Google Earthで見るミカン産地

市町村別ミカン収穫量の分布

最初に,市町村別ミカン収穫量を表す地図を見てみます.まず,「Google Earthで見る地図教材のページ」の「農業」のページにある「果実」の表にある「ミカン」の「上位30市町村」の青いボタン上位30市町村をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.

そうすると,下のような,ミカン収穫量上位30市町村の収穫量を,だいだい色の球と市町村の領域の高さで表した地図が,Google Earthで表示されます.

この地図では,ミカン収穫量が球と市町村の領域の高さに比例しており,高く表示されている市町村ほど,ミカンの収穫量が多いことを示しています.地図を傾けると,高さの違いがよく分かります.地図を傾けるには,PCでは,shiftキーを押しながら,マウスのスクロールホイールを回転させるか,マウスの左ボタンでドラッグします.タブレットやスマートフォンでは,二本の指をそろえて同時に画面に触れ,指先を下方向へ動かすと,地図が傾きます.
この地図を見ると,ミカン収穫量上位30市町村は,東海から九州に分布しており,それより北にはみられません.ミカン収穫量が多い地域は,日本の南部に限られることが分かります.また,よく見ると,これらの市町村のほとんどは,海に面しています.すなわち,内陸の盆地には,ミカンの収穫量が多い地域はみられないことが分かります. 次に,ミカンの収穫がある全市町村の地図を見てみます.先ほどと同様にして,「果実」の表にある「ミカン」の「全市町村」の青いボタン全市町村をクリックまたはタップして,この地図をGoogle Earthで開くと,下のような地図が表示されます.

この地図では,先ほどの地図に加えて,ミカンの収穫がある全市町村を表すだいだい色の球が表示されます.この球の高さも,ミカンの収穫量に比例しています. この,ミカンの収穫がある全市町村の地図を見ると,先ほど見た,収穫量上位30市町村の地図と同様の傾向があることが分かります.ミカンの収穫がある市町村は,関東から九州にかけて,海岸線を縁取るように分布しています.すなわち,ミカンの収穫がある市町村は,上位30市町村に限らず,いずれの市町村も,日本の南部に位置しており,また,内陸の盆地ではなく,海に近い地域に分布する傾向があると言えます.

ミカン収穫量と年平均気温との関係

次に,ミカン収穫量の地図に,年平均気温の地図を重ねてみます.まず,「農業の背景となる自然・社会環境」の一覧表にある「年平均気温」の青いボタン日本全国を,クリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,ミカン収穫量の地図に加えて,年平均気温を色で表した地図が,Google Earthで表示されます.

この地図を見ると,ミカン産地は,年平均気温と明瞭な関係があることが分かります.ミカンの収穫がある地域は,ほとんどが,この地図ではだいだい色か赤色の地域に分布します.すなわち,年平均気温が15℃以上の地域に,ミカン産地があると言えます.年平均気温が15℃以上の地域である,だいだい色や赤色に塗られた地域は,関東から九州にかけて,海岸に沿って帯状に分布します.この帯状の地域に,ほとんどのミカン産地が分布しています.以上から,ミカン産地の分布には,気温が大きく影響しており,暖かい地域でミカンが栽培されていることが分かります.

ミカン収穫量と年降水量との関係

ミカン収穫量の地図に,年降水量の地図を重ねてみます.まず,「農業の背景となる自然・社会環境」の一覧表にある「年降水量」の青いボタン日本全国をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,ミカン収穫量の地図に加えて,年降水量を色で表した地図が,Google Earthで表示されます.

この地図を見ると,ミカンの産地は,様々な降水量の地域に分布することが分かります.関東から九州にかけての太平洋沿岸には,紫色に塗られた,年降水量が2500 mmを超える地域がみられ,そこには,ミカンの収穫量が多い地域も少ない地域も分布しています.その一方で,瀬戸内海沿岸には,年降水量が1000 mmを下回る地域がみられ,そこにも,ミカンの収穫量が多い地域も少ない地域も分布しています.以上から,少なくとも日本では,降水量の多寡が,ミカン産地の分布に,大きな影響を与えている訳ではないことが分かります.

ミカン収穫量と人口密度との関係

ミカン収穫量の地図に,人口密度の地図を重ねてみます.まず,「農業の背景となる自然・社会環境」の一覧表にある「人口密度」の青いボタン市町村別をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,ミカン収穫量の地図に加えて,人口密度を色で表した地図が,Google Earthで表示されます.

