1.はじめに

 私達は共同研究を始めるにあたって、大阪教育大学国語教育学会2001年度ゼミ発表の国語表現ゼミナール「中学校小説教材における主人公と状況との関係」と2003年度ゼミ発表の国語表現ゼミナール「中学校教科書掲載詩の分析」を参考にし、小学校の教科書においても何らかの意図を持って物語教材が選択され、掲載されているのではないかと考えた。また、私達は出版社ごとにも何らかの特徴があるのではないかと考えた。その意図を解明していくために私達は先の研究と同様に主人公に焦点を当てて分析していくことにした。
 小学生は物語を読む際に、主人公に自分を重ねたり、客観的に主人公を見つめたりしながら読んでいくと思われる。どのような主人公が、どのような状況に置かれ、その状況に対してどのような態度を取り、どのような心理状態にあるのか。そしてその主人公が読み手である小学生にどのような影響を与えるかを分析することで、先の疑問に対しての答えが見えてくるのではないかと考えた。


2.出版社・作品へ