研究室の概要
1:研究概要  2:卒論と修論  3:研究室の一年  大阪教育大学TOP教育研究紹介家政教育食物学研究室研究室概要

§1 研究内容の概要   

●大学院を受験したいと思う人は必ず事前に教員と相談(メール・電話・来訪など)してください●

■ とろみ特性を有する多糖類に関する研究

食物繊維って知っていますか?食物繊維はセルロースばかりではありません。消化されにくい多糖類も含まれています。
たとえば、寒天(アガロース)やペクチンなども食物繊維です。なかにはいろいろな食感を持つものがあります。そのなか
で、特徴のある特性を持つ多糖類の基本的な性質や構造について考えてみましょう。 ふわふわした柔らかな食感が「おい
しい」と感じられる重要な要因である食品もあります。また、糖鎖に置換するたんぱく質(レクチン)もテクスチャーに
影響している場合もあるかもしれません。レクチンはさまざまな生理活性を示すたんぱく質として注目される成分です。

■ 食物(野菜)のおいしさに関わる研究

「おいしさ」は五感を働かせて得ることができる精神的かつ主観的・複合的なな満足感です。単に味の良さを指す表現ではありません。
でも、食物がおいしくないと食べる気にならないし、食べることでストレス解消にもなります。
食べ物そのものばかりでなく、「おいしく作る調理方法」も「おいしく食べる環境」も、「おいしさ」を考えるには重要です。
他にも色や香り、外的環境など、おいしさを支える要因は多彩です。今や、「健康によい」に押され気味ですが、
私たちが日常的に感じるおいしさの基本はやはり「食べ物に含まれる化学的成分含有量」や「食べ物の物理的性質」かな、と思います。
もちろん、「健康によい」を考えてみるのも悪くないことです。
漠然と考えるのではなく、「ゆでたキャベツの甘み」のように具体的に絞ると実験しやすくなりますね。

■ 植物色素の機能性に関する研究

色素とは色を出す化合物です。天然染料・着色料としても使われますが、ヒトの健康に対しても重要な役割を担っています。
例えば生体内の脂質に関する酸化抑制、正常細胞がガン細胞に変異しないようにする、血圧や血糖値の微妙な調節などです。
多くは野菜や果物などに含まれている色素ですが、野菜の摂取量は目標摂取量より少ないのが現状のようです。
健康維持のために野菜を食べる・・・ことの意義について実験を通して考えてみましょう。
サプリメントよりも基本的な食品を摂取することのメリットはたくさんあるはずです。
今では、健康・栄養に関する表示も多いですから、それらの表示を適切に理解するのにも役立つと思います。
「健康に良い」ではなくて、「おいしいな」と感じながら積極的に野菜を食べたいものですね。

■ その他

こんな卒論をやってみたいという案があれば、積極的に相談してください。食物学は幅広い領域を包括していますが、
教員の専門性や設備、指導上の問題から、何でもできるとは限りません。まずは講義のなかで基礎知識を学び、
いろいろな本を読んだりインターネットで調べたり、場合によっては、過去の卒論なども読んでみる、学生実験の教科
書を見直すなどして知識を増やしながら、自分のやりたいこと、こんなのどうかなと思うことを探してみてください。
きっと何かみつかるはず。勉強の仕方がイマイチ・・・という場合も遠慮なく相談しましょう。

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§2 最近の卒論・修論のタイトル一覧

●過去5年間分の卒業論文のテーマです。食物学実験などの授業に関するシラバスはシラバス検索からご覧ください●

●もっと古いタイトルを見たい人はこちらからどうぞ(タイトルのみ)●

<2018年度>

  
  • 豆腐を用いて調製した白玉団子の特性について(修士論文)
  • 多様な食文化に対応する調理実習の在り方
  • 米ぬかの利用拡大に向けて〜小麦粉製品への利用を検討する〜
  •    
  • 凍り豆腐を用いたクッキーの特性―凍り豆腐の素材としての有用性の検討―
  •    
  • 少量の餅の調製方法の検討
  •    
  • 炊飯器炊飯との比較を通した電子レンジ炊飯による米飯のおいしさ評価
  •    
  • オーブンを用いたナスの包み焼きにおけるポリフェノール含有量とポリフェノール酸化酵素に関する検討
  •    
  • オーブンを用いた加熱調理における赤パプリカの呈味成分の変動について
  •    
  • キャベツの甘味評価におけるモデル圧縮システムに関する基礎的検討
   