この地図を見ると,人口密度についても,様々な地域にミカンの産地があることが分かります.人口密度が最も高いことを示す赤で塗られた地域には,ミカンの収穫量が多い地域はないものの,それ以外のだいだい色から緑色にかけての様々な人口密度の地域にミカン産地が分布します.広大な農地がある地域では,人口密度はあまり高くはないと考えられますので,人口密度が,ある程度高い地域にも,ミカン収穫量が多い地域があるということは,ミカン栽培は,広大な農地で行われているとは限らないことを示しています.

ミカン畑の様子

次に,ミカン畑の様子を,上空から,そして,地上から見てみます.その前に,年平均気温や年降水量,人口密度の地図が表示されていると,地表面の様子が見えませんので,次のようにして,それらを非表示にします.PCの場合は,Google Earth画面の左にある地図名が表示されている部分の,年平均気温,年降水量,人口密度の左端にあるチェックボックスをクリックして,チェックが入っていない状態にします.

タブレットやスマートフォンの場合は,画面左上の線が三本横に描かれた部分をタップして表示される「地図を消去」をタップします.そうすると,これまで表示されていた地図がなくなり,地表面が見える状態になります.

以上で準備が整いましたので,「果実」の表にある「ミカン」の「静岡県浜松市」とある青いボタン静岡県浜松市をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,ミカン畑の上空から見た空中写真が,Google Earthで表示されます.

この空中写真を見ると,明るい色の地面に,緑色の点あるいは線が,整然と並んでいる様子が見えます.この整然と並んでいるのが,ミカン畑です.その周辺に広がる,表面がもこもことした緑色の地域は森林です.ミカン畑は,森林に比べて,明るい地面の色が目立つため,周辺を探すと,同じようなミカン畑がたくさんあるのを見つけることができると思います.それらのミカン畑は,いずれも平野ではなく,山地の平野に近い部分にあります. 再び,最初のミカン畑に戻って,地上の様子を見てみます.このミカン畑の事例としたところにある道路では,ストリートビューが提供されていますので,Google Earth画面の右上にある人形を,このミカン畑を通る道路にドラッグします.そうすると,下のような,ストリートビュー画面が表示されます.

このストリートビュー画面で,道路の左側に見られるのがミカン畑です.葉の表面に光沢感があるミカンの木が,同じくらいの大きさで並んでいます.周囲には,多くのミカンの木があることや,ミカンの木が,平野ではなく,傾斜地に植えられていることが分かると思います.
別のミカン畑の様子も,上空から,そして,地上から見てみます.まず,「果実」の表にある「ミカン」の「愛媛県松山市」とある青いボタン愛媛県松山市をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,ミカン畑の上空から見た空中写真が,Google Earthで表示されます.

この空中写真では,前回見たミカン畑よりもやや地面の色が暗く見えますが,緑の点が整然と並んだミカン畑が見られます.このミカン畑も,前回見たものと同様に,山地の平野に近い部分にあります. このミカン畑でも,ストリートビューが提供されていますので,Google Earth画面の右上にある人形を,このミカン畑を通る道路にドラッグします.そうすると,下のような,ストリートビュー画面が表示されます.

ここでも,前回と同様に,ミカンの木の様子や,ミカン畑が傾斜地にあることが読み取れますが,ここでは,さらに,新しいものが見られます.この写真の中央から左下にかけて,黒っぽい線が伸びており,その線の上に台のようなものが見えます.これは,農作業用のモノレールです.傾斜地での荷物の運搬のために,このようなモノレールが,あちこちのミカン畑でみられます.このモノレールからも,ミカン畑が傾斜地にあることが分かります.
市町村別ミカン収穫量上位30市町村の地図から,ミカンの収穫量が多い市町村を探して,そこを拡大すれば,ミカン畑を見つけることができます.各地のミカン畑を観察して,上記のような特徴がどこでもみられるのか,例外はないのか探してみてください.

世界のミカン産地

最後に,世界のミカン収穫量の分布を見てみます.これまでと同様にして,「果実」の表にある「ミカン」の「世界国別」とある青いボタン世界国別をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような地図が表示されます.この地図では,世界の国・地域別のミカン収穫量を,だいだい色の球の高さで表しており,球の高さが高いほど,収穫量が多いことを示します.

この地図を見ると,世界の各地でミカンが栽培されていることが分かります.収穫量は,ブラジルで最も多く,南北アメリカやアジア,地中海沿岸地域に,比較的収穫量が多い国が見られます.収穫量が多いのは,いずれも,低緯度から中緯度に位置する国々です.

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Google Earthで見る地図教材のページ

このページでは,Google Earthを利用した地理学習のために,kmlファイルを公開しています.Google EarthをインストールしたPC,タブレットPC,スマートフォンで,下の各メニューのページ中の青いボタンをクリックまたはタップして,「開く」または「Google Earthで開く」をクリック/タップすると,Google Earthが起動して,当該の地図を利用することができます(2013/11/19公開開始).