教員養成課程音楽専攻とは

 

音楽教育専攻で学べば

音楽教育専攻でなにを学ぶのか、どんな教師になるのか、将来どんな職業につけるのかを紹介します。

カリキュラムの特徴と開講科目一覧

大阪教育大学音楽教育講座ならではのカリキュラムを紹介します。

小学校コースと中学校コース

同じ音楽教育専攻ですが、小学校教コースと中学校コースの違いは何でしょうか?

最近の卒業論文のテーマ

平成20年度の卒業論文のテーマをご紹介します。

 

こういう教師になれる-子どもの側に立った創造的な教師

 学校での音楽教育は今大きく変わろうとしています。上手な演奏を作ることを目指した授業から、子どもが音楽表現をすることで育っていく授業への転換です。そこでは「音楽」という概念も広がりをもってきます。西洋の古典的な音楽や日本の唱歌だけでなく、日本の伝統音楽、世界の諸民族の音楽、ポップス、パソコンメディアを使った音楽、さらには環境にある音も音楽になっていきます。大阪教育大学学校教育教員養成課程の音楽教育講座は、このような広い視野から人間と音楽とのかかわりを軸として、これからの日本の新しい音楽教育を創っていく人を育てようとしています。具体的には、教育現場や教育行政でリーダーとなる教師、音楽教育の研究者、地域社会の文化発展に新しい発想の出せる指導者を育てることを目指しています。

こういう学習ができる-今までの音楽の継承と新しい音楽の創造

 カリキュラムの基本理念は、これまでの音楽の継承と新しい音楽の創造です。これまでの音楽をきちんと学ぶことは大事なことです。しかし、大学の先生に教えてもらったことをまた子どもに教えていくというだけではありません。そこではピアノを弾くとか歌曲を歌うというような活動を通して、音楽表現をするという姿勢が重要視されています。音楽表現をするという行為は、小学生でも中学生でも音楽の専門家でも本質的には同じことです。したがって、そういう自分自身が音楽表現をするという経験をすることで、子どもへの対し方がわかってきます。音楽については、実技とともに理論的な勉強もします。それは人間が生み出した音楽を、その過程と背景と作品・演奏まで大きく捉えて理解します。
 また特徴的な科目としては、音楽教育学があります。大阪教育大学では、20余年も前に全国の教員養成大学に先駆け、音楽教育を指導法の域を越えた一つの学問領域として扱う授業科目を置きました。今や音楽教育の原理から、世界の音楽教育の動向、日本の伝統音楽の教育方法の構築、現場の授業実践を対象とした教育実践学等に及ぶ充実したカリキュラムになっています。卒業に際して、演奏や作品創作と同時に、音楽教育に関する論文を全員に課しているのも全国ではまれでしょう。社会人として、教師として、いろいろな知見をもとに自分の考えを論理的に語れることは重要な能力です。また、大学院へ進み、音楽教育の研究を進めていく基礎となります。

こういう職業に就ける

 今年度の卒業生は、大学院進学(外国の大学院を含む)、教師(幼稚園を含む)、講師などになっています。
 近年全国の都道府県で教員採用が抑えられていましたが、徐々に回復しつつあり、卒業年度、採用試験に通らなかった学生も1、2年講師をして、その後合格していっています。

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《音楽に関わる実技面・理論面の科目》 

 実技面については、まず「ソルフェージュ」では音楽上での聴き、読み、書く力の育成、「演奏表現(こえ)」「演奏表現(ピアノ)」「創作表現」では、歌唱やピアノによる演奏表現の基礎的演奏能力と表現力、創作の基礎理論の獲得と音楽作品を創り上げる力を育成することを目指します。「アンサンブル指導法」では、将来音楽の指導者となることを踏まえ、指揮を含むアンサンブルの指導法を、また「合唱」「合奏」では、声や器楽によるアンサンブルの演習を行います。これらの実技面で培われた力は、4回生において、「こえ」あるいは「ピアノ」を得意とする人は「演奏表現演習」で、また「創作」を得意とする人は「創作表現演習」で発展させ、卒業時には公開で演奏発表、作品発表を行います。
 さらに中学校コースでは、中学校学習指導要領で「小アンサンブル」や「和楽器」が指導事項であることを踏まえ、「器楽アンサンブル」「声楽アンサンブル」を設け、その中で和楽器も取り扱っています。なお、実技関係科目でのアンサンブルに関わる成果は定期演奏会で発表いたします。

 理論面については、「音楽学I」で日本を含む世界の様々な音楽の営みの原理を概観し、並行して「音楽学実習」で実習を行います。
 また中学校教員養成課程では、その基礎に立ち、「音楽学II」でさらに深め、「音楽行動論」では作品としての音楽ではなく、人が如何に音楽と関わっていくかという視点からダイナミックに音楽を捉えていきます。

《音楽教育に関わる科目》 

 教員養成、特に中学校では音楽専科教員の養成を行うという目的に沿って音楽教育に関わる必修科目が2回生から設置されています。
 まず、「音楽教育学I」「音楽科教育法」では音楽教育の理論的、実践的な学習を行い、「マルチメディア音楽教育論」ではコンピュータ操作の基礎、およびコンピュータを含むテクノロジーの音楽教育での可能性を探究します。これらの基礎に立ち、「音楽教育学II」等の科目で原理的、実践的な探究を重ねていきます。「総合演習」「教職入門」は教職専門科目ですが、教育実習を視野に入れ、現場の音楽科の教師を招き、音楽の教官がそれぞれの専門を生かして音楽教育的視点から語りかけます。

■開講科目一覧

 pdfファイルで表示されます。Adobe Readerをお持ちでない方はこちらからどうぞ。

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小学校コースのカリキュラム

 小学校コースでは、小学校教育において音楽教育の中心を担える人材の養成を目的としています。したがって、専門専攻科目では以下のように音楽に関わる実技面・理論面の勉学、および 音楽教育に関わる勉学ができるようなカリキュラムを設置しています。

中学校コースのカリキュラム

 中学校コースでは、中学校の音楽専科教員であり、しかも音楽教育においてリーダーシップをとれるような人材の育成を目指し、専門専攻科目では以下のように音楽に関わる実技面・理論面の勉学、および音楽教育に関わる勉学ができるよう、豊富な科目によるカリキュラムを設置しています。

小学校コースと中学校コースの違い

 小学校コース(以下、小音)と中学校コース(以下、中音)の大きな違いは卒業用件での取得免許の違いです。
 小音の卒業用件単位で取得できる教員免許状は【小学校教諭一種】で、卒業用件以外の単位を併せて取得することによって【中学校教諭一種(音楽)】、【高等学校教諭一種(音楽)】の取得も可能です(ただし,授業時間割上の制約によって希望する免許状が取得できるとは限りません)。
 中音の卒業用件単位で取得できる教員免許状は【中学校教諭一種(音楽)】、【高等学校教諭一種(音楽)】で、卒業用件以外の単位を併せて取得することによって【小学校教諭一種】の取得も可能です(ただし,授業時間割上の制約によって希望する免許状が取得できるとは限りません)。しかし中音の学生が【小学校教員一種】の免許状を取得することは、小音の学生が【中学校教諭一種(音楽)】、【高等学校教諭一種(音楽)】の免許状を取得することより難しいです。

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小学校教員養成課程芸術・体育系音楽専攻 卒業論文

  • わらべうた教材における子ども同士のコミュニケーション
  • 子どもが上手く歌えたと思うことの意味 ー表現活動における知覚・感受に着目してー
  • 子どもがいきいきと授業に取り組む要因 ー関心・意欲・態度を育てる教師のスキルー
  • 子どもが抱えるトラウマ体験への音楽療法の可能性

ーPTSD(心的外傷後ストレス障害)への音楽療法の適用事例から考察するー

  • 学校音楽教育におけるポピュラー音楽の可能性
  • 多重知能理論からみる授業計画

ー軽度発達障害(LD/ADHD/高機能自閉症)の子どもを中心にー

  • 「外国楽曲に日本語詞を載せること」に関する考察
  • 手話歌に関する一考察 ー聴覚障害者のための新たな音楽の創造を目指してー
  • 音楽科授業におけるピアノ伴奏の在り方 ーアンサンブル表現の視点からー
  • パフォーマンスを取り入れた鑑賞の授業
  • ジャズピアニストBill Evansの音楽性について ー映像作品の分析を通してー
  • オタク研究 ーオタクの思考、オタク文化の背景を探るー
  • 遊び歌が「子育て」において果たす有効性
  • 宮崎駿作品研究 ー『となりのトトロ』の魅力に迫るー


中学校教員養成課程音楽専攻 卒業論文

  • 音楽科授業におけるピアノ演奏導入法 ーピアノ演奏と身体・精神との関わりに着目してー
  • 音楽授業の導入場面の構成方法
  • こえを出すこと
  • 音楽と映像の関係性と、可視化教材における応用

ーディズニー映画《ファンタジア》より、「魔法使いの弟子を題材にして」ー

  • 興味・関心を喚起する音楽学習の場面づくり

(注)平成22年度入学生より小学校教員養成課程は小学校コース、中学校教員養成課程は中学校コースとなりました。

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