Google Earthで見る肉牛産地

市町村別肉牛飼養頭数の分布

最初に,市町村別肉牛飼養頭数を表す地図を見てみます.まず,「Google Earthで見る地図教材のページ」の「農業」のページにある「畜産」の表にある「肉牛」の「上位30市町村」の青いボタン上位30市町村をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,肉牛飼養頭数上位30市町村の飼養頭数を,球と市町村の領域の高さで表した地図が,Google Earthで表示されます.この地図では,肉牛飼養頭数が球と市町村の領域の高さに比例しており,高く表示されている市町村ほど,肉牛の飼養頭数が多いことを示しています.

この地図を見ると,肉牛飼養頭数上位30市町村のほとんどは,九州と東北,北海道に分布しています.ただし,日本の全肉牛飼養頭数の中で,上位30市町村が占める割合は,25%に過ぎません.このため,それ以外にも多くの市町村で肉牛を使用していることになりますので,全市町村の地図を,次に見てみます.先ほどと同様に,「畜産」の表にある「肉牛」の「全市町村」の青いボタン全市町村をクリックまたはタップします. そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,肉牛を飼養している全市町村の飼養頭数を,球と市町村の領域の高さで表した地図が,Google Earthで表示されます.

この地図を見ると,日本のほぼ全域で肉牛が飼養されていることが分かります.また,上位30市町村以外にも,ある程度飼養頭数が多い地域は,日本中に点在しています.

肉牛飼養頭数と年平均気温との関係

次に,肉牛飼養頭数の地図に,年平均気温の地図を重ねてみます.まず,「農業の背景となる自然・社会環境」の一覧表にある「年平均気温」の青いボタン日本全国を,クリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,肉牛飼養頭数の地図に加えて,年平均気温を色で表した地図が,Google Earthで表示されます.

この地図を見ると,肉牛産地は,年平均気温とほとんど関係がみられません.肉牛の飼養頭数が多い地域は,寒冷な東北,北海道と温暖な九州にあることから,ある特定の気温の地域で肉牛の飼養が盛んであるというわけではありません.

肉牛飼養頭数と年降水量との関係

肉牛飼養頭数の地図に,年降水量の地図を重ねてみます.まず,「農業の背景となる自然・社会環境」の一覧表にある「年降水量」の青いボタン日本全国をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,肉牛飼養頭数の地図に加えて,年降水量を色で表した地図が,Google Earthで表示されます.

この地図を見ると,肉牛の産地は,降水量とも関係がみられません.主な肉牛の産地は,九州南部の年降水量が2500 mmを超える地域にもありますし,北海道の年降水量が1000 mm以下の地域にもあります.

肉牛飼養頭数と人口密度との関係

肉牛飼養頭数の地図に,人口密度の地図を重ねてみます.まず,「農業の背景となる自然・社会環境」の一覧表にある「人口密度」の青いボタン市町村別をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,肉牛飼養頭数の地図に加えて,人口密度を色で表した地図が,Google Earthで表示されます.

この地図を見ると,人口密度については,肉牛産地とやや関係がみられます.赤く塗られた人口密度がきわめて高い地域では,ほとんど肉牛は飼養されていません.また,肉牛の飼養頭数が多い地域のほとんどは,黄色か黄緑色か緑色に塗られた,比較的人口密度が低い地域にあります.これらのことから,肉牛の飼養は,比較的人口密度が低い地域で盛んであるといえそうです.

牧場の様子

次に,牧場の様子を,上空から,そして,地上から見てみます.その前に,年平均気温や年降水量,人口密度の地図が表示されていると,地表面の様子が見えませんので,次のようにして,それらを非表示にします.PCの場合は,Google Earth画面の左にある地図名が表示されている部分の,年平均気温,年降水量,人口密度の左端にあるチェックボックスをクリックして,チェックが入っていない状態にします.タブレットやスマートフォンの場合は,画面左上の線が三本横に描かれた部分をタップして表示される「地図を消去」をタップします.そうすると,これまで表示されていた地図がなくなり,地表面が見える状態になります.
以上で準備が整いましたので,「畜産」の表にある「肉牛」の「北海道帯広市」とある青いボタン北海道帯広市をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,牧場の上空から見た空中写真が,Google Earthで表示されます.

この空中写真を見ると,整然と四角に区画された,黄土色や緑の牧草地や畑の中に,白い建物がいくつか並んでいるのが見えます.この白い建物とその周辺が牧場です.周辺を探すと,同じような牧場がたくさんあるのを見つけることができると思います.これらの牧場は,広い平野の中にあることが分かります.再び,最初の牧場に戻って,地上の様子を見てみます.この牧場の事例としたところにある道路では,ストリートビューが提供されていますので,Google Earth画面の右上にある人形を,この牧場を通る道路にドラッグします.そうすると,下のような,ストリートビュー画面が表示されます.

このストリートビュー画面で,道路の両側に見られるのが牧場で,道路の左側にある建物が牛舎です.牛舎の中には牛が見えています.

市町村別肉牛飼養頭数上位30市町村の地図から,肉牛の飼養頭数が多い市町村を探して,そこを拡大すれば,牧場を見つけることができます.各地の牧場を観察して,上記のような特徴がどこでもみられるのか,地域による違いはないのか探してみてください.

世界の牛産地

最後に,世界の牛飼養頭数の分布を見てみます.これまでと同様にして,「畜産」の表にある「肉牛」の「世界国別」とある青いボタン世界国別をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような地図が表示されます.この地図では,世界の国・地域別の牛飼養頭数を,球の高さで表しており,球の高さが高いほど,飼養頭数が多いことを示します.なお,これまでに見てきた日本の肉牛の飼養頭数には,乳牛は含まれておりませんでしたが,この世界の地図では,肉牛と乳牛と合わせた飼養頭数になっています.

この地図を見ると,世界の各地で牛が飼養されていることが分かります.飼養頭数は,ブラジルとインドが極めて多く,南北アメリカ,ヨーロッパ,アフリカ,アジア,オセアニアと,低緯度から比較的高緯度の地域まで,非常に広い範囲で飼養されています.

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Google Earthで見る地図教材のページ

このページでは,Google Earthを利用した地理学習のために,kmlファイルを公開しています.Google EarthをインストールしたPC,タブレットPC,スマートフォンで,下の各メニューのページ中の青いボタンをクリックまたはタップして,「開く」または「Google Earthで開く」をクリック/タップすると,Google Earthが起動して,当該の地図を利用することができます(2013/11/19公開開始).