 122301

すずめさんは巣の前で、何かを待っているようでした。

ある日、カラスくんが飛んできて、言いました。「何しているの、すずめさん。何かあったの。」
「まあ、ちょっとね。」すずめさんは言いました。
「私は今待っているの。プレゼントを待っているの。」
「どういうこと。」カラスくんが聞きました。
「だって私、プレゼントをもらったことがないの。みんなもらっているのに。」
「一回もないの。」カラスくんが聞きました。
「うん、一回もないの。」すずめさんが答えました。二人とも悲しい気分で空を見上げていました。

すると、カラスくんが言いました。
「ぼく、もう帰らなくちゃ。やらなきゃいけないことがあるの。」
カラスくんは急いで家に帰り、カラスくんの大切なビー玉をはこにいれました。はこに、こうかきました。
「すずめさんへ」
カラスくんは外にでて、ハトさんにこの運ぶをすずめさんに届けてくれるよう頼みました。

そのあと、カラスくんはすずめさんの家に戻りました。そして、すずめさんにそう声をかけました。
「すずめさん、もうちょっとプレゼントを待ってみようよ。誰かがプレゼントを送ってくれるかもしれないよ。」
「くるわけないよ。」すずめさんが言いました。
「そんなことないよ。だって、ぼくが君にプレゼントを送ったんだもの。くるにきまってるよ。」カラスくんは言いました。
「え、あなたが。」

すこしすると、ハトさんがプレゼントを届けにすずめさんの家にきました。プレゼントを受け取って、すずめさんはとても喜びました。

2年生物語文 「誕生日プレゼント」 122303

なおきくんは、げんかんの前に座っていました。ゆうじくんがやってきて、言いました。
「どうしたの、なおきくん」
「ぼく、今日誕生日なんだ」
なおきくんが言いました。
「へえ。誕生日おめでとう」
ゆうじくんが言いました。
しかし、なおきくんは悲しそうな顔をしていました。

「ねえ、どうして誕生日にそんなに悲しそうなんだい」
ゆうじくんは言いました。
すると、なおきくんはため息まじりに言いました。
「ぼくは、誕生日プレゼントをもらったことがないんだ」
「一度ももらったことがないのかい」
ゆうじくんか言いました。
「ああ、一度も」
なおきくんが言いました。
「どうせ今年ももらえないんだろうな…」
なおきくんは悲しそうにつぶやきました。

「ごめん、ぼくもう帰らなきゃ」
ゆうじくんはそう言うと、走って帰っていきました。
家についたゆうじくんは、自分の宝物のサッカーボールを箱に入れて、郵便局にそれを預けました。
その後、ゆうじくんはもう一度、なおきくんのもとへ行きました。

「あれ、ゆうじくん。帰ったんじゃなかったのかい。」
なおきくんは驚きながら言いました。
「ぼくは、ここできみあてのプレゼントが届くのを待ちに来たんだよ」
ゆうじくんは笑顔で言いました。
「待ってもむだだよ。プレゼントなんか、来やしないんだから」
なおきくんは悲しそうに言いました。
すると、ゆうじくんは優しく、なおきくんに言いました。
「ぼくがきみにプレゼントを送ったんだ」
「きみが」
なおきくんが言いました。
「そうさ。きみが大好きなサッカーボールだよ。一緒にサッカーしようね」
ゆうじくんが言いました。
「ありがとう」
なおきくんが笑顔で言いました。

それから2日後、サッカーボールがなおきくんのもとに届きました。今では、毎日なおきくんとゆうじくんは楽しくサッカーをして遊んでいます。

2年生物語文 「かみひこうき」 122306

 たいよう山にうさぎのぴょんきちとうさたろうが住んでいました。二ひきは大のなかよしです。
 ある日のこと、「今日もひまだなあ。ねぇ、うさたろう。何かしてあそぼうよ。」とぴょんきちがいいました。「そうだなあ。あ、そうだ!かみひこうきを作ってあそばないかい?」うさたろうがいいました。「カミヒコウキ?」ぴょんきちがたずねました。「うん。この前、おかあさんに教えてもらったんだ。かみでひこうきを作って、お空にとばすんだよ。」「へぇ、たのしそうだね。やってみよ
う!」

 こうして二ひきのかみひこうき作りがはじまりました。しかし、なかなかうまくいきません。どれもすぐに落っこちてしまうものばかりです。それを見ていたカラスが笑いました。「あほぅ、あほぅ。そんなへなちょこなかみひこうきを作っていったいどうするんだい。」ぴょんきちとうさたろうはかなしくなりました。でもあきらめません。
 なんどもなんどもかみひこうきをおり直しました。毎日おりつづけました。そしてついに・・・。

 「できた!!」二ひきは声を合わせていいました。「こんどこそぜったいとぶよ!とばしてみよう!」うさたろうがいいました。
 せーのっ。ひゅーーーーー。
 二ひきのとばしたかみひこうきは空をまい、木々をくぐりぬけ、はるかかなたへとんでいきました。
 「やったーー!!」二ひきはだきあってよろこびました

 「あきらめなければかならずできる。」ぴょんきちがいいました。「そうだね。これからもいっしょに力を合わせてがんばっていこう。」うさたろうはえがおで答えました。
 はるかかなたで今もかみひこうきがとんでいました。

2年生物語文 「おたんじょうび」 122307

クマさんはずっとケーキやさんのまえにたっていました。そこに、ネズミくんがとおりかかりました。「こんにちは、クマさん。どうしたの?」「おお、ネズミか。」クマさんはいいました。「おれ、あしたがたんじょうびなんだ。でも1人ぐらしだから、だれにもおいわいしてもらったことがないんだ。」クマさんはかなしそうにいいました。「そうなんだ…でも、クマさんのとなりにはリスくんがすんでいるじゃない。リスくんにおいわいしてもらったらどう?」とネズミくんはいいました。「自分からおいわいしてだなんて、はずかしくて言えないよ。」とクマさん。ネズミくんはこころのなかですこしかんがえました。そうだ、ぼくとリスくんでクマさんをおいわいしよう。「クマさん、ぼく今からようじがあるんだ、またね!」ネズミくんはクマさんとわかれ、リスくんのところへいきました。

「リスくん、おねがいがあるんだ。」「どうしたんだいネズミくん。」「クマさん、あしたがおたんじょうびなんだって。ぼくとリスくんで、クマさんにないしょでおいわいしてあげない?」「そうなんだ!やろうやろう。」2人はくまさんのたんじょうびパーティーをひらくことにしました。

「ね、どうせなら、むらのみんなをよぼうよ!」ネズミくんはそういい、むらのなかまたちをあつめました。ウサギちゃんに、イノシシくんに、それからヘビくん。
「みんなで、クマさんをおいわいしよう!!」

そして夜がすぎ、クマさんのたんじょうびがきました。クマさんのもとに、リスくんからでんわがかかってきました。
「ねぇ、クマさん。わたしたいものがあるんだけど、ぼくのいえにきてくれない?」「わかった」
なにもしらないクマさんが、おとなりのリスくんのいえにいくと…

「おたんじょうび、おめでとう!!」クラッカーがなり、くまさんはびっくりして目をつむりました。そしてゆっくり目をあけると、そこにはむらのみんながいました。えがおのネズミくんがいいました。「みんな、クマさんのおたんじょうびをおいわいしたいっていったら、きてくれたんだ。」
クマさんはうれしくて、なみだがでました。「ありがとう、みんな。さいこうのたんじょうびだよ。」

そして、みんなでなかよくケーキをたべ、うたいながら、もりあがりました。クマさんは、たんじょうびってこんなにしあわせな日なんだと、はじめてかんじました。

2年生物語文 「ともだちとけんか」 122308

小学校二年生のたっくんは登校するときも、学校でも、家へかえるときも、いつもおさななじみのこうくんといっしょです。ある日、たっくんはなきながら家へかえってきました。

「どうしたの?がっこうで何があったの?たっくん。」お母さんは心配そうに聞きました。
「こうくんとけんかしちゃったんだ。」
その日の昼休みに、たっくんはドッチボールをしようとこうくんにさそいましたが、こうくんはドッチボールじゃなくてバスケットボールがしたいと言って聞かなかったので、けっちゃくがつかず言い合いになりました。帰り道もたっくんとこうくんは口をききませんでした。
「たっくんはこうくんとはなせないままでいいの?」お母さんはやさしくたっくんに聞きました。
「ううん、ぼく言いすぎちゃったと思うんだ。あした学校でこうくんにあやまるよ。」たっくんはけっしんしました。
「えらいわね、さあ、さむいから早くいえの中に入ってあたたまりなさい。」お母さんはそう言って、二人はいえに入りました。

こうくんにあやまろうときめたつぎの日、たっくんはかぜをひいてしまいました。
お母さんは体温計を見て言いました。「三十七度もあるから今日は休みなさい。」
「まって、今日はこうくんとなかなおりしに学校に行かないといけないんだ。」
「そんな体では行けません。あったかくしてねなさい。先生にでんわしておくからね。」
たっくんはこうくんのことが気になってしばらくねることができませんでした。
「こうくん、まだおこっているかなあ。」そう思いながら、いつのまにかねむっていました。

たっくんはおきて、自分のつくえの上を見ると、たくさんのリンゴがおかれていました。
「ねる前にはおいていなかったはずなのに、いつお母さんおいたのかな。・・・あれ?」
リンゴのそばに「こうより」と書かれたカードがありました。
中を見ると、「きのうは言いすぎてしまってごめんね。ぼくはたっくんとなかなおりしたいです。学校でまってるからね。」とこうくんの字で書かれていました。

あとでお母さんにきくと、学校の帰りにこうくんがたっくんの家までもってきてくれたそうでした。
たっくんは少しげんきになりました。
「かぜを早くなおしてげんきになって、こうくんに会いたいな。」
こうくんとまたいっしょにあそべることをかんがえると、たっくんはしぜんと笑みがこぼれました。

2年生物語文 「ワンコ」 122310

今日もワンコはいつもと同じようにけんた君の家の犬小屋にいました。けんたくんはあまりワンコをさんぽに連れて行ってくれなかったので、ワンコはあまりけんたくんのことが好きではありませんでした。

ある日の朝、ワンコはいつもと同じように小屋でねていました。すると、近くをよくうろうろしているのら犬が「おい!そんなところにずっといてもつまらないだろう。どこかいっしょにあそびにいこうぜ!」と、のら犬はワンコに言いました。ワンコはさいしょはどうしようかと迷いましたが、このごろずっとさんぽにも行っていなかったので、「うん!わかった!あそびにいこう!」と言って二人でどこかへ遊びに行ってしまいました。

ワンコがいなくなっていることに気付いたけんたくんは、自分がワンコを全くさんぽに連れて行っていなかったことをとてもはんせいして、すぐにワンコを探しに行きました。そのころワンコはのら犬といっしょに川ぞいの草むらで遊んでいました。しばらくあそんでいると、ワンコは足をすべらせてしまい、川の中に落ちてしまいました。のら犬も川の流れが速いので、ワンコを助けに行くことができません。「けんたくん!たすけて!」ワンコがそう思ったそのとき、けんたくんが川の中にとびこんできてワンコを川の中からたすけだしました。

そのことがあってからけんたくんは毎日ワンコをさんぽにつれていくようになり、ワンコもまたのら犬にさそわれても勝手に遊びにいかなくなりました。

2年生物語文 「はじめてのおともだち」 122311

 「ルルルル〜お空を飛んでみたいな。大きなビルをこえたら、お花ばたけがあるのかな。ルルル〜」
 まどべの鳥かごで、キキはいつものように歌っています。

 トントン、まどをつつく音がしました。
「また君か。どうせ、ボクのことをバカにしてるんだろ。ボクはどこへも行けないダメなやつなんだよ。」
 まどの外で、キキよりずっと大きな鳥が、ブンブン大きく首をふっています。
「あなたの歌が好きだから、毎日来てるの。あなたはダメなんかじゃないよ。こんなにキレイなこえで歌えるんだから。あたしなんて、かすれた声で、カーカーなくだけ。」
 キキはイライラとこたえます。
「歌でも歌っていないとやってられないよ。こんな所にとじこめられて、毎日、たいくつでたいくつで。君はいいよ。自由で。」
「そこから出してあげたら、歌を教えてくれる?」
 と、まどの外の鳥は首をかたむけました。
「そんなことできるの?もちろんさ、ここから出られたらいくらでもおしえてあげる。ボクはキキ、君は?」
「わたしに名前なんてないよ。だから、」
「カーコ!カーコって呼ぶよ。」
 カーコは、うれしそうに目をほそめました。そして、とがったくちばしをガラスまどにきようにさしこんで、力いっぱい引きました。まどが大きくひらいて、ふきこんだかぜが鳥かごをゆらしました。
「カーコ、すごいよ。」
カーコは鳥かごの戸を引き上げました。

 キキはとび出しました。
「とんでる、とんでる!ありがとう、カーコ。本当にありがとう。」
 キキは歌いはじめました。
「ルルル、空をとべた。なんて気持ちがいいの。ルルルお花ばたけいけるかな。さ、カーコも歌って。」
 ふたりは歌いながらお花ばたけに向かってとんでいきます。

 やがて大きなビルの前までやってきました。キキの歌声がとだえました。
「ダメだ、これ以上高くとべないんだ。にげないようにって、羽を切られたことを思い出した。」
 かなしい目でカーコを見つめながら、おちていきます。
「君はいいな、たくましいからどこまでだっていける。やっぱりボクはだめなんだ。」

 よくあさ、目がさめたキキは、何度も目をこすりました。一面のお花ばたけ。
「目がさめた?ここでしょ?あなたが行きたかった場所。」
 カーコがうれしそうにわらいました。
「これは?」
 キキは、くろい羽が何まいも何まいもちらばっているのに気付きました。
「これで、あなたといっしょ。あたしももうとおくまでとべないの。」
 カーコはキキを花ばたけまではこんだあと、自分の羽を一本一本ぬいたのでした。キキがかなしい思いをしないように、みじめな思いをしないように。
「名前をつけてくれてうれしかったの。あたしはみんなのきらわれもののカラスなんだもの。」

2年生物語文 「なわとび」 122405

 あきくんはなわとびがにがてで二重とびができませんでした。たいいくのじゅぎょうでなわとびをしなければいけないときは「まわりのともだちはできるのに…。」とかなしいきもちでいっぱいです。

 そんなかなしそうなあきくんを先生は見ていられませんでした。そして、「ほうかご、いっしょに二重とびのれんしゅうをしようか。」とていあんしました。あきくんはできるようになりたかったので、「うん…。」とこたえました。

 それから、せんせいとあきくんのひみつのとっくんがはじまりました。「てくびをうまくつかって。」とせんせいはアドバイスをしてくれます。れんしゅうするうちに、あきくんは1かいだけ二重とびができるようになりました。でもあきくんはもっと上をめざします。

 とっくん7日目のほうかご、クラスのともだちが「あきくんがんばってるね、ぼくらも力になるよ。」といっしょにれんしゅうにさんかしてくれました。みんながお手本をみせてくれます。ともだちがいるととてもたのしく、いつもよりもねつがはいります。

 「いーち、あぁー。」「いーち、に…、おしい!」みんながかぞえてくれます。そのとき、「いーち、にーい、さーん、し!」四回までできました。みんなが「おめでとう!」と言ってくれます。あきくんはとてもうれしくて「できた!みんなありがとう!だいすき!」とさけびました。

2年生物語文 「おばあさんと子犬」 122409

あるところに、おばあさんがひとりでやまおくにすんでいました。おじいさんがびょうきでなくなってしまってからおばあさんは毎日はたをおってぬのをおり、そのぬのを市場でうってくらしていました。

あるさむいよる、おばあさんが市場にぬのをうりに行ったかえり道のことです。いっぴきの子犬が道によこたわっていました。かわいそうにおもったおばあさんは子犬を家につれてかえってあげました。

おばあさんはとてもつかれていましたが子犬がげんきになるまでねずにかんびょうをしました。すると3日ごには子犬は元気になり、1週間たつと家の外をはしりまわるようになりました。

ある日、子犬が外でワンワンとなきつづけていたのでふしぎに思ったおばあさんが外へ見に行くと子犬が見知らぬ若者にじゃれついていました。あわてて、おばあさんは子犬をだきあげました。おばあさんはおわびに若者を家にまねきいれてお茶をだしました。すると、若者がおばあさんのつくった布をみてとてもきれいなのでぜひ都にきてふくを作ってくれないかと言いました。じつはその若者はさんぽをしていたお殿さまでした。

あばあさんは都にうつりすんで、ふくをつくるようになりました。おばあさんは子犬といっしょに幸せにくらしましたとさ。

2年生物語文 「お誕生日」 122705

今日は、待ちに待った子グマくんのお誕生日です。子グマくんは、いつもは、お母さんグマに起こしてもらうまで起きられないのに、今日は、朝早くに自分一人で起きることができました。
「おなかがへったなー。」
子グマくんは朝ごはんを食べることにしました。子グマくんが朝ごはんを食べ終わると、お母さんグマは、
「お昼ごはんまで、少し外で遊んでらっしゃい。」
と言いました。子グマくんは、今日は自分の誕生日なのに、お母さんグマがいつもと変わらない様子だったので、少し悲しくなりました。でも、自分から言うのも、なんだか恥ずかしい気がしたので、
「分かった。じゃあ、いってきます。」
と言って、森の中を歩き始めました。

少し歩くと、友だちのリスちゃんに会いました。子グマくんが、
「おはよう。一緒に遊ばないかい。」
と尋ねると、リスちゃんは、
「おはよう。今日は、とっても大事な用事があって遊べないの。ごめんなさいね。」
と言って、そのままどこかへ行ってしまいました。

また歩き出すと、今度は、友だちのヘビくんに会いました。子グマくんが、
「おはよう。一緒に遊ばないかい。」
と尋ねると、ヘビくんは、
「おはよう。今日は遊べないんだ。また今度ね。」
と言って、そのままどこかへ行ってしまいました。

またまた歩き出すと、今度は、どこからか楽しげな歌が聞こえてきました。子グマくんは、
「おはよう。コトリちゃんじゃないか。どうしたんだい。」
と訊くと、コトリちゃんは、
「今日は、とっても楽しい日なの。じゃあ、またね。」


と言って、楽しそうに歌を歌いながら、どこかへ行ってしまいました。子グマくんは、今日は自分の誕生日なのに、誰も祝ってくれなくて、そのうえ、誰も遊んでくれなくて、悲しくなりました。子グマくんは、もうお昼ごはんの時間になるので、とぼとぼと家に帰って行きました。

2年生物語文 「たぬきの村」 122901

ある山奥にひっそりと暮らしているたぬきの村がありました。ある日一匹のたぬきがとある情報を手にして帰ってきました。それはこの村あたりの木々を伐採するというものでした。たぬきたちは驚き、急いで会議を開きました。

「どうしましょう?このままでは僕らの村はつぶされてしまう。」「うーーーん。」みんなは少し黙り込みました。すると村長が「仕方がない、誰かに人間の住む世界に行ってこの計画を止めてもらおう。」といいました。「そうはいいますが、村長どうやって人間の世界に行けというのですか?僕たちたぬきが普通に人間の世界に行けば、村に帰ってくることはほぼ無理です。」とあるたぬきはいいました。「それは大丈夫だよ。」村長はそう言うと奥から何かを取ってきました。「人間に化ければいいのだよ。この葉っぱがあれば人間に化けることができるんだ。ではそこのおまえこの葉っぱを使って人間に化けて行ってきてくれ。」「はい!わかりました。」ということであるたぬきは葉っぱをもらい人間に化け人間の住む町に行きました。

村を出て町に行く途中に一人のおばあさんがいました。おばあさんは重そうな荷物を持っていたので、たぬきは荷物をもってあげました。おばあさんは笑顔で「ありがとう」と言い一緒に町まで行きました。

町に着き、おばあさんと別れてからすぐに伐採の計画をしているところにいきました。そして「山を伐採するのはやめてください。」と何度もお願いしましたが、すべて断られてしまいました。「どうしよう。」と考えているうちに時間は流れとうとう伐採の日になりました。

「あー、とうとうこの日が来てしまった。もうだめだ。」と思って山に帰っている途中に一本の杖が落ちていました。「何だろう?」と思いながらも手に取り、「あーー、伐採の計画が中止になればいいのになー」と言った後、その杖を捨てました。村に戻り無理だったことを言うとみんな困りました。「どうしよう。伐採はもうすぐ始まってしまうよ。」たぬきたちは悩みました。しかし時間になっても伐採は始まりません。「おかしいなー?」たぬきたちは思いました。その後も伐採は始まりませんでした。たぬきたちは大喜びしました。その時、人間界に行ったたぬきは気づきました。「あっ!!あの杖のおかげかも!!」急いで杖のあった場所にいきましたが、もうそこに杖はありませんでした。「きっとあの杖のおかげだ、ありがとう。おかげでまた村で暮らせるよ。」たぬきはそう言うと村に帰っていきました。

2年生物語文 「ありのたたかい」 122902

ありは、いつも強くなりたいと思って毎日毎日筋トレをしてました。晴れの日も雨の日も毎日地中で筋トレをしていました。ありはまだ外の世界に行ったことがないのでいつかいってみたいと思ってました。

ある日、ありは外の世界に行くことを決心しました。外にでて歩いていると、突然、目の前にダンゴムシがあらわれました。ダンゴムシはありを食べようとしています。ありは、日頃きたえていたのでびびらずに、ダンゴムシにむかってたいあたりをしました。ダンゴムシは、一歩後退しました。続けてありは、たいあたりをしました。ダンゴムシは倒れました。ありは、たおしたダンゴムシを食べました。それからバッタやカマキリなどを次々に倒して食べていきました。ありは、段々食欲が増していきます。体も段々大きくなっていきました。

虫だけじゃ満足出来なくなったありは、水辺にいきました。すると、地面の中からのそのそとカエルがでてきました。ありは、(こいつ食べたいなぁ〜。)と思いました。それを察したカエルは、持ち味のベロをいかしてありを攻げきします。ありはなかなか近づけません。ありの近くに唐辛子が落ちていました。ありは、それを一口二口とたべました。そして、カエルに向かって息を吹きかけると口から炎がでてきました。かえんほうしゃです。カエルは、そのかえんほうしゃで丸焼きになりました。ありはよだれをたらしながらそれをたべました。また一段と体がおおきくなりました。

カエルでも、満足出来なくなったありは、ジャングルにむかいました。するとゾウの赤ちゃんに遭遇しました。ありはすぐさまゾウの赤ちゃんに突進しました。ゾウの赤ちゃんは鳴き声をあげます。すると背後から、ドスン、ドスン、と段々その音は大きくなっていきました。後ろを振り返ると、ゾウの親がにらんでいます。ありは、ゾウの親がこちそうにしかみえませんでした。けどゾウはとてもでかいので、ありはどうするか考えました。考えてるうちにありは、体おおきくなっていきました。ゾウの親と同じくらいまでおおきくなりました。ありは前に覚えたかえんほうしゃでジャングル一体を燃やしました。ゾウだけでなくライオン、ニワトリなど全て丸焼きになりました。ありは、その食料を食べ続けました。

それから数時間後ありは、全てを食べつくしました。ありは、満足感とともに静かに眠りに落ちました。その後ありは、目を覚ますことはありませんでした。食べ過ぎには、注意しましょう。

2年生物語文 「メアリーのおてがみ」 122903

「この手紙をウェア島まで届けておくれ。」そう言われ、伝書鳩のメアリーは、一つの手紙を口にくわえました。「大切なお手紙だからぜったいになくさないようにしよう!」メアリーはそうこころに決め、飛び立ちました。

そらはとっても晴れていてすごく気持ちがいいです。ウェア島までは海をわたって行かなければなりません。メアリーは風にのってスイスイととんでいました。下を見下ろすとイルカのジョンがいました。メアリーとジョンはお友達です。「やあ、メアリー!今日も手紙をはこんでいるのかい?」「そうなの。今日はウェア島までなの」「そりゃあ遠いな、がんばっておくれ!」「うん、ありがと!」そう言うとジョンはなかまのイルカたちのもとへかえっていきました。

さっきまで晴れていたのにだんだんと雲がふえてきました。雨もふってきました。「あらしだ!あらしだ!」とまわりにいた鳥たちがさわいでいます。「でも、お手紙を届けなくっちゃ・・・」メアリーはお手紙を届けなくちゃいけないのでどうすることもできません。だんだんと雨が強くなってきました。風もふいてきて、メアリーは大切なお手紙を落としてしまいました。「どうしよう・・・」メアリーはあらしの中お手紙をさがしまわりました。どれだけさがしても、どれだけさがしても、おてがみはみつかりません。

だんだんとあらしはおさまってきました。メアリーはお手紙を見つけることができず、一人でしょんぼりしていました。あらしで体力も使ってしまい、もう元気が出ません。

「おーい!メアリー!」ふりかえるとジョンがいました。「これ、メアリーのだろ!」口には探していたお手紙がくわえられていました。メアリーはおおよろこびして何度も何度もジョンにおれいを言いました。そしておおいそぎでウェア島までいこうとしたら、「疲れているだろ、オレにのれよ!」とジョン。メアリーはジョンの背中にのってウェア島までつれていってもらいました。「ほんとうにありがとう、ジョン!!!!」メアリーは無事お手紙を届けることができました。

2年生物語文 「虫歯と戦え」 122904

いっちゃんは甘いものが大好き、でもはみがきは大嫌いです。だから甘いものばかり食べてはみがきなんて絶対しない毎日を過ごしていました。

ある日いっちゃんはいつものように甘いものを食べていると、口の中がずきずきします。そう虫歯です。甘いものを食べると痛いのでいっちゃんはお母さんと歯医者さんに行きました。

歯医者さんに行くとみんな口を押さえて泣いています。
そしておくからはすごく大きな音と大きな鳴き声が聞こえてきます。
いっちゃんは帰りたくなりましたが、ここで帰ると大好きな甘いものが食べれないので涙を浮かべながらまちつづけました。

そしてとうとういっちゃんの番です。いっちゃんはお医者さんにすごく痛いけど治療をしてもらいました。いっちゃんは泣きながら治療を受け終えたときにお医者さんに歯磨きをすると大丈夫と言われました。いっちゃんのはは元に戻りました。

その後のいっちゃんは歯磨きを欠かさないいい子になりました。やっぱり歯医者さんは怖いよね

2年生物語文 「宇宙人」 122905

宇宙ではある宇宙人が地球を侵略しようと考えています。
「ボス、着陸の準備ができました。」
「よし、そのまま着陸しろ、001号。残された我が一族はわれら二人だけなのだ。地球人は宇宙人のことが大嫌いなのだ。地球を侵略して巨大な国を作るのだ!はっはっはっは。」
「ラジャー!・・・え、エンジンが急に・・・。」
「どうした、001号!応答しろ!」
「エンジンが故障しました!ボス〜〜〜。」
そのまま地球に落下してしまいました。

地球では、あるおじいさんとその孫が暮らしていました。おじいさんは生きることに疲れていましたが、今では孫と一緒にいる時間が幸せで、それのおかげで生きてるようなものでした。孫は学生で、いつもは学校に行ってるのですが、今日は日曜日でした。
「おーい、孫よ、散歩に行くぞ。」
「いってら。」
「何言っとるんじゃ。お前も行くんじゃ。」
結局孫は、おじいさんと散歩に出かけました。
おじいさんと孫はなんだかんだ仲良しで、二人は楽しく散歩をしていました。

河川敷の道に沿って帰ろうとしている途中「ズドーン!!」と、とても大きな音が聞こえました。振り返ってみるとそこにはUFOが落下していました。おじいちゃんたちはとても驚いて、おそるおそるそのUFOに近づきました。すると中から、宇宙人のようなものが出てきました。
「おじいちゃん、これ、なに?」
「よくわからんが、今は気を失ってるだけじゃ。家で看病してやろう。」
「おじいちゃん本気?だって、なにかわからないんだよ?宇宙人だったらどーするの?」
「安心せい。その時はわしがボコボコになってやるわ。」
「わかったよ、連れて帰ろう。」
(今おじいちゃん、ボコボコになるって言ったよな。おじいちゃんがボコボコにするんじゃないんだ・・・。)
孫はそう思いながらおじいちゃんと家に帰りました。

「う、う〜ん。」
宇宙人は目覚めました。
「おー、気が付いたか。」
「・・・ここはどこですか。」
「わしの家じゃ。ご飯があるから食べよう。」
宇宙人は少しとまどいながらも、おじいちゃんたちと一緒にご飯を食べ始めました。その味は、宇宙人が今まで食べたことのない味で、とてもおいしく感じました。緊張がほぐれてきたのか、宇宙人はおじいちゃんたちといろいろな話をしていました。三人はとても気があって、いつのまにかとても仲良くなっていました。すると、おじいちゃんが
「お前、名前は?」
「ぼく、名前がないんだ。ここにきたのも初めてだし・・・。」
「おー、そうなのか。だったらわしが、お前に名前を付けてやろう。お前の名前は・・・あやたかじゃ。」
「あやたか・・・?」
「そうじゃ、あやたかじゃ。お前はこれからあやたかじゃ。」
「あやたかか・・・。」
宇宙人はとても気に入りました。そして、すっかりおじいちゃんたちのことが好きになっていました。
「そうじゃ、あやたか。この町初めてと言ったな。明日わしらがこの町を案内してやる。」
「え、おれ明日学校なんだけど。」
「学校までの行き道でいいじゃろ。そういうことじゃ、あやたか。」
「わかったー。ありがとう。」
三人は眠りにつきました。

次の日おじいちゃんが目覚めると、そこには、あやたかがいませんでした。あやたかは一人、外に出ていました。
「危ない危ない。急にボスから連絡がきた。はい、ボス。」
「大丈夫か、001号?」
「大丈夫です。今は無事地球にいます。」
「そうか、それはよかった。そのまま任務を続行しろ。」
「ボス、ぼく、地球侵略なんてやめます。」
「なんだと?」
「地球人はみんないい人です。料理もおいしいし、こんな星侵略するなってもったいないです。ボスもこの星にすめばいいですよ。あ、それとね、ボス、ぼく名前が・・」
「もういい。お前はもう役不足だ。こんなこともあろうかと、お前のからだにばくだんを仕掛けておいた。あと五分でばくはつだ。さらばだ、001号。」
「え、ボス・・・」
空を見上げるとUFOが浮いていました。ボスがのっているのです。あやたかはとてもあわてました。このままだとおじいちゃんたちが死んじゃう。でもこんなことはっきり言えない・・・。
「話はきいたぞ。」
うしろにはおじいちゃんたちがいました。おじいちゃんがあやたかに話しかけようとしたとき
「今までありがとう。ぼく、もうばくはつするから、あのUFOにつっこむ。名前をつけてくれてありがとう。」
「おい、あやたか、やめろ・・・。」
あやたかはもう飛び始めていました。
「やめろ、001号!やめろ!」
「やめろ!あやたか!」
ドカーン!!
宇宙人は絶滅しました。おじいちゃんは泣き崩れました。
「あやたかがせっかく生きさしてくれたんじゃ。精一杯生きてやる。」
「うん、この命大事にしようね、おじいちゃん。」
二人はとても長生きしました。

2年生物語文 「うさぎちゃんときつねくんとたぬきくん」 122906

とある村に仲良しのうさぎちゃんときつねくんがいました。外で遊んでいるとうさぎちゃんが、昨日夢に見た大きな穴の話をしました。するときつねくんもふしぎなことに、同じ夢を見たというのです。うさぎちゃんときつねくんは夢に見た大きな穴を探しに行きました。

大きな穴はすぐに見つかりました。夢では急に誰かにおされて、はぐれてしまったので、手をつないで穴の中に入ることにしました。うさぎちゃんときつねくんは無事に穴の中に入れました。夢で見たようにあたり一面には何もなく不気味なところでした。手をつなぎながら歩いていると、きつねくんが何か落ちているのを見つけました。それを確かめに行ったうさぎちゃんときつねくんはおどろきました。

村にはたぬきくんも住んでいます。たぬきくんは人見知りで、うさぎちゃんときつねくんが遊んでいるのを、いつも遠くから見ていました。今日こそは勇気をだして仲間に入れてもらおうと決心しました。うさぎちゃんときつねくんを見つけたたぬきくんは、草のかげからこっそり見ていました。すると急に消えてしまいました。すぐに後をおうと大きな穴がありました。仲間に入れてほしかったたぬきくんは、穴の中に飛び降りました。

うさぎちゃんときつねくんはおどろきました。たぬきくんがたおれていたのです。しばらくすると、たぬきくんが目を覚ました。うさぎちゃんときつねくんは「いっしょに遊ぼうよ」と、声をかけました。うれしくなったたぬきくんは勇気を出してよかったと思いました。

まんげつがかおを出す時間になりました。
たぬきくんはお家に帰らなければなりません。
ゆうきを出したたぬきくんが手に入れたものは友達です。
めずらしいことではありません。
お家に帰ったたぬきくんは気づきました。
ちいさな勇気でも大切なんだと。

2年生物語文 「仲直り」 122907

 のんちゃんとさっちゃんはある日、けんかをしてしまいました。のんちゃんは外であそびたい、さっちゃんは家の中であそびたいと思っていて、言いあいになってしまったのです。
 「ぜったいに自分からあやまるもんか。」と2人とも思っていたので、ぜんぜんしゃべろうとしませんでした。

 けんかをして2日たったある日、のんちゃんはテストの点数をお母さんからほめられました。うれしくてだれかに言いたくて、しかたありません。けれども、さっちゃんとはまだ、なかなおりができていません。のんちゃんはだんだん、さっちゃんと話せないことをさびしいと思うようになりました。

 いっぽう、さっちゃんものんちゃんと話せないことをさびしく思っていました。またいっしょにあそびたい。けれども話す勇気がでません。

 次の日、のんちゃんとさっちゃんはぐうぜん、げたばこの所で会いました。「ごめんなさい。」2人は同時に言いました。おかしくて2人で笑いました。「いっしょにあそぼ。」のんちゃんが言いました。そして2人はまた前のようにいっしょになかよくあそびました。

2年生物語文 「森の神様」 122908

みさきちゃんおうちの庭にお花の種をうめました。
「早く芽が出ないかなあ。」

毎日お水をやって,芽が出るのを待ちました。でもどれだけ待っても芽は出ません。みさきちゃんはお母さんに相談してみました。
「そうねえ。森の神様にお願いしてみたらいいんじゃないかしら。」
裏山の森の中には神社があります。みさきちゃんはその神社までひとりでお参りしに行くことにしました。

神社はお母さんに何度か連れて行ってもらったことがあります。でも,一人で行くのははじめてです。少しどきどきします。少しわくわくします。

たくさん歩いて,神社に到着しました。
「森の神様,どうかお花の芽を出させてください。きれいなお花を咲かせてください。」
みさきちゃんは一生懸命お願いをしました。
森の木たちがざわざわとしました。みさきちゃんには森の神様の返事のようにきこえました。

また,たくさん歩いておうちに帰りました。
庭を見てみると,種を植えた場所から小さな芽が出ていました。
みさきちゃんはきっと森の神様のおかげだと思いました。

2年生物語文 「電車と男」 122910

ココは日本の電車である。ほんとは自分で走れるし、止まることもできる。だけれども、電車はそんなことしてはいけません。だから、ココは運転手の運転にいつもしたがっています。面白くはありませんが仕方ありません。

そんなある日、とても乱暴で有名な運転手がココに乗りました。ココは何もせずに運転にしたがってましたが、その運転手の乱暴さはココの想像よりひどかったのです。その日が終わるとき、ココのタイヤはボロボロになってしまいました。タイヤが使えなくなっていては電車は動けません。ココは修理に出されました。

修理に出されましたが、ココの故障はココの思っているより深刻でした。だから、ココは後回しにされて、なかなか修理してもらえませんでした。ココはひまでひまで、つまらない日々でした。それから数週間すぎたとき、ひとりの男がココのことろにきました。

男はココに言いました。「私ははるか遠くへ行かないといけない。だけれども、私にはお金がない、移動手段がないのだよ。」ココはかえしました、「だから、なに?」男はつづけました、「私が今も、この先も修理してあげよう。かわりに私を運びなさい。」「とても、えらそうだね。でも、やってあげよう。」

この男のおかげでココはまた動けるようになりました。そう、いまもどこかで、男を乗せて走っているのでしょう。ちなみに、乱暴な運転手は、事故をおこして死んだそうです。

2年生物語文 「ネズミの兄弟」 122911

ある森の中。3匹のネズミの兄弟は仲良く暮らしていました。賢い長男と少しおくびょうな次男、そして、元気いっぱい三男の三匹です。この三匹にはお父さんもお母さんもいません。昨日、どっかに出て行ったきり帰ってこないのです。

すると、しげみのおくから「ガサガサ、ガサガサ」何かが動く音がしています。それに気付いた元気いっぱい三男は何者かがこちらを見ている気がすると思いました。少し怖くなりお兄ちゃんたちに知らせようとしたところ、「シャーっ!お前ら、全員おれがくってやる!」なんとそこには大きなヘビがいたのです。

すると、ヘビは三匹めがけて一直線。三匹は全速力でかけ出しました。ヘビは後ろからニョロニョロと、ぶきみな動きをしておってきています。これにこわくなった次男、震えてしまって足が動きません。ヘビはどんどん近づいてきます。するとそこへ長男が助けにきてくれました。

木のかげで三匹はヘビをどうやってこらしめるか相談しました。怖がっている次男はもちろん反対です。しかし、元気いっぱいな三男はやる気まんまんです。そこで長男、「みんなでヘビをあいつが通れないような道に誘い込むんだ、そこにわなをしかけてつかまえてやるんだ!」
作戦は始まりました。「やーい、やーい、ここまでおいでー。」全員でヘビを誘い込みます。それにむきになったヘビは挑発にのって自分が入れないような道に誘い込まれ、あっというまにネズミたちによって捕まえられたのです。「もう帰るから助けてくれよー。」あのヘビが泣きじゃくっています。三匹は相談したあと、ヘビを逃がしてやることにしましたが、これ以上悪さをしないように、と厳しく注意しておきました。

どんなに小さなネズミでも、天敵のヘビにだって勝つこともできるんですね。

2年生物語文 「イカになりたくて」 122912

タコのキュッポは遊びたい盛りの子ダコ。いつもイカのよっちゃんと遊んでいました。でもよっちゃんと遊んでいると、ときどき足が二本足りません。よっちゃんはハンバーガーとコーラを持ちながらDSを操作し、そのうえ宿題をしながら誰かとキャッチボールできるのです。だからよっちゃんと遊んだ時は、どうしても宿題に手が伸びず、次の日に宿題忘れで先生に怒られてばかりいました。

「いいな、よっちゃんは一度にたくさんのことができて。」とキュッポがうらやましそうに言うと、よっちゃん冷静に、「いいじゃないか、キュッポは大人になったらたくましい吸盤で、僕なんかよりもっとたくさんのものを持てるようになるよ?」と、いいました。その日、うちへ帰るとすぐにお父さんへ聞きました。「どうすればお父さんみたいなたくましい吸盤になるの?」と。お父さんは、「う〜ん、そうだなぁ。好き嫌いをしないことだな。キュッポはシジミが嫌いだろう?それでは大人になってもたくましい吸盤はできないぞ。」キュッポはガッカリしました。大嫌いなシジミを食べないと、吸盤ができない。キュッポにとっては苦渋の選択でした。

ある日、キュッポは10本の足をつかって思いっきり遊んでいるよっちゃんを見ました。いつもどおりお菓子にジュースにゲームにボール、その他もろもろ・・・。それを見た途端キュッポの中で何かが燃えてきました。「シジミだろうがアサリだろうが、食ってやる!」走り出したキュッポは止まりません。お母さんにシジミをしこたま用意してもらって、食べ始めました。

一つ目。目をつぶって食べたのですが、耐え切れず、戻してしまいました。それでもなんとか、お母さんの応援もあり、一つ食べることができました。もう一つ、また一つと、キュッポはシジミを口に運んでいきます。するとはじめは嫌だったシジミが不味くなくなってきました。いつしかキュッポはシジミ嫌いではなくなっていました。

それからしばらくしたある日、キュッポは自分の吸盤にDSを押し付けてみました。なんと落ちません。キュッポはおお喜びしました。シジミパワーで吸盤が急激に育ったのです。「これでよっちゃんと同じだけのものを一度に持って遊べる。」そう思いながら、ルンルンで遊びに出かける、キュッポなのでした。

2年生物語文 「一輪車」 122913

はなちゃんは小学校2年生。外で遊ぶことが大好きです。いつも昼休みは外に出て、時間いっぱいまで遊ぶくらいです。しかし、はなちゃんが唯一できなくて悔しい思いをしているものがあります。それは一輪車です。自転車にも竹馬にも乗れるのに、一輪車だけはどうしてもできなかったのです。

「どうして乗れへんのやろ…」
はなちゃんはいつも悔しい思いをして家に帰ってきます。お母さんに聞いてみました。
「どうして私は一輪車に乗れないんやろ?」
お母さんは
「乗れる友達に聞いてごらん。」
と言いました。

友達ののりちゃんは一輪車に乗れました。はなちゃんが聞くと、こう答えました。
「たくさん練習したよ。朝も昼休みも放課後も。たぶん私の一輪車乗った時間は誰よりも一番長いと思う。」

はなちゃんはのりちゃんの話を聞いて、たくさん練習することにしました。今までは昼休みだけだったのが、朝も放課後も時間の許す限り、たくさん練習しました。すると、一週間経ったときの昼休み、なんと手をはなしてひとりで乗れるようになったのです。
「やった!乗れるようになった!」
はなちゃんはとても喜びました。

たくさん練習したことにより一輪車に乗れるようになったはなちゃんは、これからも出来ないことがあってもしっかりと努力しようと思いました。今ではスイスイとのりちゃんとふたりで一輪車に乗って遊んでいます。

2年生物語文 「くろいとり」 122914

あるところに、にじいろのとりの兄弟がいました。いちばん上から、赤、だいだい、黄、緑、青と、きれいなはねをもっているのですが、一番下のおとうとは、まっくろでした。
いつも兄たちはそんなくろいとりをいじめていましたし、まっくろなとりも、じぶんも兄や姉のように、きれいな色のはねがほしいと思っていました。

するとある日、にじいろの兄弟の巣におとこのこがやってきて、にじいろのきょうだいはみんなつかまってしまいました。しかし、
「まっくろだからこいつはいらないや」
といって、くろいとりをかごの外へにがしました。くろいとりは、兄たちのはいったかごをもって、おとこのこがかえっていくのを見ていることしかできませんでした。

そのばん、くろいとりはきょうだいたちをたすけに行くことにしました。みみをすませば、兄たちの鳴き声がきこえます。そのこえをたよりに、くろいとりはおとこのこの家へとむかうのでした。

くろいとりがおとこのこのいえにつくと、おとこのこは自分のへやで、まどをあけてねていました。兄たちのはいったかごは、まどぎわにおかれていました。くろいとりは、かごのそばへおりると、よりそってちいさくなってねている兄たちをおこすために、でもおとこのこを起こしてしまわないように、ちいさなこえでなきました。くろいとりのなきごえをきいたきょうだいたちは、すぐに目をさまし、たすけてくれと口々になきさけびました。
するとそれがあまりにおおきい声だったので、おとこのこは目をさましました。きょうだいたちははっとしました。おとこのこはねぼけまなこでかごの方をみましたが、とくになにもかわったところはなく、ふたたびねむりにつきました。まっくろのとりのすがたは、よるのやみにまぎれてみえなかったのです。おとこのこがねむったのをかくにんすると、くろはかごのとびらをあけ、兄たちとすにむかって飛び立ったのでした。

つぎのひから、くろいとりは兄たちのようないろのはねがほしいとは言わなくなりました。自分がまっくろでも役にたてるとわかったからでした。きれいな色の兄たちも、くろいとりをいじめなくなりました。くろいとりのおかげでたすかったのですから。
それからにじいろのきょうだいたちは、まいにちなかよくくらしました。

2年生物語文 「なまえのない動物」 122915

森のおく深くになまえのない動物がいました。そのなまえのない動物は大きくて、口にはするどいきばが生えています。そのこわい外見がりゆうで気付けば森のおくふかくでひとりぼっちということになっています。じぶんのなまえすらわかりません。

ある日ちいさな女の子がもりにまよいこんできました。女の子は泣いているようです。どうやらまわりにはたくさんの動物たちが女の子をけいかいしてみはっているようで、たくさんの目が光っています。女の子はその目が怖くて、森のおくまでにげてきたようです。なまえのない動物は久々にだれかと話ができるのがうれしくて、女の子に話しかけてしまいました。「どうしたんだい?おじょうさん。」ひどくがらがらした声だったので、あたりの動物は一匹残らず逃げてしまいました。光る目がなくなり怖くなくなった女の子はうれしくなって答えました。「もう大丈夫だわ、ありがとう。あなたはなんて名前なの?」なまえのない動物は自分のなまえがわからないことを女の子に答えました。「それなら、わたしがつけてあげるわ。かわりにわたしを森のそとまでつれていってちょうだい。」

なまえのない動物はうれしくなって、女の子を背に乗せると一気に森の外まで駆け抜けました。そして女の子を背からおろすと、女の子は言いました「あなたは目が光ってなくて、最初からこわくなかったのよ。じゃあ名前あげるわ。あなたの名前は今日から・・・」

こうして、なまえのない動物は名前をてにいれましたとさ。めでたしめでたし。

2年生物語文 「ピョンとジョン」 122916


むかしのあるとき、ウサギの時代がありました。
ある町のウサギ村に2ひきの仲のいいウサギがいました。
ピョンとジョンです。
ピョンはとてもやさしいウサギです。
ジョンは友だちおもいのいいウサギなのですが、たまにちょっとしたことでおこってしまうせいかくがあります。

きょうも、ピョンとジョンは公園でおいかけっこをして遊んでいました。
「ジョンまってよ」
ピョンはいいました。
「おれにおいついてみな」
ジョンはいばっていいました。
そして、公園の外にでて、さかのしたにあるじぶんの家にとびこんでピョンからにげようとジョンはかんがえました。

公園から出て、さかみちに入ったとき、ジョンはおもいっきりこけてしまいました。
そう、さかみちのとちゅうの石にひっかかってしまったのです。
ピョンはジョンがこけてビックリしました。
しかし、ピョンはひっしにおいかけていたいたので、止まることができませんでした。
そして、ジョンをピョンはふみつけてしまったのです。
ジョンは泣きながらおこりました。
「なんてことするんだ。もうお前とはぜっこうだ」
ジョンはいいました。
「ごめんなさいごめんなさい。わざとじゃないんだゆるしてよ」
ピョンも泣きながらあやまりました。
「どっかいけよ」
ジョンはそういって、ピョンをふりきり家へかえっていきました。

ジョンは、ひどいかすりきずをおっていました。
ジョンは、あまりうごかないほうがいいとおもって、家でずっと寝ていました。
そこで、外からある声が聞こえました。
「ジョンごめんなさい、ジョンごめんなさい。」
すこし、声がかすれていました。
ピョンは泣いていました。
ジョンは、まどから顔を出して、
「もうぜっこうって言っただろ、帰ってくれよ」
と少しつよがっていいました。
「きみはぼくのたいせつな友だちなんだ。ぼくは、きみがだいすきなんだ」
ピョンはもっと泣きながらいいました。
そのとき、ジョンの目にもなみだがうかんでいました。
ジョンは足をすこしうごかしてみると、もうあまりいたくはありませんでした。
「ピョンのところにいかなくちゃ」
ジョンはがんばって、かいだんをおりて、げんかんにいきました。
外にでると、ピョンが泣きながらすわっていました。
「ピョン、ぜっこうなんて言ってごめんな、ピョンとくらべたら、けがなんてへっちゃらさ、おれもピョンはたいせつな友だちだ。
おれもピョンがだいすきだ」
ジョンは大声で泣きながらいった。
ピョンは、うれしくてうれしくて、もっともっと泣きました。
「ジョンゆるしてくれてありがとう。ありがとう…」

その次の日、またジョンとピョンは公園でおいかけっこしていました。
「まってよ。ジョン」
ピョンは言いました。
「おれにおいついてみな」
同じように、ジョンはいいました。
ふたりとも、いつも以上にわらっていました。

2年生物語文 「ドリーとテリー」 122917

むかしむかし、ある町にドリーとテリーの兄弟がいました。ドリーはお兄さんで、何事も行き当たりばったりでこれと決めたら必ずやる子です。テリーは弟で兄のドリーよやもおとなしいですが、いつでも冷静に判断できる子です。

ある日、ドリーが言いました。「テリー!家の前の池へ魚釣りに行くぞ!」テリーは「危ないから嫌だ。」と言いました。家の前の池にはワニがいて危ないから近づいては行けないとお母さんから言われています。しかし、ドリーは「大丈夫!」と言って出て行きました。テリーもしぶしぶついて行きました。

池で魚釣りをしていても全然つれませんでした。ドリーは「もう潜って貝をとってくる。」と言いました。テリーは「ワニが出るから危ないよ。」と言いましたが、ドリーは「今まで誰も見たことがないんだからほんとうかどうかわからないだろ。」と言ってテリーが止める間もなく池に飛び込んでしまいました。

しばらくしてドリーが慌ててこっちに泳いできました。なんと、ドリーの後ろからワニが追いかけてきていたのです。テリーはどうやって兄さんを助けるか考えました。このままでは追いつかれ、食べられてしまいます。ふと、テリーは釣りをしていたときのエサを池にたくさん投げ入れました。すると、ドリーをおっていたワニがエサの方へ向かっていき、ドリーは助かりました。

その日、家に帰るとお母さんに怒られました。しかし、ドリーは怒られたくらいではこりずに、また何処かにテリーと遊びに行きます。この兄弟は今もどこかで危険なことを乗り越えているのでしょうね。

2年生物語文 「だいすきなジョン」 122918

ぼくは、犬をかっている。名まえはジョンだ。ぼくとジョンは小さいときからずっといっしょだったんだ。毎日暗くなるまで公園で遊んでた。ほんとうに楽しかった。
たまにイタズラをしておかあさんにおこられてたけど、ぼくは大きくて、あったかくて、やさしいジョンがだいすきだった。
でも、さいきんジョンはなんだか元気がない。日のあたる場所でねていることが多くなった。まえはさんぽの時間になると、はしってきてたのに。

「ジョンももう年だからなぁ」
お父さんが言った。どうも年をとると元気がなくなってしまうようだった。つまんないの。ぼくはいっしょにあそんでくれなくなったジョンよりも、学校のともだちとあそぶことのほうが多くなった。
「行ってきまーす」
そう言ってあそびにでかけるぼくを、ジョンは悲しそうな目で見ていたが、ぼくはジョンよりも公園でまっている友だちのほうが気になって、家を飛び出していた。

今日、いつものようにあそびにいこうとしたぼくのあとを、ジョンが付いてきた。よわよわしい足取りで、しっぽをふりながら。でも、今日は同じクラスのゆうくんが、珍しいものをみせてくれるって言ってたから、
「ジョン、またかえってきてからあそぼうね」
といって、ぼくは家をでた。

かえるころにはもうすっかり暗くなっていた。家の前ではお母さんが立っていた。ぼくを見ると、お母さんは小さな声で、
「入りなさい」
とだけ言った。

なかに入ると、ジョンが目を閉じてぐったりしていた。ぼくはおもわずかけよった。
「ジョン!」
ぼくのこえをきくと、ジョンは目を開けてぼくのほうを見て、それからいちどだけしっぽをふって、うごかなくなった。ぼくはジョンをなでつづけたが、ジョンはもううごかず、だんだんつめたくなっていった。ジョンはしんでしまったんだ。ぼくはおもいっきりないた。なみだがとまらなかった。お母さんは何も言わずぼくをだきしめてくれていた。
そのうちぼくは、なきつかれてねむってしまった。

気づくと、ぼくは雲の上に立っていた。うしろから犬のなきごえがきこえた。ジョンだった。なみだがあふれてきた。
「ごめんねジョン。ジョンとあそんでやらなくて。ぼくのこときらいになっちゃったよね。ごめんね」
なきながら、ぼくは言った。
すると、
「そんなことないよ。ボクはきみのことがだいすきだよ」
ジョンがしゃべった。ぼくはびっくりしたけれど、ジョンがだいすきと言ってくれたことがうれしかった。
「だから、そんなになかないで。きみがなくと、ボクもかなしくなっちゃうよ。もうなかないってやくそくして?」
「…わかった。」
「よかった。今まできみといれて、ほんとうにたのしかったよ。ありがとう」
そういうと、ジョンは見えなくなってしまった。

目がさめると、ぼくはベッドの上にいた。ジョンは、ゆめのなかでぼくにあいにきてくれたらしかった。ジョンのことをかんがえると、まだむねがくるしくなるけど、なかないってジョンにやくそくしたから、ぼくはもうなかなかった。
外はいい天気で、むかしジョンとあそんだ日のことを思い出した。
「ぼくもたのしかったよ!ありがとうジョン!だいすきだよ!」
ぼくは晴れた空に向かって、そうさけんだ。

2年生物語文 「かみしばい」 122919

こうちゃんの家の近くの公園に、毎週土曜日の3時に、かみしばい屋さんがやってきます。こうちゃんは毎週かかさずにかみしばいを見に行っていました。

こうちゃんはいつも、いちばん前のまんなかで見ています。家が近いので一番乗りできるからです。今日もこうちゃんはいつものようにいちばん前のまんなかに座りました。あとから来た友だちは、「うしろは見えにくいから場所かわって。こうちゃんはいつも前じゃない。」と頼みました。しかしこうちゃんは、「一番乗りしたのはぼくだ。なんでかわらなきゃいけないの。」と怒って言いました。

次の週、こうちゃんはいつものように公園に向かいました。向かっている途中、おさいふを忘れたことに気が付きました。今日はおつかいを頼まれていたのです。あわててとりに帰り、急いで公園に向かいました。しかし、かみしばいの前にはもうこどもたちがたくさんいます。こうちゃんはしかたなく後ろに座りました。こうちゃんはわかりした。うしろはとても見えにくいのです。声も少ししか聞こえません。こうちゃんが前に座ろうとすると、「早く来なかったから後ろだよ。」と言われてしまいました。そのときはじめてこうちゃんは、自分がしていたことに気が付いたのです。

その次の週、こうちゃんはいつものようにいちばん乗りで公園に着きました。そしていつもの場所に座りました。しかし、ここからはいつもとはちがいます。あとから来た友だちに、「場所かわってあげる。うしろは見えにくいでしょう?」と声をかけたのです。あとから来た友だちは、とてもうれしそうに前に座りました。こうちゃんもなんだかうれしくなりました。

みんなが笑顔になり、その日のかみしばいはいつもの何倍もたのしかったのです。

2年生物語文 「力をあわせて」 122920

ある日のことです。かいようリーダーのデデデは同じかいようリーダーのほっぺがびょうきでにゅういんしたとききました。デデデはほっぺに何かしてあげようとかんがえ、せんばづるをおることにきめました。

しかし、おりがみがにがてなデデデはつるのおりかたをしりませんでした。そこで、友だちのたてすけにつるのおりかたを教えてもらいました。デデデはたてすけにお礼を言うと、たてすけは「ひとりでせんばづるをおるのはたいへんだから、手伝ってあげよう」と言いました。デデデはたてすけにてつだってもらうことにしました。

しかし、ふたりで280わおりましたが、なかなかせんばにはちかづきません。そこで、デデデとたてすけはほかのかいようリーダーにも手伝ってもらうことにしました。デデデやほっぺ、たてすけの仲間には22人のかいようリーダーがいます。そこで、デデデとたてすけはみんなにひとり30わおってもらうことにしました。

デデデやたてすけやほかのかいようリーダーはほっぺのためにいっしょうけんめいつるをおりました。そして、ついにせんばづるがかんせいしました。

みんなでおったせんばづるをほっぺにあげると、ほっぺはとてもよろこびました。そしてそのいっしゅうかんご、びょうきがなおり、たいいんすることができました。

2年生物語文 「しょうじきうさぎと、うそつきりょうし」 122921

「よっしゃ、わなになんかかかってるようや」
りょうしはいいました。
そう、りょうしがいったように、かれがしかけたわなの中で、なにかがもぞもぞうごいています。きっとえものがなにかかかったのでしょう。さっそくりょうしはわなのもとまでかけより、わくわくしたきもちでふくろをひらきました。すると、なかにいたのは…
「やめて!ぼくをたべないで!ぼくはやらなくちゃならないことがあるんだ!」
まっかなめ、まっしろなからだに、ながい耳。そう、うさぎでした。
「なんやおまえ、しゃべれるんか。おもろいやっちゃの」
りょうしはいいました。
「あっ、しまった!……にんげんのまえでしゃべっちゃいけないことになってるんだけど、ほんとうはぼくたちどうぶつもしゃべることができるんだ。あわてていて、ついわすれてしまっていたよ」
うさぎは、こまったようなかおをしていました。
「おまえ、えらいしょうじきもんやな」
「うそはいけませんからね」
うさぎは、とうぜんのように言って、そしてわらいました。
「それよりおまえ、やらんとあかんことがあるとかゆうてたな。おもろそうやないか、ゆうてみい」
このときりょうしは『しゃべれるうさぎとな・・・こりゃげいをしこめば、けんぶつりょうでかせげるかもしれへんで』とこころの中では考えていたのでした。

「ぼくのお母さんは、いまびょうきなんだ。それで、やまのかみさまに、どんなおねがいでもかなえてくれる、まほうの玉をもらいにいくところだったんだ」
うさぎが言いました。
「まほうの玉やと?ほんまにそんなもんがそんざいするんかいな。おもろいやないか。よっしゃわしもいっしょについていったんで!一人より二人のほうがええやろ?なっ?」
「そりゃ嬉しいな!ぼくもひとりでさびしいところだったんだ!おじさん、いい人なんだね!ありがとう!」
このときりょうしは『まほうの玉とな・・・もしそんなもんがほんまにあるんやったら、そうとうたかくで売れんで」とこころの中では考えていたのでした。

ふたりは、けわしいやまみちをぐんぐんすすんでいきます。
どうやらうさぎはみちをしっているようで、ピョンピョンどどんどんすすんでいきました。
やがて、3時間も歩いたでしょうか。きゅうにまわりがくらくなりだし、きりがかってきました。とてもまわりがあやしいふんいきになってきたのです。
「おいうさぎ、ほんまにこっちであってるんかいな。なんかきみわるいで」
「まちがいないよ、しんせつなへびさんがおしえてくれたみちなんだ」
「ふーん、そうなんか」
りょうしは『すぐにひとのいうことなんぞしんじおって。あいてがうそをついてるってかんがえたりはしないんか。しょうじきなやっちゃな。大体、このわしがまずおまえをだましとるっちゅーに』とこころのなかでおもいながらそうこたえました。

やがて、くらやみがせかいをおおいつくしたとき、一つのこえがきこえました
「きさまら、なにをしにきた」
とても、おおきくずぶとい声です。まるで、おおきな木がしゃべっているようでした。
そうですかみさまです。
「ぼくは、びょうきのおかあさんをなおしてもらいたくて、ここにきました!まほうの玉を、どうかぼくにください!」
うさぎがいいました。
「そうか、それはかわいそうに。よかろう、きさまがほしいというのならやろうではないか。ただし、じょうけんがある。まほうの玉には、材料がいるのだ。そこでしつもんである。きさまは、自分のいのちと自分のははおや、どっちが大切かね?」
かみさまが言いました。
「それは…」
うさぎがうーんと考えだしました。そんなこと、考えたこともなかったからです。
「まあよかろう、じっくり考えるがよい。さて、つぎにお前だ。ここになにをしにきた」
こんどはかみさまは、りょうしのほうにむかってそう言いました。
「わしか?わしはこいつのつれや。なんもやましいことなんか考えとらんで」
りょうしがそういうと、かみさまはじっくりとりょうしの目をのぞきこみました。まるで、こころの中までみすかされているような気分にりょうしはなりました。
やがて、かみさまはきゅうにかみをさかだて、顔をまっかにし、どなりちらしました。
「きさま!かみのまえでうそがつうようするとおもうてか!きさまのやましいそのこころ、わたしがくいあらためさせてくれる!」

あんこくのそらがはじけ、それとともにむすうのはりがりょうしめがけてふってきたのです!
りょうしはびっくりしました。あわててよけますが、なにせはりのかずがおおすぎました。なんほんかはよけられずに、りょうしのあしをつらぬきました。
「なんや、きゅうになにをするんや!わしはなんもやましいことなんか考えとらんで、なんかのまちがいや、やめてくれや!」
「だまれこわっぱ!きさまのじゃねんなど、かみのわたしのまえではすべておみとおしだ。うまくよけたようだが、もうあしはつかいものになるまい、こんどこそきさまのそのしんぞう、つらぬきとおしてくれるわ!」
またかみさまがはりをふらせようとしたそのときです。きゅうにさけびごえがしました。
「まってくださいかみさま!そのひとはなにかのまちがいと言っています!その人はいい人です!ひどいことはやめてください!」
うさぎでした。うさぎが、そのちいさなからだをせいいっぱいひろげ、りょうしのまえにたちふさがったのです。
『こいつ…わしにずっとだまされとったに・・・さいしょ、わなにかけてくおうとした。げいをしこんでかねにしようともした。だましてまほうの玉まであんないさせて、それをかねにしようともした。そんなうそつきだらけのわしを、このしょうじきうさぎは、まだしんじておる…なんでや・・・』
りょうしはそんなことをかんがえながら、ついにがまんできなくなってさけんでしまいました。
「おいうさぎ!おまえがそれだけしょうじきなら、わしもいっかいだけしょうじきになったる!いままでのはぜんぶうそや!ほんとうはわしはやましいことをかんがえて、おまえをだまして、かねもうけをしようとしたんや!おまえはだまされとったんや!ざまあみろや!これからやって、おまえみたいなあほんだら、なんかいでもだましたる!」

「なら、なんかいでもしんじますよ?」
しょうじきうさぎがいいました

りょうしはばからしくなって、おおわらいしてそのばにへたりこみました。

「このうさぎにめんじて、おまえをゆるしてやろう。これからはくいあらため、しょうじきにいきるがよい」
かみさまがいいました。
「さて、さっきの話にもどろう。うさぎよ、こたえはでたかね?」
かみさまがまたききました。
「それは…」
「おいうさぎ!」
きゅうにりょうしがさえぎりました。
「わし、さっきのきずがいたいんや。そっちのはやしからやくそうとって来てくれや」
「あ、わかりました」
うさぎは、はやしのほうへかけていきました。
「ふむ、きづいたか」
「あたりまえや。ざいりょうはずばり、だれかの「たましい」なんやろ?じぶんのいのちとははおやのいのち、ははおやがたすかったって、じぶんしんだらいみないがな」
「だが、あのうさぎにはそれだけかちのあることなのだ」
「まあきけや。たましいならべつに、だれのでもええんやろ?それならひとつ、ここにありまっせ」
「……ほう」
かみさまは、やがてにいっとわらうと、うでをふりかざしました。
「おいうさぎ!」
からだがすけとおってきたりょうしは、こえをふりしぼってはやしにいるうさぎにはなしかけました。
「はい?やくそうならもうちょっとだけまってくださいね」
「わしな、きゅうにようじができたからいくさかい。またな」
「そうなんですか?おからだをだいじにしてくださいね!」
「なあ、うさぎ」
「はい?」
「わしはな・・・」

「うそつきなんやで」


やがてうさぎがもどると、そこにはきれいなきれいなまほうの玉がありました。

2年生物語文 「巣立ち」 122922

ある家ののきしたに、小さなツバメの巣があります。
その巣の中ではひな鳥が三羽、元気に育っています。
ひな鳥たちは、お父さんツバメやお母さんツバメが大空を自由に飛び回っているのを見て言いました。
「気持よさそうだな。」
「うん。それに楽しそう。」
「いつかとべるようになるのかなあ。」

しばらくたち、ひな鳥たちもずいぶん大きく成長しました。
体の大きさもお父さんやお母さんと変わらないぐらいになりました。
巣立ちの日が近づいてきたのです。
一羽のひな鳥が言いました。
「もうそろそろとべるんじゃないかな?」
別の一羽が言いました。
「うん。楽しみだなあ。」
しかし、その二羽の横でもう一羽のひな鳥があまり浮かない様子でうつむいています。
「どうしたの?」
二羽が話しかけるとそのひな鳥は顔をあげて、
「ううん。だいじょうぶ。」
と答えました。
「ならいいけど。ああ、早くとびたいなあ。」
「…うん。そうだね。」
やっぱりそのひな鳥は少し元気のない様子でした。

とうとう巣立ちの日がやってきました。
お父さんとお母さんが見守っています。
あ、一羽が飛び立ちました。
そしてもう一羽、つづけて大空へ羽ばたきました。
あれ?もう一羽が出てきません。
巣の中をのぞいてみると、おや、いました。
その子は前の時、元気のなかったあの子でした。
「こわいよう。こわいよう。」
どうやら飛び立つゆうきが出ないようです。
「やっぱりぼくが飛ぶなんてむりだよう。」
そこに先に飛んだ二羽がもどってきて言いました。
「自信を持つんだ。だいじょうぶ。」
「そうさ、自分を信じるんだよ。ぼくは飛べるんだ、ってね。」
「そっか…よし!」
ひな鳥は少しうつむきました。
しかし次のしゅん間、
「バサッ!!」
ひな鳥は大空へ飛びだしました。

「なんて気持ちがいいんだろう。」
ひな鳥はうれしくてたまりません。
お父さんツバメが言いました。
「ゆうきを出してよかっただろう?」
「うん。ほんとうによかった。」
「お父さんだってはじめてのことはこわいものなんだ。だれだってそうさ。でも、それであきらめてちゃもったいないよな。」
「うん。ぼく、ゆうきを出してほんとうによかった。だってそうじゃなかったら、空を飛ぶことがこんなに楽しいことだったってしらないままだったもん。」

五羽のツバメは今日も仲良く大空を飛びまわっています。

2年生物語文 「無題」 122923

 あるところに、ウサギの赤ちゃんが一匹だけで泣いていました。そこに、牛の群れがやってきました。牛たちはウサギのことをかわいそうだと思いましたが、見てみぬふりをしようとしていました。しかし、一匹のメス牛が放っておけないと言い、群れにウサギを連れて行きました。

 赤ちゃんウサギはそのメス牛をお母さんとして、元気に育っていきました。するとある日、ウサギは自分と群れの仲間達との違いに気付き、不思議に思ってお母さんに聞きました。「どうして僕の耳は長いの? どうして僕のしっぽは短いの? どうして僕は毛が長いの?」しかし、お母さんは背を向けるだけで答えてくれませんでした。

 ある日、ウサギは少し群れから離れて遊んでいると、自分と同じような姿の動物がたくさんいる群れを見つけました。ウサギはうれしくなって群れの子供たちと話して一緒に遊ぶ日々が続きました。牛の群れに戻ってみると、ちょっといつもと違うことに気付きました。群れのみんなはそれぞれ話しているのに何を言っているかわかりません。お母さんのところにいき、話そうとしてもお母さんと話ができません。お母さんはこっちを見ているのに。

 ウサギは誰とも話せなくなり、寂しいと思っていたら、ウサギの群れで一緒に遊んだ子供たちが呼んでいます。「こっちで一緒に暮らそうよ」ウサギは同じような見た目の群れにいたいと思っていたが、今まで一緒に暮らした仲間との別れは少しとまどいました。

 そのとき、後からお母さんが鼻で押してきました。振り返ってみると、お母さんは悲しそうだけど笑顔を作って口をパクパクしていました。もうウサギにはなんと言っているかわかりませんでしたが、なんだか「行ってらっしゃい」と言ってくれているような気がして、ウサギの群れに入って行きました。こうして、ウサギは本来自分がいるべき群れでたくましく育っていきました。

2年生物語文 「なかよし」 122924

 けいたくんは小学2年生の男の子です。
けいたくんはクラスの人気ものです。
クラスのだれとでもなかよく話すことができます。

 ある日、クラスにてんこう生が来ました。
名前はメアリーといいました。
そのメアリーは日本に来て間もない外国の人でした。
だから、日本語がうまく話せません。

 メアリーは休み時間にクラスの子に話しかけられますが、日本語が少ししか話せないのでうまく交流ができません。
けいたくんもうまくメアリーとなかよくなれませんでした。
しだいにメアリーに話しかける子は少なくなっていきました。

 けいたくんはメアリーとなかよくなることをあきらめませんでした。
けいたくんは、言葉で話さずにみぶり手ぶりではなすことはできるのに気づきました。
けいたくんとメアリーはなかよくなることができました。

 けいたくんはそのことをみんなにおしえてくれました。
クラスの子たちもみぶり手ぶりで話すことができるようになって、なかよくなれました。

2年生物語文 「大きな木ののっぽ君」 122926

草原におおきな木が一本だけぽつんとたっています。その木の名前はのっぽ君。のっぽ君は動けません。のっぽ君はいつもみんなのいやがることをしていました。たとえば小鳥さんがのっぽ君にとまって休憩しようとすると、のっぽ君はからだをゆらして「ざまーみろ。」と、小鳥さんがとまれないようにしたりしていました。それをたのしんでいたのです。みんなが「のっぽ君にちかずくといじわるされる」といい、とうとうみんながはなれていきのっぽ君は一人ぼっちになってしまいました。

ある日、のっぽくんはひとりでひまだったので、となりの木ののっぽちゃんのようすをみていました。のぽちゃんには、小鳥さん、虫さん、いろいろな動物たちが集まっています。のっぽちゃんは聞いています。「小鳥さんいごこちはどうですか。」小鳥さんは答えます。「とてもいごこちがいいですよ。」と。それにくらべてのっぽくんは自分には最近だれもよってこないことにきづきました。

のっぽくんはのっぽちゃんにたずねました。「ねね、のっぽちゃん。なぜのっぽちゃんにはみんながあつまって、ぼくにははあつまらないの?」のっぽちゃんは答えました。「のっぽくん。のっぽくんがいじわるするから、みんながはなれていったのだよ。相手を思いやることを大切にするのがいちばんよいことだよ。」のっぽくんはいいました。「なるほど〜。いままで自分中心でみんなのことかんがえていなかったなみんなにわるいことをしたな。」

のっぽちゃんはみんなに「のっぽくんがいままでしたことをあやまっていたよ。」といいました。小鳥さんたちは少し怖がりながらいっかいいってみようか。と思い、いってみました。のっぽくんは小鳥さんたちみんながきたときまず初めに謝りました。「みんなのことも考えずいじわるしてごめんね。」と。すると、小鳥さんたちはゆるしてくれました。

それからというもの、のっぽくんは思いやりの心を大切にしてみんなにかこまれていろんな話をし楽しく毎日をすごせるようになりました。

2年生物語文 「桜ちゃんと水泳」 122927

 小学二年生の桜ちゃんは運動が大好きです。いつも運動場で走り回り、
体育の時間を楽しみにしていました。しかし、運動が大好きな桜ちゃんは
1つだけ大嫌いな運動があります。それは水泳です。走るのだって跳ぶのだって
大好きなのに水泳の時間だけは好きになれませんでした。

 夏になると大嫌いな水泳の時間があります。しかも今年は25mのタイムを
計ると先生が言っていました。泳ぐことすらできないのにどうすればいいか
桜ちゃんは先生に相談しました。先生は「練習すれば泳げるようになるよ。」と言いました。

 そこで桜ちゃんは泳ぎが得意な友達の千夏ちゃんと一緒にプールで
練習することにしました。千夏ちゃんはこう教えてくれました。
「私も昔は泳げなかったんだ。それが悔しくていっぱい練習したんだよ。だから
桜ちゃんもたくさん練習しよう。」

 桜ちゃんは千夏ちゃんの話を聞いて、たくさん練習しました。千夏ちゃんやほかの
友達も手伝ってくれました。そして25mのタイムを計る水泳の時間、桜ちゃんは
見事25mを泳ぎ切りました。

 水泳以外の運動が大好きだった桜ちゃんは今ではどんな運動でも大好きになりました。
苦手なことでも頑張れば好きになれることを知ったからでしょうか。

2年生物語文 「夜のうらやま」 122928

 ゆうたは夜がこわくて、一人でトイレにも行けないおくびょう者です。ゆうたには、しっかり者の兄である、しゅんがいました。二人はとてもなかのいい兄弟で、どこにいくにも一緒でした。

 ある日、しゅんは考えていました。「どうしたら、ゆうたは夜をこわがらなくなるだろう。」しゅんは、兄として、おくびょうな弟のことが気になっていたのです。しゅんは、ふと空を見上げました。そして、「あっ、そうだ!」と何か思いついたようにさけんで、走って行きました。

 その日の夜、しゅんはゆうたに言いました。
「今から、うら山に行くぞ。」
「えぇっ。いやだよぅ。」
ゆうたはおびえたように言いました。しかし、
「いいから行くぞ。ついてこい。」
と言って、しゅんはむりやりゆうたをつれて行きました。
 昼間はいつも遊んでいる裏山ですが、夜に行くのははじめてでした。ゆうたは、いつも遊んでいて、なれしたしんでいるうら山が、えたいのしれないものに感じました。
「兄ちゃん、やっぱ帰ろうよ。」
「だいじょうぶだから。ほら、行くぞ。」
そう言って、しゅうは、こわがるゆうたの手をにぎって、うら山に入って行きました。

 ゆうたは、こわくてこわくて、目をぎゅっとつぶったまま、兄について行きました。少し歩いたところでしゅんが立ち止まり、ゆうたに言いました。
「目をあけてごらん。そして、上を見てごらん。」
ゆうたは、おそるおそる目をあけ、上を見てみました。すると、空いっぱいに満天の星空が広がり、きらきらと星がかがやいていました。
「すげー。きれい…。」
ゆうたは、とてもかんどうしました。そして、しばらく星をながめたあと、また二人で手をつないで帰って行きました。

 それ以来、ゆうたは、夜がすっかり好きになり、たまに星を見上げるのでした。

2年生物語文 「ともだち」 122929

もうすぐ卒ぎょうしき。
6ねん生とさよならしなければいけません。
2ねん1くみのたんにんのさとう先生が、「6ねん生が卒ぎょうするまえに6ねん生にダンスとうたをプレゼントしましょう。」といいました。
みんな大さんせいです。
さっそくその日からうたとダンスのれんしゅうがはじまりました。

れんしゅうじかんはひる休みとほうかごです。
でも、たかひろはほうかごのれんしゅうにいくことができません。
なぜなら、お母さんがしごとでよるおそくまでいないので、たかひろはいえにかえっておとうとのせわをしなければいけないからです。
みんなはほうかごもれんしゅうしているので、どんどんうまくなっていきます。
たかひろはひるやすみしかれんしゅうしていないので、おどりもうたもみんながおぼえているところがまだおぼえられていません。
ある日のひるやすみに、うまくできないたかひろをみたこうへいくんが「たかひろくんだけおどりもうたもできていないから、みんなにめいわくがかかっているよ」といいました。
たかひろはとってもかなしいきもちになりました。

そのひから、たかひろはいえにかえってからもひとりでれんしゅうをするようにしました。
でも、さとう先生がくれた紙をみてもおどりもうたもよくわかりません。
たかひろはこまってしまいました。
すると、とつぜん、ピーンポーンとインターホンがなりました。
ドアをあけると、そこにはこうへいくんがいました。
「どうしてぼくのいえにきたの?」とたかひろがたずねました。
すると、こうへいくんは「たかひろくんにうたとおどりをおしえにきたんだよ。」といいました。
たかひろくんにおしえてもらいながられんしゅうすると、うたもおどりもとてもわかりやすくてうんとじょうずにできるようになりました。
たかひろはとってもうれしくなりました。

こうへいくんはつぎのひも、そのつぎのひもたかひろのいえにやってきてうたとおどりをおしえてくれました。
すると、たかひろはみるみるじょうずになり、くらすのみんなに迷惑をかけないようになりました。
それどころか、みんなよりもじょうずにうたったりおどったりできるようになったので、みんなはとてもおどろいていました。

ついに、本ばんがやってきました。
六ねんせいのまえでうたったりおどったりするのはとってもきんちょうしました。
けれども、たかひろもこうへいくんもクラスのみんなもとってもじょうずにうたっておどることができて、けっかはだいせいこうでした。
本ばんがおわったあと、たかひろはこうへいくんに「いままでありがとう。ぼくがうまくできるようになったのはこうへいくんのおかげだよ。」といいました。
すると、こうへいくんは、「なんてことないさ。」と言ってにやっとわらいました。
たかひろはとってもうれしい気もちになりました。

2年生物語文 「たかしくんのたんじょうび」 122931

明日はいよいよたかしくんのたんじょうび。
でも、この日の朝からたかしくんはかぜでねこんでしまっていました。
「明日せっかくの誕生日なのに、かぜひいちゃうなんて...」いまさらになって、昨日雨の中友だちとはしゃぎまわっていたことをこうかいしました。
「なんとかならないかなぁ」だけど、いくら考えてもいい案は浮かびませんでした。「しかたない、寝よう」たかしくんはあきらめて寝ることにしました。

「たかしー!あそぼうぜーっ!」そう言って訪ねて来たのはたかしくんがいつもいっしょにあそんでいるあきらくんです。「ごめんね、たかしかぜひいたみたいだから今日はあそべないの。」たかしくんのお母さんがあきらくんに言いました。ぜったい昨日雨の中あそびにさそったからだと、あきらくんは思いました。思えばいつもあそびにさそうのは自分で、たかしくんはあきらくんにさそわれるとどんなに自分のちょうしがわるかったりつごうがわるくてもぜったいあそびにきてくれていました。「明日せっかくのたんじょうびなのに、たかしにわるいことしちゃったな...なんとかできないかな?」あきらくんはたかしくんのかぜをなんとかしてあげようと思いました。

しかし、いくら考えてみてもかぜをすぐに治すほうほうなんてみつからなかったので、おばあちゃんに聞いてみることにしました。「おばあちゃん、できるだけ早くかぜを治すほうほうってない?」「おくすりのんで、しっかりねるのがやっぱりいちばんだねえ」そういいながらおばあちゃんはあきらくんにくすりをわたしました。「たいちょうがわるいようにはみえないけど、しんどいならねんのためにのんどきなさい。」「ありがとう、おばあちゃん!」こうしてもらったくすりをだいじにもって、もう一度たかしくんの家に行きました。

「たかし、たかし!くすりもってきたから、これのんでもっかいねて!」「わざわざくすりもってきてくれたの?ありがとう!」たかしくんはうれしそうに受けとって、それからぐっすりねました。

そして、朝おきるとすっかりかぜがなおっていました。そして、たんじょうひを思いっきり楽しむことができました。「たかし、たんじょうびおめでとう!」あきらくんがきました。「この前は雨の中あそびにさそっちゃってごめんな。こんどからはちゃんとてんきがいい日にさそうことにする」あきらくんが言いました。「ううん、ぼくがかぜひいたのはあきらくんのせいじゃないよ。ことわらなかったぼくがわるいんだから。それに、ぼくもあきらとあそびたいから、ことわらなかったんだ」たかしくんがいいました。あきらくんはちょっと赤くなりながら、言いました。「またあそぼうな!」「うん!」

2年生物語文 「ともちゃんの幽談記 そのに」 122933

 ともちゃんはおばけが見える男の子です。
 これはともちゃんが二年生の冬のお話。

 その日、ともちゃんは友達といっしょに帰っていたのですが、ふと学校の机に宿題を忘れてしまったことを思い出したのです。
「あっごめん、オレ学校に宿題忘れたから取ってくるわ」
「うん、分かった。じゃあね」
「おう、またな」
 ともちゃんはそう言って友達と別れると学校に走って向かいました。
 学校はもう皆帰ってしまっていて生徒の姿はどこにもありません。先生も職員室にいるのか教室の先生の机も空っぽです。
 誰もいない教室は昼間とはまるで別人のようで、ともちゃんはぶるっと体を震わせました。
 急いで机から宿題を取り出してランドセルにしまうと、ともちゃんは走って教室から出て行きました。

 このまま一気に走って家まで家まで帰ろう。
 そう思った時です、トイレの前にさしかかったともちゃんはトイレの中からシクシクと鳴く声を聞いたのです。
 ともちゃんはなんだろうと思って足を止めました。
 けど、トイレの中までは入っていけませんでした。泣き声が聞こえてきたのは女子トイレだったからです。
 それでともちゃんは仕方なくトイレの外から声をかけました。
「おーい、誰かいるんか?なんで泣いとるん?」
 けれど返事はありません。ただシクシクという泣き声が聞こえるだけです。
「おーい!」
 ともちゃんはさらに大きな声で叫びます。けれど返事は全然なく、ともちゃんはだんだんと腹が立ってきました。
「泣いていたら分からんやろ!なんか困ってるんやったらちゃんと話しや!」
 ともちゃんがそう叫ぶとピタッと泣き声が止みました。やがておずおずとした感じで声が聞こえてきました。
「……れ、ないの」
「なんて!?」
 ともちゃんはまだちょっとイライラしていたので少しきつめに言いました。すると先ほどより少し大きめの声が聞こえてきました。
「トイレから、出られないの……」
「トイレから出られない?」
 ともちゃんは女の子の話を聞いて、カギでも壊れているのかなと首を傾げました。
「全然出られんの?」
「う、うん」
 それは困ったと、ともちゃんはうなります。
 自分の代わりに見てきてくれるような女子はもういませんし、先生は職員室にいるにはいるだろうけど行ったら自分がこんな遅くまで残っていたことを先生に怒られてしまいます。それは嫌でした。
「分かった。ちょっと待っときや」
 ともちゃんは覚悟を決めると女子トイレの中に入っていきました。
「あれ?おしっこするところがない」
 ちょっとドキドキしながらトイレに入ると、ともちゃんは物珍しさにトイレの中を見渡していましたが、すぐに目的を思い出すと声をあげました。
「おーい、どこや?」
「ここだよ」
 すると前から四番目のトイレから声が聞こえてきました。
 ともちゃんはそのトイレの前に立つとドアにそっと手を伸ばしました。
「あれ?」
 けれど意外なことにトイレのドアは何の抵抗もなくすんなり開いてしまったのです。
「なんや、開くやんか……」
 そう言いながらともちゃんはトイレの中を覗き込みました。しかし、そこには誰もいません。
「まだぁ?」
 シクシクシクシクシクシクシクシク……。
 泣き声だけがトイレに響き渡ります。
 そこで初めてともちゃんは声の持ち主がおばけだと気がつきました。

 ともちゃんは怖くなってトイレから逃げ出そうと脚を踏み出します。しかし、その時再びトイレの中に視線をやると、トイレに重なるようにしてうずくまったまま泣く小さな女の子のおばけを見つけたのです。
 女の子のおばけは出れない、出れないと何度も泣いていました。
 それを見たともちゃんは怖い気持ちが小さくなって、代わりに悲しい気持ちが大きくなってきました。
 逃げかけていた足を止めると、ともちゃんは勇気を振り絞ってトイレに戻りました。
 女の子のおばけはともちゃんが戻ってきたというのにまだシクシクと鳴いています。
 どうやらともちゃんには気がついていないようです。
「ほらっ行くで!」
「あっ」
 もしかしたら手がつかめないかもしれないと思いましたが、そんなことはなく、ともちゃんは女の子を立ち上がらせるとそのままトイレの外まで引っ張っていきました。
 外に出た女の子はしばらく驚いたような顔をしていましたが、やがて顔を輝かせると、
「ありがとう」
 そう笑って消えてしまいました。
 女の子を見送ったともちゃんは、怖いような嬉しいようななんだか不思議な気持ちになりました。ただそれは決して悪い気持ちではありませんでした。
「帰ろう」
 ともちゃんはそう呟くと軽い足取りで学校を後にしました。
 日はとっくに落ちて帰り道は真っ黒でしたが、ともちゃんは不思議とそれに怖さを感じませんでした。

「そりゃーえいことしたね」
 後日、おばあちゃん家に遊びに行ったともちゃんはおばあちゃんにこの間のことを話すと、そう笑って褒められました。
「きっとその子は迷子になってたんやね。亡くなる直前にどこか閉じ込められたんやろうか、惨いねぇ」
 そう言っておばあちゃんは悲しい顔をしました。ともちゃんもそれを聞いて悲しい気分になりました。前に悪戯してお父さんに物置に閉じ込められた時すごく怖くて寂しい思いをしたことを思い出したのです。
「けど、その子もあんたのお蔭で上にいけたわ。ともちゃんえらい!ごほうびに今日はおばあちゃんがなんかえいもん食べさしたろ!」
「本当?わーい!」
 それを聞いたともちゃんは両手を上げてばんざいをしました。おばあちゃんの料理はとてもおいしくてともちゃんは大好きだからです。
 あの子も今頃おいしいごはん食べれているといいな、とともちゃんはふと空を見上げたのでした。

2年生物語文 「タクヤ」 122935

ぷー。
2年3組におならの音がひびきわたりました。
みんながざわざわしています。ですがその中で一人だけかなしんでいる女の子がいます。なぜかなしんでいるかというとこの子がおならをしたからです。この子の名前はよし子、この物語の主人公です。

 よし子は頭がよくスポーツもとくいなのですが、ひとつこまっていることがあります。それはひとつ前の席のタクヤが毎日毎日ちょっかいをかけてくることです。
 昨日は、よし子がかわいいリボンを学校につけてきたのですが、それを見てタクヤは「うっっわーーー、だっせーーの」などと言ってからかってきました。タクヤに言われるだけならまだよいのですが、タクヤはすぐみんなに知らせたがります。「おーーーい、このリボンだせーーぞーー」タクヤはさけびます。
 そんなタクヤをよし子は好きになれずにいました。

 今、2年3組の教室でおならをした犯人さがしが始まりました。
「だれだよーおならしたのーー」「私じゃないってば!」「おれは後ろのほうからきこえたぜ」「くせーー」「やめなってばー」「くせーー」みんな大騒ぎです。
 ひとつ前の席のタクヤはよし子が犯人であるとわかっているにちがいないのでよし子はタクヤにおならの犯人だとみんなに言われることを恐れていました。

 そんな中タクヤは大きな声で叫びました。「オレ、犯人しってるぜー」
教室中の生徒が食いつきます。「だれなんだよ!」
よし子は心の中で願いました。「お願い・・・言わないで」
タクヤは答えます。「犯人は・・・・・・俺なんだ。」
よし子はびっくりしました。タクヤが罪をかぶってくれたのです。
よし子はとてもうれしくなりました。

 そしてその日の放課後よし子はタクヤに「今日は・・その、ありがとうね」といいました。
するとタクヤは「なっなにがありがとうだ、いっいみわかんねーよ」と照れながらいい、走って帰っていきました。後姿が街角にきえていきます。
 そんなタクヤをよし子はちょっぴり好きになりました。

2年生物語文 「リンダの不思議な冒険」 122936

深い深い森の奥に、リンダという女の子が住んでいました。リンダはおばあさんと二人で暮らしていました。そして、いつもふたりぼっちでした。街の人たちはめったに森の奥には来ませんし、たまに来ても猟師や怖い大人たちだけでした。そんな森に住んでいたので、リンダには人間の友達がいませんでした。いつも一緒に遊ぶのは森の動物たちです。

ある日、リンダとリスたちがどんぐりの木の下でお昼ご飯を食べていると、大勢の人の声がしました。不思議に思ったリンダが声のするほうへ行き、木の間からのぞいてみると、木々の間にある原っぱにたくさんの子供たちがいました。どうやら学校の遠足で森の中の原っぱにピクニックに来たようです。子供たちはお弁当を広げて、わいわいとおしゃべりしながら楽しそうです。いいなあ、とリンダは思いました。人間の友達がいないリンダは誰かと一緒にピクニックに行ったり、いろんなお話をしたりということをしたことがありませんでした。森の動物たちとは一緒にお昼ご飯を食べたりしましたが、リンダと動物たちでは食べるものが違うので、誰かと分け合ったりすることはありませんでした。それに、おしゃべりしたくても動物たちとは言葉が通じません。

リンダはもう一度木の間から原っぱをのぞき見ました。すると、一人の女の子がリンダに気づきました。「先生、あの木の間に誰かいるよ!」リンダは回れ右をして逃げようとしましたが、その時リスたちが、リンダのズボンのすそを引っ張って離しませんでした。リスたちは、リンダのことが大好きだったので、リンダに人間の友達を作ってほしかったのです。

リンダのことを最初に見つけた女の子が、リンダのところまでやってきました。「お名前はなんていうの?」女の子は笑ってリンダに聞きました。「…リンダ。」同じぐらいの年の女の子に笑いかけられるなんて初めてのことでしたから、リンダは恥ずかしがりながらやっとそれだけ答えました。「私はメイ!リンダ、一緒にお弁当食べようよ!」メイはそう言って、リンダの答えを待たずにみんながいる原っぱに引っ張っていきました。メイはみんなに、「この子、リンダっていうんだって。みんなも一緒にお弁当食べながらおしゃべりしない?」といいました。みんなは口々に「賛成!」と叫びました。メイはリンダに向きなおって、にっこり笑いました。リンダもにっこりしました。

深い深い森の奥に、リンダという女の子が住んでいました。リンダはおばあさんと二人で暮らしていました。でも、もうふたりぼっちではありません。街の学校がお休みの日になると、メイとたくさんの友達が原っぱに来て、みんなでお弁当を食べたり追いかけっこをしたりして、楽しく遊びます。こうしてリンダにはたくさんの人間の友達ができましたとさ。

2年生物語文 「あみちゃん」 122937

あきちゃんは、元気で明るい小学二年生です。家族はお母さんとお父さんです。あきちゃんは、毎日学校へいきおべんきょうをし、友だちと遊んだりして、楽しくすごしています。家にかえると、お母さんお父さんと、今日あったことなどをおしゃべりします。あきちゃんは、とても、幸せな毎日を過ごしていました。

ある日、あきちゃんは、いつもどおりに学校へいき、家にかえってお母さんとお父さんと、おしゃべりしようしていました。ところが、家にかえると、「あきちゃん、少しお話があるの。」とお母さんに言われました。ふしぎに思いながら、リビングへいきました。リビングには、お父さんがすわって、まっていました。

「あきちゃん、じつはね、お母さん、病気なの。入院して、手術しなくちゃだめなの。」と、お母さんは話しはじめました。「明日、入院して、手術なの。」と、あきちゃんは、お母さんに言われました。あきちゃんは、ショックをうけました。お母さんのことが心配で、なみたあふれてきました。お父さんは、「あきちゃん、大丈夫だよ。お父さんもいるから。」といって、あきちゃんと、お母さんをだきしめました。

次の日、あきちゃんは、学校を休んで、お父さんと病院にいきました。病院につくと、もうすぐ、手術が始まる時間でした。「お母さん、がんばってね。」と言い、あきちゃんとお父さんは、お母さんを見送りました。手術のあいだ、あきちゃんも、お父さんも、落ち着きがありません。二時間ほどして、お母さんが手術室から出てきました。「ぶじ、手術は成功しましたよ。」とお医者さんに言われ、あきちゃんとお父さんはとても安心し、喜びました。

一週間後、お母さんは、元気に退院しました。あきちゃんも、まえぬ前のように元気になりました。小学校にもげんきにかよい、お母さんとお父さんと、幸せにくらしました。

2年生物語文 「無題」 122938

ある森の木の上に1匹のお母さん鳥と3羽の小鳥が住んでいました。小鳥は全員男の子で、まだ空をとぶことができません。なので、お母さんが取ってきてくれる食べ物を全員で分けあって、食べています。

1番上の長男鳥は、やんちゃな性格で3兄弟のリーダーです。2番目の次男鳥は、れいせいな性格で兄弟のなかで1番かしこいです。3番目の三男鳥は、おくびょうな性格で、とてもおとなしいです。それぞれ性格はちがっていますが、3羽とも仲良くくらしていました。

ある日お母さん鳥から「あなたちも、もうすぐ空をとべるようになるから、練習していきましょうね。」と言われました。兄弟たちは自分の力で空をとべるようになるのを、楽しみにしていたので、とてもよろこびました。兄弟で話し合って、さっそく明日から練習することに決めました。

次の日、まず長男鳥が「よし、いくぞー。」といきおいよくとびだしました。しかし、つばさをうまく動かせず、ひゅーーーと木から落ちてしまいました。お母さん鳥が拾い上げて、もどってきました。長男鳥はあきらめず、「もう1回頑張るぞ。」ともう1度とびだしました。今度はうまくつばさを羽ばたかせ、バサッ、バサッととぶことができました。長男鳥の様子を見ていた次男鳥は、しっかりつばさを動かす練習をしてからとびだしました。すると、1回目でとぶことができました。

最後は三男鳥の番ですが、なかなかとびだそうとしません。お母さん鳥が「どうしたの。」と聞くと、「兄ちゃんみたいに木から落ちたらどうしよう。」と三男鳥が言いました。どうやらすっかりおびえてしまったようです。「しっかり練習すればだいじょうぶだよ。」とお兄さん鳥たちがばげまします。三男鳥はつばさをう動かす練習をし、ゆうきを振りしぼってとびだしました。バサッ、バサッととぶことに成功しました。空をとぶことをとおして、兄弟のきずなは深まったといいます

2年生物語文 「無題」 122939

 ビートは気の弱い少年で、クラスのみんなとうまく話すことができずにいつも一人でいました。おさななじみのロンドはクラスの人気者で、クラスのみんなとよくいるにで、ビートといっしょにいることも昔にくらべて少なくなりました。

 授業中のとき、「では、このもんだいのわかる人は手をあげて」先生がそう言うと、みんなが手をあげました。でも一人だけ手をあげていない人がいます。ビートです。「ビートあなたならわかるでしょ。」そう言われてビートは立ち上がりました。しかし、わかっていながらこたえることはできませんでした。「わからないですか。では代わりにカイリさん答えてください。」と先生は言いました。しかし、カイリも答えませんでした。それはきっとぼくのことがきのどくだからだ。とビートは思いました。

 ビートはあるときついにたえきれなくなって学校をぬけだして、どこまでも走っていきました。そしてついに、見たこともない場所にでたどりつきました。どうせもう帰り道もわからないし、このままいろんなところをたびするのもいいかな。と、ビートは思いました。そのとき後ろに人がいることに気がつきました。

 その人はロンドでした。「どうしてここにいるの。」ビートは問いかけます。「ビートのことをさがしていたんだ。」カイリは答えます。「ぼくはもうあの場所にはもどらないよ。」「つれもどすつもりはないよ。ただきみといっしょに行きたいだけさ。わたしは、クラスのみんなより友達といっしょにいるほうが楽しいからね。」

 二人はどこまでもつづくと知れない道をいつまでもいっしょにすすんでいきました。

2年生物語文 「おおきくなりたくて」 123013

深い深い森の奥にひとりのこびとがいました。こびとは何年たっても年をとらないふしぎなにんげんでした。でも、おおきくならないのは、こびとだけ。まわりの友だちはみんなすくすくとおおきくなっていきます。「みんなあんなにおおきくなって、かっこいいなあ。ぼくもおおきくなりたいなあ。」こびとはいつも思っていました。

ある日こびとは神様のところへ行きました。「神様、どうかぼくを、友だちみたいに大きくしてください!」こびとは神様にお願いしました。神様は「よし、きみの願いをかなえてあげよう。」と、言いました。「わぁい!これでぼくも大きくなれるんだ!」こびとは、とびはねてよろこびました。すると神様はこびとにこう言いました。「まず、山のふもとにあるりんごを一つ取っておいで。」こびとはおどろきました。魔法ですぐに大きくしてくれると思っていたからです。でもこびとは「大きくなれるなら!」と、はりきってりんごを取りに行きました。

りんごの木を見つけたこびとは、悩んでいました。「うーん、木が高くてりんごまで手が届かないや。神様もいじわるだなあ...」ぴょんぴょんとんでみたり、木のえだを見つけてつついたりしても、りんごは取れません。しばらく考えていると、目の前が急に暗くなりました。顔を上げるとそこには仲よしのAくんが立っていました。「どうしたの?こびとくん。」「りんごを取りたいんだけど、高くて届かないんだ。」「ぼくが取ってあげるよ!」Aくんは、ひょいっとりんごを取ってくれました。「ありがとうAくん!」こびとは大喜びで神様のもとに帰りました。

「神様!りんご取ってきたよ!」すると神様は、「山の頂上に行ってごらん。」と、言いました。今度こそ大きくなれると思って、こびとは山をのぼりました。頂上には困った顔をしたBくんがいました。Bくんはいつもこびとのことを「ちび、ちび」と、ばかにしてくるので、こびとはBくんのことが少し苦手でした。「Bくん、どうしたの?」こびとが声をかけると、Bくんは言いました。「木の根のあいだにボールが入っちゃったんだ。パパからもらった大切なボールなのに。」「ぼくにまかせてよ!」こびとは小さい体をいかして、木の根のあいだに入りこみ、ボールを取ってきました。「ありがとう!いつもばかにして、ごめんな。」こびとはBくんと仲直りしました。

そこへとつぜん神様がやってきて、こう言いました。「こびと、きみはわたしの言葉を信じて、りんごを取ってきたり、Bくんを助けたりした。きみは十分大きくなったんだ。高いところに手が届かなければ、友だちに助けてもらえばいい。逆に、友だちが届かないようなところは、きみが助けてあげればいい。きみは大きくなる必要なんて一つもないんだ。ほら、うしろを見てごらん?」こびとのうしろにはAくんとBくんがいました。「小さいぼくにしかできないことがあるんだ!」
それからこびとは、自分が小さいことになやまなくなりました。

2年生物語文 「カエルくんとキツツキくん」 123119

「キツツキくん、ありえないよ!」
「カエルくん、本当にごめん!」
キツツキくんはカエルくんに怒っています。
「あんなに大切なものだよって言ったのに!」
とキツツキくんは言いました。
カエルくんは昨日キツツキくんからあずかっていた宝物のきらきら光る玉をなくしてしまったのです。
カエルくんはそれをどろぼうに入られたらけないと思い持ち歩いていたのですが、どこかで落としてしまったのです。
カエルくんはさっそく昨日訪れた場所に行って宝物を探すことにしました。

まず最初に、カエルくんは八百屋さんに行きました。
「すいません、昨日ここできらきら光る玉をみませんでしたか?」
カエルくんは店長のネズミくんに聞きました。
「いいや、見てないね。」
ネズミくんは答えました。
「そうですか…」
カエルくんは八百屋さんを出ました。

次に、カエルくんは友達のバッタ君の家に行きました。
「ねえねえ、昨日ここできらきら光る玉を見なかった?」
カエルくんはバッタくんに聞きました。
「いや、見てないよ。」
バッタくんは答えました。
「そうか、ありがとう。」
カエルくんはバッタくんの家を出ました。

最後に、カエルくんは親せきが集まる近所の池に来ました。
「みんな!ここできらきら光る玉を見なかった?」
カエルくんは親せきのみんなに聞きました。
「いいや、見てないなあ。」
親せきのみんなが答えました。
「そうなのか…」
カエルくんがあきらめかけたその時、池の中に光る一つの玉を見つけました。
「あった!」

カエルくんとキツツキくんは無事仲直りができました。

2年生物語文 「さがしもの」 123817

タロウ君は河原でしゃがみながらうろうろしていました。どうしてそんなことをしているかと言うとあるものを探していたからでした。あるものと言うのは、タロウ君が大切に、いつも持ち歩いていたお守りです。そのお守りは最近なくなったタロウ君が大好きだったおばあちゃんがタロウ君にとくれたものでした。

「どこにやったんだろ。ぼくの大切なお守りなのに。もし見つからなかったらどうしよう。」と言いながら、見つからないことに不安になりながらいっしょうけんめい探していました。けれど、いくら探しても見つかりません。タロウ君はいくら探しても見つからないことに、だんだんあせってきました。探すことに必死になっているタロウ君は、
「ちがうところにおちているかもしれない、もっとちがうところも探そう」
と、広く探すようになり、じっくり探さないようになってしまいました。

1時間ほどたったころでしょうか、ともだちのゴロウ君が通りかかりました。たろう君がいることに気づいたゴロウ君は、
「どうしたの。何をしているんだい。」
と、タロウ君にたずねました。なのでタロウ君は、
「大切なものをおとしてしまったから、探しているんだ。ずいぶん長い間探しているんだけど見つからないんだ。」
と言いました。そのことを聞いたゴロウ君は、
「探すのを手伝ってあげるよ。一人より二人のほうがきっと早く見つかるさ。」
と言いました。タロウ君はゴロウ君が言ったことにたいしておどき、そしてうれしくなって、
「ありがとう。」
と言いました。今まで一人で探し続けていたタロウ君は、なかなか見つからないことに不安があったのですが、ゴロウ君が手伝ってくれるときいて少し不安がなくなりました。
ゴロウ君はたろう君に何を落としたのか、どこら辺でおとしたのかを聞きました。なのでタロウ君は落としたものはどんなものなのか、どこら辺でおとしたのかをゴロウ君に詳しく教えました。
二人で探し始めてずいぶん時間が過ぎましたがいっこうに見つかりません。しかし二人はあきらめないで探しました。それでも時間がたつのはとても早く、時間はあっという間に過ぎていきました。タロウ君がもうあきらめようとしましたが、ゴロウ君は、
「きっと見つかるよ。」
と言っていっしょうけんめい探していました。ゴロウ君のいっしょうけんめいな姿を見たタロウ君ははげまされ、もう少しがんばろうという気持ちになりました。

日が暮れかけていて、もうそろそろ帰らないといけない時間になっていました。本当にもう見つからないのかなとあきらめかけたそのとき、ゴロウ君が
「あった。」
と大声をあげました。タロウ君はゴロウ君の声におどろき探す手をとめました。ゴロウ君はタロウ君にかけより、
「タロウ君が探しているのはこれじゃない。」
と、ゴロウ君は見つけたものをタロウ君に見せました。それをみたタロウ君は、
「これだよ。見つけてくれてありがとう。」
といっしょにいっしょうけんめい探してくれたゴロウ君にかんしゃの気持ちを込めてうれしそうにいいました。
「見つかってよかったね。これからも困ったことがあったらいってね。」
というと、タロウ君は、
「うん。ゴロウ君も何か困ったことがあったらいってね。ぼくもちからになるよ。」
といいました。二人はおとしものを見つけてうれしくなったのと、見つかってよかったのとで、よりいっそうなかよくなれたきがしました。

こうしてタロウ君の落し物が見つかり、日が落ちてきたのでタロウ君とゴロウ君は
「ばいばい。」
といって、それぞれおうちにかえって行きました。

2年生物語文 「森のダンスパーティー」 123819

 今日は森のダンスパーティーの日です。その日は森のさまざまな動物たちが互いにパートナーを見つけて、ダンスを楽しむ日なのです。今日のダンスパーティーに参加するりすさんが森を散歩していました。

 そこに、しょんぼりとしたたぬきくんが川のほとりに座っていました。「どうしたの。」とりすさんが言いました。「ぼく・・・今日のダンスパーティーに参加できないんだ。」とたぬきくんは言いました。りすさんが「なんで?」と尋ねると、たぬきさんは「ぼくだれかとお話するのが苦手なんだ・・・。だから誰も誘えなくて・・・。」とおずおずと言いました。そこでりすさんが「大丈夫さ!今こうやってぼくとお話ししてるじゃないか。たぬきくんはお話が苦手なんかじゃないよ!!」と言いました。「わかった。がんばってみるよ。」とたぬきくんは決意しました。

 りすさんは森中を駆け巡りました。そして、友達のきつねさんを見つけました。りすさんはきつねさんに声をかけました。「きつねさん。今日のダンスパーティーに参加しませんか?」きつねさんが答えました。「今日はゆっくりしたい気分なの。だから参加しないわ。」りすさんが言いました。「そんなこと言わずに、ぜひたぬきくんと一緒に参加してくれないかな。」きつねさんは言いました。「たぬきくんが直接わたしを誘いにきてくれたら考えてもいいよ。」それを聞いたりすさんはたぬきくんにそのことを伝えに行きました。

 りすさんはたぬきくんを見つけて言いました。「たぬきくん!この道をまっすぐ行ったところにきつねさんがいたよ!声をかけてみようよ!」たぬきくんが言いました。「うん。わかった。でも、不安だなあ。」りすさんがそんなたぬきくんに言いました。「素直に気持ちを伝えるんだ!きっときつねさんは一緒にダンスパーティーに参加してくれるさ!」たぬきくんは意を決してきつねさんに会いに行きました。

 たぬきくんは言いました。「きつねさん!ぼくとぼくと・・・ダンスパーティーに参加してくれませんか。」きつねさんは言いました。「私はたぬきくんがお話するのが苦手ということを知っていたわ。だからりすさんに直接誘いにこなければ参加しないと言ったの。でも、たぬきくんは勇気のあるたぬきだったのね。」そして、「勇気あるたぬきくんのお誘い受けることにするわ。」たぬきくんは「ありがとう。本当にうれしいよ。」とはしゃぎました。影から見守っていたりすさんも大喜びです。 
 そしてその日のダンスパーティーではみんなで楽しく夜が更けるまで踊りつづけました。楽しい楽しいダンスパーティーになりました。

2年生物語文 「だれかにつたえたい」 123820

小学2年生の紺くんは元気いっぱいの男の子です。ある日の帰り道、急に雨がふってきました。「雨がふってきた。ぬれるからいやだな。」紺くんはもってきたかさをさしました。

すると帰り道に通る空き地になにかがおちているのを見つけました。よく見てみると、かわいいドレスを着た女の子の人形です。くつの後ろを見るとヒメちゃんと書いてありました。でもヒメちゃんは雨にぬれ、たくさんの人にふまれてどろどろになっていました。
ヒメちゃんはかなしそうな顔をしていました。「わぁ、たいへんだ。みんなひどいことをするなぁ。」
紺くんはヒメちゃんがぬれないようにどこか雨やどりできるばしょをさがしましたが、どこにもありません。「そうだ、ぼくのかさがある。」紺くんは自分のかさをヒメちゃんの上におき、家まで走って帰りました。

つぎの日は朝から晴れていい天気です。「ヒメちゃんは大丈夫かな。帰りに見に行こう。」
その日の紺くんにはうれしいことがたくさんありました。
まずにがてな算数のテストが100点でした。体育の50メートル走ではクラスで1番でした。きゅうしょくの時間にじゃんけんにかってデザートのプリンを2個たべることができました。
「今日はいいことばっかりでたのしかったな。」

帰り道に空き地に行くと、 ヒメちゃんとかさがありました。紺くんのかさはきれいにたたまれていて、雨や足あとでどろどろだったヒメちゃんはぴかぴかになっていました。
「あ、きれいになってる!でもだれがきれいにしてくれたんだろう。」

よく見てみると、ヒメちゃんの顔はわらっていました。となりには、地面にぼうで"ありがとう"と書いてありました。
「こちらこそ、ありがとう。」
紺くんはヒメちゃんをだきしめて家に帰りました。

2年生物語文 「がまがえるくん」 123821

 がまくんは、玄関の前に座っていました。かえるくんがやってきて、言いました。
「どうしたんだい、がまがえるくん。きみ、かなしそうだね。」
「いや、そんなことないよ。」
 そういいながらもがまくんは浮かない顔をしています。かえるくんは心配になりました。
「そんなこと言わずにさ、話しておくれよ。何があったんだい。」
 優しい顔で尋ねてくるかえるくんに、がまくんはそろそろと右の方へ指をさしました。かえるくんは指の先を見ます。
「郵便受け?」
「お手紙来ないかなって待ってるんだ。どうせ今日も来ないだろうけど。」
「え?」
 がまくんの自分であざけるように言う言葉にかえるくんは目を見張りました。
「ぼく一度もお手紙もらったことないんだよね。だから今日も多分そう。無駄な時間過ごしちゃったな。」
「がまくん…。」
 するとがまくんは、もうこの話は終わりだと言うように手をひらひらとさせ、家に入っていきました。
「ごめんよ、こんな話をして。それじゃあね。」

 そのとき、かえるくんはがまくんの顔が一瞬泣きそうになっていたように見えました。がまくんが扉を閉めたのを合図にかえるくんは大急ぎで自分の家に帰りました。鉛筆と紙を見つけました。紙に何か書きました。紙を封筒に入れました。封筒にこう書きました。
「がまがえるくんへ」
 かえるくんは家からとび出しました。がまくんのおうちまで走って行って、持っていたものを郵便受けに入れ、入ったことをしっかり確認したあと扉にノックをしました。

「がまくんがまくん、お手紙は来ているかい。」
 がまくんは扉を開けながら、じとっとした目でかえるくんを見ます。
「何を言ってるんだかえるくん。手紙なんて来やしないよ。朝郵便受けを見たときも空っぽで、さっきまでずっと待ってたのに来なかったんだから。」
 それでもかえるくんは言います。
「今見てみなよ、もしかしたら入っているかもしれないじゃないか。」 
 しぶしぶがまくんは家を出て郵便受けの中を見てみました。すると何と本当に手紙が入っているではありませんか。がまがえるくんはとびあがって喜びました。
「一体誰がくれたんだろう。」
 小躍りしながら封筒を見るとそこにはかえるくんの名が書いていました。そうです、先程かえるくんが書いた手紙だったのです。するとがまくんはがっくしと肩を落としました。その様にかえるくんは驚きました。

「がまくん、どうして落ち込んでいるんだい。」
 がまくんがそのような反応をとったのか、かえるくんには分かりませんでした。しかしがまくんはお構いなしにかえるくんを睨みながら言います。
「そういう優しさが、一番腹立つんだよ!」
 かえるくんは困ってしまいました。かえるくんはがまくんの繊細な心を読み取ってあげられなかったのです。
「がまくん、ごめんね。」
 怒られてしまったようなので、とにかくかえるくんは謝りました。しかしがまくんの方こそ腹立たしいやら恥ずかしいやらで素直にかえるくんが謝ったことに対するもにゃっとした感情で顔が真っ赤です。
「もういいから帰ってくれ。」
 このままだとがまくんはもっとひどい言葉をかえるくんに言ってしまいそうで、かえるくんの家の方向へ指をさしました。かえるくんは落ち込みながらとぼとぼと帰っていきます。それを見送ったがまくんの目に、さっきは投げ捨ててしまった手紙が入りました。やはり気になったがまくんはかえるくんが戻ってきていないのを確認すると拾って家に入り、おそるおそる手紙を読んでみました。そこにはこう書いてありました。

『親愛なるがまがえるくん。僕は君が僕の親友であることを嬉しく思っています。君の親友、かえる』
 がまくんは思わず両手で顔を覆いました。指の間から見える顔は真っ赤です。
「なんて恥ずかしいことをサラサラと…」
 しかしつぶやいた瞬間、がまくんはいっきに熱が引き真っ赤な顔が真っ青に変わりました。かえるくんはこんなロマンチックなことを平気で書ける本当にピュアな子だったのです。純粋にがまくんのことを思って書いてくれたのに、自分はひどいことを言ってしまったと後悔しました。がまくんは大人げなかったと申し訳なく思い、家をとびだしました。そして小さくなってしまったかえるくんの背中に大声で呼びかけました。
「かえるくん!」
 かえるくんの驚いた顔がこちらに見えました。
「あんなこと言ってごめん!本当にありがとう!!」
 赤い顔は夕日のせいだけではありませんでした。

2年生物語文 「カカシの気持ち」 ?????

ある山奥のあるところに、ある集落がありました。その人たちは田んぼや畑を耕してひっそりと生活していました。その集落のある家のある田んぼのカカシそれがキルルでした。キルルは一年中田んぼに立っています。

ある日キルルの田んぼに一台の車のようなものが止まりました。田植え機です。キルルは田植え機の様子をずっとながめていました。稲の苗が規則正しくスピーディーに植えられていきます。キルルはなんだかワクワクした気持ちになりました。それから順調に稲は育ち、キルルの脇あたりまで伸びてきました。

ある時期から雨がよく降るようになりました。それによって稲はさらにグングン成長しました。そのうち、雨は降らなくなり、太陽の日差しが強くなりました。キルルは倒れそうだったけどなんとか持ちこたえました。稲たちも雨が降らなくて水が少ない中しっかりと踏ん張っていました。

雨が降らない時期が終わると稲たちには実がなっていました。すごくおもたそうでした。そんなとき、その集落を台風が襲いました。風がビュンビュンふいて雨も激しくなりました。稲たちは倒れてしまいました。キルルはもうダメなのかなと思っていましたが、稲たちは徐々に起き上がりりっぱに元の姿にもどりました。それを見てキルルもうれしくなって飛び跳ねました。

それからしばらくたってキルルの田んぼにまた違う車のようなものが止まりました。稲刈り機です。キルルは色々な困難を乗り越え、りっぱに立ち続けた稲たちが刈られて行くのをぼーっと見ていました。少し悲しくなりましたがしっかり最後まで見ていました。そして、来年の稲もこうして刈られるんだろうなぁと思いました。

3年生説明文

3年生説明文 「さんまのひみつ」 91444

 夏から秋にかけて、あちらこちらの市場やスーパーでさんまが売られているのを見かけます。わたしたちにとって、さんまは身近な魚です。ところで、そのさんまが、いろいろなひみつをもっているのを知っていますか。

 まず、一つめのひみつは、生息範囲がとても広いことです。日本海を含む日本近海から、アメリカ大陸沿岸のアラスカ及びメキシコまでの海域に分布し、北太平洋に広く生息しています。

 二つめのひみつは、寿命が短いことです。寿命は1〜2年程度で、通常2年で全長約40cmに成長します。成魚は海洋の表層近くを大群をつくって泳ぎ、捕食者から逃げるときにはトビウオのように水面から飛び出して滑翔することもあります。

 三つめのひみつは、うろこです。うろこが小さいうえにはがれやすく、棒受け網で捕獲されたものは漁船から水揚げされる際にほとんどのうろこがはがれおちてしまうため、状況によっては水揚げの直前に自ら多くのうろこを飲み込んで内臓にためるさんまも少なくありません。

 このように、身近なさんまにも意外と知られていないことがあります。さんまだけではなく、他の魚にもわたしたちの知らないたくさんのひみつがかくされているかもしれません。

3年生説明文 「ゴキブリのひみつ」 102917

春が終わり夏が近づいてくると、家の台所や外のごみおきばでゴキブリをみかけることがあります。黒いみかけから、ゴキブリをきらう人がたくさんいます。ところで、そのゴキブリたちが、いろいろなひみつをもっているのを知っていますか。

まず、一つめのひみつは、そのしゅるいがとても多いことです。日本にはおよそ五十しゅるい、世界には、なんとやく四千しゅるいものゴキブリが生きています。

二つめのひみつは、とても古くから地球にすんでいることです。ゴキブリのそ先が生まれたのは、やく三億年前です。大昔からぜつめつすることなく生き残ってきたことから、ゴキブリは「生きた化石」と呼ばれることもあります。

三つめのひみつは、そのにげ方です。ゴキブリは長いしょっかくとあしがよく発達していて、てきがいるのがすぐわかり、すばやくにげることができます。

このように、みんなにきらわれているゴキブリにも意外と知られていないことがたくさんあります。同じ地球にすむなかまとしては、人間よりもずっと先ぱいのゴキブリには、まだ私たちの知らないたくさんのひみつがかくされているかもしれません。

3年生説明文 「犬のひみつ」 102921

道でよく犬のさんぽをしている人を見かけます。わたしたちは犬をかっていますが、犬は昔からかわれていたわけではありません。ではやせいだったときはどのようにくらしていたのでしょうか?

まず、いつ何者かに食べられるかわからなかったので、てきに気づくために耳がよくきこえます。小さな音でもききとれるようになっています。

次に、自分で食べ物を探さなければなりません。そのために食べ物のにおいをかぎわけられるはながあります。少しのにおいでもわかるとうになっています。

そして、てきから逃げるときやえものをおいかけるとき、スピードがはやくなくてはならなかったので、とてもはやく走れます。人間よりもはやいスピードがでます。

このように今では、人間にかわれている犬ですが、実はいろいろなひみつをもっています。いつもはかわいい犬ですが、まだまだ人間の知らないひみつがあるかもしれません。

3年生説明文 「水」 103811

コップに水が入っています。
このコップに氷を三つ入れます。
この氷がとけたとき、水の量はどうなるでしょうか。

みずは、温度によって形が変わります。
まず、みずを0度に冷まします。
すると、みずは少しずつ固まっていき、「氷」になります。

つぎに、水を100度に温めます。
すると、水からはどんどん湯気が立ちます。
ずっと温めていると、中の水はすべて湯気になり、なくなってしまいます。
この湯気を「水蒸気」といいます。

氷をだんだん温めるともとの水にもどります。
湯気をだんだんさますともとの水にもどります。

さあ、答えはだましたか?

3年生説明文 「水の不思議」 112710

みなさんの身の回りに水があります。では、その水はどんな特徴があるでしょう。つめたい、形がない、液体、色々な特徴があります。ですが、身の回りにある水は飲めるような液体の状態だけでしょうか。実は違います。別の形に変わっているものを見てみましょう。

一つには、氷があります。水を0℃以下に冷やすと氷になります。氷の特徴はどんなことがあるでしょう。つめたい、形がある、固体、色々な特徴がありますね。水と同じ特徴もあれば、違った特徴も見られます。

では、他にも水が別の形に変わっているものはあるでしょうか。みなさんはお湯をわかしたことがありますか。そのときにやかんの口から白いものがでていませんでしたか。それが水蒸気です。水蒸気も水が形を変えたものです。水を100℃以上に熱すると水蒸気になります。では水蒸気の特徴はどんなことがあるでしょう。熱い、形がない、気体、色々な特徴がありますね。これもまた、水と同じ特徴もあれば、違った特徴も見られます。

このように、身の回りにあるものはいつも同じ形であるわけではないのです。水以外にも、みなさんが吐く息に含まれている二酸化炭素。これは気体ですが、ドライアイスという固体にもかわりますね。他には卵はわかりやすいです。生卵もあれば卵焼きもある。ゆで卵にもなりますね。

身の回りにあるものはさまざまに形を変えていくのです。それと同じようにみなさんも何かを考えるときに自分の考え一つにこだわってしまうのではなく、他の人の意見もしっかり聞いたり、自分でも色々な見方をできるようになっていってほしいです。

3年生説明文 「トンボ」 113102

夏頃になるとあちこちの水辺にとてもたくさんのトンボがあらわれます。指をぐるぐるさせてつかまえようとしたりして、遊んだことのある人も多いはずです。そんな身近なトンボですが、みなさんはトンボについて詳しく知っていますか?

まず、トンボの飛ぶ速さです。トンボはわりとゆっくりとんでいたりしますが、四枚のはねを上手に使って時速百キロメートルものスピードを出したり、バックやちゅうがえりをしたりすることもできます。

つぎにその種類の数についてですが、日本におよそ二百種類、世界にはなんとやく五千種類ものトンボが生きています。

最後にトンボはそせんについてです。トンボはとても古くから地球にすいでいたといわれていますが、なんとそれは三億年もまえのことです。日本にムカシトンボというめずらしいトンボがいますが、このトンボは一億五千年ほど前に生きていたトンボによく似ているため「生きた化石」と呼ばれています。

このように、身近なトンボにも意外と知られていないことがたくさんあります。同じちきにすむ仲間としては、人間よりもずっとセンパイのトンボには、まだまだわたしたちのしらないことがたくさんあるのかもしれません。

3年生説明文 「牛のひみつ」 113103

私たちの飲む牛乳を作ってだしてくれる牛さん。そんな牛にも私たちの知らないひみつがいくつかあるのです。そんな牛さんたちのひみつをさぐってみましょう。

まずひとつめは、牛は肉を食べないということです。とても大きい動物なので、お肉をたくさん食べて育っていると思っている人たちもいますでしょう。しかし、牛は肉を食べないのです。そのかわりに胃の中にすんでいるびせいぶつが、牛の食べたエサからたんぱく質という物質をつくり、お肉のかわりのえいようぶつとしているのです。

そしてふたつめは、牛もダイエットをするということです。しかしこれはメスの牛だけです。子どもを産む2ヶ月前にエサを与えすぎてメスの牛を太らせてしまうと子どもを生むときに事故が多くなってしまうのです。安全に出産をおえるためにも体重をいじすることはものすごく大事なのです。

そしてさいごのひみつは、なんと牛の胃ぶくろは4つあるといういことです。牛はもともとよわい動物なので安全なときに一度に多く食べて、おなかをいっぱいにしなければなりません。より多くの食べ物をたくわえられるように牛の胃は4つつくられているのです。

このように乳しぼりだけしか知られてない牛さんにもいくつかひみつがあるのです。でもそのひみつはどれも牛さんが生きるのにはかかせない大事なことなのです。

3年生説明文 「服のはたらき」 113104

みなさんは毎日、服を着ています。パジャマだったり、よそいきのふくだったり、様々な服を着ます。では、服にはどんなはたらきがあるか考えてみましょう。

まず一つ目のはたらきは、温度を調節するというはたらきです。冬の寒い日にはコートやジャンパーなど分厚い服を着て寒さから身を守るころができます。また、夏の暑い日にはTシャツやタンクトップなどのうすい服や風通りのよい服を着て、厚さを和らげることができます。

二つ目のはたらきは、私たちの体を守ってくれるというはたらきです。虫取りに草むらに入るときには長ズボンをはいて足を守ることができます。こけた時に長そでの服だとひじのすり傷が少しですみます。

三つ目のはたらきは、私たちをかっこよく見せたり、かわいくしてくれます。たとえば、仕事に出かけるおとうさんはスーツをビシッと着ているとなんだかいつもよりもかっこよく見えます。大人びた落ち着いた服装をしているお姉ちゃんはいつもよりも大人っぽく見えます。かわいいスカートをはいた妹はいつもとちがってかわいく見えたりします。

このように服にはさまざまなはたらきがあります。ほかにどんなはたらきがあるのか、考えてみるのもおもしろいかもしれませんね。

3年生説明文 「車のひみつ」 113119

車は世界のいたるところで走っています。
車は人が生活する上で必要なものです。
では車にはどんなひみつがあるのでしょうか?

まず一つ目は車には日本で作られたものと外国で作られたものがあります。
日本で作られたものは右にハンドルがあります。
外国で作られたものは左にハンドルがあります。
これは日本は道路の左側を走らなければならないためです。
逆に外国は道路の右側を走らなければなりません。

2つめのひみつは免許証と呼ばれるものがあります。
免許証は車を運転するために必要なものです。
免許証は車の勉強をしてテストに合格した人だけがもらえます。
車の免許証は18歳以上の人しかもらえません。

3つめのひみつは車にはMT車と呼ばれるものとAT車と呼ばれるものがあります。
見た目にはほとんど変わりませんがAT車よりもMT車を運転する方が難しいのです。
だから、MT車を運転できる人はAT車を運転できますが、
AT車を運転する人はMT車を運転することはできません。

このように車にはあまり知られていないひみつがあります。
他にはどんなひみつがあるのでしょうか?

