平成ヘイセイ18年度ネンド・中学、高等学校理科教員のための科学機器研修会・ご案内アンナイ                    
 
  主催シュサイ: 大阪オオサカ教育キョウイク大学ダイガク文科省モンカショウSPP事業ジギョウ  
  連携レンケイ教育キョウイク委員会イインカイ: 大阪府オオサカフ教育キョウイク委員イインカイ兵庫県ヒョウゴケン教育キョウイク委員会イインカイ  
 
  日時ニチジ: 平成ヘイセイ18ネン12ガツニチツチ  
  1230フンから17まで  
  (17から18まで懇親コンシンカイ  
  集合シュウゴウ場所バショ: 大阪教育大学オサカ柏原カシワラキャンパス・  
  教養学科第二会議室(B3棟1F)  
  近鉄キンテツ大阪オオサカセン大阪オオサカ教育大前駅キョウイクダイマエエキ下車ゲシャ  
  参加サンカリョウ: 無料ムリョウ交通費コウツウヒ支給シキュウアトバラい)(懇親コンシンカイ会費カイヒ300エン  
 
趣旨シュシ: 本学ホンガクには普段フダン中学校チュウガッコウ高等コウトウ学校ガッコウでは使ツカわない科学カガク機器キキ実験ジッケン装置ソウチがあります。    
   これらの装置ソウチ使ツカって中高チュウコウ先生方センセイガタ知識チシキをブラッシュ・アップしていただくとともに、    
   大学ダイガク教員キョウインと中高の先生方の意見イケン交換コウカンハカることにより、理科リカ教育キョウイクカンする現代的ゲンダイテキ    
   課題カダイ解決カイケツ共同キョウドウして機会キカイツクっていきたいとオモいます。    
   
研修ケンシュウ方法ホウホウ: 1時間ジカン15フン全体ゼンタイ講習会コウシュウカイアト、1テーマ1.5時間ジカン少人数ショウニンズウ講習コウシュウ連続レンゾクして2カイヒラきます。  
  研修ケンシュウ希望キボウ先生方センセイガタは、シタの21の個別コベツ研修ケンシュウテーマのナカからフタつをエラび、お申込モウシコミクダさい。  
 
申込モウシコミ方法ホウホウ: asaka@cc.osaka-kyoiku.ac.jp までメールで、ご希望キボウ研修ケンシュウ題目ダイモクフタつをおらせクダさい。   
  1テーマ4、5メイまでで、先着センチャクジュンとさせてイタダきます。  
   
全体ゼンタイおよび個別コベツ研修ケンシュウテーマメイ 講師名コウシメイをクリックすると講習コウシュウテキストがられます(一部イチブ準備中ジュンビチュウ))  
 
全体ゼンタイ講習会コウシュウカイ: 宇宙の最深部を探る (12:30〜13:45)   定金サダガネ 晃三コウゾウ  
     
個別コベツ研修ケンシュウテーマ: 以下イカの21の研修ケンシュウテーマから前半ゼンハン(13:50〜15:20)と    
  後半(15:30〜17:00)、ケイ2テーマをおエラクダさい。    
物理ブツリおよび物理ブツリ化学カガク分野ブンヤ   講師コウシ  
1 CT(Computed Tomography)の物理的基礎と隠された物体の推察 鈴木スズキ 康文ヤスフミ  
2 単結晶X線解析装置によるRNA構成分子の構造解析
  久保埜クボノ 公二コウジ  
3 粉末X線回析測定による結晶性物質の分析法   神鳥カンドリ 和彦カズヒコ  
4 オパールの光学コウガク測定ソクテイ   中田ナカタ 博保ヒロヤス  
5 ナノサイエンス入門・有機薄膜の吸収スペクトルと膜厚測定   辻岡ツジオカ ツヨシ  
6 サイクリック・ボルタンメトリーによる金属錯体の酸化還元特性   横井ヨコイ 邦彦クニヒコ  
     
化学カガク分野ブンヤ      
7 FT−IRの原理と温暖化ガスの測定   任田トウダ 康夫ヤスオ  
8 MRI診断技術を用いて有機化合物の構造を知る   西脇ニシワキ 永敏ナガトシ  
9 磁場型質量分析装置による分子量測定   タニ 敬太ケイタ  
10 CHN元素分析の測定原理と実際   安積アサカ 典子ノリコ  
11 高速液体クロマトグラフィーによる光学活性化合物の分析   ホリ 一繁カズシゲ  
12 アゾ色素の合成と色調に及ぼす置換基効果   織田 博則  
13 分光器を使った生体色素のpKaの測定   石橋イシバシ 文秀フミヒデ  
14 化学的視点からみた食品機能性の検証   井奥イオク 加奈カナ  
   