<2017年度>

  
  • 大学生の野菜の摂取意識と調理方法に関する一考察
  • 和食教材としての小豆餡のテクスチャーに関する検討
  • モデル咀嚼システムを活用した蒸しキャベツにおける遊離アミノ酸含有量の検討
  •    
  • クエン酸の添加がゴボウの軟化とクロロゲン酸溶出量に及ぼす影響
  •    
  • ナスの低温スチーミングにおける機能性物質の変動
  •    
  • 乾燥野菜の成分変化と物性に関する研究
  •    
  • 塩こうじの酵素活性と食材に及ぼす効果
   

<2016年度>

  
  • うどん調製時のこねと「コシ」の関連性について
  • クッキーのショートネスにおよぼすグルテン量とドウミキシングの影響
  • ウメ糖抽出液におけるウメインベルターゼ活性とグルコース量の変化-果実品種および前処理による違いについて-
  • ジェランガムを用いたショ糖添加ゲルの物性とそのゲルを用いた咀嚼試験に関する予備的検討
   

<2015年度>

   
  • 食物繊維添加におけるパンの物性に及ぼす影響
  • トマトパウダーを添加したケーキの物性について
  • クリープメータを用いた蒸しキャベツの甘味溶出量の変動
  • 市販ゴボウの機能性成分含有量とラジカル捕捉活性に関する研究
   

<2014年度>

  
  • 塩麹を用いたパン作りについて
  • ジェランガムゲルのゲル特性が官能評価に及ぼす影響について
  • ナスの加熱調理における抗酸化性および機能性物質の変動に及ぼす品種の影響
   

<2013年度>

  
  • タピオカでんぷん調製わらび餅のテクスチャーに関する一考察
  • 小学校における食物アレルギー対応について
  • おからクッキーの特性−おからパウダー配合割合による違いの検討−
  • 豆腐を用いた白玉生地の特性について
  •   
  • 乾熱処理小麦粉を用いたクッキー調製に関する一考察
  •    
  • 大阪府下の小学校に勤務する教員の食行動と児童の食生活上の問題意識の関連
  •    
  • キャベツの蒸し調理によるテクスチャーの変化
  

<2012年度>

  • 水分率と糖度及びテクスチャーに着目した野菜の分類
  • コーンスターチゲルを用いたショ糖リリースに関する基礎的研究
  • ナスの加熱調理過程における抗酸化性及び機能性物質の変動
  • 豆腐を使った白玉団子の物性変化について

<2011年度>

  • 電子レンジを用いてつくるクッキーの物性
  • 豆腐を使って調製した白玉団子について
  • 異なる評価尺度を用いた官能検査によるエダマメの嗜好性に関する研究

<2010年度>

  • 米粉混合ベーグルの調理特性

<2009年度>

  • ラット小腸モデルにおけるケルセチン配糖体の加水分解と置換グルコース数について(修士論文)
  • 積極的な緑黄色野菜の摂取が生活習慣病指標に与える影響(修士論文)
  • クロロゲン酸を基質としたリンゴ由来ポリフェノール酸化酵素とフラボノイドとの反応に関する研究(修士論文)
  • フードプロセッサーを利用したスイートポテトの調理製法について −食味、組織構造、物性−
  • 大阪教育大学学生における、食への興味・食行動について −運動部加入の有無の影響−

<2008年度>

  • シソの機能性成分含有量に及ぼす生育過程および加工の影響
  • 米粉混合ベーグルの調理特性
  • ゲルの冷却条件とそのレオロジーに関する一考察
  • ホウレンソウの調理過程における抗酸化性物質含有量の変動に関する比較研究
  • ごはんの色に対する意識調査―大阪教育大学の学生を対象としたアンケート調査―
  • 「地産地消」および「大阪産農林水産物」に関する認知度・関心度について―大阪教育大学の学生の場合―