3年生説明文 「辞書の歴史」 113612

 ページをめくると文字、文字、文字。いろんな知識を教えてくれる本とは何でしょう。そうです、辞書です。みなさんも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。辞書とは、言葉や物事、漢字などを集め、その意味、語源などを説明するための本です。この辞書の歴史をたどっていきましょう。

 日本で一番古い辞書は今から約一千年前の平安時代の初期に作られました。昌住(しょうじゅう)という僧が作った『新撰字鏡(しんせんじきょう)』という本です。中国の字書をまねて、漢和辞典の形式を用いています。
 そののち、源順(みなもとのしたごう)が『和名類聚抄(わみょうるいじょうしょう)』という本を作りました。これも漢和辞典の形ですが、百科事典としての性質もありました。

 ほんとうの意味での国語辞典の最初のものは、平安時代の後期にできたといわれる『色葉字類抄(いろはじるいしょう)』で、橘忠兼(たちばなのただかね)が作りました。この本はその時代の普段使う言葉を集めました。そして、それぞれの言葉の、漢字を使っての書き表し方と、 使い方をまとめています。言葉のならべ方は、「いろは順」になっています。
 現在のように「五十音順」の言葉のならべ方をしている最初のものは、今から約五百年前の室町時代に大伴広公(おおとものひろきみ)が作った『温故知新書(おんこちしんしょ)』です。

 江戸時代になると平和がつづき、学問もさかんになり、教育も一般に行きわたってきました。そこで、 辞典の必要が多くなってきたので、この要求にこたえて様々な種類のの辞典が出来ました。その中で一般用の辞典として広く使われたものに、『節用集(せつようしゅう)』があります。この本は前の室町時代の中ごろにできていますが、著者は不明です。

 普段何気なく使っている辞書ですが、本当はこんなに歴史のあるものだったのです。わからない言葉があったとき、頼りがいのあるパートナーとしてどんどん活用していきましょう。

3年生説明文 「携帯電話のかつやく」 113803

 町を見渡してみると、ほとんどの人が、携帯電話を使用しています。今、私たちの社会では、携帯電話はなくてはならないものになっています。

 携帯電話と、固定電話のちがいは何でしょうか。携帯電話は、手の平におさまる大きさで、持ち運びに便利です。固定電話と違って、コードがなく、いつでもどこでも電話をかけることができます。また、固定電話では、家から電話をかけたり、コピーやファックスをすることができますが、携帯電話では、電話をかける他に、友だちに電子メールを送ったり、写真や動画を撮ったり、インターネットにつなぐこともできます。また、テレビを見ることができるワンセグ機能のついた携帯電話もあります。

 では、そのように便利な携帯電話は、どのようなところでかつやくするのでしょうか。
 2011年、日本ではたいへん大きな地震がありました。震災直後、停電してしまった家も多く、電化製品が一切使うことができなくなりました。もちろん、固定電話も使用不可能となりました。そんな時に、家族と連絡を取り合うときや安否確認のときに、携帯電話が大かつやくしました。インターネットで「わたしは無事です」「○○にいます」と、家族や知り合いに安否確認メッセージを書き込めたことも大変便利な点です。また、停電の影響でテレビを見ることもできなかったのでワンセグ機能によって、落ち着きを取り戻す人もいました。

 このように、携帯電話は震災時に、大変役に立ちました。しかし、携帯電話がどこでも使えることで、あたらしい問題が出てきました。
電車のホームで、携帯電話を操作しながら、歩いていた男性が線路に落ちるという事件が発生しました。また、道で自転車に乗りながら携帯電話を触り、人とぶつかる事故も起きています。このように、携帯電話に集中して、周りに注意が向かなくなり、結果、大きな事故につながる可能性があります。
 他にも、電車の中でマナーモードに設定しなかったり、通話をすることで、周りの人を不快な気持ちにします。

 使用する場所や時を考え、マナーを守って使用することで、携帯電話はより便利になり、たくさんの人を笑顔にすることができるでしょう。

3年生説明文 「ラッコのすばらしい特徴」 122016

 みなさんは、イタチ科で、小型のほ乳類である、ラッコを見たことがありますか。海遊館に行くと必ず見かける、とても人気のあるかわいらしい動物です。そのラッコには色々な特徴があります。それでは、どのような特徴をもっているのか見てみましょう。

 まず一つ目の特徴は、ラッコは、生活のほとんどを海で過ごすということです。体を仰向けにして海面をただよい、食事も出産も海で行います。ごくまれにしか陸に上がりません。足には水かきがあり、海中にもぐるときは、鼻や耳を閉じることができます。水中には三十メートルの深さに四分間ももぐることができます。

 二つ目の特徴は、ラッコの持つ毛にあります。寒い環境に住むラッコですが、皮下脂肪がすくないかわりに、動物の中でもトップの高密度の毛をもちます。一平方センチあたり十五万本もの毛が生えていて、すべての体毛で八億本にもなります。この毛の中に取り込まれた空気は断熱効果があります。

 三つ目の特徴は、ラッコの身体能力が高いということ。ラッコの尾は平たく、かじとして使います。海面でも優れた視覚を持っており、嗅覚も発達しています。口ひげはセンサーになっており、えさをみつけるのに役立ちます。通常の動物より三倍の大きさの肺を持っており、それがうきわ代わりとなりプカプカと海面に浮けます。

 このように、ラッコはかわいらしいだけではなく、素晴らしい特徴がたくさんあります。今度海遊館に行くときは、これらの特徴に注目すると、より楽しく観察できるでしょう。

3年生説明文 「水の状態」 122024

私たちが生きていく上でなくてはならないモノである水。水には、氷、水、水蒸気と、3つの形があります。

氷は固体と言われるモノです。水が0度以下になったときに、みずは液の状態から氷へと変化していきます。また、水に食塩を入れた食塩水は、通常よりも氷になりやすく、ただの氷でも塩を入れることでもっと冷たくすることができます。

水は液体と言われるモノです。基本的に私たちが生活している温度では、水は液体になっています。川や海、雨なども水ですね。水はモノを溶かす作用があり、その溶かしたものによっていろいろな名前がつけられたりします。

水蒸気は気体と言われるモノです。やかんやケトルで水を沸騰させるときなどにみられる白い湯気がその水蒸気です。水蒸気は水を熱したりすることにより変化したモノで、水の量よりも何倍もの大きさになります。

このように、水には3つの種類があり、形が違えばいろいろと特性も変わってしまいます。

3年生説明文 「パイナップルについて」 122036

 みなさんはパイナップルを食べたことがありますか。ケーキやパフェなどに使われていて身近に感じられますが、パイナップルについてどれくらい知っているでしょうか。

 パイナップルは元はブラジル周辺の植物です。その中でも、何年も生き続けられるものの果実だけをパイナップルといい、果実以外の植物の部分はアナナスと呼ぶこともあります。昔は英語で松ぼっくりのことをpineappleと言っていたのですが、松ぼっくりとアナナスの果実の形が似ているということで、果実のほうをpineappleというようになり、松ぼっくりのことはpinecornと言うようになりました。

 パイナップルの葉はかたく、トゲがあるものと無いものがあります。花は一つの果実におよそ150個もつきます。その一つ一つが固まって、みなさんもよく知るパイナップルのもようになるのです。花とは言いますが、見た目はとがっていてトゲのようです。

 パイナップルが初めて日本に植えられたのは1830年です。パイナップルは暖かいところで育つ植物ですので、日本の中でも南の方の小笠原諸島に植えられました。今でも沖縄にはパイナップルが植えられています。収かく時期は7月から9月、もしくは11月から2月です。

 身近な果物でも、その生産地や花など知らないことはたくさんあるでしょう。みなさんもこの機会に調べてみましょう。

3年生説明文 「ひっつき虫のひみつ」 122040

 みなさんは、公園で遊んでいて、知らないうちに、服に植物の種のようなものがついていたことはありませんか。服についたものはなかなか取れずに困ったことがある人もいるでしょう。これは、ひっつき虫と呼ばれていて、植物の種子なのです。それでは、ひっつき虫の仕組みをみていきましょう。

 「ひっつき虫」と呼ばれている植物には、オナモミやアレチヌスビトハギなど、たくさんの種類があります。種類によって、トゲのついたもの、かぎのついたものがあります。

 では、なぜ、ひっつき虫は私たちの服にひっつくのでしょうか。その理由は、人や動物にひっついて移動することで、自分たちの生息範囲を広げるためです。こうすることで、自分では移動することができない植物は、人や動物が自分たちの種子を運んでくれるので、新たな場所に子孫を残すことができるのです。

 しかし、残念ながら人や動物にひっつくことができないまま春を迎えるひっつき虫もあります。その時は、今まで自分が生息していた場所に種子をまいて、同じ場所に新たな芽を出し、再び、人や動物が来るのを待ちます。

 このように、ひっつき虫と呼ばれる植物は広い範囲に子孫を残すために、工夫して生きている植物なのです。みなさんも今度、ひっつき虫を見かけたときはじっくり観察してみてください

3年生説明文 「イルカの秘密」 122048

うみにすむかわいいイルカにはたくさんの秘密があります。
いままで知らなかったイルカの秘密をたくさん探ってみましょう。

イルカはわたしたちとおなじで肺で呼吸しています。
海に住む多くの生物はえらで呼吸しますがイルカはちがいます。
だから、ずっと海の中にいるとおもわれがちですが、じつはいるかは1分間に1回ぐらいのペースで水面まであがってきて噴気孔でこきゅうします。

また、イルカはずっと泳ぎ続けているため。昔は一睡もしないとおもわれていました。しかし、最近イルカは右脳と左脳が交代で眠る、半球睡眠をしていることがわかりました。睡眠といっても呼吸をしないといけないので、1分くらいの睡眠を一日になんどもくり返します。

またイルカは鳴き声や音の振動を使って遠くの仲間と交信しています。

このようにイルカにはわたしたちが思いつかないような秘密がたくさんあります。そして、人間にも近い動物です。近い未来イルカと話せるときがくるかもしれません。

3年生説明文 「蝶の生態」 122301

春から夏にかけて、あちらこちらでたくさんの蝶を見かけます。私たちにとって、蝶はとても身近に感じられる昆虫です。蝶は、どんな生き物なんでしょうか。

まず、一つ目。蝶には幼虫の時期があります。蝶のたまごから生まれるのは幼虫です。幼虫は葉っぱをたくさん食べて成長します。

次に二つ目。幼虫は、ある程度の時間が経つと、さなぎという状態になります。さなぎになると、えさは何も食べずに、じっとそのときを待ちます。

最後に三つ目。次が蝶です。さなぎからでてくると、その姿はもう大人の立派な蝶です。さなぎからでてきて、すこし羽を乾かしたら、蝶はもう自由に、飛び回ることができます。

すべての蝶には、この三つの状態があります。私たちの身の回りにたくさんいるので、じっくり観察してみるのもいいですね。

3年生説明文 「犬のひみつ」 122303

家でペットとして犬を飼っている人はたくさんいます。私たちにとって、犬はとても身近な動物です。ところで、その犬たちがいろいろなひみつをもっているのを知っていますか。

まず一つ目のひみつは、その種類がとても多いことです。犬の種類は、国際畜犬連盟では337種を公認しています。公認されていないものも含めると、世界には約800種ほどいると言われています。

二つ目のひみつは、ずば抜けた嗅覚です。犬の嗅覚は人間の嗅覚に比べて100万倍から1億倍あると言われています。

三つ目のひみつは、知能の高さです。犬は全体的に高い知能をもち、品種によってはよりすぐれた学習能力を示します。さらに、ヒトと同じく社会性をもつ生き物です。これらの理由で、警察犬や盲導犬など、色々な面で人間の役に立っています。

このように、身近な犬にも意外と知られていないことがあります。このほかにも、様々なひみつがかくれているかもしれません。

3年生説明文 「ひまわりのひみつ」 122306

 夏の太陽に照らされ、ぎらぎらかがやいているひまわり。みなさんもいちどは見たことがありますよね。
 おなじみのひまわりですが、実はさまざまなひみつをもっているのです。

 まず一つ目のひみつは、ひまわりの大きな花は、小さい花が集まってできていることです。外がわのべろのような花は、虫を引き付けるかざりとなっています。内がわのつつのような花には、おしべとめしべがあり、たねを作ります。外がわから中心に向かってじゅんばんにさきます。
 二つ目のひみつは、ひまわりという名前のゆらいは、「日廻(まわ)り」、つまり日を追って回るという意味です。ひまわりはいつも太陽の方向を向いているのをみなさんは知っていますか。
 三つ目のひみつは、なんとひまわりは食べることができるのです。ひまわりのたねは、油を多くふくみ、サラダ油やおかし用の油に利用されます。からをとったたねを油でいためて食べると、ピーナッツのような味がします。また、花びらやつぼみをゆでてサラダなどにすることもできます。みなさんも一度食べてみてはどうでしょうか。

 わたしたちにとって身近な植物「ひまわり」でありますが、意外と知られていないことがたくさんあります。もしかしたら、太陽をずっと見ているひまわりしか知らない、太陽のひみつがあるかもしれませんね。

3年生説明文 「ばったのひみつ」 122307

春になると、あちこちの草むらでたくさんのばったを見かけます。わたしたちにとって、ばったはとても身近なこん虫です。ところで、ばったたちがいろいろなひみつをもっているのを知っていますか。ばったたちのひみつをみてみましょう。

一つめのひみつは、ばったのジャンプです。ばったは、鳥のようにつばさを使ってとぶのではなく、大きな後ろ足で地面をけってとびます。この大きなジャンプで、敵からにげることができます。

それから二つめのひみつは、ばったの体のつくりです。ばったの耳は頭ではなく、むねとおなかの間についているのです。また、足に耳があるものもいます。また、口はおなかについています。おなかにある口で、息をしているのです。

そして三つめのひみつは、ばったのしゅるいです。日本だけでも百五十しゅるい以上います。また、ばったのなか間にはみなさんがよく知っているキリギリスやコオロギもいます。

このように、身近なばったにも知られていないひみつがたくさんあります。ばった以外にも、ひみつをもっているこん虫は私たちの周りにたくさんいます。たくさんのこん虫のひみつを知り、生きているなか間として生きものを大切にしていくことが大事なのです。

3年生説明文 「星のひみつ」 122308

夜空を見上げると、きらきらと光る星を見ることができます。たくさんの人がほしを見ることにむちゅうになっています。ところで、あなたはその星にはいろいろなひみつがあることを知っていますか。

まず、一つ目のひみつは、多くの星は自分の力でかがやいているということです。これを「こうせい」と言います。ほかには、わく星やえい星など、たいようの光をうけて、はんしゃして光る星もあります。

二つ目のひみつは、星はたがいにほんの少しずつうごいているということです。星のいちがかわることを「星のこゆううんどう」と言います。星がこゆううんどうを行っているので、今から何万年もたてば、星ざの形は変わってしまうと言われています。

三つ目のひみつは、それぞれの星の間のきょりはとても大きいことです。わたしたちが地上から見る星は、まるでとなりあっているように見えますが、じつはとてもはなれているものもあります。

とてもしんぴてきでまだまだなぞがかくされているかもしれない星について、あなたはどれだけひみつを知っていますか。はれた日の夜は空を見上げ、星をかんさつしてみましょう。

3年生説明文 「お米」 122309

わたし達はほぼ毎日、お米を食べます。お米は世界中で食べられています。インドではカレーと一緒にお米を食べます。しかし、わたし達がいつも食べているお米をインドの人が食べているように手で食べようとすると、お米がべちゃっと手にひっついてしまい食べることができません。インドのお米と日本のお米は違うものなのです。では、世界にはどんなお米があるのでしょうか。

まず、はじめは日本で食べられているお米です。日本で食べられているお米はジャポニカ米と言います。朝鮮や中国もジャポニカ米を食べています。ジャポニカ米は炊くことで水分が多くなり、つやつやになります。ご飯が冷めてしまっても、おいしいジャポニカ米はおにぎりやお寿司など日本の特徴的な料理にもたくさん使われています。

次にインドで食べられているお米です。このお米はインディカ米と呼ばれています。インドを中心にアメリカやタイでも食べられています。形はジャポニカ米に比べ細くなっています。粘り気が少ないので、手で食べることができます。野菜と一緒に調理するとおいしいです。

最後のお米はジャバニカ米と言います。3つの中でもこのお米はごく一部でしか食べられていません。イタリアやスペイン、インドネシアなどでたべられています。わたしたちが口にすることはほとんどありません。パエリアやリゾットに使うとおいしく仕上がります。

このように、お米には3つの種類があります。わたしたちが食べているおにぎりやお寿司はお米の特徴を活かした料理だといえるでしょう。身の周りには素材の特徴を活かした料理がたくさんあります。そして、その料理は文化と深く結びついているのです。

3年生説明文 「クモのひみつ」 122311

 わたしたちはふだんのくらしの中でさまざまな虫に出会います。そして、とくにクモは、外だけでなくたてものの中にいたりします。クモを見たことがないという人はいないでしょう。そんなクモのひみつをさぐってみましょう。

 一つ目に、クモにはたくさんあしがあります。人間は二本、犬は四本ですが、クモはそれよりもおおい、八本です。クモはこの八本のあしをきように使っていどうします。

 二つ目に、クモの中にはどくをもっているクモもいるということです。そのクモはてきから自分の身を守るためにどくを使うのです。中には人をころせるほどのどくをもつのもいます。クモはあまりさわらないほうがよいですね。

 三つ目に、クモは糸を引きながら歩くことができます。えだやかべに糸をはり、巣をつくります。クモはその巣にかかった虫をえさとしているのです。

 このようにクモにはたくさんのひみつがあります。ほかの虫にはできないことをクモはしているのです。クモには、まだまだ知られていないひみつがたくさんあるかもしれませんね。

3年生説明文 「セミのひみつ」 122402

夏の間、私たちはセミの鳴き声を毎日耳にします。セミは夏の風物詩と言ってもよいでしょう。さて、そのセミたちが多くのひみつをもっているのを君は知っていますか。

一つめのひみつは、セミは七年から八年もの間地中で眠っているということです。セミは、土の中で数回の「だっ皮」をしながら生活しています。

二つめのひみつは、セミは地上に出てくるとたったイッシュウカンほどで死んでしまうということです。セミは幼虫のじょうたいで土からはい上がり、「だっ皮」をして成虫になります。そしてセミたちは一週間全力で鳴きつづけ、死んでいきます。

私たちと同じように、セミも生まれ、死んでいきます。たとえ小さくても私たちと同じ、大切な命です。他の動物や植物の命には、どのようなひみつがあるのでしょう。君は何の命を知りたいですか。

3年生説明文 「大豆のひみつ」 122405

 今わたしたちは大豆を一年中たべることができます。ところで、大豆はいろんなものに姿を変えているのをしっていますか。

 まず、納豆です。納豆は大豆をはっこうさせてつくられています。納豆には小粒や大粒がありますね。大豆にはいろいろな種類があり、大きさもさまざまなのです。

 次に、しょうゆです。しょうゆは液体で、全然イメージできないかもしれませんが、大豆が原料なのです。

さいごにおとうふです。すりつぶしたり、こしたりしてつくります。にがりを入れてかためるのです。途中でおからや豆乳もできます。

大豆はとても栄養があります。ほかになにがあるか調べてみましょう。

3年生説明文 「セミの一生」 122409

ミーンミーンミーン。ジジジジジ。このようなセミの鳴き声をきくと夏のおとずれを感じますね。セミはいったいどういった一生をおくるのでしょう。いっしょに見てみましょう。

セミの卵は木の表面にうみつけられます。卵からかえった幼虫は土の中にもぐりこみ、長い土中での生活がはじまります。

セミの幼虫は土中の木の根の養分をすって大きくなります。土にもぐったばかりの幼虫は全身が白く、眼は退化していてよく見えません。そのためモグラやケラなどの動物に食べられてしまうこともあります。

セミの幼虫は土中で短いもので3年、長いものでは17年もの間くらします。そして、成虫になろうとするとき土の中から出てくるのです。

幼虫はてきの多い昼ではなく夜に羽化して羽をかわかします。セミは土の外にでて成虫になってからは7日ほどしか生きることができません。

3年生説明文 「イルカのひみつ」 122705

海を軽やかに泳ぐイルカ。イルカは、生物学上では、クジラと同じ仲間ということを知っていますか。他にも、イルカにはたくさんの秘密があります。

まず、一つ目の秘密は、私たちヒトと同じ哺乳類ということです。つまり、大きく分ければ、イルカはヒトと同じ仲間ということになります。だから、イルカは、エラ呼吸ではなく、肺呼吸をします。でも、イルカはヒトと違って、水中で生活しているので、頭に呼吸をするための噴気孔と呼ばれるところがあり、そこから肺呼吸をします。

次に二つ目の秘密は、体重に占める脳の割合がとても大きいということです。だから、イルカの知性には隠された可能性があるのではないかと言われています。実際に、水族館などで行われているイルカショーでは、飼育員の指示に合わせて、難しい技を繰り広げていることからも、その可能性がうかがえます。

最後に三つ目は、コミュニケーションのやり方です。イルカは、人間には感じ取れないほどの高い音を発して、仲間とのコミュニケーションをはかります。また、その高い音を使って、物体に反射した音から、その物体の特徴を知ったり、距離を測ったりできます。

このように、イルカには様々な秘密があります。ですが、まだまだ私たちの知らないイルカの秘密がたくさん隠されているかもしれません。

3年生説明文 「雲ってなんだろう?」 122901

空には雲があります。大きな雲だったり、小さい雲だったりといろんな雲があります。私たちにとって雲はとても身近なものです。でも雲のことについていろいろと知っていますか?これから雲のことについていろいろと学んでいこう。

まず、はじめに雲はどのようにしてできるのだろう?雲の正体は、空気中の水蒸気がごく小さなちりにくっついて、小さな氷や水のつぶになったものです。地上から空にある雲を見ると大きな物体のようにもみえますが、実は違ったんだね。だから雲に乗るなんて無理なんだよ。

2つ目に、雲の種類です。代表的なものを2つ挙げておきます。積乱雲と乱層雲です。積乱雲は横幅は短く縦に長い感じの雲です。なので雨が降る時間は短いですが、強い雨が降ります。逆に乱層雲は横幅は大きく縦は短い感じの雲です。なので、こちらは雨が降る時間は長く、弱い雨が降ります。他にもいろんな雲があるよ!今日の空にはどんな雲があるかな?

3つ目に、雷についてです。雷が雲から落ちてくることはみんな知っているかな?雷はものすごいパワーを持った電気です。この電気は誰が作ったんでしょう?それは氷の粒です。氷の粒が雲の中でぶつかりあい電気が生まれます。その電気がたくさん集まり雷となるのです。

上の3つ以外にも雲はたくさんの秘密を持っているよ。雲は今日も空にあるはず。観察して見るとわかるかもしれないね。

3年生説明文 「乗り物の不思議」 122902

この世の中に乗り物がたくさんある。乗り物がなかったら、移動するのにも時間がかかるし、無駄が多い。乗り物はどのように動いているのだろう。いくつか例をあげてみよう。

初めに、車。君たちも乗ったことがある車。どのように走っているのだろう。昔の汽車のの原理を応用して汽車では、石炭を燃焼して発生する蒸気で走っている。石炭は不純物が多く燃焼するのにとても大きなエネルギーを消費する。その点を改良した車は、石炭じゃなく石油という液体を使って燃焼して走っている。

二つ目に、電車。電車も乗ったことがあるよね。電車は、人がたくさん乗れてとても便利です。どのように走っているのだろう。電車は、レールの上を走ります。汽車と同じようにレールの上を走ります。電車は、電気を使いエネルギーへと変換して走っています。電車の上には必ず電線が通っています。

最後に、飛行機。海外に旅行行くときなど必ず使う飛行機。どのように走っているのだろう。飛行機は、もちろん空を飛んでいる。人を乗せて重たい機体で飛ぶので、ものすごいエネルギーを必要とする。いくつかのおおきなファンを回して飛んでいる。飛行機に使われる機材は、車などとは違い軽い素材を、使っている。

このように乗り物は、いろいろな方法を使って動いて君たちを行きたいところまで運んでくれます。ほかの乗り物は、どのようにはしるのかな。興味を持ったら、調べてみよう。

3年生説明文 「じじゃくってどんなもの」 122903

教室の黒板にはりついているじしゃくのこと、みんなは知っているかな?じしゃくにはたくさんの特徴があるんだ。きょうは3つだけしょうかいしよう。

まず、1つめに、じしゃくにはS極とN極があって、このふたつはおたがいにくっつこうとするんだ。反対に、S極とS極、N極とN極ははなれようとするよ。

そして2つめは、鉄をじしゃくに近づけてみるとどうなるだろう。じつは、鉄をじしゃくに近づけると、鉄がじしゃくと同じ働きをしてじしゃくにくっつくよ。でも、さびた鉄にはくっつかないんだ。みんなもためしてみよう!

さいごに3つめ。自由に動くように置いたじしゃくは、N極が北向きに、S極が南向きにむくようになるんだ。これは、地球全体がじしゃくのせいしつを持っているためなんだよ。

じしゃくにはほかにももっとたくさんのとくちょうがあるよ。みんなも調べて、じしゃくはかせになろう。

3年生説明文 「マンガが出来るまで」 122904

みんな漫画は読むかな。大好きな人もいるだろうマンガがどのようにして出来ているか知っているかな。

まずマンガは作者と呼ばれる人がシナリオを考えて紙に漫画を描いて編集者に見せます
編集者と話し合いをしてもっと良くなったもの編集者が出版社に持っていきます

出版社は自分の所でマンガにして利益が出るかどうかを何回も会議をして決めます
そして選ばれた漫画だけが雑誌の中に乗ることを許されて印刷会社に持って行かれます。

印刷会社がその雑誌をとても多く作って日本中に運びます。
こうして皆さんの手元に漫画が届けられています。

何気なく読んでいる漫画は実はとても手間暇をかけて作られているのです。

3年生説明文 「海」 122905

わたそたち地球には、ほかの惑星にはない海があります。みなさんは海についてどれぐらい知っていますか。海について知っていきましょう。

まず、海はどのようにしてできたのでしょう。地球は昔はとても小さな惑星で、惑星同士の衝突でこれほど大きくなっていきました。その衝突の時に発生した熱で岩石から水蒸気が発生して雲になり、それが雨になって今の海ができたといわれています。そして、その海を放さないほどの重力が地球にあるので、海が存在できるのです。

海はどれぐらい広いのでしょう。地球は海と陸でわけると、海は約70パーセントを占めています。地球を宇宙からみるとわかると思いますが、とても青いです。この青いのは海です。そのため、海は「水の惑星」とも呼ばれています。宇宙から見ると海が目立つほど海はとても広いのです。

そして、海はどうして冷たいのでしょう。海は陸と比べて暖まりにくく、冷めにくいのです。みなさんも経験があると思いますが、夏に海に行くと、浜辺はとても熱いのに、海はとても冷たいです。それほど海は熱しにくいのです。

このように海には不思議なことがまだあります。まだ、私たちの知らない生物がいるかもしれません。海について調べていくと、まだまだ不思議なことが見つあるかもしれませんね。

3年生説明文 「地球のふしぎ」 122906

わたしたち人間は地球の上に住んでいます。みなさんは地球についてどれほどのことを知っているでしょうか。すこし例を出してみましょう。

わたしたちは陸の上で生活しています。その陸はどうやってできたのでしょう。地球にはプレートと呼ばれる岩の層におおわれています。プレートは一枚だけではなく、何枚もありそれぞれが動いています。動いているプレートはほかのプレートとぶつかります。何度もぶつかり合っていくうちに大陸ができたと考えられています。

夜、外を見るときれいな月が見えます。三日月、半月や満月といった名前がありますが、どうして月は満ち欠けをするのでしょう。それは、地球が自分自身で回転しているからなのです。これを自転といいます。自転のおかげで地球と月の位置関係が変わり、見え方も変わってくるのです。

宇宙から見た地球はどうなっているのでしょうか。実は、宇宙から見た地球は青くかがやいています。なぜなら地球の表面の10分の7が、水でおおわれているからです。だから、地球は「水のわくせい」と呼ばれています。ほかにも私たちが住んでいる陸もはっきりに見えます。そして、白く見えているものは雲です。宇宙から見える地球はとてもきれいです。

このように、地球にはふしぎなことがあります。図書館で調べてみたり、友達と話し合ってみたりしてみましょう。地球について知らなかったことが見つかるはずです。

3年生説明文 「アリのひみつ」 122907

 わたしたちは外に出れば、当たり前のようにアリを見かけます。アリはわたしたちにとって、とても身近なこん虫です。そんなアリにはさまざまなひみつがあります。

 まず一つ目はたくさんのしゅるいがあることです。日本だけで二百八十よりも多いしゅるいのアリがいます。世界では一万をこえるしゅるいのアリが生きています。

 二つ目のひみつは、アリによって食べるものがちがうということです。き本、アリは肉食ですが、しゅるいによっては草食であったり、ざっ食であったりします。中には菌を食べるものもいます。

 三つ目のひみつは家族の中に社会性があることです。家族の中に、女王アリやはたらきアリなどがいます。このしゅるいもありによってちがいます。女王アリがいなくて、はたらきアリだけしかいないというしゅるいのアリもいます。

このように、身近なアリにも、意外と知られていないひみつがあります。あなたはどんな生き物の、どんなひみつを知っていますか。

3年生説明文 「かさぶた」 122908

みなさんは,かさぶたができたことがありますか。どんなときにできましたか。かさぶたってかゆいし,触るとざらざらしていて,ついついとりたくなります。どうしてとっちゃいけないのでしょうか。

かさぶたは血でできています。血が固まったものがかさぶたです。血は私たちの体を流れているときには固まりません。でもけがをして血が出ると,その血は傷口で固まろうとします。血の中に入っている「血小板」や「フィブリン」が傷口にどんどん集まってきて,傷口の血を固めます。傷口の血が固まると,それが傷口のふたになって,傷口から血が出なくなります。

新しい皮膚ができるまで,かさぶたが皮膚の代わりをします。皮膚の一番上の部分は少しかたくなっていて,外からばい菌が入ってくるのを防いでいます。かさぶたは皮膚の代わりになって,ばい菌が入るのを防いでくれます。

かさぶたの下では新しい皮膚がどんどんとつくられていきます。新しい皮膚がつくられているときにはかさぶたはしっかりくっついています。新しい皮膚がある程度できあがるとかさぶたは自然にとれてしまいます。

かさぶたのとれたあとはピンク色でつるつるしていて,ちょっと変な感じですね。その新しい皮膚が出てくるまでは,そっとしておきましょう。

3年生説明文 「人類の歴史」 122909

私たちは人類です。
私たちの先祖はどのように生まれどのように受け継がれてきたのでしょうか?

 「地球人の歴史」というからには、人類がどのようにして地上に現れたのかについて説明しておかなくてはならない。

 世界各地に、人類の起源を語った神話がある。中国の神話では、女神が泥から人間をつくったとある。最初はひとりづつ丁寧に作っていたのだが、やがて面倒になったのか、泥の中に綱をひきずって、跳ね上げた土をそのまま人間にしたのだそうだ。きちんと作ったものは富貴な人となり、いいかげんに作ったものは卑賤な人間になったという。

 また、キリスト教徒が「旧約聖書」とよぶユダヤ教の聖典では、神が土の塵からアダムという男がつくられ、アダムの肋骨からイブとよばれる女がつくられたとある。その他、北欧神話は木から、マヤの神話はトウモロコシから人間が生まれたと語っている。

 残念ながら、そのような夢とロマン(?)にあふれた神話群は、現在ではあまり面白みのない「進化論」にとってかわられ、忘れられてしまっている。

 進化論の基礎は、19世紀イギリスの学者ダーウィンがつくった。生存競争に生き残った個体が子孫を残すことで、生物は少しずつ環境に適応する方向に進化するというものだ。

人間も生物だから例外ではないが、当時多くの人が誤解した(そして今でも誤解される)ように、人間はサルから進化したわけではない。かりに野生のサルを何十万年観察したところで、人間にかわることはありえない。ダーウィンが言いたかったのは、人類はサルと共通の祖先から枝分かれしてきたということである。

 生物学的にいえば、われわれ現生人類は、霊長目のなかのヒト科ヒト属ということになる。

 霊長目とはサルの仲間である。7000万年前に出現して以来さまざまに枝分かれして、地球上に広がった。キツネザル科、メガネザル科、オナガザル科、テナガザル科、ショウジョウ科など十数の科に分類される。ヒト科もその中にふくまれる。

 ヒト科をほかのサルたちと区別するポイントは、「直立二足歩行をする」かどうかである。脳の大きさなどは分類には関係ない。

 ヒト科に近いといわれるチンパンジーも、二本足で立ち、歩くこともできる。しかし、その状態を長く維持することができない。チンパンジーとヒトとでは、骨格が大きく違うためだ。主な違いには、以下のようなものがある。

 1.チンパンジーの背骨は頭骨の後ろについている。それに対し、ヒトは真下についているので、頭を支えることができる。

 2.ヒトの背骨はS字形に曲がっており、腰に重心が位置するようになっているので、バランスよく立つことができる。

 3.チンパンジーは大腿骨が骨盤から真下にむいてついているのに対し、ヒトの大腿骨は内側に向いている。これにより、上体を左右に揺らさずにまっすぐ歩くことができる。

 4.チンパンジーの親指は足の内側についており、手のようなかたちをしている。歩行ではなく木の上での生活に適した形である。これに対し、ヒトは五本の指が足の前側に同じ方向についている。しかも「土ふまず」があり、体重を足の裏の3点でしっかり支えるようになっている。

 このような特徴をそなえて、ヒトの直立二足歩行が可能になったのだ。

 進化の過程で、ヒト科の中にもさまざまなの種が生まれてきた。しかし、その中で現存しているのは私たち(ホモ=サピエンス=サピエンス)1種のみである。それ以外は、すべて絶滅してしまってどこにも存在しない。

 そのため、人類の先祖を知るための手がかりは化石だけということになる。しかも、まるごと一体分の化石が見つかることはまれで、ふつうは部分的にしか出土しない。研究者は、ときにはたった1本の歯から種を特定しなければならない。

 今のところ、もっとも古いヒト科の化石は500万年前のもので、エチオピアで発見された。

 ここは、アフリカ大地溝帯(グレート・リフトバレー)にあたっている。紅海を経て、エチオピアをとおり、ケニア、タンザニア…と東アフリカを縦断する大地の割れ目である。現在も毎年数cm広がっており、数百万年後にはここを境にアフリカはふたつに分かれてしまうともいわれる。

 地溝帯周辺からは、猿人(アウストラロピテクス属)とよばれる数百万年も前のヒト科の化石がからたくさん発掘されている。このことから、「イーストサイドストーリー」という人類誕生についての仮説がとなえられている。それは次のようなものだ。

 今から1000万年前、アフリカ東部が割れはじめた。地下からマグマがふきだし、キリマンジャロ山やケニア山などの高山があらわれた。この地方は熱帯の大森林におおわれていたのだが、湿った空気を運んでいた赤道西風が山々にさえぎられたために、徐々に乾燥して、草原にかわった。森林に住んでいた多くの類人猿が絶滅するなか、直立二足歩行を獲得したヒトの先祖だけが草原に適応し、生き残ることができたのだと。

 この仮説によれば、東アフリカこそ人類発祥の地ということになる。

このように人類は様々な壁の超えて私たちの代まで受け継がれています。

3年生説明文 「バッタのひみつ」 122910

夏の暑い日に、山や草原の草むらを踏みまわってみましょう。なにかが勢いよく飛びだしますね。虫あみを持っているなら、頑張って捕まえてみましょう。それがバッタということが分かるでしょう。仮面ライダーのモチーフにもなっているバッタがどんなひみつを持っているのか、これから見ていきましょう。

まず、バッタといっても大きく分けて二つの種類に分かれます。バッタと聞いてみなさんはどんな姿を思い浮かべるでしょうか。トノサマバッタのように長方形な形のものもいますが、ショウリョウバッタのように細長いものもいます。同じバッタでもここまで姿が違うのは珍しいのです。

次に挙がるのは、あのジャンプ力です。バッタの姿を見ると、その大きな足に目がいくでしょう。バッタは後ろ足が発達しています、さらに昆虫なので羽をもっています。その脚力と羽はとてもすごいもので、自分の数十倍の距離を跳ぶことができます。仮面ライダーがジャンプしてキックするのはこの脚力を使っているのです。

最後に、バッタの仲間には一度に大量に生まれて群れを作るものがいます。この群れが大きくなりすぎると、その近くの植物が食い尽くされ、人が住んでいるところまで飛んできます。このせいで、昔の人々はバッタの仲間を恐れたのです。

みなさん、バッタのひみつをみていきましたが、どうでしたか。これだけがバッタのひみつと思ってはいけません。まだまだいっぱいあります。もっともっと知りたい人は調べてみましょう。

3年生説明文 「ホッキョクグマを守ろう」 122911

 みなさん、ホッキョクグマを知っていますよね。名前の通り、北極に住んでいるクマの仲間のことです。しかし、このホッキョクグマは絶滅の危機にさらされています。

 まず、ホッキョクグマの毛は白くなくて透明なんですよ。それに光が当たって白く見えるのです。北極には大地がなくて、分厚い氷が張っているだけなのです。その上、食料も豊富ではないので、ホッキョクグマは食料を求めて移動し続けます。

 ですが、その氷が最近驚くべきペースで溶け始めているのです。これが意味するのは、ホッキョクグマが住む氷の大地がなくなっているということです。そのため、住めなくなってきたホッキョクグマたちの数はどんどん減ってきています。

 では、なぜ氷の大地が溶けはじめているのでしょうか。それは、地球の温暖化が大きく関係しています。そのため地球の気温が上がり、氷が溶けているのです。では、なぜ地球の温暖化が進んでいるのでしょうか。それは、人間が燃料を使いすぎたために、地球をあたためる効果のガスを大量に発生させているからです。

 ホッキョクグマの絶滅は避けなければなりません。そのために私たちが何をできるかを考えることが大切になっています。それを考えていくのは現在の君たちなのです。ホッキョクグマが安心して暮らせる世の中を考えてくださいね。

3年生説明文 「でんわのれきし」 122912

 みなさんが毎日のように使っている電話。とても便利ですね。あなたが誰かとお話をしたいとき、お話をしなければならないとき、その人が隣にいなくても、お話ができます。最近は携帯電話などで、まちのどこからでも電話ができたり、国際電話をすれば、外国のお友達ともお話ができます。では、そんな電話がいつどこでどのように発明されたのでしょうか。

電話機の仕組みは、音声を電気信号にかえて、それを遠くまで届け、その電気信号をまた相手の電話で音声にかえて、遠くにいる人に自分の声を届けます。

電話機は初めから今みたいな形ではなく、豚の腸の膜をを使って音声を電流(電気信号)に変えるしくみを利用して作られました。このぶたの腸を使った装置を作ったのはドイツのフィリップ・ライスです。そしてこの技術を応用して、はじめて電話を作ったのが、アレクサンダー・グラハム・ベルです。1976年、アメリカでのことです。それ以来、電話は世界中に広がり、進化をつづけ、今のような、とてもスタイリッシュな形になりました。

スタイリッシュでとても便利な電話。しかし使い方を誤ると、人に迷惑をかける元となってしまいます。たとえば電車の中で電話をしているひとをみたことがありますか?とても不快ですね。ふつうの会話を聞いているより、電話での会話を聞いているほうが、よほど不快です。

ですから、電話はマナーよく、周りに迷惑にならないように使うことができれば、素晴らしく便利な発明品です。電話機はこれからもさまざまな進化をとげていくかもしれません。僕たちの未来には、どのような電話機が発明されているのか、楽しみですね。

3年生説明文 「車のかつやく」 122913

外を出ればたくさんの車が走っています。例えば、自転車、タクシー、バス、トラック、ゴミ収集車などです。これらの車はどのように動いて、どのような便利さがあるのでしょうか。

まず車が動くにはエンジンが必要です。エンジンを入れることにより、車は自力で動くことができるようになるのです。エンジンが動くにはガソリンスタンドでガソリンを入れなければなりません。そのガソリンがあるからこそ、車は動くのです。

そしてアクセルを踏むと、車は動き出します。ハンドルを操作することにより、道路をまっすぐ進んだり、曲がったりすることができます。止まるときはブレーキを踏むことにより、止まることができます。それはすべて運転席に座っている人が行います。とても便利です。自分の足をたくさん使う必要はないし、ずっと座っていられます。

しかし便利だからこそ、とても怖い乗り物でもあります。人は車に引かれたら死んでしまいます。車の中に乗っている人も、何かに衝突して死んでしまうかもしれません。事故をおこすと、とても怖いことがすぐ起こってしまうのが車です。なので、安全運転で信号を守り、運転しなければならないのです。

車は便利です。しかし怖い乗り物であることも覚えておかなければなりません。道路を歩くときは信号を守り、歩道を歩いたり、気をつけなければなりません。しかし、車は現在の生活には欠かせない乗り物です。車のそれぞれの特徴を生かし、乗っていきましょう。

3年生説明文 「鉄道の歴史」 122914

皆さんの町にも走っている鉄道。とても便利で私たちの生活を大いに助けてくれます。では、この鉄道はどのような経過を経て、今のような姿になったのでしょうか。

まず、いちばん最初は実は二千年以上前のギリシャなどで誕生していました。このころのものは馬車の走る切石をレールの代わりに用いたものでこれはただ車両の軌道を牽引するだけのものでした。

次に蒸気機関が開発されたことにより大きく進歩しました。汽車の誕生です。これにより、より重たいものを運ぶことや長距離の移動を可能にしました。

そして、電気が作れるようになり今の鉄道の原型となる電車ができました。これにより走行中に煙が出たり、大きな音が出にくくなり、より使いやすいものへと進化しました。そして、燃料を積まないことにより出力が上がり、スピードが飛躍的に上がりました。

このようにして、今の鉄道が完成したわけです。そして、今も電車は進化を続けており新幹線など速さに特化したりさまざま形になって私たちの生活を助けてくれています。

3年生説明文 「深海のロマン」 122915

科学が発達し、宇宙にも進出した人類ですが、実は地球の深海にはほとんど進出できていなのです。まだまだ不思議でいっぱいの深海についてお話ししましょう。

深海は太陽光が届かないほど深いところにありますので、毎日が真っ暗闇です。また、高水圧、低水温、暗黒、低酸素状態などの過酷な環境条件に適応するため、生物は独自の進化を遂げています。
ですので、わたしたちがふだん目にするような海の生きものとはかけ離れたようなとくいな姿をしています。

また、水圧がすごくかかっているので、並みの潜水艦ではすぐにぺしゃんこになってしまいます。深くなればなるほど水圧は強くなっていきます。ですので深海の生物たちは、水圧に耐えれるように、体の内部から水圧を押し返すだけの内圧をもっているのです。わたしたちも1Gというちからをうけているので、おなじ1Gの力の内圧を持っています。ですので、外気圧のない宇宙空間に放り出されると、わたしたちの体は風船みたいに膨らんで、破裂してしまいます。おなじように、深海の生物を急速に海面まで引っ張り上げると体ふくらんでしまいます。出目金は深海では目は飛び出てはいないですが、地上にあげられるときに内圧で目が飛び出すのです。

現在、海底何千メートルといけるような潜水艦は発明されていません。ですが、君たちが大人になったころには海底まで探検できるようになったいるかもしれませんね。

3年生説明文 「ゴミのゆくえ」 122916

わたしたちが捨てているゴミはいったいどこに行っているのだろう。
そしてどのようにリサイクルされるのだろう。
ゴミのゆくえとリサイクルについて学ぼう。

わたしたちが、ゴミ箱に捨てたゴミは、ゴミ袋にいれてゴミ集積所という決められたゴミ捨て場にもっていかなければなりません。
ゴミの種類によって、収集日がきめられています。
ペットボトルや空きカン、生ゴミや粗大ゴミ、プラスチック容器包装など、さまざまなごみがあります。
そして、ゴミ集積所に集められたゴミは、ゴミ収集車によってゴミ処理場へ運ばれます。
ここからは、ゴミはどのようなっていくのでしょうか。

集められたごみは燃やします。燃やすとガスや灰・燃えカスができます。
燃やしたときにできるガスの熱は電気を作ったり、クアハウス・温水プールで利用されています。
燃やしたあとにできる灰や燃えカスは埋め立てるときに使ったりします。
集められたごみはそのまま埋め立てるか、細かくして再資源化します。

空きカンなどのゴミはどうなるのでしょうか。
回収した缶・びん・ペットボトルは異物を取り除き、種類や色別に分けます。
集められたスチール缶は電炉メーカーへ行きます。
建築に使う鉄筋棒やスチール板として生まれ変わります。
集められたアルミ缶はアルミニウム再生メーカーへ行きます。
カンはアルミ缶やスチール缶できているので、機械の部品や再びアルミ缶へと生まれ変わることとなります。

ビン類はどうなるのでしょうか。
牛乳ビンやビールびんなどは回収され、再利用されています。再利用されていない使い捨てのびんは、色別に分けて粉々にくだき、ラベルやキャップなどの異物を取り除くと、ガラスの原料となるカレットとして生まれ変わります。


最後にペットボトルはどうなるのでしょうか。
ペットボトルは再生工場へ行き、再生ペット樹脂として生まれ変わり、これらは衣類や包装材料などの製品となります。

このように、わたしたちが捨てているゴミはリサイクルされています。
ものをリサイクルすることによって大切に使い続けるということは、本当に大切なことです。

3年生説明文 「カタツムリのとくちょう」 122918

梅雨のじき、雨がふると葉っぱの上に小さな貝のようなものがのっています。カタツムリです。カタツムリは、でんでんむしやまいまい、蝸牛ともよばれます。フランスではエスカルゴというカタツムリの料理もあるのです。ここで、カタツムリの特徴を見てみましょう。

カタツムリの一番の特徴は、背中に背負っている殻です。この殻のなかには肺や胃などの、生きるために必要な内臓を持っています。殻は背中にのっているのではなくて、実はカタツムリの体の一部で、殻と柔らかいからだは筋肉でつながっているのです。この筋肉によってカタツムリは殻から体をだしたり入ったりしています。

もうひとつの特徴は、口です。カタツムリの口は触角のついている頭の、下の面にあります。この口にはおろし金のような、歯のかわりのものがついていて、これで餌をけずりとってたべるのです。口から食べた食べ物は、食道を通って殻の中の胃にはいり、Uターンして殻の入り口近くにある肛門から外に出されるのです。

ナメクジとカタツムリはよく似ていますが、じつはまったく違う生き物です。カタツムリの殻をとるとナメクジになる、ということはないのです。カタツムリの殻を無理やりとってしまうと、カタツムリはしんでしまいます。
実は、カタツムリはナメクジの仲間ではなく、海にすんでいる巻き貝の仲間なのです。

殻をせおってゆっくり動くカタツムリは、ナメクジよりもかわいいといわれることが多いですが、体には菌や寄生虫がついていることがあります。触ったあとはしっかり手をせっけんで洗いましょう。

3年生説明文 「わたりどりの飛行」 122919

わたりどりを知っていますか。わたりどりは夏の暑い時期に涼しい所へ移動します。涼しい所へ行くためにとても長い距離を飛行します。

鳥は空を飛ぶことのできる動物です。しかし、長い間飛ぶにはやはり持久力が必要です。とくにわたりどりはふつうの鳥よりもさらに長い距離を飛びます。長い距離を飛ぶためにどのような工夫をしているのでしょうか。

それは飛び方にあります。一羽を先頭にV字に並ぶのです。そうすることによって風の抵抗が少なくなり、長時間疲れずに飛ぶことができるのです。

だから、わたりどりは必ず集団で移動します。一羽だけで飛ぶととても体力を使ってしまい、目的地まで行けなくなってしまいます。

このようにわたりどりは自分たちの生活のためのすばらしい知恵を持っているのです。動物によってさまざまな知恵を持っているので、比較してみてもいいですね。

3年生説明文 「理科」 122920

3年生から、理科の授業が始まります。小学校や中学校では「理科」の勉強をしますが、高校では「理科」は「化学」「物理学」「地学」「生物学」に分かれます。それらはどんな勉強なのでしょうか。

 「化学」は、さまざまな物質のつくりや性質について、学習する学問です。物質どうしの反応や、どのようなものに変化するのか、についても学びます。
 「物理学」は、自然界で起こる現象のきまりや法則を発見したり、その法則を使って、物質と物質の間にはたらく力について考える学問です。
 「地学」では、地球について学習します。地球の内部について、地球の天気について、学んだり、他の惑星についても考えます。
 「生物学」は、名前の通り、生き物について学ぶ学問です。生き物の体のつくりや、生き物の集まりのはたらきなどについて勉強します。

このように、理科の中にもたくさんの理科があります。それぞれの学問を勉強する人々がいるおかげで、私達は自然について知ることができるのです。

3年生説明文 「きょうりゅうのひみつ」 122921

きょうりゅうは、とてもおおきなどうぶつです。
ですが、いまはこのちきゅうじょうにはいません。
はるかおおむかし、人間がうまれるいぜんにそんざいしていたのです。
どんないきものだったのでしょうか。

草食きょうりゅうがいました。
これは、草を食べて生きるきょうりゅうです。
こそだてをするマイアサウラや、じぶんのみをまもるために角をもっているトリケラトプスなどがいます。

肉食きょうりゅうがいました。
これは、草食きょうりゅうをたべて生きるきょうりゅうです。
むれでかりをするとてもかしこいベロキラプトル、きょうりゅうの王様ティラノサウルスなどがいます。

また、そらをとぶプテラノドン、うみのなかをおよぐモササウルスなどもいました。ですが、げんみつにはこれらはきょうりゅうではありません。きょうりゅうとはあくまで、地上で生活していたものをさすのです。

これらのきょうりゅうは、長い長い間はんえいしていましたが、6500万年前に巨大いんせきがふってきて、ぜつめつしてしまいました。
ですが、化石などがみつかっていることからもわかるように、きょうりゅうは、確かにこの地球上にそんざいしていたのです。

3年生説明文 「言葉」 122922

私たち人間は言葉という道具をもっています。
言葉のおかげで、人とコミュニケーションをとることができますし、物を読み書きしたりもできます。
大切なことをきろくしたり、自分の考えを伝えるときにも、言葉はなくてはならないものです。
そして、言葉というのはとても大きな力をもっています。
たった一言の言葉でも、それは人の心にえいきょうを与えます。

朝、友達に会ったとき、
「おはよう!」
と元気にあいさつをしてくれるととてもうれしい気分になれます。
困っている人を助けたとき、
「ありがとう。」
と言ってもらえるだけでこっちもうれしくなれます。
言葉は人を幸せにできるまほうの道具です。

言葉は人を幸せにすることができます。
しかし、その逆に、人を不幸にすることだってできてしまいます。
「しね。」
「おまえなんかおらんほうがええ。」
「どっかいけ。」
言っている本人は軽い気持ちなのかもしれません。
しかし、言われる側はたまったものではありません。
軽いじょうだんのつもりではなった一言が、相手を深く傷つけることだってあるのです。
そして一回傷ついてしまった心はなかなかもとにはもどりません。

言葉が凶器に使われている代表的なものがいじめです。
自分が使っているものに落書きをされる。
悪口を言われる。
これらは相手の心をひどく傷つけます。
ときには、なぐる、ける、よりもショックが大きいときだってあるかもしれません。
こんなとき、言葉は見えない凶器となって相手の心をえぐりとっているのです。

言葉は使い方次第で人を幸せにも、不幸にもします。
よく考えて、言葉は使うようにする必要があります。

3年生説明文 「サメのひみつ」 122923

 夏になるとみんな海外や国内のビーチで遊ぶことが多くなります。そんなとき、いつも心配されるのが人にとって危ない海洋生物の存在です。その中でもサメは最も恐れられています。そのサメのひみつを少しでも知っておきましょう。

 サメはホオジロザメが一般的に一番強いイメージを持つサメですが、サメは世界中に約500種存在する。しかし、そのうち人に危害を加える種類は20〜30種類だけなのです。

 つぎに、一部のサメは絶滅の危機に陥っているものもあるが、鯨や他の海洋生物のような保護はされていない。これも、サメの悪いイメージが影響している。そのため、保護されるどころかサメが一定の海域に入れないようにするなどの対策がとられてしまっている。

 また、サメには浮き袋がないため、じっとしていると沈んでしまう。そのためサメの尾ひれは上側が大きく、下側が小さくなっていてやや上方に力が加わるようになっている。

 このように、サメに関して知られていないことがたくさんあるため、かってなイメージを持たずにしっかりと知識をもったほうがいいかもしれない。

3年生説明文 「アリジゴク」 122924

みなさん、アリジゴクを知っていますか。
アリジゴクとはウスバカゲロウ科の幼虫を指します。
しかしときには、彼らがつくるすり鉢上の巣穴そのものを指す場合があります。

ウスバカゲロウ科の近いグループ に、クサカゲロウ科というのもあります。このように「カゲロウ」と いう言葉が使われているため、正真正銘のカゲロウとよく混同されますが、まったく別な昆虫群です。カゲロウは幼虫時代水の中にすみ、 藻類などを食べる草食性昆虫で、その成虫は寿命が大変短いことか ら、「はかなさ」を表す代名詞に使われたりしますが、ウスバカゲロ ウ類は幼虫・成虫とも肉食性の昆虫で、成虫の寿命も決して短くはありません。

アリジゴクそのものを見たことがある人はそれほど多くはないと思 いますが、その名前はよく知られています。これは、彼らがつくる巧 妙な罠(トラップ)のせいでしょう。巣穴を掘ってその底でじっと餌 を待つ。そうです。アリジゴクは典型的な「待ち伏せ型捕食者」なのです。

アリジゴクは大木の根元や、社寺の軒下な ど、雨のあたらない乾いた土のある場所に、すり鉢状の穴を掘って、その下に生息しています。 穴にアリなどの小さな昆虫が落ちかけると、大きなオオアゴ で底から砂粒を放り投げて命中させ、穴の底部へと引きずり下ろします。 オオア ゴでしっかりと捕まえて体液を吸った後は、穴の外へポーンと放り投げ捨てるのです。

このアリジゴク、実は非常に変わった体の構造をしています。 なんと肛門が無く、滅多に獲物が穴に落ちてくることがないので、成虫になるまで糞をずっと貯めています。 そして成虫になってから2、3年分の 糞を一度に放出するといわれています。
しかし、2010年に小学校4年生がアリジゴクのお尻から黄色い液体が出ることを発見しました。通説が覆される可能性が出てきました。
あなたも何か発見してみましょう。

3年生説明文 「たこのなぞにせまる」 122925

みなさんの食卓にたこは出てきたことはありますか。たこは海の中に住んでいる生き物なのですが、とっても不思議なのです。普段何気なく食べて身近に感じているかもしれませんが、まだまだ知らない秘密に迫ってみましょう。

体の特徴としては八本の足があることは有名ですよね。みなさんはこれを足と呼んでいますが実は「うで」なのです。そう考えるとそのうでを使って食べ物をとるようすがわかりますね。そして頭のように見える部分が実は胴体で中心部に頭があります。ちょうど人間が逆立ちしているのをイメージしてください。

さらにたこは哺乳類並みの知能を持っていて、人間の行動を模倣することおで知られています。たとえばたこの目の前でビンの蓋をあけてみせると、それまで開けれなかったのに、すぐ開けれるようになりました。

また、たこはものまねの名人です。岩場では岩になり、海底では海藻に変身し、天敵から身を守るために、またはえさを捕まえるために変身することがあります。あるいはほかの生き物にそっくりに変身することさえできるのです。

このように身近に感じている生き物でさえも、まだまだ知らない秘密がたくさんあります。さまざまなものに興味を持ってその秘密や不思議を見つけ出してください。

3年生説明文 「交通」 122926

道路には、車がはしっています。その横をバイクがはしっています。そのよこで、人があるいています。その横を自転車が通っています。みんな、事故を起こさないようにきをつけています。どのように気を付けているのでしょうか。

まず、大きな道路には信号というものがあります。赤色、黄色、青色の、3つに光るものです。それぞれ、交代で光ります。赤色に光ると、止まれの意味でみんな止まらなければなりません。黄色にひかると、注意して通らなければなりめせん。青色に光ると、進めの意味で道を通ってもいいです。たまに、信号の決まリを守らない人がいます。みんなに、迷惑をかけています。事故をおこしてしまうかもしれません。信号の決まりは、必ず守らなければなりません。

また、車は、歩いている人を妨げないように、注意してはしっています。バイクも、おなじで、歩いている人を妨げないように、注意して、はしっているのです。自転車も、歩いている人に、注意してはしっていめす。たまに、注意しない車やバイクや、自転車がありますね。みんなこまっているのです。注意しないと、事故をおこしてしまいますね。注意しようとする気持ちが大切です。

歩いている人も、車や、バイクや、自転車に注意して、歩いているのです。歩いている人が一番よわいのです。車と、歩いている人がぶつかると、車が悪くなることが多いです。バイクと歩いている人がぶつかっても、バイクが悪くなることが多いです。自転車と歩いている人がぶつかっても、自転車が悪くなることが多いです。しかし、一番よわいからといって、なにをしてもいいわけではありません。ちゃんと、周りを注意して道路をあるかなくてはなりません。




このように、みんなが交通の決まりをまもったり、注意して今のスムーズな通行が守られているのです。みんなが、決まりを守るって素晴らしいですね。

3年生説明文 「猫の秘密」 122927

 今や猫は多くの人々に愛され、飼われています。公園などには野良猫もいます。
猫たちの体にはたくさんの秘密があることを知っていますか。

 まず1つ目はしっぽです。猫のしっぽはぴんと立てたり、ぶんぶん振ったりすることで感情を表します。また走る時やジャンプするときなどにバランスをとる役割があります。

 2つ目はひげです。ひげには狭い通路を通り抜けられるかなどの判断をする時に
使います。またひげは顔だけでなく、前足の関節付近の裏側にも生えていて、
足元を見ないで障害物を超えるために役立っています。

 3つ目は耳です。猫はとても耳がよく、片方ずつ別々に動かすことが出来るため、
音がした方向や音の聞き分けができます。

 このように猫にはたくさんの知られていないことがあります。他にはどんなものが
あるのでしょうか。

3年生説明文 「アメンボのひみつ」 122928

 アメンボは、池や川、田んぼでもその姿を見ることができます。みなさんは、わたしたちの身近にいる、アメンボのひみつを知っていますか。

 まず、一つめのひみつは、その種類がとても多いことです。アメンボとは、長い脚をもち、水上で生活するものの総称です。日本では26種ものアメンボが知られています。

 二つめのひみつは、その名前です。アメンボは体からにおいを出します。そのにおいが飴のにおいに似ているということからアメンボとなったのです。

 三つめのひみつは、水に浮くことです。アメンボの足には、細かい毛がたくさん生えています。そのため、水をはじくことができるのです。また、足先には水をはじく油のようなものがついており、水をはじいているのです。

 このように、わたしたちの身近いる生き物でも、知らないことがたくさんあります。みなさんも、身近にいるいろんな生き物のひみつをさぐってみてください。

3年生説明文 「植物の種類」 122929

家を出て散歩をしていると、様々な植物に出会います。春にはタンポポやサクラが、夏にはアジサイやヒマワリが、秋にはコスモスやヒガンバナが、そして冬にはツバキやスイセンがそれぞれきれいな花を咲かせています。このように、ひとくくりに植物と言っても咲く時期や枯れる時期などはそれぞれことなっています。では、植物にはどのような種類があるのでしょうか。

一年生植物とは、種から目が出て花が咲き、新しい種を作るまでの期間が一年以内の植物のことをいいます。春に芽が出て冬までに枯れるものと、秋に芽がでて次の年の夏までに枯れるものがあります。代表的な一年生植物にアサガオ、ヒマワリ、トマトなどがあります。

二年生植物とは、一年目には茎や葉、根などに栄養をたくわえておいたまま休眠して冬を越し、二年目の春、あるいは夏に開花し、種子を生産して枯れる植物のことをいいます。代表的な二年生植物にパセリ、テンサイ、アメリカナデシコがあります。

多年生植物とは、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、毎年茎や葉を伸ばす植物のことをいいます。代表的な多年生植物には、葉が一年中緑である冬に地上部が枯れるススキ、ハルジョオンなどがあります。

このように、植物には、3つの種類があります。植物を見かけた際は、植物がいつ咲いていつ枯れるのかということについて考えてみると面白いですよ。

3年生説明文 「けいたい電話の活やく」 122931

今、わたしたちのくらしている社会では、いろいろな情報伝達の手段があります。その一つがけいたい電話です。

けいたい電話は、いつでもどこでもメールや電話を使うことで友だちや家ぞくと連らくをとることができます。また、最近のけいたい電話は「スマートフォン」と言われるようなけいたい電話でインターネットを利用したり、カメラを使って写真やビデオをとったりと実にいろいろなことができます。非常に便利なけいたい電話ですが、欠点は無いのでしょうか。

実は、欠点もいくつかあります。例えば、気軽にネットにつなげることが出来るようになったことで、ネット上でのイジメ問題などの、今まではあまりなかった問題が発生しています。また、けいたいゲームに熱中しすぎて、生活リズムが崩れたり、たくさんのお金を子どもが勝手に使うというようなこともあります。また、メールなどは自分の気持ちが相手に伝わりにくいので、ちょっとしたことで人間関係が崩れてしまうなどといったこともあります。便利になりすぎたせいで問題が発生してしまっているのです。

確かに欠点はありますが、それ以上の利点がけいたい電話にはあります。例えば、自分の子どもが夜おそくまでじゅくに通わせるという時に、けいたい電話を持たせておけば、とりあえずは安心できます。また、けいたい電話を持っていれば、もしもの災害などに巻き込まれた時にすぐに連らくすることができます。このように、「何か」あったときにけいたい電話を持っていれば、非常に役に立つといえるでしょう。

このように、けいたい電話というのは非常に便利なもので、生きていく上で非常に役立つものだと言えます。しかし、だからといってその力に過信しすぎたり、依存しすぎたりすると、問題が発生していくとも言えます。今、けいたい電話と接していくのに大切なことは、てきどなきょりを保ちてきせつに使用するということだといえるでしょう。

3年生説明文 「恐竜の絶滅」 122932


大昔、私たち人類がまだ誕生していなかった時代、地球上では恐竜が繁栄していました。
恐竜とは大きなトカゲのようなは虫類です。
休みの日に、博物館に行けば、恐竜の化石を見ることができるので恐竜の大きさを知ることができます。
しかし、強くて大きい恐竜は現在は存在しません。
なぜ、恐竜は絶滅してしまったのでしょう。

恐竜は草食と肉食に分けられます。
草食恐竜は植物を食べて生活します。また、肉食恐竜は他の動物の肉を食べます。
ちなみに、私たち人間は植物も肉も食べる雑食動物です。

今から6000万年も昔、地球に大きな隕石が落ちました。
その衝撃で、たくさんのチリが舞い上がり、地球は厚いチリに覆われてしまいました。
そして、チリによって太陽の光がさえぎられ、植物の多くが枯れてしまいました。
すると、植物を食べる草食恐竜もお腹をすかして、次々に死んでしまいました。
最後には、草食恐竜を食べる肉食恐竜も食べるものがなく、死んでしまいました。
こうして、一つの大きな隕石によって、恐竜は絶滅してしまったのです。

一方、その当時生きていたネズミのようなほ乳類は体が小さかったので、食べ物が少なくなっても生き延びることができました。
その動物が長い時間をかけて進化し、私たち人間が誕生したのです。

もし、隕石が落ちてこなければ、今も地球は恐竜が支配して、私たちは存在していなかったかもしれません。
私たち人間が、当たり前のように生活できているのは、実は奇跡ようなことなのです。

3年生説明文 「神社とお寺の違い」 122933

 皆さんは神社とお寺の違いが分かりますか?
 正月には神社に初もうでに行く一方で、お盆にはお寺のお墓にお参りにいく人が多いと思います。最近ではどちらがどちらか分からないという人もいるのではないでしょうか。今回はそんな神社とお寺の違いに迫ります。

 まず神社ですが、これは神道という日本由来の神様を祀る宗教の建物です。日本には古来より万物には例え道端の石ころにでも八百万の神が宿っているという、アニマズムと呼ばれる考え方があって、神社はその神様を祀っているのです。

 一方、お寺は仏教というインド発祥の宗教の建物で、仏様を祀っています。仏様というのは元々昔インドに実在した人物で、本名をゴッダマ・シッダールタといいます。シッダールタはシャカ族という部族の王子様だったのですが、やがて出家して修行をした後にこの世の心理を悟ってブッダ(この世の心理を悟った人)と呼ばれるようになりました。
 そして、そのブッダの教えがシルクロードを伝ってローマからきた偶像参拝の文化と一体化し、仏像を崇めるという習慣を伴って中国、そして日本へと伝わり、そして人々の間に定着していったのです。

 江戸時代までは神道も仏教も等しく人々の間に浸透して混ざり合い、神仏習合していきました。しかし明治時代には天皇を国の中枢に据えるために政府による廃仏毀釈の政策により、お寺は壊され、神道が前面に押し出されるようになりました。しかし、第二次世界大戦でアメリカに敗北したら今度はGHQの政策で神道が前面に押し出される流れはなくなったのです。

 そして今ではお正月には神社に行き、夏にはお盆をするという嘗ての神仏習合に通じるような日本人の宗教観が形作られたのです。

3年生説明文 「犬のヒミツ」 122935

多くの人が犬をかっています。あの家でもこの家でもかっています。公園にはノラ犬もいます。ところでその犬たちはいろいろなヒミツをもっているのを知っていますか。

まず一つ目のヒミツは体から毛がボーボーとたくさん生えていることです。犬はこのたくさんの毛によって体の温かさをたもっています。

2つ目のヒミツは犬がとてもりこうであることです。犬は人によくなついておすわりなどさまざまな芸を覚えることができます。

三つ目のヒミツは足が速いことです。犬は4本足で走るので単純に考えても人の2倍速く走れるとは思いませんか。実際人間より走るのが速い犬はたくさんいます。

このようにそこらにいる犬には知られていないことがたくさんあります。犬のことが大好きという人でも犬について知らないことがたくさんあるようです。

3年生説明文 「クマの冬眠」 122936

クマは冬になると冬眠します。地面に穴を掘って、冬の間中、その穴の中にずっとこもり続けるのです。では、クマはなぜ冬眠するのでしょうか。

まず、クマにとって冬という季節は体温を維持することが大変な季節です。人間は火や電気を使って身の回りを温かくすることができますが、クマは火や電気を使うことができません。なので、体温を下げないために穴の中でじっと暖かい春が来るのを待つのです。これがクマが冬眠する理由のひとつめです。

ふたつめの理由は、えさがとれないからです。クマが食べる魚や果物、木の実は冬の間はとれません。食べ物がないのに動き回ると、たくさんのエネルギーを使ってしまい体力を消耗してしまいます。なので、冬眠する冬の前の秋にたくさんの食べ物を食べ、体に脂肪としてエネルギーをたくさん蓄えます。こうして蓄えた脂肪のおかげで、寒い冬という長い期間を穴の中でじっとして過ごすことができます。

みっつめの理由は、子供を産むためです。穴の中はクマの天敵となる動物はやってきません。なのでとても安全な環境なのです。母熊は穴の中で子熊を産み、自分の体に蓄えておいた脂肪を母乳として子熊に与えます。春が来て穴の外に出るころには、子熊はある程度まで大きくなっており、自分でえさをとる練習をします。

クマの種類の中には、冬眠しない種類もいますし、クマのほかにも、冬眠をして冬を越す動物はたくさんいます。どんな種類や動物がいるか、みんなで話し合ってみましょう。

3年生説明文 「車のかつやく」 122937

大人になると、ほとんどの人が車をうんてんするようになります。私たちが、どこかへ行くには、自転車にのったり、電車にのったりと、いろいろな方法があります。にもかかわらず、なぜ、ほとんどの大人は、どこかへ行くときに車を使うのでしょうか。

自転車は、車が通れないような細い道もらくらく通ることができます。また、自転車は自分の力でうこがすので、環境にやさしい乗り物です。しかし、遠い場所へ行ったりするときは、とても時間がかかります。また、平たんな道なららくらく進むことができますが、上り坂になると、ペダルが重くなります。男の人でもしんどいです。それにくらべ、車は、細い道は通れません。しかし、車は、遠い場所へ短い時間で行くことかできます。また、上り坂もかんたんに進むことができます。でぼこした道でも、ぐらぐらすることなく進めます。車は大人にとって、自転車よりいい点が多いのです。

電車は、線路があるところだと、とこへでも行けます。車のように、地球に悪いガスを出しません。電気で走るので、とてもエコです。また、ガソリンより、切符をかうほうがが安いです。そして一度に、たくさんの人を運ぶことができます。電車は車よりいい点がおおいよに見えますね。それでも、大人は電車より車を使います。なぜでしょう。一番の理由は、電車は行きたいところの近くへしか行けないということでしょう。行きたい場所が、駅から遠いと、歩かなければなりません。それにくらべ、車は、行きたいところまでいけます。また、線路やか少ないところや、なかなか電車が来ないところだと、車のほうがはるかに便利です。

これらの理由で、大人はよく、車をつかいます。しかし、車は排気ガスを出します。車は、環境に悪いです。また、エンジンの音がうるさいので、周りの人に迷惑をかけるときがあります。事故をおこすと、大きな事故になる場合があります。車も、いいとこばかりではありません。悪いところもあります。

自転車も電車もそれぞれいい点がたくさんあります。車と自転車と電車をうまく使いわけることが大事です。みなさんは、大人になったとき、車ばかり使わないようにしましょう。

3年生説明文 「コウモリのひみつ」 122938

コウモリといえば、つばさをを羽ばたかせ、夜の森を飛び回る姿が想像されると思います。コウモリには、たくさんの秘密があることを知っていますか。

まず、一つ目は、コウモリがイヌやネコと同じ、哺乳類だということです。コウモリはつばさを持ち、空を自由に飛びまわるので、鳥の仲間ではないのか、という人もいるかもしれません。しかし、コウモリのつばさの作りは、鳥たちと大きく違っていて、たまごを産むこともないのです。

二つ目は、そのしゅるいがとても多いことです。およそ千しゅるいがいて、これは、哺乳類全体のおよそ四分の一を占めています。コウモリといえば、吸血鬼のように、ほかの動物の血を吸うイメージがありますが、血を吸うコウモリはほんの一部であり、ほとんどは、くだものや虫などの小さい動物を食べています。

三つ目は、超音波というとても高い音を出すことです。コウモリは、超音波をうまく利用して、飛んでいる自分の位置を調べたり、えものと自分とのきょりを調べたりしています。

このように、コウモリには、たくさんのひみつがあるのです。哺乳類でありながら、空を自由に飛べるめずらしい動物なので、今だに多くの研究がなされています。まだまだわたしたちの知らないひみつが、見つかるかもしれません。

3年生説明文 「携帯電話の活躍」 122939

 今、私たちの身の回りにはたくさんの便利な機械があります。私たちが使用するものでその最たるものは一つは携帯電話でしょう。

 携帯電話の便利なところは持ち運びができることです。持ち運びができることによって、私たちは家にいなくても、公衆電話を探さなくても電波が通じるならどこでもいつでも電話をかけることができます。これによってきんきゅうでれんらくをとらないといけなくなったときなどにちゃんと連絡がとることがよういになりました。

 また携帯電話は、メールを使うことで、電話での音声のやりとりだけでなく、文字のやりとりもできます。電話だと相手がいそがしくて電話に出ることができないときや気づかなかった時に、連絡を取ることがむずかしいです。しかしメールだと時間があるときに内容をかくにんすることができるので時間が合わなくても連絡を取り合うことができます。

 さらにここ数年では携帯電話はスマートフォンという新しいタイプのものが普及しています。スマートフォンのとくちょうはアプリが使えることでしょう。lineなどの新しいコミュニケーションやゲームや小説など、携帯電話の機能は、単なる持ち運べる電話からさらに進化しています。

 携帯電話によりコミュニケーションの幅はとても幅広くなりました。しかし、画面をみるコミュニケーションだけでなく、直に触れ合うコミュニケーションの重要性も考えてみてください。

3年生説明文 「ありがとうのもつ力」 123013

みなさんは普段から両親や先生、お友だちにちゃんと「ありがとう」と、言っていますか?「ありがとう」は、たくさんの力をもっています。

まず、人を喜ばせる力。みんなも何かをしたあとに褒められるとすごく嬉しいですよね?人は褒められることに喜びを感じます。だから、人が何かをしていて、それがいいことなら、「ありがとう」と伝えてあげてください。

次に、人を救う力。もし、誰かが人のために何かを一生けん命しようとした結果、失敗してしまったとします。当然、失敗してしまったことは良くないことのほうが多いのですが、そこで怒ってしまうとその人は、人のために何かをすることが怖くなってしまうかもしれません。だからそこで「一生けん命やってくれて、ありがとう」とい言うようにしてみてください。すると、その人は、次は頑張ろうと思えるし、ありがとうと言ったあなたも、気分が悪くなることなく終わります。

ありがとうがもつ一番大きな力は、自分自身が幸せになる力。自分が何かをして「ありがとう」と言われると、すごく気持ちよくなるのはもちろんのこと、人に何かをしてもらったときにちゃんと「ありがとう」と言うことで、自分も感謝の気持ちでいっぱいになって幸せな気持ちになるし、相手も幸せな気持ちになって「またしてあげよう」という気持ちになり、幸せが幸せにつながります。

普段なにげなく「ありがとう」と言っているみなさんも、言ってないみなさんも、一度心から「ありがとう」と言ってみてはいかがでしょうか。

3年生説明文 「無題」 123119

 水の中で暮らしている生物の中には実は哺乳類もいます。その代表的な動物の一つががイルカです。そのイルカには、たくさんの秘密があります。いったいどのような秘密があるのでしょうか。

 まず一つ目は、イルカは寝るときは右の脳と左の脳を交互に眠らせるということです。呼吸の周期はおよそ40秒で、目をつぶってから息をするまでの約1分間の睡眠を300〜400回繰り返した合計が一日の睡眠時間です。

 二つ目の秘密は、後ろ足が退化して、わずかに骨のかけらとして体内に残っているということです。前足にあたる部分には胸びれがあります。そして、尾側の最後部に尾びれがあり、それを上下に動かして泳ぎます。

 三つめの秘密は、イルカの歯はおよそ80本もあるということです。イルカの多くは肉食ですが、水分は魚類などからとります。ただし、海水を大量にとってしまうと脱水症状になってしまう点は人間と同じです。

 このようにみんなが知っている生き物でも知らないことがたくさんあります。ほかの生き物にもそれぞれの秘密があります。たくさんの生き物の秘密について調べてみるのも面白いかもしれませんね。

3年生説明文 「お米の秘密」 123817

みさなんは朝ごはん、お昼ごはん、晩ごはんなど、ごはんをたべるとき何をたべていますか。おそらく多くの人がお米を食べているとおもいます。みんなは食べるお米についてどんなことを知っていますか。

まず、お米は日本人の主食です。稲作は日本においては、縄文時代中期という今から約1万6,500年前から約3,000年前という大昔から行われ始めました。お米の歴史がとても長く感じられますね。

次に、みなさんが口にしているお米はお米の製法によって言い方がちがいます。まず、イネから米をとり、お米の周りについているもみがらというものだけを取り除いたものを玄米と言います。見た目は少しうすちゃ色をしていておいしくなさそうに見えますが、日常生活でとらないといけないビタミン類、脂肪分などを含んでおり栄養価が高いので、とても体にいいです。そしてその玄米からもっと皮の部分をとったものを胚芽米といいます。見た目はわたしたちがよく目にする白いお米ですが、お米を植えたときに次の芽になる部分が残っているので、栄養価が玄米よりも下がりますが、白米よりも高くなります。そして、わたしたちのほとんどがくちにしている白米です。白米は胚芽米から新たな芽になるところをとったお米です。栄養価は低いですが味はおいしいです。

そしてお米は日本で育てられたみずみずしいお米だけではありません。海外でもお米は作られています。日本のお米は一般にジャポニカ種、インドなどで作られたお米は一般にインディカ種といわれています。ジャポニカ種のお米は、形が丸みを帯び、炊かれたときの米には粘りがあるのが特徴です。インディカ種のお米は形が縦長で、炊かれたときの米には粘りが少ないのが特徴です。世界的にはジャポニカ種よりもインディカ種の生産量が多いのです。

このように何気なく口にしているお米にも調べるといろいろなひみつがあるのです。

3年生説明文 「犬のひみつ」 123819

私たちの身近に存在する動物として犬がいます。犬は主にペットとして飼われ、私たちに安らぎや癒しを与えてくれます。そんな動物である犬たちがいろんなひみつを持っていることを知っていますか。

 まず、一つめのひみつは、その品種がとても多いことです。世界にはおよそ七百から八百種類もの犬が存在すると言われています。

 二つ目のひみつは、聴力が優れているということです。その聴力は人間の五から七倍と言われています。犬は野生の小動物が発する高い鳴き声を聞き取り、獲物の居場所を素早く発見するために発達したと考えられています。そして、みなさんも知っている犬笛は犬の音が聞こえる域の広さを応用した道具で、人間には聞き取れない音を発して犬を呼び戻すために作られました。

 三つ目のひみつは、嗅覚がとても優れているということです。その嗅覚は人間の百万から一億倍と言われています。犬の中には麻薬などの違法薬物を探し出す麻薬検知犬がいます。そのような犬はその優れた嗅覚を使って、私たちのために日々働いているのです。

 このように、犬にはいろんなひみつがあります。そして、そのひみつの中には私たち人間のために働かせてくれているものもあるのです。身近な存在である犬のひみつはまだまだあるのかもしれません。

3年生説明文 「星のたん生」 123820

 夜空にまたたく星たち――空には数え切れない数の星がちらばっています。
 そんな数え切れない星たちの正体は一体何なのでしょう。

 実は、星のエネルギーのみなもとは水素です。水素によって星はたん生します。うちゅう空間には、たくさんの星がかがいています。
 しかし、そこにあるのは星だけではありません。炭素などでできたちりや水素のガスがただよっています。

 星は、星間雲が引力でちぢむことによって生まれます。しゅうしゅくを始めるきっかけは、ちょう新星ばく発などによるしょうげき波や星間雲どうしのしょうとつなどです。密度が大きくなり、中心部の温度も上がると、星はまず赤外線を出しはじめます。
 星のまわりをとりまいているガスが消え、私たちの目に見える光でかがやき始めると、いよいよ星のたん生です。このときの星の中心温度は10万度から100万度くらいです。

 さらにしゅうしゅくが続き、中心温度が1000万度に達すると、水素のかくゆうごう反応が始まります。これが始まると、もう一息です。やがてしゅうしゅくも止まり、かくゆうごう反応でできるエネルギーだんかいの星を主系列星といいます。
 星の原料となる星間雲には、すでに死んでしまった星たちがさいごのちょう新星ばく発の時に放出した、炭素や窒素、酸素などがふくまれています。私たちの体や地球をつくっているこれらの元素は、うちゅうが生まれたときにはなかったもので、星の中心部でかくゆうごう反応によって作られたものなのです。

 しかし、水素の量にもかぎりがありますから、星にもいずれじゅみょうがやってきます。ちょう新星ばく発をおこすなどして死んでいくのです。
 星は死んで星間雲にかえり、また次の世代の星を生み出します。私たちもその中から生まれたうちゅうの子どもなのです。

3年生説明文 「かげひなた」 123821

 いまいち目立たない人っていますよね。器用貧乏であったり、堅実な人であったり、近しい人が有名すぎて日陰に追いやられてしまったり。ここではそんな特徴を持った3人の戦国武将を紹介したいと思います。

 1人目は上杉景勝。毘沙門天の生まれ変わりと自他ともに認めた上杉謙信の実の甥です。謙信の義理の息子、上杉景虎との後継者争いを経て上杉家の家督を継いだ景勝でしたが、彼はいまいち現代の人間の印象に残っていません。謙信のライバル、武田信玄の後継者である勝頼の方がよっぽど有名人です、それは決して良い意味ではありませんでしたが。どうして彼が印象に残っていないのか、それは景勝がかなりの無口であったこと、そして愛を掲げた自らの側近、直江兼続の存在です。兼続は文武両道、聡明な男でかの秀吉もほれこんだという正に「ナンバー2のナンバー1」と呼ぶにふさわしい景勝の家臣でありました。兼続は優秀なことと景勝の無口が合わさって、本来なら殿が答える質問にも兼続が代わりに返事をしてしまう、なんてこともありました。これらにより上杉2代目の世代は必ずこの男に現代の人は注目してしまうのです。かわいそうですね。

 二人目は森長可。彼は13歳で家督を継ぎ15歳にして信長の他の重臣らと同じように活動をしていました。若い頃から大活躍の日々だったのです。そんな歴史小説を読めば必ず出てくるような存在であるにも関わらず知名度はいまいちです。それは一重に弟、蘭丸の影響ではないでしょうか。森蘭丸といえば信長の優秀な小姓として皆が知っている歴史上の人物です。武将としての確実に長可の方があったにも関わらずに蘭丸の悲劇的な最期、信長を徹底的にたてたエピソード、頭がきれるに加え美しい容姿を持つ彼は小姓という立場のまま死んでしまってにも関わらず蘭丸が有名たるゆえんなのでしょう。長可、もったいない男です。

 三人目は真田信之。こういうとぴんと来ないかもしれませんが、彼はあの有名な真田幸村の兄です。彼の名は本来「信幸」で、父の昌幸から一文字、武田信玄の名から一文字ずついただき元服をした真田家の嫡男にふさわしい名です。まあ「幸」の字は父と離れ徳川家康についたとき服従の意をしめすために「之」に変えたのです。戦国時代の花形である弟、幸村の活躍といえば大坂の陣でのたたかいです。先にも言った通り、信之はこのときすでに徳川側についていました。花の敵だったのですから目立たないのは必然であるといえます。真田家という家のためには信之のほうが正しい行為であったのですが幸村のほうにロマンがあったためでしょうか。何かと真田幸村がとりあげられてしまいます。実に惜しい男です。

 このように近しい存在のせいで本来もっている輝きがかき消されてしまう人たちが戦国武将にはたくさんいました。弁護というわけではありませんが、当時は評価されていたのですよ。現在の我々の勝手な意見です。しかし後世に残らないというのは一見損かもしれませんね。ですが月見草のように陽のあたらないところでも一生懸命咲くことが大切なのです。見る人は見ています。そういった縁の下の力持ちといった役割の人には皆が感謝しています。自分にできることをやっていけばいいのです。それが華やかでもそうでなくても努力してやっていけば最後には必ず良かったと思える日が来ることでしょう。

3年生物語文

3年生物語文 「みずいろだま」 91444

 あるところに、小さな村がありました。村には、ふたごの男の子と女の子がいます。二人が暮らす家には、ずーっとずーっと昔から、みずいろだまがあります。二人のおじいちゃんのそのまたおじいちゃんのそのまたおじいちゃんのころくらいから、ずっと家にあるそのたまを、二人は大事にしています。大事にしているけれど、ちょっぴりこわくも感じていました。なぜなら、おじいちゃんが二人に、絶対に壊してはいけないよ、丁寧に丁寧に扱うんだよと言っていたからです。きれいだけど不思議な色のみずいろだまは、二人にこわさを感じさせていたのです。掃除をするときだけ、そーっとそーっと丁寧に拭いていました。

 ある秋の日。二人は今日も朝から掃除をしていました。はたきではたいて棚を拭いて、もちろんみずいろだまも丁寧に丁寧に拭きました。最後に床拭きをしていたら、、あっ!女の子がよろけて壁に体をぶつけました。その拍子に、がちゃん!みずいろだまが床におちて、われてしまいました。女の子は泣いてしまいました。男の子も困ってしまいました。二人でどうしようどうしようと相談していましたが、解決はしません。われてしまったみずいろだまがこわくて、二人はそれを見ることもつらくなりました。

 次の日、村の集まりになかなか来ない二人を心配して、村の人たちが二人の家を訪ねました。
「おうい。どうしたんだい?なにかあったのかい?」
二人は村の人がたずねてきてくれたことに安心して、泣きながら言いました。
「おじいちゃんのそのまたおじいちゃんのそのまたおじいちゃんのときから家にあるみずいろだまを壊してしまった。どうすればいいか分からないよ。」

 すると、村の長老が言いました。
「そのわれたたまを見せてごらん。」
二人にわれた破片を見せてもらった長老は、少しふふっと笑って言いました。
「これを壊しちゃったんだね。きみたちのおじいちゃんが残していったたまはこれだったんだ。」
二人にも、まわりの人にもよく分からないことを言いました。
「これを壊してしまったのはよくない。けれど、なぜ壊れたの?」
二人は答えました。
「掃除をしているときに、壁にぶつかって落ちてしまったの。」
二人の答えを聞いて、長老は目をつむりながらうーんと言って、二人に向かって、
「おじいちゃんが大切にしていたこのみずいろだまは、実はそんなに古いものではないんだよ。」
といいました。
二人はびっくりしました。だって、おじいちゃんからは、おじいちゃんのそのまたおじいちゃんのそのまたおじいちゃんから家にあるものだと聞いていたからです。
「でも、おじいちゃんは・・」
二人が言いたいことを察した長老は言いました。
「二人が一つのものを丁寧に扱い一緒に大事にする気持ちを、二人に知ってほしいと感じたおじいちゃんが、うそをついたんだ。ぼくもどんなたまを二人に渡したのかを知らずに話にだけ聞いていたんだ。」
二人はぽかんとして聞いていましたが、おじいちゃんが二人に残してくれたものを感じて、今までとは違う涙を流しました。

 長老の話を聞いた二人は、力を合わせてみずいろだまを直しました。大変だったけど、一生懸命こつこつと。いまではすっかり元のかたちです。ひびは入っているけどね。しかし、二人はもうみずいろだまがこわくありません。おじいちゃんの優しさにあふれたみずいろだまを、二人は今日も丁寧に丁寧に拭いて、大事に扱っています。

3年生物語文 「お母さんがたいへん」 102917

 「たいへん!」
あいこのお母さんは飛び上がりました。時計を見ると、「8:00」。いつも起きる時間から1時間も過ぎてしまっているのです。
 あいこはふしぎに思いました。
「お母さんがおねぼうなんてめずらしいな」

 その日、あいこの学校は「そうりつきねんび」といって、学校のたんじょうびでした。そうりつきねんびは毎年お休みになります。
 あいこのお母さんはせっせと朝ごはんをつくり、せんたくものをほして、おしごとのじゅんびをしています。
 外はピューピュー風が吹き、カラカラ空き缶の転がる音が聞こえます。
 「あいこー、お母さんいってくるわね」
お母さんはでかけていきました。
 

 夕方になるとお母さんは顔を赤くして帰ってきました。いつもと様子が違います。
「お母さん、どうしたの。」
お母さんの顔をのぞくと、汗もダラダラ流れています。
「お母さん、熱があるみたい。」
 あいこはおどろきました。いつもげんきなお母さんが熱を出してしまったのです。
「今日の晩ごはん、どうしましょう」
 あいこはおもいつきました。
「お母さん、わたしにまかせて!」

 お母さんから千円札を一枚もらい、外へとびだしました。あいこは、少しはなれたスーパーへお弁当を買いにいこうと思いついたのです。

 外はもう日が落ちて、うっすら暗くちらほらとしごと帰りのおじさんが歩いていくばかりです。風は冷たく、カラカラ空き缶が転がっています。
 あいこは急に不安な気持ちになりました。
「やっぱり帰ろうかな」

「でも、お母さんが熱を出してる」
 必死の思いでスーパーを目指しました。

 スーパーについて、ハンバーグのお弁当と、お母さんの大好物のシャケのお弁当を買って、家へもどりました。

 家へつくと、まっさきにお母さんのところへ飛んで行きました。はやくお弁当をわたしたい気持ちと、ちょっぴりこわくてさみしかった気持ちがおしよせてきたのです。
 はあはあ言いながら、あいこは
「お弁当買ってきたよ。お母さんの好きなシャケのお弁当だよ」
と言って、わたしました。
 お母さんは「ありがとう」といっておいしそうに食べてくれました。

 あいこは、はじめて、なんとも言えないドキドキしたきもちになりました。

3年生物語文 「ゆみちゃんとミドリガメ」 103811

 ゆみちゃんはミドリガメを飼っています。3匹目のミドリガメです。1匹目はお祭りですくってきたけれど、家に来た時から目がはれていて、すぐに死んでしまいました。ゆみちゃんはとても悲しくて、カメのことをたくさん調べました。そして今度は死なせないぞと、2匹目を飼いました。2匹目のカメはとても元気で、トンネルにもぐるのがとても大好きでした。ある日そのカメがトンネルで寝ていたので、「カメは水中で皮ふ呼吸するから大丈夫」と、気にしないでいたら、次の日に死んでいました。なんと、ゆみちゃんのかんちがいで、カメが皮ふ呼吸するのは冬眠のときだけだったのです。ゆみちゃんはとても悲しくなり、もうカメをかうのはやめようと思いました。でも、おじいちゃんが、「三度目の正直だから、もう一回飼ってみなさい」と言ってくれたので、ゆみちゃんはこわかったけれど、また飼うことにしました。ゆみちゃんは、今度はカメの本を買って、たくさん勉強して、家にカメをむかえました。カメは子どもの頃はまだ性別がわからないけれど、とても元気に泳ぐので、きっと男の子だろうと思い、「ひではる」となづけました。

「ひではるちゃん、にぼしどうぞ」
ひではるちゃんが家に来てから今では1年がたちました。ひではるちゃんはゆみちゃんの両手ほどの大きさになり、ゆみちゃんの手から与えられたにぼしもまるまる飲みこみます。そしておどろいたことに、大きくなったひではるちゃんは、つめもしっぽも短いので、なんと女の子だったのです。同じ性別だと知って、ゆみちゃんはひではるちゃんに親近感がわき、よけい可愛くなりました。
 しかし、ゆみちゃんにはなやみがあります。ひではるちゃんは、ご飯をあげるときはよってきてくれるけれど、水そうそうじのときなどにだっこすると、とてもあばれるのです。つめでひっかくのです。ゆみちゃんは、カメの本にかいてあった、「爬虫類は人間になつかない動物」という言葉がきになってなりません。ゆみちゃんは、ひではるちゃんがあばれるたんびに、なんだかさびしい気持ちになりました。

 ある日、ゆみちゃんは、友達のふうかちゃんの家に遊びに行きました。ふうかちゃんのおうちにつくと、玄関をあけたしゅん間、ちいさな可愛い犬がとびだしてきました。チワワです。
「マリーちゃん。ねぇ、可愛いやろ。毎日学校から帰るとでむかえてくれるんよ。」
なんて素敵なのでしょう。ゆみちゃんのひではるちゃんはお出迎えなんてしてくれません。
「いいなぁ、ねぇ、だっこさせて。」
ゆみちゃんはマリーちゃんをおそるおそる抱きかかえました。まぁいいにおい!ほわほわのマシュマロを、うでいっぱいでかかえているようです。ごつごつでなまぐさいひではるちゃんとは大ちがいです。マリーちゃんは、ゆみちゃんの目をじーっと見つめて、「ねぇ、お遊んでよ!」と言っているようです。お庭に放すとひとりでどこかへ行ってしまうひではるちゃんとはまたもや大ちがいです。ゆみちゃんは、マリーちゃんをなでながらため息をひとつつきました。

 日曜日。今日はひではるちゃんの水そうそうじの日です。ひではるちゃんはあいかわらず、のんびりとレンガの陸地の上で日光浴をしています。手足をぴーんとのばし、太陽にぎらぎらと照らされている姿は勇ましく、なんて優がなのでしょう。ゆみちゃんが近寄ると、ひではるちゃんは大好物のにぼしをもらえると思ったのか、あわてて水のなかに飛び込み、ゆみちゃんを見つめながら手足をばたばたさせはじめました。
「もう、ごはんがもらえるとおもった時だけ、よってくるんだから。」
ゆみちゃんはくちをむむっととがらせながら言いました。
 さあ、大変な水そうそうじです。大きくなったひではるちゃんのための大きな水そうは、運ぶのも洗うのも大変です。それに、水そうにしきつめた石ころ、レンガの陸地、水そうにとりつけたろ過器を洗うのはとても骨が折れます。
「こんなにこんなに、ひではるちゃんのために頑張っても、ひではるちゃんは、マリーちゃんのようにはなってくれないんやもんね…」
分厚いゴム手袋をつけて、石ころをがしがしと、お米を洗うようにあらいながら、ゆみちゃんはつぶやきました。
 水そうそうじ中は、ひではるちゃんは家のお部屋にはなします。ゆみちゃんが洗い終わった水そうをセッティングして、ひではるちゃんをさがすと…いたいた、たなの下です。でも、ゆみちゃんが手をのばしても、ひではるちゃんまでとどきません。ひではるちゃんはお尻を向けて、自分のために頑張っているゆみちゃんなんて気にしてません。ゆみちゃんはもう、我慢できなくなりました。
「もう、ひではるちゃんなんかしらない!」
ゆみちゃんがのばしていた手をひっこめたそのときでした。なんとひではるちゃんがのこのことたなの下から出てきて、ゆみちゃんの手のひらにのりました。そしてじーっとゆみちゃんを見つめるのです。ゆみちゃんは、いままでなかった出来ごとに、あっけにとられました。ひではるちゃんはまだまだじーっとゆみちゃんを見ています。

 水そうにもどったひではるちゃんは、元気に泳ぎ回っています。ゆみちゃんは袋からにぼしを取り出し、ひではるちゃんのくちもとに近づけました。ひではるちゃんは勢いよくとびつきます。
「ひではるちゃん、1年も生きてくれてありがとう。」
ひではるちゃんは、もくもくと食べています。
「夏になったら、またお庭で遊ぼうね。」
ゆみちゃんは、またふくろからにぼしを取りだしました。

3年生物語文 「ともだち」 112710

うさぎちゃんとねずみくんはなかのいいともだちです。今日もいっしょに、おうちであそんでいます。すると、うさぎちゃんに、ねこちゃんからおてがみがとどきました。

それをみて、ねずみくんはさみしそうにしています。「ねずみくん、どうしたの。」と、うさぎちゃんは聞きました。「うさぎちゃんにおてがみが来たのをみて、さみしくなっちゃった。」と、ねずみくんはこたえました。「どうしておてがみが来たのをみてさみしくなるの。」と、うさぎちゃんは聞きました。「だって、ぼくにはおてがみが来たことが一度もないから。」と、ねずみくんはさみしそうにこたえました。「一度もかい。」「一度もさ。」うさぎちゃんは、かなしくなりました。そしていいことをおもいつきました。

そして、その日のよなかに、うさぎちゃんは、ともだちのふくろうくんにあいにいきました。「ふくろうくん、このてがみをねずみくんにとどけてくれない。」と、うさぎちゃんはおねがいしました。「もちろんだとも。」と、ふくろうくんはひきうけてくれました。次の日、うさぎちゃんはねずみくんのいえにいきました。「ねずみくん、今日はおてがみが来ると思うよ。」とうさぎちゃんは言いました。「くるわけないじゃないか、今までだって一度も来なかったのに。」と、ねずみくんはさみしそうに答えました。「いや、今日はくると思うよ。わたしはそう思うんだ。」と、うさぎちゃんはこたえました。「そんなにいうならまってみようかな。」と、ねずみくんは少したのしそうに、まつことにしました。しばらくまっても、てがみはきません。うさぎちゃんは、ふくろうくんはどうしたんだろうとおもってようすを見にいくことにしました。

ふくろうくんのいえにつくと、ふくろうくんはなんとおやすみ中でした。「ふくろうくん、いつまでねているの。おてがみとどけてくれるんじゃなかったの。」と、うさぎちゃんはいいました。「ああ、うさぎちゃん、ぼくはやこうせいだから今はおやすみの時間なんだ。あとにしてくれないか。」とふくろうくんはねむそうにこたえました。「そうだったね。おこしてごめんね。またあとでたのむよ。」と、うさぎちゃんはふくろうくんにおねがいしまして、ねずみくんのいえにもどりました。もどるととねずみくんは、とてもさみしそうにしていました。「ねずみくん、もうすぐくるからだいじょうぶだよ。」とうさぎちゃんはいいました。「うさぎちゃんがいったからまってみたけど、ぜんぜんこなかったんだ。もうぼくはあきらめるよ。」とねずみくんはとてもさみしそうです。「ほんとうにくるんだ、ぜったいだよ。」と、うさぎちゃんはげんきづけます。「うさぎtysん、どうしてきみはそんなにいいきれるんだい。」と、ねずみくんはききました。「だってわたしが、ねずみくんにてがみをだしたんだもん。」とうさぎちゃんはこたえました。「きみが。」「わたしが。」「そうか。それはいい。きみがおてがみをくれるなんて。」と、ねずみくんはうれしそうです。「じゃあ、ふたりでいっしょにまとうか。」「うん。」とふたりはたのしみにまっていました。

その日の夜、ふくろうくんが、ふたりがまつ家にてがみをとどけてきました。「ねずみくん、ほら、てがみがきたよ。」「うさぎちゃん、ほんとうにありがとう。」ふたりは、これからもずっとなかよしのともだちでした。

3年生物語文 「ふしぎの森のミル」 112713

ミルは木のせいです。気のせいじゃないよ。
ミルはおはなしするのがすきです。なんぷんでもなんじかんでもずっとはなしてられるのです。
まいにちもりのみんなとはなしては楽しくくらしていました。
しかしミルはなんだか少しものたりないと思っていました。
そんなある日ミルは、「森のみんなと話すのもあきちゃったのかな」と思いました。

だからミルは木に言って、つぎに森にくるどうぶつをまよわせようとおもいました。どうしてもはなしあいてがほしかったのです。
はじめにきたのはたぬきでした。まんまとたぬきをまよわせたミルはさっそくはなしはじめました。
「やあやあ、はじめましてたぬきくん。ぼくはミルだよ。」
そういうとたぬきは
「いいところにいた。ぼくいままよってたんだ。きみ木のせいだろ。出口までつれていってよ」
ミルは少しさみしく思いましたが一緒に出口まで行きました。
たぬきが行ってしまったのでミルは一人になってしまいました。だから次に来る人を待ってみました。
つぎに来たのははりねずみでした。まんまとはりねずみをまよわせたミルはさっそくはなしはじめました。
「やあやあ、はじめましてはりねずみくん。ぼくはミルだよ。」
そういうとはりねずみは
「おやおや、きみは木のせいじゃないか。わたしはいままよっているんだ。出口までつれていってくれよ。」
ミルはまた少しさみしく思いましたが一緒に出口まで行きました。
はりねずみが行ってしまったのでミルは一人になってしまいました。ミルはもう少しだけだれか来ないか待ってみました。
3どめにきたのはペンギンでした。まんまとペンギンをまよわせたミルはさっそくはなしはじめました。
「やあやあ、はじめましてペンギンさん。ぼくはミルだよ。」
そういうとペンギンは
「あーちょうどよかった。いままよってしまって不安だったの。だれかがいて安心したわ。」
それを聞いたミルはすごくかなしく思いました。
そしてペンギンを出口までつれて行きました。
ミルはその日初めて静かになりました。

でもつぎの日、いままでと同じようにミルはおしゃべりをはじめました。そしていままでいじょうにねっしんにはなしをきくようになりました。そしてけっして人をまよわすようなことはしなくなりました。

3年生物語文 「ちゃりんこくんとおまわり」 113102

ある冬休み、ちゃりんこくんたちイタズラ大好きグループは宿命のライバルおまわりさんから逃げていました。

いつものようにイタズラをしたちゃりんこくんたち。今日は大雪でとても雪が積もっていたので、みんなで雪遊びをしようということになりました。そこでなにをして遊ぶかみんなで相談していると、「雪だるまつくろーぜ。めちゃくちゃでっかいの。」と番長くん。いいねいいねとみんな賛成します。
さらに暴君たかあきくんが「2チームにわかれて大きさ勝負しよーぜ。」と言い出しました。

そこで、二手にわかれたみんなは町の端と端からそれぞれ雪をころがして、町のちょうど真ん中の駐在所で集合になりました。番長くんチームもちゃりんこくんチームもとてもがんばります。そこで2チームとも駐在所に、つきました。

「大きさ、いっしょだな。。。」とちゃりんこくん。「いやおれらのほうがでかい!」と番長くん。たかあきくんも、負けじと張り合います。
そこでちゃりんこくんが「この二つの大きな雪玉で雪だるま作ったらすげーだろーなー。」とポツリと言うと「雪だるま作ろう!!!」とすっかり番長くんもたかあきくんも乗り気になりました。「せっかくだからおまわりさんにプレゼントしよーぜ。お年玉だな。」とちゃりんこくんが、言ったためにその大きな雪だるまは駐在所の前に。しかもパトカーのまんまえに。「これパトカーでられないんじゃないの?」と優等生グレートくん。「逃げろー」というちゃりんこくんの掛け声とともにみんないっせいに走りだしました。

物音に気づいたおまわりさんは外に出てみるとびっくり!!
大きな大きな雪だるまが駐在所のまん前にそびえたっていました。パトカーが小さく見えるくらい。
カンカンになったおまわりさんはちゃりんこくんたちを追いかけました。
あっさりつかまったちゃりんこくんたちは暗くなるまで雪だるまを除雪させられましたとさ。

3年生物語文 「かけっこ」 113103

もうすぐ運動会。3年4組のみんなもいっしょうけんめい運動会の練習をしていました。あきらくんはかけっこの練習をしていました。あきらくんは少し足がおそいのですこしでも早くなろうといっしょうけんめい練習していました。と、そこで、クラス1足の速いかけるくんがやってきました。「おい!あきら!おまえは練習したとこでむだだぜ。おれさまが1番なんだ。あきらはいつまでたっても足がおそいだっせーやつだぜー。」あきらはとてもくやしく、ふいにこんなことを言ってしまいました。「そんなことはない!練習したらかならず早くなるんだ!ぜったい運動会でかけるに勝ってやる。」「いいよ!勝負しようじゃないか!まっあきらにはぜったいかてないだろうな。」かけるはそういい、スタスタと立ち去りました。あきらはぜったいいっぱい練習してあきらに勝ってやるという気持ちでいっぱいでした。

あきらくんはひっしで練習をしました。先生につきっきりでたくさん教えてもらい、なんどもなんども走りました。つかれて足がパンパンになってもあきらめませんでした。雨が降っても風がふいてもなんどもなんども走ってたくさん練習をしました。それをかけるくんはかげでみていました。「ふっ!あんだけ練習してもむだむだ。ぜったいおれには勝てないね。」そうつぶやきスタスタと立ち去りました。

そして運動会当日になりました。空はふたりの晴れ舞台を照らすようにさんさんと晴れていました。プログラムがどんどん進み、ついに3年4組のかけっこの出番がやってきました。そしてあきらくんとかけるくんの走る順番がやってきました。あきらはきんちょうした顔でスタートラインにたちました。かけるくんはよゆうの表情をみせていました。あきらくんはぜったい勝ってやると、強気な心もちです。「いちについて、ヨーイ、ドン!」ピストルの合図が空気をきりさきました。あきらはけんめいに走りました。今まで先生に教わったことを思い出し、今までたくさん練習してきた自分を信じ、思いっきり走りました。かけるくんはいつも通りしっぷうをかけぬけるようにつっぱしりました。2人はものすごくいい勝負をしています。と、思ったときあきらくんはほどけていたくつひもをふんでしまい、転んでしまいました。「イタッ!」あきらくんは転んだしょうどうに足をひねってしました。しかしあきらくんは思いました。「今まであんだけ練習してきたんだ。ぜったいあきらめない。ぜったいかけるに追いついてやる。」そしてだれしもがあきらめると思ったあきらくんは立ち上がり、痛い足を引きずりながらゴールに向かって走り出したのです。それを見たかけるくんはあきらくんがこれまでにどんなときもたくさん練習していたことを思い出しました。「まだあきらめないのか。すごいな。」そうおもったかけるくんは走るのをやめ、あきらくんのもとにかけよりあきらくんに肩を貸したのです。「なんで?なんでこっちきたの?なんで助けてくれるの?」あきらくんはとてもびっくりしていました。「あんだけ練習してたおまえがすごいと思って、感動しちゃったよ。一緒にゴールしようぜ。」あれだけあきらくんをバカにしていたかけるくんがあきらくんをほめたのです。あきらくんはうれしくてうれしくて目から涙がでてきました。

そして2人は一緒にゴールのテープを切りました。親たち、観客たちはみんな立ち上がって2人に拍手を送りました。「かけるくんありがとう。」「あきら、ばかにしてごめんな。あきらはすごいやつだ。」そして2人の仲は運動会を通してグンと深まったのでした。

3年生物語文 「いたずら好きのギン」 113104

あるところにいたずらの大好きなギンという少年がいました。ギンは小さい弟のおかしを勝手に食べたり、お父さんの大事な時計を隠してみたり、おじいちゃんのめがねで遊んだり、壁に落書きをしたり。みんなが困った顔をしたり、泣いたり、怒ったり、様々な表情をするのを見て楽しんでいました。

ある日のことです。ギンは家でやっていることを学校でもやってみようと思いました。そして同じクラスのアルの消しゴムをこっそり筆箱から取り出して彼の机の奥にポイっと投げ入れました。アルは消しゴムを隠されたということに気が付いていません。なくしたのだと思い、友達に借りて授業を受けていました。ギンはちっとも面白くありませんでした。
次の日、ギンはもう少し大きないたずらをしてやろうと思い、アルの算数のドリルをこっそり隠しました。アルは家に忘れてきてしまったのだと思い、先生に正直に話して、先生のものを借りて授業を受けました。ギンは面白くありません。

そのまた次の日、ギンはもっともっといたずらをしてやろうと思い、今度はアルの体操服を隠しました。アルは体操服を忘れたことを先生に正直に話し、体育の授業を見学していました。その授業の間、いつもは楽しくて仕方がないサッカーが全く楽しくありません。見学者のほうにそっと目を向けるとアルと目が合いました。アルはじっとギンを見ています。ギンは今まで感じたことのないような、何か得体のしれない物に後ろからおそわれているような気がしました。

放課後、教室を出ようとした時、アルと目が合いました。アルに「少し話があるんだけど」と呼び止められました。ギンはいたずらがばれたのだと思いましたアルは「今日の体育の授業・・・」といいました。その時、ギンは「あっ、バレた?僕が隠したんだー。」と笑いながら言いました。その瞬間、アルはギンの顔を思いっきりなぐりました。ギンはびっくりして何も言えません。アルは「君は人が悲しんだり困ったりしている姿を見るのがそんなに楽しいかい?自分がされた時のことを考えたことがあるのかい?」とギンに言って、アルは教室を出ていきました。

ギンはその夜、アルに言われたことを考えました。今まで自分がやってきたこちを思い返してみました。思い出せば出すほど自分がされたら嫌なことばかりでした。ギンはアルに「人の嫌がることはしてはいけない」ということを教えてもらていたんだということに気が付きました。そして次の日、アルにちゃんと謝ろうと思い、自分の嫌なことを人に押し付けないということを心に誓いました。

3年生物語文 「恐怖の吊り橋」 113119

昔々あるところにやまの頂上のところに高い場所に設置され、
夜になるととても暗くなる吊り橋がありました。
その近くの山小屋におじいさんとそうたの2人がすんでいました。
そうたの小学校は橋の向こう側にあり、そうたは怖くていつもおじいさんに背負ってもらい目をつぶらないと橋をわたって学校にいけません。
そして、おじいさんに迎えに来てもらわないと帰れません。

ある時、そうたは学校に忘れ物をしてしまいました。
「じいさま、学校に忘れ物してしまった。ついてきてけろー」
「そうかそうか、それは大変じゃじいさまが連れてってやろう。」
「ありがとう。じいさま」
そして、忘れ物をとりおじいさんに背負ってもらい帰りました。

しかし、ある時学校が終わってしばらく待ってもじいさまは迎えにきてくれません。
そうたは泣きそうになりました。
夜になった時、おじいさんが息をきらしながら来ました。
「すまん。そうた。畑の猪を追い払っていたら遅くなってしもうた。」
「じいさまー。怖かったよー。」
「すまんな。しかし、そうた。じいさまが死んだらどうするんじゃ?」
「大丈夫!じいさまは死なん!」
その日も無事に帰りました。

しかし、その夜中。
じいさまが急にお腹を抱えてうずめきました。
「じいさま!じいさま!」
そうたが呼びかけてもじいさまは反応しません。
そうたはさっきのおじいさんの言葉を思い出し泣きそうになりましたが、
お医者さまを呼びに行くことを決心しました。
しかし、お医者さまの家は橋の向こう側にあるのです。
そうたは怖くて泣きそうになりましたが、必死に橋をわたってお医者さまの家に行きました。
そうたがお医者さまの家についた時涙で顔がぐしゃぐしゃになっていました。
そうたは、「じいさまが、じいさまが、」としか言いませんでしたが
お医者さまは事態を察知しそうたを背負ってそうたの家にむかい、
おじいさんの治療をしました。
おじいさんは無事に治りました。

次の日の朝、
「よく橋を1人で渡れたな。」
「だってじいさまがしんぢまう方が嫌だし。橋なんかへっちゃらだい!」
「なら、もう学校にも1人で行けるな!はっはっはっ。」
「やだ。学校にはじいさまと行くんだい!」
おじいさんは苦笑いだったとさ。

3年生物語文 「プレゼント」 113604

「どうしよう・・・」
マリは考えながら家までの帰り道を歩いています。明日はなかよしのゆうちゃんのたん生日会なのですが、まだプレゼントを決められずにいるのです。
「何がいいのかなあ。何をもらったらうれしいかなあ」

ぶつぶつと言いながら歩いていると、とかげに出会いました。
「誕生日に何をあげたらいいと思う?」
「わたしだったらかわいいものがいいわ。」
「いい考えね。ありがとう」

池の近くを歩いていると、カエルに出会いました。
「誕生日に何をあげたらいいと思う?」
「ぼくだったら使えるものがいいなあ。」
「いい考えね。ありがとう」

また歩いていると、ひなたぼっこをしているねこに出会いました。
「誕生日に何をあげたらいいと思う?」
「あなたがほしいものをあげたらその子もよろこんでくれると思うよ。」
「いい考えね。ありがとう」

マリは、文具屋に行きました。そこで、ほしいとおもっていたかわいい便せんを買いました。
ゆうちゃんは、マリのプレゼントにとてもよろこんでくれました。

3年生物語文 「アルバム」 113612

パラッ パラッ

 今日は久々に時間が空いていたのだが、特に何もするのとはなかった。ふと棚をみるとアルバムがあった。おもむろにそれを手に取り、今に至る。

 おや?
 めくる手を止める。小学三年生の時の集合写真だ。今から二十年近く前の写真になる。無邪気そうな顔で写る級友たちの中に、私は鬱々とした顔で写っていた。
 その右上に一人の男の子が写っていた。本来は欠席者が載せられる場所だが、その男の子、ともあき君は別の理由でそこに写っていた。
 目を細め、そうっとその写真を撫でる。

ジージージージー
 平成○年七月、アブラゼミがせわしなく鳴きはじめるころ、私は教室でトムソーヤの冒険に思いを馳せていた。級友は休み時間なので、校庭で元気いっぱい駆け回っていたが、私はいつも教室で本を読んでいた。昔は、(今もだが)私はインドア体質で、外で遊ぶなど、ましてこんな暑い時になど考えもしなかった。

 バラバラバラ

いきなり頭の上に何かが降ってきた。
コロン
一つが机に落ちてきた。セミの抜け殻だ。
「きゃっ!」思わず飛び上がった。
「ははっ だっせーの」
いたずらをしたのはともあき君だ。なぜかいつも私ばかりちょっかいを出す。
「何するのよ!私、虫だいっきらいなのに!」
「へーんだ。弱虫かよこ!こーんな抜け殻程度で“きゃー"だって。」
「もう!きらい!ともあき君なんて、だいっきらい!」

 ある日は上履きを片方隠し、ある日は教科書に「バカかよこ」と書き、またある日は歩いている時に足を引っかけたりした。
 そろそろ我慢の限界だ。その日の放課後、私はともあき君にはっきり「もうやめて!」ということを決心した。

 放課後、いざ言うとなるとしりすぼみになる。「私が言っても何にもならないんじゃないかな…」「余計嫌がらせが増えたらどうしよう…」と頭を駆け巡った。
 一度心を落ち着けようとトイレに行った。よしっ!心が落ち着いた。言いたいことはもう決まった。

 教室に行くと、なぜかともあき君だけが残っていて、窓から校庭を見ている。外では上階生が野球クラブをやっている。
 そういえば、ともあき君はよく外で遊ぶ子だった。でも、最近はもっぱら教室にいることが多くなった。体育も見学することが多かった。
そんな考えを吹き飛ばすように頭をブンブン振り、キュッと口を結んだ。

「ともあき君!なんでいつも私ばっかり嫌がらせをするの?いい加減、ウンザリしているの!」よし、言えた。
すると、ともあき君が校庭から視線を外し、私を見る。
「えっ、ああ、かよこか。嫌がらせ?そんなことやったっけ?」
「ふざけないでよ!私、とっても嫌だったんだから!」
「…あ。ああ、ごめん、ごめん。」
 なんだか泣きそうな顔だった。これ以上見ているのが、なんだかいたたまれなくて、ランドセルを引っつかんで駆け出した。

 次の日、なぜかともあき君が学校に来なかった。その次の日も、そのまた次の日も。初めはせいせいしていたけど、ともあき君のいない席を見ているとソワソワした。
 ともあき君が休んで四日目、いても立ってもいられなくなって、ともあき君の家に行くことにした。
 家に着くと、ともあき君のお母さんが大きな荷物を持って、まさに出かけようとしていた。
「こんにちは、おばさん。すみません、ともあき君はなんで学校を休んでいるんですか?」
「あら?ともあきのクラスメイトのかよこちゃん。こんにちは。ともあきね、生まれつき肺が弱かったんだけど、ここのとこ思わしくないの。」おばさんは酷いクマだった。それでも無理に笑おうとしていた。
「元気になりますよね?すぐに学校に来ますよね?」
おばさんはぎこちなく笑い返しただけだった。

 その後、ともあき君は学校に戻ることはなかった。

 ゆっくり目を開けた。ショボショボするまぶたをこする。窓の外を見ると、うっすら茜色になっている。どうやらしばらく寝ていたようだ。ゆっくり伸びをして再び写真に視線を落とす。

 おや?手元のルーペを取り、じっくり見る。写真の私の肩に何かがある。手だ。薄ぼんやりした白い手が肩をそうっと包むようにして。
 私はふふっと小さな声をあげ、優しくそれを撫でた。

3年生物語文 「お兄ちゃん」 113803

 あきらには、お兄ちゃんがいます。としは五つはなれていて、あきらが小学校に入った時、お兄ちゃんはもう六年生でした。お兄ちゃんはとてもしっかりしています。いつも遊んでくれるけど、あきらがいけないことをしたら、お母さんと同じくらいこわい顔で、あきらをしかります。この間、五時のチャイムが鳴っても、外で遊んでいた時も、お兄ちゃんにこっぴどくしかられました。
「お兄ちゃんにはかん係ないやい。放っておいてくれればいいのに。」
あきらは、心の中で、お兄ちゃんにあっかんべをしました。

 ある日、あきらは、またお兄ちゃんにしかられました。道の真ん中で遊んでいたからです。あきらは、泣きそうになって、
「お兄ちゃんのばかやろう!」
と言って、走っていきました。
 どのくらい走ったでしょうか。あきらは疲れてすわりこみました。そして、なみだがあふれてきました。あきらがしばらく泣いていると、「お兄ちゃーん!」と、遠くから聞こえてきました。

 「どこかで迷子の子でもいるのかな?」
と考えていたら、後ろからだれかかぎゅっとあきらにしがみつきました。あきらはびっくりして、後ろをふり返ってみると、それは小さな男の子でした。あきらはもう一度びっくりしました。その男の子の顔は、昔の写真のお兄ちゃんにそっくりでした。あきらは、
「ぼくはお兄ちゃんじゃないよ。ぼくには弟はいないよ。」
と、男の子に言いましたが、
「やっと見つけた、お兄ちゃん!遊ぼうよ!」
男の子は、聞いていません。あきらは、だれかに「お兄ちゃん」なんてよばれたことがありません。知らない男の子だけれど、自分に「お兄ちゃん、お兄ちゃん」となついてくるので、あきらはうれしくなってきました。
「いいよ。お兄ちゃんと何して遊ぶ?」

 あきらは、男の子とけんけんぱをしました。にんじゃごっこもしました。すもうも、お絵かきもしました。そして、かけっこをしていると、男の子は、そのまま道路にとび出しました。向こうから、車が走ってきます。
「あぶない!」
あきらは男の子を道路から道のはしまで手をひっぱりました。
「急にとび出すとあぶないだろ!」
あきらは大きな声を出していました。すると、遠くから、
「あきらー!」
という声が聞こえてきました。

 あきらがふり返ると、そこは、あきらの家の近くの道でした。もう一度ふり返った時には、男の子はいなくなっていました。
「あきら!」
その声は、お兄ちゃんでした。
「お兄ちゃん、遊ぼう。」
あきらは、ぎゅっとお兄ちゃんにしがみつきました。
「いいよ、何して遊ぶ?」
あきらとお兄ちゃんは、並んで家に向かいました。あきらは、心の中で、おにいちゃんにごめんなさいとありがとうを言いました。

3年生物語文 「大なわとびの思い出」 122016

 「いーち」「にーい」「さーん」
暖かい陽気が心地よい秋の日、広々とした運動場に子供たちの声が響きます。三年一組のみんなが、運動会の種目である大なわとびの練習をしています。その中に一人、浮かない顔をした女の子がいます。
その子の名前はひろこ。運動が苦手で、大なわとびが大嫌いです。
「いーち」「にーい」「さーん」
パシッ!
「あーあ。またひろこがひっかかった。」
「しっかり跳んでよ。」
こんな風に、いつもひろこはひっかかってしまい、みんなに迷惑をかけてしまうので、練習のときは暗い顔をしています。

 そんなある日、いつものようにみんなで練習していたところ、今までの最高記録の二十回にとどきそうになりました。
「じゅうろーく」「じゅうしーち」「じゅうはーち」「じゅうくー」
パシッ!
ひっかかってしまったのはひろこです。みんなは最高記録にとどくと期待していたことと、本番が近付いているというあせりから、いつもより強くひろこを責めてしまいました。
ショックを受けたひろこは、次の日も、その次の日も練習に行くことができませんでした。
「私は運動神経が悪いから、みんなのようにはとべないの。だから練習しても無駄なんだ。」
そう自分に言い聞かせ、本番も休むことに決めました。

 一方、学校では、ひろこが練習に来なくなったことをみんな心配していました。
「私、今日、ひろこの家にいってみるね。」
そう言ったのはひろこの親友のゆみです。
その日の夕方、ゆみが家に来てくれて、ひろこはうれしい気持ちもありましたが、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。本番に出ないと決めたことを伝えなければならないからです。
「ゆみ、ごめんね。私、運動が苦手だから、どれだけ練習してもみんなみたいにとべないの。だからもう練習にもいかないし、本番も出ないことにしたの。」
「ひろこ、そんなこと言わないで。きっと練習したらとべるようになるよ。みんなも待ってるから、絶対明日の練習にきてね。約束だよ。」
ひろこは迷いましたが、ゆみが来てくれたこともあり、次の日だけ練習に行くことにしました。

 二日ぶりに練習に行くと、みんなが温かく迎えてくれました。
「ひろこ、この前は強く責めてごめんね。またいっしょにがんばろう。」
その日の練習では、ひろこがとびやすいようにゆっくりとまわしてくれたりして、ついに二十回を達成することができました。ひろこは今まで、運動が苦手だからとあきらめていましたが、練習をすればとべるようになると気づき、運動会本番まで一生懸命練習しました。

 そして運動会当日、三年一組は二十五回もみんなでとぶことができ、見事に優勝することができました。
このことをきっかけに、クラスのみんなの団結力が深まり、さらにひろこは運動への苦手意識がなくなり、色々なことに挑戦するようになりました。

3年生物語文 「いきものがかり」 122024

 あやみちゃんは小学5年生。少しせっかちなところはあるけれども、動物が大好きなあやみちゃんは学校の係でいきものがかりになりました。いきものがかりは、クラスでメダカを飼ったり花を育てたりするのをまとめる役で、あやみちゃんのクラスではメダカを飼うことになりました。

 いきものがかりになったその日、あやみちゃんは学校の図書室によってメダカの飼い方がのっている本を借りてきました。
 次の日、あやみちゃんは本にのっているとおりにえさをあげたり、水を入れ替えたりと、一所懸命メダカを世話しました。

 いきものがかりになって数週間、いつものようにあやみちゃんがメダカの世話をしていると、一匹のメダカがいつもと少し違うことに気がつきました。
「あれ、このメダカ、白いひらひらしたのがおなかにくっついる」
 そう、そのメダカは卵を産んでいたのです。
 でもせっかちなあやみちゃん、水温やえさのことは本で読んだけど、卵のことまではちゃんと見ていませんでした。
 帰ったら本で調べよう。あやみちゃんはこころにきめました。

 次の日。あやみちゃんは朝一番で学校に登校しました。理由はもちろん、メダカの卵のためです。
 教室に入って急いでメダカを確認しました。
「卵が・・・・・・ない!」
 メダカについていた卵はなんとありませんでした。
 メダカは卵を産んだときに、卵を別の場所に移しておかないとメダカが食べてしまうことがあるのです。
 あやみちゃんは自分のせいで卵が食べられてしまったのだと、泣いてしまいました。

 それからあやみちゃんは、前にも増していきものがかりとしてがんばっていきました。
 あやみちゃんはいきものがかりという係が、ただの学校の係ではなく、命をあずかるものなのだと、理解したのです。

3年生物語文 「雲に乗る」 122036

 僕の得意科目は理科だ。学校の教科書なんかよりずっと先のことだって知ってる。たとえば世界には引力があってすべてのものに作用しているということや、目に見えない小さな生き物がたくさん暮らしているということなんかも、本を読んで知った。
だから僕は知っている。雲はふわふわしてわたがしみたいに見えるけど、あれは小さな水のつぶの集まりで、乗ることなんて出来ない。夢はないけど、事実なんだから、しょうがないことだ。

 だけど僕の友達の翔太はちがった。
「ぜったい乗れる!」
「だから乗れないってば!」
放課後の運動場で僕たちは言い合った。何度説明しても雲に乗れるといってきかない。だれでも一度は乗ってみたいと思うだろうが、ここまで説明してもがんこに言いはるなんて、なんだか腹が立つ。
「じゃあさ、飛行機ってあるだろ。飛行機は雲につきささったりしないだろ。ってことは、雲をつきぬけられるってことになるだろ。つまり雲っていうのは乗れたりしないの!」
「うーん・・・」
ひっしになって説明するのもつかれてきた。それは翔太も同じのようだ。これ以上話しても話はすすまないだろう。それに僕はもう帰りたくなっていた。
「今日はもう帰って、つづきは明日な・・・」
「うん・・・」
そういって僕たちはそれぞれ家に帰った。

 その日の夜、僕は夢を見た。
 雲に乗る夢だった。
「翔太にいっぱい説明したもんだから、夢にまで出るようになったんだな」
と僕は思った。そのとき、
「おおい、こっちだよお」
と僕を呼ぶ声がした。
「翔太!」
翔太まで夢に出るなんて、僕はよっぽど疲れていたらしい。
「ね、ほらね、雲に乗れるだろう?僕が言ったとおりだ!」
翔太はごきげんだ。でもたしかに乗れている。
「うん、乗れてるね・・・」

 どれくらいの間うとうとしていたのだろう、気が付くと僕は雲の上ではなく自分のベッドの上にいた。目が覚めたのだ。
「はあ、やっぱり夢だった」
当たり前だ。雲に乗れるはずがない。夢なんだから、雲もごきげんな翔太も現実じゃないんだ。それどころか翔太には今日は昨日のつづきをたっぷり聞かせてやらなくちゃいけない。
僕は布団からぬけだすと、朝ごはんを食べに台所へと向かった。

 学校に行くと翔太がぼくを待ちかまえていた。
「翔太おはよう、昨日の話の続きなんだけど雲には・・・」
「ねえ、乗れただろう?」
ぼくはおどろいた。
「え?・・・夢なら見たけど、翔太も同じ夢を見てたの?」
翔太はニコニコするだけで答えなかった。僕は仕方なく、
「・・・続きなんだけど、雲には乗れる」
と言った。
翔太は満足そうだった。

3年生物語文 「人気者の太郎」 122040

 太郎は学校一の人気者、休み時間にはたくさんの友達が太郎の周りに集まります。太郎がやろうと決めたことにはみんなが賛成してくれます。休みの日には、太郎の提案でサッカーをしたり、山で肝試しをしたりしました。太郎はみんなに好かれていることが自分の自慢でした。

 ある日、太郎は風邪をひいて学校を休みました。学校に行けないのでひどく落ち込んでいた太郎でしたが、体調が悪く、布団で寝ていました。

 どのくらい時間がたったのでしょうか、気づくと太郎は学校の教室にいました。算数の時間のようです。休み時間になったら、いつものように校庭で遊ぼうと考えていました。そして休み時間になりました。しかし、いつもとクラスメイトの様子が違います。太郎が「外で遊ぼうぜ。」と言っても、誰も集まってきません。次の休み時間も、その次の休み時間も誰も集まりません。学校から帰るときも、いつも一緒に帰る友達が、今日は先に帰ってしまいました。太郎は「ちえっ」と思わず舌打ちをしました。「どうしたんだよ。あいつら…」と太郎は不思議に思いました。

 太郎が目を覚ますともう夕方でした。風邪をひいていたため、朝からずっと夢を見て眠っていたのです。外からは友達の声が聞こえてきます。「今日は何する?」「いつもサッカーとか野球ばっかりだからさ…太郎もいないんだし、何か違うことしようぜ。」。この声を聞いたとき、太郎は「ドキッ」としました。そして夢の内容を思い出しました。「もしかしたら、俺は友達の意見を聞かずに、自分がやりたいことを無理やりやらせていたのかもしれない。あいつらは俺に反対できずに、仕方なく、遊んでくれていたのかもしれないな。」と太郎は心の中で考えたのです。

 次の日、元気になった太郎はいつものように学校へ行きました。休み時間にはいつもように友達が集まってきます。「太郎君、今日は何して遊ぶ?」と一人が尋ねました。すると、太郎は「みんなは何がしたい?サッカー?鬼ごっこ?ドッジボール?」とみんなに意見を聞きました。みんなは最初びっくりしてきょとんとしていましたが、話し合って鬼ごっこをしました。太郎にはみんながいつもより楽しそうに見えました。「本当の人気者はみんな意見を聞こうとする人のことをいうのかもな…」と太郎は考えました。

3年生物語文 「きつねとたぬき」 122301

ある村に、きつねの家族とたぬきの家族が住んでいました。この二つの家族はとても仲がよく、子供たちは毎日遊ぶほど仲が良かったです。

あるとき、たぬきの子供の一人が、最近はやりだしま伝染病にかかりました。この病気は、村の森の奥深くにある薬草を使わないと治らない病気だと言われており、この伝染病にかかると一ヶ月以内には死んでしまうというものでした。たぬきの家族は絶望し、悲しみにくれました。

それを聞いたきつねの家族は、たぬきの子供を助けようと森の奥深くにあるという薬草をとりにいきました。森は迷路のように入り組んでいて、薬草のある場所にたどりつくのは大変でした。

しかし、きつねの家族は見事に薬草を見つけだし、たぬきの子供に渡すことができました。

こうして、たぬきの子供の病気は治り、また幸せに暮らすことができました。

3年生物語文 「くまの太郎」 122303

ある山にひとりぼっちのくまの太郎がいました。太郎はお腹がとてもすいていました。
「お腹すいたなあ。何か食べ物はないかなあ」
太郎がふらふらと山を歩いていると、村が見えました。
「そうだ、あの村の畑にある野菜を食べよう」
太郎は言葉通りに畑の野菜をたらふく食べて、少し休もうと木影に横になりました。

太郎は1時間ほど眠っていたのでしょう。そのとき人の足音がきこえて、驚いて起きました。
「だれだ。おそって驚かしてやろうか」
太郎は警戒しながら、こっそりと木陰からのぞきました。
「これだけしかみつからないなあ」
そこには、小さな女の子が歩きながら何かを探していました。
「早く帰らなきゃ」
女の子は両手に何かを抱えながら行ってしまいました。
太郎は気になって、女の子の後を追いかけました。

「お母さん、これだけしかみつからなかったの。ごめんね」
女の子は床に寝ているお母さんの枕元に野菜を置きました。
「ありがとう。いつもごめんね」
お母さんは辛そうに女の子に言いました。
「もっと食べ物があれば、お母さんは元気になるのになあ…」
お母さんが眠った後、女の子は悲しそうに言いました。
これを見ていた太郎は、
「なんて優しい子なんだ。ぼくが助けてあげよう」
と言い、外へ出ていきました。

太郎は山の中をどんどん進み、川につきました。そして、冷たい川の中に入りました。
「うぅー寒い。でも、あの子のためだ」
太郎は自慢の鋭い爪で、たくさん魚をつかまえました。
そしてすぐに女の子の家に向かいました。

太郎が女の子の家に着くころ、女の子とお母さんは眠っていました。太郎はこっそりと部屋に入り、枕元にとった魚を置きました。
「はやく元気になるといいね」
太郎は小さな声でそう言いました。
「ん、んん…」
その時、女の子が目を覚ましてしまいました。
「きゃー。くまよ、たすけてー」
すると女の子の声をきいた村人がやってきて太郎を追い払いました。
「こらー、でていけー」
太郎は悲しそうに山の中へ消えていきました。
女の子とお母さんの、
「やったー。たくさんの魚よ。神様ありがとう」
という声を背中でききながら…。

3年生物語文 「ジャングルジム」 122306

 「おーい!どうした、たける。早く上までおいかけてこいよ!」クラスメイトの男の子たちがジャングルジムのてっぺんから、いつものようにたけるをからかいます。
 たけるは小学三年生の男の子。いつもなかま外れにされるたけるが、ゆいいつクラスの男の子たちにさそわれる遊びはおにごっこです。しかし、気の弱いたけるは、いつもおにをさせられます。そしてたけるが高いところが苦手なのを知ってて、クラスの男の子たちはジャングルジムにのぼるのです。
 「どうせ、ぼくは弱くて泣き虫野ろうだ。くやしいけど仕方ない。」いつもたけるはジャングルジムの男の子たちを見上げながら、くちびるをかみしめていました。

 ある日、たけるがいつもの公園の前を歩いていると、どこからともなく誰かの泣き声が聞こえてきました。ふと公園のほうに目をやると、ジャングルジムのてっぺんで小さな女の子が泣いていました。
 「どうしたの?」タケルはあわててジャングルジムにかけより、女の子にたずねました。
 「風船がね、ジャングルジムに引っかかっちゃったからね、のぼったらね、こわくて下りれなくなっちゃったの。」女の子は泣きながら答えました。
 どうしよう・・・助けてあげたいけどこわいな。だれか、よびにいこうかな。そのようにあれこれと考えていたとき、いきなり強い風がふきました。
 「お兄ちゃん助けてーーー!とばされちゃうよーーー!」
 そのしゅんかん、たけるは一目散にジャングルジムをのぼっていました。こわさを忘れ、ただてっぺんを目指して夢中でのぼりました。
 「もうだいしょうぶだよ。お兄ちゃんがおんぶしてあげるからね。」こうしてたけるは女の子をおんぶしてジャングルジムをおりました。

 「ありがとう、お兄ちゃん!おれいにこの石をあげるよ。」女の子はポケットから光りかがやくふしぎな石を取り出して、たけるにわたしました。
 「さっきひろったの。きれいでしょ?たいせつにしてね!」そういって、女の子は走って去っていきました。
 たけるはその石をにぎりしめながら、自分がジャングルジムにのぼれたという信じられないできごとに、しばらく公園に立ちすくんでいました。

