定量実験のいろいろ


表面張力を理解できたでしょうか?・・・理解できたと考えて,ここではその力が具体的にどれほどの大きさの力なのか?それを実際に測定する方法取上げています。

表面張力による現象はたくさんある。ゆえに,表面張力を測定する方法も又たくさんあるが,その方法は二種類に分類することができる。動的方法静的方法である。

動的方法
液体がある種の振動をすると液面が周期的に伸縮する。この復元力の一部または全部は表面張力によるもので,このような運動の周期を測って表面張力を求める方法これはかなり面倒であり,一般では余り行われない

静的方法

実際上,定常的と見ることができる液体の表面について行う方法一般に,行われる実験はほとんどこの方法

ここで取上げる実験は,上記の「静的方法」にあたる。以下に,その方法を紹介する。

ジョリーのばね秤による表面張力の測定

表面張力を測定するだけではなく,実際にその力を実感することもできるもの 。しかし,少し技術を必要とする。大阪教育大学の学生実験として行われている 。

毛管上昇法

測定の誤差が少ない。しかし,表面張力そのものを実感するには難しい。

液滴法

表面張力と粘性係数を同時に測定することも・・・。しかし,これも力そのものを実感するには難しい。

泡圧法
毛管を液体中に垂直に立て,毛管の内部の圧力を静かに増していくと毛管の先端に気泡が発生し,圧力がある値に達すると
気泡は毛管を離れて浮上し管内部の圧力が減少する。この最大圧力の測定から表面張力を測定するもの。高温,低温および高粘度の液体の測定に適用できる。

この他に,「懸商法」液適の形状から表面張力を求めるもの。「静滴法」「静泡法」,動的方法である「振動ジェット法」などがある。

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参考文献

  • 井上敏 小谷正雄 玉虫文一 富山小太郎 編:理化学辞典 増訂版,岩波書店
  • 物理学辞典編集委員会 編:物理学辞典,培風館
  • 福本喜繁 堀三陽 編:物理実験法,槙書店