● どうして体力は必要なの??
● 今の子供の体力は??
● 新体力テストでは何を見ているの??
● 大阪府の子どもの体力と、全国の体力ってそんなに離れているの?
                             
   
       
       
       
       
                   
   
 どうして体力は必要なの??
   
    皆(みな)さんの中(なか)には「体力(たいりょく)=運動能力(うんどうのうりょく)(運動神経(うんどうしんけい))」とイメージされる方(ほう)が多(おお)いのではないでしょうか?もちろん、運動能力(うんどうのうりょく)は重要(じゅうよう)な体力要素(たいりょくようそ)のうちの1つですが、これからはもう少(すこ)し広(ひろ)い視野(しや)で体力(たいりょく)というものを知(し)っていただきたいと思(おも)います。    
       
       
    体力とは…
体力(たいりょく)とは、人(ひと)が運動(うんどう)するときに必要(ひつよう)となる筋力(きんりょく)や持久力(じきゅうりょく)などの「身体的(しんたいてき)な力(ちから)」、自(みずか)ら取(と)り組(く)もうとする意志(いし)などの「精神的(せいしんてき)な力(ちから)」の、大(おお)きくは二(ふた)つの要素(ようそ)からなるものです。(右図(みぎず)を見(み)てください)
 人(ひと)の運動(うんどう)には、スポーツだけではなく、日常(にちじょう)の生活(せいかつ)における、立(た)つ、歩(ある)く、座(すわ)るなどの運動(うんどう)も含(ふく)まれます。「朝礼(ちょうれい)などで、立(た)ち続(つづ)けるとフラフラする…」「階段(かいだん)や坂道(さかみち)などを歩(ある)くのは疲(つか)れる…」「体(からだ)を動(うご)かすのが面倒(めんどう)…」など、体力(たいりょく)にかかわる問題(もんだい)を数(かぞ)え上(あ)げるときりがありません。体力(たいりょく)は、人(ひと)が健康(けんこう)に生活(せいかつ)していくうえで欠(か)かすことのできない大切(たいせつ)な力(ちから)なのです。
子(こ)どもは体力(たいりょく)の向上(こうじょう)を!
大人(おとな)は体力(たいりょく)の維持(いじ)を!
   
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
                   
    とりわけ、小学校期(しょうがっこうき)の子(こ)どもは、脳(のう)や神経系(しんけいけい)の機能(きのう)が飛躍的(ひやくてき)に発達(はったつ)する時期(じき)ですから、いろいろな動(うご)き習得(しゅうとく)するのに最適(さいてき)な時期(じき)です。様々(さまざま)な運動(うんどう)をなめらかに上手(じょうず)にできるという力(ちから)は、この時期(じき)の適切(てきせつ)な運動(うんどう)の経験(けいけん)を通(とお)して、よりよく育(はぐく)まれます。言(い)い方(かた)を換(か)えると、この時期(じき)に適切(てきせつ)な運動経験(うんどうけいけん)の積(つ)み重(かさ)ねがない場合(ばあい)は、成人(せいじん)になってから動(うご)き(例(たと)えば、自転車(じてんしゃ)に乗(の)るための体(からだ)の動(うご)きなど)を習得(しゅうとく)するということはかなり難(むずか)しくなってきます。
(左図(ひだりず)をみてください)
 一般的(いっぱんてき)には、成人以降(せいじんいこう)になると、体力(たいりょく)をどんどん高(たか)めていくということは難(むずか)しく、子(こ)どもの頃(ころ)に高(たか)めた体力(たいりょく)の低下(ていか)のスピードをいかにゆるやかにしていくかが、健康(けんこう)な生活(せいかつ)を送(おく)るうえで重要(じゅうよう)な課題(かだい)になってきます。
 子(こ)どものころに体力(たいりょく)の基盤(きばん)をしっかり養(やしな)うことで、年齢(ねんれい)を重(かさ)ねていっても、明(あか)るく活力(かつりょく)ある生活(せいかつ)を送(おく)る事(こと)が出来(でき)るのです。
   
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
    「体力とは」で説明(せつめい)したとおり、体力(たいりょく)は体育(たいいく)やスポーツの場(ば)のみで必要(ひつよう)なわけではなく日常生活(にちじょうせいかつ)を過(す)ごすための大事(だいじ)な力(ちから)になるのです。
つまづいた時(とき)に顔(かお)からこけてしまったことはありませんか?
すぐに風邪(かぜ)をひいてしまいませんか?
長時間(ちょうじかん)同(おな)じ姿勢(しせい)(朝礼(ちょうれい)でのたちっぱなしなど)ができないことはありませんか?
授業
(じゅぎょう)
になかなか集中(しゅうちゅう)できないことはありませんか?
   
       
       
       
       
                  
 
 今の子どもの体力は??
   