 数日後、いつものようにクラスメイトの男の子たちが、おに役のたけるをジャングルジムの上からからかいました。たけるはやはりこわくて、ジャングルジムの下から見上げていました。そしてふと、この前女の子にもらった石をポケットから取り出しました。すると、ふしぎと勇気がわいてきたのです。
 気がつくと、たけるはジャングルをのぼっていました。男の子たちは目を丸くして立ちすくんでいます。
 「はい、タッチ。」たけるはえがおで、ジャングルジムのてっぺんにいた男の子たちの肩にふれました。男の子たちはおどろきのあまり、まだ動けずにいました。
 「な、なんで、のぼれるんだよ。」
 「ぼくはもう弱虫なんかじゃないよ!」たけるは自信まんまんに答えました。

 それからというもの、たけるがなかま外れにされることはなくなりました。
 「おい、たける!後で遊ぼうぜ!ジャングルジムの上に集合な!」
 「はいよ!」たけるのえがおが、まるであの石のようにきらきらとかがやいていました。

3年生物語文 「すべりだいすべりたい」 122307

「ばーか、ばーか。おまえすべりだいもすべれないのかよ。かっこわりぃ〜。」村の子どもたちがトンペイをからかいました。トンペイはまゆげをハの字にして、すべりだいの下を見ました。すべり台はとても急で、下の砂場がトンペイには遠く感じられました。だから、弱虫なトンペイはあと一歩、すべる勇気がでませんでした。「はやくすべれよ、弱虫。おいてくぞ。」

トンペイは一年前、横浜からこの小さな村にお母さんと引っこしてきました。お父さんは横浜にのこってはたらいています。お母さんは、気が弱くなかなか周りに入っていけないトンペイのために、近所の子どもたちを三人よんできました。 ピーコとシンタとクルコです。「ごめんね、うちのトンペイとあそんでくれる?ケーキをどうぞ。」とお母さんはピーコたちにたのんでくれました。そうやってトンペイは、三人と一緒にあそぶことになりました。でも、トンペイは横浜で家でゲームばかりしていたので、公園の遊具で遊ぶ三人についていけませんでした。三人は次々と遊具であそびました。シーソー、ブランコ、ジャングルジム、それからすべり台。トンペイはすべり台が苦手でした。だから今、トンペイだけがすべれないでいるのです。「お前、おそすぎ。もうおいていくからな。」シンタはそういって、三人はスケート場のほうへ行ってしまいました。「まってよう。」そうは言いつつも、トンペイはやっぱりすべれません。「そうだ!家に帰って、ママにおしえてもらおう。」そういってトンペイは家に帰りました。家につくと、トンペイはチャイムをならしました。「ママー!かえってきたよ!」しかし返事がありません。お母さんはかいものにでかけたのでしょうか。」トンペイは悲しくなり、泣きそうになりました。「ママ、どこいっちゃったの…せっかく、すべり台おしえてもらおうと思ったのに。」

トンペイが下を向いて歩いていると、ごつん。「いたい!」だれかにぶつかってトンペイはしりもちをつきました。「ごめんなさい!」トンペイが目をあけると、そこには着物を着た女の子が立っていました。「きみ、すべり台すべれる?」トンペイはききました。女の子はうなずいて、トンペイの手を引いて走り出しました。「ちょっとまってよ、どこへいくの?」女の子はこたえず走りつづけ、公園へつきました。そして、女の子はすべり台の方へ走って行きました。「まってってば。」トンペイは女の子を追いかけました。そして、すべり台の頂上へつくと、女の子はいませんでした。「あれ?どこへいったの。」するとその時、だれかがトンペイのせなかをおしました。「わあ!」そのままトンペイはすべり台をすべっていき、砂場へまっしぐら。トンペイはすべり台をすべることができたのです。「すべれたよ!ありがとう。」と後ろをふり返って頂上を見ましたが、女の子はどこにもいませんでした。「おかしいな、夢なのかな。」遠くの方でガマガエルのなき声が聞こえ、すずしい北風がトンペイのまわりをふきぬけていきました。

「おう、トンペイ、すべり台すべれたのか。」シンタとピーコとクルコがでてきました。「今、女の子を見なかった?」「ううん、見なかったよ。」トンペイはふしぎに思いました。「それよりトンペイ、すべり台すべれたなら次はスケートだよ!」ピーコがそういって、四人はスケート場のほうへ歩き出しました。

トンペイはすべり台をすべれるようになり、三人となかよくなることができました。でも、トンペイはあの女の子とお友だちになりたいと思いました。「また、どこかで会えるかな。」と、トンペイはスケートをすべりながら思いました。

3年生物語文 「友情のあかし」 122308

かすみは学校から帰って自分のへやにいた。学校から帰ると、前まではすぐに家を出て外であそんでいたが、さいきんは雨がふっているわけでもないのに自分のへやにいる。しゅくだいもやらないといけないが、かすみは野球ボールを手に取り、ただただながめているだけだった。
「どうしてこうなっちゃったのかなあ。」かすみはためいきをついた。

その野球ボールはもともとかすみのものではなく、友だちのたくやのものだった。かすみとたくやは、ようちえんのころから仲よしで、外で遊ぶときはキャッチボールをすることが決まりだった。かすみは小さいころはなかなかうまくなげれなかったが、たくやに教えてもらっているうちにずいぶん上手になった。二人はむちゅうで、まいにちキャッチボールをしていてもあきることなんかなかった。
しかし、ある日かすみがたくやの家にいつも通りさそいに行ったとき、たくやはしばらくたっても出てこなかった。それでもかすみはたくやを待ちつづけた。やっと出てきたとき、かすみはえがおになったが、たくやは野球ボールをかすみに押しつけた。
「もう、かすみとはしない。」そう言って、ドアをバタンと閉めた。
かすみは何が起こったかよくわからなかった。なぜたくやが急にかすみとあそびたくなくなったかもわからなかった。かすみはずっと使って古くなった野球ボールをにぎりしめたまま、ぼうぜんと立っていた。

その日からかすみとたくやはキャッチボールをしなくなった。家に帰ってすぐたくやの家へさそいに行くこともなくなってしまった。クラスの女の子からあそぼうとさそわれても、かすみはなぜか気分がのらず、家に帰って自分のへやでたくやのボールをながめる日々がつづいた。
「少しさんぽをしよう。」そう思ってかすみは片手にボールを持ったまま、いつもあそんでいたこうえんの近くの河原まで歩いた。
かすみはそこにあったベンチにこしかけ、ボールを上になげてキャッチするあそびを一人でくりかえしていた。少しコントロールをあやまってしまい、ボールを手でうまくキャッチできなかった。
「あっ。」かすみはあわてて立ち上がり、ボールを追いかけたが、坂道だったためボールは追いつかないスピードでころがっていく。坂道をできるだけ早くかけおりたが、ボールは、ぽちゃんと川におちてしまった。かすみは何のことばも出なかった。たくやがわたしてくれたこのボールだけが、かすみとたくやをつなげてくれる物だと思っていたのに、それを自分の手でなくしてしまった。
かすみはおよげないから、川に入ってさがすことがこわくてどうしてもできなかった。そのまま家へ帰るしかなかった。とぼとぼと帰ってまた自分のへやへもどった。へやへもどったとたん、急にさみしさやかなしさ全てがおしよせてきて、ぽろぽろとなみだがこぼれた。たくやがキャッチボールをしてくれなくなった理由を聞きたい。ようちえんのころから二人でずっと使っていたたくやのボールがもどってきてほしい。二人であそぶことが当たり前だったのに、今はそれができなくなってしまった。

げんかんのベルがピンポンとなった。かすみは泣いていたから、目が赤くなっていたし、今人に会うのははずかしいと思って出なかった。しかし、ピンポンピンポンと何度もなるので、外のようすを見ると、げんかんの前にいたのはたくやだった。かすみはすぐにドアを開けた。
たくやは「これ。」と言って川におちたはずの野球ボールをさしだした。かすみはびっくりした。たくやはたまたまこうえんにいて、かすみが川におとしたのを遠くから見ていたらしい。
「ごめん、急にキャッチボールしないなんて言って。」はずかしがりやのたくやだったが本当のことを話してくれた。来年から入ることになった野球チームの六年生に練習をしてもらえることになって、かすみとの時間がなくなったから、やめることにしたそうだ。かすみはほっとした。かすみとあそぶことがおもしろくなくなったから、やめたのかと思っていたからだ。
「今日、六年生は委員会がある日なんだ。」
「え?」かすみはききかえした。
「いっしょにこうえんへ行こう。」

かすみとたくやはまた二人でキャッチボールをするようになった。また、たくやとあそぶ毎日がもどってきて、かすみはうれしくなり元気がもどった。今度はたくやが投げたボールをしっかりと受け止めるようにした。

3年生物語文 「天邪鬼」 122309

「うるさい!!」
大きな声と一緒にパシッという音が聞こえました。教科書が落ちたのようだ。投げたのは、朝くん。
「別に一緒に遊びたくないんだからな!!」
朝くんはいつもいつも天邪鬼をしてしまいます。本当は、みんなと一緒に遊びたいのになぜか思っていることとは逆のことを言ってしまうのです。

俺もみんなと一緒に遊びたいな…。
そう思っても、口には出せず、いつも遠くから見ているだけです。するといつも朝くんを誘ってくれる亮くんが今日も朝くんの席にやってきました。
「おい、朝。遊ぼうぜ。今日はドッジボールをするんだ。」
ドッジボールか。いいな…
(俺も行くよ!!)
そう心の中で言ったつもりなのです。
「だれがお前なんかと遊ぶか!!」
ほら、また。朝くんは思っていることと逆のことを言ってしまいました。
悲しくなった朝くんは亮くんをほったらかして、走って教室を出て行ってしまいました。

「どうしてこんなこと言っちゃうのかなあ…」
ぽつりとつぶやくと、余計に悲しくなってきてまた今度は涙が出てきました。
「朝くん?」
「わっ」
「泣いているのですか?なにか悲しいことでもあったのですか?」
そこにいたのは担任の本田先生です。
(みんなと一緒に遊びたいんだ)
「ん、なんにもねぇよ!!ほっとけ!」
涙を袖で拭ってまた、反対に答えました。
本田先生は少しびっくりした顔をしましたが、すぐに優しく笑うと朝くんの隣にすわりました。

「朝くんはみんなのことが嫌いですか?」
「そ、そんなことない。」
小さい声でしたが、思ったことが言えました。
「でも…、いつも一緒に遊んで、って言えないから。みんな俺のことが嫌いなんだ。」
「そうですか…。それは悲しいですね。」
朝くんは、やっぱり…と思うとじわっと涙がにじんできました。
「では、どうして亮くんは毎日、朝くんを誘いに来るのでしょうか。嫌いな人ならほっときますよね。」
先生の言葉にばっと顔をあげると、本田先生はにこっと笑って
「実はわたし魔法使いなんです。」
と言って、人差し指と立てました。
「きっと素直になれますよ。」
本田先生は朝くんの鼻を人差し指でつんつんと触ると、教室に戻っていきました。

「朝ー?どこだー」
どこからか亮くんの声が聞こえます。
(次こそは…)
朝くんはぎゅっと手をにぎりしめました。
顔がぽっぽしているのが、自分でもわかります。
すぅっと大きく息を吸って大きな声で叫びました。
「お、俺もドッジボールやるよ!」

3年生物語文 「お弁当戦争」 122311

 今日は待ちに待った遠足の日。よう子ちゃんは、少し早起きして、ママがお弁当を作る横で、ワクワクしていました。玉子焼き、とりのから揚げ、たこさんウインナー、アルミカップに入った豆。おにぎりの上には星型に切ったのりがのっています。
「どうして、お豆さんだけカップに入っているの?」
 よう子ちゃんはママにたずねました。
「お豆さんがたこさんやたまごさんとけんかしちゃうからよ。」
 ママはすいとうにお茶を入れながら答えました。
「けんかするの?なんで?どうやって?」
 ママは、ハミングしながら、フライパンやらまな板やらあらい始めました。その音で、よう子ちゃんの声は聞こえなかったようです。よう子ちゃんは想像しました。お豆さんがコロコロ転がって、たこさんに体当たりするのかな。お豆さんと玉子さんなんて、どっちもやさしそうなのにけんかなんかするのかな。
「ほらほら、早くよういして。きみちゃんが来ちゃうわよ。」
 ママにせかされて、よう子ちゃんは、朝ごはんのパンを口につめこみました。

 遠足、遠足うれしいな。
 よう子ちゃんときみちゃんはスキップで、学校に向かいます。よう子ちゃんがとびはねるたびにせ中のリュックが大きくゆれます。うんどう場に集合して、じゅん番にバスに乗ります。バスに乗って、リュックをあみだなに上げます。
「先生〜、届かないからやってくださ〜い。」
 あちこちから声が上がります。よう子ちゃんはクラスで一番せが高いから、きみちゃんのリュックと、せきがとなりになったみかちゃんのぶんもあみだなに上げてあげました。さい後に自分のリュックを持ち上げた時、バランスがくずれて、リュックが手からすべり落ちてしまいました。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」
 よう子ちゃんは、みんなに言って、ひろいあげてました。

 バスは高そく道路を下りて山道にさしかかりました。バスは左右にゆれて、ときどき上下にバウンドします。あみだなもゆっさゆっさとゆれています。やがて、林道をぬけて、まどから高そく道路や、今来たくねくね道が見下ろせるようになってきました。高原牧場と書いてあるゲートをくぐって、バスは止まりました。
「着きましたよ。」
 先生が言いました。
「俺いちばん。」
「あたしが先に降りるの。」
 みんな先をあらそっておりていきます。よう子ちゃんはあわてて、リュックをあみだなから引っぱり下ろしました。

 牧場にはたくさんの牛や羊がいました。よう子ちゃんは、動物が大好きで、家ではねこと犬をかっています。
「早く、早く。」
 よう子ちゃんはきみちゃんといっしょににかけ出しました。
「あつ!」
 草の根っこのもり上がったところによう子ちゃんはつまづいて転んでしまいました。
「あいたたた。」
 でもよう子ちゃんはへっちゃらです。子牛の頭をなでたり、羊をおいかけ回したり、大いそがし。
「よう子ちゃん、リュック置いたら?」
 きみちゃんが遠くでさけんでいます。

 あっという間にお弁当の時間になりました。よう子ちゃんはきみちゃんとシートをくっつけてすわりました。もうおなかはぺこぺこ。さっそくお弁当箱のふたを開けました。
「きゃー!」
 よー子ちゃんはひめいをあげました。
「どうしたの。」
 きみちゃんがびっくりして、よう子ちゃんのお弁当箱をのぞきこみました。
「たいへんっ。戦争だ。たこさんウインナーの上にお豆さんがおしかかっているでしょ、玉子焼きさんなんて、かわいそうにお豆さんのお汁でやられてる。火花がちったしょうこにほら!」
 そう言うと、きみちゃんはお弁当のフタをひっくりかえしました。フタのうらには、星型ののりがくっついています。星型は火花に見えなくもありません。よう子ちゃんはその時、お母さんが言っていた「けんか」の意味がわかりました。せっかくけんかしないようにアルミカップに入れていても、今日は、戦争が起こってしまいました。よう子ちゃんは、次からはリュックは、そっとはこぼうと心に決めました。

3年生物語文 「雨上がりのぼく」 122402

今日は雨ふりの金曜日。いつもならきらいな雨だけど、今日は新しいかさをもっているからぼくはごきげん。

学校でもいっぱい発表できたし、席がえではなかよしのゆうたくんと近くになったし、今日は本当にいい日だった。お母さんに話すことがたくさんできた。今日は何時に帰ってくるのかな。

あれ?かぎがない。たしかランドセルのおくのほうに入れておいたはずなんだけど・・・。ない、ない、ない。ぼくはすごくさみしくなって玄関の前で泣いてしまった。まだまだ雨がふっていて、なみだか雨か分からない。

「どうしたの!体がすっかりひえてるじゃない。かぜひいちゃうわよ。」お母さんだ!ぼくはお母さんにだきついた。お母さんのやさしい言葉。お母さんのいいにおい。お母さんにつつまれたぼくは、すっかり泣きやんだ。ふと顔をあげると、雨もやんで、太陽が顔をのぞかせていた。

3年生物語文 「北風」 122409

花ちゃんは小学校5年生の女の子です。花ちゃんのクラスではなわとびの2重とびをどれだけ長い間とび続けられるのかきそう遊びがはやっていました。みんな10回、20回、30回もとぶことができました。でも花ちゃんは2重とびができません。どれだけ高くとんでも、どれだけ早く縄をまわしてもできませんでした。2重跳びができないので、花ちゃんはクラスのみんなと遊びを楽しむことができませんでした。

ある日、花ちゃんは学校がおわってから家の庭で2重とびの練習をしていました。「1,2,3、えい。」頑張ってなるべく高くとぼうとしましたし、はやくなわを回しました。でもやっぱりできません。花ちゃんはだんだん悲しくなってとうとう泣き出してしまいました。すこしの間泣いていて、花ちゃんがふと顔をあげると庭に知らない男のお子がたっていました。「あなただあれ?」と花ちゃんは聞きました。「2重とびができないの?」と男の子が言いました。「うん。何度やってもできないの。」と花ちゃんは言いました。「そんなの簡単だよ。北風がふいたのにあわせてとんでごらん。きっとできるよ。」と男の子は言いました。

 花ちゃんは北風がふくのを待ちました。すると、つめたい北風がさーっと吹いてきました。「いまだ。跳んでごらん!」と男の子は言いました。花ちゃんは縄をもちました。
「1,2,3、えい。」花ちゃんは一生懸命とびました。すると一度もできなかった2重とびができたではありませんか。北風にのったおかげでいつもより高く飛ぶことができました。縄もはやくまわすことができました。「やった。私できたよ」と花ちゃんはいいながら男の子の方を向きました。でもそこにはだれもいませんでした。さっきより強い北風がどっと吹きました。

2重とびができるようになった花ちゃんは友達と毎日2重とびをして楽しく遊ぶことができるようになりました。

3年生物語文 「転校生」 122705

「どこから来たん?」
「どんな食べ物が好きなん?」
「好きな歌手とかいるん?」
「趣味はある?」
「家でいつも何してるん?」
ユウ君は、大阪の小学校に転校してきたばかりです。おとなしくて、会話下手なユウ君は、クラスメイトから次々と質問され、どうしたらいいのか困ってしまいました。
「えっと…」
ユウ君が困っていると、
「そんなにいっぺんにたくさんのことをきいたら、あかんで。困ってるやん。なあ?」
と、同じクラスのアキラ君が助け舟を出してくれました。でも、ユウ君は、これさえもどう答えたらいいか、困ってしまいました。一呼吸を置いて、やっと、ユウ君が
「いや、そんなこと…」
と、言いかけた瞬間、キーンコーンカーンコーンと授業をはじめるチャイムが鳴ってしまいました。ユウ君は、せっかくみんなが話しかけてくれたのに、ちゃんと答えられなくて、落ちこんでしまいました。

家に帰ってからも、ユウ君は家の縁側に座って、今日の出来事を思い出して、また落ちこんでしまいました。
「はぁー。なんで僕はこうなんだろう…」
何度目かのため息をついた時、ものすごい風が吹いて、一瞬、ユウ君は目をつぶってしまいました。次に目を開けてみると、向こうの物陰で、4、5歳の小さな男の子がじっとこちらを見て立っています。ユウ君は、びっくりしてしまいましたが、おそるおそる話しかけてみることにしました。
「そんなところで何をしているの?一人なの?大丈夫?」
すると、その男の子は、
「僕は…」
と急に話しだしました。
「きみが名前の漢字のとおり、とても優しいのを知っているよ。怖がらずに、勇気を出して、話しかけてごらんよ。大丈夫。絶対にうまくいくよ。だって、きみは誰よりも優しいから。」
「えっ…」
ユウ君が何か言うより速く、再び、ものすごい風が吹いて、ユウ君は目をつぶってしまいました。次に目を開けて、男の子の方を見ようと目を向けると、ドンッという衝撃とともに、愛犬のミルがワサワサとしっぽをこれでもかというくらい振りながら、とびついてきました。あわてて辺りを見渡すも、先ほどの男の子はもうどこにもいませんでした。愛犬のミルをなでながら、ユウ君はふと思いました。
「(もしかして、さっきの男の子はミルだったのかなぁ…でも、そんなわけないか。)」

次の日、ユウ君は自分から勇気を出して、アキラ君に話しかけてみました。
「あの…」
アキラ君はユウ君の声に振り向きました。そして、じっとユウ君を見つめ、ユウ君の次の言葉を待ちました。ユウ君は、その視線に負けそうになりながらも、
「昨日は、いろいろ話しかけてくれたのに…えっと、僕はあまりしゃべるのが得意じゃなくて…」
ここで一呼吸を置いて、
「でも、みんなと…、アキラ君と仲良くしたい…です。」
だんだんと声は小さくなってしまったけれども、なんとかユウ君は自分の気持ちを伝えることができました。
「おう。昨日から、おまえはクラスメイトで、友だちや。」
ユウ君は、そんなアキラ君の言葉を嬉しく思いながら、昨日の男の子にそっと心の中で
(ありがとう。)
と、つぶやきました。

3年生物語文 「木の実」 122901

年末のことです。
ある家族は大掃除をし始めました。「ようし家をきれいにするぞう。」と言い、リビング、台所、部屋などをきれいに掃除しました。家族たちはついでに屋根裏も掃除をすることにしました。その時、屋根裏には、ねずみが住んでいました。ねずみは人が来るのに気がついたので、その家から逃げました。

その日は雪が降るほどの寒い日なので、ねずみはぶるぶる震えていました。「このままだと死んぢゃうよう。どこかいい家を探さないと。」ねずみは一生懸命、家を探しました。するとある家から一人の少女が出てきました。なんだか疲れきっているようで、弱弱しい歩き方で家の横にある川に水をくみにいきました。ねずみは「これはチャンスだ。」と思い、家にこっそり入ってすぐに屋根裏に行きました。その後少女が帰ってきました。ねずみは少女が気になったので屋根裏に開いていた穴からこっそりと少女を見ていました。少女はくんできた水でタオルを冷やし、床で寝ている母のひたいにのせました。母は「ごめんね。あなたにこんな思いをさせてしまって。おなかすいたでしょ。」と言うと少女は「そんなことないよ。さっき食べたばかりだよ。だから大丈夫。」と言いました。母は安心したようで「ならよかったわ。」と言い眠りました。母が眠ったのを確認した少女は小さな声で「お腹がすいたわ。」と言いました。これを見ていたねずみは「なんて優しい人なんだ。よし、僕が助けてあげるよ。」と小さな声で言い、外へ出て行きました。

ねずみは山に向かいました。山は雪で真っ白になっていました。「寒いなー。でもあの子のためだ。」そう言いながら山に入り、一本の木の下に来ました。「たしか、りすくんはここのはず。」そういうとねずみは雪をかきわけ土を掘り、りすくんを起こしました。ねずみは「りすくん、冬眠中ごめんね。あの魔法の木の実を一つ分けてくれないかな。僕、最近ずっと調子が悪いんだ。」と言うとりすくんは快く木の実をひとつわけてくれました。ねずみは「ありがとう。」とりすくんに言うと、急いで少女のいる家へ走りました。

やっとの思いで家に着いたねずみがそっと家に入ると、少女は少女の母に寄りそって寝ていました。ねずみは「よし。起きたときに驚くようにあの子の隣に置いておこう。」と思い、そっと少女に近づき、木の実を置こうとしました。するとその時少女が目を覚ましました。少女はねずみを見て「きゃー、ねずみだわ。どっかいきなさい!!」と言いねずみを家から追い払いました。家から追い出されたねずみは「あの子のためにがんばったのに。」と言い、悲しみながら雪の降る世界に消えていきました。

ねずみを追い出して、母のところに戻ると少女はひとつの木の実が落ちている事に気がつきました。「あら、木の実だわ。きっと神様がひとつ私にくれたんだわ。」と言うと少女は母を起こし「お母さん神様が木の実をくれましたよ。きっとすぐに元気になる魔法の木の実よ。さあ早く食べて。」と言い、母に食べさしてあげました。すると母は見る見るうちに元気になり、顔色もすごく良くなりました。少女はすごくうれしくなったので、外に出て空に向かって「神様ありがとう。」と叫びました。本当はねずみが山から運んで来たとも知らずに。

3年生物語文 「アリ君の夏休み」 122902

アリ君は、小学校3年生になりました。1学期が終わり、待ちに待った夏休み。アリ君は、夏休みの前に家族で海に行く約束をしていました。アリ君は、楽しみのあまり寝る前いつもベットの上でピョンピョン跳ねていました。

そして、海に旅行に行く日になりました。アリ君は、前日に準備していた荷物とふくらましていた浮き輪を持って車に乗りました。海に行く道中アリ君は、車の中で泳ぐ動作をしたり浮き輪で遊んだりととても車の中はにぎやかでした。海までは遠かったのでアリ君は、さわぎ疲れて寝てしまいました。アリ君が目覚めたとき目の前には、海が広がっていました。すぐに近くのホテルに荷物を置き海に行く準備をしました。準備が早く終わったアリ君は、準備が遅い家族みんなにはやくしてとずっと言っていました。準備が終わり海に向かいました。

海についてアリ君は、海の広さに見とれてしばらくぼーっと海を眺めていました。その風景を母はしっかりとカメラに抑えました。そのシャッター音でアリ君は我に戻り兄と一緒に海に行きました。その日はとても暑かったのか、砂浜を少し走っただけでアリ君は汗をかきました。海に入ると浮き輪を置いたまま最近覚えた平泳ぎで兄と一緒に泳いでいました。楽しくなってきたアリ君は、兄と水泳の勝負をしたくなりました。兄は二つ上なので体も大きく結果は見えていたが兄は、その勝負を受けました。結果は、見えていた通り兄が勝ちました。
悔しさでアリ君は、涙をにじませました。明日は絶対勝つからと兄に叫びました。その日は、ずっとアリ君はくやしさをにじませていました。

次の日になりました。アリ君は兄より早く起きて準備運動を始めました。お母さんは、その光景をみてびっくりしました。けど、息子の成長を少し感じれてとてもうれしい気持ちになりました。そして、この日は、朝はホテルでゆっくり温泉にはいったり、観光したりしました。お昼ご飯を食べて、昼になりました。昼は前と同じ海に行くことになっていました。アリ君は、とても張り切っています。兄も弟のその表情をみてとてもウキウキしてきました。海に行ってゆっくり泳ぎ午後の3時を過ぎたころにその時はやってきました。お母さんとお父さんは二人を見守ります。審判は、おとうさんがやってくれます。「よーいドン!!」の合図で二人は泳ぎ始めました。アリ君は、昨日とはまったく別人のようなとてもスムーズな泳ぎをしています。ゴール目前になり二人は競り合ったままです。最後の力を振りしぼり手をのばします。結果は!?!?
お父さんは、「アリの勝ち。」と叫びました。アリ君は、砂浜に戻りお母さんにすぐに報告に行きました。お母さんは、兄がわざと負けたのはわかっていましたがとてもうれしくて涙を浮かべました。

帰りの車の中でアリ君は、とても疲れていたので家までずっと寝ていました。その寝顔を見てお母さんたちは顔を合わせてにっこりしました。
アリ君が泳いでいた海には、浮き輪がプカプカ浮いていました。

3年生物語文 「ベアくんの誕生日」 122903

あしたはくまのベアくんの誕生です。うさぎのラビちゃん、ことりのピーちゃん、リスのリリくんは3にんでベアくんの誕生日パーティーをすることにきめました。場所はベアくんがすんでいる森の中です。3にんはベアくんにばれないように、準備をはじめました。

ウサギのラビちゃんは料理が得意です。ベアくんのためにバースデイケーキを作ります。スポンジを焼いて、生クリームを泡立てて、ぬって、ベアくんの大好きなリンゴをたくさん飾り付けしました。

ピーちゃんは歌を歌うのが得意です。誕生日パーティーでベアくんの大好きな歌をうたうことにしました。ベアくんが喜んでくれるように感情をこめて何度も何度も練習しました。

リリくんは手先が器用なので、パーティーの会場を飾り付けすることにしました。テーブルとイスを準備して折り紙でわっかを作って飾り付けをしました。ベアくんははちみつも大好きなのでリリくんははちみつをたくさん瓶にいれて会場いっぱいにはちみつの香りがするようにしました。

とうとうパーティーの始まりです。会場につれてこられたベアくんは驚きと嬉しさでいっぱいになりました。はちみつの良い香りがして夢のようです。「みて!ケーキは私が作ったんだよ!」とラビちゃん。見るとベアくんの大好きなリンゴがたっくさん乗っています。「飾り付けはぼくだよ!」とリリくん。「私は、歌を歌うね!ピーピッピッピー・・・・」とピーちゃん。ベアくんはとっても幸せな気持ちになりました。「こんな良い友達がいてぼくは幸せものだ!!!」「みんな、ありがとう!」

3年生物語文 「風邪の日の幸せ」 122904

いっちゃんはとても元気な子、毎日外で遊んで楽しく過ごしていました。でもある日風邪をひいて学校を休んでしまいました。

いっちゃんはとてもしんどくて布団から出ることができません。
いっちゃんのお母さんは働いているのでいっちゃんは一人で家にいました。

お母さんには大丈夫と言ったけれど、いっちゃんは一人でいることがとても寂しくなりました。いつもは友達がそばにいるからです。

そんなとき、ぴんぽーんとインターホンが鳴りました。同じクラスのまっさんでした。「お見舞いにきたよ、だいじょうぶ」そういってもらえるだけでうれしくなってもう大丈夫。さびしくなんかなくなって次の日にはすっかり元気になりました。

友達といる幸せを感じたいっちゃんは友達を大切にするクラスの人気者になりました。

3年生物語文 「きつねのゲン」 122905

ある山おくに、きつねの村がありました。その村では、きつねは変化ができて一人前と呼ばれるようになります。そんな中、一匹のきつねのゲンが変化ができずにまわりにとりのこされていました。
「おい、なんでお前だけ変化ができないんだよ。俺たちはみんなできてるぜ。はっはっはっは。」
と、いつも同い年のきつねにはバカにされ、大人のきつねからもいやな目でみられていました。そのため、いつも相手にされませんでした。しかし、一匹だけ相手をしてくれるきつねがいました。名前はコンです。コンは成績ゆうしゅうで、どのきつねからも信頼されているきつねでした。ゲンとコンはいつも仲良しで、いっしょに遊んだり変化の練習をしていたりしていました。しかし、いつまでたっても変化はできるようになりません。

そんなある日、ゲンは村の外れでひとりで変化の練習をしていました。いつもはコンとするのですが、コンはるすばんを頼まれていたので、ひとりでやるしかありませんでした。
(やっぱりむずかしいな。)
そう思っていると、こんな会話が聞こえました。どうやら、この村のきつねのようです。
「おい、作戦はしっかり進行しているんだろうな。」
「ああ、たからの場所もわかっている。明日には決行できるぜ。」
「よし、夜にこっそりたからをぬすんで夜明けを待つ。夜が明けるとみんながさわぎになる。そのすきにここを出ていく。かんぺきだ。」
これを聞いたゲンは
(大変だ)
と思い、すぐに村に戻ってみんなにしらせにいきました。
村について、ゲンは
「大変だ!この村のたからがぬすまれるぞ!今、村の外れで大人のきつねの会話を聞いたんだ!」
とさけびました。しかし、まわりのきつねはちっとも相手にしてくれません。
「本当なんだって!ぼくは聞いたんだ!信じてくれよ!」
いっしょうけんめいさけびましたが、それでも見向きもしてくれません。すると、同い年のきつねたちが
「おい、こいつこんなうそついてみんなの気をひこうとしてるぜ。」
といって近づいてきました。
「うそなんかじゃない、本当だ。」
「だいたいできそこないのお前の話なんか誰もきいてくれねえよ、はっはっはっは。」
まわりのきつねたちはみんな帰っていきました。

(どうしよう、本当なのに・・・。)
そんなことを思っていると、コンがゲンのところにやってきました。
「どうしたの、ゲン。話を聞くよ。」
ゲンはすべてをコンに話しました。
「それは大変だね。それなのに、まわりのきつねは相手にしてくれないなんて。ぼくは信じるよ。」
「ありがとう、コン。」
「よし、じゃあ、ぼくたちだけで、そのきつねたちをやっつけよう。ひごろの練習の成果をみせよう。ぼくたちがばけものに変化してびっくりさせてやるんだ。」
「え、変化なんて一回も成功したことないよ。無理だよ。」
「大丈夫。ぼくはゲンをずっと見てきたんだ。ゲンならできる。それに今、この村を助けることができるのはぼくたちしかいないんだ。この村を助けたくないの?」
「・・・うん、わかった。やってみる。」
ゲンとコンははいっしょに村を守ろうと決めました。

夜になって、ゲンとコンはたからの前で待ち伏せしました。まず、コンは「たからをとろうとすれば、ばけものが現れる」と書いたかんばんを作り、たからの前におきました。そして、そのきつねたちが現れました。
「ん、なんだこれ。ばけものが現れる?」
「なにびびってんだよ。そんなんいるわけねえだろ。」
「でもよ、ちょっと不気味じゃねえか?」
「そんなん気の持ちようだ。さっさとたからをとるぞ。」
きつねたちはたからをとろうとしました。すると、急にゲンが
「やっぱりできないよ。もし、失敗したらぼくだけじゃなく、コンの命だって危ないよ。」
ゲンは急に弱気になってしまい、とてもふるえていました。
「大丈夫、ぼくを信じて。ゲンは本当は変化ができるんだよ。何かきっかけがないだけだ。」
「きっかけ・・・?」
「そうだよ。ゲンはこの村を守りたいんだろ。だったらその気持ちをぶつけるんだ。」
「・・・うん、ぼくは、この村を守りたい!」
ゲンとコンは変化をしました。ゲンは変化ができたのです。村をおおいつくすほどのばけものになり、きつねたちをおどかしました。
「な、なんだ、これは!に、にげろー!」
きつねたちはとてもおどろいて、いちもくさんに逃げていきました。ゲンとコンは顔を見合わせ、笑いました。

それ以来、ゲンは変化が簡単にできるようになりました。そのおかげで、村のきつねからも認められ、ゲンは一人前になることができました。
「ありがとう、コン。君におかげだよ。」
「そんなことないよ。これはまちがいなく君の力だ。おめでとう、ゲン。」
ゲンとコンはよりいっそう仲良くなりました。ゲンはいつしか村長ににるほど成長し、そして、この村はずっと平和でした。

3年生物語文 「うさぎちゃんときつねくんとたぬきくんとねこちゃん」 122906

とあるある村に仲良しのうさぎちゃんときつねくんとたぬきくんがいました。三匹は晴れの日はもちろん、雨の日も遊ぶくらい仲良しです。ある日、三匹は村にあるふしぎな大きな穴について調べてみようと計画を立てました。

村の大人たちや、図書館で調べてもなかなか有力な情報は出てきません。ひとつわかったことは、昔からあの大きな穴があったわけではないようです。それから毎日大きな穴を観察することにしました。たぬきくんは毎日の観察記録を日記にしようと提案しました。観察を続けて数週間がたちました。なにも変わったことはなく、これといってわかったこともありません。三匹で穴の中に飛び込んでも何も起きず、ただ穴に入っているだけでした。すると、三匹はだんだん眠たくなってきました。

村にはねこちゃんも住んでいます。とても注意深く周りには誰も寄せ付けません。登下校や、お弁当もいつもひとりでいます。そんなねこちゃんにはひとつだけ誰にも知られていない趣味を持っていました。それは穴掘りです。穴を掘ってその中に入ると落ち着くからです。でも最近、穴掘りができなくてイライラしていました。それはうさぎちゃんたちが穴の周りをうろうろしているからです。数週間様子を見てから久しぶりに穴のほうへ行きました。すると、例の三匹が穴の中で眠っているのです。ねこちゃんは怒りで頭の中が真っ白になりました。

いつに間にか眠っていた三匹は目を覚ますと、あたりはもう見慣れた、何もない不気味な場所に来ていました。確かにあの穴で寝ていましたが、最近はこのような事も起こらなかったので、完全に不意を突かれました。どうにか抜け出そうと歩いていると、目の前に同じぐらいの背丈の影が立っていました。三匹はどこかで見たことのあるような気がしましたが、はやく帰りたかったので無視して進もうとしました。すると、見覚えのある影は三匹を攻撃し始めたのです。圧倒的な強さに三匹は手も足も出ません。三匹の体力が限界に近づいて来たとき、「ここはおれにまかせせて先に逃げろ!」きつねくんが言い放ちました。「で、でも…」「いいから行け!」うさぎちゃんは意を決してたぬきくんと走り出しました。

ゆうかんにも勝負を挑んだきつねくん。
めのまえには三匹を追ってくる影。
おおきな力の差を前に、どうすることもできなかったうさぎちゃんとたぬきくん。
ちゅうい深いねこちゃんのつくったふしぎな大きな穴がめぐり合わせた四匹の運命は…

3年生物語文 「高いところ」 122907

 じゅん君は勉強もできてスポーツもできる男の子です。クラスのみんなからもたよりにされています。しかし、高いところが苦手でした。みんなと外であそぶとき、どうしても高いところにのぼることができませんでした。じゅん君はみんなのことをうらやましくおもっていました。

 ある日、じゅん君は家族とハイキングに行きました。山の頂上には展望台があって、みんなと話しながら、楽しく登っていました。山の空気は新鮮で、深呼吸をするととてもすっきりした気持ちになります。

 頂上について、みんなは展望台のほうに歩いていきます。じゅん君は怖くて景色を見ることができません。後ろからはさまざまな人が「きれーい」や「すごーい」と言っている声が聞こえてきます。

 その声を聞いていると、じゅん君はだんだん複雑な気持ちになっていきました。「怖いけれどその素晴らしい景色を見てみたい。」じゅん君は思い切ってその景色を見に行きました。
 するとどうでしょう。その景色はテレビなどで見るものよりもずっときれいで、素晴らしいものでした。

 その後、じゅん君は少し高いところに行けるようになりました。いつも見ているものと少しちがう角度からの景色を見たくなるようになったのです。そして友達とももっと仲良くあそぶことができるようになりました。

3年生物語文 「おもちゃの部屋」 122908

「もうこうきくんなんて知らない!君なんか,もう友達じゃないよ!」
そう言ってたかしくんは家へと走って帰りました。
こうきくんがおもちゃを貸してほしいと言ったとき,たかしくんはちょっといやだなと思いました。買ってもらったばかりの新しいおもちゃだったからです。でも貸さないのは意地悪だと思って,大事に使ってねと言って貸してあげました。それなのに,こうきくんはおもちゃを壊してしまったのです。大事にしてねってちゃんと言ったのに壊してしまうなんて,許せませんでした。

家に帰って,たかしくんはすぐに自分の部屋に閉じこもりました。お母さんがお帰りなさいと声をかけてくれましたが,返事をする気分にはなれませんでした。悲しくて,ずっと泣いていました。たくさん時間が経ったあと,たかしくんがふと顔を上げると,部屋の真ん中に大きなドアが現れていました。たかしくんはとってもびっくりして,涙だって一瞬で止まりました。

たかしくんはちょっと悩んだあと,どきどきしながらそのドアを開けてみました。驚いたことに,ドアの奥には広い部屋がありました。もっと驚いたことに,その広い部屋一面中に数え切れないくらいたくさんのおもちゃがありました。たかしくんはその部屋に入っていきました。その部屋でさっきまでの悲しい気持ちをすっかり忘れて夢中になって遊びました。この部屋でなら一生遊んでいられそうな気がしました。ともだちにおもちゃを貸して壊されてしまう心配もありません。ずっとこの部屋の中にいようと心に決めました。

たくさん遊びました。たくさんたくさん遊びました。部屋にはたくさんのおもちゃがあったので,飽きたりすることはありませんでした。なぜかときどき,何かもやもやした気持ちになることがありましたが,はじめのうちは,そんな気持ちはすぐに忘れられました。そしてまたおもちゃに夢中になりました。でもあるときたかしくんは気がつきました。このもやもやした気持ちは寂しいという気持ちだったのです。この部屋には一緒に遊んでくれる友達がいません。急にこのおもちゃの部屋から出たくなりました。

おもちゃの部屋から出て,自分の部屋からも出ました。お母さんがごはんできてるわよといいました。たかしくんはあとで食べるよと言ってこうきくんのもとへと向かいました。そしてこうきくんに言いました。
「さっきはひどいことを言ってしまってごめんね。君はぼくの大事な友達だよ。また一緒に遊んでくれる?」
それからふたりは仲直りして,今までよりも仲良く遊びました。たかしくんは壊れてしまったおもちゃのことや,不思議なおもちゃの部屋のことを,すっかり忘れてしまいました。

3年生物語文 「ゆうき」 122909

これはある小学校のある2人の話である。
ある日Aクラスの男子田中は、うきうきしていた。なぜなら今日は3年生全体でのサッカー大会があるからだ。田中はサッカーが好きだった。学年で1.2を争う実力を持っている。ヒーローになるチャンスだ。田中は前日からうきうきしてなかなか寝れなかった。

田中には、3歳からずっといっしょにサッカーをしてきたデニウソンというライバルがいた。彼は名前の通り外国人でしかもブラジル人である。父親はプロサッカー選手でブラジル代表だった。そんな親のセンスを受け継いだのか、デニウソンがケタ違いにサッカーがうまかった。田中はデニウソンに負けてばかりだった。くる日もくる日も田中はデニウソンに勝負を挑んだ。しかし、結果はいつも同じ。デニウソンに「自分全然うまないやん。」と言われて終わるのが落ちだ。田中は悔しかった。だからこそ田中はこの日を待ちわびていた。

そしてついに大会の日がきた。田中は朝から1人で練習して体を温めていた。
そんなとき、後ろから「早いやん」後ろを振り向くと、デニウソンだった。デニウソンは父親のサッカーチームのジャージを身にまとい、ポケットに手を突っ込みながら近づいてきた。「今日は楽しみにしてんで。せいぜい俺のうまさ引き立ててくれな。」田中はイラっとした。自慢のファイヤーシュートをゴールに打ち込んだ。田中は半袖短パンだったが寒くなかった。

試合はA.B.C.D4クラスでトーナメント方式だ。田中のAクラスは最初Cクラスとだった。Cクラスには留学生のパクがいたが、田中の二点で2-0でCクラスを撃破した。デニウソンのBクラスはDクラスに12-0の圧勝だった。もちろん全てデニウソンの得点だ。Dクラスの武田は涙も出なかった。

そしてついにAクラスとBクラスの決勝戦だ。正直、田中はビビっていた。「また俺はあいつに負けてしまうのか。」そんな言葉が田中の頭をよぎる。
ついに試合が始まった。やはりデニウソンはうまい。まるで歯が立たない。田中ももうふらふらだ。気がつけばもう0-8だった。田中のAクラスは負けた。
試合後田中はデニウソンに「負けたよ。お前には勝てないよ。」と言った。そう、田中はこの日、負けを受け入れるゆうきを覚えたのだ。

3年生物語文 「ストーブの気持ち」 122910

潤くんは家ではいつもひとりです。おとうさんもおかあさんも両方働いているので帰ってくるのが遅いのです。潤くんはひとりが好きなわけではありません、さみしいし、つらいのです。特に寒い冬はいつもよりさみしくて押し潰されそうです。けれど、働いてくれているおとうさんやおかあさんに不満をいわず、ストーブや電気カーペットをつけて我慢していました。

ある冬の日、潤くんはいつものようにストーブと電気カーペット、こたつ、加湿器をつけて、テレビを見ていました。まだまだおかあさんが帰ってくる時間までかなりあります。しばらくして、ごおうと強い風が窓の外で吹きました。ビクッとなって身構えていると、びゅーびゅーと何度も風が吹きました。潤くんは怖くなってストーブの威力をあげました。

すると突然、ぷつんと部屋の灯りからこたつ、テレビ、もちろんストーブまですべてのものが一斉に消えました。潤くんはほんとうに怖くなってしまいました。その場で動けなくなり、じっと泣くのを我慢していました。しばらくして、だんだん目が暗闇に慣れてきて周りが見えるようになってきました。するとどこかで話し声が聞こえます。「ほらみなよ、カーペットくん、そろそろブレーカーが落ちるといっただろ?」「ほんとだね、ストーブくん。まああれだけ使えば当然かな。」まさかと思いますが、ストーブと電気カーペットが会話しているみたいです。なんだか楽しくなってきた潤くんはふたりのはなしに入ってみました。

「おや?、潤くんじゃないか。きみ、電気の使いすぎだよ。だからブレーカーが落ちて、全部とまってしまった。」「そんな、でもあたためないと。さみしくて泣きそうなんだ。」「でも、使いすぎだよ。人間には一日で働ける時間が決まっているじゃないか、僕らにもそれを使ってほしいよ。毎日毎日、僕らは働きすぎだ。早くに壊れてしまう。なあ、カーペットくん。」「そうとも、順番でいいから休ませておくれ、そうしてくれると約束してくれるなら、ブレーカーの場所を教えてあげるよ。」「そうだね、分かった、約束する。」

そうして、潤くんはブレーカーを戻し、ストーブたちのはたらきで温かく過ごしました。ちゃんとカーペットは休んでいます。いつもよりストーブたちが頑張ってくれている気がしました。なにより、心強くなった気がしました。もう、すこしくらいさみしくても、大丈夫そうです。

3年生物語文 「力をあわせて組体操」 122911

 あと2か月ほどで運動会。ケンタくんは元気いっぱいの小学校3年生だ。そんなケンタくんのクラスは全員で組体操をすることになりました。でもクラスはバラバラ。それはどうしてでしょうか。答えは簡単です。みんなが一番上に立ちたいからです。一番下が大変なこともみんなわかっています。なので、みんな少しでも上に行きたいんでしょうね。

 少しモメはしましたが誰がどの位置かはすぐに決まりました。体の大きいケンタくんはもちろん一番下です。小柄で運動神経がいいショウタくんが一番上になりました。こればかりはみんな納得です。最後まで文句を言っていたのは女の子でした。それは当然でしょう。このクラスには背の高い女の子が多かったんですね。
 一番やる気があるのは担任のハセガワ先生でした。「キーン、コーン、カーン、コーン」体育の時間が始まりました。2人技の肩車、サボテンそして3人技の飛行機など、さまざまな技もみんな難なくこなすことができました。

 しかし問題がやってきました。大技の4段やぐらとピラミッドだった。もともと配置に不満があった人たちの組体操に対する思いが薄れてきて、なかなか成功できなくなってしまった。すると、みんなだんだんイライラがつのって、あまり成功しないようになってきました。

 あまり成功することがないまま月日が流れてしまった。運動会まであと1週間。みんなそうとう焦ってた。すると先生、「みんな、なんで成功してないかわかるかい?なんで下だからって不満なんだい?立派じゃないか、注目こそ浴びないけれど、君たちがいるおかげで一番上の人が光るんだよ。君たちがいないとダメなんだよ。」その言葉を聞いて、ケンタもそのほかのクラスメイトたちも目が光ったようだった。みんな自信に満ち溢れている。

 体育祭当日。みんな自信満々だ。でも一番上に立つショウタくんがすごい緊張しているようだった。ケンタはショウタに一言、「おれたち、しっかり土台作るから!信じて乗って!」そうして組体操が始まった。
 ほとんどミスすることなく個人技、2人、3人と続いて行った。そしていよいよ4段やぐら、ケンタは一番下でぐっと痛いのもこらえて耐える。すると、「おーっ!」どうやら成功したようだ。みんなニヤニヤしながら、ピラミッドの配置につく。一番下から順に「ピッ!」先生の合図で次々に組まれていく、4段ほど組まれたところでケンタの背中に違和感、急に軽くなった、そう、崩れてしまったのだ。
 みんなは会場にもう一回挑戦するように「お願いします!もう一度やらせてください!」必死にお願いした。すると会場が湧きあがった。
 みんなはもう一度配置につき、笛と同時に次々と組まれていく。5回目の笛が鳴り響いた。ショウタがのぼる番だ。会場中に緊張がつつまれる、ケンタにはこの時間がすごく長く感じられた。「おーっ!」どうやらショウタは成功したようだ!「ありがとうございました!」そのかけ声とともに退場門へと足を進めた。
 ケンタは土台でいることの大切さ、みんなで力をあわせれば立派な1つのピラミッドを作れることを学んだのであった。

3年生物語文 「ひゅーん小僧」 122912

トチは小学六年生。少し怖がりな男の子です。小さいころに遊園地で子供用のジェットコースターに乗って以来、ジェットコースターにはひゅ〜ん小僧がいるとトチはいつも言っていました。ジェットコースターにのると、レールを下るときにおなかの下のほうがひゅ〜んとなってくすぐったいのでトチはこれをひゅ〜ん小僧と呼んでいたのです。

 トチは今年で卒業です。もうすぐ卒業遠足の時期です。卒業遠足の場所は、遊園地です。クラスでは遠足のグループ決めや、バスの席決めの真っ最中でした。
 グループが決まり、みんなは大はしゃぎ。トチのグループはダイとキョウとカイの四人グループです。みんな仲はいいのですが、トチ以外の三人はみな、ジェットコースターが大好きです。ダイはバスの席決めの最中でも、「おれ、ジェットコースターに最低でも五回はのる!」するとカイが「乗り放題だもんな!」とみんなジェットコースターにノリノリでした。

 そしてとうとう当日が来てしまいました。ゲートをくぐるやいなやあ、トチ以外の三人が向かおうとするのはジェットコースター。しかしトチは立ち止まってしまいました。「どうしたんだ?」カイが言いました。怖がるトチの顔を見てダイがすかさず「お前、怖いんだろ?なっさけねぇ。男のくせに。」トチはムカッと来ましたが、後ろにそびえ立つジェットコースターの上にはひゅ〜ん小僧がこちらを見ていて、そいつと目が合うと何とも怖気づいてしまうのです。とうとう痺れを切らしたキョウが、「もういいよ、おれたちだけで乗ってくるから、お前ここで待っとけよ。」三人は乗り場の列の後ろにならびました。

 三人の姿が見えなくなった頃、トチは焦っていました。みんなに置いて行かれたさみしさと、悔しさでいっぱいだったのです。でもうえを見上げれば、ひゅ〜ん小僧がにんまりとしています。トチは心の中で「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ。」とつぶやきました。そして次の瞬間、心を決めました。体はジェットコースターのほうへ走り出していました。死んでもいい気持でした。どうにでもなれという気持ちで、体をコースターに沈めました。係員の「いってらっしゃい!」の声のあと、そんなことはあまり覚えていません。とにかく目まぐるしく上下左右に揺られる中を、必死に駆け抜けていました。

 出口から出てきたトチを三人が出迎えてくれました。「やればできんじゃん」とダイ。トチはわけのわからない不思議な達成感と気持ちよさでいっぱいでした。見上げるとそこにはひゅ〜ん小僧の姿はもうありませんでした。これにトチはとても喜びました。でも何より三人に男として認められたような気がしたことにトチいちばんの満足を得ました。トチにとっては忘れられない、卒業遠足になりましたとさ。

3年生物語文 「夕焼け」 122913

はなちゃんは小学校3年生。今日は学校が6時間目まであり、とても疲れた日でした。はなちゃんはゆっくりと家に向かって歩いていました。空を見るときれいな夕焼け。するとそこに一羽のきれいな鳥が飛んでいました。キラキラ光っています。すごくびっくりして、はなちゃんは目を奪われていました。

するとその鳥がはなちゃんに向かって真っ直ぐ飛んできました。近くにくると意外と大きくてはなちゃんは尻もちをついてしまいました。はなちゃんの前に降り立ち、びっくりしていると
「ここはどこだ。私はジジ。魔女の国から来た。魔女を一人前にするためのお手伝いをしている。魔女のキキのもとへ向かう途中、風にあおられて飛ばされてしまった。私はキキのもとに帰りたいのだ。」
としゃべりはじめました。

はなちゃんはびっくりしたが、このジジという鳥がすごく焦っていてかわいそうだったので、一緒に魔女の国を探すことになりました。
「ここは地上で、人間が住むところ。魔女はどこにもいないよ。どうやって探せるかな?」
とはなちゃんはジジに問いました。
「人間の国はよく知っている。あの森を抜けると魔女の国に行けると聞いたことがある。あそこへ連れていってくれないか。」とジジは言いました。

はなちゃんはジジと一緒に森を目指しました。はなちゃんは自転車に乗って、ジジははなちゃんの上を飛びました。森ははなちゃんがよく行っていた遊び場なのでとても詳しく知っていました。でもまさかそこが魔女の国とつながっているとは夢にも思っていませんでした。

森に着くと、ジジははなちゃんにお礼を言って、すっと森の中へ消えていきました。はなちゃんはそれをじっと見ていました。
はなちゃんはジジが魔女の国に帰れたのか、キキのもとへ戻れたのかわかりません。しかし、戻れたことを信じて夕焼けも消え、夜になった街を家に向かって帰り始めました。

3年生物語文 「なおちゃんの青いリボン」 122914

なおちゃんにはお母さんがいません。おばあちゃんとおじいちゃんとお父さんとくらしています。なおちゃんの手首には、青いリボンがまいてありました。おばあちゃんにきくと、おばあちゃんはいつも
「それはね、お母さんがなおちゃんにくれたものなんだよ」
とやさしくあたまをなでてくれるのでした。
かぞくみんなやさしくしてくれるので、なおちゃんはほとんどお母さんがいなくてさみしいと思うことはありませんでした。

しかし、なおちゃんがきまっていつもお母さんのことを思う時間がありました。それは、友達と公園であそんでいて、ばんごはんの時間になって、友達のお母さんがよびにくるときです。
「なおちゃん、またね」
「またね」
いつもさいごにのこるのはなおちゃんでした。一人になってなおちゃんはいつも考えました。どうしてわたしにはお母さんがいないんだろう。なおちゃんは、お母さんをさがしにいくことにしました。

「おばあちゃん、お母さんはどこにいるの?」
次の日なおちゃんはおばあちゃんに聞いてみました。しかし、
「ずっと遠いところだよ」
といって、おばあちゃんは教えてくれません。なおちゃんはおばあちゃんに聞くのはあきらめて、そとにでました。外にでてお母さんの名前をよびながらあるきました。しかしなおちゃんのおかあさんは見つかりません。夕方になって、すっかりつかれてしまったなおちゃんは、ひとりいつもの公園のブランコにすわっていました。すると、
「にゃぁ」
気づくと足元には子ねこがいました。
「あなたもお母さんがいないのね」
「にゃぁ」
「いっしょにお母さんをさがしに行きましょう。でもきょうはおそいからかえらなくちゃ」
なおちゃんは子ねこをだいて家に帰りました。

そのばん、なおちゃんは子ねこといっしょにねむりました。
ゆめをみました。お母さんのゆめでした。なおちゃんはお母さんの顔はみたことがなかったけれど、一目でそれがお母さんだとわかりました。
「お母さん!」
なおちゃんがよぶと、お母さんはやさしい笑顔でなおちゃんの方を見ました。なおちゃんはお母さんにだきつこうとしましたが、なおちゃんはお母さんのからだをすり抜けてしまうのでした。
「ごめんねなおちゃん。お母さんはもうなおちゃんといっしょにいられないの。お母さんは青い空になったの。なおちゃんをいつも見守っていられるように。でもそれじゃなおちゃんがさみしいとおもって、空になったお母さんの一部を切り取って、なおちゃんにプレゼントしたのよ」
おかあさんはほどけかけていたなおちゃんのリボンを丁寧にむすびなおしました。
「なおちゃんが泣くと、お母さんも悲しくなっちゃうの。だからもう泣かないで、ね?」
「…うん」
なおちゃんがそういうと、お母さんは少しさみしそうな笑顔で消えていきました。

次の日、なおちゃんがおきると、手首のリボンはきれいに結びなおされていました。なおちゃんはそれをほどくと、はさみで半分に切ってしまいました。
「わたしのおかあさんはお空になったの。このリボンはわたしのお母さんなの。だから子ねこちゃんのお母さんもきっとお空になったのよ。」
そう言って、子ねこにリボンをプレゼントしてあげました。
なおちゃんはもうさみしくありませんでした。だっていつもお母さんがそばにいてくれるのですから。

3年生物語文 「君はわたしに似ている」 122915

君はいつも明るくて、クラスの人気者だったね。わたしはいつも、本を読んでいるふりをしながら、君を見ていた。君の姿というか、外見は世間一般からみても、お世辞に良いとは言い難いのだけれど、なぜかわたしには輝いて見えた。実際問題、わたしとちがってクラスの人気者なのだから、輝いているのだろう。わたしはそんな輝きがまぶしくて、直視できないままに、それでも見ていた。

君は、友達がいっぱいいるのに、よくわたしに話しかけてくれたね。わたしは君とちがって、容姿は整っているらしいが、中身が伴わない、空っぽの人間だ。普通の人はいくら見た目がよくても、なかみのない宝箱なんて見向きもしない。ぼろぼろでも、なかみぎっしりのほうがうれしいだろうし、実際、わたしは見向きなんてされたことがなっかたのに・・・のにきみはわたしによくかまってきたよね。わたしは、こんなわたしだから本を読みながら、君を無視することがおおかったけれど、最近は、あんまりしつこいから、少しは君とお話ししてやってもいいかななんておもってたんだ。

君はいったよね、君とわたしは似ているってさ。その時は、君はなんてありえないこと言うんだろうって思ったよ。もはや、君はわたしのことを馬鹿にしてるのかなと思ったぐらいさ。思っただけで、本から目を外さずに受け答えさえしなかったんだけどさ。でも、今はなんとなく君の言いたかったことが分かるような気がするよ。

君は何も言わずに転校していったね。君はクラスの人気者なんだからさ、なにも言わずに行っちゃったら、あんまりじゃないか。そんなことはわたしでもわかるのにね。ほら、あの子なんて泣いちゃってるよ、かわいそうに、君が好きだったんじゃないかな。君のせいだね、完全に。

君はあんがい、わたしと同じで伝えるのがへたっぴなんだね。謝りに来たほうがいいんじゃないかな。そしたら、わたしも君に謝りたいことがあるからさ。

3年生物語文 「マジック」 122916

ある公園で、たくさんの子どもたちがドッヂボールをしてあそんでいました。
「さすがは、けんただぜ」
「やっぱり強いな。けんたは」
けんたは、スポーツ万能で、とても優しくて、みんなの人気者でした。
「そんなことないよ。みんなといっしょだから頑張れるんだ」
しばらくドッヂボールしていると、夕がた6時のチャイムがなりました。
「もう6時か。時間がたつのはいっしゅんだな」
みんなは、バイバイと手をふりあい、それぞれの家へ帰って行きました。





帰り道、けんたはずっと考えごとをしていました。
そう、けんたには、1つなやみごとがあったのです。
それは、けんたのおばあちゃんのことでした。
けんたのおばあちゃんは、ある病気にかかっていて、ずっと家で寝たっきりでした。
「おばあちゃんをはげますために、ぼくは何ができるだろうか。」
とずっと考えていました。

家に帰ると、おばあちゃんはベッドで寝ていました。
「おばあちゃん大丈夫?」
けんたはいいました。
「けんた、ありがとね」
おばあちゃんは、僕にほほえんでいいました。
そのあと、タオルをぬらして、おばあちゃんのひたいにつけて、かんびょうしました。
けんたは、
「ぼくは、おばあちゃんに大丈夫としかいってあげられないのか。もっとおばあちゃんを喜ばせることはできないか」
とずっと心の中で思っていました。

次の日、学校でけんたに一つの考えがうかびました。
「マジックをしよう。そしておばあちゃんを喜ばせよう」
けんたは、すぐにクラスのみんなに協力してもらうようたのみました。
「もちろんだ、けんた。まかしてくれ」
「けんたのためなら、なんだって協力するよ」
クラス全員がこころよく協力してくれました。
けんたはうれしくて
「みんなありがとうありがとう」
と泣いていました。

ほうかごに、みんなで必死にれんしゅうして、みんなでけんたの家へ行きました。
おばあちゃんは、たくさんのけんたの友だちをみて、にっこりしました。
「おばあちゃん。ぼくが今からおばあちゃんを喜ばせるからね」
といって、とても大きなつつをとりだしました。
4人くらいでもつくらいの大きさです。
「おばあちゃん、このつつのなかに何も入ってないよね?」
けんたはおばあちゃんにたずねました。
「うん何もはいってないね」
おばあちゃんは見たとおりのことを答えました。
「3、2、1、、、0!!!!」
ケンタの合図とともに、手をつつのなかから手紙がとびだしてきました。
「おばあちゃん。読んで」
とその手紙を手渡しました。
おばあちゃんは、手紙を開くと
「おばあちゃんはやく元気になってね。ぼくは、おばあちゃんがだいすきだよ」
と書いていました。
おばあちゃんの目には、あふれんばかりのなみだが出ていました。
けんたのほうへ顔をあげると、けんたとけんたのクラスメイト全員が、1文字ずつ紙をもち
「おばあちゃんはやく元気になってね。ぼくは、おばあちゃんがだいすきだよ」
と手紙と同じ文を作っていました。
もう一度、おばあちゃんは泣きました。
けんたは、おばあちゃんのうれしそうな顔をみて満足しました。
その後、おばあちゃんは、みるみる元気になり今はけんたと公園で散歩しています。

3年生物語文 「せかいでいちばんおそいうま」 122918

あるところに、せかいでいちばんおそい馬がいました。いちばんおそい馬は、むれのみんなのようにはしることができず、いつもいちばんうしろを走っていました。むれのみんなはいつもいちばん後ろの馬をきづかってくれていました。馬がはしると鳥やうさぎなど、たくさんのどうぶつがついてきました。風も馬の走るじゃまにならないように、やさしくふくのでした。


「あぁ、みんなのようにもっと走るのがはやくなりたいな。そうすればみんなにきをつかわせなくていいのに」
いちばんおそい馬はまいばんお月さまにむかってつぶやいていました。すると、ある満月のよる、馬のまえに神様があらわれて、馬にたずねました。
「あなたはもっと速く走りたいのですね?」
「そうです。みんなを追い越せるくらいはやくなりたいんです。」
いちばんおそい馬がそう答えると、神様はこういいました。
「それではあなたをせかいで一番はやい馬にしてあげましょう。
あしたの朝、あなたは誰よりもはやくなっていますよ」
「ありがとうございます!」
神様は一番おそい馬の足をそっとなでると、消えてしまいました。
いちばんおそい馬は次の朝がたのしみでなかなかねむることができませんでした。

次の日、太陽がのぼると、いちばんおそい馬は誰よりも先に走りだしました。
「すごいや!足がいつもとぜんぜんちがう!」
いちばんおそかった馬は、神様の言うとおり、だれよりもはやく走ることができるようになっていました。いちばんはやくなった馬はよろこんで、どんどんスピードをあげて走っていきました。

しばらくよろこんで走りまわっていた馬でしたが、気づくとあたりにはだれもいません。鳥やうさぎも、むれのみんなも、いちばんはやくなった馬についていくことができなかったのです。いちばんはやい馬はむれのみんなとはぐれてしまいました。それに、走れば風は馬にむかってふきつけてきます。いちばんはやい馬はかなしくなってしまいました。

そのばん、むれとはぐれた馬は、ひとりぼっちでした。さみしくてかなしくて、なみだが出てきました。
「神様、ぼくをもう一度、いちばんおそい馬にしてください」
いちばんはやい馬はなきながらいのりました。そしてそのままねむってしまいました。いちばんはやい馬ががねむった後、おなじように神様があらわれて、ほほえみながら馬のあしをなでていきました。

次の日、いちばんはやい馬が走りだすと、昨日のように足は動きませんでした。いちばんはやくなった馬は、いちばんおそい馬にもどってしまったのです。しかし、いちばんおそい馬はうれしそうでした。ゆっくり、ゆっくりと昨日走ってきたほうへかえっていくのでした。

いちばんおそい馬がしばらくはしると、向こうからいちばんおそい馬のいたむれが見えてきました。むれのみんなは、いなくなってしまった馬をさがしていたのです。
「ぼくはやっぱり、いちばんおそい馬のままでよかったんだ」
いちばんおそい馬は、わらいながらむれのほうにかけよっていきました。

3年生物語文 「ともだち」 122919

私はミク。今年の春、となり町から転校してきた。私は父の仕事の都合でよく転校する。引っ越しにはもう慣れっこだ。でも、ひとつだけなかなかなれないことがある。それは、ともだち作りだ。

私は極度の人見知りだった。自己紹介も苦手だ。自己紹介しおわって、席に着くと、こっちを見てひそひそ声が聞こえる。いやだ。気になる。休み時間になってやっとクラスの女子が私の机を取り囲んで話しかける。いつものごとく、質問攻めだ。それは悪い気はしない。でも、そのあとがいつもきらいだった。

いつもみんな、私に興味があるのは最初の休み時間だけだ。次の休み時間には、いつものともだちのところに行ってしまって、私は一人ぼっちになる。それが本当にいやだった。しかし、今回はちがった。

次の休み時間になって、私はすぐにトイレに行こうと思った。ひとりで席に着いているのはいやだったからだ。トイレに行こうと立ち上がろうとしたとき、ミクちゃん、と呼ぶ声が聞こえた。びっくりしてふりかえると、3人のともだちがにこにこしている。次の授業の教室行こ、と声をかけてくれた。私はとてもうれしかった。教室に向かいながら、私は思い切って自分から質問してみた。すると、そのともだちたちは、学校のきまりなど、いろいろなことを教えてくれた。

いつもは質問されておわっていたが、自分から質問するのもともだち作りのひとつの方法かな、と思った。休み時間、一人ぼっちになっていたのは、自分から関わろうとしなかったのが原因なのかな、とふとミクは思った。

3年生物語文 「ライオン族としまうま族」 122920

 あるところに、ライオンの群れがいました。ライオンたちはいつもしまうまを食べているので、ライオン族としまうま族は仲が悪いのです。

 ライオン族の長老が言いました。
「ライオンはお肉を食べる動物なのだ。しまうま族と仲良くはしたいが、われわれはお肉を食べなければ死んでしまう。」
ライオン族のみんなは、それぞれどうすれば良いか考え、意見を出し合いました。
 すると、ライオン族でいちばん小さい赤ちゃんライオンが言いました。
「どうして、ライオン族はお肉を食べるのかな?」
と。おかあさんライオンは、分からなかったので、おとうさんライオンにたずねました。しかし、おとうさんライオンも、分かりませんでした。

 すると、長老は言いました。
「歯がするどいからじゃ。歯がするどいから、お肉を食べるのじゃ。」
と。そうです。ライオン族の歯は、するどくお肉をひきちぎる形をしているのです。
 しまうま族の歯は、大きく平らで、草をすりつぶす形をしています。それを知ったライオン族のみんなは、サバンナの歯医者さんに行きました。歯医者さんで歯をけずり、平らにしてもらおうと考えたのです。

 歯医者さんで歯を平らにしてもらったライオン族のみんなは、草を食べてみることにしました。子どものライオンたちは、少しいやがりましたが、大人のライオンたちはおいしいと言って、草をたくさん食べたのです。

 こうして、草を食べられるようになったライオン族は、しまうま族を食べることもなくなり、しまうま族と仲良く楽しく暮せるようになりました。

3年生物語文 「鬼」 122921

「この柵より外に、出てはならない」
これは、彼の住んでいる町ではとてもきつく守られているしきたりのことであった。
彼の町は300人ほどが暮らす、小さな町であった。
川の流れる音、紅く燃える夕焼け、はるか大空に見える鳶の飛ぶ姿の陰。すべて彼にとってとても心地の良いもので、彼はこの町がとても気に入っていた。

ある日、彼は母親にキノコ採りを頼まれる。
この町は、少し森の方に向かえば、おいしいキノコがたくさん生えていることで有名なのだ。
彼もこの町のキノコが大好きだったので、喜んでうなずいた。

彼は、森の中でせっせとキノコを集めていた。
もう秋ではあるが、傾斜の多い山を歩くのはやはり重労働であり、彼は汗水垂らしながら働いていたものだ。

だが、少し物足りない。
キノコがあまり生えていないのだ。
というのも、この季節はキノコが有名なので、ほかの町人も多くキノコを採りに来る。
彼はきっと、乗り遅れてしまったのだろう。もうほとんどキノコは採りつくされてしまっていた。

歩いていると、ふと小さな柵が目の前に現れた。
彼は、それが例の「絶対に超えてはならない柵」だとすぐに気付いた。
彼はその柵を見たことがなかったのだが、思っていたよりも小さかった。
絶対に超えてはならないのに、ちょっとよじのぼれば、すぐにでも越えられそうなのである。
しかも、柵の隙間から見えるのは、なんと美しいキノコの群れではないか!
これだけの好条件、彼はつい柵を乗り越えてしまった。

キノコがある。たくさんある。どれもおいしそうだ。彼は、よだれを思わず飲み込んだ。
どんどん進む。今日はたまたま大きめのバスケットを持ってきていた。これならまだまだ採れるはずだ。彼は夢中になって、進んでいった。

ふときづくと、彼は森のかなり深いところまできてしまったようだった。
バスケットもたっぷりとキノコで埋め尽くされていたし、そろそろ帰ろうかと彼は思い、もと来た道をたどろうと、彼は振り返った。

そこには、世にもおぞましい生き物が立っていたのである。

隆々とした身体つき、堂々とした風格で仁王立ちをしている、
彼はすぐに分かった。なぜ分かったのかは分からない。だが、分かったのだ。

鬼だ。

金棒は持っていない。角も生えていない。体色は漆黒である。絵本で見た、あの赤色でも青色でもない。ついでに言うと、とても友好的には見えない。泣いた赤鬼は嘘だった。


彼は、バスケットを放り捨てた。訳も分からず走り出す。追いつかれたら食べられる。殺される。恐怖で頭がどうにかなってしまいそうだった……というわけではなく、もう何も考えない。彼の頭はすべて、太古より受け継がれし生存本能によってのみ埋め尽くされていた。ライオンに出会ったシマウマはすくんだりせず、一目散に逃げ出すのだ。
ふと後ろをふりかえる。鬼が笑いながら追いかけてくる。いよいよ絶体絶命であった。

彼は走る。すると、目の前に見覚えのある橋が見えてきた。行きに通った橋である。どうやら、右往左往逃げ回っているうちに、一周まわって町へ向かう方へ走っていたようである。嗚呼、神はいたのだ。こんな偶然があろうか。とにかく助かった。町まで逃げることができそうだ。


……待てよ。

町に逃げたらどうなる。鬼にかなう奴はいるのだろうか。
彼の町は平和である。争いなどまったくと言っていいほどない。ゆえに武器などもない。大工のおっちゃんは力持ちではあったが、鬼にはかなわないだろう。

そもそも、なぜ鬼が彼に追いつかないのか。あれだけ筋骨隆々で、貧弱な彼に追いつけないのか。意外と見かけ倒しなのか。



も し か し て

鬼は、わざと彼に町まで案内させる気なのだろうか。
彼一人では満腹にはならないのだろうか。鬼は町ごと喰らう気か。

彼は決断に迫られる。

橋を走る。駄洒落ではない。そんな暇などない。
彼は偶然にも、森を切り開くための鎌を持っていた。

彼は振り向く。鬼が迫ってくる。
300人の命と、自分の命。彼の大好きな町。美しい川、美しい大空、美しい町並み。決して失ってはならないものだ。

彼は、鎌を振り上げる。
笑っていた鬼が、初めて表情をゆがませた。



落ちる。

落ちる。

闇に。

彼の意識が

遠のいて

行っ



3年生物語文 「友達のわっか」 122922

「あーあ、学校ってつまんないや。」
ためいきまじりにシンタ君はさびしそうにつぶやきました。
「どうしてそう思うの?」
シンタ君のお母さんは心配してたずねました。
「友達とけんかしちゃって…口もきいてもらえないんだ。行ってもつらいだけなんだよ。」
シンタ君はお母さんにそう言うと、目から大つぶのなみだを流しました。

次の日、シンタ君が朝ごはんを食べに台所へやってくるとお母さんがなにかうでわのようなものを持っていました。
「それってなんなの?」
「これはね、友達のわっか。」
「友達のわっか?」
「そう。お母さんはね、これを友達からもらったの。友じょうのあかしだっ!!って言われてね。お母さんの大切なたからもの。しんちゃんにもきっと力をあたえてくれるわ。」
そう言ってお母さんはシンタ君のうでにわっかをつけてくれました。

学校についたとたん、シンタ君はゆううつになりました。
けんかしている子と目があい、ぷいっと顔をそらされてしまったのです。
「ちくしょう。やっぱり学校なんて来なければよかった。」
シンタ君は泣きそうになりました。
そのとき、朝にお母さんからもらったわっかのことを思い出しました。
「こんなわっか。うそっぱちだ!」
シンタ君はもうなみだをこらえきれなくなり、泣きながらわっかを投げすててしまいました。

ほうかごになり、シンタ君は落ちこんだ気分のまま、帰る用意をしていました。
「お母さん、きっとおこるだろうな。なかなおりもできなかったし、お母さんのたからものも失くしちゃったし…」
シンタ君はわっかを投げすてた後、あのわっかがお母さんのたからものだったことを思い出して必死にさがしました。でも、いくらさがしても見つかりませんでした。
「はあ…」
今日何回目かもわからないためいきをついたときです。
目の前に手がさしだされました。
その手には友達のわっかがありました。
シンタ君はびっくりして顔をあげるとそこにはけんか中のあの子がいました。
シンタ君はおそるおそるわっかを受け取って言いました。
「…ありがとう。…今までごめん。」

家に帰るとお母さんがえがおでまっていました。
「なかなおりはできた?」
「うん。ばっちり!!」
元気よくつきだしたシンタ君のうでには、しっかりと友達のわっかがつけられていました。

3年生物語文 「見えない君」 122923

 まさきくんが六年生になって半年が経ちました。まさきくんは周りの友達と比べてもかなり体の大きい子でした。まさきくんは正義感の強い子で、学級委員長に立候補するほどです。いつも悪いことをするクラスメイトがいたらしっかり注意していました。

 ある日、学校でケンカが起きました。一人はまさきくんと同じクラスのケンジくん。もう一人は隣のクラスのダイゴくんです。二人はお互いにすごく怒っていて、周りが見えていませんでした。まさきくんが騒ぎを見つけた時は二人とも傷ができていて、それでもまだ止めません。二人の周りには壊れたものがたくさん落ちていました。「早く二人を止めないと」まさきくんは思い、二人の間に入り、ケンカを止めようとしましたが、巻き込まれているうちにまさきくんも熱くなってしまい、二人のことを暴力でおとなしくさせてしまったのです。その様子を見ていた他のクラスメイト達はまさきくんが怖くなってしまいました。

 次の日、まさきくんが学校に行くと、ケンジくんとダイゴくんはひどい怪我のため学校には来ていませんでした。教室に入ると、まさきくんの席がありません。よく見ると、教室の一番端っこに置いてありました。嫌な予感がしながらも、クラスメイトに机のことを聞いてみると、まるで聞こえていないかのように立ち去ってしまいました。他の人も目も合わせてくれません。まるでみんなにはまさきくんが見えていないようでした。

 そんなことが1ヶ月続いた頃、家でお留守番をしていたまさきくんのところに覆面をかぶって包丁をもった知らないおじさんがやってきました。外ではパトカーの音がなっていました。おじさんは「おとなしくしてれば何もしない」と言っていました。まさきくんはすぐに悪い人だと思いましたが、おじさんの言うとおり何もしませんでした。よく見るとおじさんは腕に怪我をしていました。まさきくんは手当てをしてあげながら学校で起きたことをおじさんに話してみました。話していると段々涙が出てきてしまいました。手当てが済むとおじさんは「君は間違ってないよ」と言い、頭をなでてからパトカーのいる外に出て行ってしまいました。

 その次の日、朝寝坊をしてしまったまさきくんは急いで学校に行きましたが30分遅刻してしまいました。教室に入ると、いつも隅に置いてあった机が元の場所に戻っていて、先生の横にお巡りさんがいました。お巡りさんはまさきくんに昨日のことでお礼を言って教室から出て行きました。すると、今まで話しかけるどころか見もしなかったクラスメイト達が「やっぱりまさきはすごいな」「やっぱりまさきくんは優しいんだね」と一斉にまさきくんの周りに集まってきました。まさきくんは心の中で「おじさん、ありがとう」と唇を震わせながらつぶやきました。

3年生物語文 「ドッヂボール」 122924

 小学3年生のしょうくんは外であそぶのが大すきです。
いろんなあそびがすきでしたが、一番すきなのはドッヂボールでした。今日もいつものようにクラスの友だちのゆうまくんやけいたくんたちをさそって休み時間にドッヂボールをしています。

 いつものドッヂボールをしていましたが、しょうくんにボールがまわってきません。「へい!パス!」とさけんでやっとボールがまわってきました。しょうくんは少ししかボールをなげれませんでした。しょうくんはだんだんつまらなくなってきました。そうこうしているうちに休み時間がおわってしまいました。

 よく日、しょうくんは休み時間にひとりでボールであそぼうと思いました。なぜなら、ひとりだとずっとボールを使えるからです。きのうのような思いをしなくてすみます。
ボールを持ってゆうまくんやけいたくんをさそわずに運動場にいきました。しょうくんはかべに向かってボールをなげていました。
「なあんだ、こっちのほうが楽しいや。」
そこにゆうまくんとけいたくんがきました。
「いっしょにドッヂボールをしようよ。」しょうくんをさそいました。
ですが、しょうくんはふたりをむししました。
ゆうまくんとけいたくんがまたさそいました。
「いっしょにドッヂボールしよ!」
それでもしょうくんはむししました。
ゆうまくんとけいたくんはさそうのをあきらめてしょうくんのみえないところにいってしまいました。
ゆうまくんとけいたくんはそれからしょうくんをいっしょにあそぼうとさそわなくなりました。

 しょうくんは来る日も来る日も休み時間にひとりでボールであそんでいました。
すると、だんだんひとりであそぶのがつまらなくなりました。
「みんなであそんだほうが楽しいな。」と思うようになっていきました。
しょうくんはゆうまくんとけいたくんを「あそぼう。」とさそおうとかんがえました。
しょうくんは前にふたりのさそいをむししたことを思い出しました。それを考えると、しょうくんはおくびょうになってとうてい、ふたりをさそえません。
それでもしょうくんはゆうきをふりしぼって休み時間のはじめにゆうまくんとけいたくんのところにいきました。
しょうくんはふたりの前にいったはいいもののだまって下を向いてつっ立ったままです。
「・・・・。」ふたりの前できんちょうして言葉が出ません。
すると、とつぜん「いっしょにドッヂボールしよ!」
ゆうまくんがいいました。
しょうくんは顔をあげました。心の中がなんだか晴れた気がしました。
「うん!」しょうくんは元気よく答えました。

「どうしてずっとひとりであそんでたの?」けいたくんがいいました。 
しょうくんは前のできごとやそのときの気持ちをはなしました。
「それならそうといってくれればいいのに。ぜんぜん、きづかなかったよ。」

しょうくん、ゆうまくん、けいたくんはほかの友だちもさそってドッヂボールをしました。
「やっぱりみんなとするドッヂボールは楽しいな!」しょうくんは思いました。
そして、しょうくんはドッヂボールをもっともっとすきになりました。

3年生物語文 「めん事情」 122925

山を越えたさらに山の奥深く、ポンポコ村という村がありました。そこに住んでいるタヌキのどん君はそばを食べるのがとっても大好き。今日もおそばを食べようとしていました。
「あれ、てんぷらがない。」
そばにのせて食べようと思っていたのですが、運悪くきらしていたようです。そこでとなり村のコンコン村のてんぷら屋さんまで買いに行こうと決めました。

「となり村まで行くついでにキツネのべえちゃんにお手紙を持っていこう。」
そう思い立ち、さっそく書き始めました。
「元気にしていますか。おいしいうどんを食べてますか。今度は僕の大好きなおそばを一緒に食べましょう。」
どん君はその手紙を持ち、コンコン村まで向かいました。

となり村といえど、ここは山奥。谷をこえ川をこえ、険しい山道を歩いていきます。
「べえちゃんにはやく会いたいな。」
「どんなてんぷらを買おうかな。」
そんな風に考えているとあっという間です。

コンコン村に着き、てんぷらを買い終えると、べえちゃんの家を目指しました。
「こんにちはー。べえちゃんこんにちはー。」
しかし返事がありません。どうやら留守にしているようです。「手紙を置いて帰るより会いたいな。」と思い家の前でべえちゃんを待つことにしました。

長い間待ちました。
「そろそろお腹が空いてきたな。」
そう思ったいた時、遠くにべえちゃんが見えました。
「どん君、待たせてごめんよ。今ポンポコ村からうどんの上にのせる"おあげ"を買ってきたところさ。」
どん君は持ってきた手紙を渡しました。
「なるほど、だったらあなたのもってきた"てんぷら"と私の"おあげ"でおいしいうどんとおいしいそばを作って一緒に食べましょう。」
こうしてどんべえが生まれました。

3年生物語文 「ぽんたの飛行機体験記」 122926

「いってきまーす!」と、ぽんたはいつものように学校に向かって家を出ていきました。ぽんたはお父さんとお母さん、妹のはなと東京に暮らす、小学三年生の元気な男の子です。ぽんたはいつも何事にも興味津々です。夏休みにおじいちゃんとおばあちゃんの家に行くことになっていました。

夏休みになりました。ぽんたとはな二人で田舎で暮らしているおじいちゃんとおばあちゃんに会いに行く日の朝のこと。「気を付けて行ってくるのよ。」とお母さんが言いました。「おじいちゃんとおばあちゃんの家では行儀よくするんだよ。」とお父さんが言いました。「はーい。いってきまーす!」と二人は出発しました。飛行機でのっていくのです。二人とも飛行機は初めてなのです。

空港に着き、飛行機に乗りました。ぽんたはすべてが初めてで、目をキラキラさせて機内をみています。「こんなおっきくておもたいのが空を飛ぶんだね。」ぽんたは言いました。「そうだね。そんなことよりもお兄ちゃん、飛行機怖いよー。」とはなは言いました。「大丈夫だって。」ぽんたは言いました。

いよいよ飛行機は地面から離れて空中にうきだしました。『ゴオオ』飛行機は音を鳴らしながら上空に向かっています。はなはぽんたにしがみつきました。「大丈夫。大丈夫。」飛行機は雲を突き抜けて青い空の下を飛んでいます。したは白い海のようになっています。ぽんたは窓から興味津々で外を見ています。「富士山みえるかな?」ぽんたは言いました。「見えるといいのにな。」はなもさっきまでの怖さを忘れて興味津々で窓の外を見ていました。しばらくすると。雲から三角コーンのような形の山先が顔を見せていました。「ありが富士山だ!」ぽんたは言いました。ぽんたとはなは感動しました。

おじいちゃんとおばあちゃんの住む近くの空港にやっと飛行機が到着しました。おじいちゃんとばあちゃんが空港で出迎えてくれました。「よくきたわね。」おばあちゃんは言いました。「ゆっくりしていきなさい。」おじいちゃんは言いました。「あのね、飛行機初めて乗ったの。」ぽんたとはなは飛行機でのことをおじいちゃんとおばあちゃんに話し始めました。おじいちゃんとおばあちゃんはぽんたとはなの話をたのっ層に聞くのでした。四人の夏休みが始まりました。

3年生物語文 「言い伝え」 122927

 とある村にはある言い伝えがありました。“夜になったら絶対に家の外には出てはいけない。出てしまうと大変なことになる。”というものでした。
なのでこの村の人々は日が暮れるとすぐに家に入ってしまいます。
けれどえいじくんはそれをつまらないことだと感じていました。えいじくんの親は村長で厳しく、暗くなると家から絶対に出ることは許されず、外で遊ぶ時間も短くなってしまいます。

 ある夜、えいじくんはお母さんたちが眠ったのを見届けてから外に出ました。
何にも起こらないことを証明することが出来れば、もっといっぱい遊ぶことができます。
えいじくんは外を歩き回ってみました。すると途中で同い年くらいの男の子がいました。
えいじくんは勇気を出して話しかけてみました。「こんな時間にどうしたの?外に出たら危ないんだよ。」男の子は言いました。「君こそどうしたの?僕はいつもこうして散歩してるんだよ。いつも何にも起こらないし、大丈夫さ。」えいじくんはそれを聞いて(やっぱり何にも起こらないんだ!)と思いました。えいじくんと男の子は自己紹介をしました。男の子は“しょうくん”と言いました。

えいじくんはしょうくんと一緒に散歩することにしました。えいじくんはしょうくんに尋ねました。
「君はお母さんたちに怒られないの?」「お母さんたちも危険じゃないこと知ってるからね。」
しょうくんは答えました。「いいなあ。でもこれでみんなに危なくないことが教えられる。そうすればこれからは大丈夫だ。」えいじくんは言いました。
しょうくんは「そうだね。そうだ。僕は今から面白いものを見に行くんだ。君もいかないかい?」と言いました。
えいじくんはついていくことにしました。なぜか帰りたくなかったからです。

 えいじくんはいつの間にか町の外れまで来ていました。あたりは真っ暗でほとんど見えません。「どこまで行くんだい?」えいじくんは尋ねました。でも返事はありません。
えいじくんはあわててしょうくんを探しましたが、見つかりません。それどころかそのしょうくんがどんな子だったかも思い出すことができません。そこで家に帰ってお母さんたちに手伝ってもらおうと思いましたが、帰り道がわかりません。周りの風景はまったく知らないものでした。

 この村にはとある言い伝えがあります。“夜になったら絶対に家の外には出てはいけない。出てしまうと大変なことになる。”。その村の村長の家には両親と1人の男の子がいました。その男の子は“しょう”と呼ばれています。

3年生物語文 「思い出のえんぴつ」 122928

 その日、ゆうこは部屋の片づけをしていました。カラカラカラン…。何かが落ちた音がして、見てみると、そこには1本のえんぴつが転がっていました。それは、ゆうこにとって思い出のえんぴつでした。

 ゆうこが小学3年生のころ、クラスにはけんじと言うクラスメイトがいました。けんじは、いわゆるガキ大将というやつで、いつもえばっているけんじのことが、ゆうこは苦手でした。

 ある日のことです。その日はテストがありました。ゆうこは、テストのためにしっかりと勉強をしてきてやる気満々でした。すると、
「今日テストやって。何もやって無いわ。てか、勉強してるやつなんておるんかぁ。」
という声が聞こえてきました。けんじでした。ゆうこは、なんだか無性に悔しくなって、絶対テストで満点取ったんねんと意気込みました。

 キーンコーンカーンコーン。ついに、テストの時間がやってきました。
「では、みなさん。消しゴムとえんぴつを出して下さい。」
先生の合図で、みんな消しゴムとえんぴつを用意しました。しかし、ゆうこは消しゴムだけを出して、下を向いて固まっています。えんぴつを忘れてしまったのです。「どうしよう。せっかく勉強してきたのに…。」泣きそうになっていると、カラカラカランという音がしました。つくえの上を見ると1本のえんぴつが転がっています。
「それ、使えよ。」
そのえんぴつは、となりの席のけんじが貸してくれたものでした。
「いいの…?ありがとう!」
ゆうこは、けんじがえんぴつを貸してくれたことに驚きましたが、それ以上にその優しさを嬉しく感じました。

 そして、ゆうこは、そのテストで見事に100点を取りました。今まで取った満点の中で一番嬉しい満点でした。それから、ゆうこは、けんじのことを苦手に思うことは無くなり、とても仲の良い友達になりました。

3年生物語文 「お母さん」 122929

「お母さん、お弁当はきれいないろどりにしてってゆったじゃん!茶色ばっかの」ある日の晩に、まりは怒ってこう言いました。
「ごめんねまりちゃん。今度から気をつけるね。」お母さんは申し訳なさそうに言います。
「あ、あと明日はゆきちゃんちに遊びにいくから。」
「そっかあ、じゃあお母さん車で送るわね。」
ゆきちゃんちはまりの家から歩いて10分でつきます。
でも、たった10分でつくところでもまりのお母さんは必ず車で送ってくれるのです。
まりちゃんはそんな生活を当たり前のものだと思って生きてきました。

まりちゃんはそんな生活を当たり前のものだと思って生きてきました。
ある日、いつものように学校から帰ってくると、リビングにお母さんがいませんでした。
まりは、姉に「おねえちゃん、お母さんはどこ?」とききました。
すると、姉は「お母さんね、風邪で寝込んでるのよ。」と言いました。
その日の晩御飯は姉が作りました。
メニューは野菜炒めとごはんです。
「えっ野菜炒めってキャベツと肉だけなの?たまねぎは?にんじんは?」とまりは言いました。
すると、お姉ちゃんに「あんたねえ、わたしがお母さんとおんなじようにできると思わないでよね。無理無理。」と言われてしまいました。
次の日のお弁当は姉が作ってくれました。
冷凍食品だらけのお弁当。
まりはいつものお弁当はおいしかったんだなあとしみじみ思いました。
その日はゆきちゃんの家にあそびに行く日でした。
外は雨が降っています。
10分歩いて着いたときには、くつがびしょびしょになって靴下までぬれていました。
お母さんが車で送ってくれていた時はとっても楽だったなあとまりはしみじみおもいました。

その日の夜、まりは寝ているお母さんの部屋に行きました。
「お母さん。」とまりが声をかけると、お母さんが目をさましました。
「まり、どうしたの。風邪がうつるよ。」
「お母さん、いつもありがとう。はやく元気になってね。」
まりはそう言って静かに扉をしめました。

3年生物語文 「夏の大合唱」 122931

カタツムリが散歩していると、なにやら困った様子の二匹のアリに出会いました。
「おや、アリさんどうかしたのかい?」
「カタツムリさん、いいところに来た。最近の人間たちの行動についてどう思う?」人間たちはこの頃、地面の上をアスファルトで固めたり、川底をコンクリートで固めたりと、どんどんと虫たちのすみかを破壊しているのでした。
「困ったもんだねぇ。僕もいつまでこの辺に住んでいられるかずっとびくびくしてるんだ。」カタツムリは答えました。
「やっぱりそうか。僕たちはさっきなんとか人間がこれ以上僕たちの住む森を壊さないようにする方法がないか考えてたんだ。」
「それで、いい方法は見つかったのかい?」
「それがなかなか見つからなくて...何かいい方法はないかい?」
「じゃあ、人間たちが森に近づきたくなくすればいいんじゃないかな。」
「そうだけど、そんな方法があるのかい?」
「うん、いいこと思いついたよ。ちょっと手伝ってくれないか。」こうしてカタツムリたちは人間から森を守るための作戦をはじめました。

「おーい、おーい」外から誰かが呼ぶ声がして、セミは目を覚ましました。
「せっかく気持ちよく寝てたのに、邪魔しないでよ。」
「ごめん、ごめん。どうしても手伝って欲しいことがあるんだ。」
カタツムリはセミに作戦を伝えました。
「そういうことなら、喜んで手伝うよ。」セミは快くしょうだくしてくれたみたいです。
「ありがとう、よろしく頼むよ」カタツムリは次の虫をたずねに行きました。

リーン、リーーン。スズムシが鳴いていました。
「スズムシくん、ちょっといいかい?」
「忙しいから、手短にしてよ。」
カタツムリは作戦を伝えました。
「そんなことならお安いご用だよ。」
スズムシくんも快くしょうだくしてくれたようです。
「ありがとう、助かるよ。」カタツムリは嬉しそうに言いました。

「この辺の森はたくさん木があるし、平地になってるし、川も近いから切り開いたらきっと豊かになるぞ!」
「間違いない。今年の夏ぐらいから工事を始めようか。」人間たちが話しています。
「今年の夏か。ようし、それなら...」カタツムリが人間たちの話を聞いていたようです。そして、大急ぎで森中を走り回りました。

そして、いよいよ夏になりました。たくさんの人間が森に集まってきました。
「ここは本当にいい土地だなぁ。」
「俺はこの辺に家建てることにしよう」
などといろいろ話しています。
その時、カタツムリくんが叫びました。
「せーーのっ!」その掛け声のあと、森中からいろんな声が聞こえてきました。
ジーッジーッジーッ!ミーンミーンミーン!リーンリーンリーン!などと森中の様々な虫たちが一斉に鳴き出したのです。
「なんだこれは!うるさくてかなわん!」
「こんなうるさい土地は嫌だ」人間たちは一目散に逃げて行きました。
こうして、虫たちは今でも森でなかよく暮らしているのでした。

3年生物語文 「お年玉」 122932

太郎くんはお正月が大好きです。なぜなら、親戚の人からお年玉をもらえるからです。そのお年玉を使ってゲームソフトやオモチャを買います。
冬休み、友達と一緒にゲームをするのが太郎にとって一番楽しい時間でした。

さて、一年が終わり、今年もお正月がやってきました。太郎くんは早起きして、お父さんと初日の出を見ました。
「今年もお年玉もらえるかなあ」
太郎くんの頭の中は朝からお年玉でいっぱいです。
それから、お父さんと太郎くんはお雑煮を作りました。お父さんが野菜を切り、太郎くんは味噌をすりました。よいしょ、よいしょ!味噌をするのはなかなか大変です。やっと、お雑煮が完成しました。
お母さんも起きてきて、家族三人でおせち料理とお雑煮を食べました。
「太郎、お雑煮おいしいよ、ありがとう」
お母さんが褒めてくれました。太郎くんはとっても嬉しくなりました。けれど、太郎くんにはもっと嬉しいことが待っています。そう、お年玉です。
「はやく、お年玉もらいたいなあ」

夜になると、太郎くんの家に親せきがたくさん集まりました。おじいちゃんの乾杯の音頭で新年会が始まりました。大人たちはお酒を飲んで陽気になります。子どもたちもカニやお肉、野菜が入った鍋をお腹いっぱい食べて大満足です。ああ、楽しかった。
そのあとは待ちに待ったお年玉の時間です。親せきのおじちゃんたちが太郎くんに声を一言かけてお年玉を渡していきました。
「勉強がんばりや」
「サッカーがんばりや」
「ご飯いっぱい食べて大っきくなりや」
親せきたちはみんな、太郎くんを応援してくれました。太郎くんはうれしくなりました。そのとき、太郎くんは思いました。
「親せきっていいものだな。お年玉も親せきも大好きだ。」

次の日、太郎くんさっそくお年玉を持ってゲーム屋さんに出かけました。行く途中で、お友達の大介くんに会いました。
「太郎くん!どこに行くの?」
大介くんは言いました。
「お年玉でゲームを買いに行くんだ。」と太郎くん。
「そうなんだ。」大介くんは悲しい声で答えました。
「実は僕には親せきがいないんだ。だから、お年玉ももらえないんだ。一度でいいからお年玉をもらってみたいなあ」
家に帰ってから、太郎くんは大介くんについて考えました。
「大介にお年玉をもらううれしさを知ってほしい。そうだ!僕が大介くんの親せきになろう。」

次の日曜日、太郎くんは友達の花子ちゃんを連れて大介くんの家にいきました。なんと、太郎くんはヒゲを付けておじさんの格好、花子ちゃんはエプロンをして、おばさんの格好をしています。
「こんにちはー!太郎くんの親せきの太郎おじさんと花子おばさんがやってきたよー!」
大介は二人を見て、とても驚きました。そして、喜びました。
「大介くんにお年玉を持ってきたよ。」
そう言うと、二人は大介くんの大好きな駄菓子たくさんをあげました。
「太郎くん、花子ちゃん、ありがとう。お年玉をもらえたらこんなにうれしいんだね。親せきっていいものだね。」
三人は大満足でした。
それから、三人は親せきがいない友達にお菓子のお年玉をプレゼントしに回りましたとさ。

3年生物語文 「トモヤの幽談記 そのさん」 122933

 トモヤはおばけが見える男の子です。
 これはトモヤが小学三年生の夏のお話。

 夏休み。トモヤは友達のカズヤとショウコといっしょに川へ遊びに行きました。
 太陽はカンカンと地面を焼き、セミはミーン、ミーンと一世一代の大合唱を歌っています。ユラユラとかげろうがゆれるアスファルトを自転車で走っているとつぅっと汗が頬を伝い落ちました。
 トモヤは早く冷たい水に飛び込みたいと思いました。この坂をこえたら川はすぐそこです。太陽の光を受けてキラキラとかがやく水面が見えるとトモヤ達はうれしくてかんせいをあげました。
 水着を服の下に着ていたので、トモヤとカズヤは服を脱ぎすてるとそのまま川へと飛び込みました。ショウコは女の子なのでちゃんと服とたたんでから飛び込みます。
 川に水は冷たく、夏の日差しでほてった体を冷ましてくれました。
 トモヤはカズヤとどちらが早く泳げるか競争したり、石で水切りをして遊んだり、みんなで魚をつかまえようと探したりしました。
 そうして夢中になって遊んでいると日はだいぶかたむいて、気付けばもう夕方になっていました。

「トモ、カズもう帰ろう」
「えー?」
「もうちょっとええやん」
 ショウコが帰ろうと二人をうながしますが、トモヤもカズヤも顔をしかめて帰るのをしぶります。二人ともまだまだ遊びたりなかったし、日がしずむまでもう少し時間があると思ったのです。
「けど日がくれてからぬれて帰ったらかぜ引くき、まだ太陽が出てる間に帰らん?」
 ショウコのその言葉に二人とも顔を見合すとしぶしぶながらうなずきました。
「けど最後に一勝負だけさせてや。おれとカズヤで向こう岸まで泳いで帰ってくるから、ショウコはしんぱんな」
「分かった。そんくらいならええよ」
 ショウコがそううなずくと、トモヤはカズヤといっしょに川に入って並びます。
「それじゃあ位置について」
 ショウコのその合図に二人そろってかまえました。
「よーい、どん!」
 じゃぶん!と水しぶきが二つ川に上がります。
 トモヤは平泳ぎで、カズヤはクロールで泳いでいきます。
最初はクロールのカズヤが前に出ますが、川の流れに流されてコースをずれていきます。カズヤがあわててきどうをしゅうせいする間に、少し先にトモヤが向こう岸にとうちゃくしました。
続いての折り返し戦はリードしていたトモヤが最初は先に出ていましたが、川の流れになれてきたカズヤが追い付いてきました。必死に追いつこういっそうばた足を強くするカズヤ。トモヤもそれに追いつかれまいと腕をかくスピードを上げました。

デッドヒートが続く中、二人が川の真ん中に差し掛かった時にそれは起きました。
「うぶっ!?」
 トモヤに並んで今にも追い越しそうになっていたカズヤがいきなり悲鳴をあげてもがき始めたのです。
「カズ!?」
 これにはトモヤも泳ぐのを止めてカズヤの方に引き返しました。どうやらばた足のやりすぎで足がつってしまったようです。
「カズ大丈……」
 そう言いながらカズヤに近づいたその時、それがトモヤの視界に飛び込んできました。
 手。たくさんの、手。
 まるで生気を感じさせない白い手が、何本も何本もカズヤの足に絡みついて水底へと引きずり込もうとしていたのです。
「ひっ」
 トモヤにはそれがすぐにおばけだと分かりました。けど、今まで会ってきたどんなおばけとも違って、この手は見ているとすごく嫌で怖い気持ちになりました。
「トモ……」
「カズッ!」
 一瞬、怖さのあまり固まっていたトモヤでしたが、カズヤの声を聞いて我に返りました。そして、カズヤの手を引くと一心不乱で岸に向かって泳ぎ始めました。
「トモッ!カズッ!」
 ショウコが岸で大きな声で叫びます。
 トモヤはその声を頼りに必死に泳ぎました。しかし、カズヤに絡みついていた白い手が今度はトモヤの方にも絡みついてきたのです。
 白い手が肌に触れた瞬間、トモヤは氷を押し付けられたような冷たさを感じました。
 (引きずり込まれるッ!?)
 トモヤがそう思った時です。どこからともなくお線香の香りがしてきたと思うと、体がなにか暖かいものに包まれたような感覚がしました。それと一緒に白い手が悔しそうに一つ、また一つとトモヤ達から離れていきます。
 訳が分からないトモヤでしたが、これを好機とカズヤを連れて岸まで一気に泳ぎます。そして無事に岸へと辿り着きました。
「トモ!カズ!大丈夫!?」
「はぁ、はぁ!」
「な、なんとか……」
 トモヤと一緒にカズヤも息絶え絶えな様子で答えます。けど、命に別状はないみたいです。
 と、急になにか強烈な視線をトモヤは感じました。慌てて振り返ると、川の真ん中に長い髪で顔が隠れた女の人が立っていました。それを見た瞬間、トモヤは今まで感じたことのないような寒気を感じたのです。女の人がニヤッと笑うと、手をトモヤ達の方に向けて差し出します。すると、川の中からいく十、いく百という白い手がトモヤ達を捕まえるようにおそいかかってきました。
「早く逃げろ!」
「え?」
「な、何?」
「いいから早く!!」
 訳が分からないといった風の二人を無理やり引き起こすと、トモヤは二人を推して慌てて河原から逃げて帰りました。
 わき目も振らずに自転車をこぎ続け、ようやく後ろを向いたのは町の中まで帰ってからでした。もしかしたらまだ付いてきているかもと少し不安でしたが、白い手はどこにも見当たらず、そこでようやくトモヤは一息つくことができたのです。

「『境目』というのはねあの世とこの世が重なりやすいんだよ」
「それってどういうこと?」
 数日後、おばあちゃん家に遊びに来ていたトモヤは川で起きた出来事をおばあちゃんに相談しました。するとおばあちゃんは厳しい顔をするとトモヤを椅子に座らせて話し始めたのです。
「そこに行くとおばけに会いやすいってことさ。川は岸と岸との『境目』だし、夕方っていう時間も昼と夜との『境目』だからね。その時その場所はとてもおばけと会いやすいかんきょうになっていたんだよ」
 それを聞いてトモヤには思い当たるふしがありました。川と夕方はそれぞれ別の時におばけに会ったことがあったからです。
「けど今回は嫌なやつに会っちまったね。あの川では毎年人が死んでいるんだよ。その死んだやつのなれの果てがその手であり、その女性なんだろうね」
 そう話すおばあちゃんの目はとても厳しく、そしてどこか悲しそうでした。
「いいかい、もう二度と夕方に川で遊んじゃいけないよ。次は帰って来れないのかもしれないのだからね」
 その言葉にトモヤはこくこくと頷きました。
 もとより言われなくても、もう二度と川で遊ばないとトモヤは固く心に誓ってましたから。

3年生物語文 「しゅんくんバンザイ」 122935

今は夏休み、しゅんくんは小学三年生。元気いっぱい男の子です。
そんなしゅんくん、さいきんやけに眠たいし、おなかもすきます。
「うーんなんでこんなに眠たいんだろう?」しゅんくんはフシギに思っていました。だけど別にこまらないので寝たいだけ寝て食べたいだけ食べていました。

 夏休みが明けました。するとおどろくことにクラスのみんなが小さくなっているようです。「なんでみんな小さくなったんだろう?」そんなことを考えながらもしゅんくんは、いっぱい寝ていっぱい食べました。

 おかしなことにみんなは日に日に小さくなっていきます。しかもそれを誰も気にしていないようです。「なんでかな?」しゅんくんは気になったのでクラスメイトのタケシに聞きました「なんでみんな小さくなっているのに気にかけないの?」タケシは答えます「そりゃーテメーが大きくなっただけだぜ、最近テメーがでかすぎて黒板見えないし、同学年って気がしねーな」この言葉を聞いてしゅんくんはおどろきそして悲しみました。そうクラスのみんなが小さくなったのではなくしゅんくんが大きくなっていたのです。しゅんくんは成長期だったのです。

 しかもしゅんくんは思春期に入っていたので他人から自分がどう見られるかをとても気にしました。なのでいつも猫背ぎみに過ごし、声も高めに話していました。しゅんくんはとても疲れ切っていました。そんなしゅんくんを見てタケシは心をいためました。「おれの言った言葉のせいでしゅんをきづつけちまったな・・・」

 そんなある日タケシがやってきて「成長期や思春期なんて誰もが通る道なんだ、君はただ一歩いや十歩ほど俺達の先へ行ってしまっている。そんな君の背中が見えなくなりそうであんなこと言っちまったんだ。ごめんな。
オメーはデケーから背中が見えなくなるなんてことないって今わかったよ、っはっはっはっは」といってくれました。
この言葉を聞いてしゅんくんは猫背も高い声もやめました。
もう悲しいことなんてありません。しゅんくんは低い声でバンザイと叫びました。

3年生物語文 「お散歩」 122936

とっても気持ちのいいよく晴れた朝のことです。きょうこは家の近くの公園まで散歩をすることにしました。愛犬のメリーと一緒に家を出て歩きます。
「風がとっても気持ちいいなぁ。」
春の暖かい風が、きょうこの表情を自然と笑顔にしてくれます。メリーも気持ちよさそうにとことこときょうこの横についていきます。

そうしているうちに、目的地の公園が見えてきました。少し前まではたくさんの桜が咲いていて、お花見をする人でにぎわっていましたが、花が散ってしまった今は静かな公園です。きょうこはメリーと一緒に公園へと入っていきました。公園の奥には広い原っぱがあります。そこから何人かの子供の声が聞こえてきました。目を向けてみると、同じクラスの女の子たちが、仲よく遊んでいます。

「私も一緒に遊びたいな…。」
きょうこは春にこのあたりに引っ越してきたばかりで、あまり友達もいません。人見知りな性格もあり、新しい学校、新しいクラスになじ
めずにいました。
きょうこはぼうっとしながら、公園からみんなを見ていました。

すると、メリーが突然原っぱのほうへ走り出しました。気を緩めていたきょうこの手から、メリーの手綱がするりと抜けていきます。
「メリー!待って!」
きょうこは必死になって叫びますが、メリーは広い原っぱで走りたいと思ったのでしょうか、一直線に走っていきます。きょうこがやっとのことで追いつくと、そこは原っぱの真ん中でした。もちろんクラスの女の子たちの視界にも入っています。
人見知りなきょうが、みんなに声をかけようか迷っていると。
「きょうこちゃん!」
と、女の子たちから声が上がりました。あわててきょうこがみんなの方を向くと、女の子たちがこちらにやってきました。
「きょうこちゃん、今ね、みんなで鬼ごっこしてるの。きょうこちゃんも一緒に遊ばない?」
きょうこは嬉しくなって、
「うん!」
と大きくうなずきました。

その日からきょうこはクラスにも友達ができ、だんだん学校にも馴染むことができるようになりました。みんなとたくさん公園や原っぱで遊んだり、人見知りも治っていきました。
もちろんみんなと遊ぶときは、メリーも一緒です。今日もきょうことメリーはみんなと仲良く遊んでいることでしょう。

3年生物語文 「弱虫なおくん」 122937

なおくんは、小学三年生。ちょっぴり、泣き虫で弱虫です。でも、とても優しい男の子です。なおくんは、ペットをかっています。犬のポチです。なおくんは、ポチのことをとても大切にしています。

なおくんの通っている小学校には、いじめっ子がいます。小学六年生のダイです。ダイはいつも年下の子をいじめては、たのしんでいる悪い子です。
「今日は、だれのところに遊びに行こうかなぁ。」
ダイはそういいながら、今日、いじめる子を探しています。なおくんは、そんなダイの声を聞いていました。
「どうか、どうか、ぼくじゃあ、ありませんように。」
なおくんは、ろう下のすみで、小さくなってかくれていました。
「よーし、今日は、なおに決めた。」
ダイはさけび、なおくんを、探しはじめます。なおくんは、怖くて動くこともできません。すぐに、ダイに見つかってしまいました。

ダイはゆっくり、ニヤニヤしながらなおくんに近づいてきます。なおくんは、怖くて、怖くて、ブルブルふるえていました。
「そういや、おまえ、犬かってたな。つれてこいよ。」
ダイは思い出したかのように、なおくんにいいました。なおくんは、ポチをダイのところにつれてきたくはありません。でも、ダイが怖くて、ことわることができません。なおくんは、ポロポロないてしまいました。
「おい、なお、早く、犬、つれてこいよ。」
なおくんは、しかたなく、ポチをダイのところへつれてきました。

「やっと、つれてきたか。この犬は、今日からおれのいぬだ。」
ダイは無理矢理ポチをつれていこうとします。ポチはとても、いやがっています。とても、悲しそうな目をなおくんに、むけています。なおくんも、もちろん、ダイにポチをつれていかれるのは、いやです。でも、足がすくんで動けません。
「ダイがこわいなら、ポチをみすててにげちゃいな。」
「だめよ、ポチを、助けるんだ。ポチはきみにとって、大切な存在でしょ。」
なおくんの頭の中で、二つの声が戦っています。
「ほら、早くにげるんだ。」
「ポチを助けなさい。勇気をだして。」
ボチは今にもつれていかれそうなっています。なおくんは、迷いを振り切るかのように、ぎゅっと、手をにぎり
「ダイ、ポチを返せ、ポチはぼくの大切な友達なんだ。」
ダイは、なおくんが大声でさけび、反抗してきたことに、びっくりしました。
「わかったよう。」
そう言ってポチをなおくんに返しました。

なおくんは、ダイに負けませんでした。なおくんは、自分に自信がもてるようになりました。そして、ダイは、年下の子をいじめることは、なくなりました。

3年生物語文 「オニの角」 122938

オニだけが住んでいるとある村に、オニ太というオニの子供がいました。全員合わせて百人くらいの小さな村で、オニ太と同い年の十歳の子供は、五人しかいません。ですが、みんな仲良く、毎日村の周りの山や川で遊ぶことが大好きでした。

ある日、いつものように山で遊んでいた時のことです。
「よし、今日は山のてっぺんまで競争だ。」
山の頂上までには五つの道があり、それぞれの地点から頂上までの距離は同じです。
「みんな位置についたか。一番最後のやつが最初に着いたやつの言うこと聞くんだぞ。」「よーい、スタート。」

五人が一斉にスタートしました。オニ太の選んだ道は、木が邪魔になって走りにくい道でした。
「ハア、ハア。あと半分。」
オニ太は五人の中では一番の体力自慢です。走りにくい道ですが、いい調子で駆け上がります。あともう少しのところまで差し掛かり、
「よっと。」
と木をジャンプして飛び越えたとき、ゴツン、ポトッ。という鈍い音がしました。
「いってー。」
勢い余って木の枝に頭をぶつけてしまったのです。しかも、
「あーーーっ、ぼくの角がない。」
オニ太の頭についていた角がとれてしまったのです。

それから少し経って、山の頂上では、オニ太以外の四人が到着していました。
「オニ太のやつ遅いなー。」
「あっ来たよ。」
オニ太がやってきました。しかし、様子が少し変です。両手で自分の角が見えないように隠しながら走っています。
「オニ太遅かったな。」
「お前何やってんだよ。」
みんなが不思議がります。
「何でもないって。」
「オニ太が最後だからおれの言うこと聞けよ。」
オニ太は焦り始めました。
「その両手どけてくれよ。命令だぞ。」
「嫌だよ。無理だって。」
「ずるいぞー。」
とふざけて無理矢理手をどかされてしまいました。
「あーーー。」
「角はどうしたんだよ。」
みんなが驚きます。
「来る途中で取れちゃったんだ。」

角が取れてしまったオニ太を励ましながら、五人は急いで山を降り、村で一番物知りの長老のところへ向かいました。
「長老ー。オニ太の角が取れたんだ。」
「ぼく、これからどうなるの。」
長老が大笑いしながら、
「おめでとう。」
と言いました。みんなは訳が分かりません。
「十歳頃になると、オニはこどもの角からおとなの角へ生え変わるんだよ。心配しなくてももうすぐ生えてくるよ。今度はおとなの角が。」
みんな納得し、一安心しました。
「良かったな、オニ太おめでとう。」
と四人がオニ太を祝福してくれます。すると、オニ太は急に泣き出してしまいました。
「なんだよ。そんなにびびってたのか。」
「そんなんじゃないよ。みんな本当にありがとう。」
この出来事は五人をさらに仲良くしたといいます。

3年生物語文 「森の屋敷」 122939

 メルは森で動物と遊ぶのが大好きです。ある日、遊びにむちゅうになってしまって、気づいたら辺りはまっくらになってしまいました。帰り道がわからなくなってしまってメルは途方にくれてしまいました。しかし、辺りを見回してみると明るくなっているところがあるのに気づきました。その方向に行ってみると、そこには屋敷がありました。メルは幸運だと思って、その屋敷を訪ねてみることにしました。

 メルが呼びかけると屋敷の中から仮面をつけた人が現れました。「道に迷ってしまったのですが、街までの道を教えてくれませんか。」そうたずねると、「街まではここからまっすぐ南に行ったら良い。でも今はもう暗くし夜行性の危険な肉食動物もいてあぶないからここにとまって明るくなってから行きなさい。」とやさしく言ってくれます。「ありがとうございます。ところでその仮面はこわいので外してくれませんか。」「これは外せないんだ。」そういって仮面を外すことはありませんでした。

 仮面の人に案内された部屋でメルはあの仮面したをどうにか見てみたいと思いました。そこで仮面のひとが寝ているときねらうことを思いつきました。十分時間がたってから、メルは仮面の人の部屋にこっそり入っていきました。ねてるのをかくにんしてからこっそり近づいていきます。そして、意をけっしてその仮面に手をつけました。その仮面の下には、とても人間とは思えないような顔がありました。そのときその人が起きてしまいました。[何をしている。」メルはこわくなって屋敷からにげだしました。

 メルはどこをどうやって進んできたのか覚えてはいませんでしたが、気がついたら無事に街についていることができました。後になって森には怪人がいて訪れた人を食べてしまうといううわさがあるることを知りました。メルはもう森で遊ぶことはなくなりました。

 そのころ屋敷では「やはり私は人間とはかかわってはいけないらしい。しかし、あの子が無事に帰れたようで何よりだ。あの時は私があの子におそいかかろうとした動物たちをとめていなければ・・・」とつぶやく声があったそうな。

3年生物語文 「倉地君の初ヒット」 123119

 「また三振かよ。」
その声とともにベンチからため息も一緒に聞こえてくる。
 倉地君はある少年野球チームで練習をしている。まだチームに入って四か月で、メンバーの中で二番目の新入りだ。このチームはで毎年県大会では上位に入っている強豪のチームだ。

その紅白戦で倉地君は三打席すべてで三振だった。前回の紅白戦でも三振ばかりだった倉地君にみんなもあきれてきていた。そして倉地君自身もそのことにすごく落ち込んでいた。それに追い打ちをかけるように、唯一、倉地君より後にチームに入り、今までヒットを打ったことのなかった石島君が、今回の紅白戦で初めてヒットを、それも二本打ったのである。まだ一本も打ったことがない倉地君はとても落ち込んでいた。

 その日の練習が終わって倉地君が帰ろうとしていると、
「倉地、ちょっといいか。」
だれかと思って振り向くと、キャプテンの浦上君だった。
「ヒットが打てなくておちこんでないか?」
その通りだったので、はいと返すと、浦上君は、
「落ち込まなくても大丈夫だよ。最初はそんなもんだよ。僕なんか野球を初めて半年も打てなかったぞ。」
この言葉に倉地君はとても驚いた。なぜなら、浦上君はこのチームの一番打者として大活躍しているからだ。
「僕はそれが悔しくて、それからすごく努力したんだ。そうしたら少しして初めてヒットが打てたんだ。倉地君も頑張れば必ず打てるようになるよ。」

 それから倉地君はいつも以上に練習を頑張るようになった。積極的に居残りで練習をしたり、帰ってからも素振りをしたり、野球の本を読んだり本当にたくさんの努力をするようになった。
 浦上君のことを信じて、ヒットが打てるようになれるように本当に頑張った。

 そうして迎えた一か月後の紅白戦、9回裏、3対3の同点、2アウト3塁で倉地君の打順がきた。ヒットが出ればサヨナラ勝ちだ。その日もまだヒットが打てていなかった倉地君は初球からバットを振った。するとボールは内野の間を抜けていった。その瞬間、倉地君の表情は、はちきれんばかりの笑顔になった。

3年生物語文 「いっしょにあそぼ」 123817

ある日ツバサ君は何もすることがなくぼうっとしていました。ツバサ君は一人っ子で遊んでくれる兄弟がいません。また、ツバサ君は人見知りが激しく、ともだちに話しかけたり近所に住んでいる人に話しかけたりすることがはずかしかったのです。人に話しかけることが苦手なツバサ君はいつも一人でいました。話しかけてくれるお友達や近所の人がいるのですが、どのように返事をすればいいのかわからず、なかなか集団の中に溶け込むことが出来ませんでした。そんなことを日常にしていると、一人で遊んだほうが楽しいんではないかと、思うようになりました。

いつもツバサ君は、
「今日は何して一日遊んで過ごそうかな。」
と考えていました。ツバサ君はいつも一人で一日を過ごしていたのです。
「今日も近所をぶらりと探検してみよう。この前気になる道を見つけたからその道の奥を探検しよう。今日は何か新しい発見があるかな。」
と今日のすることを決めたツバサ君は早速出かけていきました。ツバサ君は最近一人遊びをするときは町探検をするのでした。
この前探検したところまで行くと気になった道を見つけました。ツバサ君はこの前見つけたときから気になっていたので、迷わずその道を通っていきました。その道を突き進んでいくけれども家が立ち並んでいるだけでした。

「なーんだ。何にも面白くないところだな。」
と、思いながら歩いていました。するとどこからか
「――やつこの指とまれ。」
と言う声が聞こえてきました。ツバサ君は少し気になって、どこから聞こえてくるのだろうかと思い、声のするほうへ行きました。だんだん近づいてきたのか、声が大きくなってきました。すると
「ぼくと遊ぶやつこの指とまれ。」
とはっきり聞こえました。ツバサ君と同じぐらいの男の子でしょうか、一人で大きな桜の木下に立っていました。人見知りなツバサ君は声をかける勇気もなく、ただジーとその男の子を見ているだけでした。
「ぼくと遊ぶやつこの指とまれ。」
と言って動かない男の子をジーと見ていたからか、その男の子はツバサ君に気づきました。すると、男の子はタタタッとツバサ君に近寄ってきて、
「ぼくと遊ぼう。」
と言いました。急に近づいてきて急に聞かれたツバサ君は、
「う、、、、うん。あ、、、そぶ、、よ。」
と途切れ途切れになりながらも、緊張しながら答えました。ツバサ君はそう答えると、その男の子はうれしそうに、
「うん。いっしょに遊ぼう。何してあそぼっか。」
と言いました。ツバサ君はいまだに緊張しながらも、勇気をふりしぼって、
「な、、、何でも、、いい、よ。」
と言いました。男の子はうれしそうにあれをしよう、これをしようといろんなあそびを言いました。ツバサ君は男の子が提案した遊びを次から次えといっしょに遊びました。

男の子と遊んでいるうちにツバサ君も楽しくなり、二人で遊んだほうが楽しいんだから、もっと多くの人と遊んだら楽しいだろうなと考えていました。もうすぐ日が暮れるなというときに男の子は
「最後に鬼ごっこをしよう。ぼくは逃げるから君が鬼になってね。」
と言いました。ツバサ君はいっしょに遊んだことが楽しくて時間が過ぎるのが早く感じました。もう帰る時間かと思うと少し悲しくなりました。
ツバサ君が鬼になって男の子を追いかけているといつに間にか町探検していたときに入ろうとしていた道にたどり着きました。
「あれ、あの男の子はどこに行ったのかな。」
とあたりを見渡しましたが見当たりませんでした。すぐにツバサ君は、
「もう遅いし、帰ったのかな」
と思い自分も帰ろうとしました。すると
「今度はたくさんの友だちと遊びたいな。」
という、小さな声が風にのって聞こえてきました。その声にはっと振り返ると、今まであったはずの道がなくなっていました。その声はさっきまで遊んでいた男の子の声でした。その声がはっきり聞こえたツバサ君は、男の子に答えるように
「ぼく、がんばって友達たくさん作るよ」
とつぶやきました。

その日からツバサ君は人見知りな性格を変えていこうとお友達に精一杯の勇気を出して声をかけました。お友達は心からツバサ君を歓迎しました。ツバサ君は多くのともだちを作りました。あの男の子と遊んだことは今でもツバサ君のいい思い出になっています。

3年生物語文 「ゆらゆら橋」 123819

 ある森の奥にゆらゆら橋という橋がありました。その橋はその名のとおり渡るたびにゆらゆらと揺れる橋でした。そんなゆらゆら橋の近くには父と息子の二人暮らしをする家族が住んでいました。子の名は晴太といい、臆病な男の子でした。

 ある日、父はいつもは一人で行く狩りに晴太をつれていくことにしました。それには理由があり、それは臆病な晴太にもっと強くなってほしからでした。そして、狩りに行くには必ずゆらゆら橋という橋を渡らねばなりません。そのことを晴太知っていたので狩りに行きたくありませんでした。案の定、晴太は狩りについて行ったものの橋を渡れず家に引き返してしまい、それを父は黙ってみることしかできませんでした。

 あの日以来父は晴太を狩りに誘うことはありませんでした。そして今日も一人父は狩りにでかけました。その日の父は体調がよくありませんでした。そのことは晴太も勘付いていましたが見送ることしかできませんでした。その日の夕方。いつまでたっても父は帰ってきません。そこで晴太は勇気を振り絞ってあのゆらゆら橋へと向かいました。

 ゆらゆら橋にたどり着き、そこで晴太はゆらゆら橋の向こうで倒れている父を見つけました。「父さん!!」何度叫んでも父は起き上がりません。晴太は自分の中にある恐怖と焦りで混乱していました。晴太は「このままじゃ父さんは死んでしまう、僕はできる!」と心に言い聞かせました。そして、やっとの思いでゆらゆら橋に踏み出し、一気に走り抜けました。

 父のもとにたどり着き、父を担いで家に帰りました。そして、薬を飲ませることができ、父は助かりました。あの時の晴太の勇気がなければ父は今生きていたかわかりません。父は「晴太、おまえは勇気のある子だね。ありがとう。」と晴太に言い、晴太は喜びました。それから晴太は父と狩りに行けるようになりました。ですが、今でも晴太はゆらゆら橋を渡るときは一気に走って渡るようにしているようです。

3年生物語文 「犬猿の仲」 123820

「今日から一年間、ペアを決めます。」
 おれのクラスは、四月にくじ引きでペアを決める。このペアというのは、日直や係りの仕事をいっしょにやる人のことだ。一年間、楽しく仕事をするには、このくじ引きが大切である。
 「猿本。」「はーい。」おれはよばれてくじを引いた。「十二番です。」まだぼくと同じ番号の人は出ていないようだ。すると、後ろから声が聞こえた。「ぼくも十二番。」そう言ったのは、クラスで一番頭がいい犬山。
 おれは一番気が合わなさそうな犬山とペアになってしまった。

 今日は初めての日直。日直は朝みんなよりも早く登校しなければならないのに、おれはすっかりわすれていた。
 朝教室に入ると、犬山はもうすでにいた。朝の日直の仕事はもう終わっているようだ。
 「あ、ごめん。わすれていた。」おれは一応あやまった。すると犬山は、
 「やる気がないなら、ぼく一人でするから、君はもう何もしなくていいよ。」
「なんだよ。そんな言い方することないだろ。」
「君が仕事をしないせいで、ぼくまでおこられるのはいやなんだよ。それなら君の分までぼくがした方がましだ。」
「じゃあもう何もしないよ。」
 とうとう2人はけんかしてしまった。

 その日は色々な仕事があったが、全部犬山が一人でこなしていた。猿本も、犬山におこられるのはいやだったので、何もしなかった。
 時々目は合ったが、おたがいにすぐそらすだけだった。

 日直は昼休みにうさぎのえさやりもする。もちろん犬山は一人で飼育小屋まで行った。
  小屋の中をそうじしていると、とつぜん一ぴきのうさぎがにげ出した。ひっしに追いかけても、間に合わない。
 (どうしよう。)犬山はとてもあせっていた。
 そのとき、「待てーー!」という声がした。そしてうさぎをつかまえた。それは犬山にあやまろうとして飼育小屋までついて行っていた猿本だった。

「さっきはありがとう。」犬山はてれて言いました。「朝はきつく言ってごめん。」「おれの方こそ、おくれてごめん。」「これからは2人でいっしょにがんばろう。」
先生は「2人はいいペアですね。」と言いました。
「いえ、ちがいます。」2人は声をそろえて言いました。
 「おれたちはいいバディです。」

3年生物語文 「ねぼすけじろうくん」 123821

 あるところに、りょうくんという男の子がいました。りょうくんは野球が大好きで学校が終わると友達と野球をするのです。そして、りょうくんの野球仲間に、じろうくんという子がいました。じろうくんは寝ることが大好きで授業の間も休み時間もずっと寝ています。じろうくんが起きているのは、野球をしているときだけなのです。
りょうくんがいつものように、じろうくんを家に迎えに行きました。そこでじろうくんのお母さんがりょうくんに一つ、お願い事をしました。
 「どうにか、じろうがちゃんと起きていられるように、りょうくんから言っておいてくれないかしら。」
 りょうくんは元気よく「分かった!」といって、学校へじろうくんを引っ張っていきます。しかし、困りました。今まで何をしてもじろうくんは眠り続けていたのです。これは作戦を立てねばなりません。りょうくんは友達の野球仲間の一人、がっくんに相談してみました。
「がっくん、じろうくんをどうにか寝させないようにしたいんだけど、どうしたらいいかな?」
「え、まだあきらめてなかったの?」
 りょうくんがゆすっても、名前を耳元でさけんでも起きないじろうくんのことは、とっくにさじを投げているとがっくんは思っていたのです。
「じろうくんのお母さんに頼まれたんだよ。なにか良い考えないかな?」
「えー…んじゃ何かで釣る、とか?」
「釣る?」
「楽しみをえさにして、頑張らせるんだよ。ぼくいっつも宿題しないとゲームやらせてもらえないんだよねー。」
「なるほど。」
 正直、ならさっさとやればいいじゃないかとも思いましたが、確かにがっくんの言うことにも一理あります。
「ありがとうがっくん。その作戦でいってみるよ。」
「がんばれよー。」
 しかしそうは言ったものの一体なにで釣ればいいのか、悩みます。
「他の野球仲間にも相談してみるかなー、ん?野球?そうだ!」
 りょうくんは思いつきました。じろうくんは野球が大好きなのです。それで釣ってしまえばいいのです。さっそく寝ているじろうくんの席へ行ってたたき起こしました。
「んーりょうくん痛いよー。何?」
 むにゃむにゃしながらじろうくんはりょうくんに尋ねます。
「じろうくん!今から学校終わるまで寝たら、今日野球しちゃ駄目だからね!」
「ええ?!」
 じろうくんは驚きました。急にそんなことを言われたのもありますが、内容が問題でした。
「野球しちゃ駄目って、そんなのやだよ!」
「それじゃ起きてて。」
「無理眠い。」
 このままじゃらちが飽きません。
「とにかく今日一日絶対授業中寝ちゃ駄目だよ!お母さんが悲しむよ、それでもいいの?」
 じろうくんは、はっとしました。いつもお母さんは優しく許してくれていましたが、悲しくないはずないのです。お母さんのおいしい手料理を食べているときですらじろうくんはうつらうつらしているのですから。
「分かった、僕頑張るよ!」
 じろうくんの戦いは始まりました。目をこすりまくって赤くなっても、頬をたたきすぎてはれてしまっても、腕をつねりまくって感覚がにぶくなってもあきらめませんでした。午前はなんとか終わりましたが、問題は五時間目です。ご飯を食べたばかりのじろうくんにとって眠らず授業を受けるというのは地獄でしかありませんでした。気をきかせたりょうくんにもらった濡れハンカチで目を覚まし一日をなんとか乗り越えたのでした。
「りょうくん!ぼく一日起きてられたよ!!」
「うん、見てたよ。すごいねじろうくん。」
 嬉しそうに報告をするじろうくんにりょうくんまで嬉しくなってきました。
「これで心おきなく野球ができるね!」
 二人は笑いあいながら広場へ向かいました。

 今日のヒーローはじろうくんでした。ヒットを三本も打ち、決勝点もじろうくんの手によるものです。学校で一切寝なかったこと、野球で大活躍したこと。大好きなお母さんに一刻も早く報告をするためじろうくんは家に急ぎました。りょうくんの背中におぶさって。
「あら、結局寝ちゃったの?」
 お母さんは苦笑いです。でもりょうくんは知っています、じろうくんが頑張っていたことを。
「違うよ!じろうくんはすごかったんだ!」
 りょうくんは今日一日のじろうくんの武勇伝を自分のことのように。誇らしげに語りました。

4年生説明文

4年生説明文 「保存食の仕組み」 91444

 食べ物のなかには、保存食といわれるものがあります。保存食とは、気候や風土の関係で、長期にわたり食料の確保に困難がある地方や、食料の確保や輸送、あるいは貯蔵や調理に大きな制約をうける状況下で必要とされ、工夫されてきた生活の知恵です。

 ところで、このように長期にわたり食べ物を保存できるのはなぜでしょうか。まず、保存食のはじめは、手作業・手作りの時代です。この時代の保存食は、天然の素材と自然界にある様々な現象を最大限に利用して、保存しやすくするような工夫がされていました。塩蔵、糖蔵、乾燥、燻製、発酵などです。保存のための技法により、良い意味でも悪い意味でも食品の性質は大きく変化してしまいます。また、加工後の食品を食べるには特殊な調理が必要となる場合も多いです。このため、保存方法それぞれに特化した調理法や食文化を発生させています。

 次に、缶詰の時代です。1804年にフランスで広口ビンに食品を詰める「ビン詰め」が発明され、1810年金属容器が発明されて「缶詰」が生まれました。これらは軍用食という需要があって開発された技術ですが、これの加熱殺菌と密閉によって、食品の風味をあまり損なわない長期保存が可能となりました。しかも、これらは調理済みであるため、容器を開けるとそのまま食べることができます。当初は軍用食として開発された缶詰でしたが、その有用性・利便性が知れ渡り、19世紀の中ごろより現在に至るまで、一般でも広く量産され続けています。

 最後は、冷凍保存の時代です。近年は冷蔵庫や冷凍庫を所持する家庭が大半であり、特に冷凍を利用した長期保存が可能です。低温で腐敗菌の繁殖を抑え、長期保存を可能にしました。調理済みのもの、半調理済みの素材、生の素材、いずれも冷凍により、長期保存が可能です。さらに、缶詰の技術を応用し合成樹脂のフィルムを密閉したレトルト食品や、乾物の技術を発展させたフリーズドライも保存食の歴史を変える大きな技術革新です。

 こうした変化は、人間の社会のありようが変化していく中で、そこに生活する者の食料を保存・輸送して安定して供給する上で役立っています。災害や飢饉の際の非常食としての役目もあり、現代社会においても備蓄が奨励されるべき物であるといえます。近年では、調理の不要なインスタント食品としての需要も大きく、一般から宇宙開発なの先端の分野まで、幅広い分野で利用されています。

4年生説明文 「打楽器のしくみ」 102917

打楽器とは、こだいこやおおだいこ、タンバリンなどの楽器のことです。これらの楽器に共通していることは、たたく面に皮が張られていて、その部分を手や棒を使って音を鳴らすということです。そのしくみは、どのようになっているのでしょうか。

まず、皮の張り方で音の高さが変わります。皮の張り方が強ければ強いほど音は高くなります。またゆるく張れば低い音がでます。皮の張り具合はねじをしめることで調節することができます。

次に、こだいこやおおだいこでは、筒の部分の長さによっても音の高さが変わります。筒の部分が長くなれば長くなるほど音は低くなり、太くもなります。また、筒の部分の長さが短くなれば音は高くなりするどい音が鳴ります。打楽器をたたく人は、好みの高さが出る筒の長さを探しています。

最後に、その皮や筒の材質によって音の質が変わります。動物の皮やナイロンの皮がありますし、筒には木や金属を使ったものがあります。打楽器奏者はじぶんの好みの音がでるように、いろいろな材料を試して選んでいるのです。

4年生説明文 「一輪車のしくみ」 102921

 一輪車は、ほとんどの小学校においてあり、たくさんの人が乗っています。最初は乗るのが難しいですが、コツをつかめばすぐに誰でも乗ることができます。そのしくみはどのようになっているのでしょうか。

 まず、人が座ることができるサドルがついています。自転車にもついているこのサドルがあることによって、人はバランスをとりやすくなります。サドルを中心として、バランスをとり乗り続けることができるのです。サドルは前にも後ろにも倒すこともでき、前いこけそうになると後ろに体重をかけることで、こけることなく進むことができます。

 次に、足を乗せてこいでいくペダルがあります。ペダルは足をおきかえる必要がないようにできています。それはペダルが回転することで表と裏の区別がなく、何度回転しても足をおきかえる必要がありません。さらに左右で反対方向についているため、右側に力をいれると左側が上にあがってきて、左側に力がいれやすいようになっています。

 そして、進んでいくためのタイヤがあります。タイヤがころがることによって、前に進むことができます。さらにタイヤに空気がはいっているために、進んでいても痛くありません。中の空気が力を吸収してくれています。

 単純なしくみの一輪車ですが、実は様々なくふうがされています。みんなが安心・安全に乗れるようにいろいろな知恵が活用されています。

4年生説明文 「体が働く仕組み」 112710

大きく息を吸ってみてください。今何を吸い込みましたか。空気と答えましたか。もちろんそれで正解ですね。ではその空気の中には何があるでしょう。窒素、酸素、いろいろありますね。実は他にもたくさんあるのですが、その中に病気の原因になったり、体に悪い微生物がたくさんいます。病気の原因になる微生物が体の中にいっぱい増えてしまうと大変ですね。でも、安心してください。私たちの体には、自分の体を守ろうとする働きがあるのです。

大きく分けて二通りあるのですが、一つ目は体の中に入れないでおこうとするはたらきです。例えば、体をおおっているひふです。微生物はひふを通って体の中に入れないのです。他には目から入ろうとする微生物をなみだが流したり、鼻や口から入ってきた微生物をせん毛が外へ押し出したりしています。このほかにも体にいれまいとする仕組みはたくさんあります。しかし、それでも体にはいるのをすべては防げません。

そんなときにそなえて、二つ目に体の中に入ってきた微生物と戦うはたらきがあります。入り込んだ微生物が毒を出し始めると、まず、白血球がそこにいき、微生物を食べます。白血球は働きながら助けを求めるので、新しい白血球がどんどん作られます。同時に、高い熱が出ます。熱は微生物の働きを弱めます。つまり、高い熱が出たときは体の中の戦いが大変な時なのです。ですから、そういうときはゆっくり休んで、白血球を応援してあげましょう。

私たちが勉強しているときも、遊んでいるときも、寝ている時でさえも、私たちの体は常に自分の体を守るために働き続けています。たまには体にありがとうっていってあげてくださいね。

4年生説明文 「肉食・草食」 113102

動物にはヤギやゾウのような草食動物と、ライオンやトラのような肉食動物と、人間のような雑食動物とがいます。これらのちがいはただ食べるものがちがうということだけだはありません。

まず目のついている場所がちがいます。
肉食動物は、顔の前に目がならんでついていますが、草食動物は顔の側面にあります。肉食動物は獲物までの正確な距離をしっかりとらえなければ獲物とることができないため二つの目の視野が重なるところが大きくなるように二つならんでついています。

これに対して草食動物は顔の側面に目がついているためとても視野が広くなっています。これは草食動物はしっかり生きていくために肉食動物に食べられないようにしなければなりません。そのため常に肉食動物に狙われていないか注意するため視野を広くするべく目が顔の側面についています。

また歯の形もちがいます。
肉食動物は前歯がするどく発達していて、これを犬歯といいます。人間でいうところの八重歯のことです。肉食動物はこのとがった犬歯で肉をひきちぎって食べるのです。

草食動物は奥歯が発達していて、歯の一本が大きく平たくなっています。この歯を臼歯といいます。草食動物はこの大きくて平たい臼歯で草をすりつぶして消化しやすくしてから食べるのです。

このように、食べるものがちがえば、からだのつくりもちがうのです。

4年生説明文 「コミュニケーションの方法」 113103

人に何かを伝えるときのコミュニケーションの方法はたくさんあります。会話、手話、手紙、メール、アイコンタクト、表情などなど他にもたくさん方法はあります。昔の人は遠方の人と連絡をとったり何かを伝えたりするとは必ず手紙を用いていました。その時代にはEメールも電話もなかったからです。しかし、現在ではEメールという手軽ですぐに伝えることのできる電子機器でのコミュニケーションが主体となってきました。世間では手紙のほうが良い、Eメールのほうが良いと批評する人たちもいます。では実際この二つではどちらのほうがコミュニケーションの手段に適しているのでしょうか。

まず、手紙の手段から考えていきましょう。手紙はまず自分で書くというところに良さがあります。何かを伝えたい人が自分の筆で書いたり、相手の人のことを考えて試行錯誤して文章を書くことによって気持ちがよりいっそうこもり、その人の個性も表すことができます。そして読み手も書き手の気持ちをものすごく感じることができ、あとあと読み直してみたりするとより懐かしい気分になります。書いた手紙を封筒に入れ、切手を貼り、ポストに入れて、相手からの返事を時間長くして待つ、それが手紙の醍醐味であり、ものすごくワクワクさせます。
しかし、その過程がめんどくさいと言われてしまうとそれまでです。時間がかかるのですぐに返事がほしいときには適していません。そして料金もEメールより高いし、一旦送ってしまうと手元に残らないので自分が送った内容を後から確認することはできません。また自分の届いてほしいときに届くとは限らないし、自分が外出してるときは手紙を受け取ることはできません。このように手紙は気持ちがたくさん伝わりやすいけれども受け送りの際には少し手間がかかってしまうのです。

Eメールの方はどうでしょう。手紙とは違い、料金は安いですし伝達がものすごく速く、受け送りの際の手間もほぼかかりません。使い方さえ覚えれば簡単に送ることができます。そして同じメールを一人に限らず何人もの人に送りたいとき一斉に送ることができますし、自分が送った内容も保管できるのであとから確認することもできます。文章だけでなく画像や音声も送ることができ、コミュニケーションの幅が広がります。しかし手紙と比べるとやはり気持ちが伝わりにくい部分もあります。懐かしい気分など手紙でしか味わえない部分がEメールでは味わえません。簡単に送ることができるので軽はずみな言動などが送られて喧嘩になってしまうこともありますし、送信者がもしかしたら本人ではない可能性もあります。また、情報の漏洩やウイルスメールが送られてくる可能性もあり、セキュリティー問題も生まれてくるでしょう。

こう考えてみるとどちらにも長所と短所があり、どちらのほうが良いという決定的な答えは出すことができません。なので場面場面で使い分けることがもっともよい方法だと思います。昔の友人や、故郷に住んでいる親、お世話になった恩師やなどに久しぶりの挨拶や、思い出、最近の出来事などについて語りたいときは手紙で書くと良いでしょう。手紙からは書き手の感情がたくさん詰まっていて、懐かしさがよりよみがえったり、読み手の心もものすごく動かされます。そして、すぐに返事がほしいときや、事務的な簡単な連絡、友達とのたわいもない話や相談など気軽に伝えたいときはEメールを送ると良いでしょう。手紙よりは速く返事が帰ってくるし、手間もなく朝でも昼でも夜でも受け取ることができるのでいろんな情報をすぐに手に入れることができます。

このようにして内容によってコミュニケーションの方法を変えることはとても大事なことだと思います。現代にはたくさんのメディアがあり、コミュニケーションの幅も広がってきました。それを上手く使いこなして、人と人とのつながりを大切にしましょう。

4年生説明文 「携帯電話の歴史」 113104

 現在、みなさんにとっては当たり前のもとのしてみんなが持っている携帯電話ですが、普及が進んだのはつい15年ほど前です。ではどのように携帯電話は普及していったのでしょうか。

 携帯電話が実用化されはじめたのは1965年に発売された「ショルダーホン」です。これは、今と違って手で持てるようなコンパクトなものではなく、肩にかけて持ち運ぶもので、重さはなんと3kgもあったのです。携帯電話として1987年に発売されたものでも750gもあり、今とはくらべものになりません。

 1990年代になると、着信音に好みの音楽が設定できる着信メロディや、ポケベルと連帯したメッセージサービスを利用できるようになりました。1999年にはiモードが日本でスタートし、インターネットへ接続できるようになり、通信速度が向上しました。

 2000年代に入ると、様々な機能をもった携帯電話が登場しはじめ、今日ではパソコンとあまり機能の変わらないスマートフォンが登場しました。様々な便利な機能がつき、我々の暮らしにとって欠かせなくなったものですが、暮らしを豊かにしてくれただけではないのです。

 便利であるが故、使いすぎたりして目を悪くしてしまったり、夜遅くまで使っていたり、悪いサイトに入ってみたりなど、目に見えない相手がいることを忘れてはいけません。便利なものほど使い方に気をつけないといけませんね。

4年生説明文 「時計の仕組み」 113119

人間にとって大事なもの。
それは時間。
時間を知るためには時計が必要です。
その時計は一体どんな仕組みでしょうか?

