平成18年度・中学、高等学校理科教員のための科学機器研修会・ご案内 |
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主催: 大阪教育大学(文科省SPP事業) |
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連携教育委員会: 大阪府教育委員会、兵庫県教育委員会 |
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日時: 平成18年12月9日(土) |
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12時30分から17時まで |
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(17時から18時まで懇親会) |
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集合場所: 大阪教育大学柏原キャンパス・ |
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教養学科第二会議室(B3棟1F) |
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近鉄大阪線・大阪教育大前駅下車 |
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参加料: 無料、交通費支給(後払い)(懇親会会費300円) |
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趣旨: 本学には普段、中学校、高等学校では使わない科学機器や実験装置があります。 |
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これらの装置を使って中高の先生方の知識をブラッシュ・アップしていただくとともに、 |
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大学の教員と中高の先生方の意見交換を図ることにより、理科教育に関する現代的な |
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課題の解決に共同して取り組む機会を作っていきたいと思います。 |
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研修方法: 1時間15分の全体講習会の後、1テーマ1.5時間の少人数講習を連続して2回開きます。 |
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研修ご希望の先生方は、下の21の個別研修テーマの中から二つを選び、お申込下さい。 |
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申込方法: asaka@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
までメールで、ご希望の研修題目、二つをお知らせ下さい。 |
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1テーマ4、5名までで、先着順とさせて頂きます。 |
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全体および個別研修テーマ名: |
(講師名をクリックすると講習テキストが見られます(一部準備中)) |
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全体講習会: 宇宙の最深部を探る (12:30〜13:45) |
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定金 晃三 |
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個別研修テーマ: 以下の21の研修テーマから前半(13:50〜15:20)と |
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後半(15:30〜17:00)、計2テーマをお選び下さい。 |
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(物理および物理化学分野) |
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講師 |
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1 CT(Computed
Tomography)の物理的基礎と隠された物体の推察 |
鈴木 康文 |
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2 単結晶X線解析装置によるRNA構成分子の構造解析
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久保埜 公二 |
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3 粉末X線回析測定による結晶性物質の分析法 |
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神鳥 和彦 |
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4 オパールの光学測定 |
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中田 博保 |
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5 ナノサイエンス入門・有機薄膜の吸収スペクトルと膜厚測定 |
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辻岡 強 |
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6 サイクリック・ボルタンメトリーによる金属錯体の酸化還元特性 |
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横井 邦彦 |
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(化学分野) |
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7 FT−IRの原理と温暖化ガスの測定 |
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任田 康夫 |
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8 MRI診断技術を用いて有機化合物の構造を知る |
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西脇 永敏 |
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9 磁場型質量分析装置による分子量測定 |
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谷 敬太 |
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10 CHN元素分析の測定原理と実際 |
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安積 典子 |
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11 高速液体クロマトグラフィーによる光学活性化合物の分析 |
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堀 一繁 |
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12 アゾ色素の合成と色調に及ぼす置換基効果 |
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織田 博則 |
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13 分光器を使った生体色素のpKaの測定 |
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石橋 文秀 |
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14 化学的視点からみた食品機能性の検証 |
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井奥 加奈 |
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(生物分野) |
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15 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた生物試料の観察 |
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出野 卓也 |
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16 FISH法による遺伝子の可視化 |
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向井 康比己 |
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17 蛍光顕微鏡による細菌の観察 |
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広谷 博史 |
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18 分光光度計を用いたたんぱく質濃度の測定 |
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鵜沢 武俊 |
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(地学分野) |
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19 光る泥だんごに含まれる粘土鉱物のX線分析 |
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山口 弘 |
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20 種々の雨量計とその計測のしくみ
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小西 啓之 |
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21 小型天体望遠鏡の仕組みと操作法 |
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定金 晃三 |
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研修内容の説明 |