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§3 研究室の一年

  • 【3年10月以降】 3年生はぼちぼち卒論について考え始めましょう。先手必勝!
  • 【2月〜】 卒論発表会も見たことだし、採用試験対策や就職活動等に勤しみましょう。
  • 【4月】 卒論発表会後に分属があるので、そこで配属が決まった新3年生を歓迎します!!
  • 【夏休み前】 生活演習Uの最後に卒論中間発表会があります。 
  • 【夏休み】 試験が続いているヒトもいますが、そろそろ本腰を入れて卒論を頑張ろう。
  • 【12月下旬】 卒論の下書きをだします。 忘年会もやりますか?
  • 【冬休み】 年末年始に余裕が欲しいと思えば実験は計画的に。 1月31日が提出です。
  • 【2月上旬】 卒論発表会が開催されます。
  • 【春休み】 4年は研究室の片づけ&掃除も頑張ってください。

§4 食品の機能(参考)

■ 食品の機能って?

食品には<一次機能><二次機能><三次機能>があります。食品は積極的にヒトの健康に関与し、
健康に対する3つの機能を持つ という考え方です。



<一次機能>
ヒトが食品・食物に対して最初に求めるものです。栄養成分や水分などを指しています。ヒトにとって栄養になりそうな成分がない植物、例え
ばアジサイのように花を楽しむ植物や、トリカブトのような有毒植物などは食品ではありません。花崗岩(かこうがん)のような岩や土も食品
ではありません。私たちは、自然にあるものが「食品」か「食品でない」かを栄養素の有無と消化の可能性から判断しているようです。
結構難しいことをいとも簡単にやってしまうところに人間のすごさがあると思います。

<二次機能>
とてもおなかがすいている時には、少々嫌いなものでも、食べてみてそんなにおいしくないなあと思っても、目前の料理を食べますよね。
食べなければ食事抜きになりかねない場合は、料理に対して文句も言えません。でも、そんなにおなかがすいていなかったり、選べる食べ物
が多かったりする場合なら、少しでもおいしそうなもの、自分の好みにあうものを選びませんか?例えば、ランチバイキングに行ったときなん
かを想像してみてください。常にこういう状態だと好き嫌いも治りにくくなるし、いろいろ文句も出てこようというものです。おいしさを成分
的に評価する場合は、「色・味・香り・テクスチャー」などが影響しやすいので、おいしさに影響を与える因子を二次機能と呼びます。

<三次機能>
そんなに飢えることもないし、おいしいものも比較的簡単に手に入る、となると、少しでも長生きしたい、いつまでも若くきれいでいたい、健康
4でありたい、と思うのではないでしょうか。よく、風邪をひいたらショウガをすって飲んだり、夏ばてしやすい時にはうなぎを食べたりしますね。
体調に合わせて調理方法や食品を選んで食べる方法は手軽に実行できることもあり、昔から東洋医学では一般的に行われています。
中国では、「薬膳」という料理スタイルもあるようです。これは、食品にも体に良い作用を与える成分が含まれていることを意味しています。
サプリメントや健康食品ばかりが注目されがちですが、食生活指針にのっとって日常の食生活を大事 にすることは、この食品の三次機能
を最大限に生かすことにつながります。三次機能のいろいろな活性についてのメカニズムは現在遺伝子 レベルでの解析が盛んに行われ、
アレルギーのでにくい米のような食品も商品化されています。これらの一部が特定保健用食品です。現在では、オリゴ糖やイソフラボン、
各種の乳酸菌など、さまざまな成分が関与成分に指定されています。サプリメントは特定の成分(栄養素など)を抽出し、粒状や固形状に
したもので、なかには栄養機能食品になっているものもあります。多くの健康食品は用途を見極めて適切に用いるか、できれば多様な食品
を摂取するようにして、特定保健用食品や栄養機能食品の助けを受けなくても健康を維持できるようにしたいものです。

§5 同窓会の様子(番外編)

■ 2008年度同窓会の様子
竹井瑤子先生が2008年7月末で退職されました。2009年4月に最終講義を兼ねた同窓会が開催されました。

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