まず、短針と呼ばれるものがあります。
短針は1日で時計を二周します。
短針は1番大きな単位で時間単位で進んで行きます。
これがないと生活のおおまかな時間をしることができません。
ゆえに、生活のリズムが取れなくなってしまいます。

次に長針と呼ばれるものがあります。
長針は1時間で一周します。
長針は真ん中の単位で分単位で進んでいきます。
これがないと、待ち合わせの細かい時間を設定しにくくなります。

最後に秒針と呼ばれるものがあります。
秒針は一分で一周します。
秒針は1番細かい単位で秒単位で進んでいきます。
これがないと3分間や1分間などのきっかりした時間をはかれなくなります。

このように時計は色々な単位で我々の生活に直結しています。
そして、こうしている間にも刻一刻と時間はすぎていきます。
時間は待ってくれません。
やらなければいけないことはできる時にするべきです。

4年生説明文 「衣服の役割」 113604

私たちはみんな、服を着て生活しています。衣服にはどんな役割があるのでしょうか。

一つ目は、体を守る役割です。衣服を着ることにより、例えば熱いコーヒーをこぼしてときに直接皮ふにかかることを防げます。また、植物のトゲが皮膚に直接刺さることも防げます。

二つ目は、体温を調節する役割です。寒いときにはたくさん着こんだりセーターなどを着たりすることで、体温を保ちます。

そして三つ目は、体を安全で清潔に保つ役割です。衣服は汚れや細きんから皮ふを守ったり、皮ふから出る汗などの排せつ物を吸収してくれます。

衣服は、このように大事な役割をになっています。デザインだけでなく、目的や用とにあった衣服を選んで着たいものです。

4年生説明文 「お金とは」 113612

 みなさん、お金を使ったことは一度はありますね。そのお金とは一体どういったものか知っているでしょうか。
 お金とは、生活していくにあたって、欲しいものや必要なものを手に入れるために使われるものです。また、「価値の尺度」「交換の媒介」「価値の保蔵」も受け持っています。それがお金のもつ意義です。

 では、実際にお金を見てみましょう。「お金そのもの」は単なる紙や金属であり、大した価値はありません。加えて日本のお金は不換紙幣、つまりその紙幣が示す同じ金額の金(金属の「きん」)との交換が保証されていないのです。普段は意識しませんが、「お金」の価値は、自分を含む皆が「お金はその同じ価値のものと交換できる」と信じ込んでいてこそ発揮されるものなのです。

 ところで、お金が存在しないとどうなるでしょうか。想像してみましょう。
 もし、あなたがお金が無い世界で生きていこうとすると、生活に必要なもの(家、食料、服、日用品など)を自分で作らなければなりません。毎日毎日、多くの時間をそうした生活必需品の製造と維持に割かなければなりません。
 しかし、それでも手に入らないものもあります。例えば、海や川から遠く離れた地域に住む人は、どうしても魚が手に入りません。逆に、川や海の傍に住む人は山菜などは手に入りません。そこで、両者の間でまず原始的な物々交換が行われました。しかし、もし山の人が魚ではなく塩を欲しがっていたらどうなるでしょう。魚を持って行った人は山菜を手に入れられず、魚もその間に腐ってしまいます。

 そこで、物々交換をよりスムーズに行うためにお金という考えが生まれました。まず、製品に金額を決めたり(価値の尺度)、お金を持っていれば商品と交換してもらえるという暗黙の了解が作られました(交換の媒介)。また、食料品などはいずれ傷んでしまうので、お金(金属や紙など)に交換しておくことで保存できます(価値の保蔵)。 お金があるおかげで、私たちは重い商品を運ばずに、軽くてかさばらないお金(現在ではより「軽い」クレジットカードや電子マネー)を持ち運ぶことで、他人の作ったものを簡単に手に入れられます。お金とは、価値のあるモノを繋ぐ潤滑油のような存在なのです。

 お金が誕生したことで、分業がより簡単になったことも忘れてはいけません。分業が進んだことで、人はより多くの時間を手にしました。これは、「鍛冶屋は食欲を満たす為に、自分でパンを焼く必要が無い。」という言葉で表せるでしょう。
 お金とは人間がより生活しやすくするために長い年月をかけて考え出した発明品なのです。

4年生説明文 「金環日食のしくみ」 113803

 2012年5月21日、あたりが薄暗くなりました。空を見上げると、大きな輪が見えます。日本では25年ぶりの「金環日食」が起こったのです。

 金環日食とはどのようにして起こるのでしょうか。日食とは、太陽−月−地球がほぼ一直線上に並んだとき、地球から見て月が太陽の前を通り、その一部または全部を隠してしまう現象です。いくつか種類がありますが、太陽と、見かけがそれより少し小さい月がぴったりと重なって、太陽がリング状に見えるときがあります。それを金環日食といいます。

 部分日食を含めると、地球全体では1年に数回の日食が起きていますが、毎回、金環日食になるわけではありません。また、金環日食は大変狭い範囲でしか見ることができないため、あるひとつの場所で考えると、金環日食はめったに起こらない珍しい現象ということになります。

 太陽の光は非常に強いため、その大部分が隠れていてもまぶしすぎて欠けている様子がわかりません。金環日食の間を含め、日食を直接見るには太陽観察用のプレートやメガネなど特別なフィルターが必要です。フィルターには、太陽のまぶしさを抑え、有害な光線をふせぐ役割があります。太陽観察用以外の、一般的なサングラスや黒い下じき、色つきガラスなどは有害な光線が通り抜けてしまうおそれがあるため、確認せずに観察に使うのは非常に危険です。目を傷め、視覚障害を引き起こすことがあります。

 次回、日本で見ることができるのは、皆さんが大人になっている、18年後の2030年6月1日です。とても楽しみですね。

4年生説明文 「冬眠について」 122016

 みなさんは冬眠についてどれくらいのことを知っていますか。
熊が冬眠していることを題材にした本など見たことがある人も多いでしょう。
冬眠とは、動物が冬の間静止して、長い期間食物をとらず、活動性が著しく低下する状態のことをいいます。
冬眠している間、動物たちはずっと眠っているのだろうか、どのような活動をしているのだろうか、様々な疑問があります。
それでは、冬眠について詳しく見てみましょう。

 まず、冬眠中のエネルギーについて考えてみましょう。
ほとんどの冬眠動物は、冬眠前に体重の30〜40%にあたる脂肪を体内に蓄積します。冬眠中はこの脂肪を使って、代謝活性のためのエネルギー源とし、飲まず食わずの生活を続けるものが多いです。冬眠中、体温は外気温に応じて下がり、それと同時に呼吸数,心拍数も減り、エネルギーの消費量が節約されます。それでも、ほとんどの冬眠動物は、冬眠期間中、2〜15日おきに目を覚まして体温を上げ、排泄をしてまた眠るといったことを繰り返すので、かなりのエネルギーを消費します。だから、冬眠前に十分な食物が得られず、体脂肪を蓄積できなかった個体や,冬眠から目覚めて地上に出てきた直後の個体では,死亡率が高くなるのです。

次にどのような動物が冬眠をするのかを考えると、食物という観点から見ると、季節によって得られる食物量が大きく変動するものに冬眠する動物が多いです。昆虫食、昆虫と果肉食、花粉食、草食などの動物がそうです。これらの食物は、どれも供給される時期が限られ、特に冬に乏しくなります。こういった食物を、条件が良い時期に脂肪という形で体内に蓄積し、あとは眠って過すので、生活戦略的にみるととてもうまい仕組みといえます。シマリス類のように、体脂肪を蓄える代わりに、冬眠中に食べるドングリなどを貯蔵する変わり種もいます。

最後に、冬眠が生存に有利なのかどうかという点について考えてみましょう。
冬眠期間の死亡率は,予想外に低いようです。エゾシマリスの場合,春から秋の活動期間中には、およそ50%の個体が捕食されるなどして死亡するのに、冬眠期間中は5%以下と低いのです。このことは、冬眠が対捕食者対策として有効なことを示しています。
また、冬眠が寿命を伸ばすという報告もあります。

冬眠する動物は、通常年1回、春に繁殖期を迎えますが、冬眠によって、このように翌年まで生き残る率が高くなるなら、子孫を残すチャンスも大きくなるのです。ですから、冬の間中起きているよりも、有利だと考えられます。冬眠は,上手に仕組まれた生き残り戦略の一つなのです。

4年生説明文 「部活と勉強」 122024

皆さんが中学生になったとき、部活に入る人もいるでしょう。では、どのような過ごし方をすれば成績を落とさずに過ごすことができるでしょうか。

一つ目に、クラブだけに熱をあげる過ごし方です。クラブでの活動では調子がよいかもしれませんが、残念ながら成績はあまりふるわないでしょう。

次に、勉強だけで過ごす方法です。これは勉強をしているので、当然成績はよくなります。しかし、なぜか上位に入ってくる人というのは限られます。

最後に、両立する人です。この人は時間の使い方を分かっているので、効率的にどちらもこなし、どちらも成功するタイプです。

あなたはどの過ごし方をしていきますか?

4年生説明文 「障害者スポーツ」 122036

 みなさんは普段どんなスポーツをしていますか?いくつか考えてみましょう。ポピュラーなものをあげていくと、サッカー、野球、水泳といろいろありますね。
では今思いついたスポーツの中で、障害を持っている人も楽しめるスポーツである、と思えるものはありますか。あなたが普段しているのは、目が見えない人、耳が聞こえない人、そういった人たちが楽しめるスポーツでしょうか。

 世の中には障害者スポーツといって、その名の通り障害を持っている人たちも十分に楽しめるようにアイデアを練りこまれたスポーツがあります。
「ゴールボール」というゲームについて考えましょう。これはサッカーに似た球技で、3対3で行います。相手チームのゴールに向かって鈴の入ったボールをころがし、相手チームは3人でそのボールを止めます。この時注意すべきなのは、出場する選手たちはみな目かくしをしているところです。つまりボールを止めるとき、選手たちは鈴の音だけを頼りにボールの位置を予想し、止めに行かなければならないのです。

 このゲームはもともと、第二次世界大戦で負傷し、視力を失った人たちのリハビリテーションのために作られたものです。はじめはヨーロッパだけで行われていたのですが、パラリンピックの正式種目として採用され、世界中に広まりました。

 日本でゴールボールがプレイされ始めたのは1992年ごろです。そしてその二年後、日本ゴールボール協会が生まれ、選手たちはパラリンピックでプレイし始めました。2012年ロンドンパラリンピックでは日本の女子チームが金メダルを獲得するなど、実力もなかなかのものです。

 ゴールボールはアイマスクをしさえすれば誰でも同じ条件で戦えます。世界には、このように誰もが平等に楽しめるスポーツがたくさんあるのです。こういったスポーツは障害者の方からの要望で、すでにあるスポーツをアレンジして作られたものも多いです。みなさんも今あるスポーツにどんなルールを付け足したらみんな平等に楽しめるか、考えてみましょう。

4年生説明文 「お米の種類」 122040

 みなさんは毎日お米を食べていますか?米は古くから日本人の主食とされてきました。炊き込みご飯、おにぎり、お茶漬けといろいろな食べ方があります。そして、日本以外にも米を栽培し、食糧としている地域があります。しかし、普段私たちが食べている日本の米とは種類が異なります。
 世界には千種類近くの米があると言われおり、大きく三つに分類できます。ジャポニカ米、インディカ米、ジャバニカ米です。これらの米の特徴を詳しく見ていきましょう。

 まず、ジャポニカ米です。ジャポニカ米は東アジアで食べられている米です。日本でよく食べられている米もこのジャポニカ米です。米粒が丸く、炊くと粘りやつが出るのが特徴です。おにぎりや寿司などの日本料理に適しています。

 次にインディカ米です。インディア米はインドで栽培が始まり、今では全世界で栽培されている米です。世界の米の生産量のほとんどはこのインディカ米が占めています。米粒が細長く、調理するとパサパサした食感になります。インディカ米は炊くのではなく煮て食べることも多い米です。カレーやピラフ、炒飯などの料理に適しています。

 最後にジャバニカ米です。ジャバニカ米は、東南アジアやイタリア、スペイン、トルコ、中南米で栽培されており、ごく一部の地域で食べられている珍しい米です。米粒がやや丸く大粒で、炊くと粘りはありますが、あっさりとした食感です。パエリアやリゾットなどの料理に適しています。

 このように世界には様々な種類の米があり、それぞれに特徴があります。そして、その地域の料理にあった米が栽培されているのです。

4年生説明文 「小学生と中学生」 122301

小学生と中学生って、どこが違うのでしょう。すこし、気になったので考えてみましょう。

まずは、なんといっても年齢。小学生は六歳から十二歳までの子供。中学生は十二歳から十五歳の子供です。

次に違うところは体格差です。やっぱり、小学生は小さいですが、中学生になると身長がぐんと伸び、体格も大きくなります。

最後には頭のよさ。やっぱり中学生にもなると、知識の量が違ってきます。

人間の成長とは、とても興味深いものですね。もっと深く調べてみたいですね。

4年生説明文 「電話の仕組み」 122303

私たちは生きていて、電話に触れないで生活していくことはないでしょう。それくらいに、現代では、電話なくてはならないものです。では、その仕組みは一体どうなっているのでしょうか。

まず、家庭によくある固定電話についてです。固定電話サービスと糸電話の仕組みは似ていると言われます。糸電話は紙コップを糸がつなげているように、固定電話は電話機を電話線がつなげています。具体的に言うと、電話線は、電話機から部屋にあるモジュラージャックを通って、家の外にある電信柱、そして地中ケーブルを経由して、電話局までつながっています。この電話局内にある電話交換機と相手の電話局内の電話交換機がやりとりをすることで、相手の電話機まで「糸」でつながって、通話できるのです。

次に、携帯電話についてです。携帯電話から発せられた電波は、すぐ近くにある「無線基地局」という大型アンテナつきの無線通信装置に届くと、光ファイバーなどの有線ケーブルを伝って、様々な通信設備を経由します。そして、通信相手の近くにある無線基地局までたどりつくと、再び電波となって相手の携帯電話に届いて、通話が成り立っているのです。

このように、電話は電話線や電波を伝って成り立ちます。普段何気なく使っているものの仕組みを考えるのはとてもおもしろく、勉強になりますね。ほかの身近な物でも調べてみましょう。

4年生説明文 「生き物達のすみか」 122305

動物や植物がそれぞれどこにいるか考えたことがありますか。たとえば、人間は、ほぼ世界各地で生活しています。しかし地球には、暑いところや寒いところ、湿気の多いところや乾燥しているところなど、各地て特徴があります。これらと生き物達の生きる場所は関係しているのでしょうか。

らくだを知っていますか。らくだはどこに住んでいるでしょうか。主に砂漠です。砂漠といっても、エジプトのサハラ砂漠やモンゴルのゴビ砂漠などとさまざまです。らくだは暑い環境で何も飲食できなくなっても生きられるように背中のこぶにたっぷりと水分や栄養をためこんでいます。

では、シロクマはどこにいますか。北極や南極などの寒い地域にいます。しかし近年、地球温暖化の影響で北極や南極の氷が溶けてきています。これは、彼らの生きる場所がすくなくなっていることを意味します。

シカはどうでしょうか。比較的身近な動物ですね。シカは草食動物なので、草のある、原っぱなどに生息しています。日本では奈良にいるというのは有名ですね。

このように動物のすみかを考えてみると、それぞれの特徴にあった環境で暮らしています。動物達には国境などありません。人間ももともとはそれぞれの文化を持った人々が集まってその土地に適応きて暮らしていました。それぞれの文化に誇りをもち、他文化を尊重することで調和がうまれるのではないでしょうか。

4年生説明文 「リサイクルの仕組み」 122306

 みなさんは飲み終わった空きカンやペットボトルをリサイクルしていますか。一人一人がほんの少しでもリサイクルすることで、地球のしげんは守られていくのです。
 では、リサイクルはどのようにされているのでしょうか。主なリサイクルの仕組みを見てみましょう。

 まずはスチールかんです。回収ボックスなどで集められたスチールかんは、リサイクルセンターなどでまとめておしつぶされ、大きな鉄のかたまりになります。これを「スクラップ」といいます。次に「溶解(ようかい)」といって、高い熱によって鉄のかたまりはドロドロにとかされます。その後、ビルや橋などのけんちくしざい、自動車や電気せいひんのざいりょうに生まれ変わります。
 次に、アルミかんを見てみましょう。アルミかんをリサイクルすると、自動車やアルミサッシなどに生まれ変わります。スチールかんもそうですが、もちろん、元通りのアルミかんにもどることだってあります。
 最後にペットボトルを見てみましょう。まずペットボトルを細かくくだき、よく洗ってかわかします。これを「フレーク化」といいます。その後、シャツ、傘、カーペット、洗ざいボトル、そしてペットボトルなどに生まれ変わります。

 まだまだ他にも、ダンボール箱やプラスチックなどがたくさんリサイクルされています。リサイクルは全く別の物に生まれ変わるすばらしいマジックです。他にどのようなリサイクルが行われているのか、しらべてみるのもおもしろいですね。そしてしげんを守るために、みんなでリサイクルに協力しましょう。

4年生説明文 「テレビの仕組み」 122307

テレビというものは、今となってはどこの家でも最低一つはあり、いろんな場所で見かけます。テレビによってさまざまな情報を得ることができたり、多くの人と話題を共有できたりします。ところで、あなたはテレビの仕組みを知っていますか。今回はテレビの仕組みを見ていきましょう。

テレビに人や景色がうつったりするのはなぜでしょうか。まず、テレビには「色」がついています。この色は赤、緑、青の三色が順番に画面にならんでいます。この三色の明るさが変わることで、いろいろな色が出るのです。テレビに近づいてみると、小さな点が集まって映像を表していることがわかります。

次に、テレビの画像はなぜ動くのでしょうか。テレビでは、電気の強さを変えながら、画面に横線を引いています。その横線の集まりが一枚の画像になります。この線がすばやく上下したり、電気の強さによって明るくなったり暗くなったりして、テレビの画像は動きます。

そして、遠くで収録している番組が私たちの家のテレビへ届けられるのはなぜでしょうか。テレビ番組は、放送局でつくられます。その放送局から、電波となって番組がとんでくるのです。電波とは、空中を伝わることができる電気のことです。電波は、道の上にある電線を通って運ばれてきます。そして、みなさんの家の上にあるアンテナが、送られてきた電波を家の中のケーブルへとりこむはたらきをします。そのケーブルを通って、私たちの家のテレビへと運ばれてくるのです。こうして、私たちのテレビにはたくさんの番組が放送されるのです。

このように、身近に感じられるテレビも、まだまだ知らないことがたくさんあります。みなさんも身の回りのいろいろなものに興味をもち、仕組みを調べてみましょう。

4年生説明文 「人の体のしくみ」 122308

私たちは朝起きて、夜ねるまでにごはんを食べたり、友だちと遊んだりします。その間にはいつでも私たちの体は一生けんめいにはたらいています。今回は、人間の体の仕組みとして三つのはたらきを紹介します。

まずは、肺のはたらきです。鼻や口からすいこまれた空気は気管という管を通り、左右にある肺に入ります。肺は、小さなふくろがたくさん集まっているもので、その一つ一つのふくろの周りを毛細血管とよばれる血管がとりまいています。ここで、空気中の酸素が血液にとり入れられます。このとき、体の中でできた二酸化炭素が、鼻や口からはき出されます。このように、人は呼吸をすることによって酸素をとり入れ、二酸化炭素を出しています。

次は、食べ物を食べたときに体の中で行われる消化のはたらきについてです。口から入った食べ物は、食道、胃を通り、小腸へ運ばれます。その間に食べ物は、体にとり入れられます。このことを消化と言います。だ液や胃液のように、消化のはたらきをするものは消化液とよばれています。小腸でようぶんをとり入れられた食べ物のかすは大腸に送られて、こう門から便となって、体の外へ出されます。

最後は心臓のはたらきについてみていきましょう。血液は、肺でとり入れた酸素や、小腸からとり入れられたようぶんを全身に運んでいます。心臓はこの血液を全身に送るはたらきをしています。

このように私たち人間の体は、生きるために大切なはたらきをつねに行っています。体がちゃんとはたらくように、いつも健康でいることを心がけるようにしましょう。

4年生説明文 「無題」 122309

みなさんは空にまうで白いクレヨンで描いたような長い雲を見たことがあるでしょう。あれは飛行機雲と言います。飛行機は鉄でできていますが、あんな大きな鉄がそれを飛んでいるなんて不思議ですね。飛行機はいったい誰が作り、どのように進化してきたのでしょうか。

アメリカのライト兄弟が1903年に初めて飛行機を作りました。飛行機の名前は「ライトフライヤー号」と言いました。この「ライトフライヤー号」は機体を軽くするために木で作られていました。ライト兄弟は、周りに不可能と言われながらも研究や実験を続け、成功させることができたのです。

この後、時代は戦争が多く起こる時代になりました。はじめは飛行場は陸上だけでしたが、海面や軍艦の甲板からも発進できるようになりました。戦争がだんだん激しくなってくると、様々な改良がなされ、衝撃に強い金属が使われ始めました。偵察につかわれ飛行機や、攻撃をするために作られた飛行機など、たくさんの飛行機が作られました。

1900年代後半からは、ジェット機が世にでまわり、速い飛行機が作られるようになりました。戦争もだんだん終わり、作られる飛行機も旅客機や輸送用の飛行機が増えていきました。材料も新しく開発され、大きく軽い気体が作られました。

飛行機の進化のおかげで私たちは、地球の裏側まで1日で行けるようになりました。飛行機雲を描きながら、空を飛んでいく飛行機はいままでの改良や研究があったからこそ、なのです。

4年生説明文 「吹奏楽の演奏について」 122310

一つの音楽を作り上げるには多くの楽器を演奏する人たちが必要です。さまざまな形、音、役割をみんなが担当して、一つの音楽が出来上がっています。どのようになっているのか考えてみましょう。

まず大きくわけて吹奏楽には金管楽器、木管楽器、打楽器の三種類があります。まずは金管楽器からみてみましょう。金管楽器には音が高いものから順番に基本的にはトランペット、ホルン、トロンボーン、チューバがあります。トランペットはとても高い音が出るので演奏しているバンド全体の中でも特に目立っていて、他の楽器に比べてメロディーを吹いていることがとても多いです。ホルンとトロンボーンは中音域を担当していて、バンドで演奏する時に音楽により響きや厚みを出すために伴奏のパートに回ることが多いです。チューバは金管楽器、木管楽器の中でも最も音が低く、しっかりと吹いて土台を作り、他の楽器が自由に音楽を表現し、演奏できるようにふんばっています。

木管楽器には基本的に高い音から順番にフルート、クラリネット、サックスがあります。フルートはあまり音量は出なくて、特別目立つことはありませんが、しっとりとした音楽を演奏するにあたっては決して欠かすことのできない音色をもっています。クラリネットはとても優しい音色を出すので、トランペットのように決して華やかではありませんが、バンドを包み込むような温かい音で演奏をしています。サックスはジャズなどでも使われ、いろいろな音色を出すことができるので、にぎやかな曲においても、しんみりとした曲においてもとても
活躍しています。

最後に打楽器はバンド全体の隠し味、最後のスパイスとして非常に大きな役割を担当しています。ティンパニーはバンドの中でも第二の指揮者と呼ばれることもあり、ティンパニー奏者の演奏している雰囲気や音の出し方によってバンド全体の雰囲気が大きく変わります。ドラムはバンド全体のテンポ取りや、かっこいい曲のつなぎなどとても大事な役割をしています。

吹奏楽や、音楽というものはいま紹介したもの以外にも非常に多くの楽器が存在し、それぞれの楽器がそれぞれの役割を担当することによって、一つの音楽を作り上げています。

4年生説明文 「サッカーの歴史」 122311

 ワールドカップ、オリンピック、Jリーグ。サッカーはわたしたちのくらしに大きな興奮と楽しみをもたらしてきました。こどもたちが昼休みにサッカーをする、という光景もよく目の当りにします。サッカーはわれわれ日本人に愛されているスポーツのひとつです。
 そんなサッカーの歴史をたどってみましょう。

 サッカーは、古代中国、ギリシャ、ローマの人々がすでにゲームをしていたという説があるほど古くから親しまれている競技です。中国が一番はじめにサッカーを始めたという説が有力ですが、たしかなことはわかってません。このころには手を使っていいというようなルールもあったそうですが、長い年月を経て、改良されていき、一八〇〇年代の終わり頃には現在とほぼ変わらないルールとなったといわれています。

 現在のルールのサッカーを生み出したのはイギリスです。これを近代サッカーとよぶことにします。近代サッカーはイギリスの上級階層の子どもが通う、公認私立中学校(パブリック・スクール) で行われていました。イギリスに生まれた近代サッカーは、イギリスの留学生や、海外在住のイギリス人などのネットワーク によって世界各地へと伝藩していったのである。

 そして、サッカーはやがて日本にも伝わってきました。一説では明治時代とも言われています。初めて組織化されたのは一九二一年で、創立された協会は「大日本蹴球協会」とよばれていました。一九二九年には国際サッカー連盟に入り、国内におけるサッカーの地位はあがっていきました。

 現在、サッカーは世界各国で親しまれています。日本人もたくさん海外のクラブチームでかつやくしています。二〇一四年にはブラジルでワールドカップがかいさいされます。日本チームのかつやくに期待したいですね。

4年生説明文 「目のしくみ」 122402

私たちは目を使って世界を見ています。私たちの目は、どんなしくみになっているのでしょう。

目はボールのような丸い形をしています。目には水晶体というレンズが付いています。このレンズの分厚さを変えることで、私たちは遠くの物や近くの物をはっきり見ることができるのです。

目の中には網膜という膜があり、それが光を感じて、脳に伝えます。脳に伝える役目を任されているのは、目玉の後ろから出ている視神経という糸のようなものです。脳は、視神経から受け取った情報から、目に映った物が何かを判断します。

目はカメラのしくみによく似ていますが、目と同じはたらきをするカメラがあったらとても高価なものになるでしょう。

私たちがあるものを見て判断するのには、体の中でたくさんの部分がはたらいています。耳や口や手はどうなのでしょうか。気になったものを調べてみましょう。

4年生説明文 「ベトナム」 122409

 ベトナム社会主義共和国は東南アジアのインドシナ半島北部に位置する国です。近年目覚ましい経済発展をとげた国のひとつで、今もなお成長を続ける国です。

 ベトナムでは第二次世界大戦終結後、南北に分断されて北はソ連、南はアメリカを後ろ盾にベトナム戦争が起こりました。およそ15年続いた戦争はおおくの犠牲者を生み、現在もなお枯葉剤の影響で苦しんでいるひとがいます。

 ベトナム戦争終結後、ベトナムは再び南北が統一されましたがカンボジアに侵攻し国際的に孤立してしまいます。戦争がおわり、国際関係が修復されたのち、発展のみちをすすんでゆきました。

 1996年にベトナム政府は2020年までに工業化と近代化を目指す採択が下されました。国内総生産(GDP)はここ数年安定成長をつづけており、人件費の高くなってきた中国にかわり、日本を含めた先進国の企業の進出先として注目されています。

 衣料品や食べ物の輸入先をみてみましょう。ベトナム産のものがあるかもしれませんよ。

4年生説明文 「地球と太陽と月」 122705

宇宙には、数えきれないほどのたくさんの星が存在しています。今回は、その中でも、地球と太陽と月について考えていきましょう。

まず、私たちの暮らしている「地球」があります。地球は誕生してから、約46億年が経過していると推定されます。地球には、水と大気が存在しているため、多様な生物が生息できます。また、太古の人類は、自分たちの住む大地は平面であると考えていました。そんな中、古代ギリシアの哲学者が地球を球体ととらえる革新的ともいえる、新しい概念を成立させました。そして、現代に至るまで、地球について、様々なことが解明されてきました。たとえば、地球は約一日周期で一回、自転しており、約一年周期で一回、太陽の周りを公転しています。また、地球の周りを月が約一カ月周期で公転しています。

では、次は、「太陽」と「月」について考えていきましょう。太陽は、地球に光と熱を与えてくれています。太陽の表面温度は約6000度と言われています。また、地球と比べると、大きさも、質量も比べものにならないほど大きいと言えます。そして、月は、地球の周りを回る唯一の衛星と言われています。月の表面には、クレーターと呼ばれる隕石の衝突によってできた、でこぼこがあります。月は、約一か月かけて地球の周りを一周するため、太陽と地球と月の並ぶ関係から、一か月単位で月の見える形が変わります。そのことに、ちなんで、一か月という数え方ができたと言われています。

では、最後に、地球と太陽と月の位置関係によって、地球で観測される現象の「日食」と「月食」について考えていきましょう。まず、日食は、太陽、月、地球の順番で並ぶことによって、月が太陽を隠す現象です。月が部分的に太陽を隠す場合を部分日食、太陽全体を隠す場合を皆既日食、太陽が月の外側にはみ出してドーナツ状に光が見える場合を金環日食と言います。そして、月食は、太陽、地球、月の順番で並ぶことによって、地球の影で月が欠けて見える現象です。これも、日食と同様に、部分月食、皆既月食があります。日食は見える場所が限られていますが、一方で、月食は月が見える場所であれば、地球上のどこからでも観測できます。

今回は、地球と太陽と月について考えてきました。今度は、他の星の秘密についても調べてみるとおもしろいかもしれませんね。

4年生説明文 「カメラの仕組み」 122901

テレビでは高校野球の放送をしています。今は9回の裏ツーアウト、ランナー2、3塁で1対0。あとアウトひとつで勝利。しかし相手チームも簡単には終わらしません。さーカウントは2ストライク3ボール。ピッチャー、投げた。打ったーー。これは大きい、これは大きぞー。ポール切れたー。ファールボール。惜しかったですねー。観客からは大きな、どよめきが聞こえます。スーパースローモーションでもう一度確認して見ましょう。あー切れてますねー。おしいです。今日の甲子園はご覧の通りたくさんのお客さんが駆けつけてくれました。観客数はなんと5万人との予想です。ベンチの雰囲気は相変わらず両チーム声を腹の底から出し切り、掛け合っています。アルプスからは大応援が聞こえます。期待に応えたい両チーム。さーラストボールになるのか、ピッチャー第6球投げた。さんしーーーん。ついに決着が付きました!!

カメラには場面によって撮り方はさまざまです。例えば、広く映したいときは「ルーズ」を使います。上の場面で言うと、観客を映したい時とかです。逆にある一部分を大きく映したいときには「アップ」を使います。上の場面で言うと、選手一人一人を撮りたいときとかです。また特殊な方法である一場面をすごくゆっくり見ることができる方法があります。それが「スローモーション」です。上の場面で言うと、ポール際のボールの判断とかに使います。

それぞれの撮り方にはメリットがあり、またデメリットもあります。まずは「アップ」から。メリットとしては細かい部分が見れることです。例えば選手一人一人の表情がわかることなどです。デメリットは映されている範囲が狭いことです。「ルーズ」の場合はメリットが映す範囲が大きいことです。デメリットが映されている部分の細かいところまで見えないことです。「スローモーション」のメリットは一瞬で終わってしまうような速い場面もゆっくりと見ることができることです。デメリットとしては、通常よりも見るのに多く時間がかかってしまうことです。

このように撮り方にはそれぞれメリットとデメリットがあります。カメラマンは場面応じてそれに適した撮り方を選んで各デメリット部分を補うようにしているのです。しかし、簡単にはできることではありません。なのでカメラマンは通常一人ではなく複数いることが多いのです。

カメラマンは受け手が何を見たいのかを考えて撮り方を決めているのです。また受けての期待に応えるために撮り方を変えているといってもいいかもしれません。

4年生説明文 「大豆」 122902

大豆は、枝豆からできている。枝豆のたねを植えて育てていくと当然枝豆ができる。そしてそこからしばらく放置して葉や実が茶色っぽくなってきたらそれが大豆です。それを摘み取って2週間干すと節分のときに撒くような大豆の完成です。大豆は様々な製品が作られる。どのような製品があるのかな。

一つ目は、きな粉。お正月にお餅につけて食べたり、ヨーグルトにかけて食べたりする。ご飯に砂糖ときな粉をつけて食べたりする人もいる。きな粉は、どのように作られるのだろう。大豆は少し水分を含んでいるのでそれを取り除くために煎ります。それをすり鉢などで細かくしてふるいにかけて大豆の皮などを取り除くと完成です。黄土色の粉それがきな粉です。

二つ目は、豆乳です。毎朝お母さんが飲んだりしている豆乳。豆乳鍋や畑の肉と呼ばれるぐらいカロリーが低くて栄養価が高いので、豆乳ダイエットをする女性も増えてきている。そういった豆乳は、どのように作られているのだろう。まず、大豆を一晩水に浸しておきます。すると大豆は水分を吸い倍ぐらいに大きくなります。その大豆をミキサーに入れて少し水を加えてゆっくり大豆を潰していきます。そして、それを火にかけてゆっくり温めていきます。それをこしてできた液体のものが豆乳、絞って残った固形のものがおからです。

三つ目に豆腐。シンプルにしょうゆをかけて食べる冷ややっこ。お肉と混ぜてできる豆腐ハンバーグ。お鍋に具として食べたりと豆腐の使い道はたくさんある。豆腐は、どのように作られているのだろう。豆腐は、二つ目に紹介した豆乳を使います。豆乳をお鍋に入れて、ゆっくりとかき混ぜます。少したってからにがりという豆乳を固めテイク物質を入れます。そして温めていると膜が張ってきます。それが湯葉です。ゆっくり冷ましながらまぜて冷やします。そして固まると少し水分を多く含んでいるのでふたの上からおもしをのせ水分を少し取り除くと豆腐の完成です。

大豆からつくられるものは、たくさんある。いろいろな食品は、何からできているのか調べると楽しいね。

4年生説明文 「電話の仕組み」 122903

みんなが普段使っている電話ってどんな仕組みになっているのだろう。遠くにいる人の声が聞こえるってなんだかふしぎなきもちがするよね。

まず、音は空気の振動によって伝わるんだ。電話機はその音、つまり空気の振動を電気信号に変える。その電気信号は導線を通って相手の電話に届くんだ。その電気信号を空気の振動、音に変える。このようにして、遠くにいる人に声を届けているんだ。

では、音をどのように電気信号に変えるのだろう。 音は空気の振動だから、「力のエネルギー」と考えることができる。これを導線を流れる電流、「電気のエネルギー」に変える。そうして、音を電気信号に変えるんだ。

そして伝わってきた電気信号を音に変えなければならない。電話のスピーカーの部分のコイルに流れる電流が変化すると、そこについている振動板が振動する。その振動が空気を伝わり、声となって聞こえるんだ。

みんなが普段よく使っている電話の仕組み、少しは分かったかな。身の回りのものに、どんどん興味を持っていろんなことを調べてみよう!きっといろんな発見があるはずだよ!

4年生説明文 「マンガが出来るまで」 122904

みんな漫画は読むかな。大好きな人もいるだろうマンガがどのようにして出来ているか知っているかな。

まずマンガは作者と呼ばれる人がシナリオを考えて紙に漫画を描いて編集者に見せます
編集者と話し合いをしてもっと良くなったもの編集者が出版社に持っていきます

出版社は自分の所でマンガにして利益が出るかどうかを何回も会議をして決めます
そして選ばれた漫画だけが雑誌の中に乗ることを許されて印刷会社に持って行かれます。

印刷会社がその雑誌をとても多く作って日本中に運びます。
こうして皆さんの手元に漫画が届けられています。

何気なく読んでいる漫画は実はとても手間暇をかけて作られているのです。

4年生説明文 「牛乳のこと」 122905

みなさんは普段当たり前のように飲んでいる牛乳について、どれぐらい知っているでしょう。給食にいつも出てくる牛乳、それにはちゃんとした意味があるんです。牛乳について見ていきましょう。

まず、牛乳は名前のとおり、牛からできます。なんと、牛乳は牛の血液のことなのです。お母さん牛は、毎日牛乳を20〜30リットル出してくれます。できたての牛乳はとてもあたたかくて、おいしいのです。一度は飲んでみたいですね。

また、牛乳を使うと色々なものが作れます。ヨーグルトや生クリーム、バターだって牛乳からできています。そして、チーズも牛乳からできているのです。その他にも、牛乳を使わないとできないものもあります。ケーキやクッキーなどのお菓子です。普段から牛乳は使われているのです。牛乳がなければ、みんなが好きなケーキやクッキーなどが作れません。それほど牛乳は大事なものなのです。

牛乳は完全栄養食品と言われています。牛乳には、タンパク質、脂質、カルシウム、ビタミンなどが含まれています。これらの栄養分が含まれているので、これ以上の食物はないと言われているのです。また、牛乳を飲むと生活にも効果があります。いらいらを解消させたり、はだにもいいのです。また、カルシウムが含まれていますから、歯や歯ぐきをつよくしたり、つかれをやわらげてくれます。しかし、牛乳はのみすぎると、おなかをこわすことがあります。おいしいものですが、飲みすぎには気をつけましょう。

このように、いつも給食に出てくる牛乳はおいしいだけでなく、人間にとっていいものなのです。バランスよく栄養を取るために、給食にはいつも牛乳がでてくるのです。みなさんも、いつも目にしているものに興味をもつようにしましょう。わたしたちの身の周りでは、たくさんのひみつがかくれているのです。

4年生説明文 「体の仕組み」 122906

えんぴつを持って何かを書いたり、運動場で走ったり、生活していくうえで色々なことをしています。普段は意識しないかもしれませんが、いったいどうやって体が動いているのでしょう。

まずは体を動かせという命令が出されることが必要です。その命令は脳がします。たとえば今座っているイスから立とうとすると、脳「立て」という命令をするのです。この命令のおかげで皆さんは体を動かせるのです。

実は命令だけでは体は動きません。その行動をするための骨や筋肉が必要なのです。体を支えるための骨がないと人は立つことすらできません。筋肉でも同じです。骨と筋肉があって初めて脳からの命令を聞くことができるのです。

では、何が脳と筋肉との間に命令を伝えているのでしょう。それは神経と呼ばれるものです。脳と筋肉は神経でつながっているのです。脳から出た命令が神経を伝って筋肉に届き体が動きます。

体にはまだまだ色々な仕組みが隠れています。興味がひかれたものなど調べてみると面白いでしょう。

4年生説明文 「あいさつ」 122907

 みなさんは朝友達に会ったときに「おはよう。」とあいさつをしていますか。帰り、先生に「さようなら。」とあいさつをしていますか。あいさつは何気ない行動ですが、素晴らしい力をもっています。その力とはいったいどのようなものなのでしょう。

 たとえば、友達とけんかをしてしまったとき、次の日話しかけるのがむずかしいことがありますよね。自分からあやまるのもなんかできない。そんなとき、あいさつをしてみましょう。「ごめんなさい。」と言うのはむずかしいかもしれませんが、あいさつならできるかもしれません。そしてそれをきっかけに話をして、仲直りできることもあるでしょう。

 近所に住んでいる人に朝会ったとき、あいさつをしていますか。近所に住んでいる人と仲良くなると、何か困ったときに助けてくれることがあるかもしれません。あいさつはその手助けになるでしょう。ばったり会ったときに「おはようございます。」「こんにちは。」と一言声をかけることで、自然と仲良くなれることでしょう。

 このように、あいさつにはすてきな力があります。あいさつは人と人をつなぐ力を持っているのです。ほかにどんな時にあいさつは力を発きするのでしょう。みんなで考えてみましょう。

4年生説明文 「ホッキョクグマの生態」 122909

北極に住むホッキョクグマ。みなさんはしっていますか?かれらはあの寒い北極に住んでいるのです。北極で生きるためにどのような工夫をしているのでしょうか。

トラやライオンよりも一回り大きいホッキョクグマ、体の白い毛は実は透明なんです。光を透過し、内部が空洞になっているために散乱光によって白く輝いて見えます。白く見える毛は雪や氷の中で狩りの時に姿を消すためのカモフラージュにも役立っています。透明な毛は皮膚までとどき、黒い皮膚を暖めます。分厚い体毛がその熱を逃がさないように保護されます。また空洞の毛の内部で熱を保温する効果があります。透明な体毛のおかげで体温は外には逃げる事がありません。
動物園では体毛が黄色っぽい個体がいますがそれは、毛の空洞に汚れが入り込んで変色したせいで黄色っぽくなります。
ホッキョクグマは嗅覚がとても優れていて、氷の下を泳ぐアザラシの臭いがわかります。

単独行動のホッキョクグマは、アゴヒゲアザラシなどのアザラシ類を捕食します。
氷の下を泳いでいるアザラシは呼吸するために氷の穴(呼吸口)に顔をだします。ホッキョクグマはその臭いを嗅ぎ取り、穴の前で待機し、アザラシが呼吸のために上がってくると前足を穴に突っ込みアザラシを穴から引きずり出します。そしてアザラシの頭蓋骨を噛み砕いて殺します。氷上で休んでいるアザラシも襲うことがあり、その時は忍び寄って一気にしとめます。
アザラシの他に鳥の卵、コケ、カリブー、クジラやジャコウウシの死骸や大きな体のセイウチを襲うこともあります。大人のセイウチは大きいので、なかなか捕食できませんが、子供はかっこうの獲物です。しかし親に守られているので、親の鋭い牙の一撃をくらい、致命傷を負い最悪死に至ることもあります。
ホッキョクグマは氷の下で行き場を失ったシロイルカが呼吸穴にあがってくる瞬間を氷上から襲います。たびたび見るシロイルカの背中にある傷跡は、ホッキョクグマによるものだと言われています。

ホッキョクグマは6月頃になると北極の氷が溶けはじめ、生活が大きく変わります。広がった海へアザラシが逃げることが多くなり、アザラシの子供も警戒心が強くなります。氷盤が溶けると数百キロを何時間もかけて泳ぎ陸地を目指します。
5ヶ月ほど陸地で暮らします。陸地では食べ物不足しますが、ホッキョクグマは新陳代謝を低く押さえて、なるべく体力を温存します。海が凍結しアザラシを捕獲できる時期まで、エサ不足の夏を植物などを食べ乗り切ります。
11月になると完全に氷が海を覆いアザラシ狩りを始めることができます。

このようにホッキョクグマには寒さをしのぐためだったり、いきるためにいろいろな工夫が施されています。いろいろな動物に生態に注目してみても面白いかもしれないですね。

4年生説明文 「火薬の力」 122910

ヒーローの映像を見たことはありますか?話が盛り上がるアクションシーンでは、大きな爆発が起こります。イメージがわかないという人は、打ち上げ花火を思い出してください。夜空にどーんときれいな模様を描きます。あの模様を作っているのも、アクションシーンの爆発も火薬を使っています。では、この火薬にはどんなものがあるのでしょうか。

まず、打ち上げや手持ち、線香花火のように、花火に使われる火薬があります。花火の火薬には、いろいろな化学物質を混ぜて、色を付けています。だからあんなにきれいな模様を描けるのです。これらの花火は大きさも違いますが、なにより燃え方がちがいます。打ち上げ花火は色などで分けて小さな玉にした火薬を大きな丸い入れ物に並べて詰め込んであります。手持ち花火は棒に紙で火薬を巻きつけてあるのです。

つぎに、爆発を起こす火薬ですが、とても危険で危ないものです。使わなくなった建物や橋を壊すのにも使われたりします。大きなビルを壊せるほどの威力があるのです。しかし、この火薬も少ない量で使うこともできます。昔から鉄砲が玉をうちだすのには、火薬が使われているのです。だから、鉄砲はうった後、熱くなっています。

このように、火薬は火薬でも使い方や量によって、火薬は大きく違った姿をみせます。身の周りの火薬について自分でも調べてみましょう。

4年生説明文 「クジラの生態」 122911

 みなさんはクジラをしっていますよね。そう、あの大きな、水族館にもいる魚です。

 でも、実は魚じゃなくてほ乳動物というものに分類されていて、人間とか犬とかと同じ仲間なんですよ。イルカもいますよね。あのイルカは実はクジラと同じ仲間でクジラの小さいものをイルカと呼ぶんですよ。また、クジラは大きくハクジラとヒゲクジラに分けられています。ハクジラとはえさを食べるときに歯を使う種類で、ヒゲクジラはえさを食べるさいにそのヒゲでこしとるクジラです。ということは、イルカはハクジラにあたりますね。

 クジラは世界中を旅する動物です。それは、温かい地域に移り住む渡り鳥のようにクジラも温かい地域を泳いでいるようです。それはなぜかというとクジラのえさであるプランクトンが温かい地域に多く生息しているからです。

 また、クジラは音を使ってコミュニケーションを取る動物として知られています。超音波で会話をしていて、そのコミュニケーション方法をエコロケーションとよばれています。なぜ、クジラも音を使うかというと、水中では地上の何倍もの速さで音が進み、その距離も地上の時よりも長くなります。そのため、水中で超音波を使うということはとても効率のよいことなのですね。

 このように同じほ乳動物でも、生活環境の違いからこんなにも生き方が変わるのですね。

4年生説明文 「血が止まるしくみ」 122912

 皆さんけがをしたことはあるでしょうか。転んでひじを擦りむくと、血が出ますね。しかししばらくするとその血は止まります。それはなにか薬をぬったから止まるのでしょうか。もちろん薬の効果もありますが、人の体は、何もしなくても自然と血が止まるようにできているのです。みなさんにも経験があると思います。ばんそうこうをはっているだけで、血は止まりますね。ばんそうこうのうらがわに薬はついていません。これはひとの体が、何もしなくても血が止まるようにできているからなのです。そしてこの血を止めることに大きな役割を果たしているのが、まぎれもなくこの血、血液なのです。

 まず、けがをすると傷口から血が流れてきますね。これは血を外に流して、外から菌が入るのを防ぐ役割を果たします。そして血液の中に含まれる、血小板という成分がさまざまな形に変化しながら、流れ出る血液を固める役割をするのです。

 万一菌が傷口に入った場合、かつやくするのが、白血球です。白血球は体内に入ってきた菌を見つけると、菌を自分に取り込んで、菌と一緒に死んでゆきます。体を張って私たちの体を守ってくれているわけです。そして、白血球の死骸はうみとなり、傷口からジュクジュクと出てきます。

 そして、それらがすべて出てゆくと、傷口は乾き、血小板がかさぶたのもととなって、固まってゆきます。さらに、この血小板は固めるだけでなく、傷口をひっつける役割をも果たします。

 このようにして、ひとは何もせずとも血を止めることができるのです。ひとの体には、生きていくうえで必要で、とてもすばらしいしくみがたくさんあり、ひび私たちを危険から守ってくれているのです。

4年生説明文 「食べることのしくみ」 122913

みなさんは朝ごはん・昼ごはん・夜ごはん、さらにはおやつと食べ物を食べています。では、なぜ食べ物を食べないとならないのでしょうか。

まずご食べ物を食べるとき、よくかみます。それは消化しやすくするためです。よくかみ終え、飲み込みます。そこから体の中へと入っていくのです。

食道を通り胃に小さくなった食べ物は入っていきます。胃では体から分泌される特別な液によって、食べ物はより小さい物質に変わっていきます。そしてその物質は小腸へと流れていき、そこで体内に吸収されます。吸収されなかった分は大腸を通り外に出ていきます。

こうして食べ物ははどんどん小さくなり、体に吸収されることにより、体の栄養となるのです。ご飯を食べないと体に栄養が行き渡らなくなり、体調不良を訴えるようになってしまいます。栄養のバランスも考えて食べ物を食べなくてはいけません。偏っていても体調不良を訴えてしまいます。

このようにしてご飯を食べることはとても重要なのです。美味しいものをたくさん食べていきましょう。

4年生説明文 「星はなぜ光っているのか」 122914

夜空にきれいに浮かぶ星。これらはどうして光っているのでしょう。例をだして考えてみましょう。

まず、光る星の代表格の太陽です。これらは、恒星と呼ばれる星の部類で、自らを燃やし燃料とし、熱と光をだしています。これにより、地球は暖かく、そして光に満ち満ちているのです。

つぎに、月ですがこれらは自ら燃えておりません。では、どのように光っているのかというとこれらは太陽などの光を受けて、その光を反射することで光っているように見えるのです。

このように星が光るのにはさまざまなことが要因となっているのです。ほかにも、星にはさまざまな秘密があるので調べてみましょう。

4年生説明文 「人間の命」 122915

寿命とは、人間が生まれてから死ぬまでの時間のことをさします。この長さには非常に個体差があり、100年以上生きる人間も、生まれてすぐに死んでしまう人間もいます。では、人間の寿命とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

寿命があまりにも短い場合は、大抵、病気や事故などに原因があったりするもので、不本意な要因による死亡の場合は、あまり寿命だとは表現しないものです。人間は特に問題がなければ、老人になって、衰えて死ぬものだと考えるのが自然なので、老衰で死ぬことを寿命と表現することが多いと思われます。

日本の平均寿命は82.6歳と世界一です。先進国は比較的高い傾向にあり、反対に発展途上国では低い国が多いです。これは発展途上国の新生児死亡率が先進国よりはるかに高いことが理由の一つです。

人間の寿命の限界は、生没年月日が判明している者では、ジャンヌ・カルマンの122年164日が最長でありますから、120年前後であるという説がありますが、これから人間の科学がどんどん発達していき、いつか寿命を克服することが可能になる日が来るかもしれないですね。その意味ではiPS細胞に注目が集まっています。

4年生説明文 「磁石は鉄?」 122916

磁石は鉄でできています。
もちろんふつうの棒磁石も、鉄からできています。
どうして、鉄が磁石になるのでしょう。磁石から考えてみよう。

1本の棒磁石をまん中から半分におると、2つの棒磁石になります。この小さくなった棒磁石をまた半分におると、さらに小さな棒磁石ができます。このようにして棒磁石をどんどん細かくしていくと、細かく分かれた数だけ磁石ができるのです。砂つぶほどに細かくしても、砂つぶほどの磁石ができます。
そしてさらに細かく分けて、けんびきょうでも見えないほどまで小さくしていきましょう。すると、最後には、原子という小さなつぶになります。磁石の鉄は、たとえ原子になっても、磁石の力を持っています。
この原子というのは、まん中に「げんしかく」というものがあり、そのまわりを電子という小さなつぶが回転するしくみになっています。この電子の回転が、磁石の力を生み出しているのです。

鉄には、磁力(じりょく)のある鉄とない鉄があります。では、磁石になっていない鉄は、電子が回転していないのでしょうか。そうではありません。回転はしていても、磁石になっていない鉄では、この電子の回転する向きや、きどうがばらばらなために、おたがいに力を打ち消しあってしまって磁石にならないのです。それに対して、磁石になった鉄では、電子の回転する方向などが、きれいにそろっているために、磁力はたがいに打ち消されることなく磁石になる、というわけなのです。

鉄にはほかの金属よりも、電子の回転の方向がそろいやすいという性質があります。つまり、ほかの磁石にくっつくと、電子の動きがぴたっとそろってしまうのです。すると、その鉄もまた磁石になるというわけです。

4年生説明文 「聞くこと話すこと」 122917

人と関わることにおいて話すしたり、聞いたりすることは大切なことです。人はみんなそれらをしながら生きています。また生活していく上でもひつようなことです。

コミュニケーションの手段の一つとしてこれらがあります。これは最も重要な役割であるのです。人に自分の気持ちや考えを伝えることによって自分のことを理解してもらうことになり、相手のこともりかいできます。

次に重要なことは、そこから友情や信頼関係を生み出すことができます。人は他人の助けなしではいきていけないのです。よってこれは最も需要な部分をもっています。相手が自分の話をきちんと聞いてくれているか、自分の求めている答えがかえってくるかなどです。

人にとって話したり聞いたりすることは本当に生きていく上で大切なことです。他の手段ではこれら以上のことを伝えることはむずかしいのです。

4年生説明文 「電気について」 122918

電灯をはじめとして、テレビやれいぞうこ、電子レンジ、パソコン…。現代に生きるわたしたちにとって、電気は欠かせないものです。ではみなさんは電気についてどのくらいのことを知っているでしょうか。

家にもたくさん電気はありますが、自然のなかにもたくさんの電気があります。天気が悪いときに光る雷は、自然の電気の一つです。また、冬など乾燥した時期に、人との間やものとの間で起こる静電気も自然の電気です。

では、私たちがふだん使っている電気は、どのようにして作られているのでしょうか。

でんきの作り方は、主に火力発電、水力発電、原子力発電の3つです。日本では火力が一番盛んに行われています。私たちの生活になくてはならない電気ですが、たくさん作ればいいというものでもありません。
なぜなら、これら3つのつくりかたは、環境を犠牲にしているからです。火力発電は石炭や石油を燃やして発生した熱を電気に変換して電気を作る方法なので、ものを燃やしたときにたくさんの二酸化炭素が放出されます。これが地球の温暖化につながります。原子力発電は、原子力をもつ物質が分裂をするときに発生する熱を利用して、水蒸気をつくり、その水蒸気で発電機を動かして発電します。原子力発電をおこなった後にのこった物質は、人体に悪い影響を及ぼします。水力発電は水の落ちる勢いをつかって発電します。一見環境に害はないようですが、発電所をつくるときに山を切り崩すこともあるので、問題です。

これらにかわる発電の方法として、風をつかって発電する風力発電や、太陽の光で発電する太陽光発電など、さまざまな方法が考えられています。これらはクリーンエネルギーとよばれ、自然環境に影響を与えない発電方法だと注目されていますが、設置に費用がかかることや、得られる電気量が少ないなど、さまざまな問題があり、なかなか普及していないのが実態です。

わたしたちは、うつくしい地球をずっと後の世代までのこしておけるように、環境に配慮しなければなりません。そのためにも使わない電化製品のコンセントは抜いたり、見ていないテレビは消したり、無駄に電気を使わないように努力する必要があるのです。
便利だからといって電気を使ってばかりでは、将来地球にすむことはできなくなってしまうかもしれません。

4年生説明文 「ネットワーク」 122919

私たちは今、さまざまな情報の上で生活しています。その情報は、ネットワークによって世界各地で共有されています。便利であるネットワークが及ぼす影響は必ずしも、私たちにとってプラスになるとは限らないのです。

もちろん、世界各地どこにいても、瞬時に情報を飛ばすことができます。安否確認など、人命に関わるようなことも便利になっています。戦後、学校の黒板に「○○にいます。」と伝言を残していた時代に比べると、便利になったのは明解です。

では、どこがマイナスなのでしょうか。まず、あげられるのは、書き込みなどによる誹謗中傷です。ネット上では、自分の名前を公開せずに、書き込みができてしまいます。また、なりすましも可能です。これにより、どれだけの人が傷ついたかわかりません。

また、ネット通販による詐欺もあります。ネット通販では、クリックひとつで物を購入することができます。それ利用して、クリックするだけで有料サイトにつながってしまうという詐欺が多々起こっています。

ネットワークの便利さを利用して、それを悪い方向に使う人があとをたちません。果たして、ネットワークは本当に世の中を便利したのでしょうか。ネットワークによって、世界はいろんな意味で、変わってしまったのです。

4年生説明文 「草食動物と肉食動物」 122920

 動物には、草食動物と肉食動物と雑食動物がいます。草食動物と肉食動物のちがいは、食べるものの違いだけではありません。

 まず、歯の形がちがいます。
 草食動物は奥歯が発達していて、大きく、平らです。この歯を「臼歯」といいます。臼歯の「臼」は「うす」という意味で、草食動物はこの臼歯で草をすりつぶします。
 肉食動物は前歯がするどく発達しています。犬歯といいます。人間でいうと、やえばのことです。肉食動物は、この犬歯で肉をひきちぎって食べるのです。

 また、目の役割もちがいます。
 草食動物は、顔の側面に目がついています。側面に目があると、両目の視野がとても広いのです。草食動物は、肉食動物に食されてしまう運命にあり、常に肉食動物にねらわれていないか、注意しなければならないのです。広い視野に肉食動物が入ってくると、すぐさま逃げることができます。
 肉食動物は、人間と同じように顔の前の目がついています。この構造では草食動物よりも視野はせまいですが、えものまでの距離を正確にとらえることができるのです。ねらっているえものまでの距離を正確にとらえ、かりの計画をたてます。

このように、食べるものがちがえば、からだのつくりも違うのです。

4年生説明文 「弦楽器のしくみ」 122921

弦楽器とは、バイオリンやチェロ、ギターなどの楽器のことです。
これらの楽器に共通しているのは、弦(げん)というものが張られていて、それで音を鳴らすということです。
その仕組みは、具体的には一体どうなっているのでしょうか。

まず、弦の長さで音の高さが決まります。
弦の長さは長ければ長いほど、低い音が鳴ります。また短ければ高い音が鳴るということです。
弦楽器を弾く人たちは、弦を押さえてやることによって弦の長さを変えて、その音の高さを調節しています。

次に、弦の太さでも音の高さが決まります。
弦は、太いほど低い音が鳴り、細いほど高い音が鳴ります。
よって弦楽器奏者は、低い音を出したい時は太い弦を、高い音を出したい時は細い弦を押さえて、音の高さを選んでいるということですね。

最後に、弦やその他楽器そのものの材質によって、音の質が変わります。
ナイロンや鉄などのさまざまな種類の弦がありますし、また楽器のボディもメイプルやローズウッドなど様々な材質でできています。
楽器奏者は、自分の好きな音色を求めて、さまざまな材料を試しているのです。

美しい音、かっこいい音を奏でる弦楽器。
そこには今あげたようなさまざまな秘密があったのです。
そしてもう一つ、よい音を奏でるのに必要なこと。
それは何よりも、その楽器を弾く人の技術が大切なのを忘れてはなりません。

4年生説明文 「時間について考えること」 122922

みんなは時間について考えたことがあるのでしょうか。今この瞬間も時間は流れ続けています。時間は決して待ってはくれません。

「時は金なり」という言葉があります。時間はお金と同じ、いやそれ以上に大切だという意味です。私たちが生きていられる時間は限られています。それなのに、この世界はとても大きくて、楽しいことがいっぱいで、それを全部やりつくすには私たちの人生は短すぎます。ただでさえ限られた時間なのにそれを無駄にしてしまうことはとてももったいないことです。

一年間を365日として八十才まで生きるとします。そして、一日を一円としてお金にかえて考えてみると一生は29200円になります。お金は考えて使わないとすぐ無くなってしまいますよね。それと同じで、時間もだらだら過ごしているとあっという間に無くなってしまいます。あなたの人生29200円をどう使うのか、それはあなたにかかっています。

「光陰矢のごとし」という言葉があります。時間はあっという間に過ぎていくといった意味です。私たちは生まれてから死ぬまでの時間は限られているのに、時間はまるで矢のように早く過ぎ去っていくのです。普段生活しているとそんなことは感じませんが、気づけば小学生だった自分がいつの間にか中学生になり、そしてまた、気づけば大人になっています。そんな時、時間の経つ早さを気づかされるのです。

いつもと変わらないような毎日。ずっと変わらないように思える日常。それでも時間は流れ続けています。一生という時間は、あなただけの限られたかけがえのない宝物なのです。

4年生説明文 「カップめん」 122923

カップめんは、わたしたちの身近にある簡単に作ることのできる食品である。早く簡単にできて、なお、おいしい。まさに理想的なものである。

カップめんにはいろいろな種類がある。ラーメンはもちろん、うどんやそば、やきそばもあり、最近ではスパゲッティなどもある。また、それぞれで味の違いや生産者の違いもあって、その数は数百種あり、それぞれに好みがある。

カップめんの始まりは、1971年に日清食品の発売したカップヌードルである。当初は間食としての普及をねらいとしていたが、今では主食として食べられることも多い。

しかし、カップめんは保存食であり、純粋な食材ではないため、良いところばかりではない。まず、栄養のかたよりである。いくら便利な食べ物でも長持ちを前提としているため、栄養に配慮できる割り合いはどうしても低くなってしまう。次に、食品添加物といわれるものが大量に含まれるため、人の体に悪影響を及ばすものも少なくない。

このように、良いところもあれば悪いところもある。そのため食事はバランス良く摂ることが重要なのです。

4年生説明文 「オオアリクイ」 122924

 みなさんはオオアリクイをしっていますか?
 オオアリクイは低地にある草原、沼地、開けた森林などに生息します。地面に掘った浅いくぼみで1日あたり14-15時間は休みます。ねる時は体を丸め、尾で全身を隠すようにおおいます。移動する時は爪を保護するため、前あしの甲を地面に付けて歩きます。外敵に襲われると尾を支えにして後あしだけで立ちあがり、前肢の爪を振りかざし相手を威かくします。それでも相手がひるまない場合は爪で攻撃したり相手に抱きつき締めあげます。

 このような生態のオオアリクイですが、なんといっても一番の特徴は円筒状に長く突き出た口です。その先端の小さな口から50cmにも及ぶ細長い舌を出し、粘り気のある唾液で食べ物をなめとるように集めます。もちろん、大好物はアリです。前足にある湾曲した鋭い爪で、ごちそうが集まっている固いアリの巣やシロアリの巣に穴ををあけます。

 1つの巣から捕食する量は少なく、1回の捕食に費やす時間も平均で1分ほどです。複数のありの巣をまわって食事をします。1回の捕食量が少ないことや複数の巣をまわることで行動範囲内の獲物を食べ尽くさないようにしているのです。

 オオアリクイは単独で生活していて昼間に活動することもあるが、人間によるえいきょうがある地域では夜間に活動します。オオアリクイは人間をおそれているのです。
人間がオオアリクイの住む土地の破壊したり、攻撃的な動物と誤解されての駆除、毛皮用としての狩猟などにより生息数は減少しています。

 人間の身勝手な行動によって、オオアリクイは絶滅にひんしています。森林は人間だけのものでないことを今一度考えてみましょう。

4年生説明文 「お月様」 122926

私たちが見ている月にはいろいろな不思議があります。どのような不思議が隠されているのでしょうか。見ていきましょう。

月はウサギがもちをついているように見えたりしますね。それは、月には高い表面と低い表面があるからなのです。高い表面は白く見え、低い表面は黒く見えます。それによって模様が見えるのです。

月は夜になると輝いていますよね。これは月が光を出しているのではなく、太陽の光を反射して光っているように見えているだけなのです。不思議ですね。 月は太陽と同じように、東の空から出て南の空を通って、西の空に沈みます。これは地球が一日に自分で一回転しているからなのです。
さらに、月も地球の周りをまわっているのです。面白いですね。太陽は動いていません。月が地球の周りを回ることによって、ある時刻での月の位置が西から東へと移動していくのです。
つまり、地球が一日自分で一回転することによっ、月は東の空から出て南の空を通って西の空に沈むように見えるのです。月が地球の周りを一回転することによって、同じ時刻に見える月の位置が西から東へと毎日変化しているのです。

最後に、月の形はいろいろありますね。十五夜お月さんや三日月など。これは、太陽の光を受ける月と私たちが見ている位置によって異なります。また、月は右からかけていき、右から満ちていきます。これもおもしろいですね。

このように月にはほかにもいろいろな不思議が隠されています。地球ほどは大きくなれなかったがゆえに、重力がなく、水や空気をとどめることができなかったのです。しかし、暗闇の中光として私たちを見守ってくれているのです。

4年生説明文 「電話の仕組み」 122927

 みなさんが絶対に使ったことのあるであろう電話の仕組みをみなさんは知っていますか。
いつも当たり前のように使っているかもしれませんが、昔はちょっとしたことを
伝えるにも直接会いに行ったり、手紙を書いたりしていたのです。
離れている人に声を届けることが出来る電話はどのような仕組みをしているのでしょうか。

 みなさんは糸電話を知っているでしょうか。これは声が“ふるえ”となって糸を伝わり、
再び声にもどります。それに対して電話は声を電気に変えて電線に送り、再び声に
戻したものが聞こえてきます。声を電気に変えるのは電気のほうが早く相手に
届くからです。電話は音を電気に変える送話器と、送られてきた電気を音に変える
受話器からできています。

私たちが送話器に向かって話をすると、その声が送話器にある薄い振動する振動板を
ふるわせます。すると、振動板のうしろにある炭素の粉は、強く押されたり
弱く押されたりします。炭素は鉛筆などにも含まれているものです。
この炭素の粉には電流が流してあり、強く押すほど大きな電流が流れます。
そのため、振動板のふるえが電流の大小に変わり、電線の中を伝わっていくのです。

一方、受話器は電磁石と振動板からできていて、振動板には鉄片が付いています。
電線を伝わってきた電流は、電磁石に流れます。電磁石には電流の大きさによって磁力が変わる性質があるので、鉄片は電流の大小によって強く引かれたり、弱く引かれたりします。そのため振動板もふるえ、電流の大小が音となって聞こえてくるのです。

 電話は今までにたくさんの改良を加えられて今の仕組みになってきています。
そして今では携帯電話などもっと便利なものもできています。
しかし昔の人々が電話と言うものを発明してくれたおかげで、今の生活が
成り立っているのです。これから更なる改良を加えられたとしたら、どのようなものに
なっていくのでしょうか。

4年生説明文 「めがねの仕組み」 122928

 みなさんの周りにめがねをかけている人はいますか。目の悪い人がめがねをかけますが、どうしてめがねをかけるとよく見えるようになるのでしょう。では、その仕組みを見てみましょう。

 まず、めがねといってもその人の症状によって、めがねの作りはかわってきます。症状には、近視や遠視、老眼など、さまざまなものがあり、その用途によって効果がかわります。

 近視の場合の仕組みを見てみましょう。近視とは、遠くの物が見えにくくなる症状のことです。物が見える仕組みは、目の奥にある網膜というところに像を写すことでそのものを認識します。しかし、近視の場合、その像が、網膜よりも手前にできてしまい、遠くを見るとぼやけて見えてしまうのです。なので、凹レンズを使って網膜に像ができるように矯正します。

 遠視の場合はどうでしょう。遠視とは、近くの物が見えにくくなる症状のことです。遠視では、近視とは逆で目のレンズ系の屈折力が弱く、網膜の後ろで像ができてしまう状態です。なので、目の屈折力を補うように凸レンズを使って網膜に像ができるように矯正します。

 このように、めがねは種類によって、さまざまな作りをしています。同じような仕組みを持つものにはコンタクトレンズといったものもあります。

4年生説明文 「いろいろな漁業」 122929

魚がどのように捕獲されているか知っていますか?捕獲の方法としては、主に遠洋漁業・沿岸漁業・沖合漁業があります。

遠洋漁業とは、自分の国が持っている範囲の海の内側と外側の両方でする大型漁船による漁業のことです。公海や外国の海を漁場とすることも多く、世界の海を駆け回る漁業です。単船で行われる場合もありますが、船団を組んで相互に連絡を取り合う場合が多いです。
現代の遠洋漁業は、大きな資本と人数をかけていて、1ヶ月から1年半にも及ぶ日数や人件費などの採算に合うマグロとカツオを主な対象魚種としていますが、イカを対象とする船団もあります。

沿岸漁業とは、自国の陸から比較的近い、日帰りできる程度の沿岸部で行われる小規模な漁業のことをいいます。海面漁業のうちの一つです。サバ、アジ、タラ、タイなどを漁獲します。

沖合漁業とは、 沖合で行われる漁業のことで、沿岸漁業と遠洋漁業の中間規模のものを指します。 近海漁業とも言われる。
漁獲量は、漁況や海の状況によって左右され、年によっての差が激しいです。アカイカ、カツオ、キハダマグロ、サバ、サンマ、スルメイカ、ズワイガニなどをとります。

このようにして、魚たちはみなさんの食卓へ届けられています。
みなさんも魚を食べる時は、この魚はどうやってつかまえられたのかな、と思いをはせてみてくださいね。

4年生説明文 「お金はなぜ大事か」 122931

みなさんはお金が大事なものだということはわかっていると思います。では、なぜお金は大事なのでしょうか?

もし仮に、お金というものがこの世界に無かったとすると、どうなるでしょうか。すべて必要なものを自給自足するという人もいるでしょう。しかし、ほとんどの人は自給自足は難しいと思います。ではどうするのかというと、物々交換をするのです。たとえば、米とトマトやキュウリなどの野菜と交換したり、服と飲み水を交換したりして、生活に必要なものをそろえるのです。しかし、そのそれぞれのものに対する価値というのは人それぞれです。例えば、ある人は米一キロとバナナ10本交換してくれるとします。しかしまたある人は米一キロに対してバナナ5本しか交換してくれないということが起こります。これでは、同じ労力でも豊かな人とそうでない人が発生してしまうのです。だから価値を統一するために、お金が存在するのです。

つまり仕事をしてお金がもらえるのは、それだけの価値の労働をしたということを表すのです。仕事は誰かのためになるものです。つまりかせいだお金は誰かの役に立った分の価値だともいえます。お金がないと生きていけないということは、つまり誰かの役に立たないと生きていけないということをも表すのです。

また、自分がお金を使う時というのは、誰かが他人のためにした労働にたいしてその価値だけのお金を払っているということです。だからこそ他人が一生懸命働いてつくったものに対価を払わない万引きや強盗は罪に問われるのです。

このように、お金が存在することによって、世界中の人々が間接的にたすけあっているともいえます。お金とはこのような様々な意味で大切なものなのです。

4年生説明文 「ケータイとわたしたち」 122932

人と人のコミュニケーションの手段として、もはや欠かすことができなくなった携帯電話。最近では、タッチパネルを採用して、インターネットの利用がより便利になった、スマートフォンが発売され、ますます携帯電話の実用性が高まっています。では、ケータイ文化が始まったことによって、わたしたちの生活にどのような影響を与えるのでしょう。

携帯電話が普及して最も便利になったことは、携帯電話さえ持っていれば、いつ、どこにいようと、連絡を取り合うことができることです。これは、友達と待ち合わせをしたり、外出している人と話したいときなどに非常に便利です。
また、通信料さえ払えば、携帯電話からインターネットに接続でき、さまざまな情報を調べることができます。
これらの機能は、携帯電話の良い点といえるでしょう。

しかし、実は携帯電話には、君たちが生活するなかで、悪い影響を及ぼす問題点も存在しているのです。
まず第一に挙げられるのは、携帯電話の依存性の問題です。現在のケータイには、通話機能のほかにも、メール機能、インターネット、カメラ、、、など様々な機能が付いています。これらの機能は便利で面白いので、ついつい何時間もケータイを触ってしまい、その他のことに集中できないということが深刻な社会問題にまでなっているのです。
次に挙げられるのは、知らない人からのメールや出会い系サイトの問題です。自分のアドレスが流出してしまい知らない人からメールが来る、ケータイで手軽に出会い系サイトにアクセスできてしまう、これらはすべて様々なトラブルの原因となるのです。

このような問題を解決する手段、それはルールです。ケータイを触るのは一日一時間程度にする、だとか、インターネットのアクセスに制限をつけ、ふさわしくないサイトには入れないようにする、といったルールを家族と相談して決めることで、トラブルを防ぐことができます。ルールを決める時期はケータイを購入する前がいいでしょう。

冒頭でも説明した通り、携帯電話が世界中に普及したことにより、わたしたちの生活は格段に便利になったことはまぎれもない事実です。しかし、その一方で問題も出てきたということを忘れてはなりません。新しい技術が開発されれば、メリットが生まれる一方、必ず、デメリットも潜んでいるのです。
デメリットをできるだけ少なくすることが、よりよい未来をつくる近道なのです。

4年生説明文 「無題」 122933

 皆さんはお医者さんにかかったことはありますか?
 体が弱くてお医者さんにはよく行くという人から、病院は嫌いだから風邪を引いても絶対に行かない!という人まで様々だと思います。
 そんな私たちの体を治してくれるお医者さんはどのような一日を送っているのでしょうか?今日はとある内科のお医者さんに密着してみました。

 朝、お医者さんは早めにご飯を食べると急いで病院へと向かいます。朝の診察は9時からなのですが、その前に入院している患者さんの様子を見なければならないのです。
 各病棟に入院している患者さんの回診が終わると、続いてやってくる外来の患者さんの診察です。患者さんは小さな子どもから、お年寄りまで様々です。

12時まで診察をすると、ようやくお昼御飯です。しかし、ゆっくり食べている暇はありません。この後すぐに会議室で会議をしなければならないのです。
 会議にはお医者さんの他に各階の看護婦長、リハビリセンターの責任者、そして病院の経営をしてくれている事務長などが参加します。題材は今月の病院の経営の事、院内感染対策の事、インフルエンザが流行っている時期はそれに対する対策のことなどを話し合います。会議は迅速かつ丁寧に行われます。会議をおろそかには出来ないし、お医者さんには午後の診察を待つ患者さんがいるからです。
 そうして会議を慌ただしく終えるとお医者さんは休む暇もなく午後の診察を開始します。患者さんは風邪の引き始めなど軽い症状の人もいますが、たまにこの病院では手の付けられないほど重症の患者さんも来ます。その場合、お医者さんは知り合いの大きな病院に連絡を取って、場合によっては救急車でその人を大きな病院に運んでもらうのです。

 午後の検診が終わってもお医者さんの仕事はまだ残っています。今度は車に乗って外に往診に行くのです。往診とは寝たきりで病院に行けない患者さんなどの為にお医者さんがその患者さんの自宅へと行き、診察をすることです。最近では高齢化が進んでいるため、病院まで足を運べない患者さんが多く、時にはお医者さんは山一つ越えて往診に行かねばならないので大変です。
 そして、往診が終わってへとへとになって帰ってきてもまだ仕事は終わりません。夕食の時間には夕食時の回診をしなければならないし、夕食を食べた後も患者さんのカルテを書かなければなりません。そして、夜9時に寝る前の回診を終えてようやくお医者さんは一息を付くことが出来るのです。
 しかし、まだ終わりません。宿直当番の夜には病院に泊まり、夜中急に具合の悪くなった患者さんに備えなければならないのです。寝れるには寝れますが、いつ起こされてもすぐに起きて診察に向かわなければいけませんので、ろくに熟睡は出来ません。
 こうして朝になるとお医者さんは再び仕事に向かうのです。

 お医者さんはとても大変で辛い仕事です。けど、お医者さんは患者さんの為に今日も忙しい1日を乗り切っていくのです。

4年生説明文 「木管楽器と金管楽器」 122936

吹奏楽の演奏に使われている楽器には、三種類の楽器があります。木管楽器・金管楽器・打楽器の三種類です。それぞれの楽器群の分類の仕方は実は音の出し方によって分けられています。では、それぞれの楽器群にはどのような音の出し方の特徴があるのでしょうか。

まず、金管楽器の音の出し方の特徴は、楽器の吹き口に見られます。よく、楽器が金属で作られているということが挙げられます。確かに金管楽器は金属でできたものばかりです。それも一つの特徴といえます。しかし、フルートやサクソフォンも金属でできていますが、木管楽器に分けられます。これは、金管楽器は奏者の唇を震わせて、その振動を管の中の空気に伝え、音として出しているからです。このとき、様々なシステムを使って管の長さを変化させることで、音の高さを変えることができます。

では、木管楽器はどのような音の出し方をしているのでしょうか。ほとんどの木管楽器の吹き口には、「リード」と呼ばれる薄い板が取り付けられています。木管楽器は、この「リード」を振動させて空気に振動を伝え、音として出しています。リードは主に葦と呼ばれる植物からとられています。最近ではプラスチックでできたリードもあります。フルートは、この「リード」はありませんが、吹き口から吹き込んだ空気を管自体に直接当てて、振動させて音を出しています。また、昔のフルートは木でできていたこともあり、木管楽器に分類されるようになりました。

最後に打楽器ですが、この楽器群は名前の通りに叩いて音を出します。小太鼓や大太鼓は胴と呼ばれる筒の両端に皮を張り、その皮をたたくことによって、叩いた振動を胴の中にある空気に伝え、音として鳴らします。このような仕組みで鳴る楽器は、皮を張る強さによって音の高さが変化します。また木琴や鉄琴などの鍵盤になっている楽器は、一つ一つの鍵盤の下に共鳴管と呼ばれる筒があり、その中で空気の振動を増幅して音としてよく聞こえるようにしています。

このように、楽器といってもたくさんの種類があり、またいろいろな音の出し方があります。皆さんのよく知っている楽器はどのような音の出し方をしているのでしょうか。また、どの楽器群に含まれているのでしょうか。調べてみると、意外な楽器の姿が見えてくるかもしれません。

4年生説明文 「チョコレート」 122937

みなさんは、甘いものが好きですか?みなさんのなかには、甘いものが苦手だという人もいるかもしれません。甘いものと聞いて、みなさんは何を思いうかべますか?甘い食べ物の中には、ケーキやみたらし団子、アイスクリームやチョコレートなどがありますね。その中でも、チョコレートはミルクチョコレートとホワイトチョコレートがあります。このふたつは、同じ、チョコレートという名前がついていますが、色や味がちがいますね。なぜ、ちがうのか考えてみましょう。

ミルクチョコレートとホワイトチョコレートは、ちがうものから作られているのでしょうか。きっと、ちがうものだと、いう人が多いでしょう。しかし、実は、ミルクチョコレートもホワイトチョコレートも同じものからつくられてています。それは、カカオ豆です。カカオ豆は、カカオの樹の果実の中にあるたねのことです。カカオは、赤道のあたりのあたたかい地域で育てられています。カカオの種類は、おもに三種類あります。チョコレートをつくっている会社は、お菓子の種類ごとに、カカオ豆をえらび、いくつかの豆をまぜあわせてチョコレートの特徴を出すことが多いです。

同じカカオ豆から作られていますが、ミルクチョコレートが茶色なのは原料のカカオ豆をローストして出来るカカオマスの色だからです。カカオマスというのは、かんたんに言えば、ココアの原料です。なので、ミルクチョコレートが茶色だというのは、不思議ではありませんね。では、ホワイトチョコレートはなぜ、白色なのでしょうか。ホワイトチョコレートが白色なのは、カカオバターの色だからです。カカオバターはカカオマスを作るときに、他にできるものです。カカオ豆をローストした後に外皮を取り除いて生成すると、ココアの粉と脂肪分にわかれます。この脂肪分がカカオバターです。

次は、味の違いについて考えてみましょう。ココアの粉と脂肪分の両方に砂糖やミルクを加えて作ると、ミルクチョコレートができます。また、脂肪分のカカオバターだけを使って同じように砂糖やミルクを加えるとミルクチョコレートができます。ミルクチョコレートより、ホワイトチョコレートが甘く感じられるわけは、ホワイトチョコレートには、ココアの成分が入っていないからです。

このように、よく似ているミルクチョコレートとホワイトチョコレートにも、いろいろな違う点があります。ほかの似ているお菓子同士や、食べ物同士にも、違う点がたくさんあります。みなさんも調べてみると楽しいですよ。

4年生説明文 「火山の仕組み」 122938

みなさんは日本には百個以上の火山があることを知っていますか。この数は、世界的に見ても圧倒的に多く、日本は火山大国と呼ぶことができます。火山は、私たちに恵みをもたらしますが、反対に、大きな被害をもたらすこともあります。

日本に存在している火山で活発に噴気活動が見られるのは少なく、ほとんどの火山は休んでいる状態になっています。日本で一番高い山である富士山も火山で、過去2000年の間に十数回噴火しているのです。熊本県の阿蘇山は世界最大規模のカルデラをもち、つねに噴煙をあげる、日本を代表する火山です。富士山も現在は休んでいますがいつ噴火してもおかしくないのです。

まず、火山がもたらす災害について。火山の地下にはマグマ溜まりがあり、そこからマグマが上昇して地表に出る現象が噴火です。噴火には、様々なタイプがあり、マグマの流れやすさと噴火時の気体になりやすい物質の量で決まります。特に、気体になりやすい物質の量はマグマの爆発性を左右し、多ければ多いほど、大きな爆発となります。そして、噴火と一緒に飛ばされる火山灰や溶岩、岩石が私たちに大きな被害をもたらすのです。

今度は、火山がもたらす恵みについて。火山がもたらす地形は特殊であり、その環境は肥沃な大地や湧水、火と温泉を与えてくれます。また、富士山のような美しい風景や火山から発生する熱によって電気を作ることさえできるのです。

このように、火山は人間の生活に密接につながっていて、多くの火山を持っている日本は最も強くつながっていると言えます。

4年生説明文 「鏡の仕組み」 122939

 鏡はいろんなところで見かけることがあり、自分の姿を自分で見ることのできる手段の一つです。今回はその鏡がどのような仕組みになっているのかを見ていきましょう。

鏡にものがうつったり、窓ガラスに顔がうつったりするのは、光がはんしゃするためにおこるのです。電車に乗っているとき、窓ガラスがまるで鏡のようになっているのに気(き)がつくことがあります。外が明るいときは、ただのとうめいな窓ガラスなのですが、電車がトンネルの中に入ったり、外が暗くなると、窓ガラスに顔がうつるようになります。じつは、これが、鏡にものがうつるひみつをとくための大事なヒントです。

 ガラスの表面はつるつるしているので、この表面で光をはんしゃしています。しかし、昼間は、ガラスの向こうがわからくる光が、そのはんしゃよりもはるかに強いために、はんしゃした光はよく見えないのです。それが、夜になって外がくらくなると、ガラスの表面ではんしゃしている光が見えてきます。それで、かおがうつったりするのです。

 鏡が窓よりも良くはんしゃすることにも理由があります。鏡は、ガラスの後ろに、銀がうすくぬってあるのですが。この銀は、光をほぼ100%はんしゃします。もちろん、ガラスの表面も光を反射はんしゃしていますが、銀のはんしゃの方が強いため、銀のはんしゃしたものだけがはっきり鏡にうつって見えるのです。ふつうはあまり気がつきませんが、鏡にうつったものをよく見(み)ると、ガラスの表面にうつったものと、うらの銀にうつったものが両方見えています。つまり、鏡にうつったものがほんのすこしだけ二重に見えるのです。

 鏡が光をはんしゃすることは知っていても、銀がぬってあることを知っている人は少ないのではないでしょうか。このように身近なものにも意外なものがかくれているのです。

4年生説明文 「世界の国々」 123119

 私たちが住んでいるこの地球には、たくさんの国があります。日本もそのうちの一つですが、ほかにどのような国があるのでしょうか。いくつかの国を見ていくことにしましょう。

 まずは、アメリカです。この国は日本の東にあり、面積は日本の約24倍、人口は約2.4倍です。この国で有名なのは、ハワイや自由の女神です。ハワイにはとても美しいビーチがあり、自由の女神は、19世紀にアメリカ合衆国の独立100周年を記念して、フランスから送られたものです。どちらも毎年多くの日本人が観光に訪れます。

 次は、中国です。この国は日本と同じアジアにあり、日本の西にあります。面積はアメリカとほぼ同じですが、この国は人口がすべての国の中で一番多く、日本の10倍以上です。この国には、パンダや万里の長城で有名です。いま日本にいるパンダも、もともとは中国に住んでいたものです。万里の長城は、今は観光名所ですが、もともとは昔の中国が、北方の移民の侵入を防ぐために作ったものです。

最後に、イギリスです。ヨーロッパにあり、その面積は日本よりも小さく、人口も日本の半分ほどです。この国もたくさんの日本人観光客が訪れますが、有名なのはロンドンにあるエリザベスタワー、別名ビッグベンと呼ばれている時計台です。

 このように世界にはいろいろな国があり、それぞれの国にそれぞれの特徴があります。この三つ以外の国について調べて見るのも面白いかもしれません。ぜひ調べてみましょう。

4年生説明文 「リサイクルの仕組み」 123817

「リサイクル」と言う言葉を知っていますか。意味を知らなくても聞いたことがある人はいると思います。リサイクルとは、日常生活において発生したいらないものや、工場などで出たいらないものを資源として再生して利用する、あるいはまだ使えそうなものや価値のあるものを回収・再生して有効に利用することです。
わたしたちはいつもいろいろなものを使ったり捨てたりすることを繰り返しています。わたしたちは日常生活の中でいつの間にか使い終わったものをゴミとしてとらえているのかもしれませんね。しかし、日常生活で気をつければ、今までゴミだと思っていたものが他のものの資源になるものがひそんでいます。
それではどんなものがごみにならずに資源となったり、新しいものに生まれ変わったりと、ゴミだと思っていたものが実はまだつかえるのかなどを例をあげて見ていきたいと思います。

まず、みんなが絶対に見たことがあるペットボトルについてみてみようと思います。ペットボトルの約20%が材料リサイクルされ他の製品の原料となっています。例えば集められたペットボトルを溶かして再度ペットボトルとして生まれ変わったり、化学繊維上の糸にして私たちが着ている服になっていたりします。
しかし、リサイクル本来の意味である「再循環」が行われるのはわずか1%にすぎません。これはみんながペットボトルを使い終わったらゴミとして捨ててしまうためです。

次に新聞紙や紙パックについてみてみようと思います。回収した紙は、古紙として再び紙の原料となりトイレットペーパー、段ボール、白板紙の原料となる場合が多い。紙を作るためや家を建てるためなどに木が世界で多く切り倒され、地球の森林がなくなっていき環境が破壊されています。
現在、古紙の利用率は世界で約50%と推定されています。使った紙が再生紙となってまた使われるようになれば環境が少しでも守られることになります。

最後に服について見ていきたいと思います。皆さんは切れなくなった服をどうしていますか。だいたいの人がほかしているかもしれません。しかし、もし少ししか着ないですててしまってゴミとなって環境を破壊してしまいます。環境を破壊するのは資源を使うからだけではありません。ゴミはどのようにして処分されるのか知っていますか。ゴミは高温で燃やされ処分されたり、地面に埋めて処分されたりします。処分されるためにも資源を使います。なのでゴミを出さないようにすることも環境を守ることになります。
服は小さくなって着れなくなったら、近所の小さい子にあげたり、バザーで売って新たな服を買う資金になったりします。

このようにいつも何気なく見たり使ったりして、ゴミと思っていたものはみんなが気をつけることで新たな資源として生まれ変わったり、新たな持ち主が使ったりします。これを繰り返すことによって地球の資源がまもられます。日常生活で使われているものは地球の資源から作られています。地球の資源は無限にあると思っているかもしれませんが、残念ながら無限にはありません。資源は少ないのです。なので、使ってはゴミとして捨てるのではなく資源として生まれ変わらせてあげるようにしましょう。

4年生説明文 「雨のしくみ」 123819

 日常の中で雨というのは誰もが必ず見たことのあるものだと思います。そしてその雨はどうのようにしてできているのか考えたことのある人もいるでしょう。では雨はどのようにできるのかまとめてみましょう。

 そもそも雨とは何なのでしょうか。それは水です。そして雨とは水の循環の課程の一部にすぎないのです。水の循環の始まりは海や川です。まず、海や川の水は蒸発し水蒸気となって空に昇っていきます。

 次に、その水蒸気は空で気体でいられない状態の気温になると雲になります。ひとえに雲と言ってもさまざまな雲があり、中には雨を降らせないものもあります。雨を降らせる雲は積乱雲と呼ばれるものです。

 そして、雲の中で水滴がつくられ、その水滴が重力によって地上へと落ちていきます。これこそが雨です。そしてその雨が海や川に流れていき、水の循環が繰り返されるのです。

 雨は私たちの見えない姿になって空へと昇り、私たちのよく見る雲になって、また雲から降ってくるのです。雨は身近な存在であることが改めてわかったことでしょう。

4年生説明文 「雪のでき方」 123820

 日本では冬になり寒くなると、雪がふります。雪はどのようにしてできて降るのでしょう。

 雪の正体は、水です。水が結晶の形でこおったもの、または固体になったものを指します。雪結晶は、地上からずっと高い雲の中でできた小さな雪結晶が、ゆっくりとおちながらまわりの水じょう気により成長したものです。
 雪結晶まわりの温度などで形がかわるため、木のえだの形、六角形の角板やおうぎ形のほかに、角柱状や、はり状のもの、日本古来の打楽器であるつづみ形のものなど色々な形があります。

 それでは、雪はどうやってできるのでしょう。
 雪ができる前に、まず雲つぶによって、雲が形成されます。高緯度の寒い地方の上空や、強い上しょう気流をともなう積らん雲は、雲の最上部の温度を氷点下より低くします。雲つぶはとう結し、やがて氷の結晶を作ります。氷の結晶は、はじめは小さいけれど、じょじょに大きくなり雪の結晶として成長します。そして地上に降ります。

 雪が降ると様々な現象を見ることができます。
 例えば、気温が氷点下20度くらいまで冷えこむと、地上でも雪結晶のたまごができることがあります。
 大きさ0.1ミリほどの非常に小さな角板や角柱の結晶で、太陽光があたるとまるでダイヤモンドのようにキラキラかがやいて見えるので、ダイヤモンドのようなちり、つまりダイヤモンドダストとよばれています。
 また、ダイヤモンドダストが太陽の光をきそく正しく反しゃすると、その光が柱状になって見えることがあります。これがサンピラー現象です。
 これらは、極寒の雪国ならではのみりょく的なもののひとつです。

 雪は冬ならではの風物詩です。雪が降ったらよく見てみましょう。何か新しい発見があるかもしれません。

4年生説明文 「聖地 甲子園球場」 123821

 兵庫県西宮市に阪神タイガースの本拠地、阪神甲子園球場が建っています。しかしここはプロ野球チームのホームでありながら、春と夏に高校野球の全国大会が開かれています。そのことから「聖地」と呼ばれたりもしています。ですから、甲子園球場は他の野球場と一味違う点がいくつかあります。

 甲子園球場は実に88年もの長い間たくさんのゲームを見守ってきました。今はもうリニューアルの際刈りとられたため見ることができませんが、約430株ものツタが球場の周りを覆っていました。夏の大会が開かれている頃は青々としたツタに長い歴史を覚え、圧倒されてしまいます。今はまた新たにツタが植えられて、成長を待つばかりです。いつかトイレで手を洗っていると窓から入ってきたツタにびっくりするあの日が帰ってくるのでしょう。

 日本のプロ野球チームの本拠地で天然芝の球場は甲子園を含め三つのみです。ほとんどが人工芝を採用していることがわかります。確かに、手間もかからず経済的には人工芝の方が、利点が多いかもしれません(ドーム球場で芝を育てるのは不可能ですし)。しかしあの芝のかおり、手入れをいつもしてくれている阪神園芸さんの思いを五感で感じとられる天然芝こそが、高校球児の最高の舞台にふさわしいのです。

 その昔、選手の名前は大きな板に筆で書かれ観客らに掲示されていました。しかし科学の進歩により電灯で名前を出すことが主流になってきました。名前の書かれている板が大きすぎて選手交代の際大きな労力を使うこと、書いたばかりの板や雨のときに垂れて見栄えが悪くなってしまうなどのデメリットがあったのです。それが電光掲示板に変えることで全て解消されます。当然、甲子園も電光掲示板にする流れになるのですが異を唱える声が出てきたのです。伝統のある甲子園球場にそんなものは似合わない、古き良き今のままにすべきだ、というものでした。確かに繊細な筆で書かれた字と違い、当時の電光は粗く何より無機質な印象を受けます。一旦とりやめになる可能性もありましたが、希望の光が差し込みました。名前を表示するのに使う電球を小さいものにし、たくさん並べ、まるで手で書いたように電灯で表現したのです。この折衷案により確かにコストはかかるかもしれませんが伝統は守られ利便性がアップしました。

 このように甲子園球場の伝統は今でも受け継がれています。来年の春は、この球場でどこの高校が優勝するのでしょうか。そして阪神タイガースは優勝できるのでしょうか。乞うご期待ですね。

4年生物語文

4年生物語文 「姉妹」 91444

 昔、ある小さな村で、夫婦が二人の娘と一緒に暮らしていました。年上の娘はドーン、年下の娘はリリーという名でした。家族が住む小さな村の近くには、若い王様のいる国がありました。
 毎朝、リリーは早起きをし、服を着替えて、家族のために朝食を作りました。ドーンはいつもとても眠かったので、決して手伝いませんでした。朝食後に、リリーは、庭に働きに行きました。ドーンはたいてい家の中にいました。彼女は園芸が好きではなかったので、決して庭で手伝いをしませんでした。ドーンは、リリーにいつも怒ったように話しかけました。ドーンは、「私はいつか女王になって、おまえは私の宮殿の家事をする人になるわ。」と言いました。

 ある日、ドーンとリリーの父親が言いました。「王様が妻をさがしているらしい。彼は村のすべての娘に、彼を訪問してもらいたがっている。準備をしなさい。私たちは今日の午後に出発するつもりだ。」
 一時に、彼らは宮殿に向かって歩き出しました。その途中、幼い男の子がドーンに近づいてきて言いました。「ねえ、ぼくはおなかがすいているんだ。ぼくに食べ物をくれない?」ドーンは、「いいえ。」と答えました。さらに、「私はオレンジを一個しか持っていないし、それを自分で食べるつもりよ。」と言いました。すると、その男の子はリリーに話しかけました。「ねえ、ぼくはおなかがすいているんだ。」と彼は言いました。すると、リリーは「あるわよ。」と答えて、自分のオレンジをその男の子に与えました。

 しばらくして、彼らは木のそばで座っている老人に会いました、彼はとてものどが渇いていたので、起き上がることができませんでした。「わしを助けてくれ。」と彼は言いました。彼の髪の毛とあごひげは、長くて見苦しいものでした。彼の服もとても汚れていました。ドーンは「どいて!」と叫んで、去って行きました。リリーは立ち止まって、その老人を助けました。彼女は立ち去る前に、老人に一杯の水を与えました。

 彼らが宮殿に着くと、王様が村の娘全員と面会をしていました。ドーンは人をおしのけて、列の先頭に出ました。王様が面会を始めました。王様は、「おまえは親切か?」とドーンにたずねました。「ええ、もちろんです。」とドーンは答えました。王様は、「幼い男の子がおまえに食べ物を求めただろう。」と言いました。そして、彼女の目の前で、王様は幼い男の子に姿を変えました。「おまえは私に親切であったか?」と彼はたずねました。「え、えーと。いいえ。」とドーンは答えました。「おまえは人助けをするか?」と王様がたずねました。「はい!します!」とドーンは言いました。すると王様は、「老人がお前に助けを求めただろう。」と言いました。そして、彼女の目の前で、王様はその老人に姿を変えました。「おまえは私を助けてくれたか?」と彼はたずねました。ドーンは、「いいえ。」と悲しそうな声で答えました。彼女はもうそれ以上そこにいたくはなかったので、泣きながら走り去りました。

 その後、リリーの順番がきました。王様は言いました。「私はおまえには何も質問をする必要はなさそうだ。おまえは幼い男の子に親切だった。おまえは彼に自分のオレンジを与えた。おまえは、老人もまた助けてあげた。おまえは、この土地でもっとも親切で、人助けをする女性だ!私の妻になってくれるか?」「はい!」とリリーは答えました。
 リリーと王様は結婚しました。リリーは親切で優しい女王でした。彼女は、宮殿で住むようにドーンを招待しました。ドーンは少しずつ、リリーのように親切で優しくなりました。リリーとドーンの両親は、二人の娘をとても誇らしく思いました。

4年生物語文 「無題」 112710

お願いがかなう話ってわくわくするよね。わたしが知ってる話にこんな話があるよ。自分が生まれた日に自分が生まれた年にできた5円玉を拾うと、三つのお願いがかなうっていう話。信じられないかもしれないけど、これから話すのはほんとにわたしが体験した話なんだ。

私の誕生日に友達のたかこと一緒に映画を観に行った帰りのことでした。雨が降っていたので二人で傘をさして帰っていた。私は水たまりの中に何かが落ちているのを見つけた。「ゆか、何か落ちてるよ。」と、たかこが言うので見てみると5円玉だった。「5円だね。」と言って拾ってみると、私が生まれた年にできた5円玉だった。「ゆか、すごいね。誕生日に5円ひろうなんて。お願いしてみたら。」「お願いといえばこの雨、やんでくれないかなあ。」軽いじょうだんのつもりで言ったのに、雨が止んでお日様が出てきた。お願いがかなってしまったの。

本当にかなうなら、ちゃんと考えてお願いしなきゃ。でも、ほんとにかなうのかな。たまたまだよね。とか、色々考えていた。「ゆか、後二つのお願いはどうするの。」「本気でお願いがかなうと思ってるの。」「だって、雨がやまないかなっていったらほんとにやんだじゃない。」「本気でそう思ってるの。」「ゆかはなんにも信じないの。」「わたしはたかこみたいに、なんでも単純に信じたりしないもん。」「変なの。」「誰が変なのよ。」「ゆかのことに決まってるじゃん。」「たかこみたいな人と誕生日に一緒にいたくない。もう帰って。」そう言ったとたんだった。たかこは急に走り出して、帰っちゃったんだ。お願いがかなってしまったの。

一人になっちゃったので、わたしは家に帰った。夕飯の時間になったのでお母さんとご飯を食べていた。「お母さん、願い事が一つかなうとしたら、どんなことをお願いする。」「急にどうしたの。そうねえ、とてもいい友達かしら。この世で一番大切なのは友達だもんね。」目からうろこだった。お金とかマッサージチェアとかっていうと思ってたのに。そして、さっきのことを考えた。たかこはすごくいい友達で、いつも一緒にいるのにけんかしちゃったことを。「たかこがいなくなってさみしいな。もどってきてほしいな。」悲しくて、さみしくて、涙が出てきた。
そうしたら、たかこが笑顔で走ってきた。
お願いがかなってくれたの。

これが私が体験したほんとのはなし。みんなは信じてくれるかな。お友達を大切にしてね。

4年生物語文 「ちゃりんこくんとおまわりさん」 113102

今日もちゃりんこくんたちとおまわりさんの戦いはつづきます。
ちゃりんこくんたちはイタヅラの作戦会議をするとき、とりあえず集まってみるとき、いつも集合場所はグレートいのうえくんの家でした。なぜならグレートいのうえくんの家はとても良家で家が大きくいつもお菓子をだしてもらえたことと、グレートいのうえくんの妹のゆうこちゃんがとても可愛いかったからでした。しかしある日、いのうえくんが「今日からあまり家に集まれなくなった。お母さんが遊んでばっかいないで勉強しなさい、て言うんだ。」と言い出し貴重な集合場所がなくなってしまいました。いのうえくんの家は良家なだけにとても厳しかったのです。そこで新たな作戦会議場所として、ちゃりんこくんが喫茶店に行こうと提案しました。

街の喫茶店に行ってみたはいいものの、高校生のちゃりんこくんたちにはなかなか敷居が高くだれも入ってみたことはありませんでした。恐る恐る扉を開けると店員さんが優しく席まで案内してくれました。しかしそこは喫茶店なのでなにか注文しなければなりません。メニューを見てみるといつも自販機やスーパーで買っているカルピスやコーラが少し高めの値段になっていました。「コーラ高くねぇか。」とたかあきくん。当時の高校生がそんなに裕福なわけもなくみんな「これは高い。」と思っていました。

そこへさっきとはちがう店員さんが注文をとりにきました。しかしその店員さんはとってもとっても美人でこんな田舎にいてもいいのか。と思えるほどでした。たちまちみんなメロメロになり、全員カッコつけて飲んだこともないコーヒーをたのんでしまいました。もちろん苦くて飲めたもんではなくみんなサイフもすっからかんで落ち込み気味でしたが、店員さんを見るたびに元気になり、なにかにつけてその店員さんをよんでいました。ちゃりんこくんは「こんなにきれいな人がこの町にいるんだな。」とすっかりその店員さんのことが好きになってしまいました。その作戦会議の数日後思いも寄らない事実を、つきつけられるとも知らずに。

数日後、この前の作戦会議で考えだしたイタヅラを実行すべく、ちゃりんこくんは駐在所にいました。今回のイタヅラは駐在所のいたるところに番長くゆの買ってきたエッチな本を飾りまくり街の人たちに駐在所さんが変態であると言いふらすというものでした。そのためちゃりんこくんはこっそり駐在所に忍びこみ本を仕掛けているのでした。そこへ「主人になにか用かしら。」と女の人の声がしました。ちゃりんこはとってもあせり、逃げようと思い走り出そうとしましたが、ふと声のほうをみてみるとその人なんと喫茶店の美人な店員さんでした。ちゃりんこくんはさらにとってもとってもびっくりしました。しかも「主人て、、、、」もうちゃりんこくんは頭が真っ白です。なんと喫茶店の美人な店員さんはおまわりさんの奥さんだったのです。ちゃりんこくんはおまわりさんの奥さんを好きになってしまっていたのでした。

すっかり戦意喪失したちゃりんこくんはもちろんおまわりさんに捕まり、こっぴどく怒られ、美人な奥さんの前で大恥をかかされてしまいました。
その日はちゃりんこくんにとって忘れられない日となりました。それ以来おまわりさんに対するイタヅラ心はより強くなっていきました。ただの逆恨みですが。
おわり

4年生物語文 「動物園のアイドル」 113103

ぞうの花子はどうぶつえんにいたいつも歩き回ったり、長い鼻でりんごを食べたりして観客をわかせていた。お客さんが花子を呼ぶと花子は挨拶としてたくさん鳴いた。そうするとお客さんはいつも喜んだ。となりにはキリンの桜子がいた。スラッとした体形で首も長く、ものすごくきれいだった。そんな桜子に花子はあこがれていた。「わたしもあんな美しいからだになりたい。」そうあこがれて花子はついにダイエットを始めた。

花子はとにかく動き回った。朝も昼も夜も暑い日も寒い日もたくさん歩き回った。段差のあるところにのぼってみたり、泳いでみたりした。さらにご飯もあまり食べないようにした。だいすきなりんごもいつもの半分ぐらいしか食べないようにした。お客さんに花子と呼ばれてもダイエットに専念しているためあまり挨拶を返さなくなってしまっていた。お客さんも前とは違う花子にがっかりして帰って行った。花子は努力を重ねていくごとにだんだん体重が減ってきていた。花子はとてもうれしかった。桜子の美しい体形を手に入れる夢に1歩近づいたのだ。桜子は飛び回った。「やったやった!これで桜子みたいになれる。おまけに男の子からもたくさん人気が出るかな。けどここで油断はできない。まだまだダイエットの道はつづくわよー。」花子はこの体重の減量をバネにもっともっと夢にむかって努力をおしんだ。

しかしあるときからだんだん花子の元気がなくなってきた。ダイエットを始めたころは毎日のようにずっと動き回っていたのに、今では一日中寝そべって過ごす日も出てくるようになってしまった。飼育係の人がものすごく心配し始めた。「花子。ダイエットはもうやめよう。花子の体形をこれ以上無理させてしまうと花子死んじゃうよ。」飼育係は花子をなぐざめた。「ねえ、なんで桜子って私みたいにダイエットしてないのにあんなに細いの。私も楽して桜子みたいな体形になりたいよ。細くなりたいよ。ねえ、なんとかしてよ。」飼育係に花子は頼み込んだ。花子の体はダイエットのし過ぎでもう限界が来ていた。これ以上減量をしつづけてしまうと、本当に大変なことになってしまう。花子はそうとわかっていた。わかっていたけれどもやはり夢は捨てきれなかった。今まで頑張ってきた努力をくずしたくなかったのだ。しかし飼育係の人が言った。「花子、よく聞いて。さいきんダイエットがんばってるよね。ものすごくがんばってて花子すごいなあって思ってたよ。でもね、花子はやっぱり太ってるほうがかわいいよ。たしかに桜子は細くてきれいだなって思うけど、花子は花子で太っているほうが絶対かわいいと思う。」「でも、私は細くなりたいの。桜子みたいな体形がいいの。」花子はあきらめなかった。太った自分の体形がだらしなく嫌気がさしていたのだ。「花子、でもね花子は細くなくったってほかにいいところがいっぱいある。明るくておもしろいし、お客さんを喜ばせる力だってものすごく持っている。思いやりの心だってもってるし、ぼくはそんな花子がいいんだ。この子にはこんないいところがあってうらやましくてじぶんもああなりたいなと思うかもしれない。それになろうと努力することはものすごくいいことだと思う。でも自分の良さを大切にすることはもっと大切なことだと思うよ。花子には花子にしかない良さがたくさんあるんだ。ぼくもそしてお客さんもそんな花子の良さがとても大好きなんだ。きっと桜子も元気な花子のことをうらやましく思っているはずだよ。だから自分らしさを捨てないで、花子らしく明日も生きよう。」花子はそれを聞いて涙が出てきた。このままでも全然いいんだ。なにも変わらず自分らしさを出していけば体形なんて関係ないんだ。忘れていた何かを花子は取り戻した。ものすごく元気になれた。「飼育がかりさん、ありがとう。明日からダイエットはやめていつもどおりの自分に戻るよ。」

花子は次の日からまた前の花子に戻った。たくさん歩き回り、大好物のりんごもおきまりの長い鼻で思う存分食べて、お客さんに声をかけられたらパオーーンと歓迎の声で鳴いた。お客さんは本当に喜んだ。前の元気で明るい花子に戻って誰もがうれしく思った。花子は気づいた。今の生活が本当に楽しいと。花子は自分らしくいれる今を大切に生きようと誓ったのである。

4年生物語文 「いじめっ子のリン」 113104

リンは学校に行く前には必ず、大好きだったおばあちゃんの仏だんに手を合わせてから出かけます。今日もいつものように手を合わせてから元気良くでかけていきました。

リンは小学校ではクラスのボス的存在であり、時々友達にきつい言葉をかけたり、いじわるなどしていました。いつもいじめられているゴンたちは今日こそリンを少しこらしめてやろうと思っていました。

放課後、ゴンたちは「みんなー!外でドッチボールしてから帰ろーうよー!やる人、早く集まろー」と元気よく外へかけ出しました。もちろん、リンも参加しようと外へ走っていきました。しかし、ゴンたちは仲間にいれてくれません。「どうして、いれてくんないんだ!昨日、いっしょに遊んだじゃないか!!」とリンは叫びました。するとゴンは「自分に聞いてみな!」と言いました。リンは腹がたってて思わずゴンをなぐってしまいました。そのままリンは走ってその場をあとにしました。
家に帰って仏だんのおばあちゃんに今日あったことを話しました。そのあと自分の部屋のベットで泣いていると、しらないうちに眠ってしまっていました。

ふと気がつくと目の前に大好きなおばあちゃんがいました。リンはうれしくて、うれしくて、おばあちゃんに抱きしめてもらおうと近づきました。おばあちゃんの顔をみてみると、何だか悲しそうな顔をしています。リンが「どうしてかなしそうな顔をしているの?悲しいのはぼくなのに…」と言うと、おばあちゃんは「リンちゃんはお友だちに仲間外れにされたんだね。かわいそうに。でも、どうしてそうなったのかわかるかな?」リンは「分かるものか!ゴンがいきなり仲間外れにしたんだ!昨日まで一緒に遊んでいたのに…」といって泣き出してしまいました。おばあちゃんは「リンちゃんや、仲間外れにされたら、悲しいじゃろ?いままでにそんなことをしたことがないって言えるかい?人が嫌がることをしていたら、自分も同じ目にあうんだよ。リンちゃんがされたら嫌なことを他の子にしてはいけないよ。リンちゃんにとってみんな、お友だちなんじゃろ?」と優しく語りかけました。リンはハッとしました。そして、今までゴンたちにしたことを次々に思い出しました。そして、「ぼくが悪かったんだね。ありがとう、おばあちゃん!」と言うと朝になっていました。

学校に行くとリンはゴンたちが楽しそうに外で遊んでいるのを見かけました。リンは勇気をふりしぼって、みんなのところへ行きました。そして、「今までいじわるばかりして本当にごめんなさい。ぼくもおんなじ気持ちになってはじめてわかったよ。こんなに悲しいなんて…本当にごめんよ。」と涙をこらえながら言いました。ゴンは「分かってくれればいいんだよ!さあ、みんなで一緒にあそぼう!」とリンを輪の中にいれてくれました。そして、楽しく遊びました。

4年生物語文 「ほら吹き少年」 113119

ある村では毎日のようにこんな叫び声が飛んでいます。
「狼がでたぞー!」
そうです。ごんたです。
ごんたは村の人々をおどかそうと思い毎日こんなうそをついています。
そんなごんたに呆れ返った村の人々はごんたを無視し続けました。

ある時、いつものように
「狼がでたぞー!」と叫びながらある家の戸を開けると
おばあさんがイスに座りながら微笑んでいました。
「あらあら、狼がでたのかい?」
久々にごんたにかまってくれる人を見たごんたは嬉しくなり
「うん!もう山の麓までおりてきているよ!」
「まあ、それは怖いわねー」
「うん!だから早く逃げなきゃ!」
「逃げたいけどねー。おばあさんは足が悪いから逃げたくても逃げれないの。
だから、私はここでその狼とやらを見てみようかしら。」
おばあさんは見透かし笑ながら話していました。
このようなやりとりが毎日のように続きました。

ある時、本当に狼が現れました。
ごんたは
「狼がでたぞー!」とさけびながら村中を走り回りました。
そして、おばあさんの家に行き
「おばあさん!狼がでた!」
「あらあら、今日もかい?狼さんは随分とお腹がすいてるのね」
「違うよ!本当にでたんだよ!」
「まあ、怖いわねー」
おばあさんはなかなか信じてくれません。
すると、ドン!と扉が開きました。
そこには、狼がいたのです。
ごんたは怖くて動けません。
すると狼はおばあさんに襲いかかりました。
おばあさんは腕に大きな傷を負ってしまいました。
その後、村の男たちにより狼は追い払われましたが、ごんたはとてもショックを受けました。
自分が嘘さえつかなければ…

そしてまたある日狼がでました。
前回の反省をし、叫ぶことをやめ近くにあった大きめの石を手にとり
狼退治を決意しました。
狼に噛まれたり、引っかかれたりしながらもなんとか戦い続けました。
しかし、ごんたは首を噛まれてしまいました。
苦しみながらごんたは最後の力を振り絞り狼の頭をごつん!と叩きました。
そして、ごんたと狼は刺し違えてしまったのです。

ごんたは狼と戦った少年として村の人々に崇められました。
あの、ほら吹き少年は村の英雄としてまつられました。
あのおばあさんはこの少年のお話を村のこどもたちに毎日話しました。

4年生物語文 「無題」 113604

りなは一人で商店街に向かって歩いています。友だちのみっちゃんといっしょに新しいノートを買いに行く予定だったのですが、みっちゃんがかぜを引いてしまったのでしかたなく一人で来たのです。
「みっちゃん、だいじょうぶかなあ。」

商店街の入り口にねこがすわっていました。
「やあ、なんだか元気がないね。」
「友だちがかぜを引いちゃったの。」
「りなちゃんの元気を分けてあげたらすぐに元気になるよ。だから、分けられるくらいの元気を出さなくっちゃ。」
「それもそうだね。わたしが元気を出さなくちゃ!」
りなは元気がわいてきました。

商店街を歩いていると、駄菓子屋のおばちゃんが声をかけてきました。
「りなちゃんこんにちは。今日は一人なの?」
「こんにちは。みっちゃんがかぜなの。」
「それは大変だねえ。このアメはまほうのアメだよ。みっちゃんにあげたらきっとすぐによくなるよ。」
「ありがとう、わたしておきます」
りなちゃんはまほうのアメをもらいました。

文具屋さんにつくと、ノートを二さつ買いました。

みっちゃんの家に行き、ノートとアメをわたしました。
次の日、みっちゃんは元気になって学校に来ました。

4年生物語文 「猫」 113612

さむい。身体が凍りそうだ。
もういつから食べていないかわからない。刻一刻と体温がなくなっていく。このまま死んでしまうのだろうか。
ああ、ひどく眠たい。

白い部屋、管のつながれた身体、それを囲む大人たち。それが「僕」であった最後の記憶だ。肺を患っていたと思う。よく咳をして喉が切れたのが痛かったのも覚えている。最後は穏やかとは言えないが、衰弱して死に到った。短い人生だった。しかし、優しい両親に恵まれ、それなりに楽しい生涯だった。

 一つ心残りがあるとすれば、最後まであの子に「好き」と言えなかったことだろうか。気恥ずかしくてちょっかいばかり出していた。それが彼女にとってはいい迷惑であっただろうが。
 今の僕は俗にいう「天国」というところにいるのだろう。時間という概念がないのか、今はいつ何時であるということが全くわからない。
 ああ、あの子、かよこに会いたいな。
 この思いばかりが募っていく。

 ある時、「下」へ繋がるトンネルを見つけた。迷わずそこへ飛び込んだ。
 落ちる、落ちる、落ちてゆく………
ギュッと瞼を閉じ、かよこの顔ばかり思い浮かべる。

 どれくらい目をつぶっていたのだろうか。恐る恐る目を開ける。灰色だ。肌寒く思い、身体に目を落とすと、灰色の毛むくじゃらだ。
 頭が回らない。どういうことだ?せっかく現世にこれても人間でないのなら、意味がないじゃないか。「人間」でないと意味ないじゃないか。そこから自暴自棄になり、食を絶ちあちこちをただ意味もなく彷徨っていた。力が尽きたのはしばらくしてだ。放置されていたダンボールに入り意識を飛ばした。

あったかい。なんだかフワフワしている。死んでしまったんだろうか。
うっすら目をあけると、タオルがかけられていた。そして、ダンボールは少年が抱えているようだ。これから何処へ行くのだろうか。

4年生物語文 「小さなお母さん」 113803

 友子は、いつもがんばっていた。学校から帰っても、遊びになんか行かない。四人分の洗濯物をして、四人分のアイロンがけをする。四人分の洗い物と、四人分のご飯をつくっていたら、学童に行ってる妹たちが帰ってくる。三人でご飯を食べて、お風呂に入らせて、「早く寝なさーい!」と、二人を寝かせたら、お父さんが帰ってくる。お父さんに冷えた晩御飯をチンしてあげて、宿題をして寝る。

 お母さんがいたときは、こうではなかった。友達と遊んで帰ったら、お母さんが五人分の洗濯物をして、五人分のアイロンがけをしていた。五人分の洗い物と、五人分のご飯をつくっているのを、横で眺めていた。するとお父さんが帰ってきて、五人でご飯を食べて、お風呂に入って、「早く寝なさーい!」と言われ、友子は宿題をして寝た。

 友子は、いつもがんばっていた。妹たちが「さびしい。」と泣いたら、「私がいるよ。」と、なぐさめた。妹たちが、宿題に手間どっていたら、友子が小さな先生になって、勉強を教えた。本当は、友子だってさびしかったし、勉強だってわからないことがいっぱいあった。
 友子は、いつもがんばっていた。お父さんが「学校楽しいか。」と聞くから、「楽しいよ。」と答えた。お父さんが明日の朝、出張で早いといえば、うんと早く起きて、お父さんを起こした。本当は、友達と遊べないのに、楽しいわけないし、朝は苦手だから、ぎりぎりまでずっと寝たかった。
 友子は、いつもがんばっていた。

 友子は、いつもがんばっていた。今日も早く帰ってきて、四人分の洗濯物をして、四人分のアイロンがけをする。今日は、お母さんのお花が少し枯れてきていたので、新しいお花を花瓶にさす。なぜだか、涙があふれてきた。友子の顔は、びしょびしょになった。泣いても泣いても、涙が止まらなかった。お母さんの写真を見ると、お母さんはいつもより笑っていた。
友子は、ずっと泣きたかった。

 妹たちが帰ってきた。三人でご飯を食べて、お風呂に入らせて、「早く寝なさーい!」と、二人を寝かせたら、お父さんが帰ってきた。お父さんに冷えた晩御飯をチンしてあげたら、「学校楽しいか。」と聞くから、「楽しくするよ。」と答えた。
 友子は、もうがんばらなくてよかった。

4年生物語文 「桜色のお守り」 122016

 桜の花びらが舞う季節になると、恵美はいつも亡くなったおばあちゃんのことを思い出します。

 おばあちゃんは、恵美の家から歩いて行くことのできるところに住んでいて、小さいころからよく遊びに行き、色々なことを教えてもらいました。おばあちゃんは編み物が大好きで、恵美が訪れたときはいつも毛糸で何かをつくっていました。
「おばあちゃん、何つくっているの。」
と聞くと、優しい笑顔でこたえてくれるおばあちゃんが大好きでした。
しかし、ある日おばあちゃんは体調を崩し、その日から病院で暮らすことになってしまったのです。お母さんは詳しくは教えてくれなかったのですが、おばあちゃんが病気にかかっていると聞き、恵美はとてもショックでした。
そのころ恵美は小学四年生で、水泳、ピアノ、塾などたくさんの習い事をしていて、お見舞いに行く時間をつくることは困難でした。しかし、大好きなおばあちゃんに会いたいと思い、無理をしてでもお見舞いに行くようになりました。

 いつも優しかったおばあちゃんに変化があったのはある夏の日でした。恵美がお見舞いに行くと、いつものようにおばあちゃんは編み物をしていました。
「いつものおばあちゃんだ。」
と、ほっとして、いつものように
「おばあちゃん、何つくっているの。」
とききました。しかし、おばあちゃんに以前のような笑顔はなく、帰ってきた返事は
「恵美ちゃん。一人でいたいから、帰ってくれないか。」
でした。恵美はびっくりしたのと同時にとてもショックでした。
それ以来、お母さんから、おばあちゃんがお見舞いに来ないでほしいと言っていると聞き、お見舞いに行かなくなりました。私もお母さんも、おばあちゃんは一人の時間がほしいのだと思い、しばらくそっとしてあげよう考えていました。そのころはおばあちゃんがそう言った本当の理由を知りませんでした。そしていつもどうり、毎日習い事と学校で忙しい日々に戻りました。

 そうしていたころ、突然おばあちゃんの体調が悪くなったという知らせを受け、恵美は病院に駆けつけました。ベッドにはいつもより顔色の悪いおばあちゃんが眠っており、枕元には毛糸でつくられた桜色のお守りが置いてありました。
「なんだろう。」
恵美がそれを取ろうとしたとき、おばあちゃんは目を覚ましました。
「それはね、恵美ちゃんのために作ったのよ。習い事や学校で、ただでさえ忙しいのに、私のためにお見舞いに来てくれるのが申し訳なくてね。すごくうれしかったんだけどね。せめて最後に私ができることは、恵美ちゃんが元気でいれるように願いを込めたお守りをプレゼントすることだと思ったんだよ。」
おばあちゃんは最後の力をふりしぼり、今にも消えそうなかすれた小さな声で、ゆっくりとそう言いました。
そのとき恵美は気づきました。おばあちゃんがお見舞いに来ないでほしいと言ったのは、忙しい自分を気遣ってのことだったのです。
「おばあちゃん、、、ありがとう。」
恵美は涙が止まりませんでした。
「恵美ちゃん、今までありがとう。」
最後にそう言って、おばあちゃんは息を引き取りました。幸せそうな笑顔で眠っているようです。

 窓から外を眺めると、桜の花びらが美しく舞っていました。暖かい春の日の出来事でした。

4年生物語文 「初めての出来事」 122036

 梨花は、本を読むことが好きな女の子です。子ども向けの本はだいたい読みつくしてしまったので、大人が読むような、字の小さい難しい本も読んでいました。
 たくさんの本を読みあさったからでしょうか、気づいたころには国語が一番の得意科目になっていました。自分からすれば大得意な国語ですから、梨花は国語が苦手な人の気持ちが分かりませんでした。なぜ音読でつっかえるのだろう、なぜ主人公の気持ちが分からないのだろう、なぜ先生はこんな簡単なことを聞いてくるのだろう・・・。そんなふうに不思議に思ったり、ときに周りを見下したりしながら、毎日を送っていました。
そんな態度がにじみ出ていたのでしょう、梨花にはあまり友達ができませんでした。それでも梨花はあまり困りませんでした。休み時間も放課後も、一人で本を読んでいられるとむしろ喜んでいたほどでした。

 ある日、図工の授業で絵を描くことになりました。テーマは「本の中の情景」です。好きな本を一冊選んで、一番好きなシーンを絵にするということでした。
梨花は「銀河鉄道の夜」を描こうと決めました。
「街のはるか上を飛ぶ列車を描こう。」
列車と夜空と、その下に小さく街を描けばいいな。そう算段して、梨花はさっそく作業にうつりました。
 絵をかきだして30分、梨花はとっても苦戦していました。梨花は国語はとっても得意でしたが、絵の方はそうでもありませんでした。
「星がかけない・・・」
白い絵の具のついた筆で紙をつついてみましたが、なんとなく不自然になってしまいます。
どうしようか困っていると、隣のつくえで作業していた女の子が近づいてきました。

 「何かいてるの?」
梨花は久しぶりに誰かに話しかけられたので驚きました。
「銀河鉄道の夜の、夜空の星なんだけど・・・」
ふうん、と女の子は梨花の絵をながめてから、自分の持っていた工作用の歯ブラシをとりだして、歯ブラシの先に白い絵の具をつけました。梨花はあわてて、
「何するの?」
と聞きました。すると彼女は歯ブラシを指ではじきながら、
「こうやって歯ブラシにつけて、歯ブラシの毛先をはじくと、絵の具がきれいにちらばって星がかけるの」
説明する彼女の指先から白い絵の具が飛び散って、本物の星さながらに黒い空をかざっていきます。その子は梨花の悩みをあっさり解決して、さっと自分の席に戻って行ってしまいました。

 「あっ・・・」
梨花はとっさにお礼が言えませんでした。話す間もなく帰られたからこともありますが、それだけではありません。
「自分にできないことを手伝ってもらった、それも馬鹿にされることもなく自然に!」
梨花はただおどろいていました。今まで自分は、自分ができて人ができないことは「どうして出来ないのだろう」とぼんやり見過ごすしかしてこなかった。なのにあの子はあっさりと手伝ってくれた。梨花は今までの自分が恥ずかしくなりました。

 授業が終わってから、梨花は手伝ってくれた女の子のところに行き、思い切って話しかけました。 
「あの!さっきはありがとうね」
女の子はにっこり笑って、いいよ、と言ってくれました。梨花はその反応もすてきだなあと思いました。
放課後、この子の名前を聞いてみよう。梨花はそう決めました。その日の休み時間はきんちょうして、本の内容が頭に入ってきませんでした。それは本好きの梨花にとって、初めての出来事でした。

4年生物語文 「農業に支えられた村」 122040

 村は今年も春を迎えました。棚田の並ぶこの村では、多くの家が米農家をしています。タケシも米農家の一人息子です。しかし、タケシは今まで農作業の手伝いをしたことがありませんでした。この村のことが好きではなかったのです。タケシはいつも「東京みたいな都会に住みたいな。」と言っていました。

 五月になり、もみまきの日がやってきました。タケシの父親が「タケシ、今日は手伝いをしてくれないか。」と頼んだのですが、タケシは「今日はタロウと遊ぶ約束しているから。」と言い残し家を出ていきました。タケシも父親のことは大好きなのですが、農業を手伝うことは嫌でした。「都会で高層ビルに住みたいな…田んぼばっかりの田舎はもうごめんだ。」。こんなことを言いながらタロウの待つ公園へ向かいました。
 公園へ向かう途中、タケシはいつもと違う道を通りました。公園への近道です。しかし、細い道を抜けたところでタケシは誰かに見られている気がしました。振り返ってみると、お地蔵様がいました。「なんだ地蔵様か。じいさんやばあさんたちが拝みに行っているのはこれだったのか。」そのまま気にも留めずにタケシは公園へ向かいました。

 タケシは公園で待っていましたが、タロウは来ません。仕方なく、タロウの家に行ってみると、タロウの母親が出てきました。「ごめんね。今日、タロウはお父さんの手伝いをするために田んぼに行ったのよ。」とタロウの母親が言うので、「そうですか。分かりました。」と言いタケシはタロウの家を後にしました。「ちぇっ。なんでタロウは農業なんか手伝ってるんだよ。」タケシはそんなことを思いながら、来た道を帰りました。
 帰り道、タケシが一人で歩いていると、何か声が聞こえてきました。声のする方向を見てみると、あのお地蔵様がいました。じっとお地蔵様を見ていると「お前はなぜ米作りを手伝わないのだ?」とお地蔵様が言いました。タケシが「僕は田舎が嫌いなんだ。農業なんて嫌だ。」と恐る恐る答えると、お地蔵様はこの村の歴史を話し始めました。
 「この村はずっと昔から米や野菜を作ってきた。しかし、ある時村の若者がたくさん都会に出て行った時があった。そしたらこの村は年寄りばっかりで農業が出来なくなった。村の人たちは売る米や野菜がないために、収入もなくなり、非常に貧しい暮らしを送った。数年後、若者たちが戻ってきて、村は何とか活気を取り戻した。このことを教訓に村の人たちはみんなで協力して農業をしようと決めた。お前の父親が手伝ってくれと言ったのもこのためなのだぞ。」とお地蔵様は言いました。これを聞いていたタケシは父親に悪いことをしたなと反省しました。

 タケシは家に帰ると急ぎ足で田んぼにいる父親の元へ行きました。父親はタケシを見て、とても驚いた様でしたが、すぐにタケシと一緒にもみまきを始めました。「こうやって苗箱に種もみを蒔くと、もみから芽が出て、成長したら、今度は田んぼで田植えをするんだ。」米作りについて話す父親は何だか嬉しそうです。タケシも手伝って、その日の作業は終わりました。タケシは足腰が痛くとても疲れました。
 田んぼからの帰り道、タケシはお地蔵様の話をしました。「地蔵様が村のこと教えてくれたんだ。」父親はそれを聞いて、「父ちゃんも子どものころ、あの地蔵に話を聞いたぞ。周りの人は誰も信じてくれなかったが、やっぱりタケシも聞いたか•••父ちゃんも最初は農業が嫌いだったが、今ではすごいやりがいを感じている。タケシにもわかって欲しいな。」「うん•••これからは僕も手伝うよ。今日、疲れたけど、楽しかった。」タケシはそう言いました。二人とも笑顔でした。

 それ以降タケシはよく農作業を手伝うようになりました。そして村のことも好きになりました。「田舎で過ごすのも悪くはないな•••」タケシはそんなことを考えながら、今日も田んぼに行きます。

4年生物語文 「三つの願い事」 122301

キキとララは、ある日初めてあったおじいさんに魔法の杖をもらいました。この杖を使うと、三つだけ何でも願い事が叶えられるという魔法の杖です。

キキとララは何に使おうか考えていました。その日は雨が降っていて、キキがなんともなしに、
「あー、雨がやまないかなあ。」
とつぶやくと、ピタッと雨が止みました。願い事が一つ叶いました。

ララは、「おなかがすいた。何か食べたいな。」とつぶやくと、目の前にお菓子がたくさん出てきました。なんと、二つ目の願い事が叶ってしまいました。

キキとララ、二人は最後の願い事を何に使おうか考えました。そして、結局決めた最後の願い事とは、世界の人々が幸せに暮らせますように、というものでした。

キキとララの願い事が叶い、世界中の人々が楽しく幸せに暮らすことができる世界になりました。

4年生物語文 「トンネル」 122303

「えーい!」
さきはサッカーボールをおもいっきり蹴りました。
ころころころ…。
サッカーボールはトンネルの中に入っていってしまいました。
「あーあ。ボールなくなっちゃった。さきのせいだ」けんたは言いました。
「トンネルの中に取りに行ってよ」かなは言いました。
「お前こわくて取りにいけないんだろ」次郎は言いました。
トンネルはとても古いもので、中は真っ暗でなにも見えません。さきはこわくてボールを取りにいけませんでした。
「ボールがないと遊べないよ。つまんないの」
さきを残して、3人は帰ってしまいました。

「どうしよう…」
さきはトンネルの前で困っていました。
がさがさがさ…。
その時、さきの後ろで物音がしました。
「え!だれ!?」
さきは振り向きました。
するとそこには、小さな男の子が立っていました。
「君、だれ?どうしたの?」
さきは言いました。
「鬼ごっこしよう!さきが鬼ね!よーいスタート!」
男の子はいきなりそう言って、走って逃げました。
「え!?もう、待ってよー!」さきは驚きましたが、男の子を追いかけることにしました。

男の子はとても足が速く、なかなか捕まりません。
「こっちだよー」
「待てー!」
さきはいつの間にか男の子と鬼ごっこを楽しんでいました。
すると、男の子はあのトンネルの中に入って行きました。
「ここまで来いよー!」
男の子はトンネルの中から叫びました。
「待ちなさーい!」
先程のこわさはどこへやら。さきはトンネルの中に入っていきました。
「あれ?」
しかし、トンネルの中に男の子の姿はありませんでした。
「どこに行ったのー?おーい!」
さきは大きな声で言いました。
ころころころ…。
「あ!サッカーボール!」
さきの足下には先程なくしたサッカーボールがありました。

結局、男の子はみつかりませんでした。
「あれ?さきじゃねえか」
するとそこに、けんたたちがやってきました。
「あ!サッカーボールだ!さきが取ってきてくれたの?」
かなは言いました。
「うん。さっきはごめんね」
さきは言いました。
「いいよ。僕たちも言い過ぎてごめんな」
次郎は言いました。

それからまた、さきたちは4人で仲良く遊ぶようになりました。でも、さきはもう一度あの男の子と遊びたいと思いました。しかし、あの男の子に出会うことは二度とありませんでした。

4年生物語文 「広い世界で」 122305

私には姉がいる。今は大学に行っていて、一人暮らしをしているので、たまにしか帰ってこない。でも、帰ってきたときには、知らないことをいろいろ教えてくれる。

「ハロウィンって知っとう?」「知っとうよ。トリックオアトリートってゆったらお菓子もらえるやつやろ。」「どうゆう意味かわかる?」「お菓子くれなきゃいたずらしちゃうぞ、やろ。それくらい学校でみんなゆっとうし、知っとうよ。」そうは言いながらも、姉の質問に答えられたことが内心嬉しかった。ここからまた、姉の雑学のようなものが始まった。

「ハロウィンってゆうのはな、日本の地蔵盆と一緒やねんで。ご先祖様たちが帰ってくるときのこと。日本では、ご先祖様達をむかえるねん。ここですよーって灯りをともして。でも、アメリカとかではな、ご先祖様達は、悪霊も一緒に連れてくるって思われとうから、おばけとかに仮装して、悪霊を逆にびっくりさせて帰らせようとしとんねんで。」「へえ、、、そうなんや。」「なんで悪霊も一緒にくるん?」「考え方の違いやなあ。言葉が違ったら考え方も違うこともあるんやで。」「ふーん。」

自分が知らないことがいっぱいあるんだなと思った。まだ姉の話は続く。「文化ってあってな、その環境とかで考え方とか暮らし方とかが全然違うんよ。おもしろいよなあ。まずは自分の文化を知ることが大切でな、そしたら違いがわかるねん。他の文化も知ったら、文化ってすごいなーってわかるよ。」姉はいつもとても楽しそうに、どこか得意げに話してくれる。

文化と言われても正直あまりよくわからなかった。姉の話を聞いてそう思うことはよくある。でも、話を聞くたび、自分の世界が少しひろがったように
感じる。姉は物知りだ。私には想像できないような、広い世界でいきている。私もいつかそうなるのだろうか。なりたいな。

4年生物語文 「まりちゃん」 122306

 「愛ちゃんなんてきらいだ!!」わたしは一番仲良しだったまりちゃんにきらわれてしまった。まりちゃんが大切にしていたヘアゴムをわたしがぬすんでしまったのだ。だって、すんごくかわいかったんだもの。でもまりちゃんだって、ずっと前にわたしのお気に入りの消しゴムをぬすんだんだ。まりちゃんはばれてないと思っているかもしれないけど、わたしは知ってる。これでおあいこだ!

