国立大学法人 大阪教育大学

道徳教育学分野

道徳教育学分野(学校教育教員養成課程・小中教育専攻・学校教育コース)では、「道徳授業をちゃんとできる小学校教員の養成」をめざしています。
 2015(平成27)年3月に学習指導要領が一部改訂され、これまで小学校と中学校において週1時間行われてきた「道徳の時間」は「特別の教科 道徳」に変わりました。引き続き数値による評価は行わないなど、実践の基本的な枠組みは教科化によって大きくは変化しません。しかし、いじめや情報モラル、あるいは持続可能な発展といった現代的課題に子ども達が主体的に向き合い、自ら道徳性を養っていけるよう、指導方法の工夫や新たな教材の開発、家庭や地域社会との連携などがこれまで以上に求められます。また、これらの取り組みを学校全体で展開していくためには、各学校で道徳教育の中心を担う「道徳教育推進教師」の力量形成が不可欠です。
 本分野は上記の社会的要請に応えるべく、道徳教育に関する確かな学識と技能を身に付け、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育を主導できる教員の養成に取り組んでいます。

分野紹介

入学を考えておられるみなさんへ

 道徳教育学分野のスタッフは上記の2名です。便宜上、「道徳教育学」を小林准教授、「道徳教育方法学」を金光教授が担当することになっていますが、皆さんの研究テーマと教員の専門領域に応じて、実質的に両教員の指導を同時に受けられる体制をとっています。
 具体的な卒業論文テーマとしては、道徳授業論や道徳そのものに関する理論的・実践的研究などが考えられます。過去の卒業論文題目を下記に掲載していますので参考にしてください。
なお、教育学分野・心理学分野と同様、道徳教育学分野も小学校一種免許状取得が卒業要件となっています。3年次の9月に行う小学校での基本実習(教育実習)は必修です。くれぐれもご注意ください。

卒業後の進路

 前身の教育科学専攻道徳教育学コースの卒業生も含めた直近の5年間では、半数以上の卒業生が教員就職しています(うち8割以上が教諭)。大学院進学者を除いた就職率はほぼ10割です。卒業生は本コースでの学びを基礎に、小学校をはじめとする様々な方面で活躍しています。

卒業論文題目

2022年度

  • アメリカンドリームの神話性―アメリカ社会への扇動となる病理―
  • 学習指導要領における興味及び関心の考察―分析による課題の発見とその解決に向けての提案―
  • 趣味・娯楽における他生物の生命操作への倫理的懸念―競走馬の薬物による安楽死処分を手がかりとして―
  • 道徳科における対話的な学びの検討―O.F.ボルノーなど対話に関する研究を手掛かりに―
  • 変革のための「対話」とその方法の模索

2021年度

  • バッドエンドの物語は子どもにどのように影響するのか
  • 挫折に焦点化した伝記教材の検討
  • 韓国の道徳教育と日本の道徳教育の比較 ―文化的宗教的背景からくる両国における道徳教育の差異の分析を手掛かりに―
  • 日本の道徳教育におけるイングランドの市民性教育の導入の可能性 ―2国のいじめに対する取り組みに注目して―
  • 日本における不倫による悲嘆との向き合い方 ―悲嘆の受容による人格の成長―
  • SNSにおける誹謗中傷と道徳教育
  • 現在の女性の幸せの在り方についてディズニープリンセス映画から考える
  • 修身科の教育的価値の利用 ―岩瀬六郎の実践を通して―
  • 児童の仲直りに対する適切な教師の介入について

2020年度

  • 「言い方が悪い」に関する考察と提案―教育関係論をもとに―
  • 日本人における不寛容の背景と寛容への道
  • 不思議なボディビルの世界

分野カリキュラム

履修の流れ

 道徳教育学分野では、小学校一種免許状取得に必要な教職専門科目に加え、大まかに次のような過程で分野専門科目を履修していきます。下記の科目を含めて、道徳教育について学ぶ専門科目を20単位以上開設しています。

2回生

次の科目を履修することで、道徳教育に関する力量形成に不可欠な基礎的学識を習得します。

「道徳的価値論」「道徳的行為論」「西洋道徳思想史」「道徳性発達心理学」

3回生

卒論作成に向け、基本的研究方法等についてゼミ形式で学習します。
2人の教員が開講する「演習Iab」を2単位以上履修します。
また、「道徳授業論」で指導案作成を中心に道徳授業の実践指導を行います。

4回生

卒論指導教員による「演習IIab」(両教員の指導を受けることも可)を履修して、卒業論文を作成します。

last update: 2023/04/08
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