生物セイブツ分野ブンヤ      
15 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた生物試料の観察    卓也タクヤ  
16 FISH法による遺伝子の可視化   向井ムカイ ヤスシオノレ  
17 蛍光顕微鏡による細菌の観察   広谷 博史  
18 分光光度計を用いたたんぱく質濃度の測定   鵜沢ウザワ 武俊タケトシ  
   
地学チガク分野ブンヤ    
19 光る泥だんごに含まれる粘土鉱物のX線分析   山口ヤマグチ ヒロシ  
20 種々の雨量計とその計測のしくみ
  小西コニシ 啓之ヒロユキ  
21 小型天体望遠鏡の仕組みと操作法   定金サダガネ 晃三コウゾウ    
                 
     
研修ケンシュウ内容ナイヨウ説明セツメイ  
   
全体ゼンタイ講演コウエン 「宇宙ウチュウ最深部サイシンブサグる」 定金サダガネ 晃三コウゾウ  
  すばる望遠鏡の設置など宇宙観測技術の進歩により、最近では100億光年より遠い宇宙の姿を捉えることが可能になりました。最も遠い天体は宇宙年齢が現在の10分の1以下の時代(すなわち非常に初期の宇宙)で形成されたものであり、それらは宇宙における最初の天体形成の歴史を解明する鍵になると考えられています。それは現在の宇宙の姿にどのように繋がっているのか?現在熱い研究競争が繰り広げられています。本講演でこれらの研究成果の一端を分かりやすく紹介します。      
 
 
 
 
 
   
個別コベツ研修ケンシュウ: 次の1〜21のテーマから二つのテーマをお選び下さい。    
     
  物理ブツリオヨ物理ブツリ科学カガク分野ブンヤ      
1 CT(Computed Tomography)の物理的基礎と隠された物体の推察   鈴木スズキ 康文ヤスフミ  
 医療用のX線CTは,人体を挟んで配置したX線源と検出器を回転させ,測定したX線吸収係数から  
人体の断面図を作製しています。この場合,データ量が膨大であるため,コンピュータが用いられますが,  
物理的には単に線源と検出器を用いてX線の透過量を測定しているのです。    
 ここでは,真空度計測用のガイスラー管を放電させ,X線源とし,これに対面した位置に    
ガイガーカウンターを配置します。X線源と検出器を回転させ,測定したX線吸収係数から,隠された単純な  
形をした物体の断面図を作製します。いくつかの断面図をつなぎ合わせて,物体の形を推測します。  
     
2 単結晶タンケッショウXセン解析カイセキ装置ソウチによるRNA構成コウセイ分子ブンシ構造コウゾウ解析カイセキ
  久保埜クボノ 公二コウジ  
 単結晶を試料とするX線回折測定は、有機物・無機物を問わず、結晶性化合物の原子  
間結合距離並びに結合角度などの分子構造に関する多くの情報が取り出せ、複雑な分    
子構造まで決定できます。この研修では表記の装置の簡単な原理と、RNAの構成分子    
であるリボヌクレオシド(シチジン)を用いて実際の解析方法を分かりやすく解説し    
ます。          
       
3 粉末フンマツX線回析測定ソクテイによる結晶ケッショウセイ物質ブッシツ分析法ブンセキホウ   神鳥カンドリ 和彦カズヒコ  
 結晶性固体粉末のX線回析により、その物質の原子配列の3次元的情報が得られます。この方法ホウホウ    
物質の非破壊的な分析方法としてたいへん優れています。本方法の原理と測定ソクテイによってられる    
情報の読み方について説明します。      
 
4 オパールの光学コウガク測定ソクテイ   中田ナカタ 博保ヒロヤス  
 オパールは虹色に輝く宝石であり、最近人工のオパールを光の制御に使用する試みやピンクオパールの作製がおこなわれています。このように最先端技術と関係している美しいオパールの実験を行います。見る角度が異なると色が変わる性質は遊色と呼ばれていますが、直径数100nmの石英の小球が規則正しく配列している構造のために起こります。自作したオパールの反射スペクトルを測定し遊色が構造とどのように関係しているかを考察します。  
 
 
 
 
 