 それから一カ月たっても、わたしたちは口をきかなかった。目も合わせなかった。あんなに毎日ずっといっしょだった二人が、休み時間も教室で本を読んで一人で過ごしているのだから、先生もクラスのみんなもどうしたのかたずねてきた。わたしは答えなかった。
 すると何日かたって、クラスのみんながわたしに冷たい気がした。おはようと言ってもみんなシカトをする。机の中を見てみると、「ドロボウ!さいてい!」とかいっぱい書かれた紙が入っていた。まりちゃんがみんなにチクったのだ。

 わたしは学校に行くのがいやになって休むようになった。でもよく考えると、ぬすんだわたしが悪い。これからどうしよう、大好きなまりちゃんにもクラスのみんなにもきらわれちゃった。
 来る日も来る日もなやんだ。
 「だれかからお手紙来てるわよ!いいかげん部屋から出てきなさい!」お母さんにどなられて、部屋から出ると、一通の手紙がとどいていた。開けてみると、「わたしも愛ちゃんの物ぬすんじゃったのに、本当にごめんなさい。愛ちゃんのいない学校は全然楽しくありません。」という手紙といっしょに、見覚えのあるえんぴつキャップが入っていた。なみだが止まらなかった。

 次の日、勇気を出して学校に行った。みんなはやっぱり冷たかった。なんだかすごく悲しい気持ちになって席についた。「愛ちゃん。」ふと顔をあげると、まりちゃんがいた。「ごめんね、本当にごめんなさい。」まりちゃんは泣きながら言ってきた。
「わたしのほうこそ、本当にごめんなさい。」わたしも泣きながらあやまった。
 クラスのみんなにもちゃんと話をしたら、分かってくれた。やっぱり人の物をぬすむことも、仕返しをすることもぜったいしてはいけないんだ。

 「よかったら、このヘアゴムあげる。」「よかったら、このえんぴつキャップあげる。」二人同時に言った。くすくすと笑いがこみあげてきた。

4年生物語文 「おい、かえる」 122307

ぼくはハヤオとけんかした。どちらが悪いかというと、わからない。きっと、おたがいさまだと思う。

ぼくとハヤオは公園でキャッチボールをしていた。ハヤオの投げたボールは、ぼくが手をのばしてもとどかず、ぼくはキャッチすることができなかった。そしてボールは宙を舞い、草むらに入ってしまい行方がわからなくなってしまったのだ。ボールはハヤオのものだった。「テルオ、お前がボールをキャッチしなかったから、ボールがなくなったんだ。」「ハヤオだって、全然ちがう場所に投げたじゃないか。」ぼくたちは口論になり、ボールは見つからないまま、お互い家に帰った。 家に帰って母さんにはなすと、「あんたがあやまればいいじゃない。」の一点ばりだ。けれど、ぼくだけが悪いんじゃない。ハヤオがあやまってきたら、ぼくもあやまる。

次の日、学校から帰ると、いつもならむかえにくるハヤオが来なかった。ぼくたちは毎日キャッチボールをしていたのに、ハヤオが来ないとなるとぼくはつまらなかった。ぼくは一人で河原へ行った。お日様がぼくの真上で、河原を照らしている。河原はキラキラと光り、あひるが水浴びをしていた。ぼくは石段にこしかけた。日ざしがポカポカ気持ちよかった。すると、ぼくの目の前に、一匹のかえるが現れた。かえるは、ぼくの目をじっとみつめた。そして、川の中へぽちゃんととびこんだ。かえるがとびこんだはずみで、ぼくの顔に水がかかった。「うわ、何するんだおまえ。」ぼくはぬれた顔をこすりながら、もう一度かえるを見た。かえるは、「いい気味だ。」と言わんばかりの顔で、少しぼくをばかにしたように笑い、水の中にもぐった。まるで、「ついてこれるならついてこい。」とでもいうように。ぼくは腹が立って、横に落ちていた石ころをつかんで、かえるがもぐった所をめがけて投げた。ねらい通りだった。かえるが頭を出したしゅんかん、石ころが命中した。かえるはひっくり返った。ぼくは息をのんだ。かえるは一本足を失っていた。それでも、水の中にもぐって消えてしまった。いつのまにかからすが鳴いていた。さっきまでぼくの真上にあった太陽は、いつしか西にかたむいていた。あたりは静けさにつつまれていた。このまま時間が止まればいいのに。ぼくはそう思った。

あの日もそうだった。ぼくとハヤオが友達になった日、夕日がしずみながらからすが鳴いていた。ぼくたちはなかよく追いかけっこをしながら家に帰った。毎日、ぼくはハヤオといっしょだった。学校へ行く時も、遊ぶ時も、家に帰る時も。ぼくはもう一度、明日ボールをさがしに行くことに決めた。

次の日の朝、ぼくは公園にボールを探しに行った。たくさん生いしげっている草むらのおくから、どろんこになった野球ボールがでてきた。そのとなりにのら犬がいた。きっとのら犬がくわえてもっていっていたのだろう。ボールをみがくと、ぼくはハヤオの家へと走った。ハヤオは家の前でなわとびをしていた。「ハヤオ、ボールみつかったよ!この前はごめんね。」言えた。ぼくは自分からあやまることができた。「いいよ、ぼくこそ怒ってごめん。」ぼくたちは仲直りをした。
そしてぼくたちは自転車にとびのり、さっそく公園へ出かけた。すると、ぼくはだれかの視線を感じた。ふと見ると、あのかえるだった。足が生え変わっていたかえるは、ぼくにとびつこうとした。
ぼくはあわててかえるをかわして自転車をこぎ、かえるから逃げた。「テルオ、はやく行くぞ。」ハヤオが呼んだ。ぼくは加速した。おい、かえる、もう二度と水をかけるんじゃねえぞ。

4年生物語文 「どうぶつのきもち」 122308

兄弟がおらず、一人っ子のれなは、家では飼い犬のココアとずっと一緒にいました。学校の友だちの中には「お兄ちゃんと一緒に出かけた」などと自慢してくる友だちもいて、少しうらやましく思っていました。
ココアの朝の散歩はお母さんが連れて行きますが、学校から帰ってきた後の散歩はれなが担当していました。いつも同じコースを歩いていますが、れなもココアも楽しそうです。

ある日の散歩中に、いつも行く近所の公園を通りかかったとき、見知らぬ白い犬がいました。
「あれ?首輪つけているのに飼い主さんがいない。」
その時公園にはれなとココアと白い犬しかいませんでした。その犬はとても人懐っこく、れな達に気付くとしっぽを振ってすぐに近寄ってきました。れなはしばらくココアとその犬と一緒に遊んでいました。しかし、日がくれてあたりが少し暗くなったころになっても飼い主は現れませんでした。
「一人になるとさみしいよね。でも、うちには連れて帰れないんだ。がんばって飼い主さんを待ってね。」れなはそう言って、ココアにあげる用に持ち歩いているえさを少し置きました。
家に向かって歩き出した時、ココアもさみしそうに後ろを振り返って白い犬の方を見ていました。

次の朝、れなはココアの鳴き声で目が覚めました。
「ココア、朝からどうしたの?」れなはベランダの戸をガラガラと開けるとそこにはきれいな桜の花が置かれていました。ベランダに桜の木があるわけではありません。
「きれいだけど、何でここに桜の花が?」れなはお母さんたちと考えましたが、謎につつまれたままでした。
れなはいつも通りしたくをして学校へと向かいました。幼なじみのみずきと二人で学校の近くまで来た時、前から昨日の白い犬がまた一匹で歩いていました。犬はしっぽを振っていました。れなのことを覚えているようでした。しかし、みずきはそこを早足で立ち去ろうとしていました。
「みずきちゃん、どうしたの?」れなはみずきを追いかけて聞きました。
「さいきん、この校区でよくこの白い犬を見かけるってみんな言っているよ。家の近くの八百屋さんとかで食べ物を盗んだり、近寄るとかみついてきたりして、よくいたずらする悪い犬だっていううわさ聞いたよ。早く行こう。」
みずきはそのまま振り返らずに学校へと急ぎました。
「昨日あれだけ仲良くあそんだし、そんなに悪い犬だとは思わなかったなあ。」れなは一人でつぶやきました。
振り返ると白い犬はさみしそうに道の真ん中にぽつんといるように見えました。
学校から帰った後、ココアとまた公園に散歩へ行きました。
「あの白い犬が私とココアを待っているかもしれない。」れなはそう思って急ぎました。
しかし、白い犬はいませんでした。れなはがっかりしましたが、ココアも残念そうな様子でした。
「ココアもあの子と一緒にあそびたかった?ごめんね。」とれなはココアの頭をなでた後、いつも通り二人であそびました。

それからしばらく日がたちましたが、白い犬を見かけることはありませんでした。れなとココアは心配になりましたが、飼い主のところへもどれたんだと思うようにしていました。
ある日の夜、ベランダでガタガタと音が聞こえました。
「この時間ならココアはねているはずなのに、いったい何の音だろ?」れなは不安になりながらもベランダの戸を開けました。目の前にいたのは、あの白い犬だったのです。れなを見て元気にわんわんとなきました。近づいたらかみつかれると聞いたので、すこし後ろへ下がりましたが、そんなことは全然ありませんでした。犬がくわえているものを見ると、それは桜の木の枝でした。
「毎朝置きに来ていたのはあなただったの?」れなのことばが通じたのか、白い犬はうれしそうにうなずきました。
その犬はあの日公園でれなとココアが一緒にいてくれたお礼に毎日桜の花を置きに来ていたのです。れなはココアではない他の犬とでも心が通じ合うことを実感してうれしくなりました。

後日、白い犬と飼い主が一緒に歩いているのをココアの散歩中に見かけました。無事飼い主のもとへもどることができたようです。
れなはこのことがあってからますますココアと一緒にいる時間を大切にするようになりました。
「動物の気持ちをもっとわかってあげられるようになりたい。」れなはそう思いながら毎日ココアと遊びました。

4年生物語文 「マーガレットの花言葉」 122309

 「おじいちゃん、この花はなんだい?」
「これはね、月桂樹と言ってね、花言葉は勝利とか栄光というものがあるんだよ。運動会で1番をとった君にふさわしいとはおもわんか」
「それはぼくにぴったりだね!!」
小さいころ、ぶっちぎり優勝確実だった友達の大転倒のおかげで1等の栄光に輝いた俺におじいちゃんは月桂樹の花冠をつくってくれたことをふと思い出した。
 なぜ、いま?といわれるとそれは目の前に座っているこの女の子に関係している。

 俺とこの子は小さいころからずっと一緒だった。毎日喧嘩もしたけど、楽しい思い出の方が多い。昔はがさつで毎日短パンを履いていたこの女の子はいまワンピースが似合うような女の子になった。
「おばさんがね、あのとき、あぁ、あのときっていうのはじゃがいもの剥き方を教えてくれたときのことね、」
とさっきから思い出話が止まらない。
いま、ちょうど、小学校に入学したあたりだ。
「あのころは自分のことほんとに男だと思ってたからねー」
目に涙を浮かべて、それでもおもしろおかしく話そうとする。
静かな瞬間を少しでも作らないように必死にしゃべりつづけているのだ。
「俺は気づいてたけどな。」
と、たまにそれを手伝う。こんな風に興味なさそうにしているが、なんだかんだいって自分もこの時間を終わらせたくないのだ。 

 段ボールしかない部屋には声がよく響く。
下からはトラックの音とか家具が動く音が絶えることなく続いている。
「あ、そういえば、小学校の時、一回だけ1番になったことがあったよね。」
そうそうこの話だ。
「翔くんが転んじゃってさ。1番になったらゲーム買ってもらうとかいって、無理だとおもってたんだけどねぇ」
この子はまたけたけたと笑う。
「月桂樹の花冠もってさー、1番1番っていうもんだから、わたしすねちゃって。」
「俺がマーガレットで作ってやっただろ。」
「そうそう!!女みたいで気持ちわるーとかおもってたな。わたしがいつまでもなくもんだから、ぎゅーってしてくれたときはなんだかはずかしかったなあ」

 笑う声と重なって、下から階段を上る音がする。
楽しかったこの時間ももう終わり。
「準備できたから行くよ」
その言葉に、今日初めての静けさがやってくる。
「楽しかったな」
「うん」
そういえば、この子につたえる言葉を考えるのを忘れていたことに今気付いた。
「これからもきっと楽しいさ」
「だといいけど」
階段をおりながら、
「あのとき…」
とこの子は小さくつぶやいた。
「あのとき、恥ずかしかったのは、いつまでも泣き止まない自分にだったんじゃないと思うの。」
「そうか」
「初恋だったと思うよ。」
「そうか」

 今日もかわいいワンピースを履いていた女の子はトラックに揺られて行ってしまった。
結局、気のきいた言葉なんてとっさにででくるわけもなく、行ってしまった。
ただ、一言。
遠くに行ってしまうトラックに
「だから、気付いてたんだって。」と呟いた。

4年生物語文 「夢を見た?」 122311

 約束の場所に行くと、やっさんもたけるもこうちゃんもすでに来て待っていた。
「おい、また遅刻かよ、ほんとノブはトロいんだから。」
 やっさんが言った。
 やっさんはのぶおと保育園から一緒に遊んでいる親友、いや悪友だ。今日もやっさんに無理に呼び出されてここに来た。
「ごめん、ごめん。お母さんにお風呂の洗剤を頼まれてて。」
 のぶおはドラッグストアの袋を突き出した。
「分かった分かった。とにかく急ごうぜ。暗くなる前に引き上げたいしな。」

 向かった先は、町外れの古いやしき。
その昔、大金持ちのおばあさんが住んでいたが、いつの間にかいなくなったという。死体があるとか、ゆうれいが出るとか、大きな野犬が住みついているとか、うわさがひとり歩きしている。
 そっとしておけばいい、のぶおはそう思うのだが、やっさんはそうでなかったようで、
「大金持ちなんだろ?宝物がいっぱいあるかもしれないぞ。」
 そんな夢みたいなことを言っている。

 「お前、先に行けよ。」
 やっさんに小突かれたこうちゃんが、泣き出しそうな目でのぶおを見た。
「いいよ、ぼくが先に行くよ。」
 のぶおは、鉄でできたフェンスを乗りこえた。木の枝を手で払いながら、窓に近づく。
 大丈夫、だれもいない。ふり向いて、仲間にOKサインを出した。窓は鍵がかかっておらず、かん単に開いた。のぶお、やっさん、たける、こうちゃんの順によじ登る。ホコリがつんだだんろの上には写真立て、かべの金色のがくには色があせた油絵。ところどころやぶけた布貼りのソファ。
「おい、これを見てみろ。」
やっさんが、古ぼけたキャビネットの引き出しを開けて、ささやいた。宝石だ。
 その時だ。ドアのすき間から白い霧が流れ込んできた。
「うわあ、見えないよ、見えないよ。」
「くるしいよ、ママ助けて。」
 みんなが口々に悲鳴をあげた。

 どれくらいたっただろう。のぶおは目覚めて、あたりを見回す。
「おい、やっさん、どこにいる?たける?こうちゃん?」
 返事はない。頭をふって、思い出そうとする。
 そうだ、宝石。キャビネットにかけ寄る。あれ?こんな彫刻あったかな。そう言えば、だんろの上にホコリはないし、がくの中の絵も色あざやかだ。ソファの布もピンと張っている。キャビネットの中にはさっき見た宝石と、さっきはなかったしんちゅうの鍵。
「きゃー。」
 女の人の悲鳴が聞こえた。のぶおはちぢみ上がった。ドタドタ、足音も聞こえる。
「やっさん、どこなんだよ。そっちにいるのか?」
 ふるえる声でつぶやき、ドアを開けて、ろう下の様子をうかがった。誰もいない。
「きゃー。」
 また悲鳴。ろう下の突き当たりのドアが半開きになっていて灯りがもれている。声はそこから聞こえてくる。
「やっさん、大丈夫か?こうちゃんたちもそこにいるのか?」
 おびえながら、ろう下を進んでいく。突き当たりの部屋の前まできて、
「ハクション!」
 しまった。のぶおが逃げ出すより早く、ドアが勢いよく開いた。
 大男だ。大男がおどろいた顔をしてのぶおを見下ろした。ええい、もうやけくそだ。のぶおは、おつかいを頼まれたお風呂洗剤のふんしゃ口を「出る」にあわせて、レバーを思いきり引いた。
「おい、小僧、何をした。目がいたい、目がいたい。」
 大男は顔をおおってしゃがみこんだ。部屋の奥から、
「坊や、助けて。」
 のぶおは、縄でしばられたおばあさんを見つけて駆け寄った。なにがなんだか、もうわからない。夢中で縄を解き、だき起こした。大男がふらふらとこっちに近づいてくる。
「くらえ!」
 のぶおはレバーを引いた。
「うおおおおお。」
「早く、今のうちに逃げよう。」
 おばあさんの手を引いて、のぶおはかけ出した。だんろの部屋のドアが開けっぱなしになっている。よし、あそこから脱出だ。
 そう思った時、白い霧が背後から追いかけてきた。やばい。

 「おい、ノブ、大丈夫か?」
 やっさんが、ほおをたたく。たけるもこうちゃんも心配そうにのぶおをのぞきこんでいる。
「あれ?おばあさんは?大男は?」
「は?寝言を言っている場合かよ。庭でボヤがあって、そのけむりにまかれて、俺たちもう少しで死ぬところだったんだぜ。」
 起き上がると、お母さんが怒った顔をして突っ立っていた。
「お使いに行ったまま帰らないと思ったら、もうこんな遊びはよしてよ。」
 のぶおは、ほっとした。
「夢だったのか。そうか、良かった。」
「そうだ、お母さん、これ。」
 風呂用洗剤の入った袋を手渡す。袋を受け取って、お母さんはけげんそうな顔をして洗剤を取り出した。
「のぶお、何してるのよ、空っぽじゃない。これ、危険なの。何に使ったの!」
「え?!」
 それは大男をやっつけるのに使いました。いや、おかしい。あれは夢だったはず。でもどうして洗剤が減ったのだろう。やはりあれは現実に起こったことなのか。まさか。
 立ち上がろうとした時、チリンと、音がした。
 しんちゅうの鍵が落ちていた。

4年生物語文 「初めての太陽」 122402

ぼくと由美子は家がとなりの幼なじみ。小さいころからよく一緒に遊んだけど、その分けんかもたくさんする。いつも太陽が沈むまでどろだらけになって遊ぶ。

でも今日はなんだか元気がなさそうな由美子。
「どうしたの、由美子。今日はえらく静かじゃん。」
「・・・え?そんなことないわよ。いつもうるさいみたいな言い方しないでよねー。」
ぼくに話しかけられた由美子は、はっとしたようにそう言った。
今日も太陽が沈むまで遊んだ。でも今日バイバイを言うときの由美子は少しさみしそうな顔をしていた。
こんな顔を見たのは初めてだったけど、照れくさかったから何も聞かなかった。

翌日、となりに由美子の家族はいなかった。
お母さんに聞いたら、今朝早くに引っこしたらしい。ぼくには言わないでほしいと由美子から言われていたそうだ。
ぼくは頭が真っ白になった。昨日は二人でとんぼを追いかけていたのに。知らない名前の町に行ってしまった。
ぼくはこの時、由美子はただの友達ではなかったことに気がついた。

今朝は雨が降っている。
水たまりに写った小さな太陽がゆらゆらとゆれていた。

4年生物語文 「テディ」 122409

あるところにマイケルという男の子がいました。マイケルは7歳でその年小学校に入学しましたが友達がいませんでした。自分から話しかけようとするのですが、恥ずかしくて声をだすことができませんでした。

 その年の12月25日のクリスマスのことでした。マイケルはプレゼントに大きなテディベアをもらいました。マイケルはそのテディベアをテディと名付けました。ふたりはテレビをみるときも、ごはんを食べるときも、ねるときもずっといっしょでした。マイケルはテディになんでもはなしました。お母さんにしかられたこと、学校のこと、そして友達がいないけれど本当は友達がほしいということも。

 ある日のことです。マイケルが庭でテディと遊んでいたときのことでした。見知らぬ男の子が垣根のむこうからこちらをうかがっていました。マイケルは勇気をだして「何か用。」とききました。男の子は「そのテディベアぼくにちょうだい。」と言いました。「それは出来ないよ」とマイケルは言いました。すると男の子は庭に入ってきてテディの足をつかんでひっぱりはじめました。「やめてよ」といいながらマイケルもひっぱりました。強く引っ張りすぎたのか、テディの足がとれてしまいました。マイケルはとても悲しい気持ちになりました。マイケルは腹がたって、男の子に「僕の大事なテディのあしがとれちゃったじゃないか。」といいました。

 男の子はうつむきながらいいました。「君がこのテディベアと遊んでいるのをみて僕もこんなテディベアがほしいと思ったんだ。ぼく、友達がいなくて……友達がほしかったんだ。ごめんよう。」

 その夜マイケルは夢をみました。テディがでてきました。テディは「僕のあしはマイケルのママがなおしてくれたから大丈夫だよ。あの男の子のことゆるしてあげてね。」といいました。

 次の日の朝、マイケルは男の子と会いました。男の子は気まずそうにうつむいていました。マイケルは夢の中でテディにいわれたことを思い出して、男の子にいいました。「もうぼく怒っていないよ。ねぇ、僕と友達になってくれない。」男の子はおどろいた顔をしたあと、元気に「うん!」といいました。

それからふたりは大の親友になりました。そして毎日テディと三人で遊びました。

4年生物語文 「透明なリボン」 122705

雪の降る町をあてもなく、さまよう。すれちがう人間の大人たちは、息を白く吐きだしながら、帰宅を急ぐ。こちらなど見向きもしない。それどころか、黒色の体は闇に溶け込み、足元を歩くぼくは、人間たちに蹴とばされそうになる。しっぽを踏まれないように気をつけながら、とりあえず人通りが少なくなるのを電柱の陰で待つ。いつもの光景、いつもの日常である。

ところが、昨日は少し変わったことがおきた。多くの人間は、ぼくの存在に気付いているのか、いないのかは分からないが、ぼくの存在など、そこには無いように、通り過ぎていく。たまに、物好きなやつが「かわいい。」とか言って、近付いてくる。ご飯をくれるやつもいる。しかし今日は、手にコンビニエンスストアの袋を持った、髪の毛がぼさぼさの人間と目が合った。そのまま立ち去るかと思いきや、何を思ったのか、一歩ずつ近づいてくる。ぼくに触れられる距離になったら、ぴたっと立ち止まった。そして、ぼくに手を伸ばしながら「お前も一人なのか。」とつぶやいた。この人間の体温は、今までのどの人間よりも温かかった。数秒、数分、いや数時間が経過しただろうか。ぼくとこの人間は、寒い夜空の中、じゃれ合っていた。しかし、この人間もさすがに寒くなってきたのだろう。すくっと立ち上がって、立ち去ろうとした。結局は、この人間も他の人間と同じで、明日になったら、ぼくのことなど忘れてしまうだろう。また明日からは、いつもと変わらない日常が待っているのだろう。などと思いながら、立ち去る後ろ姿をぼーっと見ていた。すると、この人間は、十歩くらい歩いたところで、急に立ち止まった。そして、くるりと振り返り、ぼくのほうに、少し小走りで近付いてきた。買い物袋の中から、ミルクと弁当を取り出し、弁当のラップをとり、ふたをあけて、そのふたの中にミルクを注ぎ入れた。そして、弁当のラップをぼくの首にくくりつけた。ふたのない弁当は袋に戻し、ぼくの頭をひとなでして、「次会ったときは、もっとかわいいリボンをプレゼントしてやる。だから、今日はこれで我慢しろ。」と言って、立ち上がった。そして、「またな。」と言って去って行った。

それから、数時間が経過して、辺りが明るくなってきた。そして、それと同時にダイヤモンドのようなものがきらきらと光って見えた。ダイヤモンドダストだ。ぼくと彼とのこれからを表してくれているようだった。

今日も黒猫は、しっぽを揺らしながら、雪の降る町をさまよう。だが、昨日までとは違って、その首にはしわくちゃの透明のリボンが結ばれている。

4年生物語文 「ポンカンと蝶」 122901

「うわーこれなんのにおいー?みかん?」生徒の一人が聞きました。
「いいえ、ポンカンですよ」
 今は学校の遠足である村の畑にきています。
「さーみんな今日お世話になるおじさんです。ごあいさつをしましょう。さんはい。」
「こんにちは、今日1日よろしくお願いします。」
「はい、お願いしますねー。」
生徒が立ちあがる前に先生がすぐに
「みなさん少しおじさんからお話がありまーす。」と言いおじさんは話始めました。
「今日はお遠くから来てくれてありがとうね。注意事項はまんな先生からよく言われているみたいなので、おじさんからは一つだけはなしをするよ。昔からここにあるポンカンはおいしいと有名なのだけれどそれは人間だけではなくて虫さんたちにも有名なんだ。だからもしかすると、ある虫がポンカンに化けているかもね。さーみんなポンカンを取りにいってらっしゃい。」
生徒たちは笑いながらポンカンを取りに走りだしました。

生徒たちは少しでも大きなポンカンを取ろうと必死に探していましす。でも一人ポツンと一人座りこんでいる生徒がいました。「どうしたの?」先生が声をかけるとその生徒は「ぼくポンカンが嫌いなんだ。だから何にもすることがなくて....。」「そうかー。でもここのポンカンはおじさんがいうてたでしょ。すっごくおいしいんだよ。ひとつたべてみたら?」と先生がポンカンを生徒に渡そうとすると、生徒は「嫌だもん!!」といい走って行ってしまいました。

生徒はポンカン畑の奥の方まで、行くと走りつかれて座り込みました。「あーーあー。せっかくの遠足なのにおもしろくないなー。」すると生徒は何かひらひらと飛んでいるものがポンカンの後ろに消えていくのが見えました。「なんだろう?」生徒は気になったので、走ってポンカンの後ろを見に行くと、何もありません。「なんだったんだろう?蝶?」生徒は気になってその周辺を見回りましたが、やはり見つかりませんでした。

「はーーい。みんなー。そろそろ集合時間ですよー。」
「はーーーい!」
生徒のみんなは先生の周りに集まりました。前でおじさんが話し始めました。
「今日はみんなありがとうね。うちのポンカンはどうだったかな?おいしかったかなー?ここのポ...........。」あの生徒はあのひらひらした物体が気になり全然話が入ってきませんでした。そのときです!あのひらひらした物体がまた現れたのです!しかも今度は少し光っているような。その生徒はおじさんの話し中にも関わらず、「見つけた!」と言い走って追いかけました。蝶はポンカン畑に入っていきました。生徒も畑に入っていきました。生徒はやっとのことで追いつき手を使って「パチン」と取りました。手を開けてみると、そこには蝶ではなくなぜかポンカンが。後からやってきたおじさんに生徒は「このポンカン持って帰っていいですか?」と聞くと生徒は「ああ。いいよ。」と笑顔で答えてくれました。まるで先の出来事を知っているかのような顔で。

「八ッ!」生徒は目を覚ました。「そうだ、授業中だったんだ。」クラスの仲間は横目でクスクス笑っています。恥ずかしくなったのでしばらく窓の外をながめていると、ひらひらと飛ぶ蝶が目に入った。まるでこちらを見て笑っているかのようにだった。

4年生物語文 「サプライズ」 122902

1週間後に、クラスの友達(太郎君)の誕生日。私は、太郎君と大親友だったので誕生日のお祝いをしたいと思っていました。最初は、一人でお祝いをしようと思っていましたが、お祝いをするならやっぱり大勢がいいと思っていました。

学校が始まります。太郎君は休みでした。先生に理由を尋ねると、
「太郎君はインフルエンザにかかったため休みです。」というと、
クラスはざわつきました。なぜかというと太郎君は、運動がとても得意で勉強もクラスで一番でクラスの人気者だったからです。休み時間になり私は教壇に立ち、
「ねー聞いて、太郎君来週誕生日なんだけどみんなでお祝いしない?今から準備したらすごいものが作れると思うの。みんなどうかな?」
すると、みんなは声を合わせて「それいいね!!やろうよー。」
といいました。私は、「それじゃあ放課後に私の家に来れる人はきて。」といい休み時間がおわりました。

放課後になりました。私は、すぐにかえり友達がくるので、自分の部屋を急いで片付けました。インターホンがなりました。お母さんが出て友達を招き入れました。お母さんは、十人も来たのでとてもびっくりしました。お母さんは私を呼び、「どうしたの。この集まり。」といい、「太郎君の誕生日会をするの。今から準備するんだぁー。」と言い返しました。
私は部屋に戻り座りました。友達は、「ところで何をするの?」私は、「まだ何も考えてないの…みんなで考えようと思って。」
みんなは、「そうだね。みんなで考えよう。」
みんなは話し合いケーキをみんなでつくりそれぞれでメッセージカードを作ることになりました。
日曜日(前日)になり、みんな集まってケーキ作りをはじめました。
スポンジ、クリームを作るのはお母さんが手伝ってくれたので、
とてもはやくおりくだものを切り始めました。
家庭科の授業で扱ったことがあったので、みんなで交代しながらすぐに終わりました。
トッピングも終わり、ケーキが完成しました。

いよいよ誕生日です。学校に着くとインフルエンザから復活した太郎君が一番早くに来ていました。私は、すぐに太郎君のもとに行き治ったのか聞きました。太郎君は、とても元気だったので私は一安心しました。授業も終わりみんな一回帰宅し私の家に集まり太郎君の家に向かいました。今日家にいるのか確認していたので、私たちは、足早に向かいました。太郎君の家に着きインターホンを鳴らしました。
すぐに太郎君は出てきてくれました。わたしたちは出てきた瞬間に「誕生日おめでとう!!!!!!!!!!」
といいました。
太郎君は、とても驚きました。なぜ今日が誕生日ってことを知っていたのか、声の大きさ。そして、つくったケーキとメッセージカードを渡しました。太郎君は、とても喜び嬉しさのあまり涙を浮かべました。
私たちも太郎君がとても喜んでくれたので、とても嬉しかったです。

帰り道では、ケーキや太郎君の話で盛り上がりました。
サプライズが成功して次の日もその次の日もその話で盛り上がりました。

4年生物語文 「ありがとう」 122903

「あー、この日はダメだね・・・。」4年2組のまおちゃんとりんちゃんはクラス全員で近くの河川敷で遊ぶ、企画係りになりました。こんなことをするのが初めてな二人は、大変そうでした。

まずは、日にちを決めないといけません。クラスのみんなにアンケートを取ってきめていきます。「みんなこの紙に遊べる日書いてねー!」「はーい!」みんなは2日に協力してくれました。「あー、この日もだめだね。・・・・この日も。」2人でみんなの予定を照らしあわせていきました。40人もいると大変です。「あ!この日ならいける!」「ほんとだ!」ひにちは来週の火曜日に決まりました。

つぎに、何をするかです。これは2人がみんなの前に立って黒板を使って決めていきました。「ドッヂボールがいいひとー?」「サッカーがいいひとー?」きめるのに30分もかかりました。結局ドッジボールをみんなですることになりました。

とうとう当日になりました。学校が終わるとすぐにみんなで河川敷までダッシュ!やっぱり男の子が速いですね。40人全員がそろうと、みんなでコートをかいて、準備完了!まおちゃんとりんちゃんの「はじめます!」という声と同時に4年2組のドッヂボール大会が始まりました。男の子も女の子もすごくたのしそうです。

あっという間に時間は過ぎ、もう6時前です。「これでおわります!」の声で楽しかった時間は終わってしまいました。みんなは口々に「ありがとう!ありがとう!」と2人に言いました。「2人のおかげでたのしかったよ!ほんとうにありがとう!」2人は大変だったけどやってよかった!とおもいました。「ありがとうってゆう言葉ってこんなにもうれしいんだね。」これからも、「ありがとう」を大切にしていこうと思った2人でした。

4年生物語文 「勇気のお見舞い」 122904

いっちゃんはクラスではあはりしゃべらない内気な子、でも友達はほしくて、でも話しかけるのが怖くてどうしたらいいのか分かりませんでした。ある日隣の席のばすおさんが風邪でお休みしました。

いっちゃんはばすおさんとたまにはなしたこともあり、お見舞いに行こうと思ったけれど嫌がられたらどうしようとも考えてしまいます。あさから行こうと思っては絶対に無理と思ってしまうことを繰り返していました。

そんな時に先生がクラスの誰かがばすおさんの家にプリントを持って行くように頼みました。いっちゃんは怖かったけど勇気を出して、手をあげました。こうしていっちゃんはプリントを持って行きました。

ばすお産の家への行き道にいっちゃんは嫌がられたらどうしようとか色々考えて還りたくもなりましたが、インターホンを鳴らすとばすおさんが出てくれました。ばすおさんはしんどそうでしたが、嬉しそうにありがとうありがとうと何回も言ってくれていっちゃん嬉しくなって、来てよかったなと思いました。

次の日からばすおさんが登校してきていっちゃんととてもよく話すようになりました。あの時の勇気が最高の友達を作ったのです。

4年生物語文 「帰り道」 122905

夏休みが終わって、ふつうの学校生活が始まった。ぼくは、サッカー部に入っている。夏休みの終わりごろ、部活や遊びのせいでたまっていた宿題をあわてて片付けて、ほっとした感じで学校が始まった。
「ゆうた、宿題やった?おれなんて夏休み始まって二週間で終わらしたよ。」
「なんだよ、またじまんかよ。」
こいつはたかしといって、同じサッカー部に入っている。勉強もサッカーもなんでもできるようなやつで、自分に自信を持っている。そして、なにかと自分がしたことをじまんしたがるのだ。家が近いこともあって、部活の帰り道も同じなのでずいぶん仲がいい。

そんなぼくにも好きな人がいる。同じサッカー部のマネージャーのゆりという。ゆりは人一倍まじめで、優しくて、性格もいうことないほどいい性格の女の子だ。ゆりとも同じクラスで、初めは何とも思ってなかったのだが、優しさにふれていくうちに好きになっていった。いつのまにか好きだったので、いつ好きになったかはわからない。

そんなある日の昼休み、サッカー部のみんなでたかしの誕生日会を行った。サッカー部みんなで20人ちょいぐらいで、一つの教室を使って行った。部員のみんなでたかしをどうあげしてやったり、盛大に祝ってあげた。何人かは誕生日プレゼントを買っていた。お菓子を学校にもってくることは禁止されているので、消しゴムとか、赤ペンなどをたくさんプレゼントした。
「こんなにいらねーよ!」
たかしはそう言っておきながら、とてもうれしそうにしていた。みんなでわいわい話している中、ゆりがたかしに何かをあげているのを見てしまった。ぼくは、複雑な気持ちになり、トイレに行ったりなどしてまぎらわせたが、とても無理だった。ただの誕生日プレゼントなのかもしれないが、ぼくにとってはそう思えなかった。

部活が終わった帰り道、ぼくとたかしはいっしょに帰っていた。本当は一人で帰りたがったが、たかしにさそわれ、ことわれずに一緒に帰っていた。
「ゆうた今日調子悪かったな。」
「たまたまだよ。」
ぼくは流すように答える。
そして、たかしが一つためいきをついて
「おれ、ゆりに告白しようと思う。」
「えっ。」
急にふんいきが変わった。
「夏休み前から好きだったんだよな、ゆりのこと。あいつ性格いいし。」
ちょうどぼくと同じころだ。
「いつするの?」
「今日。」
「えっ。」
「実は、三角公園に八時に呼んでるんだ。みんなに言ってないんだからヒミツだぞ。」
「う、うん。」
ぼくは自分もゆりのことが好きだと言えずにずっと話を聞いていた。昼休みにあんなものを見てしまっては何も言えない。たかしには不安そうな様子が見られなかった。気づいたら二人が別れる道まで来ていて、そのまま別れてしまった。
(ああ、そういうことか。)
ぼくはテンションが下がりながら家に帰って行った。

その日の夜、ぼくはただ何もしてないでベッドに横になっていた。すると、急に電話が鳴った。ぼくはたかしからだと思い、すぐに電話を見た。けど、ゆりからの着信だった。
「もしもし。」
間違いなくゆりの声だった。
「もしもし。」
「あのね、ちょっと話があるんだけど・・・。」
「なに?」
ぼくは少しふてくされて言う。
「あのね、今日、たかしくんから告白されたの。」
「えっ、よかったじゃんか。」
「でもね、わたし、ほかに好きな人がいて・・・。」
初めて聞いたことだった。ぼくは追い打ちをかけられたように気分が悪くなった。
「それで?」
「うん、それで、どーしよっかなって・・・。」
もう、どうにでもなれと思った。
「だったらそんなこと、好きな人に相談したらいいじゃないか。」
「だから、今してるんじゃない。」
間があいた。ぼくは少し顔が赤くなった。

4年生物語文 「うさぎちゃんときつねくんとたぬきくんとねこちゃんとこあらくん」 122906

とある村に仲良しのうさぎちゃんときつねくんとたぬきくんがいました。三匹はねこちゃんが作ったふしぎな大きな穴で寝ていました。そして目を覚ますと見慣れた何もない不気味な場所に移動していて、そこで見覚えのある影に攻撃されます。きつねくんがかろうじてうさぎちゃんとたぬきくんを逃がします。この四匹はどうなるのでしょうか。

うさぎちゃんとたぬきくんは、きつねくんの頑張りでなんとか影から逃げることができました。二匹は見覚えのある影の正体に気づき始めているものの、口を開くことはありませんでした。うさぎちゃんはこの考えがどうか間違っていてほしい、そしてきつねくんの無事を祈ることしかできませんでした。ようやく出口を見つけ出し二匹はきつねくんを助ける策を見つけるため外に出ました。

影のすさまじい攻撃によけることしかできないきつねくんは、この状況を変える一手を探っていました。そしてきつねくんも二匹同様ある考えが頭に浮かんだのです。それがあっていてほしくはありませんでしたが、きつねくんはおそるおそる口にしました。「君はこあらくん?」すると、影の動きがピタッと止まりました。「信じたくはないけどこあらくんなんだね。どうしてこんなことを・・・」きつねくんが見た先にはこあらくんが立っていました。こあらくんは「じゃまものははいじょする、それだけだよ」「じゃまもの?どうして僕たちがじゃまものなんだ。こあらくんはこの世界の何を知っているんだ」「ちっ、二匹は逃がしたか。まあいい、おまえは元の世界へは帰さん」こあらくんはきつねくんの言うことに耳も傾けず、また攻撃し始めました。きつねくんはうさぎちゃんとたぬきくんが無事逃げれたことを知るとほっとし、現状の打開策を模索しはじめました。

元の世界に戻ったうさぎちゃんとたぬきくんは、きつねくんを助けるべくあの穴に向かいました。すると道中たぬきくんがねこちゃんが倒れているのに気づきます。ふだん誰も寄せ付けないねこちゃんが道端で寝るはずもありません。気になった二匹はねこちゃんに近づきます。ねこちゃんはとても苦しそうな顔で、何かつぶやいています。うさぎちゃんは何と言っているか気になりましたが、たぬきくんはねこちゃんを学校の保健室まで運ぼうと言うのでそれを手伝い看病しました。夜になるとねこちゃんが目を覚ましました。ねこちゃんは保健室のベッドにいることに気づき、運んでくれた二匹にも気づきました。

ゆめからさめたみたいにきつねくんは元の世界に戻っていました。
めの前にいたこあらくんの姿もなく、なんとか助かったみたいです。
おおきな穴の周りになにかないか探していたたぬきくんはきつねくんを見つけて、帰ってこれたことを喜びました。
ちかくするのに時間がかかった。ねこちゃんを看病していたうさぎちゃんはねこちゃんを連れて行くこあらくんの姿をみてしまったからだ。逃げる時に考えていたことが間違いではないことをしらされたのです。

4年生物語文 「雨」 122907

 「雨かぁ。」
ゆきは外を見てため息をついて言いました。雨の日はなんとなく元気がでません。外であそべないし、学校に来るだけでぬれてしまいます。いつも雨の日はゆううつな気分になるのでした。

 じとじとした空気は気持ちが悪く、うす暗い教室ではやる気もおきません。休憩時間は体を思いっきり動かすこともできないので、教室でおとなしくしているしかありません。ゆきはだんだん帰りたくなってきました。

 そこへ、さくらがやってきました。活発という子ではなく、休憩時間はいつも教室で静かに過ごしていました。ゆきは「どうしていつも教室にいるのだろう」と、不思議に思っていました。
「どうしていつも外であそばないの?いつも晴れていても教室にいるよね。」
ゆきは何気なくさくらにたずねました。するとさくらは少しして言いました。
「私はお医者様から必要最低限以上の運動は禁止されているの。体育もできることしかできない。だから休憩時間も教室で過ごしているの。」
ゆきはそれを聞いて少し悲しくなりました。それを察したのか、さくらは少し明るい声で言いました。
「でも雨の日は好きよ。みんな教室にいるからいっぱいお話ができるもの。」
さくらの笑顔を見て、ゆきもうれしくなりました。その後、2人はテレビの話などをして、楽しく過ごしました。

 ある日、また雨が降りました。
「雨かぁ。」
ゆきは言いました。でも、前よりも少し雨の日が好きになりました。だって、さくらが笑顔で過ごせる日ですから。
「いってきます。」
ゆきは元気よく傘をさして学校に向かいました。

4年生物語文 「白いテープ」 122908

2月2日,台所で変な物を見つけた。なべに入っているが,紙のように見える。どう見ても白い紙テープだ。近づいてみるとぬれたきれのようにも見える。お母さんは,一階にいるようだ。チャンス。

持ち上げてみた。めちゃくちゃ長い。クンクン。においはしない。食べ物だろうか。「お母さ〜ん。このなべの中の白いのん何。」「かんぴょやん。いつも巻きずしの中に入っている茶色いやつ。」下から返事が聞こえた。よし,食べ物だ。一本は長すぎるが,歯形がつくとばれるので,つめでちぎってみた。もっと切れにくいかと思ったが,簡単に切れた。
「まず〜。」「こら,食べるな。」ばれた。

2月3日,節分だ。きのうのかんぴょうは,もう巻きずしの中かな。今まで気にして食べたことはなかった。具はえびなのか,うなぎなのかを選んで,他は,きゅうりと卵焼きは入っていたな。あとは……。よく見たらこうや豆ふとかんぴょうだった。味はあまいしょうゆ味。きのうは,塩味と変な味がしていたのに,今は全然しない。ふにょふにょしている。食べた感じは,きのうの方がいいな。シャキシャキしていた。でも,かんぴょうって何。

2月4日。教室で,友達に「巻き寿司に入ってるかんぴょうって元々は白くてな〜。」と話し始めたら,となりの席のかなこが口をはさんできた。「知ってる。ひもみたいなやつやろ。うちではロールキャベツ作るとき,バラバラにならんように,最後にかんぴょうでしばるよ。かんぴょうをしばるのは,いつもわたしの仕事やねん。」

知らなかった。本当にひものように使うのか。せっかく自慢したかったのに,かなこがくわしく説明して,ぼくはウンウンとうなずくだけだった。

4年生物語文 「小人の国」 122909

あるところに身長100cm以下の人々が住む小人の国がありました。この国ではあらゆるものが小さくつくってあります。人口は一億人です。みな小さいので協力し合って生活していました。

この国の隣には身長2m以上の人々が住む巨人の国がありました。この国ではあらゆるものが大きくつくってあります。人口は一万人です。みな大きいので協力しなくても生活することができました。

ある日巨人の国の国王が小人の国を訪問しました。巨人の国の国王は小人の国のものが全て小さいのでいらいらしてしまって小人の国のものを全て大きくしろと怒鳴りつけました。小人の国の国王はこれを却下し、言い合いになりました。そして、ついに戦争することになりました。

戦争が始まりました。巨人の国の人々が小人の国に攻めこみます。小人の国の人々はその大きさに驚きおびえました。しかし、巨人の国の人々は誰がリーダーかでもめて仲間割れを始めました。これを見計らって小人の国の人々はその数の多さを利用して協力して巨人を1人ひとり倒していきました。そしてついに巨人の国は国王1人になってしまいました。

小人の国の国王は巨人の国の国王に言いました。「体の大きさは関係ない。協力すればなんでもできるようになるんだ。」巨人の国の国王は泣き崩れ負けを認めました。そしていつまでも仲良く暮らしました。

4年生物語文 「いばらの国」 122910

昔々、遠く北の雪が年中積もっているような寒い寒いところ。あまり大きくはないけれど一つの王国がありました。その王国には目立った特徴はありませんでした。ここでしか採れない植物もないし、珍しい動物もいません。ただ、この王国の周りは崖が囲んでいて一つの架け橋だけが王国への道でした。そして、その崖の下にはいばらが深いところまで広がっていました。それで、人々はこの王国をいばらの国とよんでいました。王国の人たちはいもや木材を売って生活していました。

その国に一人の青年が住んでいました。名前をミーシャといいました。ミーシャはずっとひとりぼっちでした。女の子のような名前なので歳が近い子はミーシャをいじめていました、つまり友達がいなかったのです。家の畑でとれるいもと少しの野菜で生活しています。そんなミーシャはよくひとりで王国の崖に行き。崖を少し降りていばらの絵をかいていました。この日もミーシャはひとりでいばらを描きにきました。
「ああ、また新しいばらが咲いている。今日はこのばらを中心にして絵を描こうか。」
ミーシャはいつも崖にきていばらを見ていたので、新しく咲いたばらに気づくこともできます。
「しかし、君たちはなぜ白いんだろう。昔には赤いばらもあったそうじゃないか。その子たちはどこへいったんだい?」
答えてはくませんが、会話しているような気がするのでミーシャはいばらに問いかけます。ミーシャにとってこの生活が平和で満足でした。

そんな生活を続けていたある日、ミーシャはいつものように崖に行きいばらの絵を描いていました。すると突然後ろから声を掛けられました。
「ねえ、何をしているの?」
驚いて振り返ると、一人の女の人が立っていました。
「それは、あのね、この子たち、ばらの絵をだね、描いているんだよ。」
ミーシャは気が動転して、うまくしゃべれません。なにしろ、人と話すことがとても久しぶりなのですから。
「へえ、そうなの。とても上手にかくのね。このばらたちも喜んでいるみたい。」
その女の人はとても白い肌と肌と相まってよく映える赤い唇、さらにきれいな白く長い髪をしていて、深い緑の服をきていました。ミーシャはとても寒そうだなと思いました。しかし、自分とおなじようにばらを人のように話すことにうれしくなりました。
「そんなことはないよ、ずっと描いてるから、少し慣れているだけだよ。」
「そう、それでも私は好きだわ。今までに描いた絵はどうしたの?」
「え?それは、家にあるけど。」
「へえ、ぜひ見てみたいわ。あなたの家に行ってもいいかしら?」
「え?それは、かまわないけれど。」
「それじゃあ決まりね。」
瞬く間に決まりましたが、ミーシャはその女の人を家に招き絵を見せて楽しいときを過ごしました。
それから、ミーシャが絵を描きに行くたびに、その女の人は現れるようになり、家に来ることも多くなりました。

それから数か月後。その女の人はミーシャの周りでうわさになっていました。その女の人がとてもきれいだったのでミーシャをうらやましがる男が多かったのです。その中には昔、ミーシャををいじめた男もいました。ある日、その男が数人の男を引き連れてミーシャの家におしかけました。
「おい、お前。最近、女を連れ込んでいるだろう。」
「そんな、ただ、絵を見せているだけだ。」
「うるさい。その女が怪しい。あんなきれいなのに俺らを無視しやがる。それに、あんな薄着でいるし。化け物といううわさがあるのだ。」
「そんな。彼女がそんな化け物なわけない。」
「うるさい。あの女がこの町に来るのはお前の絵があるからだろう。こんなもの、いばらの中に捨ててやる。」
そういうと、家にあるミーシャの絵を、男たちがすべて奪っていきました。
ミーシャは止めようとしましたが、昔のいじめっ子に殴られて何もできませんでした。男たちが出て行ったあと、ミーシャは追いかけていきました。崖についたとき男たちが次々とミーシャの絵をいばらの崖に投げ捨てていました。ミーシャは男たちにとびかかりましたが、逆に殴られ、絵が散っていく様を見ているしかありませんでした。男が絵を捨て終わったあと、取り残されたミーシャは絶望しました。女の人に褒められ、自分の絵は自分のほこりでした。そして、生きていくうえで、唯一の希望でした。心が引き裂かれた気持ちになりました。しばらく呆然としたあと、ミーシャはフラフラとあるきだし、崖に立ち、いばらを見下ろしました。自分の絵がいたるところに見えます。
「集めないと。」
ミーシャはいばらに飛び降りました。ミーシャは飛び降りながら、あの女の人を見た気がしました。しかし、その直後、いばらに入り、全身をいばらのとげが引き裂きました。どこかで引っかかり、ミーシャは止まりました。だんだん意識が遠のくなかで、ミーシャは目の前のばらが赤く染まっていくのを見ました。

それから、あの女の人を見たひとはいません。しかし、その次の年、突然いばらが成長をはじめ、一晩で崖からとびだし、王国を囲いました。その次の日王国はいばらに埋めつくされ、多くの人が死にました。そのあとに咲くばらは、みんな赤かったそうです。

4年生物語文 「ともみのお留守番」 122911

 わたしは何をするのも遅くて、しかもどんくさい。みんなからは、とんぴと呼ばれている。小学校4年生になったところだ。男の子からは「やーい、びびりのとんぴー!1人でお留守番もできないのかーい!」とからかわれ続けている。わたしは、びびりであるけれども、お母さんは仕事で出ていくこともあるし、1人でお留守番なんて何回もしている。へっちゃらだ。
 だが、わたしは今日不思議な体験をすることになる。

 ある日曜日、「じゃぁ、行ってくるねー。とんぴ、お留守番頼んだよー!」と言いながらお母さんは仕事に出て行った。わたしは、眠たい目をこすりながら「いってらっしゃあい。」お母さんを見送った。起きるのがいつもより遅くなったせいでとんぴは1人で朝ごはんの支度にとりかかった。だが、どんくさいとんぴ。牛乳を床にこぼしてしまった。おかげでマットが牛乳まみれ。これは洗わないと、と思ったとんぴは急いで洗面所へ向かった。ゴシゴシゴシゴシ、洗面所は泡まみれでそれは、まあ別の世界に来たかのような不思議な空間になり、とんぴは洗濯が楽しくなってきた。洗い終わったとんぴは、マットを絞り、庭まで干しに行った。干し終わると朝ごはんの続き。この時とんぴはベランダの鍵を閉じていなかった。ともみは、宿題をしてお昼ご飯を食べた。

 2時ごろ、「プルプルプル」電話が鳴る。「はい、もしもし。鈴木です!」とんぴは元気よく電話に出た。すると「ツー、ツー、ツー」切られてしまった。とんぴは少しおかしいなと思いながらも宿題の続きに取り掛かった。
 「がっしゃーん!」びっくりしたとんぴはあわてて音のするほうへ。大好きなおじいちゃんの写真たてが落ちていた。とんぴはおじいちゃんが大好きだった。きっとおじいちゃんもとんぴのことが大好きだったはずだ。でも、そのおじいちゃんは、もういない。約1年ほど前、病気で死んでしまったのだ。少し昔を思い出したとんぴだった。
 「ガラガラガラ」ベランダの開く音がした。恐る恐る音のするほうへ。知らない人がいる、きっと空き巣か何かだ。空き巣がとんぴに気づいたとんたんとんぴは急いで3階の物置に隠れた。空き巣が2階でとんぴを探している声がする。とても怖い、とんぴはブルブル震ええていた。

 とうとう3階へ。見つかるのは時間の問題だ。その時、地震がおきているわけでもないのに家じゅうの家具が倒れだしたのだ。これにはさすがの空き巣も驚き、何も盗むことなく出て行ったのだ。当然何が起こったかもわからないとんぴも怖かった。
 すると、「ただいまー!とんぴー、帰ったよー!」お母さんが帰ってきた。とんぴは絞られた雑巾のように顔をぐしゃぐしゃにしながらお母さんの所へ走っていった。とても怖かったのである。これで一安心。お母さんにすべてのことを伝えた。

 その夜。とんぴが夜中に突然目を覚ました。普段はこんなことないのにな、と少し変に思いながら窓に目を向けた。すると窓のそばにモヤモヤしたものがこっちを見ている。おじいちゃんだ!とんぴはそう感じた。目が合うとそのモヤモヤはにっこりして消えて行った。
 とんぴはその時「あれはきっとおじいちゃんが助けてくれたんだ!電話も写真たてが倒れたのもきっと危険を教えてくれたんだ!」
 とんぴはおじいちゃんが大好きだ。

4年生物語文 「走れ、しゅんくん」 122912

 教室から校庭を眺めると、五年生が持久走をしてします。しゅんくんは心の中でためいきをつきながら、それをちらちらとみていました。「来週はマラソン大会か。」しゅんくんが一年の中で最も嫌いな行事の一つです。しゅんくんは持久走が大の苦手でした。マラソン大会の毎年のビリはもちろん、いつもの体育の持久走でさえ自分の後ろに人がいたことがありませんでした。
 特にマラソン大会は嫌いでした。この地区のマラソン大会は、小学生だけでなく、中学生も参加し、町全体でしかも休日開催なので、沿道にはお父さんやお母さんがたくさん立っているのです。しゅんくんにはその中を走り抜ける自分が何ともこっけいで恥ずかしくてなりませんでした。

 しゅんくんはたまに想像します。クラスのトップを走る男の子と接戦のレースをくりひろげるのを。「どんなに気持ちいいだろうな。きっと羽根が生えたように、足が軽いんだろうな。」と。
 そんなことを考えていたある晩。しゅんくんは夢の中でマラソンをしていました。それも一位争いです。夢の中でしゅんくんは「もっと速く、もっと前へ」という声が聞こえるのがわかりました。体は軽く、どんどん進みます。さすがは夢の中でした。しゅんくんは一位
でゴール。たのしい、いいゆめでした。

 翌日、体育がありました。しゅんくんはもしかしたらと思い、マラソンに臨みました。が、やはり夢は夢です。速く走れるわけがありませんでした。
 そして、いよいよ当日がやってきました。しゅんくんは完全にテンションがさがってはいましたが、心の中には速く走ってみたいという思いはひそかに胸のおくには持っていました。
 スタートしました。学年のマラソンが得意な男の子たちはすごいスピードで飛び出して行きます。しゅんくんには彼らが今から長距離を走ることが、信じられませんでした。

スタートして間もなく、しゅんくんの息は上がり始めました。つらい時間の始まりです。あっという間にビリになり、ひとつ前の児童なんて、もう遥か彼方です。しゅんくんは沿道からの声が恥ずかしくなってしまったので、目の前のほんの一点だけを見つめ、無心ではしりつづけました。もう沿道のことなんか気にもなりません。無心で自分の走りに集中していきました。
 するとどこからか、あの声がします。「まだいける。もっと早く。もっと前へ。」夢の中と違って、やはりそんなことを言われようと、足は動きません。息だけが上がっていきます。徐々に声が遠くなっていきました。しゅんくんを置いていくように、声はどんどん前へ前へいきます。しゅんくんはその声を夢中で追いかけましたが、追いつきませんでした。いつの間にか、声はきこえなくなっていました。ふと我に返ったような気になりました。しんどさが一気に押し寄せてきます。しかししゅんくんはいつの間にかすごいスピードで走っていました。息はあがり、心臓はドクドクと悲鳴をあげます。しんどいのに、しんどいはずなのに足が止まりません。からだは軽くかんじました。

そうこうしているうちに、ゴールが近づいてきました。そしてなんとしゅんくんのひとつ前の児童が目に入ってきました。しゅんくんは必至で追いかけました。全身がばねのように弾み、心臓は全身を震わすほどみゃくを打っています。でももう止まりません。俊君はゴールを駆け抜けました。それでもまだ、しゅんくんは走り続けられそうでした。むしろ止まりたくありませんでした。こんなに気持ちのいいマラソンが初めてだったからです。
 順位はやっぱりビリでしたが、今日のしゅんくんの走りはは、夢の中のあのしゅんくんの走りでした。

4年生物語文 「ハッピーバースデー」 122913

「お誕生日おめでとう!」
「ありがとう」
そうです、今日ははなちゃんの10歳の誕生日なのです。朝起きるとお母さんが言ってくれました。
「はなちゃんが生まれたのは冬でね、産んだあととても寒くなって湯たんぽを用意してもらったんだよ。」
毎年恒例の生まれたときの思い出話です。

「お誕生日おめでとう!」
「ありがとう、みんな!」
クラスに行くとみんながはなちゃんの方に寄ってきて、祝ってくれました。
はなちゃんのクラスでは誕生日の子はいつも朝の会のとき、誕生日の歌を歌ってもらいます。
「はっぴばーすでーとぅーゆー はっぴばーすでーとぅゆー はっぴばーすでーでぃあはなちゃんー はっぴばーすでーとぅーゆー」

そして昼休み、みんなが何やらゴソゴソしています。
「はなちゃん目ぇつぶってー?」
クラスメイトの子が言いました。
「目ぇ開けていいよ!」
と少し時間が経ってから言われました。
見るとそこには大量の寄せ書きが書かれたお菓子がおいてありました。クラスみんなからなのですごい量です。
「みんなありがとう!」
はなちゃんは少しずつ持って帰ることにしました。

家に帰ると家族が待っていました。晩ご飯ははなちゃんの好きなハンバーグです。そしてプレゼントは素敵なくまのぬいぐるみをもらいました。ご飯が終わったら、大好きなイチゴのショートケーキをいっぱい食べました。
「お父さん、お母さん、本当にありがとう!」

はなちゃんはみんなに愛されています。だからこんなにたくさんの人に祝ってもらえたのです。それをとても実感した日でした。はなちゃんはすごく嬉しくて幸せな気持ちで眠りにつきました。
「お父さん、お母さん、産んでくれてありがとう。」

4年生物語文 「りすと森」 122914

森に秋がやってきました。動物たちは冬越しの準備に大忙しです。冬になると食べ物がなくなってしまうので、動物たちは、今のうちにたくさん食べて寒くないように体に脂肪をたくわえたり、冬の間におなかがすいても食べられるように、たべものを蓄えたりしておかなければなりませんでした。

りすも、冬越しの準備に大忙しでした。あちこち走り回って木の実を集めてきては、土の中に埋めるのです。その様子を見ていたくまが話しかけてきました。
「やありすくん、そんなに木の実をうめてどうするんだい」
「今のうちにうめておけば、冬に食べ物がなくなっても困らないと思ってさ。それにこうしておけばほかのだれかに取られることもないし。」
「そうかい。まぁぼくは今のうちにたくさん食べて脂肪をつけて寝るけどね。じゃあ、また春に」
「また春に」
そういうとくまは眠たい目をこすりながら巣穴のほうえ帰っていくのでした。

やがて木の実を埋めるのに満足したりすも巣穴に帰って眠りにつくことにしました。春になって、また食べ物が見つかるまで、永い眠りにつくのです。

冬半ば、りすはおなかがすいて目が覚めました。土の下に埋めてあった木の実のことを覚えていたので、木の実を掘り起こすことにしました。いくつか食べておなかがいっぱいになったりすは、また春を待って眠りました。

春のはじめ、りすはまだ巣穴で丸くなっています。その間に、りすが埋めたことを忘れていた木の実のいくつかが芽を出しました。

森には新しい木が増えました。

4年生物語文 「可愛そうな転校生と僕」 122915

僕のクラスに転校生がやってきた。そいつは背の低い女の子で可愛らしい感じのいかにも都会っこって感じの奴だった。とうぜんのようにホームルームが終わると、みんなはそいつの席に群がるようにあつまった。僕もみんなと同じように、質問攻めにされているそいつのちかくにいった。僕たちの学校は田舎だから、転校生自体が珍しくて、よくみれば隣のクラスからも人が集まってきていた。みんなの雰囲気に圧倒されて、転校生はびくびくして質問されてももじもじして、なかなか答えられないようだった。

「ねぇ、どこから引っ越してきたの?」
「都会って、楽しいところがいっぱいあるんでしょ?」
「お父さん、お母さんは何してる人なの?」
・・・転校生はたくさんの質問の中から一つだけ、小さな声で答えた。
「お父さんは海外で、お母さんはうちが小さいとき死んだから、あんちゃんとすんでるの」
みんな、聞いちゃいけないこときいたなって感じでシーンとしてしまった。そんな雰囲気を変えようとして、僕は転校生に「それは、可哀そうだね」って言ったんだ。すると、転校生は突然おっきな声で「うちは可哀そうな子やないわ」っていってでていってしまった。

僕はなんで転校生が怒りだしたのかがわからなくて、家に帰ってお母さんに相談してみた。するとお母さんは「人の事を簡単に可哀そうなんていってはダメ」と僕をしかりつけた。僕はなんでって聞くとお母さんは「自分以外の誰から勝手に不幸って決めつけられるのは腹が立って当然よ。あなたは毎週休日はサッカー教室に通っているけど、そのことを誰かから『おまえは休日は遊びに連れってってもらえないんだな、お前は可哀そうだな』腹が立たない?」って言った。
確かに僕が好きでやってるサッカーを可哀そうって言われるのは腹が立つなって思った。

僕は転校生に謝ることにした。明日の学校が始まったら、転校生に謝って、そして友達になろうって思った。

4年生物語文 「ぼくの夏」 122916

「今日はいい天気だな」
「そーだな、今日はザリガニたちがいつもよりウヨウヨいるんじゃねーか」
「それは、楽しみだぜーー」
「みんな3時にザリガニ公園に集合な」
「おう」
いつもどおり、放課後はザリガニの話で盛り上がっていました。
しゅんは、
「今日こそはザリガニをつかまえて、家で飼ってやる」
と心の中で決意していました。

家に帰ると、お母さんがいました。
「しゅん。今日も学校楽しかった?」
「楽しかったよ、あっそうだ今からみんなでザリガニつかまえに行くんだ」
「危ないわよ。あんまり危険なところに行っちゃいけないわよ。何時くらいに帰ってくるの?」
お母さんは心配性だった。けど、しゅんは、
「分かってるよ!危険なところにも行かないし、ザリガニをつかまえたら帰ってくる!」
と言って、しゅんはアミとカゴをもって、家から飛び出して行きました。

ザリガニ公園の方へ行くと、みんなはもう集まっていました。
「よし、じゃあ今日は、いっぱいザリガニとるぞーーー!」
「おーーー!」
と言って、ザリガニ公園の近くのため池に行きました。
ため池に行くと、そこらじゅうにザリガニがたくさんいました。
しゅんは、自分のオススメのポイントがあり、いちもくさんにそこへ走って行きました。
そこには、とても小さなザリガニがいました。
「これは、赤ちゃんザリガニかなぁ。けど、育てて大きくしてやろう」
と思って、しゅんは赤ちゃんザリガニをアミでつかまえようとしました。
すると、アミが何かにひっかかりました。
そう、すごく大きなザリガニがアミをつかんでいたのです。
しゅんはとてもビックリしましたが、勢いでアミをひっぱって、赤ちゃんザリガニをつかまえました。

家に帰って、カゴの中の赤ちゃんザリガニを見ていたら、アミを引っ張っていた、大きなザリガニのことをばかりが気になりました。
「あのザリガニは、このザリガニのお母さんじゃなかったのか」
しゅんは、申し訳ないことしたかなぁ思いました。
このザリガニはお母さんに会いたいじゃないか。お母さんは今、このザリガニを探しているんじゃないか。
しゅんには、心のモヤモヤがずっと残っていました。

次の日、しゅんは一人でザリガニ公園のため池にいって、
自分のオススメポイントに行きました。
しかし、昨日に見た大きなザリガニはいませんでした。
けど、しゅんは赤ちゃんザリガニをかえしました。
そして、ため池からはなれ、逃がしたところをみると、そこには大きなザリガニと赤ちゃんザリガニがいました。
大きなザリガニは、安心して泣いているように見えました。
そのとき、しゅんはお母さんの気持ちがわかった気がしました。

4年生物語文 「風」 122917

風というのはどこから吹いているのだろうか。何も考えず、ただ吹き抜けて行くだけの風、僕もそんな風になりたい。風になりたい。

僕は私立の中学校に通っている。そこでは平凡な日々を過ごし何一つ楽しさそを見出すことは出来なかった。授業中ずっと空を眺めているとふと思うことがあった。

学校が終わりいつもなら真っ直ぐ家にかえるのだが、今日は僕のお気に入りの公園に行くと、1人の少年に出会った、それは小学校のころ仲のよかった慎吾であった。

彼は僕の唯一の友達だった。彼は僕とは違い社交的で羨ましい存在だった。
久しぶりだなぁと慎吾から話しかけてきた。
僕も久しぶりで楽しい時間を過ごす事が出来た。

僕は風になりたい。そう思っていた。でも彼と出会って気づいたのだ。退屈な日々は自分から変えていかなければいけないと。これは風からの送り物だと。

4年生物語文 「ひとりぼっちの黒ねこ」 122918

 ある森の奥に、いっぴきの黒ねこが住んでいました。黒ねこは、もともと大きな街に産まれたのですが、街では黒ねこは不吉だと言われ、きらわれていました。道を歩けば石を投げられたりひどい言葉を言われたりしました。そのため、黒ねこはこの森の奥にのがれてきて、ひっそりとくらすことにしたのでした。黒ねこは、いつもひとりでした。

 ある日、黒ねこはいつものように川に魚を取りに行きました。川の近くまで来ると、川のほうにだれかがいるような気がしました。黒ねこはふしぎに思い、また、いじめられるかもしれないという恐怖から、川からは少しはなれた草のかげからそっと様子をのぞいてみることにしました。
 すると、そこにはいっぴきの白ねこがいました。白ねこは、じっと川の中を見つめたままで、黒ねこが見ていることに気がつかないようでした。太陽の光を反射して、真っ白な毛並みはまぶしく見えました。黒ねこは、その白くて美しいねこのことが、一目で好きになりました。その姿をもっとよく見ようと、黒ねこが身をのりだしたときです。
ガサッ。
「しまった!」
黒ねこが動いたせいで、草は音をあげてしまいました。
「だれか、いるの?」
白ねこがこちらへ顔をむけました。その声はすきとおるようにきれいな声でした。しかし、黒ねこは返事をせずにいちもくさんに逃げ出したのです。見つかったらきっと街のみんなのように、きらわれてしまうとおもったからでした。

 黒ねこは、家に帰ってからも何もする気がおきませんでした。食事ものどを通らず、眠りにつくこともできませんでした。
「どうしたらあの子と仲良くなれるだろう」
「どんなものが好きなんだろう」
「どこから来たんだろう」
黒ねこの頭の中は、白ねこのことでいっぱいだったのです。

 気がつくと、空は明るくなっていました。黒ねこは、昨日と同じ時間に川へ行くことにしました。昨日のように草のかげからのぞいてみると、やはり白ねこがいました。黒ねこはたかぶる気持ちをおさえ、白ねこをじっと見つめていました。見れば見るほど美しいねこで、黒ねこはますます白ねこのことが好きになりました。しばらくすると、白ねこはゆっくりと立ち上がり歩き出しました。黒ねこは見つかったかと思い一瞬身を縮めましたが、白ねこは黒ねことは反対の方向へ歩いていきました。どこへ行くのか気になった黒ねこは、良くないことだとはおもいつつも、こっそりあとをついていくことにしました。
 ついた場所は、森の出口でした。白ねこはどうやら街から来ているようでした。街へ向かってどんどん歩いていきます。しかい黒ねこは、街のみんなにみつかるのが怖くて、森の外へ出ることができませんでした。黒ねこは、白ねこの姿が見えなくなるまで見つめていました。

 次の日、黒ねこは昨日より少し早くでかけました。川に白ねこはまだいません。そこで、黒ねこはいつも白ねこがいる場所のあたりに、森でつんだ花をおいておきました。白ねこにプレゼントしようと思ったのです。草のかげからながめていると、今日も白ねこがやってきました。黒ねこの置いた花に気づくと、少しの間何か考えているようでしたが、花を手に取り耳の辺りにかざりつけ、川にうつった自分の姿をながめていました。そしてその場で嬉しそうにクルクルと回り始めたのです。よろこんでくれたとわかった黒ねこは、幸せで今にも飛び出しそうでしたが、ふとわれにかえってとどまりました。きらわれるのがこわかったからでした。

 それから毎日、黒ねこは同じ場所に白ねこへのプレゼントを置いておきました。あるときは森でつんだ花、またあるときは川でつかまえた魚、またあるときは森で拾ったきれいな石でした。白ねこはどの贈り物にもよろこんでくれました。 
 そんなある日、いつものように黒ねこがプレゼントを持っていくと、後ろの草むらから音がしました。ハッとふり向くと、白ねこがこちらをじっと見ていました。黒ねこは、おどろいてそこから動くことができませんでした。
「あなただったのね、いつもプレゼントをくれたのは」
白ねこが言います。黒ねこはただうなずくことしかできませんでした。
「どうしていつもプレゼントだけ置いてあったの?」
「それは…」
「それは?」
黒ねこは小さな声で話しはじめました。
「それは、はじめてここできみを見たときから気になってたんだけど、」
「だけど?」
白ねこのまっすぐな視線に耐えられなくなってしまった黒ねこは、両手で顔をおおってしゃがみこんでしまいました。そして、悲痛な声で言いました。
「みんな、ぼくの姿を見たら不幸になるって言って、ぼくをきらいになるんだ。ぼくはきみに不幸になってほしくなかったし、なによりもきらわれたくなかった!でもぼくはきみと仲良くなりたかった…。だからプレゼントをおいていたんだ。」
その言葉を聞いて、白ねこの表情はみるみる変わっていきました。黒ねこは、すっかりきらわれてしまったと思い、白ねことの関係もこれで終わりだとかくごしました。すると、白ねこはさっきより強い口調で、
「どうしてあなたの姿をみると不幸になるの?」
と尋ねました。黒ねこは予想していなかった一言に、とてもおどろきました。
「だ、だってぼくは黒ねこだから」
「どうして?」
「…わからない」
白ねこは満足そうな顔で言いました。
「でしょう?黒ねこが不吉だなんてだれが決めたのよ。わたしはそんなの信じてないの。
 それにわたし、あなたはとってもきれいな色をしていると思うわ。だって夜空と同じ色なんですもの」
今までほめられたことがなかった黒ねこは、はじめて自分の黒い毛並みをほこらしく感じました。自身がわいてくるのがわかりました。少しの間の後、きっぱりした口調で黒ねこはいいました。まっすぐに白ねこの目を見て。
「よかったらぼくと友達になってくれませんか」

 数ヵ月後、黒ねこはもうひとりではありませんでした。

4年生物語文 「八百屋さんのねこ」 122919

私が小さい頃の話です。とても昔なのですが、不思議な体験だったので、よく覚えています。

夏休みのことでした。私はお母さんにおつかいを頼まれて、八百屋さんに行きました。店のおばあちゃんにメモを渡して、おばあちゃんが袋に野菜を入れてくれるのを待っていました。すると、一匹の白いねこが店の中からとことこやってきました。私のほうを見て、にゃー、と一声鳴くと、またとことこ店の奥へ入って行きました。

おばあちゃんねこいたよ、と私はおばあちゃんに言いました。すると、そうだよ、お友だちなんだよ、とおばあちゃんは教えてくれました。私はその白ねこに会いたくて、毎日のようにおつかいに出かけました。

何日かして、おばあちゃんが病院に運ばれました。無理をしていて、体がもうもたなくなってしまったそうです。私はその日も、八百屋さんに行きました。しかし、店はしまっています。残念に思って帰ろうとしたとき、いつもの白ねこがとことこやってきました。そして、私にむかって、にゃー、と鳴きました。そのとき私は、その白ねこが、おばあちゃんをよろしく、と言っている気がしました。そして、少し目を離すと、そこにはもうそのねこはいませんでした。

数日して、八百屋さんにはおばあちゃんが戻ってきました。とても衰弱していて、もう八百屋さんには戻れないと医師は思っていたのですが、急に回復していったそうです。おばあちゃんは、あの子が助けてくれた、とずっと言っていました。私は、その意味がわかるような気がしました。大丈夫、私がおばあちゃんのそばにいるよ、と心の中でつぶやきました。おばあちゃんが戻ってきた日から、白ねこは姿を現すことはありませんでした。

4年生物語文 「彼」 122921

「彼」には名前がありません。そもそも名前とは誰かを呼ぶときに使うものであり、つまり誰かとかかわる時に使われるものであります。そして、誰かと関わるということを知らない彼にとって、名前とは必要のないものでした。これは、そんな彼の物語であります。

彼が生まれたのは17年前。彼は生まれたときとても危険な状況で生まれてきて、お医者さんにも「助かるかどうかは非常に難しいところだ」と言われていました。両親はたいそう悲しみ、教会に向かって「どうかご加護を」と何度も夜通し泣きながら懇願しました。すると願いが通じたのか、朝日を迎えるころには赤ちゃんの状態はよくなっていました。両親はたいそう喜び、今度はうれし涙をずっと流し続けました。まさか、あんなことになろうとはこのときは知らずに・・・

母親が赤ん坊を初めて抱えようとしました。すると、腕に激痛がはしり、さらにとても熱いのです。まるで、人間に触れているというよりも火の玉をつかんでいるような感触でした。母親は思わず赤ん坊を投げ捨ててしまい、父親と看護師は仰天しました。ですが、次に起こったことにはもっと仰天しました。赤ん坊が床にぶつかる瞬間、時が止まったように赤ん坊は静止し、やがてゆっくりと着地しました。赤ん坊には傷一つありません。この時以来、彼は誰にも接触を許さず、以降17年間、ずっと彼は一人となってしまいました。神のご加護は想像以上に機能し、彼には何物も寄せ付けないという試練まで与えてしまったのです。

そんなある日、一人の女の子が彼を見つめていました。女の子は一緒に遊びたそうな顔をして彼のもとに近寄ってきます。「来るな!」彼がそう命じると、女の子はびっくりしたような顔をして、泣き出してしまいました。しかし彼には、どうすればよいのか分かりません。人との付き合いというものを知らないからです。そうやって戸惑っていると、女の子が泣きながらまた近寄ってきました。そして、手をパーに広げ、「馬鹿!」と泣きながら思い切りはたいてきました。

彼の頬に、激痛が走りました。そうです、痛みというものを17年間知らなかった彼にとって、女の子の平手はとても痛いものでした。思わず涙が出てきます。「そんなに痛かったの?お兄ちゃん大人のくせに泣き虫!」と女の子は、今度は急に笑い出しました。違うのです。嬉しかったのです。痛くて、嬉しかったのです。初めて出会えた人間でした。彼の世界が急に輝き始めました。女の子が、なぜ彼に触れることができたのか、彼にはさっぱり分かりません。ですが、確かに痛いのです。それは、出会いという名の痛みでした。彼はこの日、本当の意味でこの世に「生まれた」のかもしれません。彼は名前を欲しました。すると、彼女は笑いながら、口を開きました。

4年生物語文 「無題」 122922

空はびっくりするくらい青くて雲一つない。なのにぼくにはそれさえうっとうしく思えてしまう。気分がおもい。空はあんなに晴れているのにぼくの心にはどす黒い雲がたちこめている。
「なんでうまくなんないんだよっ…」
ぼくは一年前に野球を始めた。でもいくら練習してもぼくは全然うまくならず、周りはどんどんうまくなっていった。悔しかった。うらやましかった。そしてなにより、自分に腹が立った。

ゆううつな気分のまま、練習場所についた。みんなもうそろっていた。ぼくはあわてて荷物をおいてみんなのところへ走っていく。そして練習が始まった。練習の間もぼくの気持ちはずっとしずんだままだった。やればやるだけできない自分が見えてくる。
「もういやだ。」
ぼくはもう泣きそうだった。

「雨が降りそうだな。」
コーチの声で空を見上げてみると、さっきまで雲一つなかった空にはいつのまにか黒い雨雲がたちこめていた。そして5分もしないうちに激しい雨が降り始めた。
「練習はいったん中止だ。みんな雨のかからないところでしばらく様子をみよう。」
その声で練習はいったん中止となり、みんなは雨宿りをすることになった。ぼくは正直助かったと思った。このまま雨がやまなければいいと思った。そのときふいに後ろから声をかけられた。
「雨、すげえよな」
そいつはぼくの同級生のトモユキだった。トモユキはぼくといっしょに野球を始めた。でもトモユキはぼくとちがってぐんぐんうまくなって今ではチームのかなめになっている。
「練習、中止になったらいいのにな。」
トモユキが言ったその言葉にぼくはいらっとした。そして言った。
「トモユキは上手いからいいよ。ぼくなんかいくらやっても上手くならない。練習がつらいんだ。もういやになってくるっ…」
最後のことばを口にしたとき、ぼくの中にあったなにかがあふれでて、ぼくはもう泣きだしていた。

トモユキはしばらくだまっていた。ぼくが急に泣き出してびっくりしたみたいだ。そして、ぼくが落ち着くまでまってから口を開いた。
「おれはおまえが苦しんでいたことはしってた。だからこそ、おれはおまえをかっこいいと思った。苦しんで、泣きたくても弱音をはかずにがんばっているおまえがすごいと思った。」
ぼくは言葉につまった。びっくりした。そんなふうに思われていたなんて全く知らなかった。
「でもな、本当に苦しかったらたよってくれていいんだ。おれを。今みたいにさ。」
「こんなへたくそだけど本当にうまくなれるのかな?」
「なれるさ。おまえなら。」
ぼくのなみだはもう止まっていた。
「練習はじめるぞー!」
その時、コーチの声が聞こえてきた。雨はもう止んでいた。

帰り道、ぼくはトモユキといっしょに帰った。いろいろな話をした。トモユキは実は人一倍かげで頑張っていたことを知った。ぼくも負けてられないなと思った。
「いっしょにこうしえんに行こう。」
トモユキが言った。ぼくはまよわず答えた。
「ぼくとおまえでな。」
雨上がりのそらにはくっきりとおおきなにじがアーチをえがいていた。

4年生物語文 「無題」 122923

4年生のまもるくんは、友達と一緒に家の近くの神社とその周りの森で遊んでいました。遊びはかくれんぼ。まもるくんを含めて10人でいつもかくれんぼをしています。今日の鬼はじゃんけんで一番負けたとおるくん。まもるくんは森の中に隠れてじっとしていることにしました。

とおるくんがみんなを探し始めてしばらくしてのぞいたみると、神社の中に隠れていたひとはみんな見つかってしまったようでした。このままだと森の中に隠れたほうもすぐに見つかってしまうと思ったまもるくんは、とおるくんが森の中に探しに入ったのを見計らって神社の中に隠れなおそうとしたそのとき、まもるくんのズボンのポケットから小銭がおちて賽銭箱の中に入ってしまいました。「あーあ、まあ良いか十円だけだし」そう言ってまもるくんは神社の中に入りました。「よし、ここならしばらく見つからない」そう思った瞬間後ろから肩を叩かれた!?

ふりむいたまもるくんは、目の前に自分と同じくらいの年の男の子を見た。「きみは?」まもるくんが聞くと反対に「きみこそ誰なんだ ひとの家に勝手に入ってきて」まもるくんは「ここにひとなんて住んでたのかなあ?」とふしぎに思ったが、とりあえず「あっ、ごめんなさい。かくれんぼしていて」すると「かくれんぼ?なんだい?それは?」といわれたので「かくれんぼを知らないの?かくれんぼっていうのは、一人だけ鬼を決めて他のひとが鬼に見つからないように隠れる遊びだよ」「ふーん。っていうことはきみは見つかっちゃいけないんだね。」「うん まあそうだよ」「そっか じゃあもう少しここにいてもいいよ。ぼくはやることがあるからもう行くけど。じゃあね。」そういうと、その男の子は神社から出て行ってしまった。

しばらくしても、とおるくんが探しに戻ってこないからまもるくんは眠くなってきてしまって飽きてきたので外に出てみることにしました。すると、とおるくんだけじゃなく他のみんなも見当たりません。「おーい みんなーどこいったんだーもうでてきよー!」声をかけても返事はなく置いていかれたと思ったまもるくんは神社の境内で泣き出してしまいました。

泣くのに疲れた頃、十円玉が落ちていることに気付きました。「なんだこれ?さっき賽銭箱に入ったと思ったやつが落ちてたのかな?」まもるくんは一度落としたものだし要らないやと思って、賽銭箱に十円を入れてまたひざに顔をうずめてしまいました。すると、森の中から「おーい まもるー!」という声がたくさん聞こえて来ました。そして、みんなが森から見えた時、まもるくんは大粒の涙をいつまでも流していました。

4年生物語文 「智香ちゃんの家」 122927

 智香ちゃんは古い家に住んでいます。そのせいでクラスの子からからかわれていました。
「おまえん家おばけでんだろ。ああ怖い。」
「古すぎてこえーよな。なんか出てきそう。」
「・・・・・」
今日もまた、智香ちゃんは何も言い返すこともできないまま急いで家に帰りました。
(こんな家いやだよ。古いし、こわいし・・この家のせいで友達が出来ないんだ・・)
智香ちゃんはかなしくなってきました。でも引っ越すことはできません。
智香ちゃんの祖先はずっとここに住んでいたからです。

そんな智香ちゃんですがこの家で好きなところが一か所だけありました。
それは屋根裏部屋です。ほかの子の家にはない智香ちゃん家だけにあるものでした。
そこは物置になっていてよくわからないものがたくさんあります。
智香ちゃんはそこでいろんなものを見て過ごすのが好きでした。

今日も屋根裏部屋に行った智香ちゃんはものの隙間に転がる石を見つけました。
キラキラと光ってとてもきれいです。しかし、ここに置いてあるものは大抵
箱に入っていたり、包んであったりします。智香ちゃんは石はどこかから
入ってしまったものだと考え、もらっちゃえと思ってポケットに入れました。
夕飯の時間になって智香ちゃんは下に降りて行きました。ポケットにはさっきの石が
入っています。夕飯は智香ちゃんの好きなものでした。いつもは食べさせてもらえない
夕飯後のお菓子も食べることができました。なぜかいいことが続いて、智香ちゃんは石のことをすっかり忘れてしました。

その夜、智香ちゃんは石をポケットに入れたまま眠ってしまいました。
夜中、「もし、智香さん。起きてくださいませんか」と声をかけられ、智香ちゃんは
目を覚ましました。しかし、こんな時間に知らない人が部屋にいることに驚き、
智香ちゃんは怖くなってしまいました。「お願いします。私の話を聞いてくださいませんか」
また同じ声が話しかけてきます。智香ちゃんは勇気をもって尋ねました。
「あなたはだあれ。私に何か用なの。」智香ちゃんが目を開けて声のほうを見ると
見たこともない女の子が立っています。(ほんとにこの家にはお化けがでるんだ。)
智香ちゃんは思いました。「私はこの家にすみついている座敷わらしです。智香さんが
持っている石を返していただきたくてまいりました。お願いします。」
智香ちゃんは石のことを思い出して聞きました。「あの石は座敷わらしさんのなの?」
「はい。私が落してしまったようで。あれがないと私は幸福を運ぶことが出来ないのです。」
智香ちゃんは大変だと思いましたが、きっと今日いいことがたくさんあったのは
この石のおかげです。そうなると返したくなくなってきました。
「返してあげてもいいよ。でもね、お願いしたいことがあるの。」智香ちゃんは言いました。
「なんでしょうか。私に出来ることならば」座敷わらしは言いました。智香ちゃんは
悩みました。言ってみたものの、何も考えていなかったからです。
悩んで智香ちゃんは「友達。友達が欲しいの。出来るかな?」と尋ねました。
座敷わらしは「・・・それでいいのですか?そんな風にできた友達で。」と言いました。
確かによく考えると悲しいことかもしれません。「智香さんならきっとお友だちできますよ。だからそのようなことをほかの者に頼ってはいけません。」智香ちゃんは今まで
どうして友達が出来なかったか考えてみました。ずっと家のせいにしてきました。でも本当は違うことに気付きました。今までずっと逃げていたのです。
智香ちゃんは決心しました。「そうだよね。ありがとう。大切なことに気づけた気がする。
意地悪なこと言ってごめんね。はい。」智香ちゃんは座敷わらしに石を差し出しました。
「ありがとう智香さん。叶えてあげられなくてごめんなさい。」座敷わらしは悲しそうです。
智香ちゃんは何かを思いついたようです。「それじゃあ・・・」

 「なあ。おまえん家ってお化け出るって本当か?」
相変わらずクラスの子に家のことでからかわれます。しかし変わったこともありました。
それは友達同士の冗談となったこと。智香ちゃんは今はもうたくさんの友達がいます。
そしてもうひとつ。「いるよ。とっても優しい子が。」言い返せるようになったことです。
そして今日も智香ちゃんは急いで家に帰って屋根裏部屋に行きます。智香ちゃんは前よりもっと屋根裏部屋が好きになりました。そこに行けばはじめてのそして一番の友達に会えるのですから。

4年生物語文 「願いをかなえる石」 122928

 この村には、ある言い伝えがありました。その言い伝えとは、七色に光る石が3つの願いをかなえてくれるというものでした。

 その村には、まいとたくという幼馴染がいました。二人はとても仲良しで、いつも一緒に遊んでいました。ある日、いつものように川で遊んでいると、まいは、川底に何か光っているものを見つけました。それを、持ち上げて見てみると、七色に光っている石でした。まいは、村に伝わる言い伝えが本当かどうか確かめたくなり、願い事をしてみました。「お魚さんよ、いっぱい来い。」すると、川の上流から、たくさんの魚が泳いできました。

「たく、見て見て。この石が村に伝わる七色の石だよ。」
「願いをかなえてくれるっていう?そんなわけないだろ。」
「本当だって!」
いくら言っても、たくはまいの話を信じてくれません。
「さっき、たくさんのお魚みたでしょ。あれは、石がわたしの願いをかなえてくれたんだよ。」
「嘘ばっか言うなよ。そんなものが本当にあるわけないだろ。」
全く取り合ってくれないたくに、まいはとうとう怒ってしまいました。
「たくのばか。もう知らない。」
そう言って、まいは歩き出しました。
「ちょっ、待ってよ。」
「いやだ。ついて来ないで。」
すると、いつもなら後を追いかけてくるたくが、本当にどこかへと行ってしまいました。

 「どうしよう。本当に行っちゃった…。でも、悪いのはたくだもん。」
 最初はそう思っていたまいでしたが、いつまでもたくが帰って来ないので、だんだんさびしくなっていきました。そして、自分がひどい事を言ったことに気づき、後悔しました。
「ひどいこと言ってごめんなさい。たくと仲直りしたいよぉ。」
まいは、石をぎゅっとにぎって強く願いました。
 タカタカタカ。こっちに向かってくる足音に目線を上げると、前の方にたくがいました。
「さっきはひどいこと言ってごめんなさい。」
「いいよ。一緒に遊ぼうぜ。」
こうして、二人は仲直りをして、また一緒に遊びに行きました。

 まいは、ふと手を見て気付きました。
「あれ?石はどこに行ったんだろう?」
周りを探してみても見当たりません。そして、七色に光る石は、二度とまいの目の前に現れることはありませんでした。

4年生物語文 「プライド」 122929

 三年生のききは、運動神経がばつぐんです。ドッジボールだっておにごっこだってキックベースだってクラスの誰よりもうまくできます。さて、今日も待ちに待った体育の時間がやって来ました。担任の山根先生が、「今日の授業ではとび箱をします。」と言いました。ききはこれまでにとび箱をとんだことがありません。つまり、今日がはじめてです。しかし、ききは「私は運動神経がいいから、とび箱だって簡単にとべるだろうと考えていました。」

さぁ、授業がはじまりました。先生から跳ぶときのコツを教わったあとに、三年生のみんなは一人一回ずつとび箱をとんでみることになりました。とび箱の高さは3段。ききの前に並んだ友達は次々ととび箱に挑戦し、成功していきます。そしてついにききの順番がやってきました。先生に言われたとおりに、スピードをつけて助走して…思いっきり踏み切って…えいっ!気が付くと、ききはとび箱の上に座っていました。失敗です。クラスの皆が驚いています。ききにはわけがわかりません。こんなはずではないのです。「ききちゃんでも失敗することってあるんだね」「どうして失敗したのかな」という声がまわりから聞こえてきました。ききはとっさに、「今日はお腹が痛いからとべなかっただけなの。」とうそをつきました。それを聞いたクラスのみんなは、「ききちゃん大丈夫?」「それじゃあとべなかったのもしかたないね」と言いました。クラスのみんなはききがついたうそを完全に信じています。みんなをだましてしまいました。ききはなんだか胸が苦しくなり、「痛いから保健室に行ってくるね」と言ってその場から逃げ出しました。

保健室に行くと、保健の先生がいました。先生は、「あらききちゃん、どうしたの?どこか悪いの?」と聞きました。ききは、「おなかがいたいです。」と言いました。本当は痛くなかったけれど、皆の所に戻るわけにもいかないし、ききは嘘をつきました。「嘘ね。」「え?」「先生は、保健室の先生よ。今までに具合の悪い人をたくさん見てきたわ。だから、嘘をついている人はすぐわかるのよ。」ききはうつむきました。「どうして保健室に来たの?理由があるんでしょう?」と先生がききました。ききは先生に話しました。うまく飛べるはずの跳び箱がとべなかったこと。思わずお腹が痛いからとべないのだと嘘をついて保健室にきてしまったこと。なぜこんな風に嘘をついてしまったのか自分でもよく分からないこと。「それはね、認めたくなかったのよ。」と先生がいいました。「跳び箱ができないってことを認めたくなかったのよ。」ああ、そうか。とききは思いました。自分がどういう気持ちなのかを理解することができました。「誰にだってできないことはあるわ。」と先生は続けました。「それを、恥ずかしいことだと思う必要は無いのよ。はじめからなんでもうまくできる人間なんていないわ。練習して、できるようになればそれでいいじゃない。」なんだか、胸のつっかえがとれたような気がしました。「さあ、体育館に戻って練習してきなさい。」「先生ありがとう。」そう言って、ききは体育館に戻りました。

ききが体育館に戻ると、みんなが「大丈夫なの?」と声をかけてきました。「ききが大丈夫と答えると、みんなは、「ききちゃんじゃあとんでみてよ!」「お手本にするよ!」と言いました。ききは、「分かった」と言って、三段のとびばこの前に立ちました。スピードをつけて助走して…思いっきり踏み切って…えいっ!気が付くと、またききはとび箱の上に座っていました。みんながびっくりした顔をしています。ききは、大きな声で「私、跳び箱うまくとべないや!」と言いました。みんなが「えっ!ききちゃんが!」と驚き、そして笑い、「一緒に練習しょう!」と言いました。ききは何だかすっきりとした気持ちになりました。

4年生物語文 「友達」 122931

私は友達付き合いが苦手だ。いや、嫌いだ。どうして他の人の機嫌を損ねない為に人の顔をうかがったり、好きでもないことに話しを合わせたり、愛想笑いをしないといけないのか。バカバカしいし、めんどくさいと思う。だからもう小学6年だというのに、仲がいいと言えるような友達はいない。べつにクラスの人達が嫌いというわけではなかったけれど、仲良くなりたいとまでは思わなかった。それに、私はこの学校でひとりだけ中学受験をするから、仮に今から仲良くなったとしてもどうせ会うことはなくなるだろう。だから、別にさみしいとも思っていない。

そして、受験当日。正直落ちる気はしていなかった。私は学校内ではほぼトップクラスの学力だったし、周りの人たちがくだらない友達ごっこをして友情などというものを深めてる間も私は惜しまず勉強をしていたのだから。受験会場でさえも、友達と来ている子や、これには驚いたのだがその場で友達になって喋っている人までいた。そこまで友達ってもんは大切なのだろうか。

お年寄りは長く生きているだけ、知ってることは多いと何かの本で読んだ事があるので、お祖母ちゃんに友達はなぜ大切なのか聞いてみたことがある。お祖母ちゃんは、「困った時に助け合えるし、喜びを分かちあったりできるでしょ?」と言っていた。困ったときは自分で調べて解決するし、別に喜びを分かち合ったりしたくない。ますますなんで必要なのかわからない。

そして、いよいよ卒業前日になった。中学には受かったという知らせがちょうど今日の朝届いていて、受かるだろうと思っていたけれどやはりうれしいものはうれしい。いつもよりすこし足取りが軽いせいからか、いつもよりはやく教室の前に着いたのかもしれない。いつもはみんなの話し声でうるさい教室がしんとしている。とりあえず、中で本でも読もうかと、教室のドアを開いた瞬間、「山本さん、合格おめでとう!!」ときれいに全員の声が聞こえてきた。正直びっくりしてあたふたしていると、委員長が、「ほんとにおめでとうね。ほんとはみんな山本さんと仲良くなりたいと思ってたんだけど、受験だから、控えてたんだ。本当にごめんね。」といった。どうせ、心から思ってないだろうにと思っていると、ふと黒板が目に入った。黒板いっぱいにおめでとうとか、さすが学校一の天才!だとかのお祝いのことばや私の似顔絵などが書いてあった。きっとすこしはやく集合してみんなで買いたのだろう。どうせ本心では思ってないくせに、ばっかみたい。だけど、こういうのも悪くないと、少しだけ思えた。
「みんな、ありがとう!」
来年は、すこしだけ友達というものをつくってみてもいいかなと思った。

4年生物語文 「兄弟げんか」 122932

その日は何もかもうまくいかない日でした。たかしはイライラしていました。
たかしは小学四年生のサッカーが好きな男の子です。
その日、たかしのサッカーチームは近所のチームと練習試合をしました。一点差で負けていた後半、たかしに絶好のチャンスボールが来ましたが、緊張してしまい、シュートをはずしてしまいました。試合は負けました。
帰り道、落ち込んでボーっとして歩いていたたかしは道の溝にハマってしまいました。
とにかく、この日、たかしはとことんついていなかったのです。

家に帰ると、弟のつよしが話しかけてきました。
「お兄ちゃん、今日の試合どうだった?」
いつもなら、なにげない会話でも、今日のたかしにとってはちがいました。
「そんなこと、お前に関係ないやろ。うるさいねん。」
「なんでそんなこと言うん。さては、試合で活躍できなかったん?」
「つよし、おまえなまいきじゃ。」ドカッ!
たかしはつよしを頭をたたいてしまいました。つよしは涙を流して家を出て行ってしまいました。
ふんっ、あんなやつしらんわ。たかしはそう思っていました。

さて、その日の夕方。つよしは家を出て行ったきり、まだ帰ってきません。たかしは少し心配になってきましたが、お母さんには話しませんでした。知らんふりをして、一人でゲームをしていました。
晩御飯の時間になり、お母さんは心配になり、たかしに聞きました。
「つよしがどうして帰ってこないか知ってるでしょ、たかし、答えなさい。」
たかしも心配になり、つよしをたたいたことなどをすべて話しました。
「それはたかしが悪いわ!つよしを探して謝りなさい。」
たかしは反省し、つよしを探しに家を飛び出しました。

つよしが行きそうなところをしらみつぶしに探しました。しかし、そこにもいません。
ふと、一年ほど前に、ある公園でつよしと二人でサッカーの練習をしたことがあるのを思い出しました。そうだ!あそこにいるに違いない。
予想は当たりました。つよしはサッカーボールを持ってベンチに座っていました。
「つよし、ごめん。おれ、試合でミスしてしまってイライラしてた。つよしにやつあたりしてしまった。ほんまにごめんな。」
「わかった。ゆるす。」

仲直りした後、たかしはつよしがサッカーボールを持っていることに気づきました。
「そのボールどうしたん?」
「公園で拾ってん。」
「おれ、来週も試合あるねん。つよし、ちょっと練習つきあってくれへん?」
「うん。」
そのあと、がいとうの光だけのうす暗い公園で二人はサッカーの練習をしました。
家に帰ると、なかなか帰ってこなかったことに心配していたお母さんに二人ともこっぴどく怒られたようです。

4年生物語文 「トモヤの幽談記 そのよん」 122933

 トモヤはお化けが見える男の子です
 これはトモヤが小学校四年生の春のお話。

「ねぇ、お花見行かん?」
 その日、いつものようにトモヤ、カズヤ、ショウコの三人で集まって遊んでいたのですが、突然ショウコがそんなことを言い出しました。
「お花見?」
 ショウコのその急な提案にトモヤもカズヤも首を傾げます。
「うん、お母さんとね、去年約束したんだ……来年桜が咲いたら一緒にお花見行こうって」
「「あ……」」
 ショウコのその寂しげな笑顔に二人は揃って小さく声をあげました。
 ショウコのお母さんは去年の秋、急な病気でこの世を去ってしまったのです。ショウコはとても悲しみ、一時は学校に来られないほどでした。そして、トモヤとカズヤの励ましもあって、ようやくショウコの心の整理がついたのがついこの間のことです。
「お父さん仕事で忙しくて余裕ないし、もうすぐ桜散っちゃうからその前にどうしても行きたいな、って……駄目かな?」
 そう言うショウコにトモヤとカズヤは顔を見合わせると頷きました。
「駄目な訳あるわけねーじゃん!」
「どうせなら弁当とか、お菓子とか持って行って盛大にやろうぜ!」
 こうして急遽お花見が決まったのでした。


 その週の日曜日、トモヤ達はお弁当やらお菓子などを持って近所の山にある桜林へと足を運びました。そこはここ周辺では一番の桜の名所で、週末ということもあってか、そこはもう人で満ちていました。
「うわぁ、人いっぱいだね」
「こんなんで本当に場所取れるんか?」
「ふふふ、まかせておけ!」
 その人の多さにショウコとトモヤが心配そうな顔をしますが、カズヤだけはやけに自信ありげな表情です。
「前この山を探検した時にとっておきの穴場を見つけたんだ。そこなら今日でもきっと人はおらんと思う」
 カズヤの家はこの山のすぐ下にあるので、犬の散歩の時によくこの山を探検するのです。
 カズヤに引き連れられてトモヤ達は山の奥の方、人気のないほうへと進んで行きました。
「本当にこんなところに桜があるのかよ」
「心配するなよ、大丈夫やって……ほら、あそこ!」
 トモヤが歩くのに飽きてきた頃、カズヤが前方を指差してそう言いました。
 森を抜けて少し開けたところにその桜の木はありました。
 その桜はトモヤが今まで見てきた桜の中でも一際美しい桜でした。普通の桜とは違い、淡いピンクに染められた細長い枝が幾本も枝垂れて、まるで桜の雨のようです。
「どうだ、綺麗だろ?」
「あ、ああ……」
「うん、とっても綺麗……」
 得意げに言うカズヤにトモヤもショウコもただコクコクと頷くだけです。
「それじゃあ花見開始だ!」
 カズヤの号令と共に、トモヤ達はシートを広げるとそれぞれが持ってきたお弁当やらお菓子やらを思い思いに広げてお花見を始めました。
 トモヤが持ってきたのはでっかい重箱に詰められたお弁当です。実は今日の花見のことを知ったおばあちゃんが朝から来て作ってくれたのです。お弁当の中にはから揚げやら卵焼きやらトモヤの好きなものがたっくさん詰まっていました。
「「「いただきまーす」」」
 そう言ってトモヤ達は食べ始めます。お弁当は大変おいしく、三段重ねもあったお弁当も、ものの十分くらいで空っぽになってしまいました。

 お菓子も食べ終え、トモヤ達はシートの上で風に揺れる桜の木をぼーと眺めていました。
 すると満腹感も手伝って、トモヤはうとうととし始めてしまいました。
 どのくらい寝ていたでしょうか。トモヤがふと目を覚ますとカズヤもショウコもスヤスヤと寝入っていました。
もうひと寝入りしようかと、トモヤが目を閉じようとしたその時です。スースーと寝息を立てているショウコの隣に白い靄のようなものが見えたのです。トモヤがじっとその靄のようなものを見ていると、それはだんだんと形がはっきりしてきて、最後には一人の女性の姿になりました。その姿をみた途端、トモヤはびっくりして目を見開きました。なぜならその人はトモヤもよく知っている人だったからです。
「ショウコのお母さん……」
 そう。それは去年亡くなったショウコのお母さんだったのです。
 ショウコのお母さんはトモヤを見るとしー、と唇に指を当てて微笑みました。そして、頭の中に直接聞こえるような声がしました。
“最後のお別れに来たの……”
 そうショウコのお母さんは慈しむようにショウコを撫でると、桜の木を見て笑います。
“とても綺麗……最後にこの子と一緒に桜を見れて良かった。約束は、守れなかったけど……”
 そう悲しげに微笑むショウコのお母さんにトモヤは堪えきれなくなって声を張り上げました。
「そんなことねーよ!俺が伝えるから……ショウコに、今日ショウコのお母さんがずっと一緒だったって、一緒に桜を見てたって伝えるから!」
 トモヤの叫びを聞いてショウコのお母さんは瞳に涙を浮かべると。
“ありがとう”
 そう呟いて消えてしまいました。
 ぶわっと風が吹いて桜の花びらが風に舞って飛んでいきます。
「トモ……」
 気づけばショウコが目を覚ましていました。しかし、その目には涙が溜まっています。
「ショウコ……」
「お母さんのね、夢を見たの。私の頭を撫でてくれて、いつまでも私のことを愛してるって……」
 ショウコの話を聞いている内に、トモヤもいつの間にか目から涙が零れてきました。
「私、駄目だね……お母さんのこと早く忘れなきゃいけないのに、いつまでもこんな……」
「いや、きっと忘れなくていいんだよ。ううん、絶対に、ね」
 トモヤ達が見上げる中、桜の花びらは雲一つない青空に吸い込まれて消えていきました。

「心の中で亡くなった人の顔を思い浮かべるだけで、その人にとって供養になるんだよ」
 その夜、トモヤは泊まることになったおばあちゃんに今日の事を話しました。
「え?それだけでいいの?」
 トモヤの純粋な疑問に、おばあちゃんは笑いながら頷きます。
「ああ。別にお供えをしたりお経を唱えたりすることに意味がないとは言わんけんどね。日常のふとした瞬間に亡くなった人のことを想う、それだけで供養にはなるんだよ」
 ただ、とおばあちゃんは言葉を濁して続けます。
「亡くなった人の部屋をいつまでも生前のままにしておいたりする人がいるけど、あれは亡くなった人をいつまでもこの世に縛り付けることになるから止めた方がいいねぇ。無理に忘れようとするのも一緒。その人が心配でいつまで経っても上に行けないからね」
 自然のままでいいんだよ、とおばあちゃんは言います。
「悲しかったら悲しんで、泣きたかったら泣いて。そうやって亡くなった人と折り合いを付けながら時がその人がいなくなった隙間を埋めるのを待つのが、ね。そして自分に余裕が出来たらそうやってふと亡くなった人のことを思い出すのさ。そうショウコちゃんに伝えておやり」
「うん、分かった」
 おばあちゃんの言葉は難しかったけれど、なんとなくはトモヤにも理解が出来ました。
 笑ってトモヤが頭を振って頷くと、その頭から何かがハラリと落ちました。
「桜、だね」
「うん」
 それは薄桃色の桜の花びらでした。

4年生物語文 「かさぶたのヒミツ」 122935

みなさんかさぶたを知っていますよね?
そうです、あのかさぶたです。
ではそのかさぶたはどんな時にできますか?
そうですね、ケガをして血が出てきた後でできます。ではかさぶたがどういうものなのか見ていきましょう。

かさぶたはどのようにしてできるのでしょうか。それはまず人がケガをします。すると血が染み出てくることでしょう。この血がとても重要なのです。この血の中の血小板という物質がケガをしたところで別のかさぶたを構成する物質に変化し固まります。これがかさぶたです。なのでかさぶたと、固まっただけの血は別物なのです。

かさぶたは何のためにできるのでしょうか。
それは傷口の保護そして細菌の侵入を防ぐためなのです。
つまりかさぶたが傷を治すということはありません。

昔は「かさぶたができるのは傷が治っている証拠」といわれてきましたが、それはちがうのです。傷が治るのを保護しているのです。

日ごろよく見かけるかさぶたですが知らないことが多くておどろきですね。

4年生物語文 「無題」 122936

女の子は、その日の朝からそわそわして落ち着かない気分でした。今日は、半年間外国に出張していたお父さんが帰ってくる日です。今はお母さんが空港まで迎えに行っていて、もう後は帰ってるのを待つだけです。
女の子はネコのミーと二人でおうちでお留守番をしていました。ネコのミーと女の子はとっても仲良しです。

お父さんとお母さんが帰ってくるまでに、女の子はミーと一緒に庭でお花を摘んで部屋に飾ることにしました。女の子は庭に出ると、きれいな色の花を摘んでいきます。ミーはそのあとをついて歩きます。
と、ミーが庭に植えてある大きな金木犀の木の下で止まりました。
「ミー、どうしたの。」
と女の子が呼んでも、ミーは動こうとしません。さらに、女の子の方を向いて、まるでこっちに来てというように、ミャーミャーと鳴いています。

仕方なく女の子がミーのいる金木犀の木の下まで行くと、突然今度はミーが家の方に向かって走っていきました。
「ミー、待ちなさい!足をふかないとおうちにあがっちゃだめ!」
いつもミーが外から中に入るときは、足をタオルで拭いて、泥を落としてからでないと家に入れてはいけないことになっています。ミーはとっても賢いので、いつも誰かがふいてくれるまでは絶対に入ろうとはしませんでした。
そのミーが、今日に限って足をふかず、泥が付いたままの状態で家に上がってしまったのです。

女の子は慌てました。お父さんが帰ってくる日だから、とお母さんがきれいに掃除していたのです。ミーの後を追いかけて家に入ると、案の定床は泥だらけです。
「どうしよう…。」
女の子は頭を抱えました。花を飾ろうとして外に出たばかりに、家の中を泥だらけにしてしまったのです。
ミーは走り回って満足したのか、今はおとなしく椅子の上で丸くなっています。

とにかく掃除しようと雑巾を探していると、家のドアが開く音がしました。お父さんとお母さんが帰ってきたのです。
「ただいまー!」
お父さんとお母さんの声が聞こえたので、女の子は素直に謝るしかないと思い、リビングに向かいました。リビングは泥だらけで、お母さんとお父さんは驚いていました。
「お母さん、お父さん、ごめんなさい。お花を飾ろうとして庭に出たらミーが足をふく前に家に上がっちゃって、そこらじゅう泥だらけになっちゃったの…。ごめんなさい。」
女の子が謝ると、お父さんとお母さんは顔を見合わせると、女の子の頭をなでて笑いました。
「ありがとう、お花を飾ろうとしてくれたんだね。お父さんが帰ってきたんだから、三人で掃除したらすぐにきれいになるよ。」
そうして三人は掃除をして、おいしいクッキーを食べながら、お父さんのお土産話を聞いて楽しみました。

4年生物語文 「すなおになろう」 122937

美咲ちゃんは、中学二年生。女子バレーボール部のキャプテンです。美咲ちゃんの通っている中学校はスポーツの強豪校として有名でした。もちろん、バレーボール部もとても強いです。チームの中でも美咲ちゃんはキャプテンを任されているだけって、とびぬけ上手です。レシーブの守備範囲もとても広く、スパイクだって、どこからでも強く打つことが出来ます。コースの打つわけもとても上手で、ラインぎりぎりをねらうことができます。チームメイトも美咲ちゃんのことをとても頼りにしています。

放課後美咲ちゃんたちバレーボール部は、体育館で練習していました。
「みんなー、今からスパイク練習するよー!あいりー、セッターよろしくねー。」
美咲ちゃんがそう指示すると、みんなはそれぞれ準備にとりかかります。あいりというのは、セッターをしている子です。オーバーハンドパスを得意としている子です。あいりは、他校のセッターに名前を覚えられるほど、トスが正確です。カットがずれても、スパイカーの打ちやすいトスを上げることが出来ます。
「レフトー。」
美咲ちゃんはトスを呼び、キュキュとシューズを鳴らしながら、思いっきりスパイクを打ちます。ほかのメンバーも次々にスパイクを打っていきます。一通り終わった後、
「美咲ー、トスあげてくれない?」
と、美咲ちゃんはあいりに頼まれました。
「うん、いいよ!」
と快く引き受け、トスをあげます。トスをあげている、美咲ちゃんを見ながら、あいりは(美咲、もっとあごをおひいて、トスをあげる位置を上にしたら、もっとうまくなるのにな。あとで言ってあげよう。)と思っていました。

練習後、あいりは、美咲ちゃんにアドバイスしようと思い、美咲ちゃんのところへかけ寄ってきます。
「美咲さー、トスあげるときに、あごをひいて、手をもっと上にあげたら、今よりもっとうまくなるよ!」
あいりは、美咲ちゃんから、ありがとうと感謝の言葉が返ってくると思っていました。しかし、美咲ちゃんから返ってきた言葉は、
「なに?そんなの、わかっているし。」
と冷たい言葉でした。あいりは、ショックを受けて、せっかく教えてあげたのに、と落ち込んでしまいました。実は、美咲ちゃんは自分でトスが苦手なのは分かっているのです。でも、どうしたら、うまくなるのかわからずにいたのです。あいりのアドバイスはとてもうれしかったのですが、キャプテン、というプライドが邪魔をして、素直にありがとうと言えなかったのです。(あいりは、私のことを、考えて言ってくれたんだ。せっかく、アドバイスしてくれたのに、あんな冷たく言い返してしまって、悪かったな。明日、あやまろう。)と思いながら、美咲は家に帰りました。

次に日の昼休み、美咲ちゃんはあいりのところに会いに行きました。あいりのクラスの子にあいりを呼んでほしいとたのむと、
「ちょっとまってー。」
とあいりの声が聞こえます。
「あ、美咲・・・。」
あいりは会いに来たのが美咲ちゃんだとわかると、すこし、顔が曇ってしまいました。美咲ちゃんは、緊張して、うつむいたままでしたが、謝るんだ、と自分に言い聞かせ、思い切って顔をあげました。
「あ、あの、あいり、昨日はせっかく、あいりがアドバイスしてくれたのに、あんな冷たいいい方してごめんね。」
と一気にまくし立てあげました。あいりは、あまりの早口に一瞬ぽかんとしてしまいましたが、はっと我に返り、
「うん、大丈夫だよ!謝ってくれて、ありがとう。あ、そうだ、せっかくなんだし、今から練習行こうよ!」
と美咲ちゃんを誘いました。美咲ちゃんはあいりが、許してくれて、しかも誘ってくれたのがうれしくなりました。美咲ちゃんとあいりは、仲よく体育館に向かい練習を始めました。

美咲ちゃんは、人に教えてもらうことは、とても大事で、ありがたいことなんだな、もっと早く、素直になれば、よかったな、と思いながら帰りました。その年、美咲ちゃんたちバレーボール部は、全国一位になりました。

4年生物語文 「夏休み」 122938

夏の暑い日、3年生のぼくには、もうすぐ兄弟ができる。お母さんは都会の方の病院にいて、お父さんは仕事で忙しい。なので、夏休みの間、ぼくは田舎の親戚のおじさんのところへ預けられることになった。おじさん、おばさんは優しくしてくれるし、おじさんのところの2人の男の子、4年生のタケシ兄ちゃんと2年生のシゲルはよく一緒に遊ぶし、僕の知らないことをたくさん教えてくれる。おばあちゃんはなくなっていて、おじいちゃんは町で小さな診療所をやっている。
ぼくとタケシ、シゲルは毎日のように山や海で遊び回っていた。山で虫をとることや海で泳ぐことは新鮮でとても楽しかった。そして、あたりが暗くなる前の夕方頃におじいちゃんの診療所まで行き、晩御飯だということを知らせて一緒に帰るのがぼくの日課になっていた。