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全体講演 「宇宙の最深部を探る」 |
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定金 晃三 |
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すばる望遠鏡の設置など宇宙観測技術の進歩により、最近では100億光年より遠い宇宙の姿を捉えることが可能になりました。最も遠い天体は宇宙年齢が現在の10分の1以下の時代(すなわち非常に初期の宇宙)で形成されたものであり、それらは宇宙における最初の天体形成の歴史を解明する鍵になると考えられています。それは現在の宇宙の姿にどのように繋がっているのか?現在熱い研究競争が繰り広げられています。本講演でこれらの研究成果の一端を分かりやすく紹介します。 |
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個別研修: 次の1〜21のテーマから二つのテーマをお選び下さい。 |
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(物理及び物理科学分野) |
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1 CT(Computed
Tomography)の物理的基礎と隠された物体の推察 |
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鈴木 康文 |
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医療用のX線CTは,人体を挟んで配置したX線源と検出器を回転させ,測定したX線吸収係数から |
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人体の断面図を作製しています。この場合,データ量が膨大であるため,コンピュータが用いられますが, |
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物理的には単に線源と検出器を用いてX線の透過量を測定しているのです。 |
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ここでは,真空度計測用のガイスラー管を放電させ,X線源とし,これに対面した位置に |
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ガイガーカウンターを配置します。X線源と検出器を回転させ,測定したX線吸収係数から,隠された単純な |
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形をした物体の断面図を作製します。いくつかの断面図をつなぎ合わせて,物体の形を推測します。 |
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2 単結晶X線解析装置によるRNA構成分子の構造解析
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久保埜 公二 |
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単結晶を試料とするX線回折測定は、有機物・無機物を問わず、結晶性化合物の原子 |
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間結合距離並びに結合角度などの分子構造に関する多くの情報が取り出せ、複雑な分 |
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子構造まで決定できます。この研修では表記の装置の簡単な原理と、RNAの構成分子 |
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であるリボヌクレオシド(シチジン)を用いて実際の解析方法を分かりやすく解説し |
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ます。 |
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3 粉末X線回析測定による結晶性物質の分析法 |
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神鳥 和彦 |
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結晶性固体粉末のX線回析により、その物質の原子配列の3次元的情報が得られます。この方法は |
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物質の非破壊的な分析方法としてたいへん優れています。本方法の原理と測定によって得られる |
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情報の読み方について説明します。 |
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4 オパールの光学測定 |
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中田 博保 |
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オパールは虹色に輝く宝石であり、最近人工のオパールを光の制御に使用する試みやピンクオパールの作製がおこなわれています。このように最先端技術と関係している美しいオパールの実験を行います。見る角度が異なると色が変わる性質は遊色と呼ばれていますが、直径数100nmの石英の小球が規則正しく配列している構造のために起こります。自作したオパールの反射スペクトルを測定し遊色が構造とどのように関係しているかを考察します。 |
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5 ナノサイエンス入門・有機薄膜の吸収スペクトルと膜厚測定 |
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辻岡 強 |
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膜厚が数十nmの有機色素薄膜は、最新の携帯電話用有機ELディスプレイや高密度記憶媒体などに |
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使われています。この研修では、有機薄膜の吸収スペクトルと膜厚を、分光光度計及び干渉顕微鏡に |
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よる多重反射干渉法によりそれぞれ測定し、薄膜の光学特性に関する理解を深めます。 |
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6 サイクリックボルタンメトリーによる金属錯体の酸化還元特性 |
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横井 邦彦 |
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高校の化学の教科書で定性的に「イオン化傾向」と説明されている内容は、酸化還元電位を用いて |
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定量的に理解できます。本講では金属イオンや有機化合物の酸化反応や還元反応の |
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進みやすさについて、電極を用いた電子移動反応の測定に基づいて説明します。 |
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7 FT−IRの原理と温暖化ガスの測定 |
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任田康夫 |
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赤外吸収スペクトルは分子の振動に関する情報を与えます。この原理を説明するとともに、 |
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地球温暖化の原因となっているのは大気中の二酸化炭素を始めとする温暖化ガスの |
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赤外線吸収とはどのようなものか、IR(赤外線吸収)スペクトルを実際に測定することにより説明します。 |
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また、薄膜や固体試料の測定方法についても説明します。 |
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(化学分野) |
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8 MRI診断技術を用いて有機化合物の構造を知る |
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西脇 永敏 |
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MRI診断技術は医療現場で幅広く使われていますが、これは核磁気共鳴装置(NMR)の技術を応用 |
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したものです。ここではNMRの原理を簡単に説明し、それにより有機化合物の構造がどのように決定 |
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されるかを、実際に測定をしながら、わかりやすく解説していきます。 |
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なお、使用するFT−NMRは超伝導マグネットを使用した400MHzの装置です。 |
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9 磁場型質量分析装置による分子量測定 |
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谷 敬太 |
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現在、有機化合物の分子量測定で最も信頼性の高い方法は磁場型質量分析計によって |
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なされています。この研修では質量分析計の原理を簡単に説明した後、実際の測定(教科 |
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書にあるようなニトロ化合物やエステルの誘導体とフラーレン(C60))
を見ていただき、 |
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得られる情報について解説します。 |
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10 CHN元素分析の測定原理と実際 |