5 ナノサイエンス入門・有機薄膜の吸収スペクトルと膜厚測定   辻岡ツジオカ ツヨシ  
 マクアツシ数十スウジュッnmの有機ユウキ色素シキソ薄膜ハクマクは、最新の携帯電話用有機ELディスプレイや高密度記憶媒体などに  
使われています。この研修では、有機薄膜の吸収スペクトルと膜厚を、分光光度計及び干渉顕微鏡に  
よる多重反射干渉法によりそれぞれ測定し、薄膜の光学特性に関する理解を深めます。  
 
6 サイクリックボルタンメトリーによる金属キンゾク錯体サクタイ酸化サンカ還元カンゲン特性トクセイ   横井ヨコイ 邦彦クニヒコ    
 高校の化学の教科書で定性的に「イオン化傾向」と説明されている内容は、酸化還元電位を用いて    
定量的に理解できます。本講では金属イオンや有機化合物の酸化反応や還元反応の      
進みやすさについて、電極を用いた電子移動反応の測定に基づいて説明します。    
       
7 FT−IRの原理ゲンリ温暖化オンダンカガスの測定ソクテイ   任田トウダ康夫ヤスオ  
 赤外吸収スペクトルは分子の振動に関する情報を与えます。この原理を説明するとともに、      
地球温暖化の原因となっているのは大気中の二酸化炭素を始めとする温暖化ガスの  
赤外線吸収とはどのようなものか、IR(赤外線吸収)スペクトルを実際に測定することにより説明します。    
また、薄膜や固体試料の測定方法についても説明セツメイします。      
       
  化学カガク分野ブンヤ        
8 MRI診断技術を用いて有機化合物の構造を知る   西脇ニシワキ 永敏ナガトシ  
 MRI診断技術は医療現場で幅広く使われていますが、これは核磁気共鳴装置(NMR)の技術を応用    
したものです。ここではNMRの原理を簡単に説明し、それにより有機化合物の構造がどのように決定    
されるかを、実際に測定をしながら、わかりやすく解説していきます。    
 なお、使用シヨウするFT−NMRは超伝導チョウデンドウマグネットを使用シヨウした400MHzの装置ソウチです。    
         
9 磁場型質量分析装置による分子量測定   タニ 敬太ケイタ    
 現在ゲンザイ有機ユウキ化合カゴウブツ分子量ブンシリョウ測定ソクテイモット信頼性シンライセイタカ方法ホウホウ磁場ジバカタ質量シツリョウ分析ブンセキケイによって  
なされています。この研修では質量分析計の原理を簡単に説明した後、実際の測定(教科  
書にあるようなニトロ化合物やエステルの誘導体とフラーレン(C60)) を見ていただき、    
得られる情報について解説します。    
       
10 CHN元素分析の測定原理と実際   安積アサカ 典子ノリコ    
 高校コウコウ教科書キョウカショ元素ゲンソ分析ブンセキ説明セツメイは、資料シリョウから発生ハッセイしたミズ二酸化ニサンカ炭素タンソの質量を測定すると説明して    
います。しかし、ここスウ十年ジュウネン研究ケンキュウ現場ゲンバでの元素ゲンソ分析ブンセキは、燃焼ネンショウガスの組成ソセイを、気体キタイの熱伝導度の差から    
モトめています。このようなアタラしい元素ゲンソ分析ブンセキ実際ジッサイについて機器キキモチいて説明セツメイします。    
       
11 高速液体クロマトグラフィーによる光学活性化合物の分析   ホリ 一繁カズシゲ  
 光学コウガク異性体イセイタイ鏡像キョウゾウ異性イセイタイとも言われていますが、ほとんどの物理的、化学的性質が完全に同じで、    
その分離が困難とされています。しかし、近年キンネン充填ジュウテンザイに光学活性物質を使った高速液体クロマト    
グラフィーでは、それらの分離が可能となってきました。また、光学活性物質の旋光度を    
自動ジドウ旋光センコウケイモチいて測定ソクテイしてみます。    
     
12 アゾ色素の合成と色調に及ぼす置換基効果   織田 博則    
 現在ゲンザイ合成ゴウセイ色素シキソはその堅牢ケンロウセイ機能性キノウセイ天然テンネン色素シキソってわる重要なものとなっています。  
ホン研修ケンシュウでは基本的キホンテキ酸性サンセイ染料センリョウであるオレンジTおよびUの合成ゴウセイオコナい、分光学ブンコウガク的に  
その性質セイシツ検討ケントウします。  
         
13 分光器を使った生体色素のpKaの測定   石橋イシバシ 文秀フミヒデ      
 物質ブッシツ酸性サンセイハカ有効ユウコウ手段シュダンとして、可視カシ紫外シガイ吸収キュウシュウスペクトルをモチいる方法があります。この    
実験ジッケンにより、受講者ジュコウシャ物質ブッシツヒカリとの基本的キホンテキ相互ソウゴ作用サヨウである物質ブッシツ濃度ノウドキュウ光度コウドとの関係カンケイ、および、      
平衡ヘイコウ基本キホン概念ガイネンである質量シツリョウ作用サヨウ法則ホウソク体験的タイケンテキ理解リカイすることを目標モクヒョウとしています。      
   
14 化学的視点からみた食品機能性の検証   井奥イオク 加奈カナ    
 食品は生体に対して健康維持のために積極的に働きかけています。特に近年、低分子化合物の一種    
であるフェノール性の物質(フラボノイド)はがんや動脈硬化を予防する物質として知られてきました。    
ここではフラボノイドの基本的な生理活性を化学的な実験で明らかにすることにより、食情報を科学的視点    
から考えてみます。ラジカル捕捉活性や抗酸化性を比色法により実験します。        
         
生物セイブツ分野ブンヤ      
15 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた生物試料の観察    卓也タクヤ    
 光学コウガク顕微鏡ケンビキョウ中高チュウコウ教育キョウイク現場ゲンバヒロ普及フキュウしているがSEMはあまり知られていません。そこで、  
このための試料シリョウ調整法チョウセイホウ金属キンゾク蒸着ジョウチャク)と観察カンサツオコナい、光学コウガク顕微鏡ケンビキョウでは得られない、SEM特有の  
情報ジョウホウについて、受講生ジュコウセイ知見チケンヒロげていただくようにします。  
       
16 FISH法による遺伝子の可視化   向井ムカイ ヤスシオノレ  
 特定トクテイ遺伝子イデンシ(DNA)ジョウ標識ヒョウシキ物質ブッシツ(ハプテン)で標識ヒョウシキし、それにタイする    
蛍光色素標識抗体を用いて可視化する技術がFISH法です。  
最新の多色FISH法について紹介します。  
   
17 蛍光顕微鏡による細菌の観察   広谷 博史  
  環境中の細菌は,環境条件によって,活発な増殖をしたり,代謝を行わない休止状態をとったりします。  
本研修では蛍光顕微鏡を使い、さまざまな状態の細菌細胞を観察します。      
         
18 分光光度計を用いたたんぱく質濃度の測定   鵜沢ウザワ 武俊タケトシ    
 タンパクシツは、触媒ショクバイ作用サヨウ、細胞構造の維持、情報伝達など生体の中で重要ジュウヨウ役割ヤクワリたしてい    
ます。ホン研修ケンシュウでは、Bradford試薬シヤク標準ヒョウジュンタンパクシツを用いて、試料中のタンパクシツ濃度ノウド測定ソクテイ  
オコナいます。  
         
地学チガク分野ブンヤ        
19 光る泥だんごに含まれる粘土鉱物のX線分析   山口ヤマグチ ヒロシ  
 「ヒカドロだんご」は幼稚ヨウチ園児エンジツクカタ見出ミイダし、その魅惑的ミワクテキな光沢が多くの人の注目を集めたもの    
です。ホン講師コウシ山口ヤマグチ粉末フンマツセンカイセキ装置ソウチ使ツカいそのナゾかした。粉末X線回析装置の  
原理ゲンリ使用法シヨウホウ説明セツメイするのに最適サイテキ教材キョウザイであるので、ここにげます。  
       
20 種々の雨量計とその計測のしくみ
  小西コニシ 啓之ヒロユキ  
 気象庁などで一般に広く使われているベーシックな転倒枡雨量計をはじめとして、時間分解能の良い光学式雨量計や天秤を使った降水量計などを展示し、その計測のしくみについて解説します。また、レーダーなどのリモートセンシングによる降水量推定の原理等についても解説し、降水量観測の現状を紹介します。    
     
     
   
 
21 小型天体望遠鏡の仕組みと操作法   定金サダガネ 晃三コウゾウ    
 現在ゲンザイ中学チュウガク高校コウコウにはカナラず、小型コガタ望遠鏡ボウエンキョウ設置セッチされていますが、これを適切テキセツに操作して、観測したい  
天体テンタイ自信ジシンって観測カンソクできる教員キョウインはほとんどいないのが現状ゲンジョウです。研修ケンシュウ日中ニッチュウオコナいますが、  
望遠鏡の基本キホン操作ソウサについて、ノゾ方角ホウガクにある天体テンタイ物体ブッタイ)の観測カンソク方法ホウホウについて具体的グタイテキ指導シドウします。