ある日、おじいちゃんと一緒に帰ると
「こっちに来てからずいぶん焼けたな。子供は真っ黒に焼けてるぐらいがちょうどいい。」と言われた。
「でもお風呂に入るときヒリヒリするよ。」
「確かにそればっかりは少しつらいかもしれないな。」
と言って二人で笑った。
「明日からお盆休みだな。お盆ってどんな日か知ってるかい。」
「よくわかんない。」
「なくなった人の魂がお盆のあいだこっちに帰ってくるんだよ。」
「そうなんだ。」
「毎年この時期ぐらいに死んだばあさんの夢をよくみるんだよ。」
「おばあちゃんってどんな人だったの。」
「明るくて、とってもやさしい人だった。」
それを言うおじいちゃんの表情は悲しそうだった。
ぼくはおばあちゃんに会ってみたかったなと思った。

次の日、いつものように診療所のおじいちゃんのいる診察室に向かっていると、診察室の手前の患者さんの部屋のドアが空いていることに気づいた。不思議に思って、中をのぞくと、きれいな着物を着た女の人がベッドに座っていた。
「こんにちは。」
と声をかけると、
「こんにちは。」
と返してくれた。彼女の名前を聞くと、
「教えないよ。」と笑いながら返された。
「なんで。」
「きみが驚くからだよ。」
「お姉さんはなんの病気なの。」
「心臓の病気。でも、最後までよくわからなかったんだ。」
空気が重くなってしまった。
「ねぇ、またここにきてもいいかな。」
「うん、いいよ。」
優しい笑顔で答えてくれた。

その次の日、お姉さんの病室をまた訪れた。
「こんにちは。お姉さん窓の外ばっかり見てるけど何考えてるの。」
「えっ、うちのこと。」
「なんだそりゃ。」
「大事なことなんだよ。うちには男の子が2人いるんだけど、元気にやってるかなとか。そういえばきみはどうしてこの街にいるの。」
「お母さんに赤ちゃんが生まれるから、ぼくは親戚のところに来てるんだ。」
「なるほど。そういうことですか。元気な男の子が生まれるよ。」
「えっ、どうしてわかるの。」
「秘密です。」
本当に不思議な雰囲気の人だと思った。
「ここの診療所のおじいちゃん、毎年お盆ぐらいに死んだおばあちゃんの夢を見るんだって。」
「・・・」
突然お姉さんが悲しそうな顔をした。
「どうしたの。」
「そういうものなんだなって思って。ここのおじいちゃん明るいけどとても寂しがりやなの。」
「そうなんだ。」
病室を出て、おじいちゃんと一緒に帰っているとき病室のお姉さんのことを聞いてみた。
「病室にいるお姉さんがね。」
「はて、なんのことだい。」
おじいちゃんは何も知らない様子だった。

その後、何日か病室に通っていたある日、ドアを開けると病室でおじいちゃんとお姉さんが仲良く座っていた。
「おじいちゃん。あまり悲しまないでくださいね。」
「うん・・・。」
「本当はいつでも、私が一緒にいてあげられるといいんだけど。」
「・・・ありがとう。」
「えっ、どうして。」
「会いに来てくれて本当にありがとう。」
「ふふっ、どういたしまして。」
お姉さんの表情はいつにもまして穏やかだった。
「でもきみには、もうじき会えるから。」
「そんなこと言わないでください。」
「・・・ごめん。」
ぼくは胸の奥が熱くなった。
それからお姉さんのことは見ていない。お盆が終わったのと同じ時期だった。おじいちゃんは前より明るくなったと思う。
そして、8月30日僕に弟ができた。

4年生物語文 「大切なこと」 122939

 みんなは魔法の力を信じているかい。多くの人は信じていないと思う。だからこれからする話は信じなくてもいいし信じる必要もない。ただ聞いて欲しい、ちょっとした魔法を使えた男のありふれた物語を。

いつの頃からかはわからないけれど僕にはちょっとした力があって、物を触れずに動かせたり、空を飛ぶことができた。だからといって漫画の世界みたいに悪の秘密結社と死闘を繰り広げるなんてことはなく、普通にまっとうな学生をしている。このことを知っているのは親友のkだけだ。kは何もないところで転んだり、手をすべらせてモノを落としたりなどおっちょこちょいなところがあるがとてもいい奴だ。そしてそれは学校の帰り道でのことだった。

 「今日は何をして遊ぼうか。」「うーん、そうだな・・・。」そんなたわいのない話をしながら歩いていて交差点に着いたとき、赤信号にもかかわらず考え事をしていて気づかなかったのかkは進んでいた。「k、赤信号!」「え、あ、本当だ。」kが戻ろうとしたその時、kは転んでしまった。そしてそこに車がおそいかかる。僕はすぐに力を使おうとした。でも間に合わなかった。

それからはあっという間だった。誰かが救急車呼んでをkが運ばれていってしょちがほどこされた。結果的に命は助かったけど、意識は戻らない。ずっとこのままかもしれないと医者は言っていた。僕は絶望した。僕には人を治す力がなかったからだ。人とは違った力があったって何の意味もないじゃないか。そんな力はいらない。僕が欲しい力はたった一つだ。そう思ったとき、不思議な力がわきおこった。僕は自分の力を全て出し切ったのだ。「ここはどこ。一体何があったんだっけ。」「k!」

 この体験を得て僕から魔法の力は消え去ってしまった。けど思う、あも力はきっとあの時のためにあったんだって。だって、自分の大事なものを守ることができたんだから。

4年生物語文 「友達」 123119

 「これで全員の役が決まりましたね。各自、精一杯自分の役を演じましょう。主役の西村君は少し大変かもしれませんが頑張ってくださいね。それでは、今日のホームルームはこれで終わりです。みなさん帰る用意をしてください。」
 毎年行われている発表会のみんなの役が今日決まった。僕らのクラスは桃太郎の劇をすることになり、そしてなんと、僕は主役の桃太郎を演じることになったのだ。

 僕は、自分からこの役をしたいと言ったものの、本当に自分がこの大役をしっかりとこなせるのだろうか、もっと他に自分よりもこの役にむいている人がいたのではないかと、ついつい考えてしまっていた。そのようにマイナスに考えてしまう原因は、おそらく去年の発表会での出来事が原因だ。その時も主役を演じていた僕は、途中でセリフをとばしてしまい、周りのみんなに助けられてなんとか無事に終えることができたのだ。今回はそのリベンジも果たしたいと思っているのだが、どうしても去年の出来事が思い出されて不安になってしまう。

 「大丈夫だよ。」
そう言ってくれたのは同じクラスの井上君だった。彼は去年も僕と同じクラスで、僕がセリフを飛ばしてしまった時に、うまくフォローしてくれた仲間のうちの一人だ。
「もし間違えてもまた俺がフォローしてやるよ。だから思い切ってやれよ。」
「…ありがとう。」
その彼の言葉で一気に気持ちが楽になったような気がした。僕の中にあった迷いは、もうなくなっていた。

 「…ということで、みごとに桃太郎は鬼を退治することができました。めでたし、めでたし。」
 「西村、よかったじゃんか。」
井上君が劇がおわったばかりの僕に、肩をたたきながら言ってくれた。
僕は見事にセリフを一度も間違えることなく、無事に劇を終えることができたのであった。その時の僕は、達成感でいっぱいだった。

 「みなさん今日は本当にお疲れさまでした。それぞれの個性がそれぞれの役に出ていて、本当に良かったと思います。」
 その日あと、僕は先生に呼ばれた。なんだろうと思っていると、先生は、
「西村君、実は一か所セリフを間違っていたんだよ。それをみんなが見ている人たちにわからないようにフォローしてくれていたんだよ。」
それを聞いて僕は驚いた。それと同時に、友達というものは本当にいいものだと思った。

4年生物語文 「仲直り」 123817

ある日タツヤ君はともだちのコウ君とけんかしてしまいました。学校で席が隣同士のタツヤ君とコウ君はとても気が合う、とてもなかがいい友達同士でした。きっかけはささいなことでした。コウ君が大切に使おうとしていた、新品の消しゴムをタツヤ君は自分が忘れたからと言って勝手にコウ君が使おうとしていた消しゴムをゴシゴシ使ってしまい、それにたいしてコウ君は怒ったのです。怒ったコウ君は、
「もう、口を利きたくない。絶好だ。」
と言ってお友達をやめてしまったのでした。

タツヤ君は、
「ちぇ、あんなことで怒らなくてもいいじゃないか。消しゴムは消すためにあるんだからさ。」
と言って、どうしてコウ君が怒ってしまったのかわかりませんでした。その日の学校からの帰り道は雨が降っており、とっても仲が良かったコウ君とけんかしてしまったこととかさなって、とても気分が落ち込みました。
落ち込んだまま家に帰ると家に帰ると年の離れたおにいちゃんがいました。お兄ちゃんはもう高校生で大学受験生という立場におり、受験という大切な時期になっていました。なので今まで遊んでくれていたおにいちゃんが遊んでくれなくなり、とてもさびしい思いをしていました。また、受験のストレスもあってか今までやさしかったおにいちゃんがタツヤ君に当たることがありました。それからはおにいちゃんが大好きだったはずなのに嫌いになってしまい、出来るだけ会わないようにしていたのでした。タツヤ君が帰ってきたとわかると、お兄ちゃんは
「お帰り。」
とタツヤ君に言いました。いつもいなかったおにいちゃんがいたことに驚いたタツヤ君は不機嫌になりながらも、
「ただいま。」
と言いました。
その日はコウ君とけんかしたことと、おにいちゃんがいたこともあって、ご飯を食べたらすぐにお風呂に入って寝てしまいました。

次の日、学校に行くと、コウ君が先に学校に来ていました。いつもいっしょに登校していたのですが、今日は別々に登校していたのでした。おいていかれたタツヤ君は、
「どうして先に行ったんだよ。いつもいっしょに行ってたのに。」
と、コウ君に不機嫌になりながら言いました。しかし、コウ君は口を利かずに、タツヤ君が行ったことに対して返事をしませんでした。何にも返事をしないコウ君にしびれをきらしたタツヤ君は
「何とか言えよ、コウ。」
と言いました。それに対してコウ君は、
「昨日、口を利きたくないって言っただろ。それに今日先に行ったのは、絶交したからだよ。」
と言うと、また朝登校したときの最初に戻ってしまいました。それからあっという間に1日が過ぎていました。今日は1日中コウ君と話しませんでした。その日の帰り道、
「何だよ。ちょっとしたことであんなにねにもつなんて。あっちから謝ってくるまで許してやるもんか。」
と思いながら帰りました。
それから一週間ほどコウ君とタツヤ君は一言もお互い話しかけませんでした。それでもやはり今までいっしょにいたのにいっしょにいないでいるとさびしく感じたタツヤ君はどうしたものかとなやんでいました。
そんなタツヤ君の悩んでいる気持ちに気づいたのはおにいちゃんでした。タツヤ君がコウ君とけんかしてから1週間ほどしたころ、ついにお兄ちゃんは、
「タツヤ、どおしたんだい。何かなやんでいることがあるのかい。」
とタツヤ君にたずねました。今まで大嫌いだったおにいちゃんではなく、昔好きだったおにいちゃんが戻ってきたようでうれしくなったのと、コウ君のことをどうしたらいいのかわからなくて不安だったのとでおにいちゃんに泣きつきました。
「ぼく、仲のいいコウとけんかして仲直りをするのにどうすればいいのかわからないんだ。」
と今まであったことをお兄ちゃんに話しました。お兄ちゃんに話したことで心が少し楽になりました。
「そっか。そんなことが合ったんだね。だったらどうしてコウ君が怒ったのか考えて、自分のどこが悪かったのか考えてみるといいよ。ぼくもタツヤに悪いことをしたから謝るね。受験勉強に追い込まれて気持ちに余裕がなかったんだ。だからタツヤに冷たくあったてしまった。今まで冷たく当たってしまってごめんな。」
とおにいちゃんは、アドバイスと、今までのことについて謝ってくれました。お兄ちゃんが謝ってくれたことと、仲直りが出来たことでとてもうれしい気持ちになりました。仲直りをするととてもうれしい気持ちになることを知ったタツヤ君は明日、コウ君にどこが悪かったのか言って謝ろうと決めました。

翌日、朝早く起きてコウ君を家の前で待っていました。家から出てきたコウ君はいっしゅん驚いた顔を見せましたが何事もなかったかのようにタツヤ君の横を通りすぎようとしました。コウ君が通りすぎようとしたとき、
「あの時は、コウが大切に使おうとした新品の消しゴムを勝手に使ってごめんなさい。勝手に使ったぼくが悪かったです。許してください。そして、絶好を取り消して今までどおり、仲良くしよう。ぼく、このままコウと仲が悪いままなんて嫌だよ。」
と勇気を出して、タツヤ君は謝罪の気持ちと、正直な今の気持ちを言いました。それを聞いたコウ君は、すこし驚きながらも、
「ぼくも、ささいなことで怒ったりしてごめん。あの消しゴムはやっと自分でためたお小遣いで買ったもので大切に使っていこうと思っていたのに、タツヤに先に使われたから怒ってしまったんだ。ぼくも仲が良くないのはぼくが言い出したことだけど嫌だ。だから仲がいいときに戻りたい。」
とコウ君も素直な気持ちを言ってくれました。

こうして二人はお互いに素直な気持ちを言って、お互いに悪かったと思うことを謝り、仲直りをしました。そして今までどおり仲のいいともだちに戻りました。

4年生物語文 「十兵衛と熊の親子」 123819

 ある自然豊かな山に十兵衛という男が一人で住んでいました。十兵衛は庭で野菜を作ったり、山にキノコを採りに行ったりして生活していました。そして今日も十兵衛はいつものように山へキノコ狩りに出かけて行きました。

 十兵衛は遠くの大きな木の下に大きく、それでいておいしそうなキノコを見つけました。「今日の夕飯はキノコのスープにしよう。」と思い十兵衛は大きな木に向かって歩いて行きました。すると、あと少しでたどりつくところで茶色いかたまりが突然飛び出してきました。十兵衛は恐る恐る見てみると、それは茶色い小熊でした。その小熊は少しやせているように見えました。それを見た十兵衛は見つけたキノコを小熊に与えました。小熊は初めはおずおずとしていましたが、おなかがすいていたためかキノコにガブリと食いつき、すべて食べてしまいました。そして、小熊は先ほどの例をするかのように十兵衛に近づいてきてじゃれつきました。十兵衛は「おや、さっきのキノコのお礼かい?」と、かわいらしい小熊をなでてやりました。

 その時、木の陰からとても大きな大きな茶色いかたまりが現れました。それは大きな大きな茶色い熊です。十兵衛は驚きで腰が抜けてしまいました。そして、「ああ、俺はこのまま食べられてしまうのか。」と思い、死を覚悟しました。ですが、いつまで経っても何も起こりません。十兵衛はが恐る恐る目を開けてみると、そこにはさきほどの小熊と大きな熊が戯れていました。「あの小熊の親熊なんだな。」と十兵衛は思いました。そして、まるで小熊が親熊を説得したかのようにその親子の熊はその場から森の中へと消えていきました。

 十兵衛はその数日後、また山へとキノコ狩りにでかけました。その日はいつもは行かない崖の方へ行ってみようと思い、行ってみると崖の下の少し出っぱっているところにまたまたおいしそうなキノコを見つけました。十兵衛は「すこし危ないが何とかなるだろう。」と、そのキノコに手を伸ばしました。そして、あと少しのところでバランスを崩してしまい、崖から落ちてしまいました。落ちていく途中、「ああ、これで俺の人生おわりなんだな。」と思いました。ですが、ふわっとしたものが十兵衛を受け止めました。十兵衛は驚き、下を見ると、前に会った親熊が十兵衛を受け止めていました。その親熊の隣には小熊もいました。十兵衛は「ありがとう。おかげで助かったよ。なんとお礼を言っていいか・・・。」と親熊に向かって言いました。熊に言葉が通じるはずはないのに言わずにはいられませんでした。そんな十兵衛を見た熊の親子はまるで前のお礼だと言うかのようにガオーンと鳴くと去っていきました。

あの熊の親子のおかげで十兵衛は今生きているのです。十兵衛はそれから山に行くといつもその熊の親子がどうしているのか気になります。そして、山に行くたびに初めに出会った大きな木の下にたくさんのキノコを置くことにしました。十兵衛はそのたくさんのキノコを食べていつまでも元気でいてほしいと願っているのでした。

4年生物語文 「花のない世界」 123820

 太一はいつものように学校の帰り道を歩いていました。帰り道にはたくさんの花がさいている公園があります。そこは太一のお気に入りの場所です。「今日もきれいだな。」
 すると、空がまぶしく光りました。しばらくすると光はおさまりました。

 「びっくりしたな。」太一はふと花を見ました。するとさっきまでさいていた花や木がかれてしまっていました。太一はおどろきました。
 すると、1人の女の子が空からまいおりてきました。
 「君はだれなんだ。」太一が問いかけると、「わたしの名前はウーア。」と少女は答えました。

 「わたしは未来からやってきたの。」とウーアは言いました。
 「未来?」太一はその言葉が信じられませんでした。
 そして次にウーアからもっと信じられなかったのはこの言葉。「未来には花がないの。」
 ウーアが言う未来は、今の人間が汚染をしたことにより、草木がかれ、花が1本もさいていない世界といいます。
 「わたしは花がきらいなの。わたしたちから花をうばったのは今の人間なのよ。」
 「この時代の花をかれさせたのはウーアなのか。」太一はたずねました。
 「そうよ、わたしよ。」「どうせなくなるなら、今の時代の花もなくなってしまえばいいのよ。」ウーアの声はおこっていました。でも顔はとても悲しそうでした。

 「そんなことはないよ。」と太一がウーアに向かって大きな声で言いました。「なんでそんなことが言えるの。悪いのはあなたたち今時代の人間なのよ。」
 「ぼくたちが今の地球を変えてみせる。」そう言って太一は、側にあるかれた花をそっと起こしてあげて、手のひらで優しく包みこみました。
 「だからウーアは心配しないで。ぼくを信じて。」

 ――ぽとん。――
 その花に落ちたのはウーアのなみだでした。すると花は、ぱあっとさきました。
 「ありがとう、太一。太一なら未来を変えてくれるって信じてる。約束だからね。」
そういってまた空がまぶしくなりました。光がおさまったころには、ウーアの姿はなく、花も木もげんきにさいていました。
 「うん、約束するよ。」太一は花にほほ笑みかけました。花も笑ったように見えました。

4年生物語文 「ランプの精」 123821

 なんということだ。そんなばかな。
 俺は水泳がかなり得意だ。市の大会で優勝したこともある。本棚の上にはそのときのメダルが堂々と飾られていたはずだ。それが無い。ふざけるなよ。しかもその代わりにあったのが、なんだこれ、ランプってやつか?この間家族でいったインド人がやってる料理店でカレーがこんなのに入っていた気がする。でも全然良いにおいもしないし、ふたもついてるし。
「なんか変な柄あるし、なんだろう、これは宝石?」
 確認するためにそっと触れてみると、もやもやとした煙がランプから噴き出てきた。目の前が真っ白で何も見えない、するとその煙は人の形のようになってきた。
「どうもー!ランプの精、プーですよー!」
 やばいの出てきちゃった。とりあえず。
「おならみたいな名前だね。かわいそう。」
「失礼だね君。」
 しょうがないじゃないか、もう混乱しまくって何から言っていいのかわからないんだ。
「えっと、それじゃあ、どちらさまですか?」
「それそれ、正解!それを聞いてほしかったんだ。」
 うざいなコイツ。
「僕はずっとランプの中に閉じ込められているんだけどね、君に封印をといてもらって、こんな風に外へ出られたってわけさ。」
 そんな解いた覚えないんだけど。
「外に出してくれてありがとうよ。お礼に一つだけ願いを叶えてあげよう。」
「まじか。」
「なんでも言いたまえ。」
 棚から牡丹餅とはこのことな。ラッキー。
「そうだな、それじゃあ。」
「うんうん。」
「百回願えるようにして。」
「そんなばかな。」
「んじゃ三十回でいいよ。」
「数の問題じゃないんだ。」
 なんだこいつ。
「うそつき。」
「こんな夢もロマンもない子どもははじめてだよ。がっくし。」
 自分でがっくしといいながら肩を落とす人は絶対落ち込んでない。まあ人じゃないけど。
「冗談じゃないよ。なんでもいいって言ったじゃないか。」
「まあ言ったけどさ、なんでもの中にも一応例外っていうのが存在するんだよ。わかる?一回その願い聞くと見境なくなっちゃうでしょ。君もそろそろそういう事学んでいかないと。」
 コイツ説教してきやがった。
「もういいよ。分かったようっとうしい。」
「どんどん口が悪くなるね君は。」
 あーもー疲れた。というかまだ家帰ってきてから何もしてないし。
「喉かわいたな…ちょっと水もってくるから席外していい?」
「え?」
 なんかわかんないけどプー太郎が目を輝かせやがった。」
「いや、だから水のみたいんだけど…」
「そうかそうか!水が飲みたいのか!」
 だからそう言ってるじゃないか。
「よっしゃ。願ったな!やーいやーい、叶えてやる!こりゃ!」
 すっごい腹の立つ顔でそう言うと奴はぼわんと煙を出しながら何かを出した。その煙の中から出てきたのは。
「え、水?」
 コップ一杯の水であった。
「うん、飲みたいって言ったでしょ。だから叶えてあげた。恩返しって大事だよねー。」
 いけしゃあしゃあとほざきやがる。
「は?それじゃあ一回だけ何でも叶えてくれるって話は!」
「今ので完了。」
 な、なんだそれは…
「ふざけんなーーー!!」
 俺のさけびもむなしく、ランプの精とやらは再びランプに吸い込まれていった。


5年生説明文

5年生説明文 「くらしと通信」 91444

 1920年代に、新しい種類の電子メッセージであるテレックスが発明されました。テレックスの機械は世界のほかのどのテレックスの機械にでもメッセージを送ることができました。それらは電話回線を利用せずに、テレックスの回線を利用しました。これらの回線はとても高価で、機械を扱うことは難しいものでした。テレックスは完璧なシステムではありませんでしたが、選択信号により通信相手を通信のたびに指定することができ、とても役に立ちました。会社では、1980年代までテレックスを使い続けました。

 1980年代に、人々はパソコンを購入し始めました。すぐに人々は1つのパソコンから別のパソコンへと電子メールのメッセージを送ることができるようになりました。しかし、問題がありました。それは、両方が同じ電子メールのシステムの一部である必要があったことです。いつくかの異なる電子メールのシステムがあり、1つのシステムから他のシステムにメッセージを送ることは可能ではなかったのです。したがって、電子メールはすぐに広く用いられるものとはなりませんでした。

 1990年代に、人々はインターネットを利用し始めました。このおかげで、システムが1つだけになったので、電子メールのメッセージを送るのがより簡単になりました。電子メールは世界のどんな場所へでもメッセージを送ることのできるとても人気のあるものとなりました。また、安価でもあるので、その方法は広く用いられるようになりました。

 1990年代の後半には、人々は電子メッセージを送るための別の方法を利用し始めました。文字によるメッセージを送るために携帯電話を利用したのです。今や人々はどんな場所でどんな時にでもメッセージを送ったり受け取ったりすることができるようになりました。

 文字によるメッセージを送るのに自分たち自身の言語を用いる人がいます。長い文字メッセージは送ったり読んだりするのが簡単ではないので、メッセージをより短くする方法を見つけるのです。ほんの数文字と数字だけで手早く相手にメッセージを送ることができるため、今後はそれらの言語がより頻繁に使われるようになるかもしれません。

5年生説明文 「見立てるということ」 112710

わたしたちは普段、知らず知らずのうちに、「見立てる」という行為をしている。ここでいう「見立てる」というのは、あるものを別のものとして見るということである。互いに関係のない二つを結びつけ「見立てる」とき、そこには想像力が働いている。

折り紙を例に考えてみよう。折り紙では紙を折ったり開いたり、また折ったりして形を作る。そうして、紙が作り出した形に名前が付けられる。これが、見立てるということだ。折り紙で作った形と、その名前で呼ばれている実在するものとが結び付けられたのである。

この場合、同じ形に対して付けられる名前が、地域によって違うことがある。その土地の自然や人々の生活の仕方などによって結び付けられることが異なるからだ。

「見立てる」という行為は、想像力にささえられている。そして、想像力は、わたしたちをはぐくんでくれた自然や生活と深くかかわっているのだ。

5年生説明文 「ヨーロッパの建築」 112713

建物を建てる。一言でいえばすべて同じに聞こえるこのことも、細かく見ていくとまた違った世界がある。私はちょうど小学生のころにこの建築というものに魅せられた。初めてすごいと思ったのはあの赤レンガで建てられた工場跡だった。ひび割れているし壊れているが一つ一つのレンガの形だけは奇麗に揃っていた。後に私はこれがローマ建築と呼ばれるものだと知ることになる。

ローマ建築とはは紀元前6世紀頃から4世紀までに形成された古代ローマの建築である。有名な建造物としてはコロッセオ、凱旋門などがそうである。ローマ建築と名前はついているもののひとくくりにするのは難しいほどに地域によって違いがあった。それも古代ローマとそれより東に住んでいる人たちに生活の違いが大きくあったからだ。住居としての役割のある建築は、生活にの上になり立っているものだということだ。といっても機能美とでもいうべき建築物の美しさがあるという部分でその時代のほかの建築とは大きく違いがある。新しい技術による生活だけでもない、かといって絵や彫刻とは違った建築デザインというべきものがそこには存在しているとわたしは思う。

逆にその時期の建築でも絵または彫刻の美しさを追求したのがギリシア建築だといえる。有名な建造物としてはパルテノン神殿があげられる。ギリシア建築で建てられた神殿は日本にいてもよくテレビなどで目にすることだろう。その様式は柱や梁、その全体にいたるまで比例原理などによって綿密に幾何学的な美しさを追求してできたものといえる。建築の原点でありながら、今の建築様式を考えると該当しない部分が多く長い間建築の様式としては忘れられていた建築様式である。

またローマ建築を取り入れた建築様式でルネサンス建築というものがある。イタリアのフィレンツェで1420年代に始まり、17世紀初頭まで続いた建築様式である。代表的な建造物はフィレンツェ大聖堂のドームなどである。人体比例と音楽調和を宇宙の基本原理とし、ローマ建築の構成を古典主義建築として理論づけた。この建築の特徴は古代の神殿のような荘厳さと、音楽との調和を建築に取り入れるという美意識によって生まれたドーム状の屋根だ。特に音楽との調和は建築美を追求するだけではなしえなかった新しい美意識を生み出した。特徴的なものである。

このようにまだまだ沢山の建築がヨーロッパだけにでも沢山ある。普段何気なく見ている建物に潜むさまざまな美しさを知り建築は芸術であるということをぜひ知っておいてほしい。どんな文化でどういう理由で生まれた様式なのか、知っていくことは楽しいことだ。

5年生説明文 「無題」 113103

人々が旅行や仕事で外国にいくとき、たいていの場合みんな飛行機を利用します。飛行機は人々や物を目的地まですぐに届けるのでものすごく便利とされています。そんな飛行機はどのようにして誕生したのでしょうか。

人類で初めての飛行は1903年アメリカのライト兄弟によってされました。ライト兄弟の作ったライトフライヤー号は人一人を乗せて空を飛んだのです。しかし当時のその飛行機は木製の骨組みに羽布張りといういたって軽量な構造で、操作の仕方も今のものとは違い、現在の飛行機とはものすごくかけはなれたものだったのです。
それ以後人々は飛行機をより速くより高くより遠くへ飛べるよう改良していきました。また、陸上の飛行場だけでなく、海面や軍艦の甲板からも飛べるようになっていき、操縦方法も今と同じ方式に統一されていきました。
1914年の第一世界大戦では最初偵察機として飛行機が使われ、戦争が始まっていくにつれ、戦闘機もうまれてきました。一部の機体では骨組みや外板に金属が用いられるようになりました。
戦争中に飛行機が大きく発展したおかげで飛行機への信頼性も向上しました。そして第一次世界大戦後からは飛行機により輸送が開始されました。機体も最初の飛行機よりも大型化してお金持ちの人々が旅行するのにも利用されていきました。骨組みや外板もよりいっそう強化されていきました。
そして第二次世界大戦では飛行機が戦闘機として戦闘の主役になりました。あらゆるところを飛び回り、かかんに戦争に立ち向かっていったのです。
戦争も終わると軍用機の数は減少し旅客機がさらに進化していきました。長い距離を飛ぶ飛行機は地球の裏側にまでも飛べるようになり、スピードもものすごく速くなった。金持ちの人たちだけでなく一般の人たちも旅行や仕事などで遠くまで行くときに利用できるようになり、現在の飛行機にいたるのです。
飛行機は人々や物を遠くまで速く届けてくれるものすごく便利な交通手段ですが、良い点だけではありません。いったい、どんな欠点があるのでしょうか。

まずひとつめは飛行機には大きな空港、飛行場が必要であるということです。そのような場所をつくるときには自然、景観が破壊されたり、費用がものすごくかかってしまうのです。また、飛行機の離発着時には騒音が激しいため住宅地からの距離も考えた場所につくらなければなりません。
ふたつめは電車や船などにくらべ運賃がものすごく高いということです。飛行機の燃料の値段はものすごく不安定なのでそれにあわせて運賃もものすごく不安定になってしまいます。

このように飛行機にはまだまだ問題をかかえるところがあります。人々がよりいっそう楽に便利に飛行機を利用できるように考えなければならないところはたくさんあるのです。

5年生説明文 「人と犬のかかわり」 113104

 最近ペットとして犬を飼っている人も多いのではないでしょうか。ペットショップでもいろいろな犬が売られているのを目にしたり、散歩している犬をよく目にします。しかし、犬はもともとペットとして存在していたのでしょうか。

 犬は心を癒す効果を持っています。愛する人を失った悲しみを犬と共に過ごすことで癒すことができたり、家で1人で留守番をする寂しさを紛らわせてくれたりもします。犬はひとなつっこいので、すぐによってきてくれます。犬の毛は温かく、手触り、触り心地から安心感を得ることができます。

 犬は人の仕事にも大きく関わっています。例えば牧羊犬が挙げられます。羊を次の草原に連れて行ったり、寝床に連れて行ったりなど人の力だけではうまくできません。その時、牧羊犬は人の指示をうけながら羊を誘導していきます。その他にも警察犬が挙げられます。犬は花がとてもいい動物です。人間にはわからない臭いの違いを識別し、犯人の足取りを追跡したり。服の臭いをかいで犯人を特定したり、空港では違法な薬物が含まれていないかを嗅ぎ分けます。

 また、介助犬としても犬は人と関わっています。身の不自由な人の生活で困ったことがあれば手助けをします。足が悪くて新聞がとれないのであれば代わりにとってきてくれます。目の不自由な人には道案内をします。障害物に当たらないルートを歩いたりしてくれます。

 このように、犬とはさまざまな場面で人と関わっています。ただペットとして一緒に過ごすだけが犬ではないのです。

5年生説明文 「天気をよんでみよう!」 113119

天気とはなんでしょうか?
天気とは空の雲、気圧、風、湿度、温度その他の要素諸々を含んだものをいいます。
しかし、ここでいう天気とは晴れ、曇り、雨などのことを主に説明したいと思います。

晴れ、曇り、雨などの天気は主に雲によって左右されます。
雲少なく太陽が周りをよく照らしていれば晴れ。
雲がかって太陽の光が隠されてしまうのが曇り。
雨がふれば当然雨。
しかし、その雲にもできる理由があるのです。
雲とは主に水が蒸発し空高く舞い上がり空の高いところで水滴に戻りそれがちりなどと集まって形をなしたものなのです。
そして、その雲のなかで溜まった水滴が重さに耐えきれなくなって
地上に降り注ぎます。
これがあめです。
そして雲の形成には湿度や、風の流れ色々な要因が入り混じって雲が形成されてゆくのです。

例えば、気圧が低い海の近くの場所で風が海から陸にむかって吹いている場合。
気圧が低いので地上近くでは空気の流れが上へ上へと流れて行きます。
これを上昇気流と呼びます。
この上昇気流に海の水が蒸発したものが海から吹く風によって
飲み込まれ上へと溜まってゆきます。
そして、ちりとともに水滴が集まり形成します。

みなさんは天気に関するこんな話をご存じですか?
飛行機雲(飛行機が通過した経路に残る雲)が現れると次の日は雨が降る。
一見、昔の人々による迷信かと思うかもしれませんが
これは地学上事実であると言われています。
原因は空高い場所の湿度が高く飛行機からでるちりが周辺の水滴と集まり雲になるのです。

このように、天気に関する昔の迷信か否かのような話がたくさんあります。
みなさんも一度調べてみましょう。
そして、それを地学的理論に基づいて事実か否かを判定してみてはどうでしょうか?

5年生説明文 「季節の移り変わり」 113604

私たちは、カレンダーを利用しながら生活しています。でも、カレンダーに頼らなくても、季節を感じることができます。

一番わかりやすいのは、服です。春や秋はすごしやすく、長そでの服に朝や夜は軽めの上着を着ます。夏はむしむしと暑いので半そでの服を着ます。冬は温度が低く、コートやマフラーなどが必要です。

それから、草花から季節を感じることができます。春には桜やタンポポが咲きます。夏にはオオバコや朝顔が咲きます。秋にはきくやひがん花が咲き、ススキが揺れます。冬には水仙が咲き、ふきのとうが顔を出します。

また、気象現象からも季節を感じることができます。春にはかすみが立ちます。梅雨が明けると夏が訪れます。夏の空には入道雲が現れます。秋は台風が多く発生します。霜が降りると冬です。

このように、自然に注意を向けるといろいろなことに気がつきます。身の回りにある「季節」をかんじてみませんか。

5年生説明文 「「音」を「楽しむ」とは」 113612

 先日、知り合いの関係で他大学のアンサンブルコンサートに出演した。オーケストラ部の会だったので、ヴァイオリン、クラリネット、ピアノなど様々な楽器での演奏者がいた。演奏曲目はゲームのサウンドトラック、クラシック、ジャズと多岐にわたる選曲であった。演奏のクォリティーとしてはお世辞にも上手、と言いにくいものもあったが、会に出席したひとは皆、和やかな雰囲気で楽しい会であった。

 「表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、音楽を愛好する心情を育てるとともに、音楽に対する感情を豊かにし、音楽活動の基礎的な能力を伸ばし、音楽文化についての理解を深め、豊かな情操を養う。」
 これは、音楽科の目標であるが、要するに、歌うこと、鑑賞することを通し、音楽知識を学び、感性を育てていくということである。私たちが受けていた授業より後に改定されたものではあるが、はたしてこういった目標が少しでも子どもに伝わっているだろうか。おそらく、今でも音楽の授業でもこの内容が子どもたちに伝わりきってないだろう。ただ歌い、リコーダーを吹き、DVDを鑑賞する。これでは教師が提示したことを機械的にこなしているにすぎない。この状況を打破すべく、今私たちは学んでいるのだが、こういった教育でも子どもたちに内容として伝わりきるのかわからないところである。

 そもそも、今の学校教育では結果重視のプラグマティズム的な考えを押しすぎている。何をするにしても結果が第一。いくら過程を踏んだところで結果的に物事が成されていなかったら意味のないものとされる。それはおかしいのではないだろうか。結果よりも大事なこと、将来的にその子どもにとって何が記憶として残り、そのことによりいかに人生が豊かになるか。これこそが大事なことではないだろうか。

 また、先ほど例に出した会の出場者はこういった音楽の知覚云々を意識しているだろうか。ただ、演奏することに興味があり、それを楽しんでいるのではないだろうか。

 学校で学ぶことは確かに大事であろう。しかし、それを超えて自分の好きなことを追及していくこともまたかけがいのないものである。「音」を「楽しむ」とかいて「音楽」である。理論云々よりも今、音楽を楽しむことが何よりも重要ではないのだろうか。

5年生説明文 「睡眠の重要性」 113803

 私たちは、1日の24時間のうち3分の1前後を、睡眠に費やしています。そうすると、睡眠は人生の約3分の1を占めることになります。睡眠は、もちろん体の疲れを取るために必要ですが、もっとも大事な点は脳を休めるためということでしょう。また、睡眠中はさまざまなホルモンが分泌され、体を修復し、日中の活動で疲れた身体を効率よく修復します。

 また、睡眠には免疫力を高める役割もあります。その為、睡眠不足が続くと、カゼをひきやすくなります。睡眠は、脳が休憩するための大切な時間です。身体の疲れは横になって休むだけでもある程度回復できますが、脳は起きている間中働きっぱなしになっていて、私たちが眠ることでしか休憩できないのです。だから、私たちは、心と身体の健康を保つために眠る必要があるのです。

 睡眠にはリズムがあります。心身共に深く眠っている「ノンレム睡眠」と、身体は眠っていますが、脳は起きている状態の「レム睡眠」を、ワンセット約1時間半で、ひと晩に数回繰り返しているのです。私たちの見る夢は、レム睡眠のときに見るといわれています。
また、睡眠に関係するホルモンの代表的なものには、メラトニン、セロトニン、成長ホルモンがあります。メラトニンは睡眠と覚醒 (昼と夜) のサイクルをコントロールするホルモンで、暗くなると出てきます。夜、まわりが暗くなるとメラトニンの分泌が高まって身体に「眠れ」と司令を出します。 「天然の睡眠薬」ともいわれています。また、老化防止や免疫力増強作用があるといわれています。私たちにとって、もっとも重要な成長ホルモンは、睡眠後すぐにでてきます。骨を伸ばすはたらきや、筋肉を増やすはたらき、痛んだ組織を修復したり、脳を休ませて、心身の疲れを回復させるはたらきがあります。セロトニンは、睡眠している時にはほとんど出ていません。 しかし、朝、光の刺激によって分泌を始めます。脳にある物質で、「癒しホルモン」ともいわれ、心を安定させる効果があります。セロトニンが不足すると、うつ病、切れやすい、依存症などに繋がる場合があります。

 他に、人は睡眠をとらなければ、どのような危険性があるのでしょうか。様々なものがありますが、体力低下や注意力低下、判断力低下や作業効率の低下が挙げられます。例えば、睡眠時間の足りていないドライバーが赤信号を渡って事故を起こすのも、注意力の低下が原因だといえます。

 質のよい眠りにつくためには、眠る1〜2時間前から脳をリラックスさせることが大切です。仕事や勉強など頭をたくさん使う作業をやめて、室内の照明を少し落とし、音楽を聴いたり読書をしたりして、ゆったりくつろいでみましょう。また、37〜39度ぐらいのぬるめのお湯に、時間をかけてゆっくりつかると、心身ともにリラックスして自然な眠りに入れます。足浴も、血液循環をよくして心身をリラックスさせるのに効果的です。適度な運動や、ストレッチ運動は、適度な疲れとリラックス効果をもたらし、快眠のために効果的です。
 質のよい睡眠をとって、より元気に、楽しく過ごしていきましょう。

5年生説明文 「サマータイム導入は日本にとって良いことか」 122016

 欧米を中心に3月から、一斉に時計の針を1時間進めるサマータイム。多分、ニュースなどでは今日から夏時間ですというような報道がなされるのでしょう。
 日本でも、最近は、省エネを目的として、サマータイムを取り入れようという動きもあり、実際には市町村単位、一部の金融機関などでサマータイム、時計を1時間進めることで、夏時間を有効に使おうという動きもあるようです。夏時間になったら、時計を1時間進めて、朝の涼しいうちに活動を初めて、長い夜を実感しましょうということは理想的なのかもしれませんが、実現までにはまだまだ時間がかかります。日本では定着しなかったサマータイムですが、欧米を中心とした実施国では毎年行われています。
 このように毎年行われているということは、メリットの多いことなのかということでしょう。それでは、具体的にどのようなメリットがあるのか考えてみましょう。

 まず、サマータイムの導入で考えられることは、明るい時間に活動することができるので、電気の節電など省エネに直結することが言えます。特にオフィスにおける夏場のエアコン代の削減効果はかなりのものと考えられます。一般家庭においても、帰宅をして暑ければエアコンをつけるけれど、電力消費という観点からみると、オフィスの量とは比較にならないでしょう。これらの省エネは、地球温暖化防止にもつながり、エコな生活の実現も期待できます。

 さらに考えられることは、早起きの習慣がつきます。普段6時起床の方は、5時起床ということになります(サマータイム時の時計は6時ですが)。会社だけではなく、学校も全ての時計も1時間進むわけですが、会社に行った時点からいつものペースの時間になりますが、その後サマータイムを意識するのは帰宅時間になります。退社時間だというのに明るいですから、時間的な余裕を感じることでしょう。特に最初のうちは、何かトクしたような気分になるかも知れません。家族と一緒の時間を長くすることもできます。夜になると、早く起きる分、早めの就寝することになり、健康にも良いです。

 しかし、日本ではなかなかサマータイムの導入がなされないのは、デメリットも多いからということです。
 主なものについては、1時間という時間設定を変えるための労力が大きいということが挙げられます。家庭内において時計を単に進めるという単純なモノばかりではなく、大きな工場や会社などでは、サマータイムへの時刻設定などで生じるコストの部分で非常に不安を感じるという声が大きいようです。又、夏の風物詩である花火などの催し物について、開催時間と終了時間が遅くなってしまう、という懸念もあるようです。勤勉な国民性の日本人は、サマータイムになっても、終業時間にまだ外が明るいということで、結果として残業時間の増加も心配されているようです。

このようにメリット、デメリットが交錯する中で、日本としての指針が固まらないのは、まだ多くの人にとってデメリット観が大きいからということも言えそうです。節電が叫ばれている昨今こそ、サマータイムの導入に賛成な方、反対の方のそれぞれの意見の声が大きくなってきたような気がします。
もし、日本でサマータイムが導入されたら生活はどうなるのか?あらゆる視点から見て、メリットもデメリットも考えたうえで、検討することが大切でしょう。

5年生説明文 「現代の呪術」 122036

 呪術とは何か知っていますか。呪術とは、神様や超能力など理論で説明できないものに頼って自分の願いをかなえようとしたり、未来を知ろうとすることです。
 そう聞いてみなさんはどう思ったでしょうか。「なんだかこわい感じなんだなあ」「占いみたいなものかなあ」「昔の昔にあったことなんだろうか」意見は様々だと思います。
 呪術は、日本人の暮らしにはるか昔から根づいていました。古代から現代に向けて、ふりかえってみましょう。

 まずは古代。卑弥呼がいた時代です。この時代の呪術としては、にえたぎった湯に手を入れて、やけどするかどうかで有罪か無罪かを判断する「盟神探湯(くかたち)」という儀式がありました。「罪の有無でやけどをするかしないかが決まるなんて、ありえない。」と、科学の発達した現代に生きる私たちは思うでしょう。
その儀式について、現代の理論で考えればこういうことになります。罪のない人はやけどすることがないと信じているので、勢いよく湯に手をいれ、さっと出してしまう。一方、罪のある人は神の裁きをおそれてゆっくりと湯に手をいれるので、やけどをする。罪があるからやけどをするのではなく、やましい気持ちがあるからやけどをするのです。
 ですが当時の人々は信じていました。神様が判断しなさったんだから、間違いはないと信じて行動していました。

 平安時代の代表的な呪術は、安倍晴明などで知られる「陰陽道」です。この陰陽道は、平安貴族の生活のさまざまなシーンで役立ちました。その日見た夢で吉凶を占い、その日向かってはいけない方角(行くと不幸になる方角)を占い、ライバルの行動を占い、神に祈りをささげるときにも陰陽道が用いられました。
 もちろん、その占いに科学的な根きょはありません。それでも、人々はその不確かな呪術を信じて生きたのです。

 ここまでの話で、みなさんは呪術についてどう思いましたか?とってもたいそうな、おそろしいものだと思いましたか?
そんなことはありません。現代の生活にも、呪術はとけこんでいます。たとえば、くつを遠くに飛ばして、「明日天気にしておくれ!」と天気を占ったことは誰でも1度はあると思います。これだって、くつが裏と表のどちらを上にして落ちるかで判断するという、非科学的な占いなのです。呪術です。

 呪術には、呪いの「呪」という漢字が入っていますが、簡単な占いでも呪術にふくんでしまっていいのです。そう考えれば、呪術が少し身近なものに感じられませんか?
 今の生活の中に潜む身近な呪術を、みなさんも探してみてください。

5年生説明文 「新幹線とわたしたちの生活」 122040

 一九六四年、東京から大阪の間に新幹線が開通しました。当時、新幹線は「夢の超特急」と呼ばれ、人々の関心を集めました。これから、新幹線の登場で私たちの生活がどのように変化したのかを見ていきます。

 新幹線が開通する前の一九六〇年、東京から大阪へ移動するのに六時間三十分かかりました。今では考えられないかもしれませんが、当時の在来線特急ではこれが最速だったのです。
 そして新幹線が開通して東京から大阪までの所要時間は四時間になりました。この時の初代新幹線は〇系と呼ばれ、時速二百キロメートルで走行しました。その後、新幹線はどんどん改良され、現在は時速三百キロメートルで走行するようになり、東京から大阪までの所要時間も二時間二五分にまで短縮されました。
 新幹線は速く走るようになっていく一方で、路線も延長されていきました。最初は東京と大阪の間だけでしたが、大阪から岡山、岡山から博多、博多から鹿児島と線路が延長されていき、東京からも東北、秋田、山形、上越、長野などの各路線がつくられました。
 このように新幹線の改良と路線の拡大により、より遠くへより速く到着することができるようになりました。この点で、「日本は狭くなった」と比喩的に言われることがあります。

 そして今、新しい新幹線としてリニアモーターカーが開発されています。このリニアモーターカーは線路の上を磁石の力で浮いて走るので、時速五百キロメートル以上で走ることができ、東京から大阪まで六十七分で移動できるようになるのです。リニアモーターカーの開通は東京から名古屋までが二〇二七年、名古屋から大阪までが二〇四五年の予定です。

 新幹線が速くなるにつれて、私たちの生活はせわしくなっています。例えば、少し遠い場所でも日帰りで出張に行けるようになったために、早朝の新幹線に乗って、夜には帰ってくるというスケジュールのもとで働く人もいます。このような人は、乗り物が少しでも遅れると、予定通りに行動できなくなり困ってしまいます。私たちは、新幹線が速く正確に乗客を目的地に届けてくれていることを当たり前のことと思うのではなく、感謝しなければなりません。

 このように新幹線の技術が発達するにつれて日本中を移動するのにかかる時間はどんどん短くなっています。きっと、一九六四年には誰も想像しなかった新幹線の変化が起きています。これからも、私たちが予想もしないような新幹線の変化が起きることでしょう。新幹線が変化とともに私たちの生活はますます便利になります。しかし、その便利さに慣れてしまうのではなく、速く移動できるようになったことにありがたさを感じることが必要です。一度、新幹線を使わずにゆっくり旅をしてみると、新幹線の便利さに改めて気づくでしょう。

5年生説明文 「地球について」 122301

地球には、いろいろな国があります。それぞれの国について、見てみましょう。

まずはヨーロッパから見てみましょう。ヨーロッパにはおしゃれな街がたくさんあります。気候は、地中海性気候です。

次は、アフリカについてです。アフリカには発展途上国がたくさんあります。珍しい生き物なども多く生息しています。気候は、熱帯雨林気候です。

最後には、アジアについて。アジアには発展途上国と先進国とが入り混じっています。中国という国には世界一の人口の人が住んでいます。気候は、温暖湿潤気候です。

世界中にはいろいろな地域があり、さまざまな人々がすんでいます。世界中をとびまわってみたいですね。

5年生説明文 「筆記用具の進化」 122303

人間が一生のうちで何度も何度も使うものを挙げていってください。電話、くつ、トイレ、電車…。きりがありませんね。もっともっと身近で、かかせないものです。それは、「筆記用具」です。筆記用具は、小さな子供から社会で働く大人まで、様々な人が使います。そして近年、ますます新しいものが発売されています。では、筆記用具はどのような進化をとげてきたのでしょうか。

筆記用具と聞いて真っ先に思いつくもの、それは鉛筆です。鉛筆の誕生は、1560年代のことです。イギリスのボローデール鉱山で良質の黒鉛が発見され、その黒くなめらかな性質が注目され、細かく切ったり、握りの部分をヒモで巻いたりして、筆記用具として使われるようになりました。こうして世界最初の鉛筆は作られました。このボローデールの黒鉛を掘り尽くすと、やがて、黒鉛の粉末と硫黄を混ぜて溶解し、これを練り固めて棒状にすることが考案され、今日の鉛筆にもっとも近くなりました。

さらに鉛筆だけでなく、シャープペンシルというものも誕生しました。シャープペンシル製造の歴史は、鉛筆に比較すると新しいもので、1822年にイギリスのホーキンスとモーダンが共同で特許を得た繰り出し鉛筆がシャープペンシルの元祖と言われています。次いで1837年にアメリカのキーランがエバーシャープという商標で製造、発売したものが、実用筆記用具としてのシャープペンシルの最初の製品であると見られています。その後日本には1877年前後に初めて輸入されました。そして大平洋戦争を経て、現在のノック式のシャープペンシルが開発されましたが、この詳しい年代は不明だそうです。

現在では、鉛筆は色鉛筆から、水を混ぜると絵の具のようになるものまで、様々なものが製造されました。一方シャープペンシルも、ずっと芯が鋭いままで書けるものから、握る所がジェルでできているものまでが発売されています。さらに、ボールペンやマーカーなど、全く別の新たなものも出てきました。筆記用具は今もなお増え続けているのです。

このように、筆記用具は進化し続けています。今当たり前のように使っている筆記用具も、近い将来には、全く形が異なる別のものになっているかもしれません。しかしどの時代にも言えることは、筆記用具のおかげで、私たち人間の生活はとても便利になったということです。だから、これからも筆記用具を大切に使ってあげましょうね。

5年生説明文 「ネットワーク」 122305

今日では、インターネットの普及にともない、携帯電話やコンピューターなどの通信機器を持たない人のほうが少ないのではないだろうか。これらは連絡をとる手段として、あるいは何かを調べるにあたって非常に便利であることは確かだ。しかし、危険も潜んでいる。

ネット犯罪、あるいはサイバー犯罪という言葉がある。ネットの普及にともない、それを利用した犯罪のことである。不正に情報を入手し、悪用したり、うその情報を書き込んだりと、その内容は時代と共に新しく、より巧妙な手口へと変化している。私たち、ネットユーザーはいつこれらの犯罪に巻き込まれても不思議ではない。ネットを利用するなかでどのようなことから危険へとつながるのだろうか。

まず、個人情報の流出である。一度ネット上にあがった情報は完全に消すことはできない。これらの情報から犯罪につながることも多い。ここで大切となるのは、いかに情報を守るかだ。むやみに自分や他人情報をネット上に書き込んではいけない。

次に、みなさんはメディアリテラシーという言葉を聞いたことがあるだろうか。情報を自己の判断で正しく利用することである。ネット上の情報あるいは、テレビの報道など、メディアから流れてくる情報は、いつも正しいというわけではない。正しい情報を見分ける力を身につけることは非常に重要となる。

これらを守れば、インターネットは大変便利で、役に立つものになるであろう。安全に、自分の世界を広げよう。

5年生説明文 「わたしたちのコンビニエンスストア」 122307

コンビニエンスストアがたん生したのは、一九七一年のことでした。日用に供する食品、商品がたくさん置いてあり、コンビニエンスストアはたいへんな人気をよびました。コンビニエンスストアは消費者にかんげいされ、次々と新しいコンビニエンスストアが建設されました。
なぜ、コンビニエンスストアは生まれ、人々の人気を集めているのでしょうか。

コンビニエンスストアが生まれたきっかけは、ある大手の百貨店が、市街地に土地を確保することが困難になったため、郊外へ小さな店をはじめたことだと言われています。
そのころ、郊外や住宅地から食料や日用品を買う場所は遠いことが多かったので、そこに住む人たちにとっては、コンビニエンスストアは魅力的でした。

コンビニエンスストアの良いところは、まず様々な場所にあるということです。現在、市街地や住宅地以外にも、病院などの公共しせつや、高速道路のパーキングエリアなどにもあります。だれでもどこにいても、気軽に利用できる、この立地的便利さが人気の理由の一つです。

二つ目は、年中無休で二十四時間営業という時間的便利さです。昔は、セブンイレブンのように午前七時から午後十一時までと、早朝から深夜まで開いているというのがコンビニエンスストアの特徴でしたが、今はたいていのコンビニエンスストアが、二十四時間営業です。だから、夜遅くにも商品が買えるという利点があります。

三つ目は、必要なものを買いそろえられるという商品的な便利さです。今では野菜や、雑し、けしょう品などもコンビニエンスストアで買えることができます。

このように考えてくると、コンビニエンスストアにはなにもいうことがないような気がします。しかし、そればかりにたよってしまうといくつかの問題があります。
まず、なんでもそこで買うことができるので、人々があまりスーパーや近くの八百屋などにいかなくなることです。そうすると、街からスーパーの数が減ってしまいます。

このように、コンビニエンスストアはたいへん便利であり、わたしたちの生活に欠かせないものになっています。その一方で 、今述べたような注意しなければならない点もあります。便利さを上手に生かしながら、豊かな生活をつくりあげていきたいものです。

5年生説明文 「ごみを減らそう」 122308

一日のくらしの中で、どんなごみが出るか、あなたの行動を通して考えてみてください。朝起きてから学校へ行くまでに、朝食を食べ、新聞を読みます。次に学校では勉強をし、給食を食べます。学校の授業が終わってから夜になるまでの間には、それぞれ習い事へ行き、ゲームであそび、おやつを食べます。夜になって寝るまでには、夕食を食べ、おふろに入ります。もちろん学校へ行かない休みの日にも、ごみは出ます。あなたの毎日のくらしのなかでいろいろなごみを出していることがわかります。

今思いついたあなたの周りのごみだけではなく、お店や会社から出るごみや工場から出るごみがもっと大量にあります。あなたはどのくらい多いか知っていますか。
日本では今、一人平均一日に1.1キログラムほどのごみを出しています。一年間で考えると、日本全体では5120トンであり、これは東京ドーム138杯分の量です。そのごみは焼却場で燃やされるか、うめ立て地にうめられます。しかし、焼却場ではダイオキシンなどの有害物質の発生が問題となり、さらに日本は狭いため、うめ立て地を増やすことがむずかしくなってきていると言われています。このままごみが増えつづけると、ごみを捨てる場所がなくなり、日本がごみでうもれてしまいます。

ごみの中には、まだ使えるものやふたたび新しい製品に生まれ変わるものがあります。このことをリサイクルと言います。なるべく多くのごみをリサイクルにまわせば、ごみが減るだけでなく、自然の資源も使わずにすみます。

ごみを減らすための3アールというものがあることを知っていますか。まずリデュースは、むだなものを買うことやもらうことをやめて、できるだけごみは作らないということです。次にリユースは、まだ使えるものはごみにしないで、別の使い方を考えようということです。そしてリサイクルはごみとして捨てるときは、大切な資源として生かせるように正しく分けて捨てようということです。この三つの頭文字をとって3アールと呼びます。

私たち一人一人がごみのことを知り、少なくすることを心がけていれば、必ずごみの量は減ります。ごみが減れば、日本がごみにうもれてしまうことを防ぐだけではなく、大切な地球の資源を守ることにもつながります。これからはごみを減らすために、3アールを行うことを忘れずに行動しないといけません。

5年生説明文 「ツバメ」 122309

 春になると、日本にはツバメがやってきます。みなさんも1度はツバメをみたことがあると思います。日本の文学や文化にもツバメにかかわるものがおおく、親しまれています。

 ツバメののどは赤く、腹は白、背中は藍色と黒を混ぜたような色をしています。尾は長い切れ込みのある二股の形です。結婚式や国の式典などでは、ジャケットの裾の長い切れ込みがあるものをきているひとがいます。これはまるでツバメの尾のようなので、燕尾服と言われています。
ツバメは渡り鳥の一種です。ツバメは、春のあたたかい日本で過ごしたあと、冬の寒さを乗り越えるために、台湾やフィリピン、ジャワ島など南のあたたかい場所に空をとんで移動します。

 春になるとツバメは家の軒先や屋根のあるところに巣をつくります。下に段ボールや新聞が敷いてあると、「あ、ツバメがやってきたな。春だな。」と感じます。ところで、どうして、ツバメは木のなかや草むらのなかではなく、人がいるところに巣を作るのでしょうか。
 ツバメの天敵はカラスです。くちばしで巣をつっついて壊し、ヒナやたまごを奪っていくのです。ですが、カラスも人目の多いところでは、おっぱらわれたしまいます。なので、ツバメは人どおりの多いところ、人が近くにいるところに巣を作っているのです。

 ツバメは人の力を借りているように、人もツバメにいろんな影響を与えられています。
 たとえば、こんな諺があります。「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」これは、湿度が高くなるとツバメの餌である昆虫の羽根が重くなって高く飛べなくなり、それを餌とするツバメも低空を飛ぶことになるから。と言われています。
 また、宮本武蔵と戦ったことで有名な佐々木小次郎は剣術のひとつに乳ツバメがえし、と名前を付けています。

 このようにツバメは人々との生活の中で生き、そしてわたしたちもツバメと共に生きてきた、ということがわかります。春になったツバメをみるのが待ち遠しいですね。

5年生説明文 「音のふしぎ」 122402

私たちはいつも音に囲まれています。音にもいろいろな種類があります。
どのいくつかをみてみましょう。

おふろやトンネル声を出すと、きれいにひびいて聞こえます。このとき、音はどうやって私たちに運ばれてくるのでしょうか。
それは、音が壁に当たって跳ね返っているのです。音がどんどん広がっていこうとするのに、その先に壁があります。そうすると、音は壁にぶつかって戻ってきます。固い壁ほどよく跳ね返るので、おふろやトンネルのように狭くて壁が固い場所だと、音はよく跳ね返ってきて次々に耳に届くのです。音はやがて弱まって消えていくので、新しい音と消えそうな音が響き合い、きれいに響いて聞こえるのです。

救急車の音が前を通り過ぎると音程が変わることを知っていますか。これにも理由があります。音が高く聞こえるか低く聞こえるかは、音を伝える空気の波のゆれる回数で決まります。ゆれる回数が多ければ高い音、少なければ低い音となります。救急車のサイレンが近づいてくると、空気の波がおされてゆれる回数がどんどん増えて、大きく高い音に聞こえます。目の前を通り過ぎると、空気の波は遠くなって、ゆれる回数も減るから小さく低い音に聞こえるようになります。自分を中心に、音は高い音から低い音に変わることが分かります。これをドップラー効果とよびます。

「宇宙で音は聞こえない。」こんなことを聞いたことがありますか。今までみてきた中で共通して存在するのは空気。実は空気が私たちの耳に音をとどけてくれているのです。耳の奥には、音を聞くのに必要な「こまく」という器官があります。空気が海の波のようにゆれて、この「こまく」をゆらすと、それを音だと感じることができるのです。高い音、低い音、うるさい音、静かな音、いろんな音があるのは、音が大きさや強さの違う空気の波になって耳に届くからなのです。「宇宙で音は聞こえない。」その理由は、音を伝えてくれる空気がないからです。

このように、音と空気には深いつながりがあります。音のふしぎは、空気のふしぎとも言えるかもしれませんね。

5年生説明文 「屋久島」 122409

 屋久島は鹿児島県の大隅半島南南西約60キロメートルの海上にある島です。豊かで美しい自然が残されており、島の役21パーセントがユネスコの世界遺産に登録されています。

 屋久島の世界遺産のなかでもっとも有名といわれているのは縄文杉です。これは国の特別天然記念物にも指定されています。樹齢7000年以上と推定されています。

 縄文杉は調査が進むにつれて一本の木ではなく、一本の木に三本ほどの木が巻き付いて融合して元の木を包み込んでいる合体木であるという説、一本の木であるという説が浮かび上がってきていて今も調査が進められています。

 屋久島にはたくさんの屋久島にのみ生息する動物がいます。ヤクザルやヤクシカはその仲間です。そのほかにもコウベモグラ、ジネズミ、コイタチも生息しています。19世紀にはジュゴンが生息していたことも報告されています。

 屋久島は世界遺産に登録されており、人の手が加わっていない自然がたくさん残されています。そのため多くの観光客が訪れるようになり、同時にごみ問題やアクセスの不便さなどの問題がしてきされています。人と自然がどうすれば共存できるのかみんなで話し合ってみましょう。

5年生説明文 「携帯電話」 122705

現在、私たちの周りには電子機器があふれています。その中でも、携帯電話はここ数十年で著しい変化をとげています。現代の携帯電話には、電話の機能はもちろんのこと、メールのやり取りができたり、インターネットにつなげたりと、その他にも様々な機能が備わっています。現代の携帯電話に至るまで、どんな歴史をたどってきたのか、ひも解いてみましょう。

携帯電話は、自動車電話と呼ばれるものから始まりました。つまり、最初は自動車に備え付けられた電話から始まったということです。現在のように、持ち運びが可能で、いつでもどこでも、電話がかけられるというわけではありませんでした。そして、続いて発明されたのが、肩からさげるショルダータイプのものや、かばんとドッキングされたものです。ここでようやく持ち運びができるようになりました。しかし、電話機の重量が重く、持ち運びには不便でした。この時から、どんどん小型化が押し進められていき、かばんサイズから子機サイズまで小さくすることに成功しました。二十世紀中期から後期にかけてのことです。

そして、一九八〇年代には、ポケットベルやハンディタイプの携帯電話が登場しました。そして、現代に至るまで、文字による連絡のやり取りが出来るE-mail機能が搭載されたり、自分の好きな曲を着信時に流せる着信メロディというシステムが開始されたり、また、カメラ付きの携帯電話が発明されたり、インターネットにつなぐことが可能になったりと、急激な進化をとげてきました。そして、二〇一〇年代はじめである現在は、スマートフォンが普及し始めています。現代の携帯電話には、高機能で、パソコンとほとんど差異のないものが多くあります。ポケットに入るほど小型化され、またポケットに入っていても違和感がないほど軽量化されています。多少、水に濡れてしまっても平気な防水機能が備わっていたり、お財布がなくても携帯電話があれば買い物ができるおサイフケータイという機能が備わっていたりします。

今や世界各地と瞬時につながることのできる携帯電話。携帯電話はどこまで進化していくのでしょうか。十年後には、現在では想像できないような、さらに高機能な携帯電話が出現しているかもしれません。

5年生説明文 「食物連鎖」 122901

皆さんの周りには多くの生き物が住んでいます。生物が生きていくためにはあらゆる条件が必要となってきます。その中のひとつが食べることです。皆さん人間も何かを食べて今生きています。それは今生きているほかの動物も同じ。だがそのことに関して人間と他の動物は少し違った点があります。それをみていきましょう。

まず、人間はいろんなものを食べて生きています。たとえば、さまざまな生き物の肉、野菜、たまごなどなど。その食料を手にするにはそれほどの困難は必要とはしません。中には「いや、お金がかかるよ。」と言う人もいるかもしれませんが、これから説明することを聞いてからだと、もうそんなこともいえなくなるでしょう。

次に鳥や牛などの動物を見てみましょう。彼らは、昆虫を食べたり、植物を食べたりします。一見人間と変わらないのではと思うかもしれませんが、そんなことはありません。大きく違うことそれは、食べられる危険性があることです。鳥や牛は人間などに食べられる危険性があります。その点人間はその心配がありません。

では、鳥や牛などに食べられる、昆虫、植物はどうでしょう。かれらもまた何かを栄養源にしてくらしていますが、食べられる敵が明らかに鳥や牛にくらべて多いです。ではすぐに絶滅してしまうのでは?いいえ、そんなことはありません。なぜなら数がすごく多いからです。これが上で述べたものたちとの大きな違いです。

つまり、食うものと食われるものの中には関係性がある。この関係性を食物連鎖といいます。みなさんは食べられる相手がいませんが、他の動物たちにはたくさんいます。みなさん人間に生まれてよかったですね。

5年生説明文 「社会」 122902

今小学校で習っている教科の一つである社会。社会には、大きく分けると三つある。その三つを紹介しようと思う。

一つ目は、地理。地理は、その地の気候や名産品など知ることができる。雨の多い地域、少ない地域、夏に雨が多い地域、冬に雨が多い地域などその地域の特徴を知ることができる。さらに砂漠がなぜできるのか、この地域と似ている気候はどこかなど地理について学ぶと世界のどこで何が作られているかなぜ雨がたくさん降るのか、ここの地域には、どのような木が生えるのかなどの特徴を知ることができる。
例えば、赤道付近は日照時間が長いため気温が高いなど。

二つ目は、歴史。歴史は、昔何がおきたのか、どのようにしていまのように進化していったなど知ることができる。何千年前にこの地では、革命が起きた、文明、他国との外交関係は、どのように変化したのか技術の発展、さまざまなものがどのように発明されたなど知ることができる。高校に入ると日本史と世界史に分かれてさらに深く学ぶことになる。例えば、江戸幕府は、西暦1600ねんに徳川家康によって開かれたなど。

最後に、公民。公民は、経済や政府の政策など知ることができる。様々な問題に対する政策、日本には憲法があり各国にはどのような憲法や決まりがあるかなど知ることができる。
さらに、二カ国間でどのような条約が結ばれているかなど知ることができる。
例えば、近年は地球温暖化が進んでいるので温室効果ガスを減らす政策として各国はどのような政策をしているかなど。

このように社会という教科ひとつで三つに分かれてさらに細かくわかれる。ほかの教科は、何種類に分かれてどのようなことが学べるのかな。

5年生説明文 「ミツバチの社会」 122903

ミツバチの社会は、役割分担がはっきりしています。一匹の女王蜂と沢山の働き蜂、少数のオス蜂で構成され、驚くことに、働き蜂はメスです。

同じメスでも女王蜂と働き蜂は身体の大きさ、生理的にも全く異なります。この違いには食料にあります。ミツバチの社会ではメスとして産み付けられた卵は、女王蜂または働き蜂のいずれにもなる可能性があるのですが、それぞれ食事が全く違います。女王蜂の候補にはローヤルゼリーが、働き蜂の幼虫には花粉、蜂蜜が与えられます。また女王蜂は王台と呼ばれる特別の部屋で育てられ、働き蜂は六角形の部屋で育てられることになり、卵を産みつけられた場所で将来が決まるのです。

さらに、女王蜂の産卵能力は1日に約1000個以上でまさに産卵のために生まれてきたようなものですが、その他の機能は同じメスである働き蜂よりも退化しています。そしてさらに大きな違いは寿命で、働き蜂が1ヶ月余りなのに対して女王蜂は中には6年ほど生き延びるものもいて、昆虫界ではとても珍しいことです。

一方、オス蜂は巣の仕事(働き蜂のする事)には一切関わらず、時々外出して結婚相手の処女王を待ち続けます。このオス蜂は春の交尾シーズンになると1つの巣で数百匹にもなり、いとたび女王蜂を見つけると、オスたちは1匹の処女王に向けて、死に物狂いで戦います。しかし、これだけ競争の中で生き残ったオスでさえも交尾の直後にショック死してしまいその生涯を終えます。女王蜂はこのとき続けて数回の交尾をして、その数だけのオスの命が奪われることになります。また、交尾によって命が奪われるのが一般のオスの運命ですが、中には巣に残って働かずにブラブラしているものは、生き残れるかといったら、現実はそう甘くはありません。蜂の巣の中では役立たずということで、巣から外に出されてしまいます。役に立たなくなったオス蜂は餌をただ浪費するだけという全く無用な生物であり、自給できないオスはやがて餓死してしまうのです。

このように、ミツバチの社会は人間の社会以上に役割がはっきりしており、そして厳しいものです。みんなももっとミツバチについて調べてみましょう。

5年生説明文 「スペースシャトルのでき方」 122904

みんなスペースシャトルを知っているかな。
宇宙に行くための乗り物で、どんどんと技術が向上している乗り物です

まずスペースシャトルをなんの為に飛ばすのかという会議が何回も行われます。お金が飛ばすのにかかるからです。
目的が決まるといよいよ作り始めます。

スペースシャトルは世界各国から最高級の部品が集められます。失敗すると何人もの命を失ってしまうからです。
日本からもいろいろなパーツが送られています。

一か所に集められた部品は最高のスタッフの手により組み立てられて完成されます。
そして選ばれたエリートだけを乗せて宇宙へと旅立っていきます。

スペースシャトルはまさに世界の共同作品なのです。一つの国では作れないので協力することの大切さを感じられます。

5年生説明文 「はな」 122905

身の周りにはたくさんの花が咲いています。みなさんはその花に着目したことがあるでしょうか。花はわたしたちに落ち着きや感動を与えてくれます。例えば、春に咲く京都の桜は、わたしたちに感動を与えてくれ、日本の観光名所にもなっています。また、コスモスや菊などは秋に咲きます。このように花によって咲く季節が変わっています。では、その花について見ていきましょう。

まず、花はどのようになっているのでしょうか。花の種類によってそれぞれ形は変わっていますが、真ん中からめしべ、おしべ、花びら、がくという構造になっています。このめしべに花粉が付くことで、果実や種子ができます。花粉は、おしべにあるやくというところからできます。この花粉は、風で飛ばされることもありますが、多くの場合は昆虫に運んでもらっているのです。そのため、花の色は鮮やかできれいなものが多く、昆虫を誘っているのです。また、においも出して昆虫も誘っています。

そして、人の名前にもよく花の名前が使われています。それは花にはそれぞれ意味があるからです。例えば、愛を示すのにはバラをよく使うのを見たことがあると思います。それはバラには、情熱の愛という意味があるからです。他にも母の日に送るカーネーション。これには母の愛という意味が込められており、母の日にはぴったりの花なのです。花言葉は、花によって複数ある場合もあります。また、それぞれの誕生日に決まった花があり、誕生花と呼んでいます。自分の誕生花を調べてみるのもおもしろいですね。

花は食べることができるって知っていましたか。花を食べるといわれても、なじみのないことかと思います。例えば刺身にそえられている黄色い花を見たことがあると思います。この花は実は菊で、食べることができるのです。しかし、花屋などで売られている観賞用の花は、農薬や、鮮度を保つための薬剤が使われているため食べられません。食べるために栽培・販売されている花でないといけません。自分で育てる場合は、エディブルフラワー専用の種、あるいは花のついていない苗を購入し、無農薬、または低農薬で育てることです。また、花に毒性があり、食べると危険な花もあるので注意が必要です。

このように花にはまだまだ私たちの知らないことがたくさんあります。この機会に花に興味を持ってほしいです。普段目にしている花から、興味をもってみてみましょう。

5年生説明文 「漢字のでき方」 122906

漢字はいまから三千年以上もまえに、中国で作られました。いったいだれが作ったのか、いろいろな伝説がありますが、よくはわかりません。

現在知られている最も古い漢字は甲骨文字とよばれるものです。3千年ほど昔、中国の殷(いん)王朝のころ、占いをするのに亀の甲羅やけものの骨を使っていました。その甲羅や骨に、占いの結果を刻みこんだのが甲骨文字です。ナイフのようなもので刻みこんだので、直線的な単純な形のものが多いのです。
甲骨文字についで古いものが 金文(きんぶん)です。これは、殷(いん)や周(しゅう)の時代に青銅器にきざまれた文字です。青銅器は王が家来にほうびとしてあたえたり、てがらをたてた記念に作られたりしたものです。そのいわれを子孫に残すためにきざんだり鋳込んだりした文字が金文です。

最初の漢字は象形文字です。ものをかたどって、その形をかいて作られ作られました。たとえば、「山」です。特徴をとらえ、だれが見てもわかるようなものが漢字として使われました。
漢字のでき方は大きく分けて四つあります。
ひとつ目は象形です。形を象る(かたどる)という意味で、ものの形を絵のようにあらわしたものです。
二つ目は指事です。「事柄を指し示す」という意味です。絵にしにくい事柄を点や線などを使ったり、象形文字に印をつけたりして作られた漢字です。
三つ目は会意です。「意味を合わせる」という意味で、象形文字や指示文字を二つ以上組み合わせて作られた漢字です。
四つ目は形声です。意味(形)をあらわす部分と音(声)をあらわす部分を組み合わせて作られた漢字です。

漢字には日本で作られたものもあります。それを「国字」といいます。「畑」や「峠」も「辻」も「働」も、「国字」に分類される漢字です。

漢字には長い歴史があります。中国から日本に渡ってきて日本の漢字もできました。自分たちで作ってみてもいいですね。

5年生説明文 「音楽の旅」 122908

昔から,歴史のある町には音楽家たちが集まり,その音楽を聴くためにたくさんの人たちがやって来ました。さあ私たちも,すてきな音楽の町を訪ねて,世界旅行に出かけましょう。

はじめの町はミラノです。一年中とてもよい季候のイタリアでは,音楽と言えばまず歌を指しました。イタリア半島の北にあるミラノは,古くから交通の便がよく,多くの歌い手たちが集まりました。スカラ座ができてからはこの町で世界一のオペラが上演されるようになりました。スカラ座は,1778年に初公演したオペラ劇場です。イタリアのオペラを次々に初演し,世界で最も素晴らしいオペラの上演をすることで有名になりました。ここで歌うことが,歌手たちの夢になっています。

次の町はウィーンです。オーストリアにあります。音楽を大切に考える王様がいる国では,音楽が栄えます。ウィーンでは長い間ハプスブルク家が力を持ち,多くの音楽家たちを育てました。町の人たちも,自然に自分たちの生活に音楽を取り入れるようになりました。ハプスブルク家は,10世紀に南ドイツで誕生した貴族です。1500年頃には,西はスペインから,東はハンガリーまでを治める大きな帝国を作りました。ウィーンはこの帝国の首都として文化を花開かせました。19世紀の終わり頃になると,ウィーンの美術や音楽は,独特の美しく大人っぽい物になっていました。

最後の町はニューヨークです。アメリカはヨーロッパの国から比べると歴史の新しい国で,新しい物の考え方をする人たちが多く住んでいます。特にニューヨークには,多くの国から新しい刺激を求める人たちが集まっています。ニューヨークには,ジャズや,その新しい形のロックなどを聞かせるライブハウスがたくさんあります。ジャズはもともとアメリカに連れてこられったアフリカの人たちが,即興で演奏をした音楽です。今では世界中で演奏されています。

どの町も音楽がとても身近にあることがわかりましたね。日本はどうでしょうか,調べてみましょう。

5年生説明文 「ツキノワグマ」 122909

ここではツキノワグマの生態についてみていきましょう。ツキノワグマはどんな生活をしてどんなものを食べているのでしょうか。

アジアに広く生息するツキノワグマ。胸に三日月形やV字形の白い模様があることからツキノワグマと呼ばれています。模様がない個体は「みなぐろ」と呼ばれています。
木登り、泳ぎがうまく、寒く食べ物が少ない冬に冬眠します。
暖かい南パキスタンでは冬眠しません。

落葉広葉樹の森に生息し、基本的に夜行性ですが、果実のなる季節は昼間も活動します。昼間は樹洞や岩の割れ目、洞窟などで休みます。
繁殖期、子育て中以外は単独で暮らし、春は木の芽や草、夏はアリ、ハチ、幼虫などの昆虫を食べます。

ツキノワグマは4〜5月の間に冬眠に入ります。秋は冬眠に備えてドングリなどの堅果類やヤマブドウやマタタビといった果実を大量に食べ、体脂肪を蓄えます。
冬眠中は水や食物をいっさいとらないうえ、排泄・排尿も一切しません。
冬眠明けはメスよりオスの方が早く、3月下旬から4月上旬に穴から出てきます。冬眠中にメスは1〜3頭の(通常2頭)の子供を産みます。出産したメスは小グマが十分に動けるようになってから穴から出てくるため、オスより半月ほど遅く出てきます。
冬眠中に消耗した体力を回復させるため、春から初夏にかけ植物や昆虫などの採食に時間を費やします。オスは6月〜7月の交尾期にメスを求めて活発に動き回ります。

このようにツキノワグマは変わった生活をしていますね。普段会うことは少ないで珍しいですね。世界にはもっとおもしろい生活をしている生物がいるかもしれません。

5年生説明文 「細胞のしくみ」 122910

みなさんの体や、猫の体、道端の植物にいたるまで、細かく細かく見ていくと全て細胞でできていることがわかります。髪も爪も筋肉も皮膚もすべて細胞でできているのです。では、細胞自体はどうなっているのでしょうか。

細胞の写真を見てみると、一番目立った特徴は真ん中にあるひとつの球体でしょう。これは核といいます。核の中には染色体というものがあり、その中にDNAが詰まっています。核が分裂してから、細胞全体が分裂します。細胞で一番大切な部分です。

植物の場合、次に目につくのはレンズのような形をした、葉緑体でしょう。植物の緑色はこの葉緑体の緑が主な要因です。動物にはできないけれど植物にできること、つまり光合成をおこなうのがこの葉緑体です。核の次に大切な部分です。

大きくはないですがいくつも点在いているのが、ミトコンドリアです。細胞はここで呼吸をしてエネルギー源になる物質を作り出します。なので、エネルギーが必要な部分に多く存在しています。これがなければ人は動けないのです。とても大切です。

他にも、ゴルジ体や液胞などいろいろなものがありますが、すべて大切なものです。大きくものを見るマクロな視点も大事ですが、小さく小さくものを見るミクロな視点も大事なのです。

5年生説明文 「宇宙飛行士という仕事」 122911

 最近では、将来の夢がないだとか公務員でいいなどという小学生が増えてきていると聞くことがあります。
 みなさんは「地球は青かった」というガガーリンの言葉を知っていますか。また、初めて月面に降り立ったニール・アームストロングという人は、「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」と言っています。
 多くの人が、「宇宙に行ってみたい」とか「月に行ってみたいな」とか思ったことがあると思います。

 では、宇宙飛行士になるにはどうしたらいいのでしょうか。日本で宇宙飛行士になるには、JAXA(宇宙航空研究開発機構)での試験に応募しなくてはなりません。しかし、応募されることはほとんどありません。それはどうしてでしょうか。なぜなら宇宙飛行士一人を養成するには莫大なお金が必要になっているからです。しかも一回の採用ではごく少数の人数だけしか選ばれない、とても難しい試験となっています。では、その試験には募集する条件があるのでしょうか。

 もちろんあります。
1、日本国籍を有すること
2、大学を卒業していること
3、3年以上会社(研究や開発をする関係)などで働いていること
4、英語をよく話せること
5、健康であること
6、協調性(みんなと仲良くできることです)宇宙飛行士の仕事を続けていけるという意志があること
となっていて、英語さえ話すことができれば誰でもなれるチャンスがあるということですね。では、宇宙飛行士とは、何をやっているのでしょうか。

 地上では何をやっているのかわからない宇宙飛行士ですが、地上でも大切な仕事をしています。主な仕事としては、訓練のほかに宇宙で使う機会を開発したり、宇宙にいるほかの仲間のサポートをしています。土井宇宙飛行士が宇宙に行ったときには、サポート役であった山崎直子宇宙飛行士は、土井さんの仕事内容をすべて把握していたというのですからすごいですよね。

 なぜ、そんなことができるのかというと、みんな自分のやっている仕事が大好きで、しかも誇りを持って取り組んでいるからですよね。仕事するなら少しでも自分に興味があって楽しめるほうがいいですよね。なので、将来の夢がないだとか言わずに自分で興味がある仕事を探したりしましょう、そうすると明るい未来が見えてきますよね。

5年生説明文 「雪国の家の工夫」 122912

 日本には寒い地域から暖かい地域まで、さまざまな気候の地方があります。それにともなって、皆さんの住んでいる家には、その地域独特の工夫がなされています。
 寒い地域では雪がたくさんふりますね。そのような条件に合わせてどのような工夫がされた家があるのでしょうか。

 雪が降るということは、屋根に雪がつもります。雪が屋根につもりすぎると、家がつぶれてしまうかのうせいがあります。雪で家がつぶれると聞くと、おどろくかもしれませんが、ゆきはとても重いのです。
 そこで雪をつもらせないようにしたのが、「落雪式住宅」です。これは、屋根のかたむきを急にして、自然に雪が滑り落ちるようにした家です。落雪式住宅はほとんどが3階だてになっています。1階はがんじょうなコンクリートでできていて、居間は2階にあります。屋根の雪が家のまわりにたくさん落ちると1階部分が雪でうまり室内に太陽の光が入らなくなるからです。

 近代ではこんな工夫もされるようになりました。屋根の雪を、屋根を暖めることでとかす、「融雪式住宅」です。屋根をあたためるために、灯油や太陽電池を使います。
 灯油をつかう方法では、屋根のすぐ下に不凍液(ふとうえき)という凍らない液体が通るパイプをしきつめて、そこに灯油であたためた温水を通すやり方です。
 太陽電池をつかう方法では、電熱線というでんきで熱くなる器具を屋根のすぐ下にしきつめて、太陽電池などでつくられた電気で電熱線をあたためるやり方です。

 先ほど紹介した、落雪式住宅にはこんなエコな機能のついたものもあります。それは雪室という部屋で、屋根から落ちた雪を保存する仕組みです。これらの雪を夏や秋まで利用するのです。
 どのように利用するかというと、雪室を冷蔵庫のかわりに使ったり、夏にはクーラーのかわりに各部屋に冷たい空気を送ることができます。
 さらに、雪がとけたあとの水はトイレの水に利用して、水道代もせつやくできます。

このように地方に合わせて、家にはさまざまな工夫がなされていて、人々を厳しい気候から守ってくれたり、逆にその気候の特徴を活かして生活に役立つような機能をかねそなえています。

5年生説明文 「りんごが落ちること」 122913

りんごは木から落ちます。そしてわたしたちが落としたものはすべて、下に落ちていきます。なぜ落としたものは地面に向かっていくのでしょうか。

みなさんは「重力」という言葉を知っていますか?下に落ちるというのは重力が関係しているのです。重力とは、地球上で物体が地面に近寄ってゆく現象や、それを引き起こすとされる「力」のことです。

そしてこれを発見したのは、ニュートンという科学者です。ニュートンは木の下で寝ているとき、りんごが落ちていくのを見て、「なぜりんごは地面に向かって落ちるのだろう」と疑問におもったことにより、重力が発見されました。

わたしたちが地面に立って歩いているのもすべて重力のおかげです。宇宙では重力がないため、宙に浮いたままになってしまいます。重力がなければ今の生活は出来ないでしょう。

このように重力はとても大切なものなのです。現在こんなに重力が強いのは地球しか発見されていません。よってものを落としたとき、地面に向かっていくのは重力が関係しています。

5年生説明文 「めぐる命」 122914

皆さんはどのようにして命が回っているのか知っていますか。ご飯を食べたりするときもあまりそのような意識はせずに食べていると思います。では、どのように命がめぐっているのか考えてみましょう。

まず、すべての基本となる植物です。これらは土から栄養を吸い、太陽からエネルギーを得ています。そして、葉を出し実をつけて種を作るわけです。

次にそれを草食動物が食べて栄養にします。このとき、食べた後の糞は土にかえりまた植物の栄養になります。

そして、その草食動物を肉食動物が食べるます。肉食動物は多くの植物を食べてエネルギーを多く蓄えた草食動物を食べるので食べる量は草食動物に比べて少ないです。

最後に動植物に訪れる死で、すべては土にかえります。そして、それがバクテリアに分解されることでまた栄養として植物に吸収されます。すべての命は、このようにして、命はめぐりめぐっています。

5年生説明文 「新聞が出来るまで」 122915

皆さんの家に毎日届く新聞ですが、毎日二部の新聞を作るのには、たくさんの人が関わって完成しています。まず、記事の内容を取材する人がいます。そして、取材の内容から記事を作成する人がいます。最後にその新聞をあなたの家まで配達する人や、売店で販売する人がいます。そんな風にして作られる新聞のことを少しだけ学んでみましょう。

まずは情報収集と取材からすべての記事がはじまります。大まかには テーマを決める→準備をする→取材をする→写真を撮る→調べる→記事を書く と工程を踏むことになりますが、この時のポイントは
取材をする前に質問したい項目を書きだしておく。
何を一番伝えたいかを頭に置いて原稿を書く。
新聞原稿は結論から先に書く。
「逆ピラミッド型」原稿は「5W1H」の要素を盛り込む。
書いた原稿が取材した相手に失礼はないか気をつける。
原稿の内容にふさわしい写真を載せる。
となります。
誰が読んでも、伝わる文章を作成するにはそれなりの準備が必要となります。

次は取材した内容の整理と記事の作成になります。限られたスペースのなかで見やすいように記事を作成するにはいくつかのポイントが重要となります。まずはタイトルを付けましょう。タイトルは新聞の「顔」です。タイトルを見ただけでも読者が興味を惹かれるようなものを考えましょう。そして、トップ記事の作成、主見出しと地紋、見出し、写真、囲み記事、広告と載せるものは沢山あります。「泣き別れ」「両降り」「ハラ切り」などレイアウトの禁止事項にも気を付けなくてはなりません。

こうして苦労して作った、新聞は大量に印刷され、深夜や昼下がりに配達され、貴方の元に届きます。
皆さんも、学校の出来事や関心のある物事を調べ、新聞を作ってみても楽しいかもしれませんね。

5年生説明文 「地震と津波」 122916

じしんがおきるのは、地球の地面が動いていることのしょうこで
す。
地球の表面は、プレートとよばれるうすい板のような岩でおおわれています。地球の表面は、このプレートが何枚も組み合わさってできているのです。つまり、地球の表面は、何枚ものプレートが組み合わさった、ジグソーパズルのようになっていると考えてもいいでしょう。

ところが、このプレートは、それぞれがいろいろな方向に動いています。動いているといっても、1年にせいぜい2〜20cmくらいしか動かないのですが、少しではあってもやはり動き続けているのは確かなことです。
丸い地球の表面をおおっているプレートがいろんな方向に動くわけですから、必ずどこかでぶつかります。このプレートどうしがぶつかるところでは、一方のプレートがもう一方のプレートの下にもぐりこむというげんしょうがおきているのです。

このように、下にプレートがもぐりこんでいくとき、プレートの岩がこわされます。 このとき地球の表面はグラグラとゆれるのです。これが地震の正体です。

津波はどうでしょうか。
津波は海底で起こったじしんによって生まれます。
その揺れによって海面がへこんだり膨らんだりすることによって
津波が起こるのです。

日本の真下では、このプレートが活発に動いています。太平洋の方から日本に向かって動いているプレートが、今まさにもぐりこんでいる最中なのです。日本にじしんが多いのはこのためです。

5年生説明文 「人のからだ」 122918

わたしたちのからだに、どのような器官があるか、みなさんは知っているでしょうか。わたしたち人間は、ずっと昔の生物から進化してこのすがたになりました。いったいどのようなしくみをもっているのでしょう。

まず、人の一番の特徴は、二足歩行をすることです。人間は二本足で立って歩けるようになることで、手で道具を使えるようになったのです。道具の使用は人間の社会を豊かなものにしました。今の私たちの生活があるのは、二足歩行ができるようになったからと言ってもよいでしょう。

人間に一番近い動物はサルですが、サルはいつも二本足でたって歩くわけではありません。走るときは前足も使ってはしります。二足歩行ができる生物は、人間だけなのです。

わたしたちが今の生活を送っている上で、もう一つ重要なのが、脳です。脳は全身の働きを調節する働きを持っています。ものを考えるのも網の働きです。わたしたちは、脳を大きく発達させることで、より複雑な思考をすることができるようになったのです。

これらは、私たちが今生きている環境に適応しようと、進化してきた証拠なのです。たとえば魚は水中で生活するために、えらをつかって水の中から酸素を吸収しています。鳥は空を飛ぶために羽を持っています。
今生きている生き物たちはすべて、それぞれの環境でよりせいかつしやすいようにと進化してきた結果のすがたです。もしかすると、数100年後には、人間のすがたも今よりもっと変化しているかもしれません。

5年生説明文 「人を楽しませる」 122919

世の中にはさまざまな職業があります。そのなかでも、人を楽しませる職業とは、どんなものでしょうか。ディズニーランドのキャストについて、見て行きましょう。

子供から大人まで、幅広い人に好まれているディズニーランド。帰りにもう一回行きたい、となるのはなぜでしょうか。それはもちろんアトラクションが原因になっているのは確かです。しかし、それだけではないのです。

何かを食べる。わざとでなくてもゴミが落ちる。よくあることです。しかし、そのまましておくと見た目も汚いし、誰かが踏んでしまいます。そんなことがあればせっかくディズニーランドに来たのに不愉快な思いをしてしまいます。ここで活躍するのは、キャストの人たちです。ゴミが落ちたり汚れていたりしたら、すぐに掃除します。小さなことだけど、とても重要なことなのです。

また、雨の日は少し元気がなくなります。せっかく遊びに来たのに雨、と子供たちもぐずりだします。ここでもキャストが活躍します。地面の水を履くときに、少し遊びます。さらさらとほうきを動かします。すると、地面には、ミッキーの顔が浮かび上がっているのです。これは雨を利用したちょっとしたサービスです。これを見た子供たちは喜ぶこと間違いなしです。

このように、少しのことでも、キャストは私たちにいい思い出をつくってもらおうと工夫してくれます。話すときに、目線を合わせる、というのは言うまでもありません。そんな小さな気づかいが、私たちを楽しませてくれる大きな要因になるのです。

5年生説明文 「色と光」 122920

みなさんがふだん目にしている「色」にはどんなものがありますか。「光」にも「色」があるのを知っていますか。

みなさんが「色」を身近だと思うのは図画工作の授業のときではないでしょうか。絵の具で絵を描いているとき、「ピンクの絵の具がない!」と困ったことはありませんか。そんなとき、あなたはきっと「赤と白の絵の具を混ぜて、ピンクをつくりだそう」と思うでしょう。「色」は混ぜることで新たな「色」を生み出すことができるのです。では、すべての色を混ぜると何色になると思いますか。実は、すべての色を混ぜると黒になります。

太陽の「光」は何色か知っていますか。実は、太陽の「光」は何色もの光が集まって、見えなくなっているのです。赤色の光、黄色の光、青色の光、光にも色がありますが、すべて混ぜると光は「無色」になります。絵の具はすべて混ぜると黒になるのに、光はすべてまぜると無色になるのです。

5年生説明文 「音楽を楽しむ」 122921

この世は、音楽であふれています。あなたが映画を見れば、BGMとして音楽が流れてくるでしょうし、カフェに入れば、何か曲が流れているでしょう。私たちの生活は、音楽とは切っても切れない関係にあるとも言えます。

音楽を楽しむことにはまず「聴く」ことがあるでしょう。CDをかければ、素晴らしい音楽がスピーカーから流れます。誰かのライブにいけば、素晴らしい音楽が創り出される瞬間を観ることができます。音楽には不思議な力があり、曲を聴くことで、悲しい気分になったり、嬉しい気分になったり、いろいろな感情を抱くことが出来ます。

そして次に「演奏する」ことがあるでしょう。あなたが持っているリコーダーを奏でるのでも構いませんし、歌を歌ってもよいでしょう。音楽を聴いて素晴らしい気分になった次は、あなたが誰かを素晴らしい気分にしてあげるのです。

最後に「創り出す」ことがあります。誰でも、鼻唄で勝手に曲を作ってしまったことはあるでしょう。それは立派な作曲です。あなたの音楽が、この世に「音」として誕生した瞬間です。

音楽とはとても素晴らしいものです。聴いているときはもちろん、素晴らしい音楽は私たちの心の中にも残ります。あなたが今思い浮かべようとすれば、自分の好きな曲が頭の中で流れるでしょう?あなたの身の回りにも、そしてあなたの中でも、流れている素晴らしい曲は数知れません。

5年生説明文 「色」 122922

わたしたちの周りにはたくさんの色があふれています。ここではその色について、すこし説明していこうと思います。

わたしたちがいつも見ているテレビやゲームの画面。この画面は実はたった三種類の色からできています。この三種類の色とは、赤、青、緑の三色でこれらを組み合わせて色をつくることを加法混合といいます。赤、青、緑の三色の光をすべて合わせてみると白い光ができます。白色の光を作るためのこの三つの色を光の三原色といいます。また、白以外にも、これらの光の組み合わせによっていろいろな光を作ることができます。

実は、わたしたち人間がみている世界とほかの動物がみている世界には違いがあります。生物それぞれに認識できる色に違いがあって、わたしたちが見ている世界の色とほかの生物が見ている世界の色は違うものになっているのです。また、暗闇の中のわずかな光をとらえるため目が発達したことによって、色を認識する能力が退化した生き物もいます。

そして、わたしたち人間の間でも色のとらえ方にはばらつきがあります。一つの色があっても、かならずしも、みんながみんな同じ色を見ているわけではないのです。

わたしたちのまわりにあふれている色ですが、その世界の色はもしかしたらあなただけに見えているものなのかもしれません。

5年生説明文 「乗用車」 122923

車は私たちの身近にあり、おそらく誰もが乗ったことがあるであろうものです。しかし、わたしたちはその車がどういう仕組みで動いているかは案外知らないものなのです。

まず、一般的にエンジンと呼ばれる原動機の動力によって車は走ることができます。エンジンには4サイクルと2サイクルのものがあるが、現在では4サイクルのものが主流となっています。またエンジンを円滑に動かすためには、エンジンオイルというものが必要で、定期的に交換、または継ぎ足しが必要になります。

次に、車のそれぞれの部品は長持ちするものが多いですが、液体関係のものは定期的にチェックしなければなりません。まずは先ほど出てきたエンジンオイルです。これは長い間放置すると汚れがたまって動きが鈍くなってしまいます。次にガソリンです。これには軽油、レギュラー、ハイオクと呼ばれるものがいまでは主流で、中でもレギュラーは無難なので最も人気があります。他にもブレーキオイルなどもあります。

また、車ははじめは蒸気で動くもので、内熱機関はこれの次に出てくる。その次にガソリンを使うものが出てきて、最新のものでは電気自動車があり、さらに期待されているのは水素電池で動く自動車である。

このように、わたしたちの身近にあり、よく使用するものでも知らないことがたくさんあるのです。

5年生説明文 「河童」 122925

皆さんは河童を見たことはありますか。多くの人はないと答えると思います。なぜなら日本に昔から伝わる伝説の生き物だからです。しかし、実際に見たという人もいますし、河童が描かれた絵も残っていたりします。今回はその伝説の河童について実在するのか検証していきましょう。

河童の種類は大きく分けて二つあります。一つは亀人形態といい、体はウロコで覆われ嘴があり、頭には皿を乗せています。頭の皿が割れると死ぬ、または力を失い衰弱します。背中に甲羅があり手足に水かきがある。という特徴です。

もう一つは類人猿形態といい、全身が毛に覆われています。口には牙があり、鼻の造形がはっきりしません。頭部にはくぼみがあり、そこに常に水を溜めています。その水が乾くと死ぬ、または衰弱します。

河童は、悪戯好きだが悪さをしない妖怪として伝えられる場合もありますが、多くは水辺を通りかかったり、泳いだりしている人を水中に引き込み、おぼれさせたりするので良いイメージはありません。キュウリが大好物のようです。

いろいろ河童についての噂はありますが、実際に捕まえたひとはいませんし、見た人によってその特徴が異なっていたりします。何も証拠がありません。ある一説として、河童は日本独自のものであるから、また大きさと噂の共通点より、正体はオオサンショウウオだという意見もあります。幽霊だとか、奇妙な現象だとかありますが、突き詰めて考えてみるとなんでもないものだったりします。化学で証明できるもの以外は信じないようにしましょう。

5年生説明文 「天気の不思議」 122926

私たちの住んでいる世界にはさまざまな現象が起こります。
たとえば雨や雪、風、などの天気です。
では、天気はどのように変化しているのでしょうか。

天気は雲の量によって決まっています。雲の量を雲量といいます。そのままですね。雲量は空全体を10として考えています。雲量が0から1の場合は快晴で、2から8の場合は晴れ、9から10の場合はくもりです。おもしろいですね。

では天気はどのように変化していくのでしょう。日本付近での天気の変化のしかたについて考えていきましょう。日本付近では、偏西風という風が西から東へ吹いています。ということは、雲も西から東へ流れていきますね。つまり、日本では、天気は西から東へ変化していくのです。私たちが、次の天気を予測するときは、西の空を見ればいいのです。

雨や雪についても、雲のないところには雨や雪は降りません。たまに、「きつねの嫁入り」と呼ばれる、晴れているけれど雨の降る現象が起こりますよね。これは、雲から雨が降っているのですが、私たちに雨が届くころには雲が消えてしまっているため、晴れているのに雨が降っているように思うのです。

このように、天気の変化には決まりがあり、雲がなによりのキーワードです。雲にもたくさんの種類があります。みなさんで明日の天気の予想をたててみたり、雲の種類について調べてみるのも面白いですね。

5年生説明文 「チョーク」 122927

 みなさんの学校には黒板がありますか。黒板に文字を書くとき、絵を描くとき何を使いますか。きっとチョークを使うでしょう。そのチョークはどのようにして出来ているのでしょうか。

 チョークは本来、白亜でできていましたが、近年は炭酸カルシウムや石膏を水と混ぜてできているものやホタテの貝殻や卵のからでできているものがあります。ホタテの貝殻再生材を使って作られたチョークはかなり広く使われています。

 チョークは黒板に書くだけでなく、いろいろな用途で用いられます。
黒いチョークは画材として用いられます。また工作物の材料などに直線をひくための道具として、墨つぼにおける墨の代わりに用いられる専用のチョークラインと呼ばれる道具もあります。また、ビリヤードでキューの滑り止めにも使われることがあります。

 チョークにはいろんな色があります。白、黒、赤、青・・・。
またいろんな種類があります。炭酸カルシウム製のダストレスタイプ、広い範囲の塗りつぶしや、太い文字、線を描くための太いチョーク。一本の中に2色のチョークが渦巻き状に混在していて、一本で各色と混色の計3色を書くことが出来るマーブルチョークなどがあります。

 このように皆さんの周りにはいろいろと工夫されているものがたくさんあります。
いろいろと探してみましょう。

5年生説明文 「地球温暖化の影響」 122928

 みなさんは地球温暖化という言葉を聞いたことがありますか。最近では、テレビのニュースや新聞などでもよく取り上げられています。地球温暖化はわたしたちにどのような影響を与えるのでしょうか。

 地球温暖化とは、地球の平均気温が上昇することです。これは、世界が直面している深刻な地球環境問題の1つと言われています。
 では、なぜ、地球温暖化がおきているのでしょうか。

 地球温暖化の原因の一つは、二酸化炭素が増え続けていることです。二酸化炭素などの、熱を吸いとる力をのある温室効果ガスは、人間の活動によって増え続けていて、18世紀半ばと比べて約30倍にもなっています。例えば、車からの排出ガスや電気のつけ消しでも二酸化炭素が発生します。逆に、その二酸化炭素を吸い取る森林が破かいされているために、地球全体の気温が上がっているのです。
 このまま、地球の気温が上がり続けるとどのような影響が出てくるのでしょう。

 地球温暖化が進むと、異常気象が起きやすくなり、自然や農業がダメージを受け、伝せん病が発生する地域も広がります。また、動植物は、自らが生活しやすい気候の場所で生活しており、その気候が保たれなくなると、多くの生物に影響が出ると予想されています。
  気温が上昇すると、氷河や南極の氷などの地上の氷が溶けて海に流れ出し、海水面が上昇します。すると、海抜(海からの高さ)の低い土地が広い面積をしめる国では、国土の大半が水没してしまったり、ある島は、完璧に海に沈んでしまうとも言われています。

 このように、地球温暖化はわたしたちの生活に大きな影響を及ぼします。地球温暖化を止めるために、わたしたちができることは何でしょうか。みんなで話し合って、実践してみましょう。

5年生説明文 「耳の仕組み」 122929

耳は人間にとってとても大切な体の一部です。耳があることで友達の声を聴いたり、自分が何を話しているのかを聞くことができます。では、どうして耳は音を聞くことができるのでしょうか。耳がきこえる仕組みについて説明してみましょう。

まずはじめに、音がなると、耳たぶが、音の正体である空気の振動を集めます。そしてその音の振動は、外耳道と呼ばれる耳の中にある細い道を通ってその奥にある鼓膜を震わせます。鼓膜の震えは、その奥にある3つの耳小骨(鐙骨・砧骨・槌骨)へと伝わります。耳小骨に届いた振動は、耳小骨の奥にある蝸牛と呼ばれる耳の奥の部位へ伝達されます。蝸牛に届いた振動は、蝸牛の中のリンパ液を震わせて有毛細胞と呼ばれる細胞を刺激します。振動は有毛細胞によって電気信号に変換され、蝸牛の中にあるらせん神経節細胞に伝わります。らせん神経節細胞に届いた電気信号は、内耳神経という神経を通って大脳へ伝達されます。最後に大脳聴覚皮質と呼ばれる脳の一部がその電気信号を解析し、やっと音として認識されます。

このようにして、人間は音を感じることができます。耳の中には大事なものがたくさんつまっているのですね。

5年生説明文 「発電のしくみと環境」 122931

みなさんは日常的に電気をつかっていると思いますが、その電気はどのようにつくられているのでしょうか。

まず代表的なものとして、火力発電があります。火力発電は、石炭などの燃料を燃やして水を温めて蒸気を発生させて、その蒸気によってタービンというプロペラのようなものを回転させることによって発電します。問題としては、大量の二酸化炭素を発生させてしまうので、環境破壊につながってしまうことです。

つぎに、水力発電についてです。水力発電は川をせきとめて、その水を流すことで水の流れによってこちらもプロペラのようなものを回転させることで発電しています。こちらは二酸化炭素は発生しないのですが、ダムを作る時に自然を破壊しています。また大規模な発電は地形の問題などで難しいといえます。

最後は、原子力発電です。これは、原料を爆発させることで水を蒸気に変え、タービンを回して発電します。なので、しくみは火力発電と同じです。原子力発電は、少量の原料から大量の電気をつくることができ、二酸化炭素もほとんどだしません。しかし、エネルギーが非常に強いので、一歩間違えると大事故が発生してしまいます。また使い終わった燃料のゴミも非常に危険で、今のところは処分できる技術はなく、どんどんと保管場所にたまっているのが現実です。

このように、電気をつくるには、環境を破壊しているか、非常に大きなリスクを背負って発電をしています。なので、電気を無駄遣いすることは、環境を破壊しているのと同じともいえます。そのことを知った上で、これからどのように電気をつかっていくか考える必要がありそうです。

5年生説明文 「地球温暖化を考える」 122932

南極の氷が溶け、海抜上昇。異常気象。生物の大量発生。これらは地球温暖化が原因の一つとなっているといわれている。では、地球温暖化とはなにか。そして、私たちに今何ができるか、考えてみよう。

地球温暖化とは、その言葉のとおり、地球の平均気温が徐々に上昇していくことである。地球は大気中の二酸化炭素が太陽の熱を留めることで暖かさを保っている。これを温室効果という。大気中の二酸化炭素の割合が高まるにつれ、温室効果も高まっていき、地球温暖化が深刻化していっている。

大気中の二酸化炭素の割合がなぜ上昇しているのか疑問に思う人もいるだろう。その原因は私たち人間なのだ。車を動かすとき、火力発電によって電気を作り出すとき、現代社会で人間が生活するには様々な場面で二酸化炭素を排出してしまう。

では、二酸化炭素の排出量を減らすにはどうすればよいか。その最も効果的な方法の一つが節電である。火力発電所で出される二酸化炭素の量は膨大である。よって、人々が節電することで地球温暖化を少しでも食い止めることができる。

現在、人は生活していくうえで、電力は必要不可欠である。しかし、使わない部屋の明かりを切ったり、暖房冷房をおさえたりすることによって、消費する電力を抑えることはできる。
地球温暖化をこれ以上深刻化させないためにも、すべての人の協力が必要なのだ。

5年生説明文 「無題」 122933

 皆さんは朝ちゃんとうんちが出ていますか?
 人間誰でもご飯を食べたらうんちをします。お肉を食べても、魚を食べても、野菜を食べてもみーんな最後にはうんちになって出てしまいます。けど、なにをどうやったらおいしいオムライスがくさいうんちになってしまうのでしょう?その謎に迫ります。

 私達がご飯を食べる時、食べ物はまずは口に運ばれます。そしてそこで歯で引きちぎられ、擦りちぎられて小さく刻まれます。さらに唾も食べ物を溶かす作用があって、これはご飯とかパンなどの穀物に作用します。ご飯とかパンは唾液で分解されると下で甘く感じる成分にとなります。だから、ご飯を食べる時にしっかりよく噛んで唾を出すと、甘く感じるのです。

 口で細かくなった食べ物は食堂を通って胃へと運ばれます。そして、そこで胃液と呼ばれる液体で肉も野菜も脂肪もすべて溶けて分解されてしまうのです。ところで皆さんは胃液で胃そのものがなんで溶けてしまわないのか不思議に思いませんか?それは食べ物が胃に入ると、胃の表面から胃液を中和する物質が噴出してきて、胃液から胃を保護してくれるからなんです。しかし、夜更かしが続いたり、大きなストレスを受けたりするとこの中和液が出なくなって胃に穴が空いてしまうことがあるのです。だからくれぐれも夜更かしなどはしないほうがいいのです。

 そして、胃で溶かされた食べ物は今度は十二指腸と呼ばれる器官へと送られます。十二指腸では胃液の中和と、更にすい臓から作られるすい液という液体と肝臓から作られる胆汁という液体で食べ物を更に細かく分解します。ちなみにこの胆汁という液体は黄色をしていて、これが後のうんちの色になるのです。
 そして十二指腸を出た食べ物は今度は小腸へと向かいます。小腸では食べ物は腸液でさらに分解されながら、小腸の内側に付いている繊毛というひだで栄養を吸い取られていくのです。この小腸というのはとても長くて、取り出してみたらなんと六メートルもあるのです。小腸はその長い管の中をゆっくり食べ物を通らせることで少しでも多くの栄養を食べ物から吸収しようとするのです。
 そして小腸を出た食べ物は最後に大腸へと向かいます。大腸では食べ物の水分を吸収します。ほどよく水分を吸収することで食べ物はいつものうんちの形になるのです。もし体調が悪くて大腸の働きが狂ってしまったら、水分が吸収されずにうんちがびちゃびちゃになってしまったり、逆に水分の吸い過ぎで固くなったりしてしまうのです。また大腸には悪玉菌という菌が生息していて、小腸で吸収しきれなかった栄養を吸収して生きています。この悪玉菌がうんちから栄養を取って分解するときにあの臭いにおいの元を発生させるのです。だからおならが出たり、うんちはあんなに臭くなってしまうのです。

 そして大腸を出て、もうすっかりうんちになってしまった食べ物は肛門からうんちとなって排出されるのです。

5年生説明文 「ピアノという楽器」 122936

皆さんはきっと「ピアノ」という楽器を知っているでしょう。どのような楽器か想像できるでしょうし、多くの人は見たことがあるでしょう。ピアノを演奏できる人は身の回りにもたくさんいるでしょう。では、皆さんはピアノがどのようにしてつくられ、どのような仕組みで音が鳴るのか知っているでしょうか。ここではそれを説明したいと思います。

まず、一般的にピアノといわれているのは、イタリア語の「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」の略称です。これは、「弱い音と強い音の両方が出るチェンバロ」という意味です。ピアノのもととなった「チェンバロ」という楽器は音量の変化がつけれなかったので、新しく開発された鍵盤楽器にはこのような名前が付けられました。今では、「フォルテ・ピアノ」や「ピアノ・フォルテ」と言われ、さらに縮めて「ピアノ」と呼ばれています。

さて、ピアノを演奏する時は鍵盤を押して音を鳴らします。この時、ピアノの中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。まず、白と黒の鍵盤はピアノの中でハンマーに連動するように作られています。鍵盤を押すと、逆にハンマーは上がります。このハンマーがミュージックワイヤーといわれる特殊な銅線を使った弦を叩き、音が出るのです。この弦は一つの音に対して、中音域以上で三本ずつ、低音域では二本ずつ張ってあります。この弦をハンマーが打った時に鳴らした音を、響板などを使って響かせてやっとわたしたちにも聞こえるようになるのです。

こうして鳴らされているピアノですが、ピアノにはペダルという部品があります。ピアノの下の方についていて、足でペコペコと踏んで使うあれです。ペダルは三種類あります。一番右についているのは「ダンパーペダル」と言われ、このペダルを踏むと普段は弦が鳴りっぱなしにならないように押さえる役目をしているダンパーと呼ばれる部分が上がり、鍵盤を押した音を伸ばすことができます。真ん中のペダルは「ソステヌートペダル」と言われ、このペダルを踏んだ時点で押していた鍵盤の音が、鍵盤から指を離してもペダルを踏んでいる限りは伸ばすことができます。最後に一番左のペダルですが、このペダルは「ソフトペダル」や「シフトペダル」と言われます。このペダルを踏むと、鍵盤全体が左にずれます。このずれによって、ハンマーがたたくことができる弦が、中音域以上では三本から二本に、低音域では弦にあたるハンマーの位置が中央から端にずれ、音を小さくすることができるのです。

皆さんがよく知っているはずのピアノですが、実は知らない秘密がたくさんあります。まだまだ秘密はたくさんあるかもしれません。どのような仕組みでどのような音が鳴って、どのような部品から作られているのか。そんなことを考えながら、ピアノに触れるのもよいかもしれませんね。

5年生説明文 「本ができるまで」 122937

みなさんは、本屋さんに行きますか。本屋さんに行くと、たくさんの本がならんでますね。文庫本や絵本など、一口に本と言っても、たくさんの種類があります。このような本が本屋さんにならぶまで、どのような流れなのでしょうか。

出版社に作品の依頼、もしくは、作家さんのほうが、作品を出版社にもっていくことから、本作りははじまります。次に、どのような物語を書くのか決めます。そのこ構想を企画と言います。この企画書の扱いは、出版社によって違いがあります一つ目は、作家の書いたプロットが、そのまま企画書となる出版社。二つ目は、作家の書いたプロットから、担当編集者が企画書を起こす出版社。三つ目は、作家に企画書の書式を与えて、その通りに企画を提出させる出版社。 以上、三つの種類があります。こうして集められた企画書が企画会議に出され、そこでその作品の企画を動かすかどうかが決められます。

企画を動かすと決めたら、次は、とうとう、原稿を書き始めます。作家さんは三か月ほどで、原稿を書かなければなりません。長いようで、とても短い三か月です。また、原稿は書き上げただけでは完成したとは言いません。担当編集者が書き上げた原稿を読み、OKを出してもらって初めて完成です。 これは作品の完成度を高めるためにとても大切な作業です。新人賞で受賞した作品も、出版前には必ず手直しが行なわれます。原稿ができたら、イラストレーターを決めます。行イラストレーターとは、本の挿絵などを書く人のことです。

そして、物語も話が出来上がり、次に待っているのは、著者校正という作業です。これは、校正係の手を経た印刷前の原稿が作者に回され、著者自身で校正を行う作業です。ここが作品に修正を加える最後の機会です。ここでは、まず、間違い探しをします。文字の間違いや、脱字、物語の矛盾などが見つかります。また、校正は間違い探しだけではありません。 漢字や表現の確認もします。それから漢字や表記を統一するためのチェックもあります。 こうして、著者校正も終わると、物語のかんせいです。つぎは、ついに、印刷にうつります。印刷を終えると、著者に見本が送られてきます。長い道のりを終え、本は完成したのです。

本は本屋さんにならぶまで、こんなに、長い作業があるのです。一冊の本をつくるのに、たくさんの人々が関わっています。本は、たくさんの人々の努力の結晶といってもいいでしょう。みなさん、本は、大切にあつかいましょうね。

5年生説明文 「私たちの暮らしと地震」 122938

みなさんは地震を知っていますか。地震は私たちが住んでいる大地が揺れる現象です。近年、日本で起こった大きな地震で、大変な被害をもたらしたものは、「阪神淡路大震災」、「東日本大震災」などが挙げられます。

ところで、どうして地震が起こるのでしょうか。地球の表層はプレートと呼ばれる、いくつかの硬い板のような岩盤でできていて、プレートは移動し続けています。そして、このプレートには境界があり、沈み込む境界、広がる境界、ずれる境界という三つに分けられます。この境界の周辺で地震が発生しやすいのです。一番大きな地震が発生しやすいのは、沈み込む境界で、日本はこの境界の上に存在しています。

発生した地震は二つに分けられます。最初に来るのが初期微動と呼ばれる多く細かい地震です。次に主要動とよばれる激しく揺れる地震がやってきます。初期微動と主要動には時間のズレが発生するので、そのズレを調べることで正確な地震の位置がわかるのです。

地震がもたらす被害は様々です。大きな地震はしばしば建造物を破壊し、続いて火災を引き起こします。山や斜面揺れると土砂が崩れる、土砂災害などを引き起こし、また、海で発生する大規模な地震は津波を発生させ、震源から遠く揺れを感じなかったところにも災害をもたらすことがあります。

地震に関して様々な研究がなされていますが、いつ発生するのか正確にはまだ明らかになっていません。そして、地震は地球規模で起こる災害なので止めることは不可能です。大切なのは、地震についてよく理解して、震災時の生活物資を備蓄する、避難計画を立てるなど、災害に備える「防災」や災害を軽減する「減災」の考え方から対策をとり、地震がいつ来てもいいようにしておくことです。

5年生説明文 「リサイクルの方法」 122939

 リサイクルを行うと、ゴミを減らすことができる、エネルギーを節約できる、など様々なメリットがあります。今回はリサイクルされるまでの過程をいくつか見ていきましょう。

 まず、アルミ缶のリサイクルを見てみましょう。再生工場に集められたアルミ缶は、最初に塗料とフィルムが取り除かれます。そして700°以上の高温で溶かされます。アルミ缶は溶かされた後アルミニウムのかたまりとなります。このかたまりを用いることで元々必要なエネルギーの3%でアルミ缶を再び作ることができ、実に97%ものエネルギーが節約できるのです。

 次にペットボトルのリサイクルを見てみましょう。収集したペットボトルからキャップやラベルや金属などを取り除いた後ペットボトルを小さく押しつぶし、ヒモで縛ってまとめます。最後にペットボトルを色別、材質別に分けて、粉砕機で細かくして、きれいに洗い、金属やアルミが含まれていないか、チェック、分離した後、よく洗って乾燥させ、リサイクル製品の原料となるフレークやペレットにします。フレークは玉子パックなどの原料に、それより細かいペレットは繊維などの原料になります。

 地球上にある資源は限りがあります。エコや技術力の向上で消費は以前より抑えられていますが、それでもいつかは無くなります。その解決にもリサイクルの技術は重要になるでしょう。

 今回紹介した例はいづれも工場での作業でしたが家でできる方法や再利用などもあるので一度実践してみてはいかがでしょう。

5年生説明文 「乳酸菌について」 123119

乳酸菌とは糖を分解して乳酸を生産することによってエネルギーをつくる細菌の総称で多くの種類があります。私たちが普段食べている食べ物にもそれは含まれています。その乳酸菌について詳しく見ていくことにしましょう。

乳酸菌は食品工業・発酵工業の分野で乳酸菌飲料・チーズ・バターなどの生産のほか、私たちの生活の多方面に有効に利用されています。
昔から乳酸菌はさまざまな食品加工に利用されてきました。この乳酸菌に科学の光が当てられたのは、約100年ほど前のことです。1899年乳酸菌の一つビフィズス菌が発見され、そして20世紀初め、乳酸菌が健康や老化と大きく関係があると考えられるようになりました。ロシアの細菌学者メチニコフ博士は、ブルガリア地方の長寿の理由は乳酸菌食品と関係が深いことに着目し、長い研究を重ね、乳酸菌が腸内バランスを改善・整腸作用をもたらすことを発表し、「乳酸菌による不老長寿説」を提唱しました。腸内の悪玉菌がつくる毒素によって老化が進むこと、そして、不老長寿をはかるには、腸内腐敗を防止する乳酸菌などの善玉菌の摂取が大切と指摘しました。
その後、腸内の細菌の研究は進み、今では「乳酸菌には腸内細菌のバランスを回復する整腸作用・下痢・便秘の症状改善に加えて免疫増強作用・発ガン抑制作用・コレステロール抑制作用等がある」 と言うことが常識となっています。

ロシアの生物学者エリー・メチニコフは、長年の研究の結果、人間の老衰の原因は腸内・悪玉菌が出す毒素による慢性中毒であることを発見しました。そこで老衰、ことに動脈硬化を防ぐには有害な悪玉菌をおさえることが必要であると考え、そのためには腸内に乳酸菌など善玉菌を取り込むこむ食養法を考え出しました。事実、世界の長寿村を調査すると高齢者の腸内にビフィズス菌・乳酸菌など善玉菌が極めて多いことがわかっています。

世界の長寿村を調査するとウクライナのコーカサス地方を初めとして、腸内にビフィズス菌・乳酸菌など善玉菌が極めて多いことがわかっています。ビフィズス菌は乳児期には腸内細菌の99%を占めていますが、幼児期になると10%、老年期になると1%にまで減少すると言われています。乳酸菌には病原菌から体を守る、腸内の腐敗を抑える、ビタミンを作り出す、腸の運動を促し便秘を防ぐ、下痢の予防と治療のようなすばらしい働きがあります。

乳酸菌は人間の体にとってとても重要なもののひとつです。乳酸菌を積極的にとることで自分の体を健康的にしましょう。

5年生説明文 「地球について」 123817

私たちが住んでいる地球について知っていますか。
私たちが住んでいる地球には大きな海や、大きな大地、森林や多くの生き物たちが生きています。いろいろな種類のものが共存している地球は宇宙から見るととても美しい惑星なのです。

まず、この地球は太陽系というものの惑星の1つです。太陽から惑星の中で3番目に近く、惑星表面に液体の水を大量に湛えていて、多様な生物が生存することを特徴とする星です。地球はラテン語ではテラ、英語ではアースと呼ばれています。
地球は太陽の周りをほぼ一定の速さや、習慣で回っています。
そして、地球は太陽の周りを円に近い楕円形の軌道を描いて公転し、また自転しています。公転というのはある天体が別の天体の周りを周期的に通ることをいい、自転は天体が自ら回転することである。つまり地球は自ら回転しながら太陽の周りを回っているのである。目が回りそうですね。
地球が回転する方向は天の北極から見て、自転、公転ともに反時計回りです。

次に、地球の形についてみていきましょう。地球の形はまん丸だと思っている人が多くいると思いますが、実は違います。みなさんは地球の赤道、経線について知っていますか。経線は地球の中心を通り北極と南極を結ぶ線で、赤道はその経線に直角な平面が地球の表面と交わる線です。地球の赤道の半径は約6380km、経線の半径は約6360kmです。
このことから、地球はすこし円がつぶれたような円になるのです。しかし、あまりにも距離などが大きいため真ん丸に見えてしまうのです。

そして、地球は21世紀初頭において、知られている中で唯一、生命体の確認されている天体であります。水がおおく、そして生きるために必要な酸素が十分にあります。
しかし、最近では環境問題が取り上げられ、二酸化炭素が増え酸性雨の問題が深刻になっていることや、森林伐採によって雨が降らなくなり水が減ってきていたり、砂漠化が進んでいたりとした問題などがあります。

現在の地球は、海に覆われ自然も豊かではあります。しかし今後数十億年の間には、巨大隕石の衝突、あるいは大陸移動に伴う火山活動や気候変動などによる大量絶滅が起きる可能性もあるのです。これらを踏まえた上で今の世を生きるのか、後世に残していくのかを考えてみるのもいいかもしれませんね。

5年生説明文 「私たちの生活と資源」 123819

私たちの住む地球には様々な資源があります。また、資源によっても種類があり、例えば金属資源や鉱物資源、森林資源、水産資源などがあります。そのなかでも鉱物資源に含まれる石油について、私たちの生活の中にどのように関わっているのか考えてみよう。

「紙」は私たちの身の回りにたくさんあります。それはティッシュペーパーやトイレットペーパー、プリント、メモ用紙など数えきれないほどです。それらは石油からできています。様々な年代の人が使う紙は生活必需品と言っても過言ではないでしょう。だが、その背景に紙の無駄遣いという社会問題が存在します。

「服」は私たちが常に身に着けているものでしょう。そんな服も石油からできているのです。服は小さくなったら着れなくなります。その服を捨ててしまうと、燃やされ、ごみになってしまいます。ですが、リサイクルすれば、その服はまた使われるようになります。このように石油は長く使うことが可能なのです。

「プラスチック」は入れ物であったり、袋であったり様々なものに変化します。これも石油からできています。プラスチックはいろいろな形に変形できるため様々なところで使われます。ですが、廃棄する際にダイオキシンという害のある物質が発生する場合があります。このように石油は害を及ぼすこともあるのです。

石油は様々なものに変化します。それは私たちの生活に欠かすことのできないものです。また、石油は限られた資源です。その資源に依存し続ければ、いすれなくなるときに何もできなくなってしまいます。そうならないためにも、石油を無駄遣いせず、かつ代用できるものを考えなければなりません。このように私たちは限りある資源について考えていかなければならないのです。

5年生説明文 「いろいろな色」 123820

 身の回りをよく見わたしてみましょう。あなたの周りには様々な色があふれているはずです。
 そんな色にはどのような特徴があるのでしょうか。

 まず、光の三原色と色の三原色があります。原色とは、全ての元となる色です。
 光の三原色は赤、緑、青を指します。色を混ぜ合わせるにつれて、色が明るくなる(光のエネルギーが加算される)混色を「加法混色」といいます。三色の色を加えていくと白になります。
 光の場合にはこの3つの色を使うと、ほぼすべての色が再現できます。この3つの色を、「光の三原色」といいます。カラーテレビや、コンピュータのカラーディスプレイの発光体には、この3原色が使用されています。
 一方、色の三原色は、黄色と赤紫色と青緑色です。この3つの色を加えていくと黒になります。色を混ぜ合わせるにつれて色が暗くなる(光のエネルギーが減少する)混色を、「減法混色」といいます。
 減法混色を利用したものの代表的なものは、カラー写真や印刷などです。

 色には、人によって様々なイメージがあります。
 まず明るく、暖かみのある色を考えてみましょう。例えば、赤色。赤は太陽や火、血などを連想させ、エネルギーやパワーを感じる色です。同じ明るい色でも、黄色は太陽の光や黄金を連想させ、希望・幸福・健康など人間の幸福をイメージさせる色です。
 逆に暗く、冷たい色はどうでしょうか。青色は、空や海、地球を連想させ、積極性や冷静さなどを感じる色です。緑色は、木々や草の大自然を連想させ、安らぎ・おだやかさ・平和などをイメージさせる色です。

これらのイメージをふまえて、色を日常生活に活用してみましょう。
 赤色は、最もエネルギーの強い色です。元気になりたいとき、ポジティブになりたいとき、気持ちを高ぶらせたいときにパワーをくれる色です。
 一方青色は、悩み・不安・迷ったとき、決断力が欲しいとき、冷静になりたいときなどには、効力を発揮してくれます。
 他にも、白色は、すべての光を返してくれる色で、全ての色を含む「光そのもの」です。いろんな思いや感情を含んだ色で、どこにもかたよりのない無限の色です。白は一般に純粋・清潔、無邪気などを表します。

 色のイメージは人それぞれですが、うまく色の効果を使うと、毎日が楽しくなるかもしれません。自分の好きな色など様々な色を取り入れてみましょう。

5年生説明文 「書道」 123821

 最近は科学の発達によりコンピューターでたくさんのことができるようになってきましたね。きれいな字を書くことも書体を変更すれば可能です。そのせいか、書道というものが隅においやられているような気がします。墨だけに、ですな。ですから、書道だって大事なのですよ、ということを今日お伝えしたいと思うのです。

 毎年書くであろう年賀状。今は年賀状のソフトが販売され自分の家でもハイクオリティなものを作れるようになり、宛名を一旦打ち込めば毎年それを印刷してくれ忙しい奥様でもたくさんの方に新年のご挨拶ができるというスグレモノ。しかし頂いた年賀状をずらりと並べてみてください。手書きで書かれたものについつい目がいきませんか。もう一度手に取ってみたくなりませんか。そういうことです。普段の文章作成ならともかく、人の心をこめる年賀状でのパソコン打ちはいささか無粋ではないでしょうか。

 お祝儀などで名前を書くとき。大体の方は筆ペンで書くと思われますが筆ペンは書道で使う筆に一番近い形といえます。そういった袋は冠婚葬祭、厳粛な場面ばかりです。そんな場面で字が汚くてはかっこうがつきませんね。書道を学んで、せめて自分の名前くらい立派に書いておけるほうがいいですよね。

 そして履歴書。学校や会社など失敗が許されない場面での、重要書類です。しかし、履歴書は残念ながら書類であるにも関わらず手書きで書かなければいけません。これはどれほど字がきれいか、ではなく丁寧か、が勝負なわけですがきれいな方がいいに決まっていますし、その方が自信を持って記入することができますよね。

 小学生なら皆が受ける習字の時間。書道教室に通っている子だけではありませんよ。みんなに学ぶ機会があるのです。準備、片付け全て含めるとゆっくり書ける時間なんてほんの少しでしょうが、大切に書について学んでくださいね。

5年生物語文

5年生物語文 「鬼」 91444

 むかし、とても幅は広くて流れが激しいために、そこに架けられた橋はどれも長持ちできないという川がありました。その近くに住む村人たちは、橋がないためにとても苦労していました。川を横切ることや市場に行くことができなかったのです。また、川の向こう側にいる友だちを訪ねていくこともできませんでした。そこで、村人たちは丈夫で新しい橋を架けてくれるように、ある大工に頼みました。その大工は、最高の橋を作る人として知られていました。村人たちからの使者が大工のところにやってきて話を伝えると、大工は村人たちが求める橋を架けることができると自信をもって言いました。しかし、大工が村にやってきて川のそばに立ったとき、大工は一気に自信がなくなりました。その川はとても幅が広くて流れが激しすぎたのです。

 大工が呆然と川を見ていると、急に、大きな鬼が川の中から現れました。「おい、大工よ。」と鬼が叫びました。「何がほしいのだ?」と鬼は大工に尋ねました。「私はこの川に橋を架けたいのです」と大工は丁重に言いました。その鬼は皮と同じように、とても荒々しく見えました。「お前がどれほど利口なのかは知らないが、この川に橋を架けることはできない。」と鬼が言いました。「しかし、わしが川に橋を架けてやろう。お前がわしに目をくれるならな!」大工はとても驚いて、何を言えばいいのかわからなかったので、何も言わずに黙っていました。大工はすぐに振り返り、家まで走って帰りました。

 しかし、その翌日に大工が川へ行くと、きれいな新しい橋がすでに半分できあがっていました。それを見た大工はとても驚きました。そしてその日の後、大工が川へ行ったとき、「おやまあ!鬼はもう橋を架けてしまった!これは私がこれまで見た中で一番きれいで丈夫な橋だ」と言いました。大工が橋を見ていると、川が再び泡だって、川の中から鬼が現れました。「お前の橋を架けてやったぞ。」と鬼が叫びました。「今度はお前の目をよこせ!」「私は目を差し上げるという約束はしていません。代わりに、何かあなたにあげられるものはありますか?」と大工は鬼に尋ねました。鬼は一生懸命考えて、「もし1週間以内にお前が私の名前を言い当てることができたら、お前の目はあきらめよう。」と答えました。

 大工はどうやって鬼の名前を知ればよいのか分かりませんでした。彼はなんとかして鬼の名前を知ろうと、山へ走っていき、風の音を聞きました。野原を歩いて、水の音を聞きました。優しい風のところにいって、木々の声を聞きました。すると、木々の声は、歌っているように聞こえました。大工が耳をすませてその歌を聞きました。「鬼六、鬼六、なんてこわい。鬼六は目を持っていっちゃう。」そして、その奇妙な歌声はやみました。大工は「鬼六だ!」と叫んで、「目を持っていってしまう。鬼六はきっと鬼の名前に違いない!」と言い、走って家に帰りました。「初めて鬼に会ったときからあまりよく眠れなかったけれど、今夜はよく眠れるぞ。」と彼は思いました。

 翌朝、大工はすぐに川に向かいました。鬼はすでに大工を待っていました。「目をよこせ!」と鬼はさけびました。大工は大きな声で、「目は渡しません。私はあなたの名前を言い当てることができます!」と言いました。鬼は「そんなことは絶対にできない。」と笑いながらいいました。大工はさっきよりもさらに大きな声をだして、「あなたの名前は、鬼六だ!」と叫びました。鬼は笑うのをやめて、びっくりしたような顔をして、そのまま川のなかに姿を消してしまいました。すぐに、川と橋しか見えなくなり、大工は川際に座り、にっこりとほほえみながら橋を眺めました。

5年生物語文 「あめ玉とさむらい」 112710

ある春のあたたかい日のことでした。渡し舟に二人の小さな子供をのせた女の旅人とさむらいが乗りました。

舟は出ました。ぽかぽかあたたかいのでさむらいはいねむりを始めました。強そうで怖そうなさむらいがこっくりこっくりするので子どもたちはおかしくなって笑い出しました。それを見てお母さんは口に指を当てて、「だまっておいで。」と言いました。さむらいが怒ると大変だからです。こどもたちはだまりました。

しばらくすると、二人の子どもたちが、「母ちゃん、あめ玉ちょうだい。」と言い出しました。しかしお母さんは一つしかあめ玉を持っていません。二人の子どもたちは「あたしにちょうだい。」とだだをこね、ゆずりません。お母さんは困ってしまいました。

その時、お母さんは、いねむりをしていたさむらいが目をぱっちりと開いて、子どもたちを見ているのに気が付きました。お母さんは、このさむらいさんはいねむりをじゃまされて怒っているに違いない、と思い怖くなりました。「おとなしくしていなさい。」と子どもたちをなだめました。しかし、それでも子どもたちはせがむのをやめませんでした。すると、さむらいが刀をすらりとぬいて、お母さんと子どもたちの前にやってきました。お母さんは真っ青になって、子どもたちを抱きかかえ、泣きながら「うるさくしてすいませんでした。」と言いました。いねむりをじゃましたので、子どもたちが切られてしまうと思ったのです。

「あめ玉を出せ。」とさむらいは言いました。お母さんはおそるおそるあめ玉を差し出しました。さむらいは舟に置くとそれを刀で二つにわり、二人の子どもたちに分けてやりました。それからまたいねむりを始めました。

5年生物語文 「てるおの恐怖体験」 113103

「こらーっ!」
斉藤家の問題児てるおはまたお母さんに叱られていました。てるおはとてもやんちゃな小学校5年生です。いつもいつもお母さんに叱られ、かといって反省もせずお母さんの言う事をまったく聞きませんでした。家の手伝いもせず。宿題もせず、家の中ではゲーム、外では大好きなサッカーをしてるばっかりでした。そんなてるおは学校でもやんちゃばっかりして、先生の言う事を聞かず、授業中でもうるさくして紙飛行機とばしたり、前の席の子にちょっかいかけたりしていました。家でも学校でも大人たちに迷惑ばっかりかけている男の子なのです。

そんなてるおはともだち何人かと一緒に放課後サッカーをしていました。てるおはサッカーが上手く、何人ものDFをすいすい抜いていき、そしてシュートを決めました。「よっしゃー!こんなの楽勝楽勝!」そういってサッカーを続けていると「いたっ!いたたたた。」てるおが転んでしまいました。「どうしたの?てるおくん。だいじょうぶ?」心配をして友達が寄ってきてくれました。「すこし膝をすりむいちゃったみたい。血がでちゃった。保健室いってくる。」そう言っててるおは保健室に行きました。「先生。サッカーしてたら転んじゃった。消毒してよ。」「・・・。」保健室の先生の反応はなぜかありませんでした。「先生!聞こえてる?」「・・・。」てるおの声を無視しているのか聞こえてないだけなのか、先生は無反応でてるおに背を向けていすにすわって机で何か書いてるだけでした。「もういいよ!帰っておかあさんにしてもらうし!」てるおは少し怒って保健室を飛び出し、家に帰りました。

「ただいまー!」家に帰るとお母さんは壁沿いのキッチンで野菜を切っていました。「お母さん!学校で遊んでて膝すりむいちゃったんだ。消毒してよ。」「・・・。」お母さんも無反応でした。「お母さん聞いてる?消毒してって。」「・・・。」お母さんにもてるおの声は届かず、お母さんはひたすら野菜を切ってるだけでした。「なんで、みんな無視すんの!?もういいよ!」そういっててるおは自分の部屋にいってベッドにもぐりこみました。「なんでだろう、なんで保健室の先生もお母さんもむしするのだろう。ぼくなんかした?なんで
?なんでだろう。」そうこう考えているうちにてるおは深い眠りにつきました。

「うわっ!遅刻!」いつの間にか朝を迎えていました。てるおが起きるともう9時をまわってたのです。すぐに着替えてリビングにいきました。リビングにはお母さんはいませんでした。きっと買い物にでもいっているのだろう、そう思ったてるおは昨晩から何も食べえていなかったので棚からパンを取って、食べながらダッシュで学校に向かいました。そして教室に飛びいりました。「先生、寝坊しちゃっ、、、」教室を見渡すと生徒、友達誰一人いません。ただ先生一人が黒板に向かって今日習うであろう漢字を黒板に書いていました。「先生!なんでみんないないの?今日お休み?でもせんせい一人で授業してるよね。」「・・・。」先生は無反応でした。「先生!ねえ聞いてる?なんでみんな昨日から無視してくるんだよ。先生!」てるおは叫びました。てるおは無視されるのがいやでいやでたまらなく、ただただ怒りのボルテージがあがっていきました。そして先生のもとにかけより、背中を殴りました。「おい!聞けよ!ふざけんじゃねえよ、漢字かいてねえでこっちむけよ!」すると、先生は書くのをピタリとやめ、チョークを黒板の下のところに置きました。「てるおくん。てるおくんって普段ぼくの言うこと聞いてくれてるかなあ。」「えっ!?」てるおは突然の返しに驚きました。確かにこれまでを振り返ってみるとてるおは先生の言うことをいつも聞かず、好き放題やりたい放題していました。学校の先生に限らず、家でもお母さんの言うことは聞く耳をもちませんでした。いつも自由奔放にして人のことなど考えずに自分のことだけしか考えていませんでした。「あ、、、、その、、、確かにいつも無視して聞いてませんでした。」「だよねー。なのになんでてるおくんの言うこと先生たちは聞かないといけないのかな!」そう大声をだして先生はてるおくんの方に振り返りました。「ひやーーーー!」てるおくんは腰を抜かし、地面に座り込んでしまいました。なんと先生の顔がのっぺらぼうなのです!「先生?いや先生じゃないよね・・・」「いつもいつもゆうこと静かにしてくれないし紙飛行機であそんでるし、他の子たちも迷惑がってるよ。」「ご、ごめんなさい、、、、もうしません。ちゃんと先生の言うことを聞きます、、、だから許してください。」そういってせまりくるのっぺらぼう先生から逃げようと後ずさりをしていると後ろで何かに当たりました。振り返るとそこにいたのは、、、「ぎゃーーー!」なんとのっぺらぼうお母さんとのっぺらぼう保健室の先生でした。「いつもいつも言うこと聞かないよねーあんた。いつもいつもいつも!なのに昨日は消毒しろって命令してきやがって。いい加減にしないとどうなってもしらないよ。」そういってのっぺらぼうお母さんとのっぺらぼう保健室の先生もてるおにおそってきました。「いやだーー!ごめんなさいーーー!」

「うわっ!」てるおはベッドから飛び起きました。「えっ?夢?」汗びっしょりなったてるおは急いで階段をかけおりリビングにいきました。「お母さん!!」てるおは必死に願いました。夢でありますように。「なに?てるお、朝から騒がしいわね。速く用意しないと遅刻するわよ。」お母さんの顔はあののっぺらぼうではなくいつものお母さんに戻っていました。てるおは怖さを思い出し、涙がでてきました。「てるお何泣いてんの!」「おかあさん、、、いつも言うこと聞かなくてごめんなさい。これからはいい子になります。」てるおはお母さんに抱きついて泣きじゃくりながら必死で謝りました。「てるおー何いってるのいまさら、急に。てるおらしくないわね。ご飯できてるわよ。はやくご飯食べなさい。」「うん!」てるおはあれが現実ではなく夢であったことが嬉しくて嬉しくてご飯をたくさん食べました。それから学校いくとやはり保健室のせんせいも担任の先生ももとの顔に戻っていました。「あー良かった。やっぱり夢だったんだ。」てるおはこれを気に人に言われたことはちゃんと聞こうと心がけました。「先生!おはよう!」「あら、てるお。おはよう!てるおが挨拶なんてめずらしいね。」てるおは嬉しくてルンルン気分ですれ違い際に担任の先生に挨拶をしました。担任の先生はてるおとすれ違ったあと少しニヤリとしました。さて、あれはほんとうに夢だったのでしょうか。

5年生物語文 「ももたろうの裏話(鬼目線)」 113119

僕の名前は鬼太郎。
最近妙な噂がたっている。
何たってこの僕が街で暴れて宝を盗んでいるらしい。
僕はただただ頑張って働いてお金をもらって貯めているだけなのに。
おそらくそこらへんの輩が僕の宝を目当てに変な言いぐさをつけているのだろう。
おかしな話だ。
誰にも宝は渡さない。
これは僕が貯めた宝なんだから。

しかし、ついこの間僕は寝込みを襲われた。
寝ていると枕元でササッという物音が聞こえた。
そっと目を開けてそっちをみてみるとなんと着物を来た人間と犬が宝をあさっているではないか。
僕は許せなくて
「こらーーー!」
と大声を出して追い返してやった。

その次の日今度は「犬猿宅配」とやらの宅配便が届いた。
犬と猿と人間が宅配便の格好をしてうちにやってきた。
お茶でも出してあげようと居間から離れたすきに宝の一部を盗まれた。
なんてことだ。
僕の努力の結晶の一部を盗むなんて許せない。
あいつらを探してやる。
そう思って村におりたらなんと村人全員が逃げ惑いそれどころではなくなってしまい家に帰った。
するとその日の夜、矢文でこんな文書が届いた。
「村を荒らす鬼め!必ず退治してやる! 桃太郎より」
なにをふざけたことを。
お前たちの方が鬼のくせに。

そして、その次の日の夕方。
案の定桃太郎と犬、猿、雉がやってきた。
増えてるじゃないか。
宝のほしさのあまり数で勝負しに来たな。
のぞむところだ!




「ぐふぅ!」
バタッ!

「はっはっはっ!鬼退治は成功だーーー!」
「やったーーー!」

僕は4対1のなか必死に戦ったが負けてしまった。
僕が頑張って集めた宝はすべて盗まれてしまった。
そして、村をのぞいてみるとあいつらが英雄扱いされてるじゃないか。
なんてことだ。
あんな大悪党を英雄化してしまうなんて…
この世はどうなってしまったんだろう…

5年生物語文 「無題」 113604

明日は遠足です。サツキはてるてるぼうずをたくさん作ってのき先につるしています。今はザーザーとはげしく雨が降っています。
「雨なんていらないのに。明日は晴れますように・・・」

それを聞いていたお父さんが言いました。
「雨は大事なんだよ。雨が降らなければ草や木は枯れてしまうし、動物も飲み水に困ってしまう。」

そして、おばあちゃんはこんな話をしてくれました。
「空の上には雲の神様がいて、水が足りなくなってきたら雲をちぎって雨や雪を降らすんだよ。どんな大変な雨でも、誰かにとっては必要なものなの。」

ニュースでは、
「久しぶりに雨が降り、干上がりそうだった池や川の水位がもどりました。」
と言っています。

「雨って大切なんだね」
サツキは少しびっくりしました。そして、明日の遠足が終わったらすぐにてるてるぼうずは外そうと思いました。

5年生物語文 「レモン」 113803

 桜は、小学2年生のとき、果物屋をしている僕の家の2つ隣に、引っ越してきた。桜は、言葉を持っていなかった。クラスのみんなは、「桜ちゃんは変な子。」と言って、桜と遊ぼうとしなかった。僕だって、桜の声を聴いたことはなかった。

 毎日、放課後になると、僕は勇太や猛と一緒にドッジボールをして遊んだ。下校時間になって、3人で帰ったら、僕は家のレモンを2つ持って、2つ隣の家に向かう。チャイムを押さなくても、僕が家の下に着くか着かないかってときに、桜は2階の窓からひょっこり顔を出す。きっと、桜は言葉を話さない分、テレパシーみたいなものを持ってるんだ。桜が玄関の戸を開けに来て、二人で桜の部屋に行く。2人でいるところを、勇太や、クラスの友達に見られたくなかった。そんなこと、桜には言えないけれど。桜の部屋で、いつものように僕は桜にレモンを1つ手渡す。そして、桜が台所から持ってきた砂糖をかけて、2人でレモンをかじるんだ。レモンは、すごくすっぱい。口の中がきゅうっとして、僕は思わず目をつぶる。そして、目をそっと開けると、同じように目をつぶって口をすぼめながら笑う桜がいた。僕は、その桜の顔が一番好きだった。

 今日も僕は、桜の家に向かっていた。いつものようにレモンをかじって、二人ですっぱい顔をして笑っていた。僕はふと、今まで気になっていたことを話した。
「桜はどうして、言葉を話さないの?」
桜は、黙ってしまった。いや、いつも黙ってるんだけど、なんて言うのかなあ。桜は、黙ってしまったんだ。しばらくして、桜はドアの方を指さした。僕はなんだかカチンと来て、黙って部屋を出て行った。

 あれから1週間、僕は一度も桜の家に行かなかった。こんなこと、桜があの家に引っ越してきてから、一度もなかった。僕はみんなに最近変だよって言われた。いつもはキャッチ出来てたはずの勇太のボールを取り損ねてアウトになったし、いつもなら答えられてたはずの算数の問題も、わからなかった。僕は意を決して、桜の家に向かった。でも、家の下に着いても、桜は顔を出さなかった。僕はチャイムを押す勇気もなくて、結局家に帰ってしまった。

  桜に会ったのは、あの日が最後だった。桜の家族は、遠くに引っ越したことをお母さんから聞いた。桜が、僕に言わないでとお願いしたらしい。その時の僕は、桜が怒っているから、そんなことを言ったんだと思った。そして、すごく悲しかった。1年経った今でも、レモンの香りがすると、桜のことを思い出す。あのころの僕にはわからなかったことが、今ならわかる気がする。今日も僕は、勇太や猛とドッジボールをしに、公園へ向かった。

5年生物語文 「夢をもつこと」 122016

 「はぁ。」
夕日がきれいに映える放課後、大きなため息をつきながら浮かない顔で帰宅しているのは、小学五年生の有紀です。今日は水曜日、いつもなら学校が終わるとすぐに教室を飛び出し、階段を駆けおり、ピアノ教室へむかっているはずです。しかし今日はピアノ教室にはいきません。正確に言うと行くことができないのです。

 有紀には小さなころからの大きな夢があります。それはピアニストになることです。有紀は三歳のころからピアノに触れ、毎日のようにピアノを弾いてきました。ピアノが大好きなのです。というのも、有紀の父は有名なピアニストだったからです。有紀は父が大好きだったし、何より父の弾くピアノの音、メロディ、リズム感、すべてが大好きでした。
しかし有紀が小学一年生の頃、父は亡くなってしまいました。理由は、毎日ピアノの講演会や、生徒たちに教えるためのレッスンなど、休む間なく働き続けたために起きた過労死でした。父の死は有紀にとってすごくショックな出来事でしたが、母もまた有紀と同じくらい大きな衝撃を受けました。
母は有紀がピアニストになりたいと思っていることは知っていましたが、もし有紀がピアニストになれても同じような死を迎えてしまうのではないか、そう思わずにはいられませんでした。そして有紀と、小学六年生になったらピアノをやめるよう約束しました。有紀は、父のためにもずっとピアノを続けたいと思っていましたが、本当の気持ちをいうことができず、この約束をしてしまいました。それに、父の死で傷ついた母をこれ以上悩ませてはいけないと思ったからです。

 しかし実際にピアノ教室に通えない日を迎えると、もう溜息しか出ません。とぼとぼと歩いていました。その帰り道、いつも通りかかる公園で、鉄棒を手すりにして歩く練習をしている男の人に会いました。そばには車いすが置いてあります。
「あっ!」
その人がこけそうになり、有紀は思わず駆け寄りました。
「大丈夫ですか。」
と声をかけると、
「ありがとう。ここで歩く練習をしてるんだ。」
と答えました。詳しい話を聞くと、その人は一か月前に交通事故に遭い、歩くことができなくなってしまい、医師にも歩くことができても運動をすることはもうできないだろうと言われたそうです。しかしその人にはサッカー選手になりたいという夢があり、今でもあきらめていないと言います。
「夢っていうのは自分次第なんだ。僕があきらめたらその瞬間に夢は消えてなくなってしまうんだ。だから僕は絶対にあきらめない。」
そう言い、男の人は歩く練習を再開しました。その言葉は有紀の胸に強く響きました。
「私も諦めない!ありがとう。」
その人に勇気づけられた気がしました。家へ向かう有紀の顔は、男の人に出会う前とは全く違う表情をしています。夢をあきらめないことの大切さを知り、母に自分の本当の気持ちを伝える決心をしました。

 家に帰ると、母は台所で夕食をつくっていました。
「お母さん、話があるの。」
そう言うと母は、これから有紀が何を言おうとしているのかをわかっているかのような落ち着いた声で
「わかったわ。」
と言い、有紀のそばに座りました。
「お母さん、私、やっぱりピアノを続けたい!お母さんがお父さんのことでつらかったのはすごくわかる。お母さんにこれ以上つらい思いをさせないように諦めようと思った。でもやっぱりピアニストになりたいっていう夢は捨てきれないの。ピアノが好きだから。お父さんがそうしていたように、お母さんをピアノで元気づけたいの。お父さんのためにも、お母さんのためにも、自分の夢のためにも、ピアノを続けたい。」
少し時間を空けてから、母はゆっくり口を開きました。
「有紀、あなたが自分の想いを伝えてくれたのは初めてね。ごめんね、つらい思いをさせて。お母さん本当は有紀がピアノをやめたくなかったこと、わっかてたの。いつか、自分の口からそう言ってくれるのを待ってた。お父さんも、有紀にピアノを続けてほしいと思っているはず。また、素敵な音を聴かせてね。」
「お母さん、、、」

 この日から有紀はまたピアノを弾き続け、前よりももっとピアノが大好きになりました。ピアノを弾く時はいつもお父さんとお母さんの顔を思い浮かべます。人のために奏でる音には、今までとは違う深みが出ます。今の有紀のピアノの音には、たくさんの思いが詰まっています。有紀はこれからもピアノを弾き続けます。大きなステージでピアノを弾く姿を思い浮かべながら、、、。

5年生物語文 「キャプテンの責任」 122036

 梨乃は小学5年生です。ミニバスケットボールチームに入っています。梨乃はバスケが大好きです。小さなころからずっと練習してきたので、チームの中では一番上手です。
 梨乃の一つ上の先輩は、いつも後輩に厳しい言葉をかけました。
「ジャージはちゃんとたたんで置かないと、ちらかるでしょ」
「ボールちゃんと準備しとかないとダメだよ」
「ほかの学校の先生にもちゃんとあいさつしなきゃ」
誰にも言いませんでしたが、梨乃は、先輩たちのことをうっとおしいなと思っていました。それはきっと梨乃だけでなく、梨乃の学年の女の子たちみんなそう思っていたのでしょう。夏の大会が終わって先輩たちが引退し、梨乃が新しいキャプテンになったとき、帰り道にスポーツドリンクでかんぱいをしました。
「やっと自由にできるね!」
一人が言うと、周りはみなうなずきました。
「これからは、かたいルールはやめちゃおうね」
「うん!梨乃キャプテン期待してる!」
梨乃はちょっと恥ずかしくて、「やめてよー」と笑いました。

 梨乃がキャプテンになって一週間がたったころ、少しずつクラブの様子が変わってきました。
はじめに、いつも使っている体育館の床がすべりやすくなってきたのです。練習中に強く踏み込んだ梨乃はすべってこけてしまいました。
「梨乃!大丈夫?」
「うん、大丈夫。ありがとう。」
梨乃は床を見つめました。そういや最近、ちゃんと雑巾がけしてないな。モップがけも適当にやって終わらせてたし・・・。
梨乃は、掃除だけはちゃんとしたほうがいいかなと思いました。最近、みんなが着替えた後の更衣室もちらかっていて、だれかの服をふまずに外に出ることが難しくなっていました。

 変わったのは床や更衣室だけではありません。みんなは気づいていないようですが、チーム全体の体力が落ちているのです。
みんなの持久走のタイムを記録するのはキャプテンの仕事だったので、梨乃はチームの体力の変化にいち早く気づきました。
「もしかして、みんなが嫌がるランニングを短めに切り上げてるからかなあ」
梨乃はこの日、このままではいけないと気づきました。練習場がすこしずつ使いにくくなり、体力が落ちているとなると、梨乃のチームはどんどん弱くなってしまいます。
「今まで先輩たちが厳しかったのは、いばっていたのではなくチームを強くするのに必要なことだったんだ。」
梨乃はこれを伝えるために、メンバーを集めました。

 「みんな聞いて。これからの練習は1つ上の先輩がいたときと同じレベルに戻そうと思うの」
当然、それを聞いたメンバーは大反対です。
「なんで?せっかく楽になったのに、なんでわざわざしんどい方に戻すの?」
「梨乃は味方だと思ってたのに!キャプテンになって、敵になったみたいだね。」
みんな好き勝手にものを言います。梨乃はちょっと歯がゆい気持ちでした。
「今の状況見て、ほんとうにこれでいいと思う?ちらかって、体力も落ちて、先生にあいさつも気がゆるんできてない?これじゃ練習ちゃんと出来ないよ、強くなれない。」
梨乃は話しているうちに、涙がこぼれそうになっていました。
「正直に言うとね、私も今まで細かいことは気にしなくていいと思ってたよ。でも練習も、礼儀も、ちゃんと意味があるから先輩はやれって言ってたんだよ。やっぱり守ろうよ。私たちの代で、チームの力落としたくないよ。」
最後の方はだいぶ声が小さくなってしまっていましたが、それでも梨乃の想いはチーム全員に届きました。

 次の日から、体育館の掃除がはじめられました。
みんなが嫌がっていた雑巾がけも、更衣室の整理整とんも、今日はみんな自分からすすんでやっています。
 こうして、梨乃が率いる新しいチームは、悩みを乗り越えて団結しました。近所にはいろいろなチームがあるけれど、梨乃のところよりもみんなが一つになって戦うところはないそうです。

5年生物語文 「漁師の息子」 122040

 航太は漁師の息子として生まれました。父親は、航太が生まれてすぐに病気で亡くなっので、漁師の息子といっても、航太は母親に育てられました。
 航太は十歳の時に初めて漁船に乗り、海に出ました。祖父と一緒でした。祖父はその日から毎日のように航太を漁に連れて行きましたが、航太にとっては辛い日々でした。「何やってるんだ!もっと網を引け、魚に逃げられっちまうぞ!」と祖父は航太をいつも怒鳴りつけます。あまりの辛さに何度も泣いて、漁に行くことをやめようとしましたが、そんな時は母親が「父さんは強い人だった。お前も父さんみたいに一人前の漁師になってくれ。」と言うので、再び漁に行きました。

 漁にも慣れてきたある日、祖父が入院しました。祖父が居なければ、航太は漁に出られないので、それから一週間ぐらい航太は漁船に乗りませんでした。そんな時、母親が航太に「じいちゃんと父さんはこの町一番の漁師だった。いつも大物を釣り上げてきてな、みんなを驚かした。二人の夢は大きいカジキを釣ることだったから、父さんが死んだ後、じいちゃんはがっかりしてたよ。最近は航太とカジキを釣るとも言ってたが、もう年だし入院してしまっては無理かもね•••。」これを聞いた航太は祖父の厳しさの裏に隠された願いが分かった気がしました、そしてしばらく考えてから「僕、一人でカジキを釣るよ。隣のおじさんの船に乗せてもらう。」と言いました。
 次の日から、隣のおじさんに頼んで一緒に漁に連れていってもらいました。しかし、簡単にカジキは釣れません。それでも航太は諦めません。今はもう弱い泣き虫航太では無いのです。祖父の厳しい教えのおかげで、我慢強くなったのです。

 航太が一人で漁に行き始めてから一年が経ちました。祖父はまだ入院しています。いつものように航太は漁に出ました。しかし、今日は魚が一匹も釣れません。諦めて港に帰ろうとすると、航太の釣り竿の糸がピンと張りました。何か魚がかかったのです。竿を握る航太はいつもとは明らかに違う感触を感じました。魚の様子を見ながら、糸を巻いて行くのですが、今回はなかなか釣れません。魚の力も強く何度逃げられそうになります。竿を持つ航太の手はあまりの緊張に震え始めました。そんな時、航太の頭に祖父の「慌てるな、じっくり待て。」という言葉浮かんできました。「そうだ落ち着かないと。」と航太は自分に何度も言い聞かせました。
 竿に魚が掛かってから数時間後、航太の体力も限界に差し掛かった頃、魚の頭が海面に見えてきました。「カジキだ!」航太は叫んで、最後の力を振り絞って、糸を巻き上げました。この町で誰も見たことが無いような大きなカジキが船の上に揚がりました。喜ぶ間もなく、急いで港に帰ります。
 港では、帰りの遅い航太の乗った船を心配した人達が集まっていました。航太の船が到着すると、みんなが寄ってきて、大きなカジキを目にしました。「で、でけぇカジキだ•••」「航太すげぇぞ!」とどこからともなく聞こえてきます。

航太は港に水揚げされた魚を入院している祖父に見せにいきました。カジキを見た祖父は泣き出しました「航太ありがとう。わしとお前の父さんの夢を航太が叶えてくれてうれしいよ。」航太も思わず泣いてしまいました。航太は「じいちゃんが厳しくしてくれたから、負けずに頑張れたんだ。ありがとう。」と言いました。病室はしばらく泣き声で溢れました。

入院していた祖父も奇跡的に体力を回復し、今は、誰もが認める一人前の漁師になった航太と毎日漁に出ています。航太には辛い日々もありましたが、今は、漁師の息子であることを誇りに思っています。

5年生物語文 「デート」 122301

ゆことたいしは幼馴染で、よく一緒に遊びます。そんな二人は、今日は海遊館に遊びにいく約束をしています。

今日は実はバレンタインデー、ゆこはたいしのためにチョコを作ってきました。あと一時間で二人で海遊館にいきます。

待ち合わせの時間になり、二人と時間にぴったりにきました。
さあ、海遊館に出発です。

海遊館の中にはカップルがいっぱいで、二人もいい雰囲気になりました。帰る間際、ゆこはたいしにチョコをわたし、好きだという気持ちを伝えました。

実は両思いで、二人とも幸せな気分になりました。

5年生物語文 「クッキー」 122303

ゆみは、お母さんと親戚の家に来ていた。
「ゆみちゃん、おばさんの作ったクッキー食べるかい?」
そう言って、さちおばさんがゆみの大好きなアップルジュースとクッキーを持ってやって来た。
「すごくおいしい!」
ゆみはクッキーを食べながら、さちおばさんに言った。
「ありがとう」
さちおばさんは答えた。
「いつからこんなにおいしいクッキーが作れるようになったの?」
ゆみは言った。
さちおばさんは少し驚いた。そして、ゆっくりと言った。
「ゆみちゃんに聞いてほしいお話があるの」

「昔々、ある女の子がいました。その女の子は大学に通っていました。本がとても大好きで、授業が終わると、学校の図書館で本を読んでいました。」
さちおばさんは語り始めた。ゆみはじっと聞いていた。
「そこで女の子は、ある男の子と知り合いました。その男の子は彼女よりも2つ年上で、彼女と同じぐらい本が大好きでした。ふたりはすぐに仲良くなりました。」

「それでそれで?」
ゆみは言った。
「それでね…」
さちおばさんは再び話し始めた。
「ある日、女の子はクッキーを焼いて彼に渡そうと思いました。しかし、何度ためしてもうまく焼けませんでした。彼女はこんな失敗作を彼に見られたら恥ずかしいと思いました。その日、彼女は約束を破って、男の子に会いに行きませんでした。」

「えー、どうなったの?」
ゆみは言った。
さちおばさんは静かに続けた。
「女の子は約束を破ったことを申し訳ないと思いましたが、なんだか気まずくて図書館に行かなくなりました。それから時間は経ち、男の子が大学を卒業し、2年後、女の子も卒業しました。彼らは二度再び会うことはありませんでした。」
ゆみはしばらく黙っていた。それに気を使ったさちおばさんは、
「変な話をしてごめんね。もう忘れておくれ。」
と言った。
「さちおばさん」
すると突然、ゆみが言った。
「このお話の続き知ってる?」

「大学卒業後、女の子は本屋で働いていました。やっぱり本が好きだったからです。それから数年後、ある男のお客さんがやってきました。そのお客さんは、本を1冊手に取り、レジに並びました。『お待ちのお客様、こちらのレジへどうぞ』彼女はそのお客さんに言いました。するとそのお客さんは彼女のもとへ行き、こう言いました。『クッキーまだくれないの?』彼女は驚きました。そのお客さんは、あの男の子だったのです。そして彼は言いました。『一緒に作ろうよ』彼の手にはクッキーの写真が載った本がありました。」
ゆみはにっこり笑って、そう言った。さちおばさんは目を大きくしてその話を聞いていた。それからにっこり微笑んで、クッキーを食べた。
「ありがとう、ゆみちゃん」
さちおばさんは優しくゆみの頭を撫でて、そう言った。

5年生物語文 「誓った日」 122305

8月6日、私は広島のおばあちゃんの家に疎開していた。とても暑い日だった。

その日も早く学校にいき、ゆきちゃんと校庭で遊ぶ約束をしていた。ゆきちゃんは先についていて、「ともちゃんこっちー」と私を呼んだ。2人で泥だんごを作っていた。「みて、きれいにできた。ぴかぴかだよ。」「ゆきのほうが大きいしきれいだもん。」「みせてよ。」ゆきちゃんは泥だんごを私に手渡した。私は、それを落としてしまった。

悪いことをした、と思った。でもとっさに謝れなかったのだ。「ほら、落ちたらすぐにくずれちゃったじゃない。私のだんごのほうが丈夫だし、きれいわ。」ゆきちゃんは泣いてしまった。しかし、謝るタイミングをのがして、謝りづらくなってしまって、ゆきちゃんのすすり泣く声だけが響いていた。

チャイムがなった。私達は無言で校舎へと歩いていた。内心、仲直りしたい、謝りたい、という気持ちがあったが、なぜか謝れなかった。もう少しで校舎につく、そんなときだった。いきなり目の前すべてが真っ白になった。いきなり別の世界へ飛んでしまったのかと感じた。しばらくして、身体中の痛みに気づいた。後ろを振り向くと、ゆきちゃんが倒れていた。なんとかかけよった。「ゆきちゃん、ゆきちゃん!」全く反応がない。涙が止まらなかった。そこから後のことはよく覚えていない。

今でも思い出す。なぜあの時、素直に謝ることができなかったのか。生きている、一瞬一瞬を大切にいきていこうと、誓った。

5年生物語文 「消しゴムかいに」 122307

一九七三年のことである。小学五年生のリサは、病気で寝ている母親から十円もらって、駅前通りの潮文堂へ消しゴムを買いにきた。

ちょうど店は新学期の売り出しで、子供の客で賑わっていた。見ていると、高学年の生徒で十円の消しゴムを買う者はほとんど一人もいなかった。みんな三十円、四十円のを買っていく。今度小学校へ入学する子供でさえ、連れの母親にゴムの匂いのするのを買ってもらったりする。リサは、くさった。リサの家は貧しく、三十円の消しゴムを買う余裕などなかった。なにさ、一年坊主のくせに。一年坊主はハッカ入りのガムでたくさんなのだ。そう思うと、ますますその十円のを自分で買うのはいやになる。

ぐずくずしていると、同級生の女の子がひとり、ひょっこり店にやってきた。「なに買いに?」と聞かれて、リサはうっかり、「消しゴム買いに。」と正直に答えてしまった。「おらも。」と相手はいって、「どれにしようかな…これにしよ。」リサは、もしも相手が十円のを選んだら、自分も「付き合うわ。」といっておなじものを買おうと思っていたのだが、空いてが選んだのは四十円の、尻に刷毛のついた上等のだった。「リサは?どれにする?」「おらはもう、買ったから。」リサはあわててそういった。きょうはもう、このまま買わずに帰ろうと思った。相手は金を払ってもどってきた。「まだなんか買うものある?」「おらは、なんも。」とリサはいった。「じゃ、一緒に帰るべ。」二人は潮文堂の店を出た。

途中で相手と別れてひとりになると、リサは舌打ちして、やれやれと思った。たまには自分も人並みに駅前通りで買い物をしてみたいと思ったのだが、やはりあんなお上品な店は性に合わない。リサは、歩きながらズボンのポケットに手をいれてみた。潮文堂ではとうとう出しかねた十円玉を、なんとはなしにちょっとにぎってみたかったからである。ところが、十円玉より先に、なにやら覚えのないものが指先に触れた。なんだろう。妙なものが入っている。そう思いながら取り出してみると、それは真新しい消しゴムだった。リサはびっくりして立ち止まってしまった。これはどうしたことだろう。白くて、柔らかそうな肌をした、いかにも消しゴムらしい消しゴムであった。リサにはなじみのない上等品だったが、それにもかかわらずリサはその消しゴムに見覚えがあった。ついさっきまで、潮文堂で何度も手にとって見た五十円の消しゴムに違いなかった。けれども、それがどうしてポケットに入っていたのだろう。もちろん、買った覚えはないし、十円玉一つで買えるわけもなかった。実際、十円玉はちゃんとポケットの底に残っていた。それなら、潮文堂の品物がどうしてポケットに入っていたのだろうか。リサは、あわてて消しゴムをにぎりしめると、その手をズボンのポケットにかくして、そっとあたりを見回した。自分が知らず識らずのうちに盗みをしていたということに、そのとき初めて気がついたからである。リサは、潮文堂にいる間、盗みなどする気はさらさらなかった。けれども、消しゴムが自力でポケットにもぐりこんだりするはずがない。なにかの拍子に、おそらくよその客の気前の良さに気を取られているうちに、うっかりそれを自分のポケットにいれてしまったのだと思わないわけにはいかなかった。盗みをする気がなかったとしても、金を払わずにだまって店のものを持ち出したのだから、盗みとおなじことをしたことになる。リサは体が震えてきた。

潮文堂へ返しに行こうか。正直にわけを話して謝ればいい。そう思ったが、勇気がでなくてぐずくずしたいるうちに、三日も四日もたってしまった。消しゴムは結局リサの手元に残ったが、盗んだものはとても使う気持ちになれなかった。それかといって、一思いに捨ててしまうこともできなくて、リサは仕方なく、千代紙を貼った小箱にいれて網小屋の棚に隠しておいた。その小箱は、将来何か自分に大切なものができたらいれることにしようと思って、出稼ぎにいっている父親がいつか土産に買ってきてくれた千代紙をきれいにはってこしらえておいたものだが、とんだ宝物をいれることになった。

5年生物語文 「思いをつたえる」 122308

ある日かずやは考え事をしながらとぼとぼと学校から帰ってきていました。そんなかずやの様子を見て、近所に一人で住んでいるふみこおばさんは「ちょっと私の話聞いてくれるか。」とかずやを呼び止めました。
その日は宿題がたくさん出ていたし、考え事もしたかったので、時間がないからと言って断ろうかと思いましたが、おばさんの家へ行くとおいしいおかしが食べられることを思い出し、自分の家へではなく、おばさんの家へと向かいました。

いつも通り、おばさんは手作りマフィンを出してくれました。おいしそうに食べてくれるかずやを見ながら、おばさんは話し出しました。
「今まで言ったことなかったけどな、実はな、そのマフィンは私の子どものころの思い出のマフィンなんや。」
とても仲良かったクラスの好きな男の子に作ってあげるはずでしたが、その男の子は急に引っ越ししてしまい、あげれないままだったそうです。
「あの時あげれてたら、何か変わったかなって今でも思う。そんな勇気があれば今一人で住んでないと思うわ。実は私、あげれんかったことがまだ悔しいねん。かずやくん最近何かに悩んでる様子やけどな、自分が後悔せんように行動するんやで。」
かずやはおばさんのことばを聞いてはっとしました。かずやの今の悩みはもうすぐとなりの県へ転校してしまう友達のみさきに思いを伝えるべきかどうかでした。1年生のころからずっと好きだったみさきとそのままさよならしてしまうのはどうしてもいやだと思っていたのです。
「おばさん、ありがとう。話聞いて大事なことに気付けた。」
「かずやくんはこれから先、自分の思うように生きてや。」ふみこおばさんはにっこりと笑いました。

しかし、決心したもののどうやって伝えるかが問題でした。二人きりになれる機会が全くないのです。考えているうちにもうみさきの引っ越しの前日になってしまいました。
みさきはクラスの人気者だったので、声をかけることすらむずかしかったのです。かずやはみさきへあげる手紙を用意していましたが、いざみさきと話すとなると「元気でな。」としか言うことができませんでした。手をさしのべて、しっかり握手しました。その時みさきはかずやの手がふるえていたことに気付きました。
かずやはふみこおばさんに言われたことをずっと頭の中でくりかえしていました。「やっぱり後悔したくない。」その一心で、誰も見ていないことを周りを確認してからみさきのバッグに手紙を入れました。

みさきが引っ越ししてからしばらく時がたちました。はたしてみさきはかずやが書いた手紙を読んでくれたのかそれすらもわかりませんでした。でも、自分のしたかったことをちゃんと実行できて、かずやはすっきりしました。かずやはこの話の全てをふみこおばさんに話しました。
「かずやくんが後悔してないならそれでいい。よくがんばったね。」おばさんはかずやをほめました。

次の春、かずやはいつも通り学校へと向かっていました。学校の近くにある桜の木は満開です。
「桜ってこんなにきれいだったっけ。」かずやはそう思って桜の木を見上げながら歩いていると、前からきた人にぶつかってしまいました。
「あっ、ごめんなさい。」そう言ってあやまって相手を見ると、去年引っ越したはずのみさきがそこにいました。
「かずやくん、久しぶり。覚えてる?ちょっとこっちが恋しくなって遊びにきたの。会いたかった。」みさきはそう言って、引っ越しの前日にかずやがしたように、手をさしのべました。あの時とは違って、二人はあたたかい握手をしました。きれいなの桜の花びらがひらひらと散っていて、まるで、二人が会えたことをお祝いしているかのようでした。

5年生物語文 「無題」 122309

 「なぁ、消しゴム貸して。」
出た。また、"こいつ"だ。わたしは"こいつ"が嫌いなのだ。
なにかとわたしに声をかけてきたり、ちょっかいをだしてくるから嫌いだ。
「他の人に借りなよ。あっちゃんは2つもってるって言ってたよ。」
「いいから、貸してくれよ。」
こんな会話を毎日、している。
でも、最後にはわたしが折れてしまうのだ。
「いいけど、早く返してよ。」
「おう、サンキュ」
"こいつ"のことは嫌いだけど、笑顔は悪くないと思う。
みんなでグランドでサッカーしてる時とか、授業でみんなを笑わせている時とか、とても嬉しそうに笑う。
何度も言うが、わたしは"こいつ"が嫌いだ。

 「あ、俺魔法使えるんだよね。」
「はい?」
今日も訳のわからないことを言い出した。
魔法使い?"こいつ"はバカなのか。
「だから、俺、魔法使えるんだ。人呪ったりもできるぜ。」
「できるわけないじゃない。」
「言い切れるか?命かける??」
「うるさいなあ。」
毎日毎日ネタがつきないものだ。
「信じてないな?信じてないだろ。」
「あっちゃん呼んでるから、早く行ってきなよ。」
「今にみてろよ。あっちゃんごめーん、何?」
あっちゃんと何話すんだろ。 
 その日の昼休み、教室はひとつの話題で持ちきりになった。あっちゃが"あいつ"に告白したらしい。

 その夜、夢を見た。
 "あいつ"と楽しそうに笑う夢。わたしの好きなあの笑顔でわらっている。いままでこんな夢は見たことがなかった。あっても、喧嘩する夢や言い合いばかりして夢だったのに。
 そこからわたしはおかしくなった。
 

 "あいつ"に話しかけられないように逃げるようになった。でも、いつの間にか"あいつ"を探すようになった。何度もおんなじ夢をみるようになった。家に帰ると"あいつ"が今なにしてるのか考えるようになった。あっちゃんと"あいつ"が話しているのを見るとなんだかあっちゃんを嫌いに思えてきた。得意だった算数も、大好きだった体育もできなくなっちゃて、なんだというのだ。
 お母さんも担任の中村先生も笑うだけだし、犬のモモはあいかわらずワンとしか言ってくれないし。わたしだけが変わってしまったみたいだ。まるで魔法にかかったみたいにおかしくなってしまった。
 そうか、魔法だ!!

 「お、おい!!」
久しぶりに話すから妙に緊張してしまった。
「ん?どうしたんだ。最近元気がなかったから心配してたんだけど。」
「心配だって?よく言う。」
「なんのことだよ。」
いつものちょっとむかつく顔して。
「わかったんだ。気づいたら、お前のこと考えてるし変な夢は見るし、あっちゃんと話してるの見るともやもやするし、勉強もなにもかも手につかないし」
周りの人が話すのをやめてこっちを見ている。
みんなきっと知らないんだ。きっとあっちゃんも知らなかったに違いない。"こいつ"はわたしたちに
「呪いをかけたんだろ!!」
教室がシンとする。ほら、みんな知らないからびっくりしてるんだ。
「呪いとか魔法とかわかったから早く解いてよ。」
"こいつ"はなぜかわたしの好きな笑顔で笑っていた。

5年生物語文 「オレ、オレ」 122311

「オレ、ばあちゃん、オレだよ。」
「たっちゃん?たっちゃんなの?」
「ばあちゃん、元気してた?」
「ああ、たっちゃん。やっぱり死んでなかったんだね。」
「ひどいな、ばあちゃん。あ、でも死にかけてるかな。ヤクザの車にぶつけちゃって、四百万ないと、やばいことになっちゃうんだよ。」
「あんた大丈夫なの?」
「まだ、大丈夫、事情はあとで詳しく話すからさ、四百万なんとかならない?」
「用意するよ、用意する。」
「今から取りに行っていい?オレの代わりに“うちだ”さんっていう人が行くから。」
「え?なんて?“うち”で待ってりゃいいんだね?」

「一丁あがりー。」
 ヒデオは受話器をおいた。
「誰が行く?」
 ワンルームマンションの一室、ヒデオの他に3人の男がいて、受話器に向かって、さっきのヒデオのように、「頼むよ〜ばあちゃん」とすがりつくような声をあげている。
「おい、誰か行ってくれよ。早くしないと、気がかわっちゃうだろ」
 三人ともそれどころではない。
「ちっ、仕方ねえな。」
 ヒデオは上着をはおって、とび出した。

たっちゃんって、たけし?たかし?たかゆき?ま、いいか、俺は“内田”なんだし。
ガムを噛みながら地下鉄に乗った。「たっちゃんって幸せなヤツだよな。簡単に金を貸してくれるばあちゃんがいて。四百万だぞ、四百万。」

 教えられた住所には、木造の古い家。ところどころ壁板がはがれている。しかし、大きい。このあたりでこれほどの家なら、かなりの資産価値があるだろう。
 当たりだな。
 インターホンを鳴らす。
「ハイハイ、どなた?」
 電話のばあさんと違う声だ。
「しまった、他に家族がいたのか。」
 答えに困っているヒデオの前で、いきなり戸が開いた。
「あんた、たっちゃん?たっちゃんだろ?」
回れ右をして逃げ出そうとするヒデオのうでを、ギュッとつかまれた。
「トメさん、トメさん、お孫さんがおいでだよ。」
 そう言って、中へ引きずり込んでいく
「いや、俺は、たっちゃんでなくて。」
 ヒデオは、もごもごと口ごもる。
 ヒデオは目を丸くした。リビングと思わしき広間に、ばあさんが七人、いや十人はいる。
 なんなんだ、ここは。
「あら、かわいい。」
「トメさんに似てるよね、目のあたりなんて。」
「ほら、たっちゃん、突っ立ってないで。トメさんに会いにきたんだろ?」
 ばあさんは口々に話しかける。
 トメさんってどいつなんだよ。
 もうパニックだ。部屋のすみからこちらをじっと見つめる視線に気付いて、ヒデオは、そろそろ近づいて行った。
「ばあちゃん?」
 差し伸べる手をヒデオは両手で包んでやった。
「ほら、たっちゃん、ばあちゃんにご飯食べさせてやりな。トメさんったら、うれしくて昼ごはんがのどを通らなかったんだ」
 さっきヒデオを連れ込んだばあさんが、茶碗ののったおぼんを運んできた。トメさんは、親鳥からエサをもらうヒナのように口を開けて待っている。言われるままヒデオは、スプーンで冷めたおかゆを口に運ぶ。
「ま、いいわね、トメさん。」
「トメさんうれしそう。」
 
 このばあさん、あれか?認知症ってやつか?それともオレがたっちゃんってやつに似ているのか?それならそれでラッキーってやつか。
おかゆを食べ終わったトメさんは満足気にヒデオを見つめている。ヒデオは思い切って耳元でささやいてみた
「ばあちゃん、四百万はどこにある?」
 思いがけず低い声が返ってきた。
「あんた、誰なんだい?」
 それまでさわがしかった外野がシーンとなった。
 やばい!ばれてたか。
「たっちゃん、ごめんね、トメさんぼけてるんだよ。気にすることないよ、ここで一緒に暮らすわたしらも、毎朝、あんた、誰なんだい?って聞かれるんだもの、ねぇ。」
「そうそう、このグループホームができて以来のお付き合いだってゆうのにね。」
 グループホーム?なんだ、それは?小規模の老人ホームか?

 「はいはい、みなさんどうなさったの?あら、お客様?」
 入り口に、人の良さそうな小太りのおばさんがスーパーの袋をさげて立っている。ヒデオが口を開く前に、
「トメさんのお孫さんのたっちゃんが来てるんですよ」
 おせっかいなあのばあさんが言った。
「トメさんのお孫さんって、亡くなってるってきいているけど。」
 万事急す。ヒデオは立ち上がり、小太りのおばさんを押しのけて、脱出をはかる。ムギュ、腕をつかまえられた。

「あんたで3人目。」
 おばさんはウインクした。
「みなさん、新しいヘルパーの方ですよ。」
 拍手かっさい。ワナだ。こんなばあさんらにさぎ師のオレがやられるなんて。
 車のドアが閉まる音がして、ヒデオとよく似た年かっこうの男がふたり、紙おしめやらなにやら抱えて現れた。
「あんたのお仲間のけんちゃんとひろくんよ。あんたも警察に突き出されたくなかったら、ここでしっかり働くことだね。」
 けんちゃん、ひろくんと呼ばれた男はヒデオをチラッと見て首を振った。
 かん念しろってか?まじか?
 あのおせっかいばあさんがヒデオにエプロンを手渡す。
「お金が欲しいんだろ?四百万だっけ?ここだって給料はちゃんと出るし、お金を使うこともないから、すぐ貯まるよ。ま、10年ってとこかな。」
 エプロンには名札が付いていた。
「たっちゃん」と。

5年生物語文 「宝島」 122402

今日は高松高校の卒業式。みんなが泣きながら別れをおしんでいるのを横目に、隆太と博也と奈津子は今日も一緒に帰りはじめる。

「あー、俺らも卒業かー。長かったような短かったような三年間だったなー。」と博也がため息をしながらつぶやいた。
「そうね。卒業式、みんないい顔してた。私たち、ずっとこの町で一緒にいたよね。幼稚園からずーっと。私にとって、この町は宝島よ!」奈津子はまるで小学生のようにはしゃいだ。
「『宝島』ぁ?」博也には奈津子の言葉が理解できなかった。
「だって、この町には私たちの思い出がいっぱいあるのよ?私にとってそれはキラキラ輝く、宝物のように思えるの。」
「奈津子のことはまだよく分かんないや。」博也はあきれたように言った。

「なあ。」今まで黙っていた隆太が静かに話しだした。
「二人はこれからどうするんだよ。」
三人は少しだまりこんだ。最初に口を開いたのは奈津子だった。
「私は大学に行く。こことはちょっと遠いから、一人暮らしするの。」こういった将来のことは昔から知り合っているから余計に気恥ずかしくて、あまり話したことがなかった。
「博也は?」
「俺はここで就職が決まった。だから俺はまだこの町にいる。」博也の言葉に奈津子は少しほっとした。
「じゃあ、ここに帰ってくれば博也には会えるんだね。隆太は?隆太の将来なんて本当に聞いたことないよね!」奈津子と博也は目を輝かせながら隆太を見た。

「僕は・・・海外に行くんだ。」隆太は、誰よりも大きな夢を誰よりも小さな声で告白した。二人はだまったまま隆太の言葉を待っていた。
「僕は海外で勉強して、でっかい男になって帰ってくる!」いつもは静かな隆太が、今日は意気込んで少し大きな声を出した。その隆太の様子を見て、二人は安心した。
「そっか。じゃあ、でっかくなった隆太を一番に私たちに見せてよね!」
「あたりまえだろ。・・・さ。ここでしばらくのお別れだな。」
三人はいつもの分かれ道に着いた。
「おう!俺もでっかい男になるよ!」博也が空に向かって叫んだ。
「私も!夢をかなえるために負けない!」奈津子も叫んだ。
「次に会うのが楽しみだな。じゃあ、またな!」隆太のその声で、三人は違う方向へ歩きはじめた。

三人はこれからまた、それぞれの宝島を築いていく。

5年生物語文 「おじいちゃんの思い出」 122409

 優ちゃんは小学校5年生の女の子です。今日は小学校の運動会の日でみんなワクワクしています。優ちゃんもお母さんが見に来てくれているので頑張ろうとウキウキしていました。
 お昼御飯がおわって午後の部がはじまった時のことでした。優ちゃんが応援席に座っていると「ゆう。ゆう。」と誰かの呼ぶ声がしました。後ろを振り返ってみるとそこには優ちゃんのおじいちゃんがいました。優ちゃbbはとてもびっくりしました。優ちゃんのおじいちゃんは毎日仕事で忙しいことを知っていたからです。おじいちゃんは「優は走るのが速いね。これ帰ってたべなさい。」といっておおきな袋にはいった巨峰とメロンをわたしてかえっていきました。
 優ちゃんはもらった果物をお母さんに渡そうと思ってお母さんを必死でさがしました。途中何度も友達からそれなぁにときかれて優ちゃんは恥ずかしかったのです。

 家に帰って優ちゃんはお母さんに果物の袋を持っているときとてもはずかしくていやだったことをお母さんに伝えました。するとお母さんは苦笑いしながらこんなはなしをしてくれました。

「あのね、おじいちゃんは12人兄弟だったんだって。兄弟多いし、おじいちゃんのお母さんとお父さんは畑仕事が忙しかったから運動会なんてこれないし、お弁当がね、いつも新聞紙でくるんだおにぎりだったんだって。新聞紙でくるんであるもんだから、おにぎりに印刷がついてて恥ずかしかったから運動会の日も隠れてひとりで食べてたって言ってた。
 果物は運動会で疲れた優に食べてほしかったんだよ。はずかしかったかもしれないけど許してあげて。」

優ちゃんはそんなはなしを聞いたのははじめてでした。なんだかとてもあたたかい気もちになりました

5年生物語文 「ポスター」 122705

「ポスターを作るので、今日の放課後、残れる人は残ってください。」
どうせ誰も手伝ってくれる人はいないだろうと思いつつ、学級委員の太一は、わずかの期待を込めて言う。鈴木くんたちは、放課後に遊ぶ約束をしていた。田中さんも、たぶん塾がある。いや、たとえ用事がなくても、わざわざ放課後に残って、手伝おうとは思わないだろう。外はまだ夕方にもなっていないのに、暗くなりつつある。もうすぐで冬休みだ。

がやがやがや。教室は思ったより騒がしい。誰も来ないと思っていた。でも、やっぱり鈴木くんたちや、田中さんは来ていない。先ほどより太陽はさらに西に傾いている。

がらがらがら。
「ごめん、遅れて。掃除がながびいて。」
「そうそう。急に先生がやる気出してさ。」
口々につぶやきながら、鈴木くんたちが来た。田中さんも来てくれた。太一は目を丸くした。一瞬、遅れて発した言葉は
「なんで…。」


こんなことをきくのはおかしいと思いながらも、それ以外何も言えなかった。
「おもしろそうだったし。」
「塾が始まるまでなら楽しそうだし、手伝うよ。」

そこからは、教室が急に活気づき、だれもがポスター作りに夢中になった。途中、一人だけ帰ったが、そのことにさえ気付かないほど集中していた

5年生物語文 「ザリオクン」 122901

僕は6才で清流小学校に入学した。うきうきの1年生だ。クラスが決まり教室に入ると僕の席の隣には両手に鋭いはさみを持った生徒がいた。「あっ!隣だね。これからよろしくね。名前なんて言うの?」そう聞くと鋭いはさみをこちらにまわして「ザリオ。」と一言だけ言うとまた向こうを向いてしまった。「僕この子と仲良くできるのかな。すごく心配になりました。」

次の日からさっそく授業が始まりました。「はーい、みんな筆箱をちゃんと持ってきましたかー?」「はーーい。」みんなは大きな声で返事をしました。もちろんザリオ君もです。「じゃーみんな今日はひらがなを練習するね。まずはこのプリントをなぞってみようね。」そういうとみんなはいっせいにえんぴつを取り出し書き始めました。ぼくも書こうとしましたが、隣がすごく気になったので見て見ると、ザリオ君が何もせずに前を向いています。「どうしたのだろう。」そう思ってザリオ君を筆箱を見て見るとえんぴつがありません。ぼくは「えんぴつかしてあげようかな?でも昨日少し怖かったしな。」ぼくは悩みながらプリントに字をなぞっていました。すばらくすると今にも消えそうな声で「えんぴつを貸してほしい。」という声が聞こえました。ぼくは「どうしよう。貸してあげたいけど・・・・・。」ぼくはそのままプリントをなぞりつつけました。書き終わって隣を見て見ると何とかしてはさみで書けないかとがんばるザリオ君がいました。それを見て僕は、あたかも今気づいたかのように「あれ!えんぴつ忘れたの?僕のかしてあげるよ。」少し罪悪感があった。でもザリオ君は「えっ!ほんとに!?ありがとう。」と喜んでえんぴつを借りた。

その後、僕とザリオ君は仲良くなり、ザリオ君から話をしてくれるようにもなった。「僕ね、石を集めているんだ。きれいなんだよ。青色や黄色、緑色だってあるんだよ。」「すごいなー、そんな石見たことないよ。」「今度見せてあげると、君だから見せるんだよ。みんなには内緒だよ。」「うん、ありがとう。楽しみにしてるね。」次の日からザリオ君は突然見なくなった。

ある朝先生が「みなさんに報告があります」僕は嫌な予感がした。そしてそれは的中してしまった。「このクラスにいたザリオ君が戸津十行方不明になりました。・・・・・・・・・。」よくよく聞くとザリオ君は趣味である石探しをしているときに、川に遊びに来ていた、子供たちに捕まり、そのまま連れ去られてしまったらしい。僕はかけがいのない大切な仲間を失い、絶望にくれた。

ある日僕はザリオ君が行ったと言われている場所に行きました。そこでザリオ君が捕まり、人間に何をされたかはわからない。でもそれを想像するだけでイラつきと憎しみであふれていた。そのときである、突如、周りが暗くなり、やけにざわつき始めた。するとすっと体が浮き地面がどんどん遠く離れていく。その時僕は絶望よりもザリオにあえる希望に満ち溢れるのだった。

5年生物語文 「無題」 122902

 大阪に住む少年・太郎は犬を飼いたいと思っているが、都会なので飼えない。おじいさんが誕生日に犬を送ってくれると言っていたが、送られてきたのは犬の絵で、ショックをうける。その後太郎は犬を飼うことのできる家に引っ越し、おじいさんの家で産まれた子犬をもらい、その犬に小次郎と名付ける。

太郎は、学校から帰るとすぐに小次郎に元へいき餌をあげたり家の中で一緒にねたり家の中ではずっと小次郎と遊んでいました。太郎は、それほど犬を飼えたことが、嬉しかったのです。お母さんがご飯の時間になったから呼びに来ても、「あと少しだから待って。」と言いなかなかご飯が始まらないなどいろいろ問題が、ありました。お母さんは、犬を世話をするなら飼ってもいいと言っていたので、ちゃんと世話をしてるから仕方がないと思っていました。

夏休みになりました。小次郎を飼い始めてはじめての夏休みです。太郎は、自由課題が出ていたので、小次郎の観察日記にしようと考えました。なので、毎日小次郎が食べたもの、体重、散歩をした時刻など細かくつけていました。太郎は、友達と遊ぶ時も小次郎を連れていき、友達も一緒に小次郎と遊んでいました。その中で小次郎はすくすく成長していきました。夏やすみも終わりに近づき自由課題に没頭しすぎて太郎は、国語や算数などの宿題を終えてなかったので、その宿題に追われていました。その間小次郎の世話が出来ていませんでした。

夏休みが終わり、何とか課題を終えた太郎は、学校で自由課題の発表会の時間がありました。みんなそれぞれの個性をいかして貯金箱や木製のいすなど、自由課題を発表していきます。そして、太郎の出番がやってきました。太郎は、「小次郎が来て初めての夏休み」という題で発表していきます。夏休み小次郎といった場所や小次郎と遊んだ友達など細かく発表していきます。しかし、夏休みの終わりのころの発表の部分のところで太郎は、声が小さくなっていきます。なぜかというと、小次郎の世話ができていなかったので、観察日記をつけていなかったのです。太郎は小次郎を世話してなかったことを思い出し、だんだん涙声になってきます。先生は、そのことが分かったのか、太郎を着席させます。太郎は、その日学校でずっと暗いままでした。

学校が終わり、太郎は暗い表情で家に帰っていきます。家に着きました。お母さんは、太郎が落ち込んでいるのにびっくりします。すると、後ろから小次郎が太郎めがけて一直線。太郎に飛びつきました。太郎は、暗い表情はどこに行ったのかすぐに笑顔になりました。その夜からまた太郎と小次郎は一緒にねて散歩したり、ずっと遊ぶ生活に戻りました。

5年生物語文 「ばぁば」 122903

「かなちゃん、大丈夫かい?」ばぁばはいっつも孫のかなちゃんのことを気にかけています。「大丈夫やって!」かなちゃんはそんなばぁばのことをうっとおしく思っていました。

かなちゃんが遊びに行こうとしたときも「かなちゃん、大丈夫かい?」と、ばぁば。「もー、大丈夫やって!」ちょっと帰るのがおそくなったときも「かなちゃん、大丈夫かい?」「もー、大丈夫!」・・・・・ばぁばはよっぽどかなちゃんのことが心配なんです。

ある日、かなちゃんが学校から帰ってくると、ばぁばがいません。「ばぁばは?」とお母さんにきくと、「ばぁば、階段から落ちて、1週間入院することになったのよ。」そう聞くと、かなちゃんは無性にばぁばが心配になってきました。「ばぁば、大丈夫かな。」

気が付くと、かなちゃんは家を飛び出していました。ばぁばの入院する病院へ夢中で走っていきました。途中、かなちゃんは泣き出しそうになるのをぐっとこらえました。やっとのことで病院につき、ばぁばの病室に急いで入りました。ばぁばは驚いた顔でこっちを見ています。「あら、かなちゃん、大丈夫?」かなちゃんはその言葉を聞いた瞬間、わあっと涙がこみあげてきました。

「ばぁば、今までごめんね。」かなちゃんは何度もばぁばに謝りました。かなちゃんは本当はばぁばのことが大好きだったのです。「ばぁば、今までごめんね。」「ばぁば、だいすきだよ。」

5年生物語文 「本当の友達」 122904

いっちゃんに14歳の中学生で学校でもよく友達と遊んだりする活発な子でした。そんないっちゃんには幼稚園のころから仲のいいがーちゃんがいました。

がーちゃんは小学生まではいっちゃんと一緒に友達とあそんだりしていましたが、中学生になると他の子とよくケンカしたりするようになってしまいました。

いっちゃんはその度にもう止めておけと言っていましたが、がーちゃんの答えはいつも友達なんやからほっとけでした。
そう言われるといっちゃんも何も言い返せずにいました。

ある日またがーちゃんがケンカをして来たので、いっちゃんは抑えきれなくなって強くがーちゃんを止めました。がーちゃんはいつも通りの答えだったので、いっちゃんは友達やから本気で止めるんやと言いながら本気で止めました。説得が効いたのかその日からがーちゃんのケンカをする数はメキメキ減りました。

その後もがーちゃんとは友達でがーちゃんはケンカもしなくなりました。いっちゃんは後になってあの時に本気で止めといて良かったとおもいました。

5年生物語文 「ウソ」 122905

ある山に、ひっそりと暮らしている村がありました。その山には寺があり、その寺には珍しい財宝が大切に保管されていました。その村には、一人の嘘をつくのが上手な少年がいました。その少年はいつも嘘をついては人をだまして遊んでいました。そのことでいつも和尚さんに怒られていましたが、それでも嘘をついて遊んでいました。和尚さんはこの村の村長でもありました。

ある日、少年が和尚さんに寺に呼ばれました。
「お前さんはどうして、そんな嘘をつくんじゃ。どうせならもっといい嘘をつかんかい。」
「なんやねんじじい、そのいい嘘って。嘘にいいも悪いもないやろ。わいは生きたいように生きさしてもらうで。」
「それに前から言っておるじゃろ。嘘をつくことは生きていくうえで非常に罪なことじゃ。心を改めんかい。」
「さっきいい嘘やったらついていい言うたやん。」
「とにかく、嘘をついてはいけん。嘘をつくことはこの寺の教えに反する。もう嘘をついてはいけんぞ。」
「・・・」
「お前にはゆくゆくはこの村の村長になってもらおうと思っとる。わしの孫にもいい見本になってもらいたのじゃ。」
和尚さんにはちょうど15歳ほどの孫がいました。
「わしはもう歳じゃから、そろそろ・・・」
その時に、もう少年は姿を消していました。
「いい嘘ってなんやねん・・・」
少年は木の上に登ってじっくり考えていました。

何日かすぎたある日、村の役人が警報を鳴らして叫んでいます。
「盗賊が来たぞー!!」
「盗賊?こんな小さな村の場所がわかるなんて・・・。」
和尚さんはとてもびっくりしました。そして財宝を偽物とすり替えて、本物は自分が持っておくことにしました。そしてついに、盗賊が寺にまで来ました。
「ここに珍しい財宝があるらしいな。そいつをよこしてもらおうか。」
「お前らに渡す財宝などない。この村から出ていけ。」
「だったら、この寺を爆破する。」
そう言って盗賊たちはすぐにこの寺をでていきました。和尚さんはあわてて、孫を探しました。そして孫を見つけ、孫に
「お前だけでも生きてくれ。」
そういって孫に財宝を渡しました。すると、盗賊たちがまた現れました。そのとき、孫はその宝をもって盗賊のほうに行きました。
「ど、どういうことじゃ。」
「おじいちゃん、ぼくはね、この盗賊の仲間なんだよ。」
「な・・・」
和尚さんはただ信じられずに腰が抜け、動けなくなっていました。そして、目の前で盗賊をにがしてしまいました。

その時少年は、寺の近くに来ていました。すると、盗賊とであいました。
「あれ、お前はじじいの孫ちゃうんか。なんでこんなとこおんねん。」
「おれはこの盗賊の一員だよ。あのじじいなら簡単にだまされやがったぜ。寺を爆破なんてしないのによ!」
少年はその時、今までにないぐらい怒りました。
「お前らをこの村から逃がすわけにはいかん。くらえ火薬や!!」
少年は火薬を盗賊の手前に投げつけました。盗賊はおどろいて少しその場を離れましたが、火薬は爆発しません。
「火薬なんて嘘やボケ。だまされよったー、逃げろー。」
盗賊たちはとても怒って、少年をいっせいに追いかけました。その時、ドカーン!と少年が投げたものが爆発しました。
「まあ、火薬じゃないってのが嘘やねんけどな。」
盗賊はみんな気を失いました。そして盗賊たちを捕まえて、財宝を取り戻しました。

少年は和尚さんを見つけ、かけよりました。
「じじい、盗賊なら捕まえたぞ。」
「お・・・そうか、それはよかった・・・。」
和尚さんはまだ立ち直れていませんでした。すると、和尚さんが
「もうわしはダメみたいじゃ。空よ、お前にこの村の村長になってほしい。」
「そんなん言うなや。まだじじいが村長のほうがええわ。」
「そろそろわしも年じゃ。あとは、任せたぞ。」
「じじい・・・よっしゃ、あとは任せろや。」
そうして少年は村長になり、その後は何もなく平和に過ごしていきました。

5年生物語文 「ルビー」 122908

ぼくの家は,21階建てマンションの21階。ぼくの部屋に小鳥がいた。突然やって来た。窓の開かない部屋なのに。天から降りてきたとしか,思えない。セキセイインコではない。見たこともないきれいな青色をしていた。ぼくの青い鳥。そう思った。
名前は「ブルー。暗いな。」「るり色のるり。ちがうな。」「サファイア。呼びにくいしベタな感じ。」「そうだ,ルビー。青いのに赤いっておもしろい。」
おかあさんが,「何でルビーなの。おかしくない。」と言った。やっぱり。みんなに,おかしいって言われるのが,楽しいんだよ。わからないかな。だれにも教えないけどね。

ぼくは,受験生。中学受験をする。幼稚園も小学校も受験して入った。今の塾も1年生から通っている。お母さんの車でお弁当を持って,小学校に行き,帰りはまた,お母さんの車。今度は友達と一緒に乗る。友達のマンションまでゲームをしながらおしゃべり。もっと家が遠ければいいのに,すぐついてしまう。また,あとで塾で会えるけどね。家に着いたら,テレビの大画面でwii。塾の宿題の残りをやって,お母さんと車で塾に行く。ぼくの塾は親も一緒に授業を受ける。子どもは黒板を書き写してはいけない。授業だけに集中して,親がノートをとるのだ。2時間の授業を終わってから,夕飯。遅い時間になるが,おとうさんは,まだ仕事で帰ってこない。そのあと,塾の宿題をして寝る。みんな,塾に行っているので,学校の宿題はない。夏休みなどの長い休みの時だけだ。

そんな毎日をルビーは変えた。鳥は,夜寝るのだ。当たり前だけど……。そして,朝,早い。ピーピーという鳴き声で起こされる。えさを食べるのも首を傾けるのもかわいい。今までは,ギリギリまで寝て,車の中で朝食のおにぎりを食べていたぼくが,早起きになった。でも,お母さんは,もっと早起きだった。1.2年生のころは,毎日ポケモンのキャラ弁を作ってもらっていた。みんなにすごいと言われるのがうれしくて,毎日毎日ちがうポケモンをリクエストしていた。いつからか,キャラ弁がはずかしくなってやめた。ぼくは,冷凍のフライやレトルトのミートボールがきらいなので,全部おかあさんの手作りだ。一体いつ寝ているのだろう。

ゲームの時間は減らして宿題をすぐにやった。休みの日には,ルビーをカゴから出して,部屋の中を飛ばして遊んだ。つかまえるのは大変だったけど,飛んでるルビーを見るのか好きだった。
でも,ルビーは突然消えた。
お母さんも知らないと言った。完全に開く窓は非常用のベランダにつながる大きなガラス戸だけで,開けることはない。換気用の窓は網戸がついているので出られない。どこに行ってしまったのだろう。

それから,すこしして,家にルビーが来た。ぼくのルビーではなかった。お母さんのルビーだった。誕生日プレゼントにお父さんが買ってきたのだ。小さいかわいい指輪だった。お母さんは,そうっと手にとって,上にかざした。青白い顔が少し赤くなった。
ぼくの青い鳥が,本物のルビーになって帰ってきたのかもしれない。
一瞬,そんなことを思った。
幸せの青い鳥。ルビー。

5年生物語文 「夢の中」 122909

しずくは遊園地にいた。どこからきたのかはわからない。ここがどこなのかもわからない。だけど、はじめてきた気はしなかった。そして隣にはいつもの友達がいた。いつもの友達はいつものようにわらっている。なにがおかしいのかはわからない。だけどしずくも楽しくて笑っていた。それを不思議に思うことはなかった。

しずくたちは遊園地を歩きまわった。すると、どこか見たことのある景色が近づいてきた。一気に景色は近くなり、見渡すとそこはしずくのマンションの裏だった。だけど、しずくたちは全くそれを不思議に思うことはなかった。そして、しずくたちはしずくの家に行きたいといった。しずくはそれを受け入れることも拒むこともなく、しずくたちは家方に歩いていった。

家につくとそこには隣の家のおばさんがいた。しずくはそれを不思議に思うことはなかった。おばさんはお父さんとお母さんは弟のお葬式に行っているといった。しずくは急に怖くなった。気付けば走り出していた。どこで行われているのかもわからずに。

しずくは走り続けた。気付けば周りに友達はもういなかった。見たことのある全く関係のない道が続いていた。だけどしずくはどこでお葬式が行われているか知っていた。迷うことなく目の前にある道を全力で駆け抜けた。全く息は上がらなかった。どこまでも走って行ける気がした。そして、必ず弟に会えると確信していた。5分ほど走ると葬儀場があった。たしかに弟は死んでいた。しずくはいろいろな想いがこみあげた。涙が溢れる感じがした。するとすっと自分が消える心地がした。

しずくはベッドの上にいた。目には涙が溢れ、すごく悲しい思いが残っているのとほっとした安心感があった。いつもの朝のにおいが漂い、目玉焼きを焼く音が聞こえてきた。すると、部屋のドアが開き、朝ごはんだよ。という声が聞こえた。見ると、弟だった。しずくは一度深呼吸をすると、ゆっくりと体を起こし、笑顔で返事をするといつもより軽い足取りで食卓に向かった。しずくは当たり前な幸せに気づけた気がした。

5年生物語文 「軽蔑」 122910

ともみは一言で言うと、どんくさかった。村の子供たちの中で一番走るのが遅かったし、勉強もできない。女の子だから畑仕事はしないが、料理ができたわけでもない。
でも、いつも明るかった。笑顔がたえなかった。そして、ともみには小さいころからずっと仲がいい友達がいた、その子の名前はみなみだった。
ともみとみなみは山にはいって木陰で昼寝したり、学校にはいってからは縄跳びなんかであそんだりした。ともみはみなみのことを親友と思い信頼していた。
ともみたちは、小学5年生になっていた。

夏のある日、学校でプール解放があった。ともみとみなみはプール解放の日には必ずいっしょに泳ぎにいっていた。ともみは泳げなかったがプールでみなみと遊べるだけで十分だった。
ひとしきり遊んで、帰ろうかというとき、ともみは自分の靴が更衣室からなくなっていることに気付いた。
「あれ?おかしいな。どこにいったんだろう?」
「また?最近、ともみのものがなくなりすぎじゃないの?」
みなみが怒った、近頃、ともみの鉛筆や下敷きなどがよくなくなっていた。
「きっと、さやかたちのせいよ。」
みなみはクラスで一番かわいくて、勉強もできるが性格が悪く、いつも何人かの女の子を引き連れているさやかと言う子をうたがっていた。
「決めつけるといけないよ?わたしは帰れるし大丈夫。」
「そうやって、優しいことを言っているから、こんなことをされるのよ。いいわ、代わりにわたしがあの子に文句いってやる。」
「やめてよ。本当に大丈夫だから。」
「・・・そう。でも次は許さないわ。」
この日はふたりで裸足になって帰った。ともみはいいといったのに、みなみは自分もはだしになると言って聞かなかった。

二学期が始まってからしばらくは、平和な日が続いていた。
しかしある日、作文の宿題をもってきた日、ともみの作文がなくなっていた。先生はともみを激しくしかった、しかも、クラスのみんなのまえで。その日から、また、ともみのものがよくなくなった。みなみはさやかを問いただしたが、クラスの半分の女の子がさやかの味方で知らないと言われつづけ、引き下がるしかなかった。ともみは忘れ物が多いとして、よく先生に怒られるようになった。ともみは決してなくなったとは言わなかった。自分ががまんすれば、それでいいとおもっていた。しかし、先生の目は、ともみをダメな子としかみていないようだった。

三学期になり、親と先生の懇談があった。その夜、ともみは母にしかられた。
「ともみ、最近、忘れ物が多いらしいじゃない。成績も相変わらず悪いし。親にどれだけ恥ずかしい思いをさせるつもり?」
「ごめんなさい。」
ともみはなにも反抗せず、ただただ謝った。自分が悪いのだと。
そんなともみを、唯一理解してあげていたのは、みなみだけだった。どんなに先生がともみをしかっても、休み時間にはすぐに話しかけに来て、励ましてくれた。
なのに、さやかたちの行動は、ついに、みなみにまでおよんだ。
みなみの筆箱がなくなり、体操服がプールから見つかった。先生はさやかがいうことを全部しんじて、みなみが体育をさぼりたいから自分でなげこんだと思いこんだ。先生はみなみを一方的にしかった。ともみはその日、ずっと笑顔を見せなかった。

その次の日、今まで休んだことのないともみが学校をやすんだ。みなみは、絶対におかしいと思い、ともみの家に行った。しかし、ともみは学校に行ったと言う。その時みなみには、ともみの居場所に心当たりがあった。いつもは明るいともみが、たまに落ち込んだときにふたりで行くところ。学校の屋上だった。最近はよく行っていた、ふたりで、ふたりだけになれる場所だったから。みなみは授業なんて無視して、屋上に走った。
屋上の扉を開け放つと、ともみは屋上への階段のために作られている建物の上にいた。そこには、柵がない。
みなみはともみのもとへ駆け上った。ともみが振り返った。
「みなみ・・・何しに来たの?」
「ともみこそ、なにしているのよ?」
「別にいいじゃない。みなみには関係ないわ。」
「悩んでるの?つらいの?」
「・・・いいのよ。・・・私がどんなにしかられようと、私のものがなくなろうと、私ががまんすればいいのよ。でもね、みなみが、みなみがつらい目にあうことないわ。もう、たえられない。」
ともみは泣き出した。みなみはあわててかけよった。しかし、ともみはみなみを突き飛ばした。
「こないで・・・もう、いいの。いいのよ。」
ともみはふらふらと校舎のふちまで歩いていった。みなみは急いでかけより、止めようとした。
ともみは力が弱かったが、このときばかりは全身の力をだした。みなみはいつものともみからは想像できない力に不意をとられた。
ふたりは、落ちた。しかし、ふたりはいっしょに抱き合って笑顔をみせていた。
ふたりの教室では、冬の光のない暗い空を、クラ全員が振り返った。

5年生物語文 「恋物語」 122911

 僕の名前はシンジ。大阪のある高校につい3カ月前に入学した高校1年生だ。僕は高校に入ってテニス部に所属することにした。だがこの高校のテニス部は、全国に名をはせる強ごう校で、その練習はハードの度を越している。そのため帰ってもすぐ寝るだけで、次の日は朝練、昼練があるので勉強もからっきしだ。
 でも、僕は恋をしている。同じクラスのアスカである。彼女は勉強もでき、女子テニス部でも賞をとるほどの実力。男子、女子にも人気のクラスのマドンナ的存在である。

 「キーン、コーン、カーン、コーン。」チャイムが教室に鳴りひびいた。地獄の部活の時間である。今からランニング1時間から始まり8時まで練習が続くのだ。男子と女子は同じテニスコートで活動している。そう、もちろんアスカも一緒にだ。僕はアスガが少し気になりながらも、練習に打ち込む。しかし、1年生12人のうち僕1人だけが初心者ということもあって、顧問の先生からは怒られてばかりである。アスカの前であるので少し恥ずかしい。
 鬼のような練習も終わり、くたくたになりながら帰路につく。そこで奇跡が起きた。アスカと信号で遭遇したのである。僕は平静を装いながらも内心すごいうれしかった。しかし、僕はアスカからとんでもないことを耳にする。
 「ねぇ、シンジ君。シンジ君には好きな人っているの?」「うん、まぁいるよ・・・」「そうなんだ!」僕はアスカが僕のことを好きでいるのか、恋の相談をしようとしているのかが分からなかった。
 僕は後者だと思い、ふと頭をよぎった人物がいる。同じクラスのタツヤだ。タツヤは1年生ながらにしてサッカー部のキャプテンを務め、学年でもトップクラスの学力である。しかもイケメンで女子からはかなりの人気だ。タツヤがよくアスカに話しかけているところを見ていたし、タツヤからアスカについての相談を受けたこともあるからだ。
 アスカからそのことを追及できないまま月日が流れた。

 今日は12月23日。明日はクリスマスイヴ。そう、恋人たちのクリスマスである。周りの友達も次々に付き合いだしたが、アスカはあれから彼氏ができていない。だが僕はすごい不安だったのである。なぜならタツヤがアスカに24日に告白するといわれたからだ。できれば明日にならないでほしい。心からそう願った。
 12月24日ついにこの日が来てしまった。この日も練習だったのだがアスカは部活には来ていなかった。きっと今頃タツヤに告白されているのだろうと思っていた。タツヤのことが頭から離れないせいで部活でも先生から怒られてばっかりの始末である。タツヤのことが気になったまま1日が過ぎてしまった。その後、タツヤからも連絡のないまま冬休みが過ぎてしまった。

 そうして始業式、僕は思い切ってタツヤにクリスマスにアスカになんて言ったのかを聞いてみると意外な答えが。「なんかアスカがどうしても離せない約束あるらしくて何も言われへんかったわー。」僕は内心ホッとした。しかし、まだ油断はできない。次に待ち受けている行事、それはバレンタインデーだ。僕は今まで本命チョコというものももらっていなく、アスカもタツヤに渡すのだろうと思って諦めてしまった。

 ついにバレンタインデー。タツヤの自信満々な顔を見ながら「アスカにチョコもらうんだろうな。」と思いながら「バイバイ、また明日〜。」と言って部活に打ち込んだ。結局チョコを1つももらえないまま帰路につく。
 すると帰り道、アスカにあの信号前で遭遇した。あの日のアスカの言葉が頭をよぎる。気になって仕方のない僕は思い切ってアスカに聞こうとした。するとアスカがこう切り出す。「シンジ君、ちょっと後ろを向いててくれる?」僕には何が何だかわからないが言われるままにした。「こっち向いていいよ。」振り返るとなんとアスカが小さい袋を手にしている。これはまさか!「ハッピーバレンタイン、シンジ君。私ね、シンジ君のことがずっと好きだったの。」僕は状況が理解できなかった。「なんで僕なんか。タツヤのことが好きなんじゃなっかったん?」アスカが答える。「シンジ君のね、部活をがんばってる姿をみてきたねんな、初心者が1人やのにあんなにつらい練習を、こなしてるのを見てるうちにどんどん気になっていって・・・でもシンジ君って好きな人おるって言ってたもんね。ごめんね。」僕は戸惑いながら、「いや、あの時の好きな人ってアスカの事やねん。でも、アスカはタツヤの事が好きやと思って諦めてたねん。」
 こうして2人は勉強、部活ともに充実した学校生活を送っていった。
 なにかに打ち込むというのはいいものだ。僕は心からそう感じた。

5年生物語文 「くりまんじゅう」 122912

 悠は小学六年生。三月で卒業の身である。卒業式まではあと一週間そ切っていた。外には雪がちらつき、連悠が行われる体育館にはガウスストーブがたかれていたが、このだだっ広い体育館を暖めるには何の足しにもならなかった。

卒業式では、児童一人一人が少し高めの台の上に上がり、そこで夢を一言のべる場がもうけてある。一瞬のことなのであるが悠にはどうしても恥ずかしくてならなかった。部活はバスケットボール部。大した将来の夢も職業もまだ特にない。みんなはつらつらと野球部なら野球選手、バレーボール部ならバレーボール選手といった具合で、台上での練習をそこそこにやっていた。悠はそれを見ながら思った、「どうしても自分がバスケットボール選手になるとは、言えない。」と。弱小バスケットボール部の一員で、バスケットボール選手となるということが恥ずかしくてならなかった。だが、悠が考えていたのはそれだけではなかった。

 先週の日曜日におじいちゃんの四十九日があった。おじいちゃんが亡くなってから約ひと月半が経って、ようやくこころがおだやかになったというか、気持ちが落ち着いてきていた。
 悠のおじいちゃんは和菓子屋さんだった。むかしは百貨店に店があるくらい大きな店であったが、いまはおじいちゃんとおばあちゃんで個人商店として、ほそぼそと和菓子を売っていた。おじいちゃんはほぼ毎日悠の家の横にある、仕事場でまんじゅうや餅を作った。そしてまんじゅうを焼くときには必ず多めに作り、悠の家族におすそ分けしてくれていた。それはたいがいいつも「くりまんじゅう」だった。
 くりまんじゅうはきらいではなかったが、いつもそればかりだったことに少しうんざりしていた。それから悠はおじいちゃんがくれるくりまんじゅうを食べなくなっていた。くりまんじゅうが当たり前すぎる存在だった。

 それが当たり前でなくなるときは、突然訪れた。おじいちゃんが倒れた。そこからおじいちゃんが息を引き取るまでは、ながくなかった。
 おじいちゃんが亡くなって一か月半がたった。おばあちゃんはいまだにおじいちゃんの話ばかりしている。その話の中にいつもおじいちゃんのまんじゅうの話がある。「近所のだれだれさんがね、じいちゃんのくりまんじゅうは素朴な味で、おいしいんよぉっていうてくれた。」と。悠はそのときにいつもおもうことがある。「おじいちゃんのおまんじゅうの味。おもいだせない。素朴な味わからない」
 悠はくやしかった。自分がいやになった。取り返しのつかないことをしてしまったとおもった。「おじいちゃんごめんね。」と何度も心で言いながら、おじいちゃんのくりまんじゅうが食べたくてしかたなかった。 

 そんなことを考えながら、ふと気がつくと、自分の台上宣言の順番が一つ前まで迫っていた。悠は台に上る直前まで迷っていたが、上った瞬間に、心は決まった。「ぼくの夢はもう一度おじいちゃんのまんじゅうを食べることです。そのために一生懸命修行をして、おじいちゃんみたいな和菓子屋さんになって自分でつくれるようになりたいと思います。」
 和菓子屋さんになりたい、はすこし話を盛ってしまったが、台上で折り合いをつけるには仕方がなかった。だが、自分のいまの正直な夢を少なからず言えたとおもった。
 悠は少しすっきりとした気持ちで、卒業証書を受け取った。

5年生物語文 「テスト!!」 122913

もう少しで算数のテストがあります。
しかし小学校5年生のはなちゃんは算数が大の苦手。
しかも何も勉強していません。
「どうしよう悪い点数取ってしまったら・・・。お母さんに怒られてしまう。」

するとそこに「ぼんっ!」と煙とともに、かわいいおじさんが現れました。
「きみはテストで点数が取りたいんだね?それならわしに任せておくれ。」
「おじさんだあれ?」
「わしは魔法使いの、ロぺである。では早速魔法をかけるぞ!」

「ぽんっ!」
はなちゃんには何が起こったかわかりませんでした。
周りの風景は何も変わっていません。
頭が良くなったような気もしません。
「ロぺさん、どんな魔法をかけたの?」
「それはだね、昨日に戻したんだよ!」
振り返って黒板を見ると、昨日の日付と日番になっています。
「これでテスト勉強の時間が増えたでしょ?」
「そんな魔法じゃなくて、テストで点数がとれる魔法をかけてほしかったのに。」
と、はなちゃんはダダをこねました。

すると、ロぺさんは
「そういうのは意味がないんだよ。勉強することはとても大事なことで、それをさぼってはいけない。これからの基礎を作ることでも重要な小学校の勉強をおろそかにしてはいけない。わしが今日一日つきっきりで勉強を見てあげるから、しっかり勉強しなさい。」
はなちゃんは今日一日、算数のテストに向けてしっかり勉強しようと決めました。せっかくロぺさんがくれた一日を無駄にしてはいけないと思い、しっかり勉強しました。

そしてテストがおわり、テストが返却されました。ちゃんと頑張ったおかげで、なんとはなちゃんはクラスで1番だったのです。はなちゃんはしっかり勉強したら、ちゃんと結果に返ってくることを学びました。これからも勉強をがんばることを決めました。あの魔法使いのロぺさんに感謝しながら。

5年生物語文 「クモの恋」 122914

ぼくはクモだ。巣を張って、他の虫を食べて生きている。もちろん、他の命を食べることに抵抗がないわけじゃないが、生きるためだから仕方ない。

ある日、きれいなチョウを見かけた。今までもチョウはたくさん見てきたし、食べてきたが、今までのチョウとは比べ物にならなかった。その美しい姿に、ぼくは一目で恋に落ちた。
しかしぼくはクモだ。彼女と分かり合えるはずがない。
そんなことを考えているうちに、彼女は他のチョウと連れ立って飛び去ってしまった。ぼくはその後姿をただ見守ることしかできなかった。

その日から、ぼくは巣に細心の注意を払った。あの子が花や朝露に見とれて、巣にひっかかってしまわないように。
そんなことだから、ぼくの巣にかかる獲物はぐっと減ってしまった。今生きているのがやっとなくらい飢えていた。でも彼女が無事ならそれでよかった。

しかしある晩、ぼくが眠っていると、巣が大きく揺れ動いた。何かが巣にかかったんだ。ぼくはなぜだかいやな予感がした。

ぼくが見に行ってみると、いやな予感の正体がわかった。すにかかってもがいていたのは、あのきれいなチョウだった。

ぼくはすぐに助けようと彼女に近寄ったが、ぼくが「助ける」とこえをかける前に、彼女は「助けて」と繰り返し始めた。祈るように、かすれた小さな声で。
ぼくはその瞬間心が揺らいだ。彼女を今ここで食べてしまえば、彼女をぼくだけのものにしてしまえるのだと。
それに今食べなければぼくが死んでしまう・・・。
だが、彼女の声が、涙がぼくの心を揺らす。

ぼくは考えた。そして、意を決して彼女に近づいた。

5年生物語文 「わたしとお兄ちゃんのランドセル」 122915

私の家は貧乏で、新しいものをかう余裕がないから、私の持ち物はみんなお兄ちゃんのお古ばっかりです。
お母さんはわたしに「ごめんね、ごめんね」って何度も言うから、仕方なく使ってあげてるけど、ランドセルだけは新しいものを買ってくれたんだ。わたしは五年前の一年生になりたてのころだけど、初めての「私のもの」がうれしくって、周りの人に自慢ばっかりしてたかな。今思えば恥ずかしい思い出だけどね。でも、今背負ってるのはお兄ちゃんのランドセル。私のランドセルはもう使い物にならないんだ。あの日、お兄ちゃんと一緒になくなっちゃったから。

私は、ランドセル以外にカバンををもってないから、学校がないときでもランドセルをせおってるんだけど。あの日、お兄ちゃんと一緒に川につりにでかけたんだ。前の日がすごい大雨だったのに、その日はすごく、真っ青にはれていて何となくつりがしたいなぁっておもったんだってさ。わたしはいつものようにお兄ちゃんの用意したつりの道具をランドセルにいれて、お兄ちゃんは釣りさおを肩にかけて、「今日の晩ご飯は久々の魚だぞー」なんて調子づいてたんだ。そんな、おっきい魚なんて川にいるわけないのにね。

前の日がすごい大雨だったからさ、川の流れが速くて、足下もぬかるんでた。だからというか、理由はそれしかないんだけど、わたしはランドセルをおろそうとしたときに足を滑らして、川におちちゃったらしいんだ。川にどんどんながされてしまって、普段なら泳げるはずなのに、おぼれてしまって、あぁ私はしぬんだなっておもったりした。

目が覚めると、泣いてるお母さんとお父さんが目の前にいて、私は病院のベッドに寝てるみたいだった。わたしはランドセルは?って聞くと、いきなりお母さんがぎゅっとわたしを抱きしめていった。「お兄ちゃんとランドセルはながされちゃった」って、そのまま、その日のことはあまり覚えてないけど、つまりお兄ちゃんはわたしを助けようとして川にとびこんだのかな?って後から思った。

わたしのランドセルとお兄ちゃんはもういないけど、わたしは今日もお兄ちゃんのランドセルを背負って学校に行く。背中からお兄ちゃんが守ってくれてる気がするから。

5年生物語文 「5人の仲間」 122916

ぼくたちは、小学校6年生。
今日は、3月17日。
卒業式で、小学校最後の日だ。
6年3組の教室で、ぼくを含む仲の良い5人がしゃべっていた。
いつもの5人だった。




もう卒業式おわっちまったな」
「俺たちももうこれで会えなくなるのか」
「そうだよな」
「みんなそれぞれの中学に行ってしまうんだよな」
「さびしくなるな」
5人はそれぞれの中学校へいってしまうのである。
こうしてしゃべってワイワイしていられるのが最後だと思うと、ぼくたちは、とても悲しくなった。
「今日は、おもいっきり5人で遊ぼう」
とぼくが、4人に打ち出した。

今まで、ドッヂボールをした公園で、もう一度ドッヂボールをし、
学校の中で思い出のある教室で話が尽きるまで話し
ぼくたちは、この日の最後の最後まで、共に時間を過ごした。

そして、帰り道。
空は、きれいな夕日が出ていて、みんなとの最後を象徴するようなものだった。
5人の目にはなみだがなかった。
さっきのようにドッヂボールをしたり、しゃべったりすることが、当たり前の生活すぎて、最後の別れという実感がなかったのである。
また、今日もバイバイと言って、いつも通り1日が終わると思ってしまっていた。
そのとき、5人の1人がある提案を打ち出した。
「俺らが20さいになったときに、
この場所で同じ日のこの時間に会わないか」
というものだった。
ぼくは、その言葉を聞いてワクワクした。
他の4人もイキイキとして目は輝いていた。
ぼくたちは、別れをおしまなくなった。
「20さいになったらここで会おう、みんなありがとう、元気でな」
「みんながおっさんになった姿は楽しみにしとくー」
「絶対にこの場所忘れるなよ」
「3月17日、午後6時だからなー」
「おう」
みんなはそれぞれの道へ進んで行った。

12年後の冬、3月17日がやってきた。
ぼくは、これまでどんなことがあっても、5人のことを考えることで乗り越えてきた。
みんなは、僕のことを果たして覚えてくれているだろうか。
小学校に通った通学路や学校の少し変わっているところに時代を感じながら、あの帰り道の場所へ向かった。
3月17日、午後6時…
ぼくは、時間ぴったりにその場所に着いた。
しかし、そこには誰もいなかった。
ぼくは悲しみのあまり目からなみだが出てきた。
「おい集合場所はこっちだぞ」
背後からなつかしい友だちの声がした。
そのとき、ぼくのなみだは喜びのなみだへと変わった。

5年生物語文 「約束の木」 122917

僕は親の都合で転校を繰り返し、いろいろな学校に行ってきました。
友達が多いと言われればそうかもしれないが、また次の学校で一から友達を作り学校になじむのは大変である。今回の学校でたけると言う子が僕に話しかけてくれた。

たけるとはすぐに仲良くなりいろいろな場所に連れて行ってくれた。
たけるは言った。「僕の1番お気に入りの場所をおしえてあげるよ」そう言って連れて行ってくれた場所は一本の大きな木が立っている場所だった。
「とても大きな木だね」僕は言った。「ここに来るととても落ち着くんだ」たけるはそう言ってその木にもたれて座りこんだ。

「こうしてるととても気持ちが落ち着くんだ」たけるがそう言う理由がわからないこともなかった。その木からは人を寄せつけるような力を感じた。

それから数ヶ月が経ったころまた転校が決まった。たけるともう会えなくなると思うととても悲しかった。たけるはそれでも僕を笑顔で見送ってくれた。
「またこの木で会おうよ」僕はたけると約束した。

それから一年後、僕はまたこの町にやってきた。あのたけるとの約束した木に行くと、そこにはたけるがいた。
「また会えたね」たけるがそう言うと僕は嬉し泣してしまった。
それからもたけるとはずっと友達でどこに行っても連絡しています。

5年生物語文 「おおかみといぬ」 122918

むかしむかし、いぬはおおかみでした。おおかみはするどい牙をもっていて、人にこわがられていました。物語のなかでもおおかみはいつも悪者でした。

あるひ、ひとりの子どもが一匹の子おおかみと出会いました。むれからはぐれた子おおかみは、初めて人間を見たのでこわがってぶるぶるふるえていました。おなかもすいているようでした。子どもは子おおかみがかわいそうになり、家から食べ物と、あたたかい毛布をもってきてやりました。

次の日子どもが見に来ると、子おおかみはもういませんでした。母親が夜のうちにむかえに来ていたのです。子どもはほっとしたような、残念なような複雑な気持ちになりました。
子どもが母親に話すと、母親はそれをひどくしかりました。あぶないおおかみと仲良くするなんてできない、危険だ、と。忘れるようにといいましたが、子どもは子おおかみのことが気になって仕方ありませんでした。

一方、むれに帰った子おおかみでしたが、子どもがくれたおいしいご飯とあたたかい寝床が忘れられませんでした。そこでその話を母親にしましたが、母はそれをひどくしかりました。人間はわれわれに銃をむけてくる。そんなやつの出した食べ物を食べるなんて、毒でも入っていたらどうするんだ、と。忘れるように言いましたが、子おおかみは子どものことが気になって仕方ありませんでした。

どうしてももう一度子どもに会いたくなった子おおかみは、こっそり群れを抜け出して、子どもに会いにいきました。すると子どもも同じだったようで、子おおかみをさがしに外に出てきていました。
子おおかみは子どもに近づきました。すると子どもは、子おおかみを抱き上げ、やさしく微笑みかけるのでした。

子どもは思いました。こんなにあたたかくてかわいい生き物が牙をむくはずがない、と。
子おおかみは思いました。こんなにやさしい生き物が、銃を向けるはずがない、と。

それから一人と一匹は、毎日仲良く遊ぶようになりました。その様子を見ていたおおかみも人間も、はじめはバカなことだと思っていましたが、彼らの関係を通して、お互いに相手がそれほどに悪いやつだとは思わなくなりました。こちらが相手に敵意を向けるから、相手も敵意を持って接してくるのだと気づいたようでした。そうして一人と一匹のほかにも、共に暮らすものがでてきました。

こうしておおかみは、するどい牙をもっていながらそれを使わない、心優しい犬になったのでした。

5年生物語文 「ぬいぐるみのうさぎ」 122919

ある朝、幸子はいつものように、目が覚めた。そして、いつものように、お気に入りのぬいぐるみのうさぎにもあいさつした。「うさちゃんおはよう。」いつもと変わらない日が始まろうとしていた。

今は戦争の真っ只中である。幸子のお父さんは兵隊として徴兵されてもういない。戦死したというが、幸子はまだ知らない。その電報を受け取ったとき、お母さんはひとりで悲しみをこらえた。

その夜。幸子はうさちゃんと一緒にごっこ遊びをしていた。「てんのうへいか、ばんざーい。」幸子は楽しそうに遊んでいる。お母さんはごはんのしたくをしていた。すると突然空襲警報が鳴り響いた。ものすごい音がした。
焼夷弾が落とされたのだ。

お母さんはうさちゃんを持った幸子をかかえ、必死に逃げた。川の方向に、必死に逃げた。転んでも転んでも、娘を守るために必死に逃げた。川につく頃には、お母さんの体はボロボロになっていた。川の中に逃げこむと、お母さんはそのまま力つきてしまった。お母さんが水のなかに沈んでいくのを、幸子はただ見ているしかなかった。幸子はうさちゃんに、「かあちゃん、暑かったのね。今、みずあびしてるのかな。」と話しかけました。そして、「幸子も暑い。かあちゃんと一緒にみずあびするね。」と言って水のなかに沈んでいきました。

空襲をうけ、逃げていた親子には、焼夷弾が当たっていた。それにもかかわらず、娘を助けたい一心で母親は走り続けた。しかし、その母の思いは娘に伝わらず、焼夷弾の炎と熱だけが伝わったのだった。川には黒焦げになったうさぎのぬいぐるみが浮かんでいた。

5年生物語文 「しあわせをみつける方法」 122920

今日は月曜日。5年生の海はなんだか学校には行きたくない気分。なんとなく、原因は分かっているのですが、体調は悪くないので学校を休むことはできず、仕方なく学校へ向かいました。

学校へついても、友達と楽しいおしゃべりをする気にもなれず、休み時間はぼーっとしたり、寝たり、ぶらぶら散歩へでかけたりしていました。どうしてもそのもやもやの原因を考えてしまって、また、もやもやがつのってしまいます。

海が、ひとりでもやもやしているころ、海の仲の良い友達が相談していました。
「海、今日元気ないなあ」
「なにか、悩んでることでもあるんちゃう?」
「言えたら、らくになるのになあ」
「でも、ひとに言いたくないことも、あるやん?そういうこと、無理に聞き出そうとしても、あかんねやろな」
海のことが心配で海に何をしてあげられるかを考えた4人は、ひとりでいる海に近づいていきました。

「海、今日の放課後遊びにいこう!」
「天気もいいし、あったかいし、あの高台にいって、ひなたぼっこしよう!」
そういって、海を誘いました。
放課後、5人は高台へ出かけて、町を一望できるベンチでひなたぼっこをしながら、昨日みたテレビのこと、好きな男の子のこと、将来の夢のこと、いつも笑いあって話しているようなことを、いつものように話しました。そして、いつものように5時の放送がなる頃、それぞれの家へ帰りました。

帰り道、海は気づきました。「高台で、みんなと話しているとき、特別何が、ってわけじゃないけど、めっちゃ、楽しかったなあ。今日ずっと考えてたもやもやも、町を見渡してたら、ちっさいことなんやな、って思ったし。そのことに頭を占領されてしまってたから、つらかったんやろうなぁ。他のこと考えてたら、みんなと楽しくお喋りしてたら、なにももやもやしーひんかったなぁ。あ、わたしってしあわせなんやなぁ。」そうして、海は決めました。「あした、みんなにありがとう、って言おーっと。」

5年生物語文 「彼女」 122921

「彼女」には名前がありません。そもそも名前とは誰かを呼ぶときに使うものであり、つまり誰かとかかわる時に使われるものであります。そして、誰かと関わるということを知れなかった彼女にとって、名前とは必要とされなかったものでした。これは、そんな彼女の物語であります。

彼女が生まれたのは8年前。彼女は生まれたときとても重い病気を抱えて生まれてきて、お医者さんにも「助かるかどうかは非常に難しいところだ」と言われていました。両親はたいそう悲しみ、教会に向かって「どうか病気を打ち消してください」と何度も夜通し泣きながら懇願しました。すると願いが通じたのか、朝日を迎えるころには赤ちゃんの状態はよくなっていました。両親はたいそう喜び、今度はうれし涙をずっと流し続けました。まさか、あんなことになろうとはこのときは知らずに・・・

母親が赤ん坊を初めて抱えようとしました。すると、手が滑り赤ん坊が落下したため、父親と看護師は仰天しました。ですが、次に起こったことにはもっと仰天しました。赤ん坊が床にぶつかる瞬間、他の全員もつるつるした床に滑って、みんな転んでしまいました。赤ん坊も、みんなも傷だらけです。この時から、彼女はまわりに不幸をまき散らし、以降8年間、自然と彼女は一人となってしまいました。神の打ち消す力は想像以上に機能し、彼女は運まで打ち消してしまうという試練まで与えてしまったのです。

そんなある日、彼女は一人の青年を見つめていました。不幸な彼女ですが、まだまだ遊び盛りの女の子。彼女は一緒に遊びたそうな顔をして青年のもとに近寄っていきました。すると「来るな!」と青年が叫び、女の子はびっくりして、また自分の不幸に苦しめられたことに泣き出してしまいました。青年は困ったような顔をしています。彼女はついに自分の不幸に我慢できなくなり、泣きながら青年に近寄りました。そして、手をパーに広げ、「馬鹿!」と泣きながら色々な思いを込め思い切りはたきました。

青年が泣き出しました。「そんなに痛かったの?お兄ちゃん大人のくせに泣き虫!」と彼女は、急に笑い出しました。違うのです。嬉しかったのです。青年があまりにも嬉しそうな顔で泣いているので、嬉しかったのです。初めて出会えた笑顔でした。彼女の世界が急に輝き始めました。なぜ彼が、嬉しそうに泣いているのか、彼女には分かりません。ですが、確かに嬉しいのです。それは、出会いという名の喜びでした。彼女はこの日、本当の意味でこの世に「生まれた」のかもしれません。青年に「名前をつけてほしい」と言われ、意味が分かりませんでしたが、初めての人の繋がりに、彼女はまた喜びました。彼女の「打ち消す力」は、彼の「加護の力」さえも打ち消したのでした

5年生物語文 「ジョンの一日」 122922

「いってきまーす。」
今日も元気に真一くんは学校へ行きました。そんな真一くんを見送るかげが二つ。一つは真一くんのお母さん、そしてもう一つは真一くんの飼い犬のジョンです。ジョンは毎朝、お母さんと一緒に真一くんの登校を見送るのが楽しみでした。

真一君は毎日とても楽しそうでした。帰ってくると学校であった楽しいことを教えてくれます。ジョンはそれがとても楽しみでした。しかし、ある日、真一君は学校から帰ってくるとなんだか元気がありませんでした。ジョンは少し心配になりましたが、すぐ元気になるだろうとあまり気にしませんでした。しかしそれから何日たっても真一君はそのままでした。なんだかなやんでいる様子で、ときどき考え事をしているようでした。ジョンはどんどん心配になってきました。
「どうしたんだろう。いつもはあんなに楽しそうに学校での話をしてくれるのに。もしかしたら学校でなにかあったのかもしれない。」
ジョンはそう思いました。
「明日、学校へ行ってたしかめてみよう。」

次の日、ジョンはこっそりと真一くんのあとをついて学校へ行きました。子供たちに見つからないよう、こっそりしんちょうについていき、そしてついに真一くんが通う学校にとうちゃくしました。ジョンは初めての学校にわくわくしました。
「これが学校かあ。見たことないものばっかりだ。」
ジョンは最初の目的を忘れて学校探険に夢中になってしまいました。なにしろ見るものすべてが新しくて、またジョンにとっては学校は前々からあこがれな場所でした。。

しばらくしてジョンはふと気が付くと自分がどこにいるのかわからなくなりました。
「しまった。迷っちゃった。」
ジョンは泣きそうになりました。全く知らない場所でひとりぼっちになってしまいとてもさみしい気持ちになりました。
「あれ。この子、真一くんの家の子かな?」
ふとそんな声がきこえて顔をあげると見覚えのある女の子が立っていました。
「そうだ。この子は真一くんとよくいっしょに遊んでいる子だ。よかった、助かった。」
ジョンはその女の子につれられて真一くんのところへいきました。

真一くんはその女の子に照れながらお礼を言いました。その顔は真っ赤で少しきんちょうしている感じでした。
「そっか。真一君はこの子のことが好きなんだ。最近元気がなかったのはこのせいだったんだ。」
ジョンは真一くんの元気がなかった理由もわかったし、学校探険もできて満足な一日でした。

5年生物語文 「バンド」 122923

高校1年のまさきの趣味はギターだ。彼は高校に入って、軽音楽部に入ろうとしていたが、第一志望の高校に落ちてしまったため、軽音楽部のない高校に入学することになってしまった。

せっかく高校に入ったものの、やりたいことができないと思った彼は元気をだせないでいた。が、しかし、彼の目に飛び込んできたのは有志バンド募集の張り紙。この学校は毎年、学園祭で演奏するバンドを募集していたのだった。この日から彼のバンドメンバー集めが始まった。

ギターとヴォーカルは自分がやるとしても最低限ベースとドラムが必要であった。自分のクラスと隣のクラスに片っ端から声をかけて集めたのは素人の二人だった。「こんなので大丈夫か?」内心そう思っていたまさきだが、本番まで練習を重ね、なんとか形になるだけのライブにすることができた。

その後、まさきは家の事情で転校することになってしまった。バンドの二人は「行くな」と言ってくれたが、高校生が一人暮らしなんて普通はできない。まさきは行きたくない気持ちを抑えて転校に納得していた。

二年後、高校3年になったまさきは学園祭の時期に帰郷した。もちろん目的はライブである。まさきは、他校の生徒でありながら学園祭でのライブ出演を認められ、演奏した。その時まさきは、心の底からこの二人と組むことができて良かったと思った。

5年生物語文 「サキちゃん」 122925

サキちゃんは自分のことが嫌いです。授業中にあてられても、答える事が出来ません。運動が苦手で、体育の時間はお腹が痛いといって、いつも休んでいます。しかし、サキちゃんはみんなより一つだけ優っていることがありました。それは髪の長さです。おヘソのしたまで伸びている髪は彼女の唯一の自慢でした。

ある日、タケシが
「いい加減髪の毛切れよー。お前の暗い性格もその髪のせいだろ。」
確かに、前髪で顔を半分隠し、人を拒絶しているように見えることは、サキちゃんもわかっていました。何か自分で変えていかないと。そう思ったサキちゃんは思いきって髪を切ることにしました。

美容室で
「どんな髪型にしますか。」
と聞かれ、
「元気になれるようにしてください。」
と言い、おまかせにしました。

次の日、サキちゃんは肩より上のショートカットの髪型で、うきうきしながら登校しました。学校に着くとまわりの子がヒソヒソと話をし始めました。
「やっぱり、こんな髪型、私には似合わないんだわ。」
そう思うとすごく恥ずかしくなり、クラスを飛び出しました。

ドンッ!!誰かに肩がぶつかりました。顔をあげてみてみると、タケシがいました。
「なんか、雰囲気変わったね。そっちの方がずっと良いよ。」
そう言って、クラスへ戻って行きました。それを聞いたサキちゃんは、すごく嬉しくて、そしてドキドキしました。それからというもの、サキちゃんは授業でも積極的に発言し、明るい性格になりました。

5年生物語文 「お菓子とみーこ」 122926

みーこはお菓子が大好きな小学5年生。もちろんお菓子を作ることも得意なのです。2月。もうすぐバレンタインデー。

朝、みーこは学校に登校しました。友達のあんが
「ともチョコしよう!」
といいました。クラス全員は大賛成。みーこももちろん大喜びです。だってお菓子がもらえるのです。喜ばないはずがありません。しかし、一人暗い顔をした友達のかんこがいました。みーこがかんこに
「どうしたの?」
と声をかけました。
「私はお菓子を作ったことがないの。だからお菓子作ってもおいしくないのができてしまうかも。いやだな。交換…。」

みーこはあんこに提案しました。
「じゃあ、一緒に作ればいいじゃない!」
あんこの顔は明るくなりました。
「いいの?一緒に作りたい!」「わたしなにもできないよ。」
「いいに決まってるじゃないか!一人より二人のほうが楽しいしね!」

さあお菓子作りのはじまりです。あんこはみーこの家にやってきていました。チョコのブラウニーとクッキーを作ることにしました。みーこは手際よく作っていました。
「そこの小麦粉とって。」
「はい。すごいねー。みーこ。」
「あんこもできてるじゃない。」
一日かけて、クラス全員分のお菓子が完成しました。

バレンタインデー当日。みーことあんこはできたお菓子を包装して学校へ持っていきました。クラスみんなが
「これはうまい!」
と口々に言っていました。あんこはほおを赤らめて喜んでいました。

5年生物語文 「青いリボン」 122927

 彼方君はお母さんが大好きです。彼方君にはお父さんがいませんでしたが彼方君は
お母さんがいるのでさびしくありませんでした。ある日お母さんは病気にかかってしまいました。彼方君は毎日のように病院に行ってお母さんにくっついていました。お母さんが家に帰れない間、彼方君はおばあちゃんといっしょに暮らしていました。おばあちゃんはとても不思議な人で彼方君は少し苦手でした。

そんなある日、お母さんは彼方君に青いリボンをプレゼントしました。彼方君はそれを気に入って毎日のように身につけていました。お母さんとずっと一緒にいることはできませんでしたが、彼方君にはこの青いリボンがあったので平気でした。おばあちゃんは少し苦手でしたが、彼方君が全く知らない不思議なお話をたくさんしてくれるので嫌いではありませんでした。

しかし、いつまでもお母さんと離れているのは彼方君には我慢できるものではありませんでした。彼方君はおばあちゃんに相談しました。「お母さんのために何かできることないかなあ。」おばあちゃんは言いました。「そうだねえ。この近くの森の中にある神社にお参りすれば何でもかなうって言う話はあるけど本当かわからないし、だれも場所を知らないからねえ。それに・・」彼方君は(よし。そこに行ってお母さんを元気にしてもらおう。)と考え事をしていたのでおばあちゃんの話を聞いていませんでした。

次の日、彼方君は家をこっそりと抜けだし、森の中に入って行きました。しかし、森の中は暗くて、道も分かりません。彼方君は不安になりましたがお母さんのためだと突き進みました。歩いて歩いて空がだんだんと赤くなってきたとき、彼方君は開けた場所にたどり着きました。今まで森に入ったときには見たこともない場所でした。彼方君はおばあちゃんから聞いた神社をさがしました。すると小さな小さな鳥居が向こうに見えました。彼方君はそちらへ走って行きました。やっと神社を見つけたのです。彼方君はすぐにお願いをしました(おかあさんが元気になりますように)。すると突然声がしました。
「じゃあ君は何をくれるの?大切なものを頂戴。」
彼方君が声のするほうを見ると狐がこちらを見ています。彼方君は尋ねました。
「僕に話しかけたのは君?」狐は答えます。「そうだよ。君は自分のお願いだけ叶えてもらえると思ったの?何かお礼としてくれないの?」彼方君は考えました。確かに自分だけお願いをかなえてもらうなんて不平等です。「じゃあお菓子は?あまくておいしいよ」彼方君は尋ねました。「だめだめ。そんなのじゃ」狐は言いました。「じゃあ、ぼくの貯金箱は?ゲームを買うために貯めてるんだ。」「だめだね、そんなんじゃ」「じゃあなんだったらいいの?」彼方君は尋ねました。狐は言いました。「言っただろ。君にとって大切なものさ。」
彼方君は悩みました。だってお菓子だって貯金箱だって大切です。それ以上に大切なもの・・・彼方君は思いつきました。「わかった。僕の一番の宝物をあげる。」彼方君は
お母さんからもらった青いリボンを差し出しました。「いいよ。それなら。君の願いはかなうよ。」狐はリボンとともに消えてしました。

 彼方君は驚きました。瞬きをした瞬間に森の入口にもどっていたのです。夢かと思いましたが、彼方くんの青いリボンはなくなっていました。するとそこにおばあちゃんがやってきて、「どうだった?狐さんには会えたかい?」と聞きました。彼方君は「会えたよ。お母さん元気になるよね」とおばあちゃんのほうを向きました。おばあちゃんは笑っていました。彼方君は相変わらずお母さんが大好きです。

5年生物語文 「ハッピーサーカス団」 122928

 あるところに、ハッピーサーカス団という劇団がありました。キキは、そこの新人の劇団員です。このサーカス団には、へんてこな顔に、面白おかしく動いて観客を楽しませるピエロや火の輪にライオンをくぐらせたり、象に玉乗りをさせたりする動物使い、そのほかにもいろいろな特技を持つ団員がたくさんいました。

 ききは、空中ブランコに挑戦することにしました。それは、幼いころに見たサーカスで、一番感動したのが空中ブランコだったからです。しかし、美しい見た目と違って、ブランコからブランコへ渡ることはとても難しく、なかなかうまくいきませんでした。

 何回も何回も失敗を繰り返しながら、少しずつ上達し、ブランコからブランコへ渡ることができるようになりました。ある日、キキは団長に呼び出されました。
「次の公演で、デビューだ。」
「本当ですか。ありがとうございます。」
キキは、幼いころからの夢がもう少しで叶うとこまでやってきました。

 そして、キキがデビューする公演当日。初舞台ということもあって、キキは緊張と不安で押しつぶされそうでした。
「失敗したらどうしよう。うまくできる気がしないよう。」
キキは、お客さんがとても怖く感じ、泣きそうになりました。すると、そこに団長がやってきました。
「何をしているんだい、キキ。」
「失敗するかと思うと、こわいんです。」
キキは、泣きそうな顔で言いました。
「そんな顔をしていてはいけないよ。この劇団の名前を忘れたのかい。お客さんにハッピーになって帰ってもらうために、俺たちは演技をするんだ。それなのに、泣きそうな顔や強張った顔で演技をしてもお客さんは楽しんじゃくれない。楽しんで演技して来い!」
キキは、団長の言葉に勇気をもらいました。
 そして、本番。キキは、ブランコからブランコへ、まるで鳥のように、羽のように軽く飛び移り、お客さんを感動させました。

 それから、ハッピーサーカス団には鳥のように舞う、空中ブランコが見られるらしいという噂がささやかれるようになり、各地の人々に感動を与えるのでした。

5年生物語文 「勇気」 122929

5ねん2くみではなわとびが大人気。
休み時間になると皆自分のなわとびをもって運動場に走っていきます。

みえちゃん、はやくいこう!
そう声をかけてくれたのはあかねちゃんです。
あかねちゃんはクラスで一番なわとびが上手です。
クラスで二重とびができるのはあかねちゃんだけです。
今日もあかねちゃんは二重とびをかるがるととんでいます。
ビュンビュン ビュンビュン
みえは思わず「すごいなあ」とつぶやきました。
みえも二重とびをいっしょうけんめい練習していますが、いつもうまくいきません。
ジャンプしている間になわを二周まわすことができないのです。
みえは、うまくとぶコツをあかねちゃんに教えてもらうことにしました。
「あかねちゃーん」
「みえちゃんなあに?」
「二重とびが上手にとべないんだけれど、どうすればうまくとべるかなあ?」
「そうだねえ。見てみたらわかるかもしれないから一回とんでみてよ。」
「わかった!」
みえはなわをかまえました。
思い切り高くジャンプをして、できるだけはやくなわをまわしました。
しかし、ベシッという音をだして、なわは足にあたってしまいました。
「おしかったね、みえちゃん」
「あかねちゃん、どこが悪いかわかる??」
「うーん、すごくなわがまわしにくそうだったんだけど、そのなわ重そうだね。私のなわとくらべてみよう。」
そう言って、あかねちゃんは右手に自分のなわを、左手にみえのなわを持ちました。
「わぁ。みえちゃんのなわのほうが重い。」
「え、本当?わたしにもくらべさせて。」
そう言って今度はみえが二つのなわを比べてみました。
「本当だ。なわがおもい。」
「みえちゃん、このなわじゃおもくてとびにくいとおもうよ。一度わたしのなわでとんでみなよ。」
あかねちゃんはそう言ってみえに自分のなわをかしてくれました。
みえはなわをかまえました。
思い切り高くジャンプをして、できるだけはやくなわをまわしました。
さっきと同じく、ベシッという音をだして、なわは足にあたってしまいました。
しかし、さっきよりもずいぶんはやくなわがまわせるようになりました。
「わあ。とびやすい。」
「みえちゃん、こっちのなわのほうがうまくできていたよ!」
「わたしもこのなわがほしいなあ。あかねちゃんはこれどこでかったの。」
「隣町のデパートよ。」
「わたしも買いにいこうかしら。」
「それなら、わたしのなわを持っていきなよ。デパートには色々な種類のなわがあるから、どれが私のなわと同じか分からなくなるかもしれないし。」
「そうね。ありがとう。かしてもらうわ。」
こうして、みえはあかねちゃんのなわをかりてかえることにしました。

そのひのほうかご、みえはお母さんにたのんでデパートにつれてきてもらいました。
なわうりばには、たくさんのなわがうっていました。
しかし、あかねちゃんのなわと同じなわはどこにもありません。
みえは、店員さんにきいてみることにしました。
「すいません、このなわと同じなわはどこにありますか。」
「たいへんもうしわけありません。もうないんです。あのなわをつくっているこうじょうがつぶれてしまったので、もうつくることができないのです。」
そう言って店員さんはいってしまいました。
みえはとても残念な気持ちになり、その日は何も買わずに帰りました。
次の日、みえはあかねちゃんのなわをもって学校にいきました。
みえはランドセルから教科書を出し、机の中に入れました。
あかねちゃんはまだ来ていなかったので、あかねちゃんからかりたなわも机の中に入れておきました。
みえの学校では、朝学校にきて1番はじめにそうじをします。
一日が気持ちよくすごせるようにです。
そうじの前には、みんなの机を教室の後ろに固めて置きます。
今日もみえはいつも通り机を動かそうとしました。
ガリッ
なんだかいつも通りでない音がしました。
みえはおそるおそる下を見ました。
そこには、持つところが粉々になったあかねちゃんのなわがありました。
気が付かないうちに机の中からすべり落ちていて、その上に机の重さが加わったことで割れてしまったのでした。
みえは頭が真っ白になりました。
すぐにまわりを見回すと、幸運なことにこちらを見ていた人は誰もいませんでした。
みえは急いでなわをひろうと、机の中におしこみました。
どうしよう。どうしよう。
みえの頭の中には「どうしよう。」という言葉だけがぐるぐるうずまいていました。
どうしよう。どうしよう。
もしかして怒ってもう友だちじゃないって言われるかもしれない。
新しく買ったものを渡してゆるしてもらいたいけど、もう売ってない。
どうしよう。どうしよう。
これからも友だちでいたい。
でも割れてしまったことをこれからずっとかくしておくことはできない。
そうだ。いいことを思いついた。
私じゃなくて他の人が割ったことにすればいい。
そうじが終わったら割れていたことにしよう。
みえはあかねちゃんに声をかけました。
「あかねちゃん。あのね、あかねちゃんにかりていたなわとびのなわなんだけど、そうじが終わったら、割れていたの…。」
そう言って、みえはあかねちゃんに割れたなわを見せました。
「わあ。」
あかねちゃんはそう言って悲しそうな顔をしてなわを見つめました。
「ごめんね…。」
「仕方ないよ。みえちゃんが悪いわけじゃないし謝らないで。」
あかねちゃんは割れたなわを大切そうに抱えて戻っていきました。
みえは、自分が悪いということにならずにすんでほっとしました。
でも、なんだか胸がちくちくと痛みました。

その日の休み時間も、みんなはなわを持って運動場にかけていきました。
でも、あかねちゃんはなわがこわれてしまったので教室に残ったままです。
「みえちゃん、行こうよ。」
隣の席の子が声をかけてくれました。
「いや、今日はいいや。教室にいるよ。」
みえは胸のちくちくの理由を探していました。
うまくいったはずなのに、なぜちくちくするのだろう。
このちくちくは、前にも感じたことがありました。
その時も、嘘をついた時でした。
みえは、あかねちゃんに本当のことを言うと決めました。
「あかねちゃん。」
「みえちゃん。なわとびしにいかないの?」
「うん。いいの。それより、謝らなきゃいけないことがあって…。」
あかねちゃんはじっと黙ってみえのことを見ています。
「さっき、割ったのは誰かわからないって言ったでしょ。あれ、嘘なんだ。割ったの…私なんだ…。」
あかねはびっくりした顔でみえを見つめています。
「自分が割ったって言って、あかねちゃんに友だちやめるって言われたらどうしようって思って嘘ついちゃったの。本当にごめんなさい。」
みえはあかねがどんな顔をしているのか見るのが怖くて、目をつぶっていました。
「いいよ。」
「え?」
「勇気をだして言ってくれてうれしかったよ。」
「これからも友だちでいてくれる?」
「もちろん!」
「そうだ、教室にいるより外で遊ぼう!行こう!」
「うん!」
気が付けば、みえの胸のちくちくは、どこかにいなくなっていました。

5年生物語文 「理由」 122931

今日から新学期が始まる。僕達のクラスは今年からこの学校にきた先生が担任らしい。みんなその話題で盛り上がっている。だけど、ぼくはあまり興味が無い。なぜなら、教師なんてみんな同じで、自分の考えを子供へ押しつけるだけだからだ。「授業中はしゃべるな」「ろうかは走るな」「食事の前にはちゃんといただきますといえ」などと言われる度に僕はいつも「なんで?」と聞いてきた。ただ純粋に疑問に思うから聞いているのに、いつも返って来るのは「いいから言うとうりにしろ」「お前はめんどくさいやつだ」とかばかりでまともに返してくれたことがない。だから、教師なんて嫌いだし、元から期待もしていなかった。

しかし、今回の担任は何か違うかった。「なんで授業中しゃべっちゃだめなの?」「真面目に授業聞いてくれてる子もいるんだから、それを邪魔しちゃだめでしょ?」「なんでろうかを走ったらだめなの?」「せまいろうかでみんなが走りまわってると、絶対誰か怪我するから」「なんでいただきますって言わなければならないの?」「他の命を犠牲にして食事してるんだから、そのことに感謝の気持ちを表さないといけないでしょ?」質問すれば、必ず答えが返ってくる。今までにない感覚だった。

ある日、道徳の授業で電車やバスなどではお年寄りに席をゆずるべきだという話だったので、いつも通りその理由を聞いてみた。すると、「やっぱり足腰が悪いお年寄りを座らせたほうがいいからだけど、一番の理由は実際やってみたらわかるよ」と言われた。僕はこういうちゃんと理由を言わずにとりあえずやってと言われるのは大嫌いだ。大嫌いだったはずだ。だけど、この先生の言う事なら不思議とやってみようと思えた。

翌日、通学のためにいつもどうりに電車に乗り、いつもどうりに席に座った。しばらくすると、お年寄りの方が電車に乗って来た。周りを見ると、席は全部うまっていて、みんな乗って来たお年寄りを見て見ぬふりをしているようだった。とりあえず、譲ろうと思ったのだが、たった一言「どうぞ」という一言がどうしても出てこない。結局、譲れないままお年寄りはおりてしまった。
そのことを先生に言ってみると、「譲ろうと思えただけ進歩じゃない!あと一歩頑張って!」と言ってくれた。

その帰りの電車で、偶然朝のってきた人と同じお年寄りが乗り込んできた。今度こそはと思い、「あの、席どうぞ!」と言ってみた。するとそのお年寄りはこっちを見てにっこりほほえみながら、「ありがとうね」と言ってくれた。そして、気付いた。人にいいことをするということは、こんなにも気持ちのいいことだということに。理由は人に聞くだけでなく、実際に自分でやってみないとわからないことも、あるんだと、初めて思った。

5年生物語文 「智也の幽談記 そのご」 122933

 智也は幽霊が見える少年です。
 これは智也が小学五年生の秋のお話。

 その日、智也達は隣街の百貨店に買い物に来ていました。
 実は来週智也のおばあちゃんが70歳の誕生日を迎えるので、普段おばあちゃんの世話になっている和也と将子も一緒にお祝いの品を買いに来たのです。
「うわーでっけー!」
 実はこういう店には今まで一度も来たことが無かった智也はその大きさと、品数の多さに目を輝かせて驚きます。
「百貨店来たくらいではしゃぐなよ」
「なんだよ。そういうカズは百貨店来たことあるのかよ?」
「そりゃあ、あるよ」
 当たり前だろ、と返す和也に智也が呻ります。それを見て苦笑いを浮かべていた将子がパンっと手を打ち合わせると二人に説教するように言いました。
「はい、こんなところでぐずぐずしてないの。おばあちゃんのお祝いを買いに来たんでしょ?ほら、さっさと行く!」
「「へーい」」
 それに口を合わせて返事をする男子二名。最近、将子はどことなくしっかりしてきて、こういう時には二人を止めるストッパー的な役割をするようになっていました。

 三人そろってああでもないこうでもないと話しながら店内を見て回ること30分ほど。急に智也は腹部に痛みを覚えてどうしてもトイレに行きたくなってしまいました。
「悪い二人とも。俺ちょっとトイレに行ってくるから、選んでいてもらえるか?」
「なんだ?うんこか?」
「もう!カズ!!」
 下品なことを言って将子に叱られる和也を後にしながら、智也はその階のトイレへと向かいました。しかし、あいにくとトイレは満室で数分待ちましたが誰も出てくる気配がありません。
 我慢の限界に達した智也はこうならばいっそと違う階のトイレを目指すことにしました。階段だともしかしたら漏らしてしまうかもしれないので、エレベーターを使います。そして、都合のいいことにエレベーターは智也がその前に辿り着いた時に都合よく付いたばかりでした。幸運なことに人も乗っていません。
 エレベーターに入ってすぐ上の階のボタンを押そうとした智也でしたが、どうやらこの建物は二階おきにトイレがある造りになっているようで、すぐ上の階にはトイレがありませんでした。
 そこで仕方なく二つ上の階のボタンを押して待っていた智也でしたが、運の悪いことに一つ上の階で誰かが乗り込んできました。
(まぁたかが一階だし、それくらいなら我慢できるか)
 薄目で入ってきたサラリーマン風の男の背中を見ると、智也は再び目を閉じました。目を閉じた方が痛みが少しましな気がしたからです。
 そしてエレベーターの到着を待っていた智也でしたが、いつまで経ってもエレベーターが止まる気配がありません。さすがに不審に思った智也は目を開けると今が何階なのかを確認しました。すると、智也が押したはずのはるか上の階の数をパネルは映し出していました。
(なんで!?)
 驚愕と絶望に目を見開いた智也でしたが、スイッチのところを見ると点灯しているのはこの男性が押したと思われる階の番号だけで、智也が押したはずの番号は全く光ってすらいませんでした。
(押しそこなったのかな?)
 そんなことは無いと智也は思いましたが、現にこうしてエレベーターは止まってない訳ですし、過ぎてしまったことを悔いても仕方ないので諦めることにしました。
 それに気がつくとエレベーターは男性の押したフロアに到着していたので、もうこの階で用を足そうと智也は扉が開いた瞬間駆け出しました。
 ですが、智也が飛び出した先にあったのは店舗が並ぶ商業フロアではなく、車が並ぶ駐車場フロアでした。
(っと、さすがにこんな場所にトイレはないな。戻って下の階に行くか)
 智也がそう思ってエレベーターに戻ろうとしたその時です。智也と一緒にエレベーターから降りてきた男性が突然、駐車場の端のフェンスをよじ登ると、その向こう側に飛び降りてしまったのです。
「なっ!?」
 これには智也も腹痛を忘れて驚きました。智也は慌ててフェンスに駆け寄るとそこから男性が飛び降りた下を見下ろします。ですが、そこには智也が想像したような凄惨な光景はどこにも広がっていませんでした。
「え?」
 智也が疑問の声を上げたその時、

 チンッ

 という音がして、再びエレベーターがこの階に止まりました。
 智也は嫌な予感と共に、ゆっくり開かれるその扉に視線を向けます。すると先ほど飛び降りたはずの男がそこに立っていました。
 割れた頭から血を大量に流して。
「ひっ」
  智也が思わず悲鳴を上げます。
 しかし、男はそんな智也がまるで眼中にないかのようにエレベーターから出ると、吸い込まれるように再びフェンスの向こう側へと飛び降りていきました。
 唖然とする智也。すると再びエレベーターが、

 チンッ
 
 と音を立てて止まり、そこからまた血だらけの男が出てきました。そして男は再び飛び降りると、

チンッ

 またエレベーターから出てくる。

チンッ

チンッ

チンッ
チンッ
チンッ

 何度も何度もエレベーターは鳴り、何度も何度も男が飛び降りる。
 その悪夢みたいな光景に智也は固まって動けなくなりました。

 男が何度目の飛び降りをした時でしょうか。智也は男が何かぶつぶつと呟いているのが聞こえました。すると、そちらに意識が言ったからか、まるでチャンネルが合うかのようにぶつぶつとしか聞こえなかった男の声が聞こえるようになりました。
「まだ……まだ死ねない」
「ッ!?」
 それを聞いたとき、智也は鳥肌と共になんだかとても悲しい気持ちになりました。
 そして、男が飛び降りてまた昇ってくるまでの間、智也はポケットを漁ると中からいつも持ち歩いているペンとメモ帳を取り出すと、メモ帳のページを破き、そこにペンで文字を書きました。
『あなたはもう死んでいます。もう成仏してもいいのですよ』
 そう書いた紙を男がいつも飛び降りる場所の足元に置きました。
 しばらくするとまたエレベーターが鳴って男が出てきました。男はいつものようにフェンスに手をかけようとして、ふと足元の紙に気付きました。
 男はしばらくじっとそれを黙って見つめていましたが、やがて嗚咽を漏らしながら泣き崩れるとふっと消えていなくなってしまいました。
“ありがとう”
 ふとそんな声が智也の耳に届きました。
 けど、智也はその言葉を聞いても嬉しさよりも悲しさばかりが胸に浮かんでしまうのでした。

「人はね、死んだら自分の死を受け入れてから上に行くけど、自殺した人はそれが出来ないんだよ」
 その次の週、予定通りにおばあちゃんに誕生祝いを渡せた智也達は、おばあちゃんに智也に起きた出来事を相談しました。
「なんで出来ないんですか?」
 将子がおばあちゃんに聞くとおばあちゃんは悲しい顔で言いました。
「その自殺した『時』に縛られるんだよ。死ぬ瞬間の恐怖と絶望、そして自殺したことへの後悔の念で雁字搦めになって死んだ場面を繰り返すんだよ。何度も何度も、それこそ永遠に、ね」
 おばあちゃんの言葉に将子も和也もぶるっと身を震わせます。実物を目撃した智也も怖さに寒気がしましたが、それよりも悲しみや哀れさが先んじてしまいます。
 それを見たおばあちゃんが気遣うように智也の頭を撫でます。友達の前で頭を撫でられるのは恥ずかしかったですが、手からおばあちゃんの温かさが流れ込んできてほっと心に余裕が出来るのが分かりました。
 おばあちゃんが智也の頭をなでながら言います。
「いいかい。あんた達にはこれからの人生、悲しい事、憎い事、怖い事、様々な絶望が待ち受けてる。けどね、それはあんた達がこの世で乗り越えなきゃいけない試練なんだ。そして、それを乗り越えて生きて行けば絶対にそれに勝る宝物を見つけることが出来る。だから決して自ら命を放りだそうなんて馬鹿な真似をしちゃいけないよ?」
「「「はい」」」
 おばあちゃんのその言葉に智也たちは声を揃えて返事をしたのだった。

5年生物語文 「長いトイレ」 122935

 「お姉ちゃんおめでとう」私はこの言葉をまだお姉ちゃんに伝えられないでいる。
 私はお姉ちゃんがお嫁に行ってしまうなんてなんだか信じられずにいた。お姉ちゃんに彼氏がいることは知っていたし、もう大人だということも分かっている。けどお姉ちゃんがお嫁に行くなんて実感がわかない。「まだまだ子供のくせに」そう思ってしまう。お姉ちゃんは最近輝いてみえて今までのお姉ちゃんとは別人にみたいに思えてくる。あんまりにも別人みたいなんでよそよそしくなってしまう。これではいけないと思うんだけど今までどんなふうに接していたのか思い出せない。

 私はトイレに入ったトイレでは一人になれる。その中でふと「お姉ちゃんはこの家からいなくなってしまう」と気がついた。このことをわかっていたつもりだったけど、本当はわかっていなかった。わかっていないというより実感がわいていなかった。だけど今はよくわかる「お姉ちゃんはもうこの家を出ていく・・・」
自然と涙が流れた。

 涙を流しているとトイレをノックされた「はやくして!」お姉ちゃんの声だ。私は返事をしたら泣いているのがばれてしまうと思い返事をしなかった。というより涙で返事が出来なかった。

しかし私の涙をすする声が聞こえたようでお姉ちゃんは「どうしたん?おなか痛いん?」と心配してきてくれる。私は涙ながら答えた「おなか痛いんと違う、なんかさびしいねん」初めて自分の素直な気持ちを伝えることができた。するとお姉ちゃん全てわかってくれたみたいでは「私もあんたと離れるのはさびしいけど、もっとさびしいのはあんたが悲しみを一人で抱え込んでいたこと。私ら家族やねんから一人で悩まんといて。」と言ってくれた。私は思っていること、さびしいことを全てお姉ちゃんに話した。そして最後に「お姉ちゃんおめでとう」といった。すると胸がすっと軽くなるのがわかった。

 トイレから出ないといけないのだけど、お姉ちゃんにありのままを話したわけだから、トイレから出るのがなんだか恥ずかしい。けどお姉ちゃんはトイレをしに来たわけだから外に出る。するとお姉ちゃんが「タクヤ、長いトイレだったね」と笑ってくれた。

5年生物語文 「転校生」 122936

くみは転校生だった。2学期が始まる9月、突然私のクラスに先生に連れられてやってきた。先生が簡単にくみの事を紹介する中、教室中が好奇の目と、ひそひそ話で溢れかえった。先生はくみに、私の隣の席に着くように指示すると、いつも通り朝の会を始めた。もちろん生徒は誰一人として聞いていない。

朝の会が終わると、クラスメイト達は一斉にくみの机の近くに集まった。
「くみって呼んでいい?私たちのことも名前で呼んでね。」
このクラスを牛耳っている女子グループのリーダーがくみに言う。くみは、
「ありがとう。」
と微笑んでいった。くみはいわゆる“美少女”といわれるようなかわいい女の子だった。だから、転校生という特殊な存在でも、すんなりと受け入れられたのだ。男子たちは女子がくみを囲んでいるその外から遠巻きに見ているだけだったが、明らかに好意を持った目だった。

「くみが前にいた学校はどんなところだったの?」
リーダーの女の子が聞いた。
「ここから結構近いところだよ。でもこのクラスみたいに明るくなくて、もっとじめじめした教室だったかな。このクラスにきて、みんなが優しいから、結構ホッとしてるの。私、人見知りだから。」
くみが答えると、リーダーはまんざらでもない顔をし、
「くみみたいなかわいい子をいじめる子はこのクラスにはいないよ。もしそんなことがあったら私が味方になるからね!」
と、取り巻きの女子たちを見まわしてそう言った。

そんなやり取りをしているうちに、1時間目の授業開始を告げるチャイムが鳴った。先生がやってきて、みんなが散り散りに各自の席に戻っていく。私は結局ずっと自分の席に座ったままだった。くみに話しかけることもしなければ、みんなに交じって話の輪に入ることすらしなかった。ただ、自分の席にいただけである。くみの隣の、自分の席に。

一時間目は国語で、先生が芥川龍之介の「羅生門」を一人一段落ずつ音読させていた。
「次は…、」
と言って先生が私の方を見たが、その視線は私の顔を横切り、くみの方に移った。結局くみが当たり、そこで授業は終わった。

次の休み時間もみんなはくみの机に群がった。ふと、くみがこんなことを言い出した。
「ねえ、私の隣の席って今日はお休みなの?」
するとリーダーはにやにやした顔で言った。
「あ、その席の子はずっと学校に来てなくて、なんでもこの間自殺したらしいよ。だから、今はだれの席でもないんだ。」
するとくみは、突然納得した表情で、こう言った。
「あ、そうなんだ。あなたがいじめた子の席だったんだ。だからずっと私の隣の席に座って、あなたの事をにらんでいるのね。」
どうやらくみには私の姿が見えていたらしい。リーダーの女の子がくみの言葉を聞いて顔をこわばらせ、こちらを凝視していたが、おそらく私は見えないのだろう。
そう。私はいじめられてこの世を離れられなくなった幽霊だったのだ。

5年生物語文 「いのち」 122937

今は夏休み。みおは、夏休みを利用して、お父さんとお母さんと一緒に、おじいちゃんの家に泊まりに行っています。今、車でおじいちゃんの家に向かっている途中です。車からときどき見える海は、太陽の光が反射してキラキラ輝いています。車にゆられこと数時間、おじいちゃんの家につきました。おじいちゃんの家は、山に囲まれています。広い畑があり、野菜を作っています。すぅーっと大きく空気を吸い込むと、きれいな空気が胸いっぱいに、はいってきます。みおは、この空気が大好きです。大きく息をすると、なんだかすっきりした気分になるのです。

「おじいちゃーん、きたよー!」
玄関で大きい声でそうさけぶと、おじいちゃんが笑顔で迎えてくれました。
「おー、みんなきたか!みお、しばらく見ない間に、また大きくなったんじゃないか?」
おじいちゃんは、みおたち家族が来てくれて、とてもうれしそうです。
「ほら、おなかがすいただろう。ご飯をつくったから、一緒に食べよう。」
気付けばもう夕方です。カラスがカーカーとなく声がが聞こえます。居間に入るとすでにご飯が机の上にならんでいました。おみそ汁に卵焼き、焼き魚や煮物など和食です。それを見たみおの顔は、なんだか、浮かない顔をしています。実は、みおは、おみそ汁や焼き魚といった和食より、ハンバーグやパスタ、オムライスといった洋食が食べたかったのです。ぜんぜん、ご飯を食べないみおをみたお母さんは、
「こら、みお、せっかくおじいちゃんが用意してくれたんだから。食べなさい。」
と注意します。みおはしぶしぶ食べ始めました。

次に日の朝、みおはなぜかおじいちゃんに、一緒に畑へ行こうと誘われました。眠たい目をこすりながら、みおはおじいちゃんについていきます。
「野菜たちはな、生きているんだよ。生きているから、ちゃんと世話をしてあげないと、死んじゃうんだよ。だから、毎日、ちゃんと世話しような。」
おじいちゃんは突然話し始めました。
「人間はな、生きているものを殺して生きているんだよ。昨日のご飯もそうなんだよ。この畑の生きている野菜を、とってきて料理したんだ。人間は、生きているものから、生きるエネルギーをもらっていきているんだよ。だから、命は大切にしなきゃならないんだよ。」
そういうと、おじいちゃんは畑作業にむかおうとします。
「みお、畑作業、手伝ってくれるかい?」
「うん!手伝う!」
みおは、元気よく返事をしておじいちゃんと一緒に畑へ向かいます。

畑作業は、雑草を抜いたり、お水をあげたり、たがやしたりします。どれもこれも、大変な作業です。虫もたくさんでてきます。土で手も足も真っ黒になります。服だって、すぐにドロドロになってしまいます。みおは、何度も何度も、もう、やめようかな、と思いました。でも、そのたびに、おじいちゃんのさっきの話が頭のなかで、響くのです。
「生きているももから、生きるエネルギーをもらって生きているんだ。ありがとうの気持ちをこめて、作業しよう。」
そう、自分に言い聞かせながら、もくもくと辛い作業をこなしていきます。
「おーい。みお、そろそろかえろうか。」
おじいちゃんの声が聞こえました。ふと、空を見上げると、真っ赤に染まっていました。

今日は、家に帰る日。
「おじいちゃん、二日間ありがとう。命の大切さ、わかったよ。これからは、好き嫌いしないように何でも食べるね。」
それをきいたおじいちゃんは、にっこり笑って
「みお、またおいで。」
と言いみおたち家族を見送りました。帰り道、空は真っ青で、雲一つありませんでした。山の木々たちも、風できもちよさそうにさわさわゆれています。その様子は、まるで、みおに、またおいでね。と言っているようでした。

5年生物語文 「無題」 122938

ユウキは世界中を旅していました。ユウキはまだ子供なので自分の知らないことがたくさんあります。いろんな世界を見て回って知識をつけることが旅の目的です。

最初に訪れた国で、ユウキは人が鎖に繋がれて働いている光景を見ました。その人は痩せこけていて、着ている服はボロボロです。そのすぐ近くでは、高そうな服を着てキラキラした宝石をたくさん付けている人が友達らしき人と話しています。色々な場所を回っていると、人だかりができている場所を見つけました。
そこでは、先ほど働いていた人と同じようなボロボロの格好をした人達に値段が付けられて、もののように買われていました。ユウキは近くの人に質問してみました。
「この国では人を売り買いするの。」
「そうだよ。買われたやつはドレイっていうんだ。」
この国にはドレイという人を売り買いする習慣があるらしい。

その次に訪れた国は、特に変わったところがないようにユウキは思った。街を見て回っていると、前からとても病弱そうな人が歩いてきた。ユウキはある違和感に気づいた。それは、その病弱そうな人の周りに人が全くよらないことだった。よらないというよりその人を避けているという感じだった。1時間ぐらい街を見たがそういう人を何人も見た。ユウキは医者だという人を見つけて話を聞いてみた。
「この街は今何かの病気が流行っているんですか。」
「昔からある病気で、今は患者の数が減っているよ。昔から近づくとうつると信じられていたけれど、最近、ウイルス性の病気ではないからうつることはないということがわかったんだ。でもまだ近づくとうつると信じている人がたくさんいるんだ。」
「治す方法はないんですか。」
「治療方法はあるけれど高いお金がかかるんだ。だから貧しい人で治すことができない人が多いんだ。病気だからといって避けるようなサベツは良くないと思うな。」
この国にはサベツという立場の弱い人をいじめる習慣があるらしい。

3つ目の国は、建物やいろんな場所が壊れていた。どうやら戦いがあったようだ。街の人たちは、疲れきっているようだった。ほかの国と比べると男の人が少ないようにユウキは思った。ユウキは街の人に話を聞いてみた。
「この国は最近戦いがあったんですか。」
「そうなんだ。隣の国とね。」
「なにが原因なんですか。」
「昔から隣の国とは仲が悪いんだ。何が原因かと言われると実はよく知らないんだ。戦うやつのほとんどがよく知らないと思うよ。」
「なんで戦うんですか。」
「国を守るためだよ。戦わなかったら、やられてしまう。本当はセンソウなんかしたくないんだけどな。」
この国にはセンソウという仲の悪い国と戦う習慣があるらしい。

目覚めるとユウキは自分の家のベッドの上にいた。ユウキはとても長い夢をみていたようだ。ユウキは決していい気分にはならない夢だと思った。しかし、夢のことが気になったのでお母さんに聞いてみた。ドレイ、サベツ、センソウのことを。
どうやら夢の世界だけの話ではないらしい。

5年生物語文 「英雄と悪の戦闘員」 122939

 ある日突然全身黒色の服を身につけた者たちが街を襲い始めました。彼らは、悪の組織により作られた戦闘員です。彼らの目的は悪の組織にとって障害となる英雄を倒すことです。しかし、英雄の力は圧倒的で戦闘員は全く歯が立ちませんでした。そこで悪の組織は戦闘員リーダーを作ることで統制を取らせることにしました。

 リーダーはほかの戦闘員とは違い、とても高度な知恵を与えられていました。彼は悪の組織の命令も関係なくただ英雄をたおすことだけを考えていました。そのため街を襲うようなことはしませんでした。それでも戦闘員をみた人々は大騒ぎになり、街はパニックに陥りました。すると、英雄が現れました。英雄は彼らを見た瞬間今までとは違うと直感しました。

 戦いは今までにないくらいに伯仲したものとなりました。戦闘員一人一人の力は英雄の足元にも及びません。しかし、リーダーが統制をとることにより、コンビネーションが生まれました。戦闘員たちの連携に英雄は苦しめられました。

 戦いは長期に続きました。英雄は一人一人着実に相手を倒していき、とうとう残すはリーダー一人となりました。リーダーは知恵があるだけで戦闘力は変わりません。それでもリーダーは最後まで己の足で立って戦い続けました。

 最後に立っていたのは英雄でした。しかし、相手の堂々たる戦いぶりに英雄は街を襲わせないことを条件にリーダーを見逃すことにしました。

5年生物語文 「指輪」 123817

来週は、10月31日。クリスマスと同じようにみんなで騒ぐイベント、ハロウィンだ。
「今年は何に仮装しようかな。去年は風邪を引いて寝込んだからな。」
そんなことを言っているのは、とっても楽しいことが好きな、かおるっていう女の子。ハロウィンをとても楽しみに待っていました。
「そうだ。今年は魔女になろう。」
そう決めたかおるちゃんは早速お母さんに何にするのかの報告をしようとうれしそうにしています。
「お母さん。今年の仮装を決めたよ。あのね、あのね―――。」
どんな仮装をするのか報告をするとき、お母さんの妹で、かおるちゃんにとってのおばさんが家に訪ねてきていて、お母さんとお話していることに気がつきました。
「かおる。ごめんね。今、サトコおばさんとお話しているから、あと少しまっていてくれない。」
「いいよ、姉さん。わたしの話は後ででも。それにとってもかおるちゃんが聞いてほしいことがあるみたいだし。こんにちは。かおるちゃん。久しぶりね。」
かおるちゃんは少しはずかしそうにしながらも、
「こんにちは。サトコおばさん。」
と元気いっぱいに言いました。かおるちゃんはとってもサトコおばさんが大好きでした。いつもサトコおばさんに遊んでもらっていたためでしょうか。
「サトコおばさん。今日はどうしたの。お母さんとの話が終わったら遊んでくれる。」
とかおるちゃんがたずねると、
「今日はちょっと姉さんに相談があってきたんだ。姉さんとの相談が終わったら少しだけなら遊べるよ。」
とサトコおばさんは答えます。
「じゃあ絶対ね。約束よ。」
「ええ。約束ね。」
と後で遊ぶことを約束したことによりいっそう機嫌が良くなりました。

そして、かおるちゃんは、さっきお母さんに言おうとした、仮装のことについて報告しました。それ報告を聞いたお母さんは明日、服を買いに行くことにしました。
かおるちゃんの報告が済み、またお母さんとサトコおばさんが話を始めようとしていたので、サトコおばさんの相談というものが終わるまで自分の部屋でお絵かきをして待つことにしました。
 サトコおばさんは話が終わって、かおるちゃんの部屋まできてくれました。
サトコおばさんは、
「今日は何をしたい。」
とかおるちゃんに尋ねると、かおるちゃんは
「サトコおばちゃんのいつもみたいなお話を聞きたいな。」
と答えました。
いつもサトコおばさんと遊ぶときは、サトコおばさんが話を聞かせてくれるのです。かおるちゃんは、サトコおばさんが話してくれるお話が大好きでした。
「そうねえ。じゅあ、仮装の話で魔女が出てきたから、魔女についてのお話にしようから。」
というや否や、ゆっくりと話し始めました。

「むかーしむかし、魔女は恐れられ、人々は魔女を人から遠ざけようとしていましたが、ある時代から、いつのころからか魔女はほとんど恐れられるものではなくなり、魔女は人と共に暮らしていたのでした――。」
すると、かおるちゃんは、
「魔女さん、人と仲良くなれてよかったね。」
と言いました。サトコおばさんはその言葉に答えるようににっこり微笑みました。
「その魔女と人がともに暮らしていたときのころのお話です。あるところに一人の若い魔女が住んでおりました。その魔女はむかし、人間の青年と恋に落ちたことがありました。魔女は青年との生活にとても幸せを感じており、この幸せが続くと思っていました。しかし、運命とは残酷なものでその幸せはある日突然壊れてしまったのです。ある日いつものように、青年は仕事に出かけ、魔女もまた薬草を摘みに出かけました。」
すると、かおるちゃんが
「その青年はどんな仕事をしていたの。魔女さんは薬草を何に使ったの。」
とたずねました。なのでサトコおばさんは、
「その青年の仕事は時計を売ったり壊れた時計を修理したりする仕事をしていました。そして魔女さんは摘んだ薬草を使って石鹸や肌荒れのクリームなどを作って売っていたのです。」
と話を続けます。
「少しちがっていたのはその日の青年の仕事はお昼までだったので、いつもお昼ごはんを別々に食べていたのですが、魔女と少年はお弁当を持って、二人しか知らない秘密の場所で、いっしょに食べることにしたのでした。魔女は薬草を摘むのをいつもより早く切り上げ、お昼ごはんのお弁当を作りました。秘密の場所というのは町が見渡せ、夕方になればきれいな夕日が見れるがけでした。そのがけの上に生い茂っている一本の大きな木の下で待ち合わせていたのです。お昼になって魔女は急いで約束の場所に向かいました。もうすでに着いていると思っていた青年はまだ来ていませんでした。魔女は少し遅れているのだろうと思い木陰で待っていました。しかし、いくら待っても青年はやってきません。胸騒ぎがした魔女は青年のことが心配になって、青年を町に探しに行くことにしました。青年が働いている時計屋さんに行ってみましたが、すでに帰ったといわれ、胸騒ぎがいっそう大きくなりました。そして、いくら探しても見つからず、家に帰ってみましたがいませんでした。いてもたってもいられず、今で言う交番のようなところに行きました。すると魔女が探していた青年は見つかりました――。」
かおるちゃんは、
「見つかってよかったね。」
と言いました。サトコおばさんは少し苦い顔をしながら笑いました。すこし、不思議に思ったかおるちゃんですが、何も聞きませんでした。そして、再びサトコおばさんは話し始めました。
「魔女は青年が見つかってとても安心しましたが、すぐに青年の姿を見て悲しくなり、むねが苦しくなって泣き出してしまったのです。どうして魔女は泣き出してしまったのでしょうか。」
とかおるちゃんに尋ねるような形で話を止めました。かおるちゃんは、
「やっと会えてうれしかったからでしょう。」
と言いました。サトコおばさんはかおるちゃんが言ったことに首を横に振りました。そしてサトコおばさんは話を続けます。
「実はね、魔女が青年を見つけたとき、青年は死んでいたの。魔女は青年を見つけることができたんだけど、青年にもう二度と会うことは出来なかったの。」
と言いました。かおるちゃんは無言で話の続きを待ちます。
「泣き崩れた魔女に、今で言う警察官のような人が、青年は強盗事件に巻き込まれて死んだことをはなし、青年が生きていたときに持っていただろう物を渡しました。魔女が渡されたものは小さな箱でした。その箱を開けてみるとシルバーの指輪が2つ大きいものと小さなものが入っていました。それを見た魔女は今まで以上に大きな声で泣き出しました。その指輪は青年が結婚指輪にと買ったものでした。それから魔女はその指輪を肌身離さず持ち歩き、生涯青年を愛することを誓い、ひとりで生きていくことにしたのです。」
サトコおばさんがここまで言い終わるか終わらないかで、かおるちゃんは静かに涙を流しました。
「魔女さんと、青年さんがかわいそう。」
とかおるちゃんは涙を流しながら言いました。

「実はね、この物語には続きがあって、青年が死んで、一生独り身で生きていくって決めて十数年がたったころ、死んだ青年のことを一途に思う魔女に恋した青年が現れ、魔女にアタックし始めたのです。はじめ、魔女は死んだ青年のことがあり、無視していたのですが、青年の一途な思いに動きそうになりました。とても魔女は戸惑いました。そしてある日、魔女はアタックし続けてくる青年に―――。」
ここで、サトコおばさんの携帯にセットしていたアラームがなりました。
「ごめんね。今日はもう帰らないといけないの。この続きは今度ね。」
とサトコおばさんは言うと、帰る支度をし始めました。続きが気になるかおるちゃんは、
「今話してよ。すぐに終わるでしょ。」
と言いました。サトコおばさんは、
「実はこの話の続きを忘れちゃっているから話せないの。また今度思い出したら話すからね。」
と言ってあわてて出で行ってしまいました。

このことで少しご機嫌ななめになってしまったかおるちゃんですが、翌日に仮装の衣装を買い、ご機嫌が戻りました。そしてハロウィンではいつもよりおとなしくなったかおるちゃんがハロウィンを楽しんでいました。そして、その数ヵ月後サトコおばさんは今まで独身だったのに結婚することを伝えにやってきたのでした。
 結婚してもなお、左手の薬指に光る結婚指輪のほかに、今まで独身だったサトコおばさんの首には紐を通された二つの指輪がかけられていることは、旦那さんも知っているサトコおばさんの秘密です。

5年生物語文 「プラネタリウム」 123819

あるところに優ちゃんと愛ちゃんと心ちゃんという仲良し3人組がいました。3人は学校に行く時も遊ぶ時もいつも一緒でとっても仲良しでした。そして、よく3人で星を見に行きました。それは優ちゃんが星が大好きだったからです。


ある時、優ちゃんがいつものように愛ちゃんと心ちゃんに「愛ちゃん!心ちゃん!一緒に遊ぼう!」というと愛と心は「ごめん、今日はちょっと用事あるから。」と言って2人ともどこかに行ってしまいました。優ちゃんはすこし不思議に思いましたが、その日は一人で帰りました。

ですが、次の日もその次の日も優ちゃんは愛ちゃんと心ちゃんに遊ぼうと誘っても二人とも断っていました。初めのころは不思議に思うだけの優ちゃんでしたが、だんだん「なんで一緒に遊んでくれないんだろう。私嫌われちゃったのかな。」と悲しくなりました。そして優ちゃんにとって悲しい日々が続きました。

そんなある日、優ちゃんがとぼとぼと1人歩いていると、愛ちゃんと心ちゃんが「優ちゃん!一緒に遊ぼう!」と言いました。けれど優ちゃんは「いいよ、私のこと嫌いなんでしょ。」と言い、2人を突き放しました。そんな優ちゃんに愛ちゃんは「この頃一緒に遊べなかったのには理由があったの。」心ちゃんは「そうなの。とにかく私たちについてきて!」と言い、優ちゃんを愛ちゃんの家に連れて行きました。

愛ちゃんの家について、愛ちゃんの部屋に行くと優ちゃんは驚きました。そこには優ちゃんの大好きな星が広がっています。優ちゃんは「どういうこと!?どうして・・・。」とつぶやきました。すると2人が「優ちゃん!誕生日おめでとう!」と言い優ちゃんに抱き着きました。そこで優ちゃんは今日が自分の誕生日であることに気づきました。そして二人は「優ちゃんと遊べなかったんはこれを作っていたからなんだ。」と言って、愛ちゃんの部屋一面に広がる星を映し出すプラネタリウムを指さしました。優ちゃんは「ありがとう!嬉しい!」と言って、今までの悲しみはまるで嘘のように明るくなりました。この日からまた3人はいつものように仲良く楽しい日々を送るのでした。

5年生物語文 「今日という名の明日」 123820

 さつきは、今日はずっと好きだったテツヤと初めて2人だけで遊園地に行くことになりました。
 朝、目を覚ますとテツヤくんが「おはよう、今日の遊園地楽しみだね。」と電話をくれ、さつきは大喜びです。「すぐ行くね。」
遊園地での一日は楽しいことばかりでした。「さつきちゃん、今日は楽しかったよ。じゃあね。」「テツヤくん、またね」2人はそれぞれ家に帰りました。
 くたくたになったさつきはねる準備をしてすぐにベッドに入りました。思い出すのは××くんのことばかり。「きょうは本当に楽しかったな。」「でも……。」そのときふとさつきは考えました。「でも、明日になったらテツヤくんとの関係は今のままでいられるのかな……。」
 そう考えるとさつきは不安な気持ちでいっぱいになりました。「関係が悪くなってしまうのなら、明日なんてこなくていい。今日という日がずっときたらいいのに……。」さつきは布団の中でつぶやきました。

 次の日さつきは目を覚ましました。「いけない、今日からまた1週間学校がんばらなきゃな。」そう思って時計を見ると、日付は昨日のままで、曜日も日曜日です。「あれ、おかしいな。こわれちゃったのかな。」
 するとテツヤくんから電話がかかってきました。「おはよう、今日の遊園地楽しみだね。」「えっ。テツヤくん、今日は学校だよ。」「何言ってるの。今日は日曜日だよ。昨日遊園地行くって約束したじゃん。」(もしかして、昨日願ったことが本当になったのかな。)さつきは急いで支度をして遊園地に向かいました。
 その日も昨日と同じように遊園地で楽しみました。どうやらさつき以外の人間は気付いていないようです。さつきは昨日以上にとても楽しく感じました。そしてお別れのとき。「さつきちゃん、今日は楽しかったよ。じゃあね。」「テツヤくん、またね」2人はそれぞれ家に帰りました。
 布団の中でさつきは、(もしかして明日も……。)と思うととてもうれしい気持ちになって、眠りました。

 今日もやっぱり明日はきません。次の日も、その次の日も。さつきは楽しいと思う反面、同じ日が続くことにとまどいを感じ始めました。
 (確かに毎日は楽しいけど、このままでいいのかな……。でもやっぱりテツヤくんとの関係がこわれてしまうのはいやだ。)

 今日もまた今日という同じ日です。この日のさつきには笑顔がありませんでした。「どうしたの、さつきちゃん、元気がないよ。」
 「わたし、わからないの。テツヤくんは……、明日がこなければいいのに、今日が続けばいいのにと思うことはない?」思い切ってさつきは聞いてみました。
 「ぼくも、そう思うことはある。未来はだれにもわからないから、こわいときもある。でも、わからないから毎日が楽しいんじゃないかな。」

 目覚まし音でさつきは目覚めました。時計は次の日になっていました。
 「さつき、早く学校の準備しなさい。」下からはお母さんのうるさい声が聞こえてきます。
 (未来はどうなるかわからないけど、前に進まなくちゃね。)
 家から出ると、テツヤくんのすがたがありました。「おはよう。今日もいい天気だね。」「うん、今日もがんばろう。」2人は学校まで歩き始めました。

5年生物語文 「無題」 123821

 少女はいつも1人でした。でも決して独りではありませんでした。同じ年頃の子どもらはいつも少女を遠巻きにしました。なぜなら少女は動物に語り掛け、空に向けて、海に向けて言葉を発していたからです。少女は人間の友達はいませんでしたが、人ではない友ならたくさんいました。そう、彼女は彼らの話すことばが理解できたのです。
心優しい少女はたくさんの自然に囲まれ生活をしていました。今は合唱会の日。動物たちの鳴き声、川のせせらぎ、風のそよぐ音、そして少女の歌声がなんともあたたかな空間を生み出しています。そこへ珍客が現れました。
「君たちは、ここでなにを?」
 フードをかぶったその男は旅人でした。彼はハーモニーにつられやってきたのです。しかし、驚いた動物はちりぢりになってどこかへいってしまい、風もやみ、あるのは無機質な川の流れる音だけでした。
「楽しく合唱をしていたんです。みんなで。」
 眉を下げながら少女は答えます。子どもだちにこう言っても気味悪がられるだけであったので、そのことを思い出していたのです。しかし、旅人の反応は少女の思いがけないものでした。
「みんなって、さっきの動物たちかい?すごいな!世界には動物と意志の疎通が取れるものがいたなんて!」
 少女は驚きました。すごいと褒められたことなんて今まで一度もなかったのです。旅人はこう続けます。
「ぼくはね、君のような素晴らしい才能を持った人と出会うために旅をしているんだ。世界はひろいよ。本当にたくさんの人がいる。」
「この村よりも?」
「ああ!この村なんて世界から見ればあり一匹、いや小麦粉一つのようなものさ!」
 少女は生まれてから一度も自分の村を出たことがありません。端から端まで一日で歩ける大きさの村でも少女にとっては絶対の世界でした。しかし旅人が言うには世界はまだまだ広いというのです。
「…旅人さん、聞いてくれる?」
「何だい?」
 少女は自分が村で仲間外れにされていることを旅人に告白しました。
「こんな私でも受け入れてくれる人って、いるのかな?」
「もちろん!世界は広いんだ!もしかすると、同じ才能を持っている人だっているかもしれないよ。」
 現にぼくは君が大好きだ、と旅人は少女にウインクをします。
 少女は胸が熱くなり、世界が開けていくよう気持ちになりました。
「ねえ、旅人さん。」
「どうしたんだい。」
「私を連れて行ってくれますか。」
 少女の意を決したような目に旅人は心を打たれました。
「分かった、二人で世界を見に行こうか!」
「はい!」
 新たな物語が始まったのでした。

6年生説明文

6年生説明文 「墨」 91444

 書道の際に使用する墨汁は、墨を擦ったものと水とを混ぜ合わせてつくります。では、墨とは一体どのようなものなのでしょうか。

 まず、墨とは菜種油やゴマ油の油煙や松煙から採取した煤を香料とゼラチンで練り固めたものです。煤の原料の違いによって松煙墨と油煙墨に分けられます。松煙墨は、青墨とも呼ばれています。これは、松煙は燃焼温度にむらがあり、粒子の大きさが均一でないことから、重厚な黒味から青灰色に至るまで墨色に幅があるためです。製法は、松の木片を燃焼させて煤を採取します。青墨には、煤自体が青く発色するもの以外に、藍などで着色するものもあります。油煙は、煤の粒子が細かく均一で、黒い炉に光沢と深みがあります。製法は、土器に油を入れ灯芯をともし、土器のふたについた煤を集めて作ります。油は、菜種が最適とされていますが、他にゴマ油や大豆油、ツバキ、キリなどがあります。

 次に、墨は古代中国の甲骨分に墨書や朱墨の跡が発見されており、殷の時代に発達した甲骨文字とときを同じくして使用されたと考えられています。墨は、漢の時代には、丸めた形状に作られていたために墨丸と呼ばれていました。日本では、三重県嬉野町貝蔵遺跡で出土した、2世紀末の土器に墨書が記されており、現存する日本最古のものであるとしています。
奈良では、日本の伝統産業として今日まで受け継がれています。現在の墨の主要産地は奈良県産が9割を占めていますが、三重県産も知られています。

 そして、墨の特徴として、筆で書かれた部分と滲みの区別が分かりにくい点があります。その原因は、製造後間もない新品の固形墨は水分の含有量が多く、ゼラチンの成分が強く出るために粘度が強いことにあります。年月が経って乾燥した墨は、ゼラチンの分解もすすむためにのびがよく、墨色に立体感が出て、筆の運びにしたがって芯や滲みなど墨色の変化が美しく出るとされています。そのため、こうした経年をした墨は「古墨」と呼んで珍重されています。墨が緻密に作られていれば、それだけ乾燥するまでに長い年月がかかります。

 墨は、製法の違いや年月の違いから、様々な種類がつくられています。みなさんの身近には、墨のほかにどのような伝統品があるのでしょうか。

6年生説明文 「感情と進化」 112710

わたしたちは、日々喜んだり、怒ったり、悲しんだりしています。あのときこうしていればよかった、と後悔したり、良いことがあると楽しくなったりします。喜びや、希望のような明るい感情ばかりだったらもっと楽しくなるように思えます。でも、実際はそうではありません。なぜ、私たちには不安や後悔などの、楽しくなくなるような感情があるのでしょう。

それは、不安や後悔といった感情も、生きていくうえで役に立つからです。人類が誕生してから長い長い進化の過程で、こうして失われずに残ってきたのは、何かそれなりの理由があったからだと考えられます。

例えば「あんなことをしなければよかった。」と後悔しているとき、じゃあどうすればよかったのか、もっと違う方法がなかったかと色々なことを考えています。こうすることは、次に似たようなことが起こったとき、よりよく行動するために役立ちますし、自分の経験を活かし他の人には同じことをさせないように、話してあげることもできます。

他にも、どんな状況でも不安を感じることがなかったために、危険な状況でも立ち止まることが出来ず、けがをしたり、命を落としたりした祖先がいたかもしれません。それに対して、不安を感じたからこそ危険を回避し、生き残ることが出来た祖先がいたのでしょう。

つまり、不安や後悔などの感情は役に立つからそれを持った祖先が生き残り、持たなかった祖先が命を落としていったのです。不安や後悔で苦しいときに、こんな感情なんていらないと思うかもしれません。しかし、喜びや希望などの明るい感情とともに、後悔や不安などのどんな感情も、生きていくうえでとても大切なことなのです。それらの感情を大切にしていってください。

6年生説明文 「行事の始まり」 113103

日本には四季があります。春、夏、秋、冬、そしてまた春といったように四つの季節がめぐりめぐってやってきます。その中にも楽しい行事がたくさんつまっています。豆まきをして家に鬼を入れさせないようにする節分の日だったり、サンタさんからプレゼントをもらえるクリスマスだったりとその他にもたくさんあります。そういった行事はどのように始まったのでしょう。何事も存在するからには始まりというものがあるものです。それでは1年間の中でも代表的な行事の由来についていくつかみてみましょう。

1月1日はお正月です。家族そろっておせち料理やもちを食べたり、カルタやたこあげで遊んだり、お年玉をもらったりと、楽しいごとづくしです。そしてみんなで「あけましておめでとうございます」という言葉とともに一年の始まりをお祝いします。このお正月を祝う風習はたいへん古くからありました。大昔の日本人は季節の移り変わりを種をまく春と作物の取り入れをする秋というふうにおおまかに二つの季節として感じていました。お正月はすべての生き物がよみがえる季節の始まりなので、初春ともいいます。春は作物の芽などが顔を出す、たいへん喜ばしいときです。なので、春の始まりであるお正月は、とてもおめでたかったのです。人々は今年は豊作でありますようにとたいへんお祈りしました。大昔は、人は死ぬとたましいは山へ行って、山の神さまになり、春になると、里におりてきて、田んぼの神様になると信じられていました。この神様が家に戻ってくるのが、お正月なのです。だから、お正月は、初春を祝うとともに、家族が元気にくらし、栄えるようおいのりをする、大切な日でもあるのです。

7月7日は七夕です。たんざくにお願いごとを書き、笹の葉にかざり、空にお祈りをするのです。この七夕の由来にはとてもドラマティックな裏話があったのです。その裏話というのは今から2000年ほど前の中国の話で、天の川を舞台にした、けん牛星としょく女星のすばらしい愛の物語なのです。けん牛星としょく女星は、お互いにとても愛し合っていました。でも、ふたりのあいだには、広い天の川があり、会いたくても会えない状況でした。ところが、年に一度、七月七日の七夕の夜だけは会うことができたのです。この日、天の川にはカササギの羽を並べて作られた橋がかかるのです。この橋を渡ってしょく女星はけん牛星のもとへといったのです。このけん牛星が日本でいうひこぼし、しょく女星がおりひめとなって現在の七夕の日へとなっているのです。

最後は少し悲しいエピソードをもつ行事の由来を紹介します。2月14日はバレンタインデーの日です。女の子がすきな男の子にチョコレートをあげます。愛の芽生える素敵な日が何故2月14日に設定されたのでしょうか。紀元前二世紀、ローマ帝国の皇帝、クローディアスほ、ある日、兵隊たちに、「けっこんしてはいけない。けっこんすると、家族のことが気になってしまい、勇ましく戦えなくなるから。」と言いました。心の優しいキリスト教の神父、バレンタインは、若い男女にどうじょうしました。それで、けっこんしたいと思っている兵隊のために、こっそりと、けっこん式をあげてやりました。これを知ったクローディアスはたいへん怒り、バレンタイン神父を捕まえて、2月14日に殺してしまいました。人のためをと思って行動したバレンタインは無情にも皇帝に殺されてしまったのです。それから二百年ほどのち、ローマでは、けっこんの相手をくじで決めるお祭りが盛んになっていました。キリスト教の神父たちは、大切なけっこん相手をくじで決めてはいけないといって、お祭りをやめさせました。そのかわりに、バレンタインが死んだ日を、恋人たちの日と決めたのです。ちなみに3月14日はホワイトデーといって今度は男の子が女の子にマシュマロやホワイトチョコレートを送る習慣がうまれました。しかし、この習慣は日本だけのものであって、お菓子のメーカーが勝手に作った日だそうです。

このように行事にはしっかりと始まった理由や由来というものがあるのです。他にも行事がたくさんあり、それぞれの行事にはいろいろな由来やきっかけがあります。一風変わった由来もあるかもしれないのでぜひともみなさん、気になる行事を調べてみてください!

6年生説明文 「環境問題について」 113104

今、私たちが生きている地球。地球はもともとたくさんの自然であふれていました。私たち人間もその自然の一部であるヒトという動物です。しかし、地球の自然は人間自身の手によって破壊されています。

環境問題として聞いたことがあるものが「酸性雨」でしょう。人間の生活を豊かにしようとして工場をたくさんつくりそこから排出される煙に含まれる化学物質が雨にまじって降ってきます。それが酸性雨と呼ばれるものです。酸性雨によって彫像が溶けてしまったり、湖に生き物が住めなくなってしまったり、森の木々が枯れてしまったりなど、人間が作ったものだけではなく、自然にも大きなダメージを与えてしまいます。

森林の破壊も問題の1つです。畑に栄養が少ない地域では、森を燃やしてその灰を肥料にして農業を行います。もちろん、森林はまた時間をかけて回復しますが、その回復速度を超えて森林を燃やしてしまうと森は減っていきます。しかし、生きていくには作物を作らないといけません。そのために必要な肥料を得るために森を燃やすという循環が進みます。そして砂漠化が起こってしまいます。これも人間の生活を豊かにすることによって自然が巻き込まれてしまっています。さらには地球温暖化が進んでいます。自動車から排出されるガスに含まれる二酸化炭素が大気中に増えることで、地球が宇宙に熱を放出することを妨げます。その結果、地球の温度が上がってしまいます。実は、森林破壊も大きな原因の一つなのです。なぜなら、森林が減ることで二酸化炭素を吸収して酸素を作り出す「光合成」という力も弱まってしまいます。そのことによって二酸化炭素の増加が促されているのです。

環境問題は1つ1つの要因が複雑に絡み合って成り立っています。対策として色んなことが行われています。例えば、太陽の力を利用して、私たちの生活に必要な電気を作り出す「太陽光発電」です。太陽光発電を行うことで、石油、石炭、天然ガスのような化石燃料を燃やして電気を作り出す火力発電の割合を減らすことができます。そのことによって化石燃料を燃やすことで発生する二酸化炭素を減らすことができるのです。植林も対策の一つです。減ってしまった森林を再生することで光合成によって吸収する二酸化炭素の量を増やし、空気中の二酸化炭素を減らそうという考えです。

このように、様々な問題がありますが、1つ1つにしっかり向き合って対策をとっていくことが大切です。地球はみんなのものですので、世界中に協力することが大切なのです。私たち1人1人ができることを考え、積み上げていくことが大切だと思いませんか。みんなでできることを考えていきましょう。

6年生説明文 「筋肉とは?」 113119

人の体には色々な臓器、血管、骨、筋肉があります。
ここでは筋肉についてお話ししましょう。

筋肉痛。
みなさん一度は経験したことがあると思います。
激しい運動をした次の日などに腕、足、お腹などに痛みを伴い動くたびに痛む現象です。
これは本来その人が発揮できる力よりも多く力を使ってしまった際
筋肉に傷がはいってしまうことで痛みが発生します。
しかし、筋肉痛になると筋肉の傷がついた部分に傷ついた量よりも多く肉をつけなおすため筋肉痛が起きた後は筋力がアップすると一般的に言われています。
これを一般に超回復とよびます。

しかしながら、筋肉に傷をつけすぎた場合、修復することができずその結果筋肉の量が減ってしまうことがあります。
これをオーバーワークといいます。
オーバーワークをしてしまった時はなるべく体を休ませ、
傷がなおり痛みを伴わなくなるまで運動を控えるべきであると言われています。

次に、こむら返りについて説明します。
こむら返りとは一般には「足がつる」などといった表現をします。
これは筋肉痛とは違い、筋肉を持続的に使用した場合に筋肉がその運動量に耐えきれなくなりけいれんを起こしてしまうことをいいます。
一度こむら返りを起こすとしばらくは続いてしまうので
こむら返りを起こした後は運動を控えるべきです。

このように、運動と筋肉に密接な関係があり
運動はしないと体によくありませんがしすぎるのもよくないのです。
適度な運動をし、それよりも少し強めの運動を行うことで筋肉量は増えていくのです。
むやみやたらに運動を行なうとよくないことがおこるのでやめましょう。

6年生説明文 「星」 113604

夜空を見上げると、たくさんの星がかがやいています。昔の人々は、星をつないで人や動物、道具に見立てました。それが星座です。

見える星座は季節によって違います。春にはおとめ座、かに座、しし座などが見えます。夏にはいて座、、さそり座、てんびん座、などが見えます。秋にはうお座、みずがめ座、おひつじ座、やぎ座などが見えます。冬にはおうし座やふたご座などが見えます。

見える星座は見る場所によっても違います。例えば日本では、カメレオン座を見ることはできません。

星座はもともと、昔の人が想像力をはたらかせて作り出したものです。あなたも夜空を見て、自分の星座を作ってみると楽しいかもしれません。

6年生説明文 「私と二月とお金」 113612

もうじき、二月になるなあ。カレンダーを見ながらふと思った。私の妹が死んで五回目の二月である。五年前の二月十四日、バレンタインデーに私の妹は交通事故で死んだ。

 学校でバレンタインチョコを交換したかったのだが、その年からバレンタインチョコを学校に持ってくることを禁止したのだ。それでも、友人同士で交換したいから、と学校で交換することを約束した妹は自転車で出かけて行った。その帰りでの事故であった。

 最近、学校安全という授業で損害賠償請求のことを習った。学校側のやったことで起こった事故で、「もし、○○していれば、事故が起こらなかった。」といえたら、大抵は訴訟した者が勝つ可能性が高いらしい。私の妹のことに当てはめたら、「もし、バレンタインチョコを持ってくることを禁止しなかったら」である。

 しかし、私の母は訴えることはしなかった。「たとえお金が帰ってきたとしても、あの子が帰ってくることは二度とない。お金が手元にあるだけってなんだか虚しくて。」だそうだ。

大学に入ったから私はアルバイトを始めた。遊ぶ金欲しさ、と言われては元も子もないが、一因ではある。お金は確かに生きていくために必要なものではあるが、それがすべてって訳じゃないんだよなあ。

6年生説明文 「雛人形の思い」 113803

 3月3日、皆さんの家では、お雛様が飾られていますか。お雛様には、私たちの知らない長い歴史と、深い思いが込められています。

 まず、「雛祭り」とは、平安時代の御人形(ひいな)遊びと、紙やワラで作った簡単で質素な人形(ひとがた)に自分の厄や災いを移して海や川へ流した「流し雛」の行事が結びついたものが、現在まで受け継がれたものです。お雛様は、皆さんの祖父母や、お父さんお母さんが、生まれた女の子に、雛人形が身代わりになってくれて災いがふりかかりませんように、そして仲よくよりそう雛達のように、わが子も将来このような幸せが訪れますようにと祈って飾るものです。

 お雛様には2通りの髪型があります。ひとつは、古典下げ髪です。平安時代には、長い黒髪が美人の条件とされ、両頬の髪の毛を切りそろえることで顔を面長にみせたり顔の白さを強調しました。江戸、明治時代の雛人形によく使用されていたものです。やや面長なお顔には優しさと品格があります。もうひとつは、大垂髪 ( おすべらかし )です。平安時代からの垂れ髪形式(古典下げ髪)が鎌倉・室町を経て、江戸時代に至り、ビンと呼ばれる前髪部分を大きく張った髪型です。落ち着きのある高貴なお顔のお雛様です。
 また、お雛様の下に敷かれているもうせんが、赤色をしていることには、意味があります。昔、お隣の中国では、赤は魔除けの色だったので、その文化が渡来したものです。現在でもお宮や橋などの文化的建造物が赤く塗られているのを見かけますね。魔除け、つまり病気や地震や火事のような悪いことが起きないようにと使ったのが赤色なのです。その為、昔は、赤ちゃんが産まれると男でも女でも真っ赤な着物を着せたそうです。そのような意味合いから、雛人形セットにも緋(赤い)もうせんが使われたようです。

 男雛と、女雛の標準な飾り方は、ひな段に向かって左に男雛、右に女雛です。京都では、これが逆になっています。かつては、向かって左に女雛、右に男雛を飾るのが普通の形式でした。それは、昔から左が尊いという考えかたに従ったものです。なぜ、左側が尊いとされていたのかというと、昔は、日の出る東の方が日の沈む西よりも上と言われていたので、常に天皇は東側(向かって右)にお座りになったからです。ところが、ヨーロッパでは中世の騎士が右手で剣を持ち、左手で婦人を抱え守ったため、男性が右側(向かって左)、女性が左側(向かって右)の立ち位置となりました。日本でも昭和天皇の即位の際、ヨーロッパ文化にならって洋装での並び方が、天皇が右側(向かって左)、皇后が左側(向かって右)だったために、お雛様もその並びになりました。ただし、関東雛は、そのような飾り方になりましたが、伝統を重んじる京都の雛は昔のままの飾り方を残しています。
 また、お雛様と一緒に飾る「菱餅」は、赤・緑・白の三段重ねからなり、大昔の宮中から赤にはクチナシ、緑部分にはヨモギを混ぜ飾られていました。どちらも邪気をはらうと信じられていた薬用の食物を用いていました。赤は桃の花、緑は草餅、白は白酒を表しているという説と白は雪で覆われた大地、緑は雪解け後の新しい芽吹き、そして赤は美しい桃の花が咲く様子、つまり「春」を意味する色という説があります。餅が菱形なのは、大切な心臓(心)を表しているともいわれ邪気をはらおうとする強い気持ちや娘の無事の成長を願う気持のあらわれとも言われています。「ひなあられ」は、主に桃色、緑、黄色、白の4色で、それぞれの四季をあらわしています。一年の四季を通じて娘が健康でありますようにと願う気持ちからです。

 たくさんの人から皆さんへの、無病息災や、幸せを祈った雛人形を、大切にしましょう。また、皆さんで五月人形についても、調べてみましょう。

6年生説明文 「携帯電話普及による人とメディアの関係」 122016

 人とメディアの関係については、様々な観点から取り上げることができる。ここでは子どもにも急速に普及しつつある携帯電話を取り上げ、他者とのつながりという面からそのことを考えてみたい。
  携帯電話は、人とのつながりといった面だけに絞って考えても、現実の生活空間での人間関係に影響を与えたり、それまでとは別の新しい人間関係を生み出したりする。そして、その使い方に慣れる暇もなく、新しい技術の進歩が新たな可能性と危険性をもたらしているように見える。こうした新しいメディアをどう理解し、どう関わっていくかは重要な課題といえる。

 まず、携帯電話の普及状態を考えてみよう。例えば、電車にのったときに車両内を見渡すと、私の近くにいる人だけで10人以上が携帯の画面をのぞいていた。2、3年前だと、電車の中で携帯電話を使って話す人がいて迷惑したものだが、今や、黙って画面を見たり、メールを打ったりしている。10年前に、こうした光景を想像できた人は少ないだろう。大人に限っていえば、携帯電話を持たない人の方が珍しい。

 コミュニケーションメディアは、一定の割合が普及してしまうと、持たないことの方が不自由を感じるようになる。例えば、誰かとの待ち合わせで携帯電話がないと不自由に感じるが、つい数年前はそれが普通だったのである。今の普及状況から考えて、携帯電話がその形を変えることはあっても、普及がとまることはないだろう。いずれ、かなりの割合の小学生が所持し、ほとんどの中学生が所持することになると考える。

 携帯電話は、インターネットを介して様々な世界(人)とつながることができる道具である。それは大きな魅力である一方、危険な面を持つことになる。出会い系サイトの問題はその典型であろう。それに関わっているのは一部の子どもであっても、ネットの中では誰でもすぐにアクセスできてしまう。
 さらに、携帯電話の最初の利用目的が「親子の連絡」でも、中学生になれば「友だちとのメール」が中心になる。高校生になればその友だちの範囲は広がっていく。やがてインターネットの中で新しい仲間ができるかもしれない。そこにいるのは好ましい相手だけとは限らない。メディアを利用することで、人間の側が影響を受けることもある。そのデメリットや危険性に対する理解は不可欠だろう。

 携帯メディアを有効に、かつ、主体的に利用するためには、そのリテラシー、適切な使い方や危険性、ルール、モラルなどを知っていることが大事である。それと同時に、リアルな場と同様、バーチャルな場でもコミュニケーション力や他の人と積極的に関わろうとする態度が重要である。

6年生説明文 「インスタントラーメンの誕生」 122036

 「チキンラーメン」と「カップヌードル」。この二つを知らない人はいないでしょう。どちらも日本で生まれた非常に有名なインスタントラーメンです。食べたことがある人は多いでしょうが、その歴史について知っている人はどれだけいるでしょう。この二つについて、成り立ちを見てみましょう。

 第二次世界大戦が終わったころ、人々は食べるものや寝るところにこまりながらも生きていました。闇市で法外な値段の食べ物を買い、焼け跡に家を建てたりして、みんなが一生懸命な時代です。
 チキンラーメンの生みの親、安藤百福は、闇市のラーメン屋に人々が列をなして並んでいるのを目にしました。
温かく、具をいれれば栄養満点になるラーメンですが、今のようにインスタントラーメンなどない時代ですので作るのに大変時間がかかってしまいます。安藤は、「もっと早く、手軽に、たくさん、人々にラーメンを提供できないものか。」と思い、即席ラーメンを作ることにしました。

 安藤が一番悩んだのは、保存方法でした。
食べ物を長期間保存する方法はたくさんあります。鮭のように塩づけにしたり、しいたけのように乾そうさせたり、果物をジャムにするように砂糖づけしたりなどです。
ですがそれらの中には、ラーメンを保存するのに適しているものはありませんでした。
安藤が理想としたのは、「お湯をそそぐだけで出来る」「おいしく保存できる」「たくさん作ることができる」ラーメンでした。塩では辛くなってしまいますし、乾かしただけではおいしくありません。
 どうすればいいのか悩んでいたとき、安藤の妻が揚げ物をしているのが目に入りました。高温で水分を飛ばした揚げ物を見て安藤は、麺を油で揚げて乾燥させる方法をひらめきました。そのアイディアにそって研究を重ねた結果、1958年、チキンラーメンが生まれました。

 日本で大反響のチキンラーメンを海外でも売りこむために、安藤は欧米へと視察に行きました。日本や中国では、ラーメンは「はし」と「どんぶり」を使って食べますが、欧米にはそのどちらもなじみがありません。安藤が観察していると、アメリカ人は、チキンラーメンを真っ二つに割り、紙コップにいれ、お湯をそそいでフォークで食べました。文化の違う国ですから、わたしたちとは食べ方が違って当然です。それを見て、さっそく安藤も紙コップを使って食べてみましたが、紙コップくさくておいしくないと感じたそうです。安藤は、外国の人でも食べやすいような、あらかじめ容器に入っている即席ラーメンを作ろうと考えました。この考えによって生み出されたのが、カップヌードルです。

 チキンラーメンもカップヌードルも、今でこそ世界的に有名な商品で大きな工場で作られていますが、安藤が即席ラーメンの研究を始めたのは、自宅の裏庭に建てた小屋だったそうです。また安藤は幼いころから親の死、度重なる投獄など波乱万丈な人生をおくっていた人物です。つらい経験を乗り越えて生み出されたインスタントラーメンから、みなさんはどんなことを感じますか。

6年生説明文 「動物とロボット」 122040

 みなさんはロボットと聞くと、どんなロボットを思い浮かべますか。
 犬の形をしたロボット、人間の形をしたロボットなどさまざまな動物型ロボットも存在し、その動物に近い動きをするようにつくられます。犬のロボットなら四足歩行をし、しっぽを振り、人間のロボットなら二足歩行をし、物をつかむことができ、話しをします。
 しかし、これらの動物型ロボットは決して忠実にその動物を再現しているわけではないのです。例えば、呼吸をしたり、食べ物を食べたり、子孫を残したりという動物特有の行為を、ロボットはしないのです。
 では、動物特有の行動にはどのようなものがあるのかみていきましょう。

 まず、生まれ方です。人間は母親のお腹の中で、ある程度成長し、親とほぼ同じ姿で生まれてきます。この生まれ方は胎生と呼ばれ、犬、クジラ、人間などの哺乳類に特有な生まれ方です。胎生とは逆に卵生と呼ばれる生まれ方もあります。卵生は母親が卵を生み、卵の中で成長してから、卵の殻を破り、子が生まれてきます。卵生は、スズメ、ハトなどの鳥類、ヘビ、カメなどのは虫類、カエル、イモリなどの両生類、マグロ、メダカなどの魚類といった多くの動物に特有な生まれ方です。ロボットは人間がつくるので母親から生まれることはありません。

 次に呼吸の仕方を見ていきましょう。わたしたちは口や鼻から空気を吸って肺で呼吸をします。人間のように哺乳類、鳥類、は虫類は肺で呼吸をします。逆に魚類はえらと呼ばれる器官を使って呼吸します。えらで呼吸をすることで、水中でも呼吸ができるのです。ロボットは機械なので呼吸をする必要がありません。

 そして体の表面の様子を見ていきましょう。わたしたち人間の体は皮膚で覆われています。しかし他の動物はどうでしょう。水中で生活する魚類の体はうろこで覆われているものが多く、陸上で生活するカメのように体内を乾燥から守るために体がこうらで覆われているものもいます。また、鳥類のように体を保護し、体温を下げないために体が羽毛で覆われているものもいます。ロボットはうろこや羽毛がなくても、機械が動きます。
 最後に食べ物について見ていきましょう。わたしたち人間は肉、魚、植物などを食べる雑食です。しかし、ライオンのように肉食のものもいれば、馬やインコのように草木や果実を食べるものもいます。また海にはプランクトンという小さな生物を食べる動物もいます。ロボットは生きていくために食べ物を必要とせず、電気を充電すれば動くことが出来ます。

 このようにそれぞれの動物には生まれ方、呼吸の仕方、体の表面、食べ物について様々な違いがあり、その違いがそれぞれの動物の特徴を形づくっているのです。しかし、人間がつくった動物型ロボットはそれぞれの動物の動きはよく似ていますが、今まで見てきたような動物の特徴をもっていないことが多いのです。どんなにそっくりな動物型ロボットができても、機械であるロボットと生き物である動物は違うのです。ロボットが動物であると勘違いしないように、わたしたちは動物の特徴をしっかりと知っておく必要があります。

6年生説明文 「農業のきまり」 122301

農家には、決まりがあります。その決まりについてみてみましょう。

まずは、長男は家を継ぐということです。これは掟といっても過言ではないです。

つぎに、種まき、稲刈りは家族みんなで手伝うこと、これも決まりです。

米を愛すること、これは最も重要なことです。

農家には他にもたくさん決まりがあります。もっと調べてみたいですね。

6年生説明文 「環境問題を考える」 122303

私たちが生まれ住んでいる地球は、近年、あることに悩まされています。それは、環境問題です。今回は代表的な環境問題を3つ取り上げ、みなさんで考えていきましょう。

1つめは、地球温暖化です。これは、二酸化炭素など、地球を温室のような効果で暖めるガスが増えているために起こります。地球の平均気温が2℃上がると、極地の氷が溶け、海面が50p〜1mも高くなります。サンゴ礁の島はもちろん、日本の砂浜の大部分がなくなります。また、日本の平均気温が2℃上がると、生態系のバランスが崩れて、植物も森林も育たなくなる異常気象や熱帯の伝染病も襲ってきます。とくに日本人はエネルギーを大量に使って、他のアジアの人の5倍もの二酸化炭素を出して、温暖化に手を貸しているのです。

2つめは、森林破壊です。森は「みどりのダム」と言われています。森の土はスポンジみたいに隙間が多くて水を浸透させます。その量は草地の2倍、何も生えていない土地の3倍もあります。地中にしみこんだ水は地下水として蓄えられます。森がなくなると、雨が地中にしみこまないために洪水や土砂崩れが起こりやすくなります。森林の減少が激しい東南アジアなどでは、大洪水が起こることが多くなっています。また、森は今問題になっている地球温暖化の原因となっている二酸化炭素を吸収してくれます。森林の減少は、温暖化の促進につながってしまうのです。さらに、森にはたくさんの生物がいます。特に熱帯林には世界の生物の種の半分が生息しています。しかし、1年間に日本の約3分の1の面積の熱帯林が減少しています。このままだと後100年で世界中の主な森林がなくなってしまうと言われているのです。

3つめは、ゴミ問題です。家庭からは1人1ヶ月に20s近くゴミが出ます。日本全国の家庭やオフィスで1年間に出されるゴミは、東京ドーム138杯分です。また、ゴミを燃やすと、温暖化の原因になる二酸化炭素やダイオキシンが出ます。最終処分場は全国平均であと約8.8年、首都圏だと5年分しか残っていないと言われているのです。

これらはすべて、私たち人間がまねいたことです。ゆえに、この問題を防ぐには私たちが動かなければ、何も変わりません。私たちにできる事を積極的に探しだし、取り組むことが何よりも大切なのです。

6年生説明文 「コンピュータの世界」 122307

コンピュータという言葉を聞いて、いったいなんだろうという人はほとんどいなくなったと思いますが、その本当の仕組みや能力について正確に答えられる人は、あまりいないのではないでしょうか。テレビゲームが大好きな人は、ゲームカセットやCDを取り替えるだけで、そのたびに違ったゲームが楽しめるゲーム機にコンピュータが使われていることを知っているでしょう。しかし、ゲーム機の中でコンピュータがどんな働きをしているのかまでは、ほとんど気にはしていないでしょう。

現在では、携帯電話をはじめとして、炊飯器、冷蔵庫、テレビ、ビデオなどの家電製品、自動車、電車などの交通機関、心電計や断層撮影装置などの医療機器など、私たちの日常生活でふつうに出会うさまざまな機械に、コンピュータが使われています。

コンピュータは日本語では電子計算機と訳されていますが、今や計算機という言葉ではとても言い表せないほど多くの働きをしています。中国語ではコンピュータを電脳と訳していますが、この訳語の方が、その実態を表すには適切かもしれません。実際、現在では人間の脳をまねする機械という意味が強くなっています。
さきほど例にあげたコンピュータの使用例は、ほとんどすべてが、製品の中に組み込まれている組込み型コンピュータとよばれるもので、家電製品の例ではそれぞれの機会を制御するために使われています。たとえば、湯沸かしポットは電源を入れておきさえすれば、いつでも適温のお湯を沸かして保温してくれます。このポケットの中に入っているコンピュータは、温度センサーが測定した湯温を読み込み、その温度に応じてヒーターの電源を入れたり切ったりして、お湯の温度が一定になるように制御しています。同じように、翌朝の沸きあがり時刻を指定しておけば、温度センサーで計った水温をもとに湯沸かしの時間を予測して、適当な時刻にヒーターのスイッチを入れます。組込み型コンピュータは、この湯沸かしポットのように、特定の目的のために使われています。

それでは、パソコンはどうなっているのでしょうか?今ではいろいろな形のパソコンがありますが、一番ふつうの形は、いくつかのスイッチがついた長方形の箱に、テレビ、キーボード、マウスなどから構成されています。

ところで、パソコンの説明書ではテレビのことをディスプレイとよんでいます。ディスプレイは表示装置という意味であり、テレビはテレビジョンの略語ですから、その機能を考えるとディスプレイという用語の方が正しく意味を伝えています。
みなさんはパソコンを使って何をしていますか?インターネットに接続してホームページを見たり、電子メールで友だちと情報を交換したり、ワープロソフトを使ってレポートを書いたりしていることでしょう。また、我が家のパソコンはもっぱらゲーム機だという人もいるでしょう。写真を読み込んでアルバムを作ったり、年賀状を印刷したりする人もいるし、もっぱらCDやDVDのプレーヤーとして使っている人もいるでしょう。最近では、メーカー製のパソコンにもTVチューナーや録画ソフトウェアが組み込まれ、本当のマルチメディア機器として使えるものを売られています。こうしてみると、先の組込み型コンピュータとは違って、パソコンはいろいろな目的のために使われていることがわかります。

「コンピュータは、人類が作り出した目的をもたない初めての道具めある」と言われているのは、まさにこのことなのです。

6年生説明文 「絶滅の危機」 122308

今、日本の中で生息地を失ったり、数が少なくなったりして、絶滅の危機にさらされている生き物たちがいます。そのような動物や植物を紹介する、レッドデータブックというものがあります。地球上に生まれた生き物たちはなぜ絶滅し、危険な状態となって絶滅きぐ種と呼ばれているのでしょうか。

まずレッドデータブックとは、絶滅のおそれのある野生生物の情報をとりまとめた本のことです。国際自然保護連合という団体が、1966年に初めて発行しました。野生生物をさまざまな人間活動のせいで絶滅させることのないように、今どんな生き物が絶滅のおそれがあるのかを知る必要があります。レッドデータブックは、その危険な状態におかれた生き物のことを、より多くの人々に知ってもらうために作成されています。

地球上にはさまざまな種類の野生生物が生息しています。これらの生物は地球上に生命が誕生して以来、およそ40億年という長い進化の歴史のなかで生まれてきたものです。その進化の歴史の過程では絶滅してしまった生き物もいます。例えば恐竜がもっともわかりやすく、よく知られている生き物です。このように、絶滅することは自然のプロセスであると言われています。

しかし、今日の絶滅は、こうした自然のプロセスとは全く異なるものであると考えられています。さまざまな人間活動の影響で、かつてない速さで生き物の絶滅が進んでいます。人間活動とはどのようなことを指すのでしょうか。それは、森林破壊によって生き物たちの生息地をなくすことや、農薬などによる環境汚染、そして里山などでは、そこで暮らす人々の生活スタイルが変わってしまったことを指します。このような原因があるために、姿を消した生き物も数多くいると言われています。

主に人間活動が原因で、生き物たちが絶滅していっているということがわかっています。私たちは、生き物たちがこれ以上危険な状態にならないようにするためには、これからどうすべきかを考えなければなりません。

6年生説明文 「お茶」 122309

 みなさんはのどが渇いたときになにを飲みますか。水、お茶、ジュース…いろいろあるとおもいます。では、お茶を飲む方はなんのお茶を飲んでいますか?そうです、緑茶や紅茶、麦茶などいろんなお茶の種類があります。

 紅茶はイギリスでよく飲まれています。インドやスリランカで生産されています。世界でもっとも飲まれています。朝昼晩の食事のだけでなく、朝起きた時、午前午後の休憩にもお茶を楽しみます。このため、茶器、洋菓子の種類が豊富です。
 緑茶は、日本や中国を中心とした東アジアでよく飲まれています。日本で多く生産されており、日本で飲まれているお茶も緑茶が多いです。抹茶や煎茶、ほうじ茶はすべて緑茶の一種です。
 麦茶は夏によく飲まれています。カフェイン、というお茶に多く含まれる眠気を覚ます物質が、緑茶にははいっていません。

 では、お茶はどのようにしてつくられるのでしょう。
 紅茶は摘み取った茶の葉と芽を乾燥させ、もみ込んで発酵させ、乾燥させた茶葉をポットに入れ、沸騰した熱めのお湯を注いで抽出してできあがります。紅茶の種類は摘み取った茶葉によって違い、ミルクティーやレモンティーなどその用途によって茶葉が違います。
 緑茶は摘み取った茶の葉を蒸して発酵を妨げた茶葉にぬるめの湯を注ぎ、抽出してできあがります。中国では、蒸す代わりに釜で炒ります。
 麦茶は大麦の種を煎じたものです。
 紅茶、緑茶はお茶の葉を使っていますが、麦茶は麦を使っています。

 最後に、お茶の歴史をみてみましょう。
 紅茶がのまれ始めたのは六世紀頃の中国です。オランダとの貿易でヨーロッパに広まりました。イギリスのお姫様が当時は贅沢だった砂糖と紅茶を飲んだことから貴族に広まり、有名となりました。
 緑茶も生まれたのは中国です。最初は、お薬として飲まれていましたが、だんだんお茶を楽しむ文化が生まれました。日本には奈良時代にやってきて、広く知られたのは鎌倉時代だといわれています。
 麦茶は、平安時代の日本で生まれ、貴族に愛されてきました。時代がすすむと世間に広まり、麦茶を売るお店を出されました。

 このように世界で愛されているお茶は古い歴史を深い関係があることがわかります。たまには、ジュースだはなく、お茶を飲んでみてはいかかでしょうか。

6年生説明文 「リサイクルってなんだろう」 122402

このごろよく聞く言葉、リサイクル。でも本当はどういう意味なのでしょう。リサイクルっていうのは、いらなくなったモノから新しいモノを作って、もう一度使えるようにすることです。自然を守るためにも、リサイクルはとても大事なことと言えるでしょう。

リサイクルできるものをみてみましょう。紙の場合、新聞紙はもう一度新聞紙になります。次は空きびん。びんには洗ってくり返し使える「リターナルびん」と、1回しか使えない「ワンウェイびん」があります。ワンウェイびんは、粉々にしてもう一度瓶を作り直します。最後は空きかん。スチールでできたかんは鉄板などの鉄製品になり、アルミでできたかんは自動車の部品になったりします。私達の身近なところでは、食品トレイやペットボトルをリサイクルしたペンもあります。私達の周りには、多くのリサイクルされたモノがあることが分かります。

ではそのリサイクルしてできた製品を見分けるマークをみてみましょう。ノートや落書き帳など、古い紙をリサイクルした製品には「グリーンマーク」が付いています。このマークはリサイクルしてできた製品を広めるために付けられたものです。そのほかにも、かんや軍手などにもマークがついています。みんなで探してみましょう。

ゴミを減らす工夫はたくさんあります。牛乳びんのようにそのままの形でもう一度使う「リユース」や、牛乳パックやかんのように別の物に作り直す「リサイクル」。さまざまなリサイクルを勉強して、活用できるようにしましょう。リサイクルをすることは、私達の限りある資源を大切にすることにつながることでしょう。

6年生説明文 「言語」 122409

言語とはコミュニケーションのための記号のことをさします。言語は使う人の住んでいる国、地域、や文化によってことなります。

英語や中国語、日本語のように自然とうまれてきた言語を自然言語とよびます。自然言語はそれを母語として使用する人々の存在があることが必要です。ですから、民族の滅亡やほかの言語による吸収によってなくなってしまうことがあります。

近年話者数が非常に少ない言語が消滅してしまうことが問題視されています。日本では北海道の先住民族であるアイヌ人が使用していたアイヌ語や昔沖縄県が琉球王国として栄えていたころに使用されていた琉球語がそういった言語です。なぜ言語が消滅の危機に瀕しているのでしょうか。

これは世界の一体化が進んだ結果であるという説があります。交通網の発達やインターネットの普及によってそれまで孤立を保ってきた小さな言語がそのコミュニティを維持できなくなるためだと考えられています。さらに英語の国際語としての勢力拡大による影響も小さな言語を消滅させる原因の一つだとかんがえられています。

言語はそれを使用する人々の生活と深くかかわっています。言語の消滅はその集団のアイデンティティの消滅ともいえるのです。

6年生説明文 「化学現象」 122901

この世界にはいろんな物質がある。みんなはその物質が何でつくられているのかという疑問を抱いたことはないだろうか?また、ある物質が違う物質に変わる瞬間をみたことがないだろうか。それは私たちが何気なく見ているところでも起こっていることである。今回はそれについて見ていきたい。

まず、普段何気なく見ている事例から触れていこう。焚き火などで木を燃やしたあと、木が黒くなっているのはみんな見たことがあるだろう。あれは木に酸素という気体が合体してできたものである。この際におきた合体を化合という。

また、化合の反対の現象もある。たとえば、これはあまり日常では見られないが、水が二つの気体に分解する現象がある。これを水の電気分解という。これは実験の装置として、電流を使うのだが、その電気の力を利用して分解したのだ。

また、いろんな色を出して燃える金属もある。身近な例で言うと、花火である。花火は赤や黄、緑といったいろんな色で作られているが、そのどれもが金属を燃やして色を放っている。この現象を炎色反応という。

このようにこの世界の現象と化学現象は大きく関わりを持っている。他にもいろいろと現象はある。もしかするとまだ見つかっていない現象があるかもしれない。身の回りの現象に疑問を感じ、その原因を突き止めようとすれば、きっとわかるはずだ。もっと身の回りのことに疑問を感じて見るのもいいかもしれないね。

6年生説明文 「IHクッキングヒーター」 122903

最近よくあるIHクッキングヒーターってどんな仕組みなんでしょうか。

IH調理器は、コイルに25kHz付近の高周波電流を流して、それによって発生する磁力線が鍋の底を通過すると、そこにうず電流と呼ばれる電流が発生する現象を利用して鍋を温めます。

金属製の鍋の中でうず電流が流れると、金属の持つ電気抵抗によってジュール熱が発生して、鍋自体が発生するというしくみ。このようにコイルを使った加熱方式を誘導加熱(Induction Heating)と言います。

うず電流が流れてジュール熱を出し、IHクッキングヒーターに最適なのは磁石がくっつく鉄の鍋です。ステンレスでも磁石に付くものなら使うことはできますが、熱効率は落ちるようです。

このように、身の回りのものについていろいろ知っていくと楽しいです。自分から興味をもって調べてみましょう。

6年生説明文 「時差について」 122904

時差というものを知っていますか。ここでは時差というものがどのようなものかを説明していきます。

まず時差とは世界中でいる場所によって現在時刻が変わってくる現象のことを言います。日本で昼間なのにアメリカでは夜だったので電話すると怒られるなんて話は有名なぐらいです。

これには太陽光で明るくなっていることに理由があります。
太陽の光が多く当たると昼、当たらないと夜なのです。

また地球が丸いのでアメリカには日が当ってても反対側にある日本には当たらなかったりするのです。

このようにして時差は生まれます。地球にはまだまだ様々なおもしろい現象があるので調べてみてはどうでしょうか。

6年生説明文 「野菜を食べる」 122905

みなさんは野菜をきちんと食べることができますか。中にはきちんと食べることができる人もいると思います。しかし、みなさんの嫌いな食べ物は、大半野菜の何かだと思います。小学生に聞いた、嫌いな食べ物で、野菜が上位に位置しているのはみなさんもご存じのはずです。野菜を食べることは体にいいと言われます。では、野菜を食べることによってどのようなメリットがあるのでしょうか。

まず、野菜の種類について見ていきましょう。ダイコンやニンジン、ゴボウといったものは根菜類と呼ばれます。キャベツやホウレンソウは葉菜類と言われます。トマトやピーマンは果菜類と呼ばれます。ほかにもいろいろな種類があり、それぞれによって効果も変わってきます。例えば根菜類を食べると、脂肪を燃焼してくれる働きがあり、疲れにくくなったりします。なので、野菜のことをよく知れば、どのようなときにどのような野菜を食べるべきかが分かってくるのです。

では、野菜を食べるとおもにどのような効果があるでしょう。野菜は体にいい食べ物です。例えば、高脂肪の食べ物やチョコレートを食べただけで吹き出物がでる人がいますが、野菜はその心配のない食べ物です。どんな人でも多少のストレスはあるものです。原因は人によって違いますが、カルシウムやビタミンB1の不足が原因となることがあります。これらの栄養素に富む緑黄色野菜や大豆などの豆類をとれば、ストレス要因の一つはなくなります。また、ストレスがたまりやすい人は、胃腸病が多いものです。野菜には胃腸に好ましく作用するものがいろいろあります。例えば、キャベツ、ダイコン、タマネギやヒジキなどがそうです。

また、野菜を用いた健康法を数多く見かけます。一つの野菜に注目したり、野菜の効果が無限であるかのように説いているものもありますが、本来食べ物は病気を予防するためのものです。最低限いえることは、長い間、バランスよく野菜を食べ続けていれば、病気の発生が少なくなるということです。また、腹痛や風邪など軽い症状については、症状の改善にある程度の効果を期待できます。野菜の効果を期待するなら、老化の防止やガン予防など、長期的で総合的な効き目にも注目することです。

このように、野菜を食べることにはたくさんのメリットがあります。野菜を嫌いな人が多いと思いますが、しっかり野菜を食べましょう。そして、野菜嫌いをなくしてなんでも食べれるような人になりましょう。

6年生説明文 「地球の環境の変化」 122906

地球は私たち人間をふくめて多くの生き物にとってかけがえのないものです。ところが、最近、人間の活動が原因で、地球の環境に変化が現れてきています。たとえば、地上付近の気温が上昇している、上空のオゾン層が破壊されている、 酸性雨が降っている、砂漠が広がっている、熱帯の森林が減少しているといった、地球全体にひろがるような広い範囲での環境の変化が進んでいます。こういった環境の変化は、これまで生きてきた多くの生き物にといって悪い影響をあたえるものです。実際、これまでに多くの野生の生き物が絶滅しています。そして、これらの原因の多くが私たち人間の活動によるものなのです。

地球温暖化について:この100年間に地球の気温が上昇したり北極の氷がうすくなったと言われています。このようにこれまでになかった速さで地球の気温が上昇していることを「地球温暖化」と言います。地球の気温が上昇すると世界各地の気候が変わり、生き物にさまざまな影響を与えます。空気中の二酸化炭素などの「温室効果ガス」には、地面から出される熱(赤外線)を吸収し、空気を温める働きがあります。この働きにより、地球は人間や動物、植物が生きていくために適した気温に保たれています。しかし、人間の活動により、大気中の温室効果ガスの濃度が増えると、空気や地表にとど 地球温暖化の原因はいったい何なのでしょうか。一番の原因と言われているのは、空気中の二酸化炭素の濃度が高くなったことです。二酸化炭素は物が燃えると発生します。つまり、人間が石油、石炭、ごみなどを燃やすことによって発生するのです。人類は産業を発展させるために大量の燃料を燃やし続けてきました。これによって、私たちの生活は豊かになり、便利になりましたが、空気中に二酸化炭素を出し続けてきました。また、人間が家を建てたり、家畜を飼ったり、畑を作ったりするために森林を伐採しました。森の木は生長するときに空気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を放出します。つまり、森林を伐採したために二酸化炭素を減らしてくれる木を減らしてしまいました。こういったことが原因で空気中の二酸化炭素は現在も増え続けています。まる熱が多くなり、地球の気温が上昇することになるのです。

オゾン層の破壊:オゾン層というのは地上からおよそ20から30キロメートル上空にあるオゾンの濃度が高くなっているところです。 ここでは太陽から地球にやってくる生き物にとって有害な紫外線を吸収しています。 ところが、最近このオゾン層のオゾンが減っているのです。オゾンが減って地上に届く紫外線が増えると被害を受ける生き物があるといわれています。 そして、フロンという物質がオゾンを破壊していることが分かりました。フロンは人間が作り出した非常に便利な物質で、今まで、世界中で冷蔵庫、エアコン、スプレーといった私たちの身のまわりで たくさん使われていました。そこで、オゾンを破壊しているフロンについては、世界の国々が協力して製造や輸入を禁止することにしたため、 現在では使われなくなってきています。しかし、空気中のフロンガスはすぐには減らないため、オゾン層の破壊も続いています。

酸性雨について:酸性雨というのは、空気中の水蒸気が冷えて雲が出来るときや、雲から雨が降ってくるときに、空気中の二酸化硫黄や二酸化ちっそといった空気をよごす物質が溶けこんで雨が酸性になってしまうことです。酸性とはレモン汁とか酢といったすっぱい感じがするものの性質です。ただしレモンや酢は雨より酸性が強いのですっぱい感じがしますが、雨はすっぱくはありません。生き物は酸性の強い水の中では生きていけません。だから、外国では酸性の雨が原因で森の木が枯れたり湖の魚が死んでしまったところもあるといわれています。また、大理石でつくられた昔の遺跡や建物に被害が出たりしています。街で見かけるブロンズ像にも被害が出ているものがあります。酸性雨の原因となる二酸化硫黄や二酸化ちっそは、工場の煙突から出るけむりや自動車の排ガスなどに多く入っています。こういった酸性雨の原因となる物質は日本の中で発生するものだけではなく、中国などの日本の外から風に流されて運ばれて来ているともいわれています。

この地球上で、人間だけが便利で都合よく生きていくことは出来ません。人間と多くの生き物が共に生きていかなければなりません。地球の環境を守るということは、人間を含めた多くの生き物を守ることにつながっていくのです。そして、このことは、私たち人間にしかできないことであり、私たちがしなければならないことなのです。

6年生説明文 「惑星の種類」 122909

宇宙にはたくさんの惑星があります。地球も惑星のひとつです。では宇宙には他にどんな惑星がどのように存在してるのでしょうか。

 地球みたいに自分で光らない星を,惑星と呼びます。惑星は,太陽の周りをまわり,太陽の光を反射して光る天体です。2006年8月に決められた定義では,次のような条件を満たす星が惑星であるとされました。
太陽の周りをまわっている
自分の重力でほぼ球形になっている
軌道の近くには衛星以外の星がない
 2006年8月24日以前は,太陽系には地球を含めて9個の惑星が知られ,太陽に近い順に,水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星であるとされていましたが,この定義の出現により,(c)の条件を満たさない冥王星は,惑星から外れ,“小さい惑星”という意味の矮惑星(わいわくせい)という名で定義されることになりました。
 それでは,冥王星と8つの惑星について特徴を比べてみましょう。
 矮惑星の冥王星を含めた9個の惑星の覚え方は,太陽に近い順から“水 金 地 火 木 土 天 海 冥”(すい きん ち か もく ど てん かい めい)。これなら調子よく覚えられますので,暗記しておきましょう。
 太陽系の惑星は大きく二つの種類に分けられていて,太陽に近い4つの惑星(水星・金星・地球・火星)を地球型惑星,その外側にある4つの惑星(木星・土星・天王星・海王星)を木星型惑星と呼んでいます。冥王星は,もちろん,このどちらにも属していません。冥王星の外側には,冥王星に似た天体が多数存在していますが,この中で,冥王星よりも大きな 2003UB313 という天体は,冥王星と同じ矮惑星の仲間です。

 星座を作る星達は,毎年決まった時刻に決まった場所へ現れます。星座早見盤を使えば,いつどこにどんな星座が見えるかわかることは,最初に勉強しましたね。
 ところが惑星が見える位置や時間は,星座早見盤で知ることはできません。惑星は,太陽を周りながら常に星座の中を移動しているのです。“惑星”という名前も,惑星達が他の星と違って人を惑わすような動きをすることからできた名前です。これに対して星座を作っている星は,恒に並びを変えずに光っているので恒星(こうせい)と呼ばれます。

 では,惑星はどんな時に見えるのでしょうか?
 惑星の見え方は,太陽と惑星と地球の3つの位置関係によって決まります。例えば,惑星が地球から見て太陽の向こう側にあるときは,明るい太陽の光に埋もれて見ることができません。また,反対に地球から見て太陽と反対側の方角にあるときは,一晩中見ることが出来ます。このように,太陽と惑星と地球の位置関係は,惑星が見える時間や位置を決める大切な役割を持っているのです。

このように惑星にはそれぞれ特徴があり、それぞれの条件で動いています。普段地上に向けている目を宇宙にむけてみてもおもしろいかもしれませんね。

6年生説明文 「硬貨の間違い」 122910

お小遣いをもらったとき、お札でもらいますか?それとも小銭でもらいますか?いつも何気なく使っているお金、今回は特に小銭を詳しく見ていきます。

まずは小銭、つまり硬貨がどこで作られているかを知っていますか?それは造幣局と呼ばれるところで作られています。大阪の京橋の近く、桜ノ宮にもひとつあります。お金が作られているところなので、警備がとても厳重です。しかし、申し込みをすれば見学もできます。

次に、みなさんは世界の硬貨を見たことがあるでしょうか。当然、硬貨は世界中にあります。アメリカの硬貨、ロシアの硬貨、ヨーロッパでは単位が同じでもデザインが違う硬貨があります。ちなみに、日本の五百円硬貨の側面を見るとラインが斜めに入っています。これは高い技術が必要で世界でも珍しい硬貨です。

では最後に、みなさんは出来損ないの硬貨を見たことはありますか?例えば表も裏もおなじ柄であったり、五円硬貨の穴がずれていたりする硬貨です。これらのミス硬貨と呼ばれる硬貨は普通、造幣局での検査で取り除かれますが、極てまに世間に出回ります。そして、ミス硬貨はひとつ10から50万円で売れたりするのです。

普段、特に気にせず使っている小銭もこうやって見ると奥深いですね。お金を単に集めるだけでなく、硬貨やお札として見てみて下さい。

6年生説明文 「木造建築の良さを知る 」 122912

 皆さんがすんでる家は何でできていますか。最近はコンクリートやセラミックなど、化学技術が進歩して便利な素材が使われている家も多くなってきました。しかし、昔から作られていて、今なお一番多いのは、木でできた家、木造住宅ではないでしょうか。
 では昔のひとはなぜ木で家を作ったのか。木造住宅の特徴から見ていきましょう。

 まず、日本の風土を思い浮かべてください。日本は山がちな地形です。ですから、木造住宅の材料である、木がたくさん取れます。なので、木で家をつくりやすかったのです。

 しかし木には次のような欠点もあります。耐久性がなく、耐用年度が短いこと。木材はが変形しやすい材料であることにより取り扱いが面倒であること。火に弱いことなどがあげられます。これは最近の科学技術の進歩により、木の欠点を埋める性質のある素材が生まれてきたからであって、昔の場合は木が一番丈夫と考えられていたのです。

 では木自体の性質から、木造建築の長所を見ていきましょう。
 木の大きな長所、それは湿度調節機能です。この機能によって、部屋の中の湿度は常に快適な状態に保たれるのです。
 木の内部には小さな通気口があります。この通気口は雨が振っている時は閉じて、晴れている日には、大きく開くという性質があります。雨の日は、通気口がとじるので外の湿った空気が室内に入るのを防ぐ働きをし、晴れている日には大きく開き外の空気を室内に取り込む働きをします。
 でも実際には、肉眼ではこの通気口は確認できません。でも私たちが知らない場所で、木材は快適に暮らせるように働いているのです。

 このような機能を、昔の人たちは肌で感じ、家を建てるのに木を選んだのです。むかしの人々の知恵には感心させられることがたくさんあります。むかしの人々に生活様式には、このほかにも暮らしをよくするためのさまざまな工夫があります。学校の図書室や市立図書館で調べてみましょう。

6年生説明文 「自殺はなぜいけないといわれるのか」 122914

よく、自殺は自分の人生だから自分の勝手だという意見を聞きます。しかし、それは本当に自分だけの命でしょうか。このことについて、考えて生きます。

まず、自殺する人はご飯を食べてきていないのでしょうか。そんなことはありません。人間である以上食べてきています。この食事というのは他者の命を奪って行うものです。これによってまだ生きたかった命などは死んでいっているのです。

そして、その命は過去の先祖が回してきた命のバトンです。それは、あなたが要らなくてもあなたの後ろの人はほしいかもしれません。

これらのことがあるのにあなたは命を捨てていいのでしょうか。
しかし、これはあなた自身が考えて答えを出さなくてはいけない問題です。

6年生説明文 「タッチパネルの仕組み」 122915

私たちの生活に、なくてはならないものとなっている、タッチパネル。タッチパネルとは、画面に直接触れることにより、コンピュータの操作が行える装置のことです。ディスプレイ部にタッチ操作検出用のセンサーなどを統合することで、画面に接触した指やペンの位置を感知し、コンピュータに指示を与えることができるのです。いわば、表示と入力の2つの機能を融合したデバイスなのです。
駅の券売機やスマートフォン、カーナビ等と様々なところで見かけます。その仕組みは実は用途によって様々な構造になっているのです。その仕組みの工夫とアイデアを紹介します。

まず、券売機などに使われているタッチパネルは、「低硬膜方式」という方式が採用されています。この方式では、指やペンなどで押した画面の位置を電圧変化の測定によって検知します。内部構造は、それぞれ透明電極膜(導電層)を配置したガラス面とフィルム面を少しだけすき間を設けて張り付けたシンプルなもので、フィルムの表面を押すと、フィルム側とガラス側の電極同士が接触して電気が流れ、その電圧の変動を検出することで接点の位置をとらえるのです。
長所としては、構造が単純なので低コストで製造でき、消費電力が比較的抑えられているほか、表面にフィルムを塗布していることからホコリや水滴に強い点が挙げられます。フィルムへの圧力で入力するため、指だけでなく、手袋をしたままの状態やペンで入力できたり、手書き文字入力を行うことも可能です。

次にスマートフォンにつかわれている方式は「静電容量法」という方式です。この方式では、画面に指で触れると発生する微弱な電流、つまり静電容量(電荷)の変化をセンサーで感知し、タッチした位置を把握します。指を画面に近づけると、人体の静電容量にセンサーが反応するため、画面に接触する寸前でポインターを動かすような操作も可能ということです。全体としての特徴は抵抗膜方式と違って衣服の袖や通常のペンには反応せず、ホコリや水滴に強く、耐久性や耐傷性が高いことが挙げられます。また、抵抗膜方式に比べると透過率が高いです。一方、指以外では静電容量方式に反応する専用タッチペンや指でしか操作できず、手袋をしたまま扱えない点、近くに金属筐体がある場合にその影響を受けやすい点は気を付ける必要がある。

一見、同じように見えるタッチパネルも色々な違いがあるのです。将来的には、もっと多くのものがタッチパネルになることが予想されます。楽しみですね。

6年生説明文 「俳句と日本文化」 122916

俳句は、和歌の上の句(五・七・五)と下の句(七・七)を別々の人が交互に作る連歌の上の句だけが独立してできました。 江戸時代に松尾芭蕉が「俳諧の句」として確立させ、大流行しました。

俳句は三句十七音という限られた文字数の中で、自然の美しさや人の心情を表現しなければなりません。
そこで、季語を入れる事によって、作者の意図する情景をわかりやすく表現する事ができます。
季語とは、その言葉が入るだけで、誰もがその季節を思い浮かべられる言葉の事を言います。

俳句」という言葉は、今からおよそ100年前、正岡子規を中心としたグループによって使われるようになりました。
俳句は江戸時代には俳かいと呼ばれていました。
この俳かいという言葉は、もとは「こっけい」・「おもしろ味」といった意味で、室町時代から江戸時代にかけてさかんに作られた連歌で使われていたものです。

連歌はもともとは、優雅な美の世界をめざすものでしたが、やがて本来の道からそれ、こっけいな言葉の遊びとなりました。次第に、連歌の上の句(五・七・五)が独立して鑑賞されるようになり、今の「俳句」のもとになりました。この独立したかたちのものを、「俳諧の句」と呼びます。江戸時代には「奥の細道」の作者で有名な松尾芭蕉などが活躍し、広く庶民にも俳諧の文化が流行しました。
その後、明治維新後に登場した正岡子規が、この古くからの詩のかたちを、新しい詩としてよみがえらせようと考え、「俳句」という名前をつけました。
そして今なお、その形態が継承されています。
限られた少ない字数の中で最大の表現を三句十七音という限られた字数の中で作者の意図を最大限に表現為に様々な表現技法が用いられます。

俳句は少しの短い言葉で
自分の気持ちを歌ったり、季節や風景を
言葉で表現するという、日本独自のすばらしい文化です。
わたしたちは、この文化が失われないためにも
この文化を伝承する必要があります。

6年生説明文 「紛争」 122917

世界各地では今、紛争が起こっている地域があります。それは昔、植民地などで大国か、支配を受けていた国です。
敵対していた民族などが同じ国に住むことになり、その結果戦争が起こり、今でも紛争が起こっています。

その紛争により死者は何万にといてます。そのような現場では私たちのような小さな子どもでさえも銃を持ち訓練されています。
学校など通えるような状態ではないのです。

日本とそれらの国を比べてみると、全く違うことがわかると思います。日本の子どもたちは学校に通い、友達とあそび、勉強もすることができます。日本などの経済的に豊かな国はその紛争地域に援助をしています。それでも紛争などがおさまるにはかなりの時間がかかります。

戦争など過去に日本もアメリカと起こっていました。この先このんなことのない平和な世界を築けることを願いたいです。

6年生説明文 「輸入品と日本の産物」 122918

わたしたちの生活の中には、日本以外で作られたものがたくさんあります。食べ物の多くはアメリカやオーストラリア、中国などさまざまな国で作られたものが、日本に運ばれてきて店に並び、私たちの食卓に並ぶのです。
食べ物を輸入するようになり、私たちの食生活は豊かになり、食品も安く手に入るようになりました。しかし、輸入をすることがいいとは言えないのです。

まず一つ目の理由は、輸入品には体に害のある農薬がかかっているかもしれないということです。日本と外国では、規制する農薬の基準が違うので、知らずに食べたものに、もしかすると危険なものが混じっているかもしれないのです。

また、輸入のときに日本にはいなかった生き物がついてきて、体にもっている病気を撒き散らすかのうせいもありますし、日本の生き物のバランスを崩してしまうこともあります。

さらに、輸入によって日本のものより安い食べ物が入ってくると、日本で作られた食料が売れず、日本の食糧生産者の仕事がなくなってしまいます。食糧生産をしている人の仕事がなくなってしまうのです。

食料を輸入をすることが良いか悪いかをはっきり決めることは難しいですが、きちんと知り、考えて食べ物を買うことは重要なことです。みなさんがふだん食べているものを調べてみましょう。

6年生説明文 「親」 122922

あなたは親のことが好きですか?小学六年生にもなると思春期になり、親のことがうっとおしく感じたり、いらいらしたりするようになるときがあります。ときにはけんかをすることもあるでしょう。「親なんかいなくなればいい」そう思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、そんな時期はだれにだってあるのです。あなただけでなく、あなたの友達だってそうですし、あなたの親もあなたぐらいの年には同じような感覚を感じていたはずです。だからあなたがいらいらしているときやなやんだりしているとき、親はそのことを理解したうえで、優しく、またときには厳しく見守ってくれているのです。

しかし、いくら思春期で心が不安定だからといっても、親を傷つけてはいけません。母親はおなかをいためてあなたを産んでくれました。そして産まれてからいままで成長できたのは、あなたを育ててくれたひとがいたからです。そんな親に対して、思いをふみにじるようなことをしてはいけません。

あなたが毎日着ている服も、毎日食べているものも全部、親ががんばって働いたお金で買ったものです。子供であるうちは結局、親の力にたよって生きていくことになります。それははずかしいことではありません。みんなだれだってそうなのです。少しずつできることをふやしていけばいいのです。

今は子供のあなたもいずれは大人になります。そして、大切な人ができ、子供もできて親になるでしょう。そのときになって初めて気が付きます。「あの時、お父さん、お母さんはこんな気持ちだったんだ。」と。

6年生説明文 「自動販売機」 122923

わたしたちは外でのどが渇いたとき、ほとんど苦しむこともなく、のどの渇きを潤すことができます。それは、自動販売機があるからです。では自動販売機について詳しく知識を付けていきましょう。

自動販売機は今でこそ、飲み物を主とした販売機ではありますが、一番最初は切手やハガキを売るものでした。一説によれば、てこの原理を使った聖水を売る紀元前のものもあったという話しもあります。

さらに、売っているものも豊富で、ジュースやアルコールなどの飲料、お菓子やおでんなどの食料、タバコなどの趣向品なども売っています。

しかし、一部では、未成年がアルコールやタバコなどを手に入れやすくなっているという声もあります。そのため、今では自動販売機で年齢確認もできるようになっています。

このように、自動販売機もいろいろな工夫を重ねて現代まで受け継がれてきたのです。

6年生説明文 「夜空の星」 122926

夜、空を見上げると、きらきらと輝いているものがありますね。それは星です。星はいろいろな種類があります。どのような星があるのでしょうか。

星にはまず明るさの違いがあります。明るさを1等星などというふうに、等級で表します。一番明るい星を1等星といい。数字が大きくなるにつれて、だんだん暗くなっていきます。私たちの目で見ることのできる星は6等星までです。

色もさまざまな色があり、違いがあります。色はその星自体の表面温度によって決まります。青色が一番熱い星で、青白色、白色、黄色、だいだい色、赤色になるにつれてだんだん表面温度が下がってきます。例えば、ガスコンロの火は青いですね。ストーブの火は赤いですね。つまり、ガスコンロのほうがストーブより熱いのです。

また星は地球から見ると動いているように見えます。日本の東、南、西、北の空で星はどのように動いていっているのでしょうか。東の空では、右上に動いて行っているように見えます。南の空では左から右に動いているように見えます。西の空では右下に動いているように見えます。北の空では、北極星を中心に時計の進む向きと反対向きに進んでいるように見えます。北極星は地球の自転の影響でほぼ北で動きません。

ほかにも星の集まりをいろいろなものにみたてて、名前を付けた、星座があります。みなさん、夜空を見上げて、星座をさがしてみてください。

6年生説明文 「電気ウナギ」 122927

 みなさんは電気ウナギと言う動物を知っていますか。
電気ウナギとはその名の通り、電気を発する南アメリカにすむウナギにそっくりな
魚です。しかし体の構造などがウナギとは全く違うため、別の仲間に分類されます。

 この電気ウナギは南アメリカのアマゾン川やオリノコ川に生息し、空気呼吸をする魚です。夜行性で小魚をおもに捕食します。成魚は全長2.5mにも達し、前身は灰褐色で白っぽいまだらがあります。しかも電気ウナギは前だけでなく後ろにも泳ぐことができます。

 何と言っても特徴は発電器官です。電気ウナギの発電器官は、筋肉の細胞が発電板という細胞に変化したものです。数千個の発電板が並んだ発電器官は大著の5分の4程もあります。この発電器官は頭がわがプラス極で尾のほうがマイナス極になっています。

 なぜこのように発電するのかと言うと、デンキウナギはもっと弱い電流の電場を作ることもでき、弱い電場を作ることにより、濁った水中で障害物や獲物を探知していると考えられています。しかし、デンキウナギは他の発電魚よりも強力な電気を起こせるため、捕食と自衛にも電気を用いることができます。獲物の小魚を見つけると体当たりして感電させ、麻痺したところを捕食します。また、大きな動物が体に触れたときも発電して麻痺させ、その間に逃げます。発電時にはデンキウナギ自身もわずかながら感電しています。しかし、体内に豊富に蓄えられた脂肪組織が絶縁体の役割を果たすため、自らが感電死することはありません。

 このように電気ウナギは独自の進化を遂げ、今の姿になりました。他にもデンキナマズやシビレエイなども発電することができます。私たち人間はどのような進化を遂げてきたのでしょうか。

6年生説明文 「浄水場の仕組み」 122929

人間の生活に水はかかせません。飲むにも料理をするにもお風呂にはいるにもトイレを流すにも水は必要です。人間は水無しでは生きていけません。では、どんなに汚い水でも水さえあれば人間は生きていけるのでしょうか。それは違います。川の水や水たまりの水には細かいゴミや土が含まれていて、飲むとお腹をこわしてしまうからです。では、水道から出てくる水は一体どのようにしてきれいになるのでしょうか。

まず最初に、川やダムからの水を浄水場にある取水塔に取り入れます。次に、水を沈砂池に移動させます。沈砂池にある水に含まれている大きな砂や土やゴミは、重いので自然に沈んでいきます。

次は、取水ポンプを使用して、沈砂池の水を着水井にくみ上げます。着水井では、取り入れた水の水位や水量を調整し、薬品混和池へ水を導きます。薬品混和池では、水に水中の小さな浮遊物を沈みやすいかたまりにする作用のある薬品を入れます。次に、フロック形成池で砂や土などを沈みやすいフロック(細かい砂や土などと薬品がくっついた大きなかたまり)にします。これにより、沈でん池では水に混ざっている細かい砂や土などが水の底に沈みます。

次に、アンモニア態窒素や鉄などを取るため塩素を注入します。その後ろ過池にある砂や砂利の層で、水をこしてきれいにし、消毒のための塩素を入れます。きれいになった水は配水池にためられ、最後に送水ポンプで配水池にたまっている水が給水所に送り出されます。

このように、様々な方法を何重にも使って水はきれいになっています。水がきれいになるのにはとても手間がかかっているので、水はむだづかいせずに大切に使わなければいけませんね。

6年生説明文 「食物連鎖の頂点として」 122931

自然界には食物連鎖というものがあり、それはピラミッドで表せる。基本的に上に行くほど数が少なくなり、上に存在するものは下のものを食べるという関係が成り立っている。これはいったいどういうもおなのだろうか。

答えは、自然界における生き物達のバランスを表している。上にいけばいくほど天敵が少ないので、上の生き物の数が多過ぎるとバランスを保つ事が出来ないので、上の生き物は数が少なくなっている。下の方にいる生き物は、天敵が沢山いる事になるので、沢山数がいないと絶滅してしまうので数が多くなっている。

もし、なんらかの影響で一番上の生き物の数が増えたとしたら、その下の生き物の数が減る。すると、そのさらに下にいる生き物は天敵が減ることになるので、数が増える。すると、一番上の生き物はえさの数が減るので、結局数が減る。真ん中の生物は、えさが増えたので、一旦減った数が再び増える。一番下の生物は、数が増えていたが、上の生物が増えたので、結局数が減るということが起こる。このことによって、生物の数はある程度の数が安定して存在するようになっている。

にもかかわらず、世界中では毎年動物が絶滅している。それはなぜか。答えは、私達人間が原因となっている。人間は、ピラミッドの中では一番上に属するはずである。しかし、人類の数は非常に多い。繁栄しすぎたのだ。そのことによって、急激に生き物の数が減ったことにより、他の生き物が絶滅しているのだ。また、自分達が生きるためでなく、娯楽や金の為に動物を狩る人さえ存在している。自然界の生き物は、互いに影響を与えあっている。何かの種が途絶えることは、必ず他の種へも影響を及ぼす。そのことによって何が起こるかは、誰にも予想できない。

私達人類は、間違いなく食物連鎖の頂点である。しかし、それはすごいことでも偉いことでもなく、下の生き物達に支えられながら生きているということに私たちは気付かなければならないのだろうか。

6年生説明文 「偉大な選手 イチロー」 122932

日本でイチローを知っているか?ときいて、知らないという人はめったにいないであろう。それほどイチローの知名度は高く、多くの人に愛されている。しかし、野球に興味のない人は、イチローがなぜそれほどまで人気があり、人々から尊敬されているのか不思議に思うであろう。イチローの人物像を解き明かそう。

イチローは努力の人である。高校時代、手袋が血で真っ赤に染まるほど毎日素振りをしていたという話は有名である。イチローは確かにすばらしい才能を持った天才であるが、それで満足することなく人一倍努力するのである。

イチローはいくつもの記録を作り出したが、私が一番素晴らしいと思う記録が、メジャーでの10年連続200本安打である。一年間で200本ヒットを打つことは至難の業ではない。怪我などで離脱してしまっては当然不可能な記録である。その記録を10年継続できる力がイチローの強みの一つなのだ。

2009年のWBCという野球の国際大会では、珍しくイチローが不調であった。決勝戦、同点で延長となった10回。なんと勝ち越しのチャンスでイチローに打順がまわってきたのだ。普通の選手なら自分の不調を気にして弱気になる場面。しかし、イチローは自分の力を信じることで見事にタイムリーヒットを放ったのである。

このように、イチローは技術の才能もさることながら、努力する力、継続する力、自分の力を信じる力、など精神力も非常に優れている。人々の多くはイチローの精神的な部分に尊敬、憧れの気持ちが生まれるのだ。日本中、いや、世界中の人に認められているイチローは偉大な人物であることに違いない。

6年生説明文 「坂本竜馬の一生」 122933

 あなたは坂本竜馬という人物をご存知でしょうか?
 坂本竜馬とは幕末に活躍した志士で、近年ではNHKで大河ドラマとして取り上げられましたし、色々な文学作品でもその名前はよく耳にします。時代を超えて人々に愛される坂本竜馬とはどの様な一生を過ごしたのでしょうか。

 坂本竜馬は今の高知県、土佐藩の下士の家に生まれました。土佐藩は江戸時代初期に徳川家康の家来である山内一豊によって支配されたのですが、山内家とその家来たちは上士、それまでいた地元の侍たちを下士として明確に区別したのです。下士は上士に虐げられ、それは幕末まで続きました。
 さて、そうして下士の家に生まれた竜馬ですが、坂本家は才谷屋と呼ばれる商家を営んでおり他の下士と比べて非常に裕福な家庭でした。
 竜馬は幼少期は泣き虫で有名で、姉である乙女にいつも泣き虫め!と叱られていましたが、青年になるとその剣の才能を発揮し、地元の道場の目録をもらうと江戸の有名な道場である北斗一刀流の千葉道場に入門し、やがて目録を貰うまでに腕を上げた。この江戸への遊学の際に竜馬は黒船来航を目撃したと考えられている。
 土佐に帰った竜馬だったが、土佐では上士と下士の対立が深まり、竜馬の友人である武市半平太を党首とする土佐勤皇党が発足される。竜馬もそこに一時期所属するが、党の考えと合わず、やがて土佐藩の脱藩へと至る。その後、土佐勤皇党は当時土佐の重役であった吉田東洋を暗殺、武市をトップにした土佐勤王党の勢力が増していくことになる。

 土佐藩を脱藩した竜馬は後の長州藩の重臣となる高杉晋作らと交流を含めつつ、江戸へと向かう。そこで千葉道場に寄宿すると千葉道場が剣術指南をしていた前福井藩主松平春嶽の紹介を受けて幕府軍艦奉行をしていた勝海舟と会う。そこで竜馬は勝海舟の人柄、思想に惚れ込み、勝海舟の門人となる。勝海舟は軍事力を持って幕府に迫ってくる諸外国と対抗するために軍艦の重要性を主張。諸藩に対して説得を繰り返しやがて神戸海軍操練所を開く。そして、竜馬も海軍操練所に心血を捧げることになる。
 しかし、一方で土佐では土佐勤王党が藩論を主導していることを快く思わない土佐藩藩主山内容堂が実権を取り返すべく、吉田東洋暗殺の下手人の捜索を命じ、土佐勤王党の粛正に乗り出した。それにより武市半平太も投獄、切腹されられ、土佐勤王党は壊滅状態となる。
 そして竜馬も海軍操練所塾頭になっていたが、その頃京都では政治から追い出された長州藩が政治に戻ろうと御所の周りを取り囲み、いざこざの際に御所へと発砲。朝敵の汚名を受けて薩摩、会津軍による攻撃で京都を追い出されるという禁門の変が起きた。その禁門の変に海軍操練所の隊員が参加していたことから、幕府から海軍操練所に疑いの目が向き、勝海舟は江戸に出頭命令が下され、海軍操練所は閉鎖されることになった。

 行く宛を失った竜馬たちだが、薩摩藩は竜馬たちが持つ操船技術に大いに興味を抱き、竜馬たちに出資。竜馬たちはその援助された金で長崎に亀山社中という現在の株式会社とよく似たシステムの会社を立ち上げた。
 そしてその頃、政治的に追い込まれていた長州藩は武器を欲していたがそれを入手する伝手もなく、幕府によって滅ばされかけていた。だが、長州藩は強大な藩であり、国内で身内同士殺し合っていたら諸外国に植民地にされると危惧を抱き、同じ土佐藩を脱藩した中岡慎太郎と共に薩摩、長州それぞれの重役である西郷隆盛、桂小五郎らを説得。薩長同盟を結ばせることに成功した。そして薩摩名義で外国から最新式の銃と軍艦を輸入し、それを長州へと転売。その見返りとして長州は米を不作で喘いでいた薩摩に提供。その全ての運搬を竜馬率いる亀山社中が執り行った。これにより情勢は逆転、長州は連勝に連勝を重ね幕府軍を押し返すことに成功している。
 この一件でいよいよ幕府に危険人物として認識された竜馬は京都の寺田屋で伏見奉行による襲撃を受けて手に傷を負うも命からがら逃げ延びる。そして湯治に薩摩へと妻のお龍と共に旅行に向かっている。これの旅行は日本初の新婚旅行とも言われている。
 その頃土佐藩では時勢の変化を受けて軍備強化を図っており、参政後藤象二郎を責任者として長崎で武器弾薬の購入に勤しんでいた。そして航海と通商技術に通じていて、薩長ともつながりがある竜馬に注目して密会を図った。会談の結果、土佐藩は竜馬以下の脱藩を許し、亀山社中を土佐藩の外郭団体的な組織として位置付けることが決定して、これを機に亀山社中は海援隊と名を変える。
 一方その頃、時勢は薩長に傾いており、倒幕の機運が高まっていた。これを危惧した竜馬は後の維新政府の綱領の実質的な原本となる船中八策を作成。そして後藤象二郎と共に幕府としての実権を朝廷に返すという大政奉還の策を練り上げ、象二郎はこれを容堂公に進言。それを是とした容堂は象二郎に二条城にて数藩の連盟でまとめた大政奉還建白書を提出させ、時の将軍徳川慶喜はこれを受理。後の10月14日に明治天皇へと上奏し、翌の15日に大政奉還の勅命が下った。これにより薩長は討つ対象を失うこととなった。
 だが、大政奉還をしてまもない11月15日、近江屋にて中岡慎太郎と二人で話していた竜馬だが、何者かの襲撃を受けて暗殺される。享年33歳であった。

 坂本竜馬という人物は幕末という乱世に現れ、一瞬の輝きを残して若くして散った悲劇のヒーローという一面もあります。しかし、こうも時代を超えて彼が愛されるのは薩長同盟を成立させたとか、若くして暗殺されたとか、そういった上辺だけのものではないはずです。物事に囚われない自由な発想、決断したら即動くその行動力、そして誰とでも仲良くなれるその人柄に私たちは魅力を感じるのでしょう。

6年生説明文 「細胞の更新」 122936

人間はたくさんの細胞からできています。皮膚も、骨も、神経も、筋肉も、すべて細胞からできています。さらに、この細胞たちは、常に新しいものへとなります。つまり、古い細胞は死に、同じ情報を持った新しい細胞が生まれてくのです。毎日毎日私たちの体のどこかで細胞たちはコピーされ、生まれ変わっているのです。
ではこの細胞たちのコピーはどのようにして行われているのでしょうか。

まず人間の細胞には、核と呼ばれる部分があります。この核の中に、私たち一人一人を区別するための情報が入っています。これを「DNA」といいます。人間には一人一人違った特徴があり、このDNAはその特徴を書き記したものなのです。この特徴は、塩基と呼ばれるもので記されています。塩基は四種類あり、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)の並び方で情報を表します。このDNAは細胞がコピーされるときにとても重要な役割を果たします。

では、このDNAが含まれた核がどのようにコピーされるのか見てみましょう。
まず細胞はコピーの準備をします。この準備期間の間に、先ほどの塩基の並び方が酵素と呼ばれるたんぱく質によってコピーされていきます。この塩基の並び方のコピーが終わると、細胞のコピーの準備はばっちりです。

塩基の並び方がコピーされたあとには、核の中にあるDNAはひも状になっています。この時、核の周りにあった核膜という壁が消えてしまいます。しかし、ひも状になったDNAはばらけることなく、細胞の真ん中に集まってきます。DNAはそこでそれぞれ一本ずつが二本に分かれて細胞の両端に移動します。ここで細胞が真ん中あたりからくびれていきます。そうして二つの細胞になります。DNAは両端に分かれた後、だんだんと一つになっていき、また核膜が現れて一つの核となります。これで細胞のコピーの完了です。

このようにして私たちを作っている細胞は毎日入れ替わり立ち代わりしているのです。そうして古くなった細胞は垢などとして私たちの体からはがれていきます。私たちの体にはまだまだ解明されていない謎がたくさんあります。もしかしたらその新し発見をするのは、あなたかもしれません。

6年生説明文 「新聞をつくろう」 122937

みなさんは、新聞を読むことはありますか?お家で、お父さんやお母さんが読んでるよ、という人もいるかもしれませんね。新聞は、世の中でおこった事件や出来事をくわしく教えてくれます。テレビで今日何が放送されるのか、また、今日の天気はどうなのか、そういった身近なことから、遠い国でおこったできごとも教えてくれます。新聞は、誰だってつくることができます。みなさんも自分で新聞をつくることができますよ。自分新聞や、ペットについての新聞など、自分で作れる新聞の種類はたくさんあります。では、新聞はどのようにしてつくればいいのでしょうか。

新聞を作るには、まず、テーマを決めなければなりません。自分新聞だったら、自分の何について書くのか。ペットについての新聞なら、ペットの何をかくのか。こういったことを決めなければなりません。テーマを決めるうえで大切なことは、読み手が読みたくなるような工夫をすることです。たとえば、夏祭りのことを取り上げるとしましょう。記事のテーマが決まったら、次は取材の依頼です。祭りを開く団体の人に話を聞くため、事前に電話などで取材を依頼します。取材の目的を伝え、必要であれば聞きたいことをまとめた紙をファクスなどで送ります。祭りの準備をするようすを見たかったり、写真をとったりしたい場合も、先に伝えます。相談して取材の日時を決めましょう。

取材をし終えたら、記事にしていきましょう。記事を読む人に、祭りのようすが目にうかぶように説明したいですね。コツのひとつは、ものの大きさ、距離、重さなどをなるべく具体的に書くことです。「たくさんの人がおみこしをかついでいました」というより、「35人の大人の男の人がおみこしをかついでいました」という方がようすが伝わります。祭りの主催者に聞いて、おみこしの大きさや重さ、見物した人の数などのデータを加えると、より具体的です。おみこしをかついでいる人たちの表情やかけ声、まわりの人たちの熱気、打ち上がった花火のようすなど、その場にいた人にしかわからないことも伝えましょう。祭りに参加した人たちにインタビューした内容もわすれずにかきましょうね。その人の気持ちが伝わる言葉、取材して印象にのこった言葉を「かぎかっこ」の中に入れます。

記事を書いたら、読み直します。難しかったり、わかりにくかったりする表現がないか、慎重にチェックしましょう。ほかの誰かに読んでもらうのもいいですね。小学校では習わない漢字をひらがなにしたり、難しい専門用語を使ったなら、ていねいに説明したりするなどの工夫をしましょう。読むひとの気持ちになって、記事を読み返すといいでしょう。話を聞いた人の名前、年齢、数字などをまちがえたら、せっかくの記事も台無しになってしまいます。よくチェックしましょう。必要であれば、表やグラフ、地図などをつけるといいでしょう。

どうですか?新聞をうまくつくれそうですか?一度、みんなで一緒に一つの新聞をつくってみるのもいいでしょう。

6年生説明文 「日本の季節」 122938

日本は他の国と比べると様々な季節が巡る国です。それは、日本が、北の寒気、南の暖気の境が季節に応じて入れ替わったり、寒気と暖気の境界が日本付近を通過したり、また停滞したりする場所だからです。これに応じて季節の巡り合わせが起こるのです。

気団には、性質があります。日本の北の方で発生した気団は低温で、南の方で発生した気団は高温、大陸で発生した気団(大陸性気団)は乾燥、海洋で発生した気団(海洋性気団)は湿潤になります。
そして、日本付近で発生する気団は主に4つあります。シベリア気団は大陸性寒帯気団、オホーツク海気団は海洋性寒帯気団、小笠原気団は海洋性熱帯気団、長江気団は大陸性亜熱帯気団のように分けられていて、発生した場所の名前が付けられています。

冬はシベリア気団が発達し、また日本の東の海上には低気圧が発達します。そして、シベリア気団から北西の乾燥した季節風が吹き出します。その風が日本海を通過することで水分を含み、雪が降るのです。
夏の日本は小笠原気団におおわれて蒸し暑い日が続きます。晴天が続くきますが、強い日射のために積乱雲が発生しやすく、激しい雨が降ることもあります。

春や秋は、低気圧や移動性高気圧(長江気団)が交互に通過していきます。そのために天気が周期的に変わるようになります。低気圧の通過前には南風が強まり気温が上昇し、通過後は北風が強まり気温が低下します。このような寒暖を繰り返しながら、春から夏に向けて次第に気温が上昇し、夏から秋に向けて低下します。また、春から夏への季節の変わり目には、梅雨と呼ばれる雨の多い時期があります。これは、オホーツク海気団と小笠原気団がぶつかることで、雨が降り続きやすい停滞前線が発生するからです。

このように日本の季節の移り変わりは、日本付近で発生する気団と密接に関係しています。日本は様々な気団が発生しやすい条件がそろっているのです。日本における独特なこの季節の巡りを楽しみましょう。

6年生説明文 「日本の伝統文化」 122939

 伝統文化は、先人たちが様々な形で積み上げてきた歴史の中で生み出された文明の集大成であるといえます。日本は、数多くの独自文化が伝統として受け継がれてきた国の一つといえます。現代の風潮にそぐわない側面も散見されますが、伝統を受け継ぐことの尊さを感じさせる文化が多いのも一つの特徴であるといえます。

 和服は日本独自の衣服文化であり、伝統文化でもあります。現代では結婚式や成人式などの限られた行事の際に着る人だけでなく、日常から和服を着ている人も増えているといわれています。日本独特の衣服である和服は、日本人の生活様式に大きな関わりを持っていたといえます。着物の影響としては、明治時代まで日本人に根付いていたナンバ歩きが挙げられます。ナンバ歩きは同じ手と脚を前に出しながら歩くという、着物が着崩れない歩き方であるといわれています。

 茶道は、中国から伝わったお茶を日本独自の文化として研鑽し昇華した伝統文化です。茶道はもてなしに全力を尽くすことを目的とするものとしています。茶道において重要なのは今日の出会いは今日限りのもので、次に会う時も同じ出会いではないという一期一会の精神で、心を尽くしてもてなすことこそが茶道の目的であると説いています。わび・さびという言葉は贅沢をするよりも心を尽くすことが大事だという茶道で有名な千利休が述べた言葉です。

 俳句と短歌は、決められた文字数の中で様々な表現を用いて感情や情緒を表現する文学です。日本には言霊という言葉には霊的な力があるという考えがありました。。俳句や短歌は日本語のもつ豊かな語彙や表現力を最大限に活かすことができるまさに日本の伝統文化にふさわしいものと言えるでしょう。

 人によっては文化や芸能は何も役に立たないという考え方をすることがありますが、文化がなければ人類は今も原始的な社会生活を営み、芸能がなければ感情の発露が充分になされない閉鎖的な社会を構築していたでしょう。文化や芸能とは、人間らしく生きていく上で欠かせないものであり生み出されていくべきものなのです。

6年生説明文 「ビタミンについて」 123119

みなさんはビタミンについてどのくらい知っていますか。ビタミンとは、私達が生きていくのに必要な代謝を助け、健康な身体を維持する上で、大切な役割をする栄養素です。1日の必要な摂取量はわずかですが、不足すると様々な症状をひきおこします。そんなビタミンについて詳しく見ていくことにしましょう。

ビタミンはミネラルとともに、別名「微量栄養素」とも、呼ばれています。そもそも、私達の身体の材料やエネルギーは、糖質、脂質、たんぱく質から作りだされ、この3つは三大栄養素と呼ばれています。しかし、これらの栄養素だけでは、健康な身体を維持することはできず、必ずビタミンやミネラルが、必要になってきます。ビタミンは、わかりやすい例でいうと、自動車のオイルにあたります。いくら性能の良い自動車に、ガソリンを満タンにしても、きちんとオイルをさしておかないと、快適に運転できないのに似ています。

現在、正式に認められているビタミンの種類は、13種類あります。これまで、多くの研究者や学者から、いろいろなビタミンが発表され、一時は20種類を超えたこともありました。しかし検証の結果、体内で合成されたり、まったく同じ栄養素であることがわかり、現在の13種類に落ち着いています。

長期間ビタミン不足が続くと、必ず欠乏症としてでてくるのは、今までの統計ではっきりと証明されています。短期間だけビタミンが不足しても、深刻な病気になることは少ないのですが、それでも、ビタミンが不足すると、なんとなく身体がだるいとか、調子が悪いなどの体調不良があります。特に、激しい運動をする人や喫煙習慣のある人、あるいは妊娠した女性などは、十分なビタミンの摂取に気をつける必要があります。ビタミンは、私達の身体の代謝を円滑にする、大切な味方ですから、不足しないように毎日バランスの良い食事を、心がけたいものです。

このようにビタミンは人が生活をしていくうえで必要不可欠な栄養素です。栄養のことを考えながら生活していくことが健康な体づくりにつながっていくのです。

6年生説明文 「石油について」 123817

私たち人間はいつも石油を使って生活しています。私たちはいつも何も考えずに石油を大量に使っていますが、石油はどのように作られて、いつ、どのようにして使われているのか知っていますか。
石油の成分のほとんどは炭化水素であり、色々な炭化水素の混合物から構成されています。その他、硫黄化合物、窒素化合物、金属類といったものも含まれています。工業的に有用な石油製品を作るためには、分留によって成分を分ける。精製することにより、天然ガス、ナフサ、灯油、軽油、重油、潤滑油、アスファルトなどが製品として得られます。
ではこれらは、どのようにして作られているのでしょうか。

まず、それらについて知っていく前に、分留とはいったい何なのでしょうか。
液体を熱してできた蒸気を冷やして再び液体にする蒸留により成分を精製する操作は精留と呼ばれます。多くの場合、精留を目的に蒸留操作がなされるため、広くは蒸留と同じ意味です。石油精製のための精留を特に分留と呼びます。これらをすることによっていろいろなものができるのです。

天然ガスは沸点が30℃位までであり、常温よりも沸点が低いため、ガスとして分離します。この天然ガスの主な構成成分は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンなどです。
最近では天然ガスで発電することが増えており、活躍に期待がかかりますね。
ナフサは沸点が30〜200℃程度の炭化水素であり、粗製ガソリンとも呼ばれます。主成分は炭素数5〜12のアルカンです。 炭素数5〜7のナフサは、軽質ナフサと呼ばれ、透明で蒸発しやすく、溶媒やドライクリーニングの溶剤、あるいはその他の速乾性の製品に用いられます。 炭素数が6〜12のナフサは、重質ナフサと呼ばれ、石油製品を水素と接触させて品質の向上をはかる工程や、化学反応により炭化水素の組成や構造を変化させる操作などを経てから、配合調整され私たちが良く知るガソリンとして精製されます。
いつも車の燃料として必要とされるガソリンです。最近は電気自動車が活躍しており、もしかしたら近い将来、全ての車が電気で走る自動車になるかもすれませんね。
灯油、軽油は炭素数10 - 15の範囲の炭化水素からケロシンが作られジェット燃料に用いられます。炭素数10〜20の範囲から軽油と灯油が精製されます。
灯油、軽油は私たちの暮らしにも役立っています。冬のような寒い季節に欠かせない、ストーブの燃料になったり、お湯を沸かすための燃料になったりします。私たちを暖めてくれていますね。
重油は沸点320℃以上の蒸留で精製されます。
重油は船舶のエンジンなどに用いられます。
これらの石油製品は常温で液体です。

そして、潤滑油と半固体の油脂は、炭素数16から炭素数20の範囲に位置します。炭素数20以上の鎖状炭化水素は固体です。天然ガス、ナフサ、灯油、軽油、重油などの石油製品ができてもなお常圧蒸留で蒸留できずに残る残油は、蒸留する装置の内部の圧力を1気圧以下に保って行う減圧蒸留をします。
これらのほかに石油から科学的に作られた製品があり、プラスチックや病気になったときに飲む薬に使われていたりします。

以上のように石油からいろいろな石油製品が作られます。
石油はだんだん取れる量が減ってきて数十年後にはなくなっているかも知れません。なので今からでも少しずつ石油に頼らなくてもいいものは頼らないようにしていきましょう。

6年生説明文 「環境問題について」 123819

私たちは暮らしの中で様々なものを使っています。では、それらは地球にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。近年、社会問題と言われている環境問題も私たちが地球に与えている悪影響のひとつです。そんな環境問題について考えてみましょう。

まずは「水質汚濁」について考えてみましょう。水質汚濁とは、私たちが暮らしの中で水を汚すことによって起きています。具体的にどんなことをしているのでしょうか。例えば、たくさんの洗剤を使って洗い物をしたり、洗濯をすることによって出る汚水が原因です。他にも、食べ物を残したりすることによって出る残飯も水を汚す原因となるのです。

次に「大気汚染」について考えてみましょう。大気汚染とは、私たちが便利に生活していくために作るものや作る過程で空気を汚すことによって起きています。具体的には、自動車の排気ガスや工場から出る煙などが原因です。これらは昔はなかったものであり、私たちの欲求が作り出したものです。

続いて「土壌汚染」について考えてみましょう。土壌汚染とは、私たちが生み出すものによって土を汚すことによって起きています。具体的には、原子力発電によって出るごみや私たちの生活の中で出すごみが原因です。私たちの住む地球にごみを埋め、さらに穴を掘り、またごみを埋めていく。これを繰り返して地球の資源を壊していくのです。

私たちはよりよい暮らしをするためにものを作り出します。ですがそれは、私たちが暮らすために欠かすことのできない空気を私たち自身が汚しているのです。そして、私たち自身が自分たちの暮らしを脅かしているのです。しかし、私たちは暮らしの中で環境に対して守ろうと努力すれば環境を守ることができるのも事実です。つまり、私たちは地球により長く住み続けられるためにも環境についてしっかりと考えていかなくてはならないのです。

6年生説明文 「占いの真実」 123820

 朝、テレビを見ていると、「今日のかに座のラッキーアイテムはカエルのおもちゃです。」などと、占いをよく目にすることでしょう。雑誌や新聞にも占いはのっています。主に星座占い、血液型占いが多いように思われます。また、タロット占いや手相占いなどもあります。
 では、人間にとって占いとは何なのでしょうか。

 易占いや占星術は、古の昔から世界中で人々に愛されてきた占術です。日本でも、昔から自然を愛し、木々や石、大地などを信こうする慣しは多くありました。山の神、森の神など八百万の神々は、日本人の願いをささげる対象として存在していました。また石信こうという風習もありました。
 そのような信心深い民族の住む日本でも、天武天皇の時代になると、中国から飛来した五経をもとにして、五行易による占いを取り入れるようになったそうです。天皇をはじめ、国を治めようとする役人たちは、神々たちをも味方にして国を築こうと占いをテクニックとして利用したようです。
 またその頃には、陰陽道思想が日本の国家責任者らに大きなえいきょうを与えるようになりました。
 陰陽師や呪術師と呼ばれる人は、病気を治す専門職として登場しました。都を邪気から守るため、また人々をもののけから救うために活やくしたと歴史にも記されているのです。

 ではなぜ人間は占いを信じるのでしょうか。
 人間は、神々と自然と宇宙という限りなく不思議で神秘な世界に少しでも近づいてみたい、学びたい、共鳴したいと望む道を、何千年もの時をかけて旅をし続けてきたと言えるのです。
天の力を信じて、運命を読み解きたい。自然の力を予測したい。このような気持ちは古代から続く人類の切望する願いだったのでしょう。
 占いは、決してまやかしや、うそやあやしげなものではなかったというのが真実です。

 そして現代、占いの種類も方法も多種多様化しました。それらは大きく分けて、三種類あります。
 一つ目は、命(めい)の占いです。これは、その人の生まれもった、変わらない、いわゆる宿命、性質、適性、傾向、人生のおおまかな流れなどが関係します。またそこからわかる物同士を比べての相性やごえんなどを見る占いです。
 二つ目は、卜(ぼく)の占いです。これは、命とは直接関係ないような事がら、事件などや、その対処法、物事の吉凶などを見るための占いです。タロットやトランプがこれにあたります。
 三つ目は、相(そう)の占いです。主に目に見える物、形や形状を持つ物の、姿や形を通して見る占いです。風水、手相などでわかる占いです。
 このように、占いの種類は様々です。しかし、外国では、そもそも占い自体を信じない国もあります。

 占いの役割と使命は、神の言葉の伝達という神秘の世界との仲介だけでなく、人のなやみや心の内を相談できる性質を十分にかね備えていることも真実でしょう。
 占いを信じるか信じないかは人それぞれですが、毎日の暮らしの参考にしてみてはどうでしょうか。

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