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安積 典子 |
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高校の教科書の元素分析の説明は、資料から発生した水と二酸化炭素の質量を測定すると説明して |
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います。しかし、ここ数十年、研究現場での元素分析は、燃焼ガスの組成を、気体の熱伝導度の差から |
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求めています。このような新しい元素分析の実際について機器を用いて説明します。 |
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11 高速液体クロマトグラフィーによる光学活性化合物の分析 |
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堀 一繁 |
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光学異性体は鏡像異性体とも言われていますが、ほとんどの物理的、化学的性質が完全に同じで、 |
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その分離が困難とされています。しかし、近年、充填剤に光学活性物質を使った高速液体クロマト |
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グラフィーでは、それらの分離が可能となってきました。また、光学活性物質の旋光度を |
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自動旋光度計を用いて測定してみます。 |
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12 アゾ色素の合成と色調に及ぼす置換基効果 |
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織田 博則 |
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現在、合成色素はその堅牢性や機能性で天然色素に取って換わる重要なものとなっています。 |
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本研修では基本的な酸性染料であるオレンジTおよびUの合成を行い、分光学的に |
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その性質を検討します。 |
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13 分光器を使った生体色素のpKaの測定 |
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石橋 文秀 |
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物質の酸性度を測る有効な手段として、可視・紫外吸収スペクトルを用いる方法があります。この |
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実験により、受講者が物質と光との基本的な相互作用である物質濃度と吸光度との関係、および、 |
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平衡の基本概念である質量作用の法則を体験的に理解することを目標としています。 |
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14 化学的視点からみた食品機能性の検証 |
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井奥 加奈 |
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食品は生体に対して健康維持のために積極的に働きかけています。特に近年、低分子化合物の一種 |
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であるフェノール性の物質(フラボノイド)はがんや動脈硬化を予防する物質として知られてきました。 |
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ここではフラボノイドの基本的な生理活性を化学的な実験で明らかにすることにより、食情報を科学的視点 |
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から考えてみます。ラジカル捕捉活性や抗酸化性を比色法により実験します。 |
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(生物分野) |
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15 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた生物試料の観察 |
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出野 卓也 |
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光学顕微鏡は中高の教育現場に広く普及しているがSEMはあまり知られていません。そこで、 |
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このための試料の調整法(金属蒸着)と観察を行い、光学顕微鏡では得られない、SEM特有の |
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情報について、受講生に知見を広げていただくようにします。 |
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16 FISH法による遺伝子の可視化 |
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向井 康比己 |
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特定の遺伝子(DNA)上に標識物質(ハプテン)で標識し、それに対する |
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蛍光色素標識抗体を用いて可視化する技術がFISH法です。 |
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最新の多色FISH法について紹介します。 |
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17 蛍光顕微鏡による細菌の観察 |
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広谷 博史 |
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環境中の細菌は,環境条件によって,活発な増殖をしたり,代謝を行わない休止状態をとったりします。 |
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本研修では蛍光顕微鏡を使い、さまざまな状態の細菌細胞を観察します。 |
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18 分光光度計を用いたたんぱく質濃度の測定 |
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鵜沢 武俊 |
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タンパク質は、触媒作用、細胞構造の維持、情報伝達など生体の中で重要な役割を果たしてい |
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ます。本研修では、Bradford試薬と標準タンパク質を用いて、試料中のタンパク質の濃度の測定 |
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を行います。 |
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(地学分野) |
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19 光る泥だんごに含まれる粘土鉱物のX線分析 |
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山口 弘 |
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「光る泥だんご」は幼稚園児が作り方を見出し、その魅惑的な光沢が多くの人の注目を集めたもの |
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です。本講師の山口は粉末X線回析装置を使いその謎を解き明かした。粉末X線回析装置の |
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原理と使用法を説明するのに最適の教材であるので、ここに取り上げます。 |
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20 種々の雨量計とその計測のしくみ
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小西 啓之 |
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気象庁などで一般に広く使われているベーシックな転倒枡雨量計をはじめとして、時間分解能の良い光学式雨量計や天秤を使った降水量計などを展示し、その計測のしくみについて解説します。また、レーダーなどのリモートセンシングによる降水量推定の原理等についても解説し、降水量観測の現状を紹介します。 |
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21 小型天体望遠鏡の仕組みと操作法 |
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定金 晃三 |
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現在の中学、高校には必ず、小型望遠鏡が設置されていますが、これを適切に操作して、観測したい |
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天体を自信を持って観測できる教員はほとんどいないのが現状です。研修は日中に行いますが、 |
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望遠鏡の基本操作について、望む方角にある天体(物体)の観測の方法について具体的に指導します。 |
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