   
近年(きんねん)「子(こ)どもの運動生活(うんどうせいかつ)の二極化(にきょくか)」が問題視(もんだいし)されています。これは、「運動(うんどう)する子(こ)どもはするけど、しない子(こ)どもはしない」という状況(じょうきょう)のことを指(さ)すものですが、両者(りょうしゃ)の幅(はば)が年々(ねんねん)大(おお)きくなっており、そのことが子(こ)どもの体力(たいりょく)を全体的(ぜんたいてき)に(平均(へいきん)で)みると、低下(ていか)させているのではないかとも考(かんが)えられます。
 都市化(としか)、機械化(きかいか)、情報化(じょうほうか)が進(すす)んだ今日(きょう)の社会(しゃかい)では、生活(せいかつ)が楽(らく)になるのと引(ひ)き換(か)えに、運動(うんどう)の機会(きかい)を減少(げんしょう)させることになります。また、テレビゲームの普及(ふきゅう)や遊(あそ)び場所(ばしょ)の減少(げんしょう)は、子(こ)どもの外遊(そとあそ)びや運動(うんどう)の機会(きかい)の減少(げんしょう)に拍車(はくしゃ)をかける結果(けっか)となってしまっています。
 子(こ)どもが、社会(しゃかい)を変(か)えていくことはできません。子(こ)どもが安心(あんしん)して活発(かっぱつ)に外遊(そとあそ)びや運動(うんどう)に親(した)しむことができる社会(しゃかい)を築(きず)いていくのは大人(おとな)の責任(せきにん)です。子(こ)どもの体力向上(たいりょくこうじょう)には、子(こ)どもの主体的(しゅたいてき)な努力(どりょく)を支(ささ)える
大人(おとな)の努力(どりょく)が不可欠(ふかけつ)です。                      

昭和(しょうわ)60年(ねん)と平成(へいせい)21年度(ねんど)の比較(ひかく)(男子(だんし))




昭和(しょうわ)60年(ねん)と平成(へいせい)21年度(ねんど)の比較(ひかく)(女子(じょし))
   
       
       
       
       
       
       
       
 新体力テストでは何を見ているの??
 我(わ)が国(くに)では、昭和(しょうわ)39年以来(ねんいらい)「体力(たいりょく)・運動能力調査(うんどうのうりょくちょうさ)」が実施(じっし)されていました。
 現在(げんざい)の「新体力(しんたいりょく)テスト」は、平成(へいせい)11年度(ねんど)の「体力(たいりょく)・運動能力調査(うんどうのうりょくちょうさ)」から導入(どうにゅう)されています。全国的(ぜんこくてき)な規模(きぼ)で毎年実施(まいとしじっし)されるものであることから、
体力(たいりょく)の向上(こうじょう)、低下(ていか)の指標(しひょう)として「新体力(しんたいりょく)テスト」の結果(けっか)が多方面(たほうめん)に利用(りよう)されています。
 しかし、「新体力(しんたいりょく)テスト」は、身体的要素(しんたいてきようそ)の体力(たいりょく)であり、その結果(けっか)から直接的(ちょくせつてき)に精神的要素(せいしんてきようそ)の体力(たいりょく)をみることはできません。
 大阪府の子どもの体力と、全国の体力の差ってそんなに離れているの?
     人間(にんげん)の健康(けんこう)や体力(たいりょく)について、良(よ)いか悪(わる)いか、高(たか)いか低(ひく)いかを評価(ひょうか)するための絶対的(ぜったいてき)な基準(きじゅん)が
明確(めいかく)にあるわけではありません。

 「大阪(おおさか)の子(こ)どもは体力(たいりょく)が低(ひく)い」と言(い)えるかどうかは、とても難(むずか)しい問題(もんだい)となります。しかしながら、全国規模(ぜんこくきぼ)で実施(じっし)される新体力(しんたいりょく)テストの結果(けっか)から、他(ほか)の都道府県(とどうふけん)の子(こ)どもとの相対的(そうたいてき)な比較(ひかく)は可能(かのう)となります。
 そこで、現在(げんざい)の方式(ほうしき)で新体力(しんたいりょく)テストが実施(じっし)されるようになった平成(へいせい)22年(ねん)から3年間(ねんかん)の結果(けっか)をもとに、大阪(おおさか)の子(こ)どもの体力(たいりょく)の現状(げんじょう)についてみていきます。

 下(した)の図(ず)をみてください。大阪府(おおさかふ)の子(こ)どもの体力(たいりょく)を100点(てん)満点中何点(まんてんちゅうなんてん)かをあらわしたものです。
   
         
    小(しょう)・中学校(ちゅうがっこう)の男女(だんじょ)ともに、50点以下(てんいか)ですね。もうちょっと大(おお)きくしてみましょう。    
           
     一番高(いちばんたか)い点(てん)が平成(へいせい)20年(ねん)の中学校女子(ちゅうがっこうじょし)の17点(てん)ですね。平成(へいせい)22年(ねん)は中学校男子(ちゅうがっこうだんし)と小学校女子(しょうがっこうじょし)は0点(てん)です。この点数(てんすう)を国語(こくご)や算数(さんすう)・数学(すうがく)のテストで出(だ)してしまったらどうしましょう!!
 大阪(おおさか)の子(こ)どもの体力(たいりょく)は低(ひく)いといえそうです。しかも、(種目(しゅもく)によっては順位(じゅんい)をあげているものもありますが)体力合計点(たいりょくごうけいてん)でみると、年々低下傾向(ねんねんていかけいこう)を示(しめ)しています。この結果(けっか)は、あくまでも、身体的側面(しんたいてきそくめん)の体力(たいりょく)について、他(ほか)の都道府県(とどうふけん)との比較(ひかく)で相対的(そうたいてき)に評価(ひょうか)したものですが、客観的(きゃっかんてき)な事実(じじつ)として受(う)け止(と)め、大阪(おおさか)の子(こ)どもの体力向上(たいりょくこうじょう)・健康(けんこう)に育(そだ)つ力(ちから)がさらに強力(きょうりょく)に推(お)し進(すす)められることの大切(たいせつ)さを示(しめ)すものと考(かんが)えられます。
   
       
       
       
       
       
       
   
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大阪教育大学 保健体育講座 赤